JP2000119214A - α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩からのα−ヒドロキシ酸の製造法 - Google Patents

α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩からのα−ヒドロキシ酸の製造法

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JP2000119214A
JP2000119214A JP29564398A JP29564398A JP2000119214A JP 2000119214 A JP2000119214 A JP 2000119214A JP 29564398 A JP29564398 A JP 29564398A JP 29564398 A JP29564398 A JP 29564398A JP 2000119214 A JP2000119214 A JP 2000119214A
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hydroxy acid
hydroxy
acid
ammonium salt
alpha
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JP29564398A
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Masaji Hatayama
正次 畑山
Koichi Hayakawa
公一 早川
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギーコストが小さく、工業的に効率の
よいα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩からアンモニアを
回収し、遊離のα−ヒドロキシ酸を得る方法を提供する
こと。 【解決手段】 一般式RCH(OH)COO-NH
4 +(式中、Rは水素原子、置換基を有してもよい、C1
〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6
ルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環
基を表す。)で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム
塩[I]の水性溶媒溶液を、900〜8000mmHg
の範囲から選択される圧力下、105〜180℃の範囲
から選択される温度で加熱することによりアンモニアを
遊離させ、水性溶媒とともに蒸発させ、一般式RCH
(OH)COOHで表されるα−ヒドロキシ酸を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の医薬・農薬
等の合成原料として工業的に重要であり、また、ある種
のものは食品添加物や飼料添加剤として利用されている
α−ヒドロキシ酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物を用いる方法等により得られたα
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩からアンモニアを回収
し、遊離のα−ヒドロキシ酸を得る方法としては、例え
ば、電解透析による方法[国際公開WO−981894
1号公報、特開平10−179183号公報]、α−ヒ
ドロキシ酸アンモニウム塩を無溶媒または有機溶媒中で
加熱してアンモニアを回収し、続いて水を添加し加熱し
て一部生成したオリゴマー類を加水分解してα−ヒドロ
キシ酸を製造する方法[国際公開WO−9730962
号公報]等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エネ
ルギーコストが小さく、工業的に効率のよいα−ヒドロ
キシ酸アンモニウム塩からアンモニアを回収し、遊離の
α−ヒドロキシ酸を得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−ヒド
ロキシ酸アンモニウム塩の水性溶媒溶液を加圧加熱する
ことにより、アンモニアと水を効率よく蒸発させ、濃縮
とアンモニアの離脱を同時に行うことができることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、一般式[I] RCH(OH)COO-NH4 + (式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6
アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6アルケニル
基、置換基を有してもよいC1〜C6アルコキシ基、置換
基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいア
リールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基を表
す。)で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
[I]の水性溶媒溶液を、加圧加熱することによりアン
モニアを遊離させ、水性溶媒とともに蒸発させることを
特徴とする、一般式[II] RCH(OH)COOH (式中、Rは前記と同一の意味を示す。)で表されるα
−ヒドロキシ酸[II]の製造法や、α−ヒドロキシ酸ア
ンモニウム塩[I]の水性溶媒溶液を加圧加熱するに際
し、900〜8000mmHgの範囲から選択される圧
力で加圧し、105〜180℃の範囲から選択される温
度で加熱することを特徴とする上記α−ヒドロキシ酸
[II]の製造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用される一般式[I]
で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩は、例え
ば、特公昭58−15120号公報、特開昭63−22
2696号公報、特開昭64−10996号公報、特開
平4−40897号公報、特開平4−40898号公
報、特表平10−507631号公報等に記載されてい
るようにα−ヒドロキシニトリル類から微生物によって
製造することができる。かかる微生物としては、アルス
ロバクター属に属する Arthrobacter sp. NSSC104 等を
挙げることができる。
【0007】α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩[I]と
しては、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、α−ヒドロ
キシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ−
4−メチルチオ酪酸、α−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオン酸、α−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン
酸、α,β−ジヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、α
−ヒドロキシ−3−ブテン酸、α−ヒドロキシ−3−メ
チル−3−ブテン酸、2−ピリジニル−α−ヒドロキシ
酢酸等のアンモニウム塩を具体的に挙げることができ
る。
【0008】本発明においては、上記α−ヒドロキシ酸
アンモニウム塩の水性溶媒溶液を加圧加熱することによ
り、アンモニアを遊離させ、水性溶媒の蒸発と同時に系
外に留出させることにより、α−ヒドロキシ酸[II]を
得ることができる。水性溶媒の加熱温度としては、アン
モニアを遊離し、水性溶媒が蒸発する温度であればどの
ような温度でもよいが、105〜180℃の温度範囲が
好ましく、例えば、105〜180℃の温度とするため
には、系内を加圧状態にすることが必要であり、この場
合900〜1800mmHgの範囲から選択される圧力に
調整することが望ましい。圧力の調整は、水性溶媒の蒸
発蒸気圧によって、又はさらに加圧気体を導入すること
によって行うことができる。かかる加圧気体としては、
窒素、アルゴン、空気、水蒸気等を挙げることができ
る。
【0009】そして、加圧加熱による濃縮の際には、蒸
発面積を増加させることで、アンモニアの除外効率が向
上すると同時に、α−ヒドロキシ酸アミド等の副生物の
生成を抑えることができる。蒸発面積を増加させる蒸発
装置としては、薄膜式蒸発装置、フラッシュ式蒸発装置
等を挙げることができ、蒸発缶として充填塔を用いるこ
とも有効である。また、アンモニアの除外と同時に行う
濃縮に際しては、多重効用缶を用いることができる。具
体的には、蒸発温度の高い蒸発缶で、上記のアンモニア
の除外を行わせ、蒸発温度の低い蒸発缶では、濃縮のみ
を行わせる。多重効用缶を用いることにより濃縮のエネ
ルギーコストを節約できる。
【0010】本発明により製造されるα−ヒドロキシ酸
[II]としては、上記α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
[I]に相当する、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、
α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオ酪酸、α−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオン酸、α−ヒドロキシ−2−フェニルプ
ロピオン酸、α,β−ジヒドロキシ−3,3−ジメチル
酪酸、α−ヒドロキシ−3−ブテン酸、α−ヒドロキシ
−3−メチル−3−ブテン酸、2−ピリジニル−α−ヒ
ドロキシ酢酸等を具体的に挙げることができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。なお、アンモニアの遊離蒸発後のα−ヒドロ
キシ酸とα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の定量は、両
方の合計量を高速液体クロマトグラフィーにより定量
し、アンモニア分をNADH〜グルタミン酸脱水素酵素を用
いる紫外部吸光度測定法(Methods of Enzymatic Analy
sis, Bergmeyer H. U.ed., 3rd ed., vol.8, pp.454-46
1)により定量し、その当量分をα−ヒドロキシ酸アン
モニウム塩とした。α−ヒドロキシ酸量は上記合計量か
らα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩分を差し引いた値と
した。
【0012】32.4重量%の2−ヒドロキシ−4−メ
チルチオブタン酸アンモニウム塩水溶液500mlを使
用してアンモニアの離脱回収反応を行った。塔頂に調圧
弁を介してコンデンサーを備え、塔下部にはガス導入口
付きの圧力容器を備えた、塔径25mm、塔長300m
mの充填塔を用い、ガス導入口より窒素ガスを加圧導入
し、調圧弁により塔内の圧力が2000mmHgになる
ようにした。塔全体を130℃に加熱し、130℃に加
熱した上記2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸ア
ンモニウム塩水溶液を塔上部よりプランジャーポンプで
1.1ml/minで導入した。調圧弁を通って水蒸気
とアンモニアが排気されコンデンサーにより回収され、
濃縮水溶液が充填塔下部に付けた圧力容器中に回収され
た。
【0013】2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
アンモニウム塩水溶液の導入が終了するとまもなく濃縮
水溶液の落下が停止し反応終了となった。圧力容器中に
溜まった水溶液を分析したところ、仕込み2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタン酸アンモニウム塩に対して2
−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸が92.5%の
モル収率で得られ、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
タン酸アンモニウム塩の残存率は7.3%であった。2
−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸と2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタン酸アンモニウム塩を合計した
量の水溶液中濃度は65重量%であった。
【0014】
【発明の効果】本発明によると、α―ヒドロキシ酸のア
ンモニウム塩からその遊離酸であるα−ヒドロキシ酸を
工業的に有利に効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 59/50 C07C 59/50 59/70 59/70

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] RCH(OH)COO-NH4 + (式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6
    アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6アルケニル
    基、置換基を有してもよいC1〜C6アルコキシ基、置換
    基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいア
    リールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基を表
    す。)で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
    [I]の水性溶媒溶液を、加圧加熱することによりアン
    モニアを遊離させ、水性溶媒とともに蒸発させることを
    特徴とする、一般式[II] RCH(OH)COOH (式中、Rは前記と同一の意味を示す。)で表されるα
    −ヒドロキシ酸[II]の製造法。
  2. 【請求項2】 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩[I]
    の水性溶媒溶液を加圧加熱するに際し、900〜800
    0mmHgの範囲から選択される圧力で加圧し、105
    〜180℃の範囲から選択される温度で加熱することを
    特徴とする請求項1記載のα−ヒドロキシ酸[II]の製
    造法。
JP29564398A 1998-10-16 1998-10-16 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩からのα−ヒドロキシ酸の製造法 Withdrawn JP2000119214A (ja)

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