JP2015034205A - 再生処理用潤滑油組成物、及び潤滑油基油の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用済みとなっても簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油として再利用可能な再生処理用潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を、前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上であり、リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を、前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上であり、リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる。
【選択図】なし
Description
本発明は、再生処理を施すことによって再利用可能な再生処理用潤滑油組成物、及び使用済みの再生処理用潤滑油組成物から潤滑油基油を製造する方法に関する。
自動車等の内燃機関用の潤滑油組成物は、鉱油、合成油等の基油に、各種添加剤が加えられて、要求される潤滑特性を満足するように調整されている。これらの潤滑油組成物は、一旦使用されると、使用済み潤滑油組成物として回収されている。
使用済み潤滑油組成物(以下、廃潤滑油ともいう)を再生処理する方法としては、廃潤滑油をエチレンジアミン四酢酸等のキレート剤の水溶液と混合し、接触させて、重金属及びアルカリ土金属を錯塩化して水溶液側に移行させた後に、遠心分離等の物理的操作により、水溶液と潤滑油分を分離した後、高質な燃料油等に再生する処理方法がある(特許文献1参照)。
また、廃潤滑油中の水や浮遊するゴミを除去し、濃硫酸を加えて静置した後、遠心分離により硫酸スラッジを分離した後、残渣分を加熱処理を行い中和し、次いで更に軽質油分を減圧蒸留で除去してから廃白土を濾過し、更に減圧脱気脱臭の後、再濾過して再生重油を得る方法がある(特許文献2参照)。
このように、廃潤滑油は、再生処理の後、再生重油のように熱源として利用されるか、焼却処分されるに留まっている。また、特許文献2の方法では、硫酸スラッジや廃白土による二次公害のおそれも懸念され、再生重油として利用するにも、金属分を規定値以下にすることは難しかった。
使用済み潤滑油組成物(以下、廃潤滑油ともいう)を再生処理する方法としては、廃潤滑油をエチレンジアミン四酢酸等のキレート剤の水溶液と混合し、接触させて、重金属及びアルカリ土金属を錯塩化して水溶液側に移行させた後に、遠心分離等の物理的操作により、水溶液と潤滑油分を分離した後、高質な燃料油等に再生する処理方法がある(特許文献1参照)。
また、廃潤滑油中の水や浮遊するゴミを除去し、濃硫酸を加えて静置した後、遠心分離により硫酸スラッジを分離した後、残渣分を加熱処理を行い中和し、次いで更に軽質油分を減圧蒸留で除去してから廃白土を濾過し、更に減圧脱気脱臭の後、再濾過して再生重油を得る方法がある(特許文献2参照)。
このように、廃潤滑油は、再生処理の後、再生重油のように熱源として利用されるか、焼却処分されるに留まっている。また、特許文献2の方法では、硫酸スラッジや廃白土による二次公害のおそれも懸念され、再生重油として利用するにも、金属分を規定値以下にすることは難しかった。
上述したように、使用済みの潤滑油組成物を再度利用可能にする方法は、種々提案されている。しかし、再度利用可能にする処理に、再生利用に見合わない多大なコストが掛かるため、普及に至らないのが実情であった。また、近年、地球温暖化等の環境問題と、石油資源の枯渇に対する懸念から、使用済みの潤滑油組成物を、熱源としてではなく潤滑油組成物又は潤滑油基油として再度利用できることが望まれている。
本発明の課題は、使用済みとなっても簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油として再利用可能な再生処理用潤滑油組成物を提供することである。また、使用済みの再生処理用潤滑油組成物に簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油を製造する方法を提供することである。
本発明の課題は、使用済みとなっても簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油として再利用可能な再生処理用潤滑油組成物を提供することである。また、使用済みの再生処理用潤滑油組成物に簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油を製造する方法を提供することである。
本発明者は、特定の無灰分散剤を用いて、硫酸灰分量とリン量とを特定範囲にすることにより、簡便な再生処理を施すことによって再利用できる再生処理用潤滑油組成物を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を含み、前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上であり、リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる。
すなわち、本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を含み、前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上であり、リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる。
本発明によれば、使用済みとなっても簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油として再利用可能な再生処理用潤滑油組成物を提供することができる。また、使用済みの再生処理用潤滑油組成物に簡便な再生処理を施すことによって、潤滑油基油を製造する方法を提供することができる。
[再生処理用潤滑油組成物]
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を含む。
前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれる。
前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれる。
また、前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上である。
また、リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる。
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を含む。
前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれる。
前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれる。
また、前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上である。
また、リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる。
[基油]
本組成物の基油は、鉱油でも合成油でもよい。この鉱油や合成油の種類に制限はなく、従来、潤滑油組成物の基油として使用されている鉱油や合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶媒脱れき、溶媒抽出、水素化分解、溶媒脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の1つ以上の処理を行って精製した鉱油、あるいはワックス、GTL WAXを異性化することによって製造される鉱油等が挙げられる。
合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン[α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)等]、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル等),各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテル等)、ポリグリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。これらの合成油のうち、粘度特性、添加剤の溶解性及びシールゴムへの適合性の観点より特にポリオレフィン、ポリオールエステルが好ましい。
本発明では、上記鉱油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油1種以上と合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
本組成物の基油は、鉱油でも合成油でもよい。この鉱油や合成油の種類に制限はなく、従来、潤滑油組成物の基油として使用されている鉱油や合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶媒脱れき、溶媒抽出、水素化分解、溶媒脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の1つ以上の処理を行って精製した鉱油、あるいはワックス、GTL WAXを異性化することによって製造される鉱油等が挙げられる。
合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン[α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)等]、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル等),各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテル等)、ポリグリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。これらの合成油のうち、粘度特性、添加剤の溶解性及びシールゴムへの適合性の観点より特にポリオレフィン、ポリオールエステルが好ましい。
本発明では、上記鉱油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油1種以上と合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
基油の粘度については特に制限はなく、潤滑油組成物の用途に応じて選択できる。基油の粘度は、100℃における動粘度が、通常、2mm2/s以上30mm2/s以下、好ましくは3mm2/s以上15mm2/s以下、特に好ましくは4mm2/s以上10mm2/s以下である。100℃における動粘度が2mm2/s以上であると蒸発損失が少なく、また30mm2/s以下であると、粘性抵抗による動力損失が抑制され、燃費改善効果が得られる。
また、基油は、ASTM D 3238−85に準拠したn−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CPと記載する)が60%以上である。%CPが60%未満であると、酸化安定性が悪く、酸価の上昇やスラッジが発生しやすくなる。上述の観点から、%CPは、65%以上であることが好ましく、より好ましくは、70%以上である。
基油の粘度指数は、100以上である。好ましくは、105以上、さらに好ましくは、110以上である。基油の粘度指数が100未満であると、温度の変化による粘度変化が大きく、低温における燃費改善効果が低減する。
基油の粘度指数は、100以上である。好ましくは、105以上、さらに好ましくは、110以上である。基油の粘度指数が100未満であると、温度の変化による粘度変化が大きく、低温における燃費改善効果が低減する。
[(A)成分]
(A)成分は、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤である。
(A)成分がアルケニルコハク酸イミド又はアルキルコハク酸イミドのホウ素化物を含む場合には、高温清浄性が一層高められる。
本実施形態においてコハク酸イミドは、モノイミド構造及びビスイミド構造を含む。
モノイミド構造としては、アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミド単体に基づく構造と、アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物に基づく構造の双方が含まれる。アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドとしては、例えば、下記式(1)で示されるアルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドが挙げられる。
ビスイミド構造も同様に、アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミド単体に基づく構造と、アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドのホウ素化物に基づく構造の双方が含まれる。アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドとしては、例えば、下記式(2)で示されるアルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドが挙げられる。
(A)成分は、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤である。
(A)成分がアルケニルコハク酸イミド又はアルキルコハク酸イミドのホウ素化物を含む場合には、高温清浄性が一層高められる。
本実施形態においてコハク酸イミドは、モノイミド構造及びビスイミド構造を含む。
モノイミド構造としては、アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミド単体に基づく構造と、アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物に基づく構造の双方が含まれる。アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドとしては、例えば、下記式(1)で示されるアルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドが挙げられる。
ビスイミド構造も同様に、アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミド単体に基づく構造と、アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドのホウ素化物に基づく構造の双方が含まれる。アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドとしては、例えば、下記式(2)で示されるアルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドが挙げられる。
上記式(1)及び式(2)において、R1、R3及びR4は、アルケニル基若しくはアルキル基であり、質量平均分子量は、それぞれ、好ましくは500以上3,000以下、より好ましくは1,000以上3,000以下である。
上記したR1、R3及びR4の質量平均分子量が500以上であると、基油への溶解性が高くなり、3,000以下であると、清浄性の効果が期待できる。R3及びR4は同一でも異なっていてもよい。
R2、R5及びR6は、それぞれ炭素数2〜5のアルキレン基であり、R5及びR6は同一でも異なっていてもよい。mは1〜10の整数を示し、nは0又は1〜10の整数を示す。ここで、mは、好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4である。mが2以上であると、より一層良好な高温清浄性を与えることができ、mが5以下であると、基油に対する溶解性がより一層良好となる。
上記式(2)において、nは好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜3である。モノイミドと異なり、nが1以上であると、高温清浄性がより一層良好であり、nが4以下であると、基油に対する溶解性がより一層良好となる。
上記したR1、R3及びR4の質量平均分子量が500以上であると、基油への溶解性が高くなり、3,000以下であると、清浄性の効果が期待できる。R3及びR4は同一でも異なっていてもよい。
R2、R5及びR6は、それぞれ炭素数2〜5のアルキレン基であり、R5及びR6は同一でも異なっていてもよい。mは1〜10の整数を示し、nは0又は1〜10の整数を示す。ここで、mは、好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4である。mが2以上であると、より一層良好な高温清浄性を与えることができ、mが5以下であると、基油に対する溶解性がより一層良好となる。
上記式(2)において、nは好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜3である。モノイミドと異なり、nが1以上であると、高温清浄性がより一層良好であり、nが4以下であると、基油に対する溶解性がより一層良好となる。
アルケニル基としては、例えば、ポリブテニル基、ポリイソブテニル基、エチレン−プロピレン共重合体を挙げることができ、アルキル基としてはこれらを水添したものが挙げられる。好適なアルケニル基としては、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基が挙げられる。ポリブテニル基は、1−ブテンとイソブテンの混合物あるいは高純度のイソブテンを重合させたものとして好適に得られる。また、好適なアルキル基の代表例としては、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基を水添したものが挙げられる。
上記のアルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドは、通常、ポリオレフィンと無水マレイン酸との反応で得られるアルケニルコハク酸無水物、又はそれを水添して得られるアルキルコハク酸無水物を、ポリアミンと反応させることによって製造することができる。また、上記したコハク酸モノイミド及びコハク酸ビスイミドは、アルケニルコハク酸無水物若しくはアルキルコハク酸無水物とポリアミンとの反応比率を変えることによって製造することができる。
上記したポリオレフィンを形成するオレフィン単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンの1種又は2種以上を混合して用いることができるが、イソブテンと1−ブテンの混合物を好適に用いることができる。
一方、ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、及びペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン、アミノエチルピペラジン等のピペラジン誘導体を挙げることができる。
一方、ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、及びペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン、アミノエチルピペラジン等のピペラジン誘導体を挙げることができる。
また、アルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドのホウ素化物は、常法により製造したものを使用することができる。
例えば、上記のポリオレフィンを無水マレイン酸と反応させてアルケニルコハク酸無水物とした後、更に上記のポリアミンと酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、ホウ酸のアンモニウム塩等のホウ素化合物を反応させて得られる中間体と反応させてイミド化させることによって得られる。
例えば、上記のポリオレフィンを無水マレイン酸と反応させてアルケニルコハク酸無水物とした後、更に上記のポリアミンと酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、ホウ酸のアンモニウム塩等のホウ素化合物を反応させて得られる中間体と反応させてイミド化させることによって得られる。
(A)成分である分散剤は、組成物全量基準の窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれる。分散剤が窒素含有量換算で0.01質量%未満であると高温清浄性が悪くなり、0.3質量%を超えると酸化安定性が悪くなる。この観点から、(A)成分の含有量は、組成物全量基準の窒素含有量換算で、より好ましくは、0.02質量%以上0.30質量%以下であり、さらに好ましくは、0.05質量%以上0.28質量%以下である。
また、分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、分散剤中のホウ素と窒素の質量比(B/N比)は、0.5以上であり、より好ましくは0.6以上であり、さらに好ましくは0.8以上である。B/N比が0.5以上であると、高温清浄性が大きく向上する。
アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物は、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれる。
アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物又はアルキルコハク酸イミドのホウ素化物に由来するホウ素含有量が0.01質量%未満であると、十分な高温清浄性が得られない。また、0.3質量%を超えると、低温流動性が悪化する。この観点から、(A)成分中におけるアルケニルコハク酸イミドのホウ素化物又はアルキルコハク酸イミドのホウ素化物に由来するホウ素含有量は、ホウ素含有量換算で、好ましくは、0.02質量%以上0.28質量%以下、より好ましくは、0.03質量%以上0.25質量%以下である。
アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物又はアルキルコハク酸イミドのホウ素化物に由来するホウ素含有量が0.01質量%未満であると、十分な高温清浄性が得られない。また、0.3質量%を超えると、低温流動性が悪化する。この観点から、(A)成分中におけるアルケニルコハク酸イミドのホウ素化物又はアルキルコハク酸イミドのホウ素化物に由来するホウ素含有量は、ホウ素含有量換算で、好ましくは、0.02質量%以上0.28質量%以下、より好ましくは、0.03質量%以上0.25質量%以下である。
[(B)成分]
本組成物には、(B)成分として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方が含まれてもよい。潤滑油組成物に添加することのできる金属系清浄剤としては、アルカリ金属スルフォネート、アルカリ金属フェネート、アルカリ金属サリチレート、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート、及びアルカリ土類金属サリチレートから選ばれる1種以上の化合物が含まれる金属系清浄剤である。これらのなかでも、アルカリ金属スルフォネート又はアルカリ土類金属スルフォネートの少なくともいずれか一方であることが好ましい。
本組成物には、(B)成分として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方が含まれてもよい。潤滑油組成物に添加することのできる金属系清浄剤としては、アルカリ金属スルフォネート、アルカリ金属フェネート、アルカリ金属サリチレート、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート、及びアルカリ土類金属サリチレートから選ばれる1種以上の化合物が含まれる金属系清浄剤である。これらのなかでも、アルカリ金属スルフォネート又はアルカリ土類金属スルフォネートの少なくともいずれか一方であることが好ましい。
アルカリ土類金属スルフォネートとしては、分子量300〜1,500、好ましくは400〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ土類金属塩が挙げられる。特に、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属フェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ土類金属塩、特に、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属サリチレートとしては、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特に、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属系清浄剤を構成するアルキル基としては、炭素数4〜30のものが好ましく、より好ましくは6〜18のアルキル基であり、これらは直鎖状でも分枝状でもよい。これらはまた1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
アルカリ土類金属フェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ土類金属塩、特に、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属サリチレートとしては、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特に、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属系清浄剤を構成するアルキル基としては、炭素数4〜30のものが好ましく、より好ましくは6〜18のアルキル基であり、これらは直鎖状でも分枝状でもよい。これらはまた1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
また、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリチレートには、前述のアルキル芳香族スルフォン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物、アルキルサリチル酸等を、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1以上のアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と直接反応させて得られる中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリチレートが含まれる。
また、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリチレートには、前述のアルキル芳香族スルフォン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物、アルキルサリチル酸等を、一度、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換して得られる中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリチレートが含まれる。
さらに、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリチレートには、中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリチレートと、過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基とを水の存在下で加熱することにより得られる塩基性アルカリ土類金属スルフォネート、塩基性アルカリ土類金属フェネート及び塩基性アルカリ土類金属サリチレートが含まれる。
さらにまた、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリチレートには、炭酸ガスの存在下で中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリチレートを、アルカリ土類金属の炭酸塩又はホウ酸塩と反応させることにより得られる過塩基性アルカリ土類金属スルフォネート、過塩基性アルカリ土類金属フェネート及び過塩基性アルカリ土類金属サリチレートも含まれる。
アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリチレートは、上述したものから選ばれる1種又は2種以上を併用することができる。
アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリチレートは、上述したものから選ばれる1種又は2種以上を併用することができる。
金属系清浄剤としては、上記の中性塩、塩基性塩、過塩基性塩及びこれらの混合物等を用いることができ、特に過塩基性サリチレート、過塩基性フェネート、過塩基性スルフォネートの1種以上と中性スルフォネートとの混合がエンジン内部の清浄性、耐摩耗性において好ましい。金属系清浄剤は、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、入手可能である。金属系清浄剤の金属含有量が金属系清浄剤として1.0質量%以上20質量%以下、好ましくは2.0質量%以上16質量%以下のものを用いるのが望ましい。
金属系清浄剤の塩基価は、10mgKOH/g以上600mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは、20mgKOH/g以上500mgKOH/g以下が好ましい。なお、ここでいう全塩基価とは、JIS K 2501「石油製品および潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される電位差滴定法(塩基価・過塩素酸法)による全塩基価を意味する。
金属系清浄剤の含有量は、組成物全量基準で、0.10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.08質量%以下であり、さらに好ましくは、0.05質量%以下である。
金属系清浄剤の含有量は、組成物全量基準で、0.10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.08質量%以下であり、さらに好ましくは、0.05質量%以下である。
金属系清浄剤に含まれる金属比に特に制限はなく、通常20以下のものを1種又は2種以上混合して使用できるが、好ましくは、金属比が3以下、より好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.2以下の金属系清浄剤を必須成分とすることが、酸化安定性や塩基価維持性及び高温清浄性等により優れるため特に好ましい。なお、ここでいう金属比とは、金属系清浄剤における金属元素の価数×金属元素含有量(mol%)/せっけん基含有量(mol%)で表され、金属元素とはカルシウム、マグネシウム等、せっけん基とはスルフォン酸基、フェノール基及びサリチル酸基等を意味する。
[(C)成分]
本組成物には、(C)成分として、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及びモリブデン系酸化防止剤のいずれか1種以上の酸化防止剤が含まれてもよい。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、フェノール系やアミン系等の酸化防止剤を用いることができる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール;2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド;n−オクチル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。これらの中で、特にビスフェノール系及びエステル基含有フェノール系のものが好適である。
本組成物には、(C)成分として、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及びモリブデン系酸化防止剤のいずれか1種以上の酸化防止剤が含まれてもよい。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、フェノール系やアミン系等の酸化防止剤を用いることができる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール;2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド;n−オクチル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。これらの中で、特にビスフェノール系及びエステル基含有フェノール系のものが好適である。
また、アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミン等のモノアルキルジフェニルアミン系;4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミン等のジアルキルジフェニルアミン系;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミン等のポリアルキルジフェニルアミン系;及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミン等のアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。これらの中で、ナフチルアミン系よりジフェニルアミン系の方が、酸化防止効果の点から好ましい。
また、本発明においては、モリブデンアミン系酸化防止剤を使用することもできる。モリブデンアミン系酸化防止剤としては、6価のモリブデン化合物、具体的には三酸化モリブデン及び/又はモリブデン酸とアミン化合物とを反応させてなるもの、例えば特開2003−252887号公報に記載の製造方法で得られる化合物を用いることができる。
6価のモリブデン化合物と反応させるアミン化合物としては特に制限されない。具体的には、モノアミン、ジアミン、ポリアミン及びアルカノールアミンが挙げられる。より具体的には、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。また、特公平3−22438号公報及び特開2004−2866公報に記載されているコハク酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体等が例示できる。
6価のモリブデン化合物と反応させるアミン化合物としては特に制限されない。具体的には、モノアミン、ジアミン、ポリアミン及びアルカノールアミンが挙げられる。より具体的には、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。また、特公平3−22438号公報及び特開2004−2866公報に記載されているコハク酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体等が例示できる。
<酸化防止剤の含有量>
酸化防止剤の含有量は、基油との相溶性の観点から、組成物全量基準で、0.3質量%以上3.0質量%以下が好ましい。また、0.4質量%以上3.0質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上2.5質量%以下がより一層好ましく、0.5質量%以上2質量%以下が特に好ましい。酸化防止剤が組成物全量基準で0.3質量%以上であれば酸価の上昇を抑えることができ、3.0質量%以下では潤滑油基油に対する溶解性が担保できる。
酸化防止剤の含有量は、基油との相溶性の観点から、組成物全量基準で、0.3質量%以上3.0質量%以下が好ましい。また、0.4質量%以上3.0質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上2.5質量%以下がより一層好ましく、0.5質量%以上2質量%以下が特に好ましい。酸化防止剤が組成物全量基準で0.3質量%以上であれば酸価の上昇を抑えることができ、3.0質量%以下では潤滑油基油に対する溶解性が担保できる。
[その他の成分]
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、極圧剤、耐摩耗剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤、さらに他の添加剤が含まれていてもよい。
<耐摩耗剤又は極圧剤>
耐摩耗剤又は極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデン、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、硫化エステル類、チオカーボネート類、チオカーバメート類、ポリサルファイド類等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等のリン含有化合物;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、チオホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等の硫黄及びリン含有耐摩耗剤が挙げられる。
他の耐摩耗剤又は極圧剤を必要に応じて含有する場合、他の耐摩耗剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、亜鉛として元素換算で600質量ppm以下である。好ましくは、0質量ppm以上500質量ppm以下、より好ましくは0質量ppm以上400質量ppm以下である。
また、他の耐摩耗剤又は極圧剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、リンとして元素換算で500質量ppm以下である。好ましくは、0質量ppm以上400質量ppm以下、より好ましくは0質量ppm以上300質量ppm以下である。亜鉛の含有量が600質量ppm以下、リンの含有量が500質量ppm以下であると、潤滑油組成物中、例えば、エンジン油中の塩基性化合物を消耗し更油期間が極端に短くなることがない。
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、極圧剤、耐摩耗剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤、さらに他の添加剤が含まれていてもよい。
<耐摩耗剤又は極圧剤>
耐摩耗剤又は極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデン、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、硫化エステル類、チオカーボネート類、チオカーバメート類、ポリサルファイド類等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等のリン含有化合物;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、チオホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等の硫黄及びリン含有耐摩耗剤が挙げられる。
他の耐摩耗剤又は極圧剤を必要に応じて含有する場合、他の耐摩耗剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、亜鉛として元素換算で600質量ppm以下である。好ましくは、0質量ppm以上500質量ppm以下、より好ましくは0質量ppm以上400質量ppm以下である。
また、他の耐摩耗剤又は極圧剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、リンとして元素換算で500質量ppm以下である。好ましくは、0質量ppm以上400質量ppm以下、より好ましくは0質量ppm以上300質量ppm以下である。亜鉛の含有量が600質量ppm以下、リンの含有量が500質量ppm以下であると、潤滑油組成物中、例えば、エンジン油中の塩基性化合物を消耗し更油期間が極端に短くなることがない。
<粘度指数向上剤>
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体等)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等)等が挙げられる。これら粘度指数向上剤の含有量は、粘度指数が向上する効果が得られる点から、組成物全量基準で、0.5質量%以上15質量%以下であり、好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体等)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等)等が挙げられる。これら粘度指数向上剤の含有量は、粘度指数が向上する効果が得られる点から、組成物全量基準で、0.5質量%以上15質量%以下であり、好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
<流動点降下剤>
流動点降下剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、例えば、質量平均分子量が5,000以上50,000以下のポリメタクリレートが好ましく用いられる。これらは、組成物全量基準で、0.1質量%以上5質量%以下の割合で使用される。
流動点降下剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、例えば、質量平均分子量が5,000以上50,000以下のポリメタクリレートが好ましく用いられる。これらは、組成物全量基準で、0.1質量%以上5質量%以下の割合で使用される。
<防錆剤>
防錆剤としては、石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。これら防錆剤の含有量は、防錆効果が得られる点から、組成物全量基準で、0.01質量%以上1質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下である。
防錆剤としては、石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。これら防錆剤の含有量は、防錆効果が得られる点から、組成物全量基準で、0.01質量%以上1質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下である。
<金属不活性化剤>
金属不活性化剤(銅腐食防止剤)としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系及びピリミジン系化合物等が挙げられる。この中でベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。金属不活性化剤が含まれることでエンジン部品の金属腐食及び酸化劣化を抑制することができる。これら金属不活性化剤の含有量は、金属腐食及び酸化劣化の抑制効果が得られる点から、組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上0.05質量%以下である。
金属不活性化剤(銅腐食防止剤)としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系及びピリミジン系化合物等が挙げられる。この中でベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。金属不活性化剤が含まれることでエンジン部品の金属腐食及び酸化劣化を抑制することができる。これら金属不活性化剤の含有量は、金属腐食及び酸化劣化の抑制効果が得られる点から、組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上0.05質量%以下である。
<消泡剤>
消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられ、消泡効果及び経済性のバランス等の点から、組成物全量基準において、0.005質量%以上0.1質量%以下含まれることが好ましい。
消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられ、消泡効果及び経済性のバランス等の点から、組成物全量基準において、0.005質量%以上0.1質量%以下含まれることが好ましい。
<潤滑油組成物のリン量、硫酸灰分量>
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物においては、リン量は、組成物全量基準で、500質量ppm以下である。500ppmを超えると、排出ガスの浄化触媒への被毒を抑えることができない。リン量は、好ましくは、400質量ppm以下、より好ましくは300質量ppm以下である。
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物においては、硫酸灰分量は、組成物全量基準で、0.5質量%以下である。該硫酸灰分量が0.5質量%を超えると、ディーゼルエンジンにおいて、DPFのフィルタに堆積する灰分量が増え、該DPFフィルタの灰分詰まりが起こりやすくなり、DPFフィルタの寿命が短くなる。硫酸灰分量は、好ましくは、0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下である。
再生処理用潤滑油組成物の酸化安定性、塩基価維持性、及び高温清浄性をより高める観点から、硫酸灰分量は、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に、0.1質量%以上である。硫酸灰分量を上記値とすることで、より長期間に亘って、塩基価及び高温清浄性を維持できる。
なお、硫酸灰分量とは、試料を燃焼して生じた炭化残留物に硫酸を加えて加熱し、恒量にした灰分をいい、通常、潤滑油組成物中の金属添加剤の大略量を知るために用いられる。具体的には、JIS K 2272[5.硫酸灰分試験方法]に規定される方法により測定される。
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物においては、リン量は、組成物全量基準で、500質量ppm以下である。500ppmを超えると、排出ガスの浄化触媒への被毒を抑えることができない。リン量は、好ましくは、400質量ppm以下、より好ましくは300質量ppm以下である。
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物においては、硫酸灰分量は、組成物全量基準で、0.5質量%以下である。該硫酸灰分量が0.5質量%を超えると、ディーゼルエンジンにおいて、DPFのフィルタに堆積する灰分量が増え、該DPFフィルタの灰分詰まりが起こりやすくなり、DPFフィルタの寿命が短くなる。硫酸灰分量は、好ましくは、0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下である。
再生処理用潤滑油組成物の酸化安定性、塩基価維持性、及び高温清浄性をより高める観点から、硫酸灰分量は、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に、0.1質量%以上である。硫酸灰分量を上記値とすることで、より長期間に亘って、塩基価及び高温清浄性を維持できる。
なお、硫酸灰分量とは、試料を燃焼して生じた炭化残留物に硫酸を加えて加熱し、恒量にした灰分をいい、通常、潤滑油組成物中の金属添加剤の大略量を知るために用いられる。具体的には、JIS K 2272[5.硫酸灰分試験方法]に規定される方法により測定される。
[再生処理用潤滑油組成物の利用]
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ハイブリッド車用エンジン等の内燃機関に好適に用いることができる。内燃機関としては、アルミニウム合金材料、ニッケルクロム合金材料、炭素鋼材料、クロムモリブデン鋼材料等の材料を用いて製造された一般的な内燃機関が挙げられる。
本発明に係る再生処理用潤滑油組成物は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ハイブリッド車用エンジン等の内燃機関に好適に用いることができる。内燃機関としては、アルミニウム合金材料、ニッケルクロム合金材料、炭素鋼材料、クロムモリブデン鋼材料等の材料を用いて製造された一般的な内燃機関が挙げられる。
[潤滑油基油の製造方法]
本発明に係る潤滑油基油の製造方法は、上述した再生処理用潤滑油組成物を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関に使用した使用済み潤滑油組成物を用いて、組成物全量基準で、カルシウム含有量が200質量ppm以下であり、亜鉛含有量が100質量ppm以下であり、リン含有量が100質量ppm以下であり、ホウ素含有量が200質量ppm以下である潤滑油基油を製造する製造方法である。
なお、再生処理用潤滑油組成物を再生する再生処理は、使用済み潤滑油組成物から潤滑油基油を製造する処理と同義であり、再生処理用潤滑油組成物を再生する再生方法を潤滑油基油の製造方法という。
上述した再生処理用潤滑油組成物を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関に使用した使用済み潤滑油組成物から、組成物全量基準で、カルシウム含有量が200質量ppm以下であり、亜鉛含有量が100質量ppm以下であり、リン含有量100質量ppm以下、ホウ素含有量が200質量ppm以下である潤滑油基油を製造する製造方法としては、無機多孔質体を濾材として用いて使用済み潤滑油組成物を濾過する方法、有機溶剤により使用済み潤滑油組成物を分液洗浄する方法、及び水により使用済み潤滑油組成物を分液洗浄する方法等が挙げられる。
本発明に係る潤滑油基油の製造方法は、上述した再生処理用潤滑油組成物を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関に使用した使用済み潤滑油組成物を用いて、組成物全量基準で、カルシウム含有量が200質量ppm以下であり、亜鉛含有量が100質量ppm以下であり、リン含有量が100質量ppm以下であり、ホウ素含有量が200質量ppm以下である潤滑油基油を製造する製造方法である。
なお、再生処理用潤滑油組成物を再生する再生処理は、使用済み潤滑油組成物から潤滑油基油を製造する処理と同義であり、再生処理用潤滑油組成物を再生する再生方法を潤滑油基油の製造方法という。
上述した再生処理用潤滑油組成物を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関に使用した使用済み潤滑油組成物から、組成物全量基準で、カルシウム含有量が200質量ppm以下であり、亜鉛含有量が100質量ppm以下であり、リン含有量100質量ppm以下、ホウ素含有量が200質量ppm以下である潤滑油基油を製造する製造方法としては、無機多孔質体を濾材として用いて使用済み潤滑油組成物を濾過する方法、有機溶剤により使用済み潤滑油組成物を分液洗浄する方法、及び水により使用済み潤滑油組成物を分液洗浄する方法等が挙げられる。
<使用済み潤滑油組成物を濾過する方法>
濾過に用いることのできる濾材としては、活性白土、珪藻土、シリカ製の濾過剤から選ばれる少なくとも1つの濾材をカラムに充填し、展開溶媒を用いて抽出する方法が挙げられる。
展開溶媒としては、使用済みの潤滑油組成物と相溶可能な化合物であればよく、炭素数が5〜12、好ましくは炭素数が5〜8の直鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種、又は、塩素化脂肪族炭化水素を使用できる。
展開溶媒として用いることのできる化合物としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレン等の塩素化脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、再利用可能な潤滑油基油が得られやすいことから、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。
前記溶媒は、1種単独でも組み合わせ用いてもよい。溶出後に溶媒を分離することにより、潤滑油基油を得ることができる。
濾材の粒径は、15μm〜500μmであり、好ましくは、40μm〜210μmである。濾材の使用量は、使用済み潤滑油組成物の全質量基準で、100質量%〜10000質量%であり、好ましくは、2000質量%〜8000質量%である。
温度条件としては、濾過温度5℃〜60℃であり、好ましくは、15℃〜30℃である。処理時間としては、0.1時間〜20時間であり、好ましくは、0.1時間〜5時間である。
濾過に用いることのできる濾材としては、活性白土、珪藻土、シリカ製の濾過剤から選ばれる少なくとも1つの濾材をカラムに充填し、展開溶媒を用いて抽出する方法が挙げられる。
展開溶媒としては、使用済みの潤滑油組成物と相溶可能な化合物であればよく、炭素数が5〜12、好ましくは炭素数が5〜8の直鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種、又は、塩素化脂肪族炭化水素を使用できる。
展開溶媒として用いることのできる化合物としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレン等の塩素化脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、再利用可能な潤滑油基油が得られやすいことから、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。
前記溶媒は、1種単独でも組み合わせ用いてもよい。溶出後に溶媒を分離することにより、潤滑油基油を得ることができる。
濾材の粒径は、15μm〜500μmであり、好ましくは、40μm〜210μmである。濾材の使用量は、使用済み潤滑油組成物の全質量基準で、100質量%〜10000質量%であり、好ましくは、2000質量%〜8000質量%である。
温度条件としては、濾過温度5℃〜60℃であり、好ましくは、15℃〜30℃である。処理時間としては、0.1時間〜20時間であり、好ましくは、0.1時間〜5時間である。
<使用済み潤滑油組成物を有機溶剤により分液洗浄する方法>
この方法では、使用済みの潤滑油組成物を、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒と混合し、有機溶剤を用いて洗浄する。分液洗浄工程は、複数回繰り返し行ってもよい。分液洗浄工程の後、前記溶媒を分離することにより、潤滑油基油を得ることができる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、使用済みの潤滑油組成物と相溶可能な化合物であればよく、炭素数が5〜12、好ましくは炭素数が5〜8の直鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種、又は、塩素化脂肪族炭化水素を使用できる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレン等の塩素化脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、再利用可能な潤滑油基油が得られやすいことから、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。
洗浄に用いる有機溶剤としては、アルコール基、ケトン基、エステル基及びエーテル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有し、該置換基の炭素数が1〜10である有機溶剤が使用できる。このような有機溶剤としては、上記混合可能な溶媒と二相分離しやすく、添加物及び劣化物を溶解し易い有機溶剤であればよく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、アセトン、メチルブチルケトン等が挙げられる。前記有機溶剤は、1種単独でも組み合わせ用いてもよい。なかでも、メタノールを用いることが好ましい。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合割合は、1/1〜1/100が好ましく、1/2〜1/30がより好ましい。
また、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合溶液と、洗浄に用いる有機溶剤の混合割合は、3/1〜1/3が好ましく、1/1〜1/2がより好ましい。
この方法では、使用済みの潤滑油組成物を、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒と混合し、有機溶剤を用いて洗浄する。分液洗浄工程は、複数回繰り返し行ってもよい。分液洗浄工程の後、前記溶媒を分離することにより、潤滑油基油を得ることができる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、使用済みの潤滑油組成物と相溶可能な化合物であればよく、炭素数が5〜12、好ましくは炭素数が5〜8の直鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種、又は、塩素化脂肪族炭化水素を使用できる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレン等の塩素化脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、再利用可能な潤滑油基油が得られやすいことから、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。
洗浄に用いる有機溶剤としては、アルコール基、ケトン基、エステル基及びエーテル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有し、該置換基の炭素数が1〜10である有機溶剤が使用できる。このような有機溶剤としては、上記混合可能な溶媒と二相分離しやすく、添加物及び劣化物を溶解し易い有機溶剤であればよく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、アセトン、メチルブチルケトン等が挙げられる。前記有機溶剤は、1種単独でも組み合わせ用いてもよい。なかでも、メタノールを用いることが好ましい。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合割合は、1/1〜1/100が好ましく、1/2〜1/30がより好ましい。
また、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合溶液と、洗浄に用いる有機溶剤の混合割合は、3/1〜1/3が好ましく、1/1〜1/2がより好ましい。
<使用済み潤滑油組成物を水により分液洗浄する方法>
この方法では、使用済みの潤滑油組成物を、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒と混合し、水を用いて洗浄する。分液洗浄工程は、複数回繰り返し行ってもよい。分液洗浄工程の後、前記溶媒を分離することにより、潤滑油基油を得ることができる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、使用済みの潤滑油組成物と相溶可能な化合物であればよく、炭素数が5〜12、好ましくは炭素数が5〜8の直鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種、又は、塩素化脂肪族炭化水素を使用できる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレン等の塩素化脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、再利用可能な潤滑油基油が得られやすいことから、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合割合は、1/1〜1/100が好ましく、1/2〜1/30がより好ましい。
また、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合溶液と、洗浄に用いる水の混合割合は、3/1〜1/3が好ましく、1/1〜1/2がより好ましい。
この方法では、使用済みの潤滑油組成物を、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒と混合し、水を用いて洗浄する。分液洗浄工程は、複数回繰り返し行ってもよい。分液洗浄工程の後、前記溶媒を分離することにより、潤滑油基油を得ることができる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、使用済みの潤滑油組成物と相溶可能な化合物であればよく、炭素数が5〜12、好ましくは炭素数が5〜8の直鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種、又は、塩素化脂肪族炭化水素を使用できる。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレン等の塩素化脂肪族炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、再利用可能な潤滑油基油が得られやすいことから、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。
使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合割合は、1/1〜1/100が好ましく、1/2〜1/30がより好ましい。
また、使用済みの潤滑油組成物と混合可能な溶媒との混合溶液と、洗浄に用いる水の混合割合は、3/1〜1/3が好ましく、1/1〜1/2がより好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
<基油及び潤滑油組成物の性状>
(1)基油及び潤滑油組成物の動粘度
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(2)基油の粘度指数
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(3)基油の%CA
環分析n−d−M法にて算出した芳香族成分の割合(百分率)を示す。
(4)基油のNOACK蒸発量
JPI−5S−41−2004に準拠して測定した。
(5)カルシウム、亜鉛、モリブデン及びリン量
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
(6)硫酸灰分量
JIS K2272に準拠して測定した。
(7)窒素含有量
JIS K2609に準拠して測定した。
[評価方法]
<基油及び潤滑油組成物の性状>
(1)基油及び潤滑油組成物の動粘度
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(2)基油の粘度指数
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(3)基油の%CA
環分析n−d−M法にて算出した芳香族成分の割合(百分率)を示す。
(4)基油のNOACK蒸発量
JPI−5S−41−2004に準拠して測定した。
(5)カルシウム、亜鉛、モリブデン及びリン量
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
(6)硫酸灰分量
JIS K2272に準拠して測定した。
(7)窒素含有量
JIS K2609に準拠して測定した。
<劣化試験条件>
ISOT試験(JIS K2414)において、試料油に銅及び鉄触媒の存在下、試験温度165.5℃、試験時間48時間で行った。
ISOT試験(JIS K2414)において、試料油に銅及び鉄触媒の存在下、試験温度165.5℃、試験時間48時間で行った。
<シェル摩耗試験条件>
シェル摩耗試験機を用いて、試験条件を、荷重294N、回転数1200rpm、温度80℃、試験時間30分に設定して、潤滑油組成物の耐荷重性能を評価した。結果は、試験剛球の摩耗痕(mm)で表した。
シェル摩耗試験機を用いて、試験条件を、荷重294N、回転数1200rpm、温度80℃、試験時間30分に設定して、潤滑油組成物の耐荷重性能を評価した。結果は、試験剛球の摩耗痕(mm)で表した。
[再生処理]
<濾過>
第1表に示す組成により再生処理用潤滑油組成物の試料油を調製した。その後、試料油を上述の劣化試験により劣化させた後、劣化油をシリカゲルを充填したカラムを通過させる再生処理を行った。
再生処理、すなわち、劣化試験後の使用済み潤滑油組成物から潤滑油基油を製造する方法は、以下のとおりに行った。シリカゲル100gをカラムに充填し、ヘキサン300ml流通させた。劣化油10gをカラムにチャージし、ヘキサンにて溶出させた。この後、エバポレーターにてヘキサンを除去し、得られた残油のICP分析を行い、添加剤成分の残存量を確認した。添加剤成分の残存量が少ないほど、潤滑油基油としての利用度が高い。結果を第1表に示す。
<濾過>
第1表に示す組成により再生処理用潤滑油組成物の試料油を調製した。その後、試料油を上述の劣化試験により劣化させた後、劣化油をシリカゲルを充填したカラムを通過させる再生処理を行った。
再生処理、すなわち、劣化試験後の使用済み潤滑油組成物から潤滑油基油を製造する方法は、以下のとおりに行った。シリカゲル100gをカラムに充填し、ヘキサン300ml流通させた。劣化油10gをカラムにチャージし、ヘキサンにて溶出させた。この後、エバポレーターにてヘキサンを除去し、得られた残油のICP分析を行い、添加剤成分の残存量を確認した。添加剤成分の残存量が少ないほど、潤滑油基油としての利用度が高い。結果を第1表に示す。
<有機溶剤による分液洗浄>
第2表に示す組成により再生処理用潤滑油組成物の試料油を調製した。その後、試料油を上述の劣化試験により劣化させた後、劣化油を有機溶剤を用いて分液洗浄する再生処理を行った。
再生処理は、以下のとおりに行った。劣化油10mlをヘキサン30mlに溶解し、分液ロートに入れた。劣化油及びヘキサンの入った分液ロートにメタノール10mlを入れて分液洗浄した。これを3回繰り返した。この後、エバポレーターにてヘキサンを除去し、得られた残油のICP分析を行い、添加剤成分の残存量を確認した。添加剤成分の残存量が少ないほど、潤滑油基油としての利用度が高い。結果を第2表に示す。
第2表に示す組成により再生処理用潤滑油組成物の試料油を調製した。その後、試料油を上述の劣化試験により劣化させた後、劣化油を有機溶剤を用いて分液洗浄する再生処理を行った。
再生処理は、以下のとおりに行った。劣化油10mlをヘキサン30mlに溶解し、分液ロートに入れた。劣化油及びヘキサンの入った分液ロートにメタノール10mlを入れて分液洗浄した。これを3回繰り返した。この後、エバポレーターにてヘキサンを除去し、得られた残油のICP分析を行い、添加剤成分の残存量を確認した。添加剤成分の残存量が少ないほど、潤滑油基油としての利用度が高い。結果を第2表に示す。
<水による分液洗浄>
第3表に示す組成により再生処理用潤滑油組成物の試料油を調製した。その後、試料油を上述の劣化試験により劣化させた後、劣化油を、水を用いて分液洗浄する再生処理を行った。
再生処理は、以下のとおりに行った。劣化油10mlをヘキサン30mlに溶解し、分液ロートに入れた。劣化油及びヘキサンの入った分液ロートに水10mlを入れて分液洗浄した。これを3回繰り返した。この後、エバポレーターにてヘキサンを除去し、得られた残油のICP分析を行い、添加剤成分の残存量を確認した。添加剤成分の残存量が少ないほど、潤滑油基油としての利用度が高い。結果を第3表に示す。
第3表に示す組成により再生処理用潤滑油組成物の試料油を調製した。その後、試料油を上述の劣化試験により劣化させた後、劣化油を、水を用いて分液洗浄する再生処理を行った。
再生処理は、以下のとおりに行った。劣化油10mlをヘキサン30mlに溶解し、分液ロートに入れた。劣化油及びヘキサンの入った分液ロートに水10mlを入れて分液洗浄した。これを3回繰り返した。この後、エバポレーターにてヘキサンを除去し、得られた残油のICP分析を行い、添加剤成分の残存量を確認した。添加剤成分の残存量が少ないほど、潤滑油基油としての利用度が高い。結果を第3表に示す。
第1表〜第3表において使用した各成分は、下記のとおりである。
基油:水素化精製基油、40℃動粘度21mm2/s、100℃動粘度4.5mm2/s、粘度指数127、%CP83、%CA0.0、硫黄含有量20質量ppm未満、NOACK蒸発量13.3質量%
粘度指数向上剤A:オレフィンコポリマー(OCP)、質量平均分子量100,000(シェブロン社製 Paratone8057)
フェノール系酸化防止剤:オクタデシル−3−(3,5−ジ−ter−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート
アミン系酸化防止剤:ジアルキルジフェニルアミン、窒素含有量4.62質量%
モリブデンアミン錯体:サクラルーブS−710(アデカ社製)モリブデン含有量10質量%、窒素含有量1.3質量%
ジチオリン酸亜鉛:Zn含有量9.0質量%、リン量8.2質量%、硫黄含有量17.1質量%、アルキル基;第2級ブチル基と第2級ヘキシル基の混合物
金属系清浄剤A:過塩基性カルシウムサリチレート、塩基価(過塩素酸法)350mgKOH/g、カルシウム含有量12.1質量%
無灰分散剤A:アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物(ポリブテニル基の数平均分子量1000、窒素含有量1.76質量%、ホウ素含有量2.0質量%)
無灰分散剤B:アルケニルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量2000、窒素含有量0.99質量%)
硫酸系耐摩耗剤:1,1−ビス(オクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド
その他の添加剤:流動点降下剤、消泡剤
基油:水素化精製基油、40℃動粘度21mm2/s、100℃動粘度4.5mm2/s、粘度指数127、%CP83、%CA0.0、硫黄含有量20質量ppm未満、NOACK蒸発量13.3質量%
粘度指数向上剤A:オレフィンコポリマー(OCP)、質量平均分子量100,000(シェブロン社製 Paratone8057)
フェノール系酸化防止剤:オクタデシル−3−(3,5−ジ−ter−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート
アミン系酸化防止剤:ジアルキルジフェニルアミン、窒素含有量4.62質量%
モリブデンアミン錯体:サクラルーブS−710(アデカ社製)モリブデン含有量10質量%、窒素含有量1.3質量%
ジチオリン酸亜鉛:Zn含有量9.0質量%、リン量8.2質量%、硫黄含有量17.1質量%、アルキル基;第2級ブチル基と第2級ヘキシル基の混合物
金属系清浄剤A:過塩基性カルシウムサリチレート、塩基価(過塩素酸法)350mgKOH/g、カルシウム含有量12.1質量%
無灰分散剤A:アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物(ポリブテニル基の数平均分子量1000、窒素含有量1.76質量%、ホウ素含有量2.0質量%)
無灰分散剤B:アルケニルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量2000、窒素含有量0.99質量%)
硫酸系耐摩耗剤:1,1−ビス(オクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド
その他の添加剤:流動点降下剤、消泡剤
実施例1〜6の再生処理用潤滑油組成物は、シェル摩耗試験結果において、優れた耐摩耗性を有する潤滑油組成物であって、劣化試験後に施した再生処理の後に、潤滑油基油として利用可能なレベルにまで、カルシウム、リン、亜鉛、モリブデン、ホウ素を低減することができた。
すなわち、使用済みの実施例1〜6の再生処理用潤滑油組成物から、濾過、有機溶剤を用いた分液洗浄、及び水を用いた分液洗浄という簡便な再生処理によって潤滑油基油を製造することができる。
すなわち、使用済みの実施例1〜6の再生処理用潤滑油組成物から、濾過、有機溶剤を用いた分液洗浄、及び水を用いた分液洗浄という簡便な再生処理によって潤滑油基油を製造することができる。
Claims (8)
- 粘度指数が100以上であり、n−d−M法による環分析におけるパラフィン分の炭素数の割合(%CP)が60%以上である鉱油及び合成油の少なくともいずれか一方からなる基油と、
(A)アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化物、アルキルコハク酸イミド、及びアルキルコハク酸イミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる分散剤を含み、
前記分散剤が、組成物全量基準における窒素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、
前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が、組成物全量基準におけるホウ素含有量換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含まれ、
前記分散剤中に前記アルケニルコハク酸モノイミドのホウ素化物及び前記アルキルコハク酸モノイミドのホウ素化物から選ばれる1種以上の化合物が含まれる場合には、前記分散剤中のホウ素と窒素の質量比であるB/N比が0.5以上であり、
リン量が組成物全量基準で500質量ppm以下含まれ、
硫酸灰分量が組成物全量基準で0.5質量%以下含まれる再生処理用潤滑油組成物。 - (B)塩基価10mgKOH/g以上600mgKOH/g以下のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含有した金属系清浄剤が、組成物全量基準における金属含有量換算で0.1質量%以下含まれる請求項1に記載の再生処理用潤滑油組成物。
- (C)アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及びモリブデン系酸化防止剤のいずれか1種以上の酸化防止剤が、組成物全量基準で0.3質量%以上3.0質量%以下含まれる請求項1又は2に記載の再生処理用潤滑油組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の再生処理用潤滑油組成物を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジンのいずれかに使用した使用済み潤滑油組成物を用いて、組成物全量基準で、カルシウム含有量が200質量ppm以下であり、亜鉛含有量が100質量ppm以下であり、リン含有量100質量ppm以下であり、ホウ素含有量が200質量ppm以下の潤滑油基油を製造する潤滑油基油の製造方法。
- 前記使用済みの潤滑油組成物を、活性白土、珪藻土及びシリカ性濾過剤から選ばれる少なくとも1つを充填したカラムにより濾過する請求項4に記載の潤滑油基油の製造方法。
- 前記使用済みの潤滑油組成物を、有機溶剤を用いて分液洗浄することを特徴とする請求項4に記載の潤滑油基油の製造方法。
- 前記有機溶剤が、アルコール基、ケトン基、エステル基及びエーテル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有し、該置換基の炭素数が1〜10である有機溶剤である請求項6に記載の潤滑油基油の製造方法。
- 前記使用済みの潤滑油組成物を、水を用いて分液洗浄することを特徴とする請求項4に記載の潤滑油基油の製造方法。
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