JP6054315B2 - カルボン酸及び塩共生成物の生成 - Google Patents

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Description

(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
本発明は、米国エネルギー省に認められた助成番号DE−FG36−07GO87005に基づいた政府支援によりなされたものであった。政府は、本発明の一定の権利を有している。
(技術分野)
本出願は、カルボン酸及び塩共生成物(co−product)の生成に関連する。特に本発明は、カルボン酸及びアンモニウム塩の生成に関連する。
一般に発酵過程では、さらなる使用のために分離及び/又は回収される必要がある最終産物が生成される。有機酸が生成される多くの発酵過程においては、例えば、該有機酸を生成するのに望ましいpHを維持するために塩基が添加される。該塩基の添加によって、該酸はその塩の形態に変換される。鉱酸などのより強い酸は、該有機酸の塩の形態をもとの酸の形態に変換するため、並びに、有機酸生成物の分離及び回収を促進するために添加される。この一連の処理によって、さまざまな塩の副産物が生成され得るが、それらの少なくとも一部は、望ましくない廃棄物として処分されなければならないかもしれない。
米国特許出願公開第2007/0015264号明細書には、有機酸のアンモニウム塩の生成について開示されている。該アンモニウム塩の組成物は、炭水化物をマグネシウム化合物の存在下で発酵することによって生成されて、有機酸のマグネシウム塩を生成する。生成されたマグネシウム塩の組成物はアンモニウム塩基で処理されて、該有機酸のアンモニウム塩及びマグネシウム塩基を生成し、これは次の発酵に利用され得るが、該有機酸はアンモニウム塩の形態のままである。
米国特許第5,958,744号明細書には、コハク酸をコハク酸塩から生成する方法が開示されている。その方法には、アンモニウムイオンを用いて発酵槽中の中性pHを維持すること、又は、発酵槽中でアンモニウムカチオンをコハク酸塩のカチオンに置換することのいずれかによる、コハク酸二アンモニウムの形成が含まれる。該コハク酸二アンモニウムは硫酸イオンと反応し、例えば該コハク酸二アンモニウムは硫酸水素アンモニウム及び/又は硫酸と十分に低いpHで結合することによってコハク酸及び硫酸アンモニウムを得る。該硫酸アンモニウムは、有利なことにアンモニア及び硫酸水素アンモニウムに熱的に分解される。前記コハク酸は、メタノール溶解工程で精製され得る。さまざまなろ過、還流及び再利用工程も利用され得る。
有機酸を生成する代わりの又は追加の方法を発見し、塩化合物の共生成(co−production)が減少されるか、又は、共生成された塩化合物が望ましくない廃棄物を減少させる形態であるものとすることが望まれている。さらに、有機酸を、該有機酸が比較的分離及び回収しやすい方法を使用して生成することが望まれている。また、生成される酸の量を、同様に生成されるかもしれないいずれの塩共生成物に対しても高めることも望まれている。
(本発明の概要)
本発明は、肥料を含むがこれに限られないさまざまな目的で使用され得る形態でカルボン酸及び塩共生成物を生成する方法を提供し、それによって全過程からの廃棄物を低減する。さらに該方法は、該酸を比較的高い量で生成することを可能にする。生成される酸はまた、比較的容易に分離及び回収され得る。
本発明のある側面に従うと、カルボン酸及びアンモニウム塩を生成する方法が提供される。該方法は、少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を含む水溶液を提供する工程を含み得る。あるいは、該方法は、炭水化物を少なくとも1種のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の存在下で発酵し、少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成する工程を含み得る。
前記少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、無機酸で処理され得て、該少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し、水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成する。
前記カルボン酸は、前記水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩から分離され、該水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理されて、アンモニウム塩及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物を生成する。
前記アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウムから成る群から選択される少なくとも1種の金属により代表され得る。
前記アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムから成る群から選択される少なくとも1種の金属により代表され得る。
ある態様では、前記提供された水溶液は、カルボン酸のマグネシウム塩を含む。
前記カルボン酸は、ジカルボン酸又はトリカルボン酸であり得る。
ある態様では、前記無機酸は、硫黄含有アニオン又は窒素含有アニオンで構成される。特定の無機酸は、硫酸であり得る。
ある態様では、前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウムである。
前記方法はさらに、前記アンモニウム塩を前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物から分離する工程を含み得る。前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物の少なくとも一部は、発酵培地に添加されて、前記少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を形成し得る。
本発明のある態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、水酸化マグネシウムである。
他の態様では、前記発酵培地は、少なくとも1種のカルボン酸産生生物及び炭水化物を含む。
本発明のさまざまな好ましい態様の例は、添付の図に示される。
図1は、カルボン酸塩の水溶液を処理して、カルボン酸及びアンモニウム塩共生成物を生成する方法を示す工程系統図である。 図2は、マグネシウム塩を用いて有機酸を生成し、該マグネシウム塩の少なくとも一部を再利用し、同様にこの方法で生成される硫酸アンモニウムを分離する好ましい方法を示す工程系統図である。
(発明の詳細な説明)
I.カルボン酸及びアンモニウム塩の生成
本発明は、カルボン酸生成物を有用な塩と一緒に生成する方法を提供する。該酸生成物は、比較的高濃度で生成され得て、該方法において共生成された塩は、幅広い種類の用途を有している。
本発明に従って生成されるカルボン酸生成物は、C2−C12カルボン酸である。ある態様では、該カルボン酸は、ジカルボン酸又はトリカルボン酸であり、好ましくはジカルボン酸、より好ましくはC4ジカルボン酸である。該カルボン酸は、飽和又は不飽和、分岐状又は直線状、置換(例えば、ヒドロキシル置換又はアミノ置換)又は非置換のものであり得る。
ジカルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタル酸、グルタミン酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、スベリン酸、イタコン酸及びテレフタル酸が含まれるが、これらに限定されない。トリカルボン酸の例には、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸及びトリメシン酸が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の方法において生成される塩の中には、アンモニウム塩がある。生成されるアンモニウム塩の例には、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸三アンモニウム、硫酸アンモニウム、及び、それらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の方法において生成されたアンモニウム塩は、それらがさまざまな用途を有しているという点において有益である。該アンモニウム塩の用途の例には、肥料又は肥料成分、殺虫剤、除草剤及び殺菌剤のためのアジュバント、ワクチン中の添加剤、他の発酵における栄養源、食品添加物、並びに、難燃剤が含まれるが、これらに限定されない。
II.カルボン酸を生成するための炭素源
本発明に従って生成され得るカルボン酸は、突き詰めていくとカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩に由来する。本発明の方法の一部として利用され得る該カルボン酸アルカリ金属のアルカリ金属部分の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウムから成る群から選択される少なくとも1種の金属が含まれる。本発明の方法の一部として利用され得る該カルボン酸アルカリ土類金属のアルカリ土類金属部分の例には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムから成る群から選択される少なくとも1種の金属が含まれる。
実際には、本発明に従って生成されるカルボン酸生成物は炭素源に由来しており、該炭素源は適切な発酵培地中で発酵されたものである。該発酵によって、カルボン酸はその酸の形態で生成されるだろうが、該発酵は、好ましくは、カルボン酸生成を促進する範囲内にpHを制御するために、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む1種以上の塩基の存在下で又はそれらを添加して実施される。少なくとも1種のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基の存在下で発酵を実施した結果として、カルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩が、前記発酵培地中に形成する。処理されて最終的に所望のカルボン酸をその酸の形態で生成し、かつアルカリ又はアルカリ土類金属を含む塩を生成するのが、このカルボン酸塩である。続いて、このアルカリ又はアルカリ土類金属塩が次に処理されて、アルカリ又はアルカリ土類金属塩基、及び、さまざまな最終用途を有する塩共生成物を形成する。
本発明の実施において使用される発酵性炭素源は、本発明の所望の酸生成物を形成するために使用される微生物によって発酵されるいかなる炭水化物でもあり得る。発酵、発酵する、又は、発酵性という用語は、有機化合物、例えば発酵性炭素源の酵素的に制御された変換のことをいうと見なされる。そのような発酵性炭素源又は炭水化物源には、グルコース、スクロース、フルクトース、ラクトース、可溶性デンプン、ペントース、グリセロール、ポリオール、粗バイオマス加水分解物、コーンシロップ、並びに、トウ及びビートの糖蜜のいずれか1種又はそれ以上のものが含まれる。
前記発酵培地中の炭水化物の濃度は、十分な量の所望の酸生成物を形成するために十分高くすべきであるが、発酵工程自身を妨げるほど高くすべきではない。ある態様では、該発酵培地中の発酵性炭素源の濃度は、約20g/L〜約250g/L、好ましくは約100g/L〜約160g/Lである。
III.発酵工程
本発明の一部として含まれ得る発酵工程は、所望のカルボン酸生成物を産生する微生物の使用を包含する。ある態様では、該発酵工程は、アコニターゼ、イソクエン酸脱水素酵素、α−ケトグルタル酸脱水素酵素、コハク酸脱水素酵素、フマラーゼ、リンゴ酸脱水素酵素、クエン酸シンターゼ、乳酸脱水素酵素、ピルビン酸カルボキシラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、フマル酸レダクターゼ、及び、リンゴ酸酵素から成る群から選択される少なくとも1種の酵素を積極的に発現する微生物の使用を包含する。これらの酵素の1種以上が、前記発酵性炭素源を直接的又は間接的に所望のカルボン酸生成物に変換するために使用され得る。
本発明の方法に従って生成される酸組成物の1種以上に餌を変換するのに使用される酵素の1種以上を天然に発現するいかなる生物も使用され得る。そのような生物には、大腸菌、枯草菌、乳酸菌、桿菌、球菌、並びに、アクチノバチラス・サクシノゲネス(Actinobacillus succinogenes)及びパスツレラ科における関連の酸産生種を含む球桿菌などの細菌が含まれるが、これらに限定されず、また、酵母、他の真菌、リゾプス属及びアスペルギルス属の酸産生種を含む糸状菌も含まれる。
前記発酵工程は、発酵培地、好ましくは水性培地中で実施される。好ましい態様では、発酵は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基、好ましくは少なくとも1種の酸素原子を含むマグネシウム化合物の存在下で実施される。より好ましくは、該発酵は、アルカリ土類金属塩基、最も好ましくは、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、重炭酸マグネシウム及び炭酸マグネシウムから成る群から選択されるマグネシウム化合物の存在下で実施される。
同様に使用され得る追加のアルカリ又はアルカリ土類金属塩基の例には、水酸化リチウム、炭酸リチウム、重炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、重炭酸バリウム、及び、それらの混合物が含まれる。
ある態様では、前記発酵工程は、前記発酵培地が、少なくとも4、より好ましくは少なくとも5、そして最も好ましくは少なくとも6のpHで維持されるように実施される。他の態様では、発酵は、8.5以下、好ましくは7.5以下、より好ましくは7.2以下のpHで実施される。また別の態様では、発酵は、5〜8、より好ましくは6〜7のpHで実施される。
他の態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、前記発酵培地に、該発酵培地を所望のpHに維持するのに十分な速度で添加される。特に好ましい態様では、炭酸マグネシウム又は水酸化マグネシウム、最も好ましくは水酸化マグネシウムが、該発酵培地に、該発酵培地を所望のpHに維持するのに十分な速度で添加される。
本発明のまた別の態様では、前記発酵工程は、発酵培地に添加されている酸素(空気の形態中を含む)、二酸化炭素、又は、それら両方とともに実施される。二酸化炭素は、該発酵培地にさまざまな方法で供給され得る。例えば、二酸化炭素は、鉱物炭酸塩又は重炭酸塩の形態としてのアルカリ又はアルカリ土類金属塩基の一部として、空気中で、CO2富化空気中で、又は、純粋若しくは実質的に純粋なCO2として直接、該培地に添加される。ある態様では、CO2を含む流体、好ましくはガスが、該発酵培地に添加される。好ましくは、該流体は、該培地に添加された流体の全体積に基づいて、少なくとも0.05%のCO2、より好ましくは0.1%〜60%のCO2を含む。より好ましくは、該流体は、該培地に添加された流体又はガスの全体積に基づいて、0.2%〜30%のCO2、そして最も好ましくは0.4%〜15%のCO2を含む。他の態様では、ガス、すなわちCO2を含む全ガス添加は、0.3L/L−分〜1.3L/L−分、好ましくは0.5L/L−分〜1.0L/L−分の発酵培地の体積当たりの全ガス体積速度で、該培地に供給又は添加される。該ガスは、1種以上の源から該培地に添加され得る。該CO2の添加の間、該培地は、好ましくは所定の又は望ましいpHに維持される。特に、pHは、アルカリ又はアルカリ土類金属塩基の添加によって、そしてより好ましくは酸素を含むマグネシウム化合物の添加によって、所定のレベルに制御され得る。
ある態様では、前記発酵工程は、超大気圧(superatmospheric pressure)で二酸化炭素を含む加圧型化学反応装置中で実施される。該二酸化炭素は、使用されるガスが使用される生物の成長及び代謝を阻害しない限りは、その他のガスと混合され得る。二酸化炭素はまた、発酵条件下でこのガスを発生するかもしれない炭酸塩又は重炭酸塩の添加によって、該発酵培地に供給され得る。該発酵培地は、好ましくは、最低約0.1大気分圧の二酸化炭素と平衡状態にある溶存CO2を含む。特定の態様では、該発酵培地は、二酸化炭素及び少なくとも約0.3大気分圧の二酸化炭素を含む雰囲気で飽和している。
IV.発酵液からの酸の塩の分離
前記発酵工程において形成されたカルボン酸塩組成物は、好ましくは、発酵液の少なくとも一部から分離される。本明細書で用いられているように、発酵液という用語は、発酵組成物全体のことをいう。これは、発酵槽中の液体成分も固体成分も含む。ある態様では、液体部分は該液から分離され、該分離された液体部分は、発酵液中にもともと含まれている前記カルボン酸塩の少なくとも大部分を含む。
前記カルボン酸塩は、いずれかの適切な手段を用いて、前記液から分離され得る。例えば、分離は、清澄器(clarifier)、ろ過器又は遠心分離機などの手段を用いて達成され得る。いずれの適切な代替手段も使用され得る。
V.無機酸によるカルボン酸塩の処理
本発明は、少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を無機酸で処理して、該少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し、水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成する処理工程を含む。本発明に従って、水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、有機酸生成物の少なくとも一部がいずれかの温度及び濃度レベルにおいて沈殿又は酸性の液体部分から分離した際に、溶液中に残っているだろう塩として定義される。好ましくは、無機塩は、所望の有機酸の大部分が分離又は沈殿する温度及び濃度レベルにおいて、溶液中に残っているだろう。
本発明のある態様では、カルボン酸が生成されるが、該カルボン酸のpKaは1よりも大きい。好ましくは、該カルボン酸の塩の形態は、前記少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成するために、無機酸で処理して液体部分のpHを少なくとも前記有機酸生成物の酸の形態の第1のpKa以下に低下させすることによって、その酸の形態に変換される。
この処理工程において使用され得る無機酸の例には、塩酸、リン酸、硝酸及び硫酸が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、硫酸又は硝酸が該無機酸として使用される。
前記カルボン酸塩の少なくとも一部を遊離の酸に変換するのに十分な量の無機酸が添加される。好ましくは、大部分(すなわち、少なくとも50%)の該カルボン酸塩をその遊離酸形態に変換するのに十分な無機酸が添加される。カルボン酸塩の量に対して、典型的には0.1〜10モル当量の無機酸が添加される。より好ましくは0.5〜5モル当量が添加され、そして最も好ましくはカルボン酸塩の量に対して1〜2モル当量が添加される。
この処理工程の間に形成される特定の水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、処理されているカルボン酸と関連するアルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンの種類及び利用された無機酸と関連するアニオンの種類によって決まるだろう。例えば、カルボン酸マグネシウム塩が硫酸、硝酸又は塩酸から成る群から選択される無機酸により処理される態様では、該カルボン酸マグネシウム塩はそのカルボン酸形態に変換され、そして、水溶性の硫酸、硝酸又は塩化マグネシウム塩が生成されるだろう。
他の態様では、カルボン酸リチウム塩は硫酸、硝酸又は塩酸から成る群から選択される無機酸により処理されて、該カルボン酸リチウム塩がそのカルボン酸形態に変換され、そして、水溶性の硫酸、硝酸又は塩化リチウム塩が生成されるだろう。
他の態様では、カルボン酸ナトリウム塩は硫酸、硝酸又は塩酸から成る群から選択される無機酸により処理されて、該カルボン酸ナトリウム塩がそのカルボン酸形態に変換され、そして、水溶性の硫酸、硝酸又は塩化ナトリウム塩が生成されるだろう。
他の態様では、カルボン酸カリウム塩は硫酸、硝酸又は塩酸から成る群から選択される無機酸により処理されて、該カルボン酸カリウム塩がそのカルボン酸形態に変換され、そして、水溶性の硫酸、硝酸又は塩化カリウム塩が生成されるだろう。
他の態様では、カルボン酸カルシウム塩は硝酸又は塩酸から成る群から選択される無機酸により処理されて、該カルボン酸カルシウム塩がそのカルボン酸形態に変換され、そして、水溶性の硝酸又は塩化カルシウム塩が生成されるだろう。
他の態様では、カルボン酸バリウム塩は硝酸又は塩酸から成る群から選択される無機酸により処理されて、該カルボン酸バリウム塩がそのカルボン酸形態に変換され、そして、水溶性の硝酸又は塩化バリウム塩が生成されるだろう。
VI.水溶性塩からのカルボン酸の分離
前記カルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を前記無機酸により処理して、カルボン酸塩をそのカルボン酸形態に変換し前記水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成することに続いて、該カルボン酸及び水溶性塩が分離される。該化合物を分離するのに適したいかなる手段も利用され得る。そのような手段の例には、ろ過、遠心分離、相分離及び沈降が含まれるが、これらに限定されない
典型的には、前記有機塩から酸を形成するために酸処理又は前記液体部分のpHを低下する間に、該液体部分は温度が上昇する。該処理された液体部分を冷却することが好ましい。特に、該処理された液体部分の温度を低下させて所望の酸生成物を沈殿させることが好ましい。ある態様では、該処理された液体部分は、40℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下、さらにより好ましくは10℃以下、そして最も好ましくは5℃以下の温度まで低下する。
VII.水溶性塩のアンモニア又はアンモニウムイオン組成物による処理
前記カルボン酸から分離される水溶性塩は、アンモニウム化合物(すなわち、アンモニウムイオン含有塩基)により処理されて、アンモニウム塩及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物を生成する。使用され得るアンモニウムイオン含有塩基又は化合物の例には、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び重炭酸アンモニウムがある。
前記無機塩の少なくとも一部をその塩基及び対応するアンモニウム塩に変換するためのアンモニウム化合物の量が添加される。好ましくは、大部分(すなわち、少なくとも50%)の該無機塩を変換するのに十分なアンモニウム化合物が添加される。例えば、該無機酸塩に対して1〜40モル当量のアンモニウム化合物が添加される。好ましくは、該無機酸塩に対して、5〜20又は10〜20モル当量が添加される。
生成されたアルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は水に十分に不溶性であり、該沈殿物の分離及び回収はより容易に促進される。好ましくは、該アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物の水への溶解度は、水100g当たり沈殿物25g以下、より好ましくは10g以下であり、又は、水100g当たり沈殿物0.1gより大きい。
本発明のある態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、マグネシウムを金属成分として包含している。したがって、沈殿した塩の例には、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び重炭酸マグネシウムが含まれる。
本発明の他の態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、リチウムを金属成分として包含している。したがって、沈殿した塩の例には、水酸化リチウム、炭酸リチウム及び重炭酸リチウムが含まれる。
本発明の他の態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、ナトリウムを金属成分として包含している。したがって、沈殿した塩の例には、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムが含まれる。
本発明の他の態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、カリウムを金属成分として包含している。したがって、沈殿した塩の例には、炭酸カリウム及び重炭酸カリウムが含まれる。
本発明の他の態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、カルシウムを金属成分として包含している。したがって、沈殿した塩の例には、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び重炭酸カルシウムが含まれる。
本発明の他の態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、バリウムを金属成分として包含している。したがって、沈殿した塩の例には、水酸化バリウム、炭酸バリウム及び重炭酸バリウムが含まれる。
VIII.沈殿物の再利用
本発明の好ましい態様では、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物は、所望のカルボン酸生成物を生成するために使用される発酵培地中の塩基又は塩基の一部として使用される。例えば、該アルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物の少なくとも一部が、pHを維持又は制御するために使用される少なくとも1種のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基として、前記発酵工程において適用される。
IX.実施例
図1は、本発明の方法の例を示す。図1に従って、少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を含む水溶液を無機酸により処理して、該少なくとも1種のカルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し、水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成する。該カルボン酸を、分離機102において該水溶性塩から分離する。次に、分離された水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩をアンモニア又は水酸化アンモニウムで処理して、アンモニウム塩及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基の沈殿物を生成する。そして、該アンモニウム塩を、分離器104を手段として該アルカリ又はアルカリ土類金属塩基塩から分離する。
図2は、本発明の好ましい態様を示す。図2に従って、コハク酸又はフマル酸などの有機酸を、少なくとも1種のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、好ましくはMg(OH)2又はMgCO3の存在下で炭水化物を発酵して、少なくとも1種の該カルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成することによって生成する。次に、該カルボン酸塩を、遠心分離機などの分離器201において細胞性又は他の不溶性物質から分離する。そして、分離されたカルボン酸塩をH2SO4などの無機酸で処理して、該カルボン酸塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し、MgSO4などの水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を生成する。
前記カルボン酸は、分離器202を手段として前記水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、例えばMgSO4から分離し、該水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、アンモニア又は水酸化アンモニウムで処理して、例えば(NH42SO4であるアンモニウム塩、及び、例えばMg(OH)2であるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物を生成する。該アンモニウム塩を、分離器204を手段として該沈殿物から分離する。好ましくは、例えばMg(OH)2である沈殿物は、前記発酵工程で再利用される。該アンモニウム塩は、濃縮器206において濃縮して、過剰のアンモニア又は水酸化アンモニウム及び水を取り除くことができる。好ましくは、該アンモニア及び/又は水酸化アンモニウムは、例えばMgSO4である前記水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を処理するために再利用される。
実施例1−水溶性塩の水酸化アンモニウムによる処理
一連の実験においては、水酸化アンモニウムを、水溶性のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、すなわちMgSO4に添加して、硫酸アンモニウム及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の沈殿物、すなわちMg(OH)2を形成した。3種の開始濃度のMgSO4及び3種のレベルの水酸化アンモニウムから成るマトリックスを評価した。溶液から沈殿されるMgの量は、水酸化アンモニウムの添加前と添加及びろ過後とにおける水溶液のMgの原子吸光によって決定した。この実験のマトリックスの結果を表1に示すが、ここには、特に過剰の水酸化アンモニウムを使用した場合には、該溶液中には驚くほどわずかな比率のMgイオンが見られた。ほとんどのMgイオンは沈殿していた。
Figure 0006054315
以下の図2に示されているように、アルカリ及びアルカリ土類金属カチオンのpKaはアンモニウムイオンよりも高く、このことは、例えば、Mg(OH)2はNH4OHよりも強い塩基であり、Na2CO3は(NH42CO3よりも強い塩基であるなどというように、それらがより強い塩基を形成することを示している。
Figure 0006054315
典型的には、より弱い塩基は、塩と反応してより強い塩基を形成しないだろう。したがって、典型的には、以下の反応の生成組成物は、反応式、
Figure 0006054315
金属=Na、K、Mg又はCa
の左側の成分を好むと予想されるだろう。
表1のデータは、これがすべての条件下での硫酸マグネシウムと水酸化アンモニウムとの反応について当てはまるわけではないことを示している。該硫酸マグネシウムの大部分は該水酸化アンモニウムと反応して、硫酸アンモニウム及び溶液から沈殿する水酸化マグネシウムを生成し、前記反応式の右側を好む。また、表1からのデータに基づいて、同一又は実質的に同一の結果が、前述のアルカリ及びアルカリ土類金属とアンモニウム塩基の群からも予想される。
実施例2−Mg(OH)2の回収
実施例1から収集された固形物がMg(OH)2であったことを検証するために、固体1グラム当たりの塩基当量を、滴定により決定し純正Mg(OH)2と比較した。結果を表3に示すが、これは、純正Mg(OH)2と同様の塩基等価性を示すことによって、回収可能な沈殿物が塩基であることを明らかにしている。
Figure 0006054315
表3のデータは、回収された固体が塩基として水酸化マグネシウムと同等であることを明らかにしている。これはさらに、実質的にすべての沈殿物が発酵工程全体において再利用できることを明らかにしている。
本発明の原理及び実施形態を、さまざまな例示的及び好ましい態様を参照して上述している。当業者に理解されるように、本発明全体としては、特許請求の範囲に定義されているように、本明細書に具体的には列挙されていない他の好ましい態様を包含する。

Claims (16)

  1. カルボン酸及びアンモニウム塩を生成する方法であって、
    少なくとも1種のカルボン酸のマグネシウム塩を含む水溶液を提供する工程、
    該少なくとも1種のカルボン酸のマグネシウム塩を無機酸で処理して、該少なくとも1種のマグネシウム塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し、水溶性のマグネシウム塩を生成する工程、
    該カルボン酸を該水溶性のマグネシウム塩から分離する工程、及び、
    該水溶性のマグネシウム塩をアンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理して、アンモニウム塩及びマグネシウムの沈殿物を生成する工程、
    を含み、
    該マグネシウムの沈殿物を該アンモニウム塩から分離し、その分離されたマグネシウムの沈殿物の少なくとも一部を発酵培地に添加して、カルボン酸のマグネシウム塩を形成する工程をさらに含むことを特徴とする方法。
  2. 前記カルボン酸が、ジカルボン酸又はトリカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記無機酸が、硫黄含有アニオン又は窒素含有アニオンで構成されている、請求項1に記載の方法。
  4. 前記無機酸が、硫酸である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記アンモニウム塩が、硫酸アンモニウムである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記マグネシウムの沈殿物が、水酸化マグネシウムである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記発酵培地が、少なくとも1種のカルボン酸産生生物及び炭水化物を含む、請求項1に記載の方法。
  8. カルボン酸及びアンモニウム塩を生成する方法であって、
    炭水化物を少なくともマグネシウム塩基の存在下で発酵して、カルボン酸のマグネシウム塩を生成する工程、
    該カルボン酸のマグネシウム塩を無機酸で処理して、該カルボン酸のマグネシウム塩の少なくとも一部をそのカルボン酸形態に変換し、水溶性のマグネシウム塩を生成する工程、
    該カルボン酸を該水溶性のマグネシウム塩から分離する工程、及び、
    該水溶性のマグネシウム塩をアンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理して、アンモニウム塩及びマグネシウムの沈殿物を生成する工程、
    を含み、
    該マグネシウムの沈殿物を回収し、その回収されたマグネシウムの沈殿物の少なくとも一部の存在下で炭水化物を発酵する工程を実施する工程をさらに含み、該マグネシウムの沈殿物が、マグネシウム塩基を含むことを特徴とする方法。
  9. 前記マグネシウムの沈殿物が、水酸化マグネシウムである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記カルボン酸が、ジカルボン酸又はトリカルボン酸である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記無機酸が、硫黄含有アニオン又は窒素含有アニオンで構成されている、請求項8に記載の方法。
  12. 前記無機酸が、硫酸である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記水溶性のマグネシウム塩を、5〜20モル当量のアンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記水溶性のマグネシウム塩を、10〜20モル当量のアンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記水溶性のマグネシウム塩を、5〜20モル当量のアンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理する、請求項8に記載の方法。
  16. 前記水溶性のマグネシウム塩を、10〜20モル当量のアンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムで処理する、請求項8に記載の方法。
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