JP2000109896A - 消去可能な画像形成材料 - Google Patents
消去可能な画像形成材料Info
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Abstract
溶媒により消去不良を起こすことなく画像を消去するこ
とができ、良好な消去状態が得られる画像形成材料を提
供する。 【解決手段】 呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー
樹脂と、顕色剤を物理的または化学的に吸着することが
可能な電子供与性基を有する高分子消色剤、たとえば糖
骨格を有する高分子化合物とを含有する消去可能な画像
形成材料。
Description
機、FAXなどの電子写真や、熱転写記録、筆記具また
は印刷などに用いられ、画像を形成した後に消去するこ
とができる画像形成材料に関する。
するにつれ、各種の情報量が著しく増大し、それに合わ
せて情報の出力も増大している。情報の出力は、ディス
プレイ出力、およびプリンターによる紙へのハードコピ
ー出力に代表される。ディスプレイ出力は、表示部に大
規模な回路基板が必要となるため、携帯性およびコスト
の観点から問題がある。一方、ハードコピー出力は、最
も基本的な情報表示手段であり、汎用性と保存性に優れ
ている。しかし、ハードコピー出力では、情報が増加す
ると記録媒体としての紙を大量に使用することになるの
で、紙の原料となる木材の伐採の増加につながる。森林
資源は地球環境の維持および炭酸ガスによる温室効果の
抑制の観点から非常に重要な意味を持つ。このため、新
たな木材の伐採を最低限に抑え、現在すでに保有してい
る紙資源を効率的に活用することが大きな課題となって
いる。
画像形成材料が印刷された紙を多量の漂白剤と水を用い
て処理し、紙繊維を漉き直して紙質の悪い再生紙を製造
することにより行われている。このような方法は、再生
紙のコストを高騰させるうえに、廃液の処理に伴う新た
な環境汚染の原因となる。
用具に対して修正液を用いて画像を修正して紙の再使用
がなされてきた。しかし、これらの方法では修正のため
の効率が悪く、再使用にも限度がある。また、最近では
ハードコピー用紙のリユースを目的としたリライタブル
ペーパーなどが提案されてきた。しかし、リライタブル
ペーパーは感熱記録しか適用できないうえに、特殊紙で
あるためリユースは可能であるがリサイクルできない。
物、顕色剤およびこれらの化合物と相溶性のある消色剤
を含有し、通常の画像形成材料と同様に画像を形成する
ことができ、しかも熱または溶媒で処理することにより
画像の消去が可能な画像形成材料の開発を進めている。
こうした消去可能な画像形成材料を用いれば、紙質の劣
化を極力防ぎながら、画像を消去して白紙状態に戻した
紙を何度も繰り返して再使用(リユース)することがで
きる。そして、リユースによる紙質の低下が著しくなっ
た時点でリサイクルすればよいので、紙資源の利用効率
が飛躍的に向上する。こうして実質的な紙の使用量を減
らすことができるので、木材の伐採を最小限に抑えるこ
とができる。しかも、現行のリサイクルシステムで問題
となる再生紙のコスト高や廃液処理による環境汚染も極
力避けることができる。
る、呈色性化合物、顕色剤、消色剤、バインダー樹脂な
どを含有する画像形成材料は、通常の電子写真用トナー
と同様に画像を形成でき、かつ溶媒または加熱により消
去可能である。しかし、画像形成材料では、製造ロット
により画像の反射濃度にばらつきが生じたり、画像を加
熱定着する場合に定着不良(オフセット)を起こすこと
があった。また、溶媒により画像を消去する際に、部分
的に画像形成材料が流れた跡やにじみが生じ、画像の消
え残りが生じる場合があることもわかってきた。画像の
消え残りは紙の再使用を制限する要因となるため、形成
された画像をできるだけ完全に消色できるように改善す
る余地がある。
な画像を形成でき、しかも熱または溶媒処理により画像
を消去でき、消去不良を起こすことなく良好な消去状態
が得られる画像形成材料を提供することにある。
形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、マトリックス
剤と、顕色剤を物理的または化学的に吸着することが可
能な電子供与性基を有する高分子消色剤とを含有するこ
とを特徴とする。
を有する高分子化合物、ポリアミノ酸、ヒドロキシル基
を有する高分子化合物、アミノ基を有する高分子化合
物、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリルおよ
びこれらの共重合体からなる群より選択される少なくと
も1種であることが好ましい。
プン、デンプンを主成分とする穀物粉体、デンプン誘導
体、セルロース誘導体、多糖類およびその誘導体からな
る群より選択されるものが好ましい。
上、さらに10000以上であることが好ましい。
は、熱または消去溶媒による消色処理後に前記顕色剤と
前記消色剤との反応比率が70%以上になる値を下限値
とし、画像形成材料の調製時の温度で両者を混合した後
の前記顕色剤と前記消色剤との反応比率が30%以下に
なる値を上限値とする範囲内にあることが好ましい。
対して、顕色剤が0.1〜10重量部、さらに0.3〜
2重量部、高分子消色剤が1〜200重量部、さらに3
〜50重量部の割合で含有されているが好ましい。
態で使用することができる。たとえば、コピー機(PP
C)、レーザープリンター、FAXなどの電子写真用ト
ナー(現像剤);サーマルプリンターのインク;インク
ジェットプリンターのインク;スクリーン印刷や活字印
刷などの印刷インク;ボールペンや万年筆などの筆記用
具のインクとして用いることができる。本発明の画像形
成材料を用いて、多様な画像記録媒体上に画像を形成す
ることができる。シート状の画像記録媒体としては、代
表的には紙や高分子フィルムなどが挙げられる。画像記
録媒体は、シート状の画像記録媒体を付着させた容器、
梱包体、構造物なども含む。画像記録媒体上に形成され
た発色状態の画像形成材料は、後述するように溶媒また
は熱で処理することにより消色することができる。
いて説明する。
図形などの着色情報を形成する色素の前駆体化合物であ
り、顕色剤とは呈色性化合物との相互作用により呈色性
化合物を着色させる化合物である。呈色性化合物と顕色
剤は、両者の相互作用が増大したときに発色し、両者の
相互作用が減少したときに消色する。なお以下において
は、発色状態にある呈色性化合物および顕色剤を色素成
分という場合がある。
とは、(a)形成された画像の反射濃度に対して、消去
後の画像領域の反射濃度が1/3以下に低下するか、ま
たは(b)消去後の画像領域の反射濃度とバックグラウ
ンドの反射濃度との差が0.1以下になることを意味す
る。(a)と(b)の両方の条件を満たすことがより好
ましい。
類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール
類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ロー
ダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、
フルオラン類などの電子供与性有機物が挙げられる。
金属塩、カルボン酸、カルボン酸金属塩、ベンゾフェノ
ン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸金属
塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩、
亜リン酸、亜リン酸金属塩などが挙げられる。顕色剤は
単独でまたは2種以上混合して用いることができる。上
記のうちでも特に好適な顕色剤として、没食子酸エステ
ル、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息
香酸エステル、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビフェノールが挙げられる。
像形成材料の各成分を保持するために用いられるバイン
ダー樹脂、画像形成材料の物性を調整するために用いら
れるワックス成分、液状インクのような液状の画像形成
材料に添加されるビヒクルを意味する。
用トナー、液体インク、インクリボン、筆記用具などに
用いられている樹脂であれば特に限定されない。トナー
用バインダー樹脂としては、温度安定性からガラス転移
点(Tg)が40℃以上の樹脂が好適に用いられる。具
体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリレート共重
合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタ
クリレート共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合
体、ポリエステル、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン
−ブタジエンゴム、スチレン−マレイン酸エステル共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げら
れる。熱転写インク用バインダー樹脂としては、熱転写
感度からTgが70℃以下の樹脂が好適に用いられる。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テルが挙げられる。いずれの場合でも、バインダー樹脂
は単独で用いてもよいし、ブレンドして用いてもよい。
高級ケトン、高級脂肪族エステル、低分子量ポリプロピ
レン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリブチレン、
低分子量ポリアルカン、ライスワックスのような天然ワ
ックスなどを用いることができる。ワックス成分の酸価
は10以下であることが好ましい。ワックス成分の重量
平均分子量は、102〜105、さらには102〜104で
あることが好ましい。
剤を物理的または化学的に吸着することが可能な電子供
与性基を有する高分子化合物である。電子供与性基は顕
色剤を物理的または化学的に吸着する作用を持つものな
らば特に限定されないが、ヒドロキシル基、アシル基、
オキソ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、アミノ
基、芳香族アミノ基などが好ましい。
去溶剤に接触するか、または軟化点以上の温度に加熱さ
れると、呈色性化合物と結合している顕色剤が、高分子
消色剤の電子供与性基に選択的に吸着されて呈色性化合
物と作用できなくなる。この結果、画像形成材料は発色
状態から消色状態へと変化する。高分子消色剤は、低分
子消色剤よりも単位体積あたりの官能基の濃度が高いた
め顕色剤を効率よく吸着し、高分子鎖中に顕色剤を囲い
込んで安定に保持する。高分子消色剤は、マトリックス
剤とからみあうため、画像形成材料に溶媒を接触させて
画像を消去する場合にも消去溶媒とともに流出すること
がない。このため、高分子消色剤に吸着された顕色剤を
安定に保持することができ、発色した色素成分の流れや
部分的なにじみによる消去不良を起こすことがない。
分子化合物、ポリアミノ酸、ヒドロキシル基を有する高
分子化合物、アミノ基を有する高分子化合物、ポリビニ
ルアセタール、ポリアクリロニトリルおよびこれらの共
重合体からなる群より選択される。高分子消色剤の平均
分子量は800以上、より好ましくは10000以上で
ある。糖骨格を有する高分子化合物に関しては、800
以上の平均分子量は三糖類以上に相当する。
ンプン、例えばα−デンプン、β−デンプン、コーンス
ターチ、馬鈴薯スターチ、片栗粉など;デンプンを主成
分とする穀物粉体、たとえば小麦粉、大麦粉、らい麦
粉、米粉など;デンプンの誘導体、たとえばメチル化ス
ターチ、エチル化スターチ、アセチル化スターチ、ニト
ロ化スターチなど;セルロース;セルロース誘導体、た
とえば酢酸セルロース、メチル化セルロース、エチル化
セルロース、ニトロ化セルロース;多糖類およびその誘
導体、たとえばデキストリン(糊精)、デキストラン、
マンナン、アミロペクチン、アミロース、キシラン、グ
リコーゲン、イヌリン、リケニン、キチン、ヘミセルロ
ース、ペクチン、植物ゴム、アガロース、カラゲニン、
サポニンなどが挙げられる。
細な粉体として入手でき、混練によりバインダー樹脂な
ど画像形成材料を構成する他の成分と均一に分散させる
ことができる。しかも、混練の際に高温に加熱する必要
もない。
分子消色剤として用いると、オフセット(トナーの一部
が加熱ローラー面に付着する現象)を防ぐ効果も得られ
る。これは、糖骨格を有する高分子化合物は画像記録媒
体である紙の繊維との親和性が高く、紙に対する画像形
成材料の密着性を高める作用を有するためであると考え
られる。特に、デンプン及びその誘導体ではその作用が
顕著である。また、オフセットが起こり、バインダー樹
脂が表面状態が荒れていると、溶媒による消去時に画像
形成材料中の色素成分が流れ出しやすくなり、高分子消
色剤が顕色剤を十分に吸着できないために消去不良の原
因となる。したがって、耐オフセット性能の向上は、消
去特性の向上にもつながる。
子消色剤は、バインダー樹脂としての機能も有するが、
含有量が多すぎると画像形成材料の耐湿性を低下させる
原因となる。この問題に対しては、糖骨格に含まれるヒ
ドロキシル基の一部をアセチル基などで置換することに
より、画像形成材料の耐湿性を改善することができる。
アセチル基などによるヒドロキシル基の置換率は、画像
形成材料に含まれる高分子消色剤の含有量に応じて決定
することが好ましい。
は、ヒドロキシル基、アミノ基もしくはオキシカルボニ
ル基を有するアミノ酸およびその誘導体の単独重合体、
または上記のアミノ酸およびその誘導体を5%以上含有
する共重合体である。具体的には、トレオニン、セリ
ン、システイン、ヒドロキシプロリン、トリプトファ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシ
ン、オルニチン、ヒスチジンなどが挙げられる。
消色剤として機能する。糖蛋白質としては、コラーゲ
ン、タカアミラーゼA、カゼイン、胚芽糖蛋白質、卵白
アルブミンなどが挙げられる。
高分子化合物とは、酸素原子の孤立電子対から電子を供
与して顕色剤を物理的または化学的に吸着できる高分子
化合物を意味する。このような観点から、顕色作用を示
すフェノール性ヒドロキシル基を有するフェノール樹脂
などは、高分子消色剤に含まれない。ヒドロキシル基を
有する高分子化合物の代表例としては、ポリビニルアル
コールが挙げられる。ポリビニルアルコールは、バイン
ダー樹脂としての機能も有するが、含有量が多すぎると
画像形成材料の耐湿性を低下させる原因となる。この問
題に対しては、ポリビニルアルコールの側鎖ヒドロキシ
ル基の一部をアセチル基、アルキル基などで置換するこ
とにより、画像形成材料の耐湿性を改善することができ
る。この場合も、アセチル基などによるヒドロキシル基
の置換率は、画像形成材料に含まれる高分子消色剤の含
有量に応じて決定することが好ましい。
化合物とは、窒素原子の孤立電子対から電子を供与して
顕色剤を物理的または化学的に吸着できる高分子化合物
を意味し、芳香環を有するものでも芳香環を有しないも
のでもよい。好適なアミノ基を有する高分子化合物とし
ては、ポリビニルピリジン、ポリビニルピラジン、ポリ
ビニルピリミジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニ
ルピロール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロ
リジン、ポリビニルピペリジン、ポリビニルピペラジ
ン、ポリビニルモルホリンなどの単独重合体、または上
記のアミノ基を含有するモノマーを5%以上含有する共
重合体が挙げられる。
基を導入した高分子化合物も、高分子消色剤として用い
ることができる。具体的には、ポリビニルアニリン、陰
イオン交換樹脂として用いられる4級アンモニウム塩で
置換したポリスチレン、エチレンジアミン骨格を有する
アミノ基で置換したポリスチレンおよびそれらの誘導体
などが挙げられる。置換率は5%以上とすることが好ま
しい。
分子消色剤の含有量の決定方法について説明する。消去
可能な画像形成材料に含有させる消色剤の比率を増加さ
せると、過剰の消色剤が顕色剤と反応するため、初期の
画像濃度が低下する。一方、消色剤が少なすぎると、熱
または溶媒で画像形成材料を消去したときに消色剤が顕
色剤を十分に固定できず、消色性が低下する。このよう
に顕色剤の一定量に対する高分子消色剤の比率(A=高
分子消色剤/顕色剤)によって、消色剤に固定される顕
色剤の割合(B=固定された顕色剤/全顕色剤)が変化
する。消色剤に固定される顕色剤の割合Bは、顕色剤と
消色剤との反応比率と言い換えることもできる。したが
って、消去可能な画像形成材料の画像濃度および消色性
を満足させるためには、Aはある範囲に制限される。こ
れは以下のように顕色剤の吸熱量を測定することによ
り、実験的に求めることができる。
ステル、酸金属塩など、親水性のものが多く結晶性を持
つため、示差走査熱分析(DSC)を行うと、その物質
固有の融点に鋭い吸熱ピークを示す。ところが顕色剤が
高分子消色剤と反応して固定されると非晶質に変化する
ため、顕色剤の吸熱ピークは消失する。したがって、顕
色剤と高分子消色剤との混合物のDSC分析を行うと、
顕色剤が高分子消色剤に固定されている割合Bを知るこ
とができる。具体的には、吸熱ピーク面積を試料に含ま
れる顕色剤の質量で割って得られる、顕色剤の単位質量
あたりの吸熱量Qを混合物(Q1)と顕色剤単体(Q0)
とで比較すればよい。すなわち、 B=1−Q1/Q0 さらに、異なる混合率Aを有する混合物を用意し、消去
処理(加熱または溶媒添加)を行った後にそれぞれDS
C分析を行うと、消去処理によるAとBとの関係が求ま
る(図1)。消色剤の割合Aが大きいほど顕色剤は固定
されやすくなるため、Bは大きくなる。この関係は試料
に施した処理に依存する。例えば加熱処理の場合、長時
間高温にした方が、顕色剤の固定反応が促進されるた
め、Bは大きくなる(図2)。そこで、混合物に対し
て、画像形成材料の調製または消色に対応する処理を行
い、この試料をDSC分析することにより、それぞれの
状態におけるAとBとの関係を求め、画像形成材料の特
性を満たすようなAの範囲を調べることができる。
の組成比率は、熱または消去溶媒による消色処理後に顕
色剤と消色剤との反応比率が70%以上になる値を下限
値とし、画像形成材料の調製時の最高温度で両者を混合
した後に顕色剤と消色剤との反応比率が30%以下にな
る値を上限値とする範囲内とすることが好ましい。
高分子消色剤の含有量の下限および上限を求める。
にして求める。まず、混合率Aが異なる混合物をいくつ
か用意する。これらの混合物に対して、(1)熱消去温
度、例えば200℃に加熱した後に室温に戻す(加熱消
去に対応する)か、または(2)消去溶媒にさらした後
に乾燥させる(溶媒消去に対応する)。その後、DSC
分析し、混合率Aと固定された顕色剤の割合Bとの関係
を求める(図3)。熱または溶媒で処理したときに画像
形成材料が消色するためにはBが十分大きな値になるこ
とが必要である。例えばBが90%のときの混合率をA
1とすると、高分子消色剤の含有率Aは、A>A1である
必要があることがわかる。
にして求める。上記と同様に混合率Aが異なる試料を用
意し、画像形成材料作製時と同じ処理を行う。例えばト
ナーを調製する場合、混練温度(70〜80℃)に加熱
した後に室温に戻す処理を行う。その後、DSC分析し
てAとBとの関係を求める(図4)。画像形成材料作製
時に十分な発色を示すためには顕色剤は消色剤に固定さ
れない方が望ましいので、例えばBが10%のときの混
合率をA2とすると、高分子消色剤の含有率AはA<A2
に抑えなければならない。
有させる高分子消色剤は、顕色剤に対する消色剤の比率
Aが、A1<A<A2を満たすことが必要であることがわ
かる。A1、A2は高分子消色剤の物理的・化学的性質な
どによって異なるため、この試験を行うことである材料
が消色剤として適確かどうかを判断することもできる。
顕色剤および高分子消色剤の好ましい配合比は以下の通
りである。顕色剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に
対して0.1〜10重量部、さらには0.3〜2重量部
に設定することが好ましい。顕色剤が0.1重量部未満
の場合には、呈色性化合物と顕色剤との相互作用による
画像形成材料の発色が不十分になる。顕色剤が10重量
部を超える場合には両者の相互作用を十分に減少させる
ことが困難となる。高分子消色剤の配合比は、呈色性化
合物1重量部に対し1〜200重量部、さらには3〜5
0重量部に設定することが好ましい。高分子消色剤が1
重量部未満では、画像形成材料の発色状態と消色状態と
の間の状態変化を起こさせることが困難になる。高分子
消色剤が200重量部を超えると、画像形成材料の発色
が不十分になる。
使用するだけでなく、紙などの画像記録媒体に添加して
使用してもよい。画像記録媒体への高分子消色剤の添加
量は、画像が消去できる範囲であれば特に限定されない
が、画像記録媒体の特性を考慮すれば5〜20wt%と
することが好ましい。
を添加してもよいが、高分子消色剤および低分子消色剤
を併用してもよい。低分子消色剤としては、以下のよう
な化合物を用いることができる。(1)コール酸、リト
コール酸、テストステロンおよびコルチゾン、ならびに
これらの誘導体。具体的には、コール酸、コール酸メチ
ルエステル、コール酸ナトリウム、リトコール酸、リト
コール酸メチルエステル、リトコール酸ナトリウム、ヒ
オデオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸メチルエス
テル、テストステロン、メチルテストステロン、11α
−ヒドロキシメチルテストステロン、ヒドロコルチゾ
ン、コレステロールメチルカーボネート、α−コレスタ
ノールが挙げられる。これらのうちでも特に2個以上の
ヒドロキシル基を有するものが好ましい。(2)1個以
上のヒドロキシル基を有する5員環以上の非芳香族系の
環状化合物。具体例としては、脂環式1価アルコール
(例えばシクロドデカノール)、脂環式2価アルコール
(例えば1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シ
クロヘキサンジオール、1,2−シクロドデカンジオー
ル)、糖類およびその誘導体(例えばグルコース、サッ
カロース)、および環状構造を有するアルコール類(例
えば1,2:5,6−ジイソプロピリデン−D−マンニ
トール)が挙げられる。
消去するには、画像形成材料を溶媒に接触させて消去す
る方法と、画像形成材料を加熱および融解して消去する
方法がある。
は、紙を溶媒に浸漬させるか、または溶媒を紙に噴霧す
る。このための手段としては、容器に収容した溶媒に紙
を浸漬するローラー、紙に溶媒を噴霧するスプレーノズ
ル、紙に溶媒を滴下するノズル、溶媒を紙に供給するグ
ラビアローラーなどが用いられる。
下のような特性を有する溶媒が好適である。
化合物と作用している顕色剤を物理的または化学的に吸
着して保持する作用を助けることが好ましい。
がよく紙面上の画像形成材料の内部にまで浸透すること
が可能であることが好ましい。
えばエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなど;
セルソルブ、たとえば2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシエタンなど;ケトン、たとえばアセトン、
メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチル
ケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなど;エ
ステル類、たとえば酢酸エチル、乳酸エチル、プロピオ
ン酸メチル、酪酸エチルなど;その他、塩化メチレン、
N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセタミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ
る。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を
混合して用いてもよい。この場合、混合比は任意の割合
で構わない。
の種類によっては消去特性を発現できる溶媒がある。こ
のような溶媒としては、アルコール、たとえばメチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコールなど;水、塩基性水溶液などが挙
げられる。これらの溶媒は、特にクレヨンのようにワッ
クス成分の割合が多い画像形成材料に有効である。ま
た、これらの溶媒を上記した消去溶媒に添加して用いる
と画像消去の効率が高まることがある。
が高い溶媒、たとえばトルエン、キシレン、クレゾー
ル、ジメトキシベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、
シクロペンタン、石油エーテル、ベンジンなどを混合し
て用いてもよい。
媒に添加して用いてもよい。消去溶媒への高分子消色剤
の添加量は画像が消去できる範囲であれば特に限定され
ないが、5〜20wt%であることが好ましい。
は、任意の加熱手段たとえばサーマルプリンターヘッド
(TPH)、レーザーヘッド、サーマルバー、ホットス
タンプ、ヒートローラー、ヒートガン、温風配風機、加
熱ランプ、またはこれらを組み合わせた大型プラントな
ど様々な加熱装置が適用できる。
EUSIEDLER社製の500BLATTを用いた。
コピー紙およびコピー紙上に形成された画像の反射濃度
はマクベスの濃度計で測定した。
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド2重量部、顕色
剤として没食子酸プロピル1.5重量部、ワックス成分
としてポリプロピレンワックス1重量部、高分子消色剤
として馬鈴薯デンプン18重量部、バインダー樹脂とし
て分子量45000のポリスチレン77.5重量部、帯
電制御剤(日本カーリット社、LR−147)1重量部
を混合し、ニーダーを用いて十分に混練した。この混練
物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉体を得
た。得られた粉体に対して疎水性シリカ1wt%を外添
して青色の電子写真用トナーを作製した。
マージュ38)のトナーカートリッジに入れ、コピー紙
上に評価用の画像を転写した。形成された画像の反射濃
度は約1.3であり、十分な反射濃度を有することがわ
かった。また、このトナーを用いた場合、オフセットは
生じなかった。これは、デンプンの紙繊維に対する親和
性が高いため、軟化したデンプンが紙に対して画像形成
材料を接着させる作用を有するためであると考えられ
る。
0秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。また、画
像が形成された紙を200℃に設定された加熱ローラー
に通して画像を消去した。画像が消去された紙の反射濃
度を測定した結果を表1に示す。
色素成分の流れやにじみによる残像は観察されなかっ
た。ただし、画像形成材料が存在している部分と存在し
ていない部分とで、光散乱の度合いに若干の差が見られ
た。また、加熱による消去状態も良好であった。画像が
消去された紙を60℃で300時間放置した後にも、反
射濃度に変化はなかった。
プン18重量部の代わりに、低分子消色剤であるコール
酸18重量部を用いた。実施例1と同様に、呈色性化合
物、顕色剤、ワックス成分、低分子消色剤、バインダー
樹脂、帯電制御剤を混合し、ニーダーを用いて十分に混
練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径1
0μmの粉体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリ
カ1wt%を外添して青色の電子写真用トナーを作製し
た。
ー機のトナーカートリッジに入れ、コピー紙上に評価用
の画像を転写した。形成された画像の反射濃度は約1.
3であった。画像が形成された紙をエトキシエタンに2
0秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像が消
去された紙の反射濃度は約0.06であり、実施例1と
ほぼ同じであった。しかし、ごくわずかに色素成分の流
れに起因すると推定されるにじみが局所的に観察され
た。このにじみは紙を加熱ローラーに通すことにより消
去でき、良好な消去状態が得られた。画像が消去された
紙を60℃で300時間放置した後にも、反射濃度に変
化はなかった。
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド2重量部、顕色
剤として没食子酸プロピル1.5重量部、ワックス成分
としてポリプロピレンワックス1重量部、高分子消色剤
として表2に示すようにアセチル化度の異なる酢酸セル
ロース(予備粉砕済み)10重量部、バインダー樹脂と
してアクリレート含有率5wt%のスチレン−アクリレ
ート共重合体85.5重量部、帯電制御剤(LR−14
7)1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練し
た。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μ
mの粉体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリカ1
wt%を外添して青色の電子写真用トナーを作製した。
リッジに入れ、コピー紙上に評価用の画像を転写した。
形成された画像の反射濃度を表2に示す。また、本実施
例のトナーを用いた場合にも、オフセットは生じなかっ
た。これは、酢酸セルロースの紙繊維に対する親和性が
高いため、軟化した酢酸セルロールが紙に対して画像形
成材料を接着させる作用を有するためであると考えられ
る。
に20秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像
が消去された紙の反射濃度を測定した結果を表2に示
す。
アセチル化度によっては発色した画像の反射濃度が十分
でない場合もあったが、溶媒による消去状態は非常に良
好であり、色素成分の流れやにじみによる残像は観察さ
れなかった。画像が消去された紙を60℃で300時間
放置した後にも、反射濃度に変化はなかった。
ース10重量部の代わりに、低分子消色剤であるコール
酸10重量部を用いた。実施例2と同様に、呈色性化合
物、顕色剤、ワックス成分、低分子消色剤、バインダー
樹脂、帯電制御剤を混合し、ニーダーを用いて十分に混
練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径1
0μmの粉体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリ
カ1wt%を外添して青色の電子写真用トナーを作製し
た。
ー機のトナーカートリッジに入れ、コピー紙上に評価用
の画像を転写した。形成された画像の反射濃度は約1.
5であった。画像が形成された紙をメチルエチルケトン
に20秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像
が消去された紙の反射濃度は約0.06であり、実施例
2とほぼ同じであった。しかし、ごくわずかに色素成分
の流れに起因すると推定されるにじみが局所的に観察さ
れた。このにじみは紙を加熱ローラーに通すことにより
消去でき、良好な消去状態が得られた。画像が消去され
た紙を60℃で300時間放置した後にも、反射濃度に
変化はなかった。
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド2重量部、顕色
剤として没食子酸プロピル1.5重量部、ワックス成分
としてポリプロピレンワックス1重量部、高分子消色剤
としてアセチル化度52%の酢酸セルロース8重量部、
低分子消色剤としてコール酸7重量部、バインダー樹脂
としてアクリレート含有率5wt%のスチレン−アクリ
レート共重合体80.5重量部、帯電制御剤(LR−1
47)1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練
した。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10
μmの粉体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリカ
1wt%を外添して青色の電子写真用トナーを作製し
た。
リッジに入れ、コピー紙上に評価用の画像を転写した。
また、このトナーを用いた場合にも、オフセットは生じ
なかった。画像が形成された紙をメチルエチルケトンに
20秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像が
消去された紙の反射濃度を測定したところ、0.05で
あり、非常に優れた消去状態が得られた。画像が消去さ
れた紙を60℃で300時間放置した後にも、反射濃度
に変化はなかった。さらに、消去および上書きを10回
繰り返したところ、ほぼ1回目の画像に近い画像を得る
ことができた。
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド2重量部、顕色
剤として没食子酸プロピル1.5重量部、ワックス成分
としてポリプロピレンワックス1重量部、高分子消色剤
として表3に示すようにアセチル化度の異なるポリビニ
ルアルコール(予備粉砕済み)10重量部、バインダー
樹脂としてアクリレート含有率5wt%のスチレン−ア
クリレート共重合体85.5重量部、帯電制御剤(日本
カーリット社、LR−147)1重量部を混合し、ニー
ダーを用いて十分に混練した。この混練物を粉砕機によ
り粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉
体に対して疎水性シリカ1wt%を外添して青色の電子
写真用トナーを作製した。
リッジに入れ、コピー紙上に評価用の画像を転写した。
形成された画像の反射濃度を表3に示す。また、本実施
例のトナーを用いた場合にも、オフセットは生じなかっ
た。
20秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像が
消去された紙の反射濃度を測定した結果を表3に示す。
ールのアセチル化度によっては発色した画像の反射濃度
が十分でない場合もあったが、溶媒による消去状態は非
常に良好であり、色素成分の流れやにじみによる残像は
観察されなかった。画像が消去された紙を60℃で30
0時間放置した後にも、反射濃度に変化はなかった。
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド2重量部、顕色
剤として没食子酸プロピル1.5重量部、ワックス成分
としてポリプロピレンワックス1重量部、高分子消色剤
として下記化学式(1)〜(3)で表されるアミノ基を
有する高分子化合物(予備粉砕済み)10重量部、バイ
ンダー樹脂としてアクリレート含有率5wt%のスチレ
ン−アクリレート共重合体85.5重量部、帯電制御剤
(LR−147)1重量部を混合し、ニーダーを用いて
十分に混練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平
均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体に対して疎
水性シリカ1wt%を外添して青色の電子写真用トナー
を作製した。
リッジに入れ、コピー紙上に評価用の画像を転写した。
形成された画像の反射濃度を表4に示す。また、本実施
例のトナーを用いた場合にも、オフセットは生じなかっ
た。
に20秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像
が消去された紙の反射濃度を測定した結果を表4に示
す。
いずれの高分子消色剤を含有するトナーでも溶媒による
消去状態は非常に良好であり、色素成分の流れやにじみ
による残像は観察されなかった。画像が消去された紙を
60℃で300時間放置した後にも、反射濃度に変化は
なかった。
製)0.3g、顕色剤として没食子酸プロピル0.3
g、高分子消色剤として馬鈴薯デンプン3gを、非晶質
ポリオレフィン(日本ゼオン製、Zeonex450)
0.2%を溶解したトルエン溶液に加え、ペイントシェ
ーカーを用いて1時間分散させて液状インクを作製し
た。この液体インクを文具パーツ(I&J FISNE
R Inc.製、FV−0200)に入れて書き込みペ
ンを作製した。
1cmのべた塗りパターンを描いた。描かれた画像の反
射濃度は1.35であった。
文具パーツに入れて消去ペンを作製した。溶媒の染み出
したフェルトで紙上の画像上を3往復擦ることにより、
画像を消去し、自然乾燥した。また、画像が形成された
紙を200℃に設定された加熱ローラーに通して画像を
消去した。画像が消去された紙の反射濃度を測定した結
果を表5に示す。
色素成分の流れやにじみによる残像は観察されなかっ
た。また、加熱による消去状態も良好であった。画像が
消去された紙を60℃で300時間放置した後にも、反
射濃度に変化はなかった。
ル、ステアリルアルコールを重量比で1:10:5:5
に混合し、110℃に加熱しながらよく攪拌した。この
混合物をバットに広げて急冷し、固化した。得られた固
形物を乳鉢で細かく砕いてマスターバッチを作製した。
(山田化学製)を用意し、モル比でDEPMに対して没
食子酸プロピルが2.5倍となるように、DEPMをマ
スターバッチを加え、再び110℃まで加熱しながら攪
拌した。この混合物を型に流し込んでクレヨンを作製し
た。
&J FISNER Inc.の文具パーツ(FV−0
200)に入れて消去ペンを作り、溶媒の染み出したフ
ェルトで紙上に形成したパターンの上を3往復擦ること
により行い、自然乾燥後に画像濃度を測定した。
mのべた塗りパターンを描いた。描かれた画像の反射濃
度は1.35であった。
(I&J FISNER Inc.製、FV−020
0)に入れて消去ペンを作製した。溶媒の染み出したフ
ェルトで紙上の画像上を3往復擦ることにより、画像を
消去し、自然乾燥した。また、画像が形成された紙を2
00℃に設定された加熱ローラーに通して画像を消去し
た。画像が消去された紙の反射濃度を測定した結果を表
6に示す。
色素成分の流れやにじみによる残像は観察されなかっ
た。また、加熱による消去状態も良好であった。画像が
消去された紙を60℃で300時間放置した後にも、反
射濃度に変化はなかった。
部、顕色剤として没食子酸プロピル1重量部、バインダ
ー樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合体(三井・デュ
ポンポリケミカル製、ELVAX200W)18重量
部、ワックス成分としてライスワックス64重量部、高
分子消色剤としてコーンスターチ15重量部を混合し、
三本ロールを用いて十分に混練した。この混練物をホッ
トメルトコーターを用いて約5g/m2の塗布量でフィ
ルム塗布し、青色の熱転写インクリボンを作製した。
EC製バーコードプリンタ(B−300)で画像(バー
コード)を形成した。形成された画像の反射濃度は約
0.7であった。
秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像が消去
された紙の反射濃度を測定したところ、0.06であっ
た。色素成分の流れやにじみによる残像は観察されなか
った。画像が消去された紙を60℃で300時間放置し
た後にも、反射濃度に変化はなかった。
は、高温放置後にやや黄ばんだ箇所が観察された。この
変質はワックスの酸価および水酸基価が高いほど顕著で
あった。
い、顕色剤として没食子酸n−プロピルを用いた。これ
らを種々の割合で混合した混合物についてDSC分析を
行い、最適な消色剤含有量を求めた。その結果、ハイア
ミロースコーンスターチの最適含有量は、没食子酸n−
プロピルに対して3倍量(A1)から50倍量(A2)で
あることがわかった。
メチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフ
タリド1重量部、顕色剤として没食子酸n−プロピル1
重量部、高分子消色剤としてハイアミロースコーンスタ
ーチ1重量部、ワックスとしてポリプロピレンワックス
1重量部、バインダー樹脂として分子量45000のポ
リスチレン85重量部、帯電制御剤(LR−147)1
重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練した。こ
の混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉
体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリカ1wt%
を外添して青色の電子写真用トナー(1)を調製した。
ンスターチの含有量は、上記で求めた最適含有量の下限
値よりも少ない。このトナー(1)をセルに入れ、色彩
色度計(ミノルタ、CR−300)を用いて濃度を測定
したところ、0.9であった。
マージュ38)のトナーカートリッジに入れ、コピー紙
上に評価用の画像を転写した。この画像の反射濃度は
0.6であった。画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに20秒間浸漬した後、自然乾燥した。紙上にはに
じんだ消え残りの画像が残った。消え残りの領域の反射
濃度は0.2であった。
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタ
リド1重量部、顕色剤として没食子酸n−プロピル1重
量部、高分子消色剤としてハイアミロースコーンスター
チ18重量部、ワックスとしてポリプロピレンワックス
1重量部、バインダー樹脂として分子量45000のポ
リスチレン78重量部、帯電制御剤(LR−147)1
重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練した。こ
の混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉
体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリカ1wt%
を外添して青色の電子写真用トナー(2)を調製した。
ンスターチの含有量は、上記で求めた最適含有量の範囲
内である。このトナー(2)をセルに入れ、色彩色度計
(CR−300)を用いて濃度を測定したところ、0.
8であった。
ュ38)のトナーカートリッジに入れ、コピー紙上に評
価用の画像を転写した。この画像の反射濃度は0.5で
あった。画像が形成された紙をメチルエチルケトンに2
0秒間浸漬した後、自然乾燥した。紙上の画像は良好に
消去された。画像が存在した領域の反射濃度は0.06
であった。
メチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフ
タリド1重量部、顕色剤として没食子酸n−プロピル1
重量部、高分子消色剤としてハイアミロースコーンスタ
ーチ60重量部、ワックスとしてポリプロピレンワック
ス1重量部、バインダー樹脂として分子量45000の
ポリスチレン36重量部、帯電制御剤(LR−147)
1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練した。
この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの
粉体を得た。得られた粉体に対して疎水性シリカ1wt
%を外添して青色の電子写真用トナー(3)を調製し
た。
ンスターチの含有量は、上記で求めた最適含有量の上限
値よりも多い。このトナー(3)をセルに入れ、色彩色
度計(CR−300)を用いて濃度を測定したところ、
0.15であった。このトナー(3)のように高分子消
色剤の含有量が多すぎるトナーは、画像形成材料として
用いることができない。
料は、鮮明な画像を形成することができ、しかも熱また
は溶媒により消去不良を起こすことなく画像を消去でき
て良好な消去状態が得られる。このため、紙資源を効率
的にリユースすることができ、その工業的価値は極めて
大きい。
たときの、顕色剤に対する高分子消色剤の比率Aと、消
色剤に固定される顕色剤の割合Bとの関係を示す図。
低温で加熱処理したときの、AとBとの関係を示す図。
関係を示す図。
SCにより得られたAとBとの関係を示す図。
Claims (8)
- 【請求項1】 呈色性化合物と、顕色剤と、マトリック
ス剤と、顕色剤を物理的または化学的に吸着することが
可能な電子供与性基を有する高分子消色剤とを含有する
ことを特徴とする消去可能な画像形成材料。 - 【請求項2】 前記高分子消色剤が、糖骨格を有する高
分子化合物、ポリアミノ酸、ヒドロキシル基を有する高
分子化合物、アミノ基を有する高分子化合物、ポリビニ
ルアセタール、ポリアクリロニトリルおよびこれらの共
重合体からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1記載の消去可能な画像形成材
料。 - 【請求項3】 前記高分子消色剤の平均分子量が800
以上であることを特徴とする請求項1記載の消去可能な
画像形成材料。 - 【請求項4】 前記高分子消色剤の平均分子量が100
00以上であることを特徴とする請求項3記載の消去可
能な画像形成材料。 - 【請求項5】 前記糖骨格を有する高分子化合物が、デ
ンプン、デンプンを主成分とする穀物粉体、デンプン誘
導体、セルロース誘導体、多糖類およびその誘導体から
なる群より選択されることを特徴とする請求項2記載の
消去可能な画像形成材料。 - 【請求項6】 前記顕色剤に対する前記消色剤の組成比
率は、熱または消去溶媒による消色処理後に前記顕色剤
と前記消色剤との反応比率が70%以上になる値を下限
値とし、画像形成材料の調製時の温度で両者を混合した
後の前記顕色剤と前記消色剤との反応比率が30%以下
になる値を上限値とする範囲内にあることを特徴とする
請求項1記載の消去可能な画像形成材料。 - 【請求項7】 前記呈色性化合物1重量部に対して、顕
色剤が0.1〜10重量部、高分子消色剤が1〜200
重量部含有されていることを特徴とする請求項1記載の
消去可能な画像形成材料。 - 【請求項8】 前記呈色性化合物1重量部に対して、顕
色剤が0.3〜2重量部、高分子消色剤が3〜50重量
部含有されていることを特徴とする請求項7記載の消去
可能な画像形成材料。
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JP22050198 | 1998-08-04 | ||
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-
1999
- 1999-08-04 JP JP22142599A patent/JP3657825B2/ja not_active Expired - Fee Related
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