JP5377925B2 - 内燃機関用潤滑油組成物 - Google Patents
内燃機関用潤滑油組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5377925B2 JP5377925B2 JP2008272188A JP2008272188A JP5377925B2 JP 5377925 B2 JP5377925 B2 JP 5377925B2 JP 2008272188 A JP2008272188 A JP 2008272188A JP 2008272188 A JP2008272188 A JP 2008272188A JP 5377925 B2 JP5377925 B2 JP 5377925B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- composition
- alkenyl
- lubricating oil
- internal combustion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
自動車の省燃費化を図るためには、自動車の軽量化、エンジンの改良等、自動車自体の改良だけでなく、エンジンにおける摩擦ロスを防ぐためのエンジン油の低粘度化、良好な摩擦調整剤の添加等、エンジン油自体の改良が極めて重要である。また、ディーゼルエンジンにおいては、パティキュレート・マター(PM)およびNOxなどの排出ガス成分による環境汚染を軽減するための対策が重要な課題となっている。その対策としては、自動車にパティキュレート・フィルターや排出ガス浄化触媒(酸化または還元触媒)などの排出ガス浄化装置を装着することが有力である。一方、そのような排出ガス浄化装置を装着した自動車に従来の内燃機関用潤滑油を用いた場合、パティキュレート・フィルターに付着した煤は酸化、燃焼により取り除かれるものの、燃焼により生成した金属酸化物や、リン酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩などによってフィルタが目詰まりするという問題が生じている。また、使用されたエンジン油の一部は燃焼し、排出ガスとして排出される。従って、潤滑油中の金属分や硫黄分もできるだけ少ない方が好ましい。さらに、触媒の劣化を防ぐためには、潤滑油中のリン分および硫黄分も減らすことも重要である。
また、潤滑油基油に対し、所定のホウ素含有無灰分散剤、およびジチオリン酸亜鉛を配合し、組成物中のホウ素含有量と、ホウ素含有量/リン含有量比を規定して、硫酸灰分量が1.0質量%以下である潤滑油組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の潤滑油組成物によれば、高温清浄性に優れるとともに、低灰分でパティキュレートトラップや排ガス浄化装置への悪影響もない旨が記載されている(明細書段落〔0035〕)。
さらに、潤滑油基油に、所定のコハク酸イミド、そのホウ素誘導体、および所定の酸化防止剤を配合し、硫酸灰分を1.2質量%以下とした潤滑油組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3の潤滑油組成物によれば、低灰分量でありながら酸化安定性に優れる内燃機関用潤滑油組成物を提供できる旨の記載がある(明細書段落〔0008〕)。
そこで、本発明は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関に用いた場合に、高温清浄性に優れるとともに、内燃機関内部に使用されるフッ素ゴムシールへの適合性が良好な内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
[1]基油に、(A)アルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドおよびそのホウ素化物を配合してなる内燃機関用潤滑油組成物であって、前記(A)成分は、(A−1)アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミド構造および(A−2)アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミド構造を含み、前記(A−1)構造に由来する窒素と、前記(A−2)構造に由来する窒素との質量比((A−1)/(A−2))が0.5以下であり、前記(A)成分におけるアルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドホウ素化物を構成するホウ素と窒素の質量比(B/N比)が0.5以上であり、前記(A)成分におけるアルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドホウ素化物に由来するホウ素含有量が組成物全量基準において0.02〜0.05質量%であり、さらに(D)成分として、多価アルコールモノ脂肪酸エステルのホウ素化物を配合してなることを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物。
本組成物の基油としては、鉱油でも合成油でもよい。この鉱油や合成油の種類については特に制限はなく、従来、内燃機関用潤滑油の基油として使用されている鉱油や合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の1つ以上の処理を行って精製した鉱油、あるいはワックス、GTL WAXを異性化することによって製造される鉱油等が挙げられる。
また、合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン[α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)など]、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステルなど),各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテルなど)、ポリグリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。これらの合成油のうち、粘度特性、添加剤の溶解性およびシールゴムへの適合性の観点より特にポリオレフィン、ポリオールエステルが好ましい。
本発明においては、基油として、上記鉱油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油1種以上と合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
基油の粘度については特に制限はなく、潤滑油組成物の用途に応じて異なるが、100℃の動粘度が3〜8mm2/sであることが好ましく、100℃における動粘度が3mm2/s以上であれば蒸発損失が少なく、一方8mm2/s以下であれば、粘性抵抗による動力損失が小さく、燃費改善効果が得られる。
%CAが、3.0以下で、硫黄分が50質量ppm以下の基油は、良好な酸化安定性を有し、酸価の上昇やスラッジの生成を抑制し得ると共に、金属に対する腐食性の少ない潤滑油組成物を提供することができる。より好ましい%CAは1.0以下、さらには、0.5以下であり、またより好ましい硫黄分は30質量ppm以下である。
さらに、基油の粘度指数は、70以上が好ましく、より好ましくは100以上、さらに好ましくは120以上である。この粘度指数が120以上の基油は、温度の変化による粘度変化が小さく、低い温度においても燃費改善効果が得られる。
本発明で用いる(A)成分は、アルケニル若しくはアルキルコハク酸イミド単体とそのホウ素化物との混合物である。コハク酸イミド単体だけを用いたのでは、高温清浄性とフッ素ゴムシールへの適合性の双方を満足することはできない。
また、(A)成分は、(A−1)アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミド構造および(A−2)アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミド構造を含んでいる。ここで、(A−1)構造としては、アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミド単体にもとづく構造と、アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドモノイミドのホウ素化物に基づく構造の双方が含まれる。(A−2)構造についても同様である。
(A−1)構造としてのアルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドとしては、例えば、下記式(1)で示されるアルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミドが挙げられる。また、(A−2)構造としてのアルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドとしては、例えば、下記式(2)で示されるアルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミドが挙げられる。
上記したR1、R3およびR4の質量平均分子量が500未満であると、基油への溶解性が低下し、3,000を超えると、清浄性が低下するおそれがある。R3およびR4は同一でも異なっていてもよい。
R2、R5およびR6は、それぞれ炭素数2〜5のアルキレン基であり、R5およびR6は同一でも異なっていてもよい。mは1〜10の整数を示し、nは0または1〜10の整数を示す。ここで、mは、好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4である。mが2以上であると、良好な高温清浄性を与え、mが5以下であると、基油に対する溶解性が良好となる。
上記式(2)において、nは好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜3である。モノイミドと異なり、nが1以上であれば高温清浄性が良好であり、nが4以下であると、基油に対する溶解性が良好となる。
ルキルコハク酸無水物を、ポリアミンと反応させることによって製造することができる。
また、上記したコハク酸モノイミドおよびコハク酸ビスイミドは、アルケニルコハク酸無水物若しくはアルキルコハク酸無水物とポリアミンとの反応比率を変えることによって製造することができる。
上記したポリオレフィンを形成するオレフィン単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンの1種または2種以上を混合して用いることができるが、イソブテンとブテン−1の混合物を好適に用いることができる。
一方、ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、およびペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミンを挙げることができる。
例えば、上記のポリオレフィンを無水マレイン酸と反応させてアルケニルコハク酸無水物とした後、更に上記のポリアミンと酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、ホウ素酸のアンモニウム塩等のホウ素化合物を反応させて得られる中間体と反応させてイミド化させることによって得られる。
質量比((A−1)/(A−2))が0.5以下であると、フッ素ゴムシールへの適合性を大幅に向上させることができる。質量比((A−1)/(A−2))が0.5より大きいとフッ素ゴムの劣化が著しくなり、シール寿命が短くなる。
本組成物には、さらに(B)成分として、モリブデンジチオカーバメート(以下、「MoDTC」とも記載する。)が好ましく配合される。(B)成分としては、例えば、下記式(3)で示されるMoDTCが挙げられる。
また、上記式(3)においては、X1〜X4は各々硫黄原子または酸素原子であり、X1〜X4の全てが硫黄原子あるいは酸素原子であってもよい。ここで、硫黄原子と酸素原子の比が、硫黄原子/酸素原子=1/3〜3/1、更には1.5/2.5〜3/1であることが耐腐食性の面や、基油に対する溶解性を向上させる上で好ましい。
また、潤滑油組成物中の当該(B)成分の配合量は、組成物全量基準におけるモリブデン量換算で0.01〜0.08質量%であり、好ましくは0.03〜0.08質量%となるように調製される。0.01質量%を下回ると、十分な摩擦低減効果が得られず、0.08質量%を上回ると、基油への溶解性および金属材料への腐食性が高くなる。
本組成物には、さらに(C)成分として、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(以下、「ZnDTP」とも記載する。)が好ましく配合される。(C)成分としては、例えば、下記式(4)で示されるZnDTPが挙げられる。
ZnDTPの具体例としては、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルジチオリン酸亜鉛、ジヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジイソペンチルジチオリン酸亜鉛、ジエチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛、ジノニルジチオリン酸亜鉛、ジデシルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルメチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジノニルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
本組成物には、さらに、(D)成分として、多価アルコールモノ脂肪酸エステルのホウ素化物を配合することが好ましい。
(D)成分を構成するための多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。このような脂肪酸としては、例えば、ナタネ油、綿実油、大豆油、ラードおよび牛脂等の動植物油脂から得られたものが好適である。この中で特にグリセリンモノオレエートが金属間の摩擦係数の低減効果が大きく、省燃費性向上の点で好ましい。
(1)グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンおよびホウ酸を100〜230℃の温度で反応させる方法。
(2)グリセリンとホウ酸を反応させた後、脂肪酸、脂肪酸の低級アルコールエステルおよび脂肪酸ハライドのいずれかと反応させる方法。
(3)グリセリンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸およびホウ酸を混合し、約240〜280℃の温度で反応させる方法。
本組成物における(D)成分の配合量が0.1質量%以上であると、フッ素ゴムへの侵食性をより低減することができる。ただし、(D)成分の配合量が1質量%を超えてもあまり前記の効果は向上しない上に酸化安定性に悪影響を与える。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert―ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール;2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド;n−オクチル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。これらの中で、特にビスフェノール系およびエステル基含有フェノール系のものが好適である。
上述した酸化防止剤の配合量は、組成物全量基準で、0.3質量%以上が好ましく0.5質量%以上であることがより好ましい。一方、2質量%を越えると、潤滑油基油に不溶となるおそれがある。従って、酸化防止剤の配合量は、組成物全量基準で0.3〜2質量%の範囲が好ましい。
金属系清浄剤は、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、また入手可能であるが、一般的に、その金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いるのが望ましい。
防錆剤としては、石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。これら防錆剤の配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、0.01〜1質量%程度であり、好ましくは0.05〜0.5質量%である。
消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油およびフルオロアルキルエーテル等が挙げられ、消泡効果および経済性のバランスなどの点から、組成物全量に基づき、0.005〜0.1質量%程度配合させることが好ましい。
表1に示すように、下記の基油および添加剤を用いて潤滑油組成物(試料油)を調製し、それらの特性・性状を測定するとともに、高温清浄性およびフッ素ゴムシールへの適合性を評価した。
(1)基油:水素化精製基油、40℃動粘度21mm2/s、100℃動粘度4.5mm2/s、粘度指数127、%CA0.1以下、硫黄含有量20質量ppm未満、NOACK蒸発量13.3質量%
(2)ポリブテニルコハク酸ビスイミドA:ポリブテニル基の数平均分子量2300、窒素含有量0.99質量%、塩素含有量0.01質量%以下
(3)ポリブテニルコハク酸モノイミドB:ポリブテニル基の数平均分子量980、窒素含有量2.00質量%、塩素含有量0.01質量%以下
(4)ポリブテニルコハク酸モノイミドホウ素化物C:ポリブテニル基の数平均分子量980、窒素含有量1.76質量%、ホウ素含有量2.1質量%、B/N比比1.19、塩素含有量、0.01質量%以下。
(5)ポリブテニルコハク酸ビスイミドホウ素化物D:ポリブテニル基の数平均分子量1300、窒素含有量1.95質量%、ホウ含有量0.67質量%、B/N比比0.34、塩素含有量0.01質量%以下
(7)ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP):Zn含有量9.0質量%、リン含有量8.2質量%、硫黄含有量17.1質量%、アルキル基;第2級ブチル基と第2級ヘキシル基の混合物
(8)グリセリンのモノオレイン酸エステルのホウ素化物:ホウ素含有量2.2質量%
(9)アミン系酸化防止剤:ジアルキルジフェニルアミン、窒素含有量4.6質量%
(10)フェノール系酸化防止剤:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(11)粘度指数向上剤:スチレン−イソブチレン共重合体、質量平均分子量584,000、樹脂量10質量%
(12)金属系清浄剤A:過塩基性カルシウムフェネート、塩基価(過塩素酸法)255mgKOH/g、カルシウム含有量9.3質量%、硫黄含有量3.0質量%
(13)金属系清浄剤B:カルシウムスルホネート、塩基価(過塩素酸法)17mgKOH/g、カルシウム含有量2.4質量%、硫黄含有量2.8質量%
(14)モリブデン系酸化防止剤:サクラルーブS−710(株式会社ADEKA製)モリブデン含有量10質量%
(15)その他の添加剤:金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤
(1)基油および潤滑油組成物の動粘度:
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(2)基油の粘度指数:
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(3)基油の硫黄含有量:
JIS K 2541に準拠して測定した。
(4)基油の%CA:
環分析n−d−M法にて芳香族成分の割合(百分率)を算出した。
(5)基油のNOACK蒸発量:
JPI−5S−41−2004に準拠して測定した。
(6)ホウ素含有量:
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
(7)窒素含有量:
JIS K2609に準拠して測定した。
(8)モリブデンおよびリン含有量:
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
(9)硫酸灰分:
JIS K2272に準拠して測定した。
高温清浄性は、JPI−5S−55−99に準拠してホットチューブ試験で評価した。具体的には、内径2mmのガラス管中に試料油を0.31mL/hの流量で、空気を10mL/minの流量で16時間流し続けた。ガラス管の温度は300℃に保った。その後ガラス管中に付着したデポジット付着物の質量を測定した。デポジット付着物の質量が少ないほど高温清浄性に優れている。
フッ素ゴムシールへの適合性は、以下の方法で評価した。フッ素ゴム試験片(RE1:CEC−L−39−T−96シールゴム適合性試験の試験ゴム材料)を、油温170℃で72時間試料油に浸漬し、浸漬後の試験片について引張試験を行い、クラック発生時のせん断伸張率を測定した。実用上は、せん断伸張率が150%以上あることが好ましい。
表1の結果より、本発明の潤滑油組成物を用いた実施例1、2では、ホットチューブ試験におけるデポジット付着量が少ないことから高温清浄性に優れていることがわかる。また、クラック発生時のせん断伸張率が高く、フッ素ゴムシールとの適合性に非常に優れることがわかる。
一方、比較例1および比較例2では、試料油に配合されたポリブテニルコハク酸イミドの、モノイミド/ビスイミド窒素含有量比が1.35および0.67と高いため、フッ素ゴムシールとの適合性が不良である。
比較例3では、フッ素ゴムシールとの適合性は良好であるが、試料油に配合されたポリブテニルコハク酸ビスイミドホウ素化物DのB/N比が0.34と低いためホットチューブ試験におけるデポジット付着量が多くなってしまい、高温清浄性が不良であることがわかる。
比較例4および比較例5では、フッ素ゴムシールとの適合性は良好であるが、ポリブテニルコハク酸イミドホウ素化物の配合量が少ないためホットチューブ試験におけるデポジット付着量が多くなり、高温清浄性が不良であることがわかる。
Claims (1)
- 基油に、(A)アルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドおよびそのホウ素化物を配合してなる内燃機関用潤滑油組成物であって、
前記(A)成分は、(A−1)アルケニル若しくはアルキルコハク酸モノイミド構造および(A−2)アルケニル若しくはアルキルコハク酸ビスイミド構造を含み、
前記(A−1)構造に由来する窒素と、前記(A−2)構造に由来する窒素との質量比((A−1)/(A−2))が0.5以下であり、
前記(A)成分におけるアルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドホウ素化物を構成するホウ素と窒素の質量比(B/N比)が0.5以上であり、
前記(A)成分におけるアルケニル若しくはアルキルコハク酸イミドホウ素化物に由来するホウ素含有量が組成物全量基準において0.02〜0.05質量%であり、
さらに、(B)モリブデンジチオカーバメートを、組成物全量基準におけるモリブデン量換算で0.01〜0.08質量%配合してなり、
さらに、(C)ジアルキルジチオリン酸亜鉛を、組成物全量基準におけるリン量換算で0.07〜0.09質量%配合してなり、
さらに(D)成分として、多価アルコールモノ脂肪酸エステルのホウ素化物を0.1〜1質量%配合してなり、
該組成物の硫酸灰分が0.6質量%以下である
ことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008272188A JP5377925B2 (ja) | 2008-10-22 | 2008-10-22 | 内燃機関用潤滑油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008272188A JP5377925B2 (ja) | 2008-10-22 | 2008-10-22 | 内燃機関用潤滑油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010100707A JP2010100707A (ja) | 2010-05-06 |
JP5377925B2 true JP5377925B2 (ja) | 2013-12-25 |
Family
ID=42291633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008272188A Active JP5377925B2 (ja) | 2008-10-22 | 2008-10-22 | 内燃機関用潤滑油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5377925B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5687951B2 (ja) * | 2010-05-11 | 2015-03-25 | 昭和シェル石油株式会社 | ディーゼルエンジン用潤滑油組成物 |
CN103717720A (zh) * | 2011-08-03 | 2014-04-09 | 出光兴产株式会社 | 内燃机用润滑油组合物 |
JP5823329B2 (ja) * | 2012-03-26 | 2015-11-25 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 内燃機関用潤滑油組成物 |
JP6655284B2 (ja) * | 2014-12-11 | 2020-02-26 | シェルルブリカンツジャパン株式会社 | 潤滑油組成物 |
JP6114330B2 (ja) * | 2015-03-31 | 2017-04-12 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物及び内燃機関の摩擦低減方法 |
JP6591907B2 (ja) * | 2016-02-17 | 2019-10-16 | Jxtgエネルギー株式会社 | 内燃機関用潤滑油組成物 |
JP6975660B2 (ja) * | 2018-02-26 | 2021-12-01 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物 |
JPWO2021182580A1 (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-16 | ||
CN115244159A (zh) * | 2020-03-16 | 2022-10-25 | 出光兴产株式会社 | 润滑油组合物、搭载有增压器的柴油发动机和润滑油组合物的使用方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IN2009CN02056A (ja) * | 2006-10-17 | 2015-08-07 | Idemitsu Kosan Co | |
JP5203590B2 (ja) * | 2006-10-27 | 2013-06-05 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物 |
US20100113313A1 (en) * | 2007-03-28 | 2010-05-06 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Lubricant composition |
WO2008120599A1 (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-09 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 潤滑油組成物 |
-
2008
- 2008-10-22 JP JP2008272188A patent/JP5377925B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010100707A (ja) | 2010-05-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4597223B2 (ja) | 内燃機関用潤滑油組成物 | |
JP5203590B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5377925B2 (ja) | 内燃機関用潤滑油組成物 | |
JP6302458B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP6676868B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5313879B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5175462B2 (ja) | 内燃機関用潤滑油組成物 | |
JP5167140B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5198031B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5806802B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP4806528B2 (ja) | 内燃機関用潤滑油組成物 | |
JP2015143304A (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5571290B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
WO2015151769A1 (ja) | ガスエンジン用潤滑油組成物 | |
JP2008297353A (ja) | 内燃機関用潤滑油組成物 | |
JP6247820B2 (ja) | アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法 | |
JP6247822B2 (ja) | アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法 | |
JP2013224404A (ja) | アルミ合金製エンジン用潤滑油組成物及び潤滑方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101229 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130313 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130507 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130730 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130731 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20130821 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130910 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130925 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5377925 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |