JP5426126B2 - 発色及び消色が可能な液体画像記録材料 - Google Patents

発色及び消色が可能な液体画像記録材料 Download PDF

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Description

本発明は印刷及び筆記具に使用する液体画像形成材料に関するものであり、さらに詳しくは印刷した液体画像形成材料が乾燥時又は加熱時に被記録媒体上で顕像し、かつ顕在化された画像を加熱することにより品質良く消色可能な紙面の情報セキュリティにも考慮した液体画像形成材料を提供する技術に関する。
地球環境の保護およびCO2による温室効果を抑制するためには森林の保護は絶対条件である。新たな伐採を最低限に維持し、植林を含めた森林再生とのバランスを保つためには現在すでに保有している紙資源を如何に効率よく利用していくかが大きな課題となっている。現在の紙資源の再利用は、画像形成材料を剥離させる脱墨工程を経た紙繊維を質の悪い紙に漉き直して目的別に使い分ける「リサイクル」である。しかし、脱墨工程のコスト高の問題や廃液の処理による新たな環境汚染の可能性などが指摘されている。
発明者らは、呈色性化合物と顕色剤との相互作用が増大すると発色状態となり、相互作用が減少すると消色状態になることに着目してきた。このような消色可能な色素を含有する画像形成材料をトナーに用いた現行のリサイクル技術に代わる有効な紙のリユース技術として提案している。しかし、電子写真用トナーで印刷した画像は、熱消去後に画材を構成する樹脂が紙表面に偏在して残るため、完全に無色化しても紙表面の凹凸、屈折率等の変化の影響により人間の目には元画像を認知することが可能であった。
発明者らは、トナーだけでなく液体インク、インクリボン、筆記用具全てに対応可能な消色可能な画像形成材料を開発している(特許文献1)。このような画像形成材料を用いて液体インクで形成した画像はインクが紙の繊維方向に浸透しているため、加熱消色した場合、完全に無色化できればトナー方式に比べ、紙の表面に残る樹脂は少ないものの、微量に残る樹脂によって紙面の凹凸が変化してしまうため、完全な消色は困難である。一方、有機溶剤を用いると、不可視化が可能であるが、環境負荷や人体への健康問題の観点から家庭やオフィスでの使用には適していない。セキュリティ上の要請から消去後の画像の不可視化は重要である。よって、紙の表面に残った樹脂による残存樹脂による情報漏洩の可能性は紙のセキュリティにおいて問題であった。
特願平11−212295号公報
本発明は、これら従来の消色可能な画像記録材料の問題点を改善するためになされたものであり、消色可能な液体画像形成材料において、加熱による画像の不可逆的な消色性能が高い液体画像形成材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の液体画像形成材料は融点が48℃以上のアルキルアルコールと、シクロデキストリン類である包接性化合物と呈色性化合物と顕色剤と水及び/又は低級アルコールとを含有し、前記包接化合物を前記顕色剤1重量部に対して、0.5〜10重量部の量で含有されることを特徴とする。
本発明は液体画像形成材料に含有された融点が48℃以上のアルキルアルコールが直鎖のアルキルアルコールであり、かつ微粒子であることを特徴とする。
従来の消去可能な画像記録材料の問題点を改善して、セキュリティ性とリサイクル性に優れた液体画像形成材料を提供する技術として、その工業的価値は大なるものがある。
本発明者らは、不可視化が可能な呈色性化合物と顕色剤とを含有する画像形成材料を作るために種々の検討を行った結果、高級アルコールをマトリクス剤として用いることで、加熱消色において、紙の表面にマトリクスの残存が樹脂と比べて少なくなり、描画した画像及び文字等を視認できない程に消色性を向上させることを見出した。
この高級アルコールはインクとして使用される常温においては固体であるが、樹脂に比べ融点が低いため100℃以内の加熱でも容易に融解する性質がある。そのため、加熱消色における加熱温度の低下、加熱時間の短縮が可能であり、エネルギーコストが小さくて済むという長所を有している。また、高級アルコールは熱した後に攪拌させながら冷却させる等の操作により、微粒子とすることが出来る。この微粒子化した高級アルコールは分散し難い呈色性化合物、顕色剤などを分散させるマトリクス剤とすることが可能である。
さらに高級アルコールは融解時の粘度が低く、加熱時において顕色剤の拡散が速いという特徴を有する。そのため、呈色性化合物を消色状態とし易い。さらに、紙の表面に高級アルコールは残りにくく、不可視化の妨げとなる紙の表面の凹凸変化等が少ないという性質を有している。
また、印刷用インクや筆記具などの用途に応じて、各用途の性質に対応した好適な粒子径に高級アルコールを調整することが可能である。高級アルコールの微粒子化にあたっては、種々の方法を採用することが可能である。具体的には加熱撹拌のみならず、超音波等の方法によっても行える。また、フィルターを通すことにより高級アルコールや画像形成材料の粒子径を調節可能である。エマルジョンインクの高級アルコールの粒子径や画像形成材料の粒子径は調節可能であるが、完全に除去することで液体インクとすることも可能であり、使用用途に応じたインクの作成が可能な画像形成材料である。
また、一般的にラクトン環を有する呈色性化合物は発色状態の熱安定性や光安定性が無色状態より弱いことが知られている。マトリクス剤として高級アルコールを用いた液体画像形成材料は樹脂エマルジョンを用いた画像形成材料に比べると発色状態の呈色性化合物が少ない。そのため液体状態での画像形成材料の安定性が高く保存性が良いという利点もある。
さらに高級アルコールをマトリクス剤として含有した液体画像形成材料は高級アルコールの粒子径の違いや画像形成材料中の水やアルコール含有比率により、液体状態では発色性が高いものや低いものを作成することが可能である。被記録媒体に描画し乾燥した時又は高級アルコールの融点以上の温度で加熱した際に発色性が向上し、画像として顕在化する。
さらに、消色剤として、包接性化合物のシクロデキストリン類を用いることで、更なる消色性を得ることが出来る。消色剤を含むため、紙以外の媒体に対しても描画し、発色及び消色が可能である。
本発明における液体画像形成材料で用いる高級アルコールは樹脂とは異なり生分解性に優れる。マトリクス剤を含め、画像形成材料中の含有成分には環境負荷が少なく、刺激臭のない化合物のみを使用しても、発明の目的を達成可能な画像形成材料とすることが可能である。さらに、使用する側への影響も考慮した画像形成材料であり、オフィスや家庭で使用可能である。
以下。本発明の実施形態に係る画像形成材料に用いられる成分について具体例を挙げて説明する。以下においては、呈色成化合物、顕色剤、マトリクス材料、包接性化合物、低級アルコールの順に説明する。
呈色性化合物(カラーフォーマー)としては、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンβラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類等の電子供与性有機物が挙げられる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーンラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−Bis(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エソキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタライド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−Bis(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3,6−ジメチルエソキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メソキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、ATP,ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2、3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミンβラクタム、N−アセチルオーラミン、N-フェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メトキシ-N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−アミノ−5−メチルフルオラン等が例示される。これらを2種以上混合して用いることも可能である。呈色性化合物を適宜選択すれば、多様な色の発色状態が得られることからカラー対応も容易である。
また、顕色剤はフェノール型顕色剤が適している。その中でも水に難溶かつアルコール可溶性の多価フェノール類が適している。具体的には多価ヒドロキシベンゾフェノン類が好ましい。好適な材料を具体的に記載すると、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
フェノール型顕色剤は1種もしくは2種以上を用いることが可能である。さらに、発色と消色のコントラストが良好な画像形成材料を得るために、フェノール型顕色剤は呈色性物質1モルに対して0.8モル〜8モルが好ましい。この範囲を下回ると発色濃度低下の問題があり、この範囲を上回ると無色化しにくくなる問題があって好ましくない。
インクのマトリクス材料として、高級アルコール、高級脂肪酸、高級アルコールと脂肪酸のエステル(ワックス)が挙げられる。インクの保存性の制約から融点が48℃以上、製造プロセス制約から融点が80℃以下の高級アルコールが好ましい。上記融点の条件を満たすアルコールとして炭素数16から22の範囲の1価の高級アルコールが挙げられる。さらに高級アルコール加熱を伴う操作により微粒子化する場合は製造プロセス制約から融点が60℃以下である高級アルコールがより好適である。具体的に1−ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、1−エイコサノール、1−ドコサノールが好適である。これらのマトリクスを構成する材料は1種又は2種以上を混合させた材料を用いることが可能である。
なおマトリクス剤の含有比率は呈色性化合物1重量部に対して2重量部〜20重量部が好ましい。20重量部を超えると発色性低下の問題があり、2重量部より少ないと残像増加の問題が生じてしまう。
また、本発明で用いられるマトリクス材料である高級アルコールは上記の条件以外に以下の要件を満たすことが好ましい。
(1)印刷媒体としてセルロースを含む紙を用いた場合、呈色性化合物と紙に含まれるセルロースが相互作用して消色困難な程に安定した発色状態となることを阻害する性質を有すること、(2)常温で液体のアルコールに対して微溶性であること、(3)消色剤を併用することで、ガラス等の非繊維媒体に対しても発色及び消色が可能な性質を有すること、(4)加熱消色時に発火の危険性が極めて低いこと、(5)実質的に酸価がなくマトリクス材料の作用による呈色性化合物の発色がないこと。
高級アルコールのアルコール位は1位が好ましい。これ以外の位にヒドロキシル基があると発色性低下の問題が生じうる。また、微粒子化した高級アルコールの粒子径はインクの安定性から30nm〜500nmの範囲が好ましい。特にインクジェット用のインクにおいて吐出性を考慮すると50nm〜200nmの範囲が好ましい。これより大きい粒子径であるとノズル閉塞の問題があって好ましくなく、これより小さいと発色特性低下の問題があって好ましくない。また、筆記具用のインクとしては発色性を考慮すると50nm〜1500nmの範囲が好ましい。これより大きい粒子径であると目詰まりの問題があって好ましくなく、これより小さい粒子径であると発色特性低下の問題があって好ましくない。
高級アルコールの粒子径を調節する方法はペイントシェーカーによる撹拌、ミル、超音波など、粒子径を調整する通常の方法によることが可能である。加熱を伴う場合は、高級アルコールの融点以上の温度で加熱すればよい。
消色剤としては水溶性の包接性化合物が適する。その中でもシクロデキストリン類のα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、α−シクロデキストリン誘導体、β−シクロデキストリン誘導体、γ−シクロデキストリン誘導体が好ましい。その他、環式糖アルコール、ステロール化合物等の公知の物質も消色剤として使用可能であるが、家庭及びオフィスでの使用を前提としているため、環境及び人体への影響が危惧される物質や、不快な臭気をもつ酢酸系等の物質を使用するのは好ましくない。上記条件があるため、特に好適な材料としてα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられる。これらの材料が特に好適な理由として水溶性及び包接サイズが適切範囲である等が挙げられる。
包接性化合物は画像形成材料中に顕色剤1重量部に対して0.5重量部〜10重量部含有されていることが好ましい。なお、0.5重量部以下だと消去性効果が明確でなく、10重量部を超えると発色性低下の問題が生じて好ましくない。
常温で液体のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノールなどを代表とする炭素数8以下の直鎖構造のアルコール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、2−デカノール、2−ドデカノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、3−デカノール、3−ドデカノール、4−デカノール、4−ドデカノールなどを代表とするアルキルアルコール類などが挙げられる。ただし、環境、健康への影響を配慮するとエタノールが好ましい。本発明における液体画像形成材料は、乾燥して発色するものも含まれ、この常温で液体のアルコールの温度によって乾燥時間を調節し、発色までの時間を調節する事が可能である。早期に発色させたい場合は、エタノールや1−プロパノールを用いることが好ましく、描画後より時間が経過した後に発色させたい場合は、1−オクタノールや3−ドデカノールを用いることが好ましい。また、これらの常温で液体のアルコールは1種又は2種以上混ぜたものを用いることが可能である。
また、本発明の液体画像形成材料に含有される水と常温で液体のアルコール(エタノールの場合)の比(水:常温で液体のアルコール)は30:70〜40:60が好ましい。水の比率が20%より低いと液体画像形成材料がゲル化し易くなってしまう。水の比率が70%より高いと乾燥時の発色性が低くなって好ましくない。さらに、画像形成材料中に含まれる水及びアルコールの含有比率は画像形成材料の総重量部の70%〜95%が好ましい。
液体画像形成材料に含まれる水と常温で液体のアルコールの組成比は、水の組成比率が40%を超えると自然乾燥させても無色な画像となってしまう。このような画像形成材料を用いた場合、この無色画像はマトリクスの高級アルコールよりも高い温度、例えばステアリルアルコールならば60℃以上150℃以下で加熱すると発色するため、発色を制御することが可能である。そして、乾燥させても発色しない画像形成材料も例えば200℃で1秒以上加熱すると、液体状態では発色性の低い液体画像形成材料と同様に消色する。消色に必要な時間は、加熱温度が高いほど短時間となる。
本発明においては、マトリクス材料である高級アルコールの粒子径の調整において、必要に応じて界面活性剤を添加してもかまわない。界面活性剤としては例えばn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを代表とするアルキルベンゼンスルホン酸塩、n−ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムを代表とするアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを代表とするジアルキルスルホコハク酸エステル塩、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩など、アニオン型の材料が好ましい。これらの界面活性剤は1種又は2種以上混ぜたものを用いることが可能である。
本発明をインクジェット用インクに適用する場合は、ノズル先端のインクの乾燥速度を調整する必要に応じて、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンを代表とする高沸点の多価アルコールや、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどを代表とする高沸点多価アルコールの誘導体などを適量添加してもよい。これらの高沸点多価アルコールの誘導体などは1種又は2種以上混ぜたものを用いることが可能である。
また、液体画像形成材料に添加可能な可塑剤、光安定剤などの一般的に画像形成材料に用いられる添加物を加えても構わない。ただし、液体画像形成材料の発色性及び消色性に悪影響を及ぼしてはならない。
なお、本発明における画像形成材料中には呈色性物質、顕色剤、マトリクス成分などの画像形成材料中に含有された成分が、それぞれ単独で又は複数種の化合物が相互作用した状態のものも含まれる。さらに、画像形成材料中に含有された複数種の化合物の相互作用のし易さは液体状態と乾燥状態で異なる。
(実施例1)
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を1重量部、顕色剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを1重量部、マトリクス剤としてステアリルアルコールを10重量部計量して配合し、加熱融解して均一化した。融解物を冷却した後、エタノール52重量部と水3重量部を加えた。これを約80℃に加熱して固形物を融解した液を、冷却しながらペイントシェーカーにて分散して、白色のエマルジョン液を作成した。そのエマルジョン液にα−シクロデキストリンを0〜10重量部を加えてペイントシェーカーで分散して白色のエマルジョン状のインク液を作成した。
インクは毛筆を用いて、コピー用紙(富士ゼロックス社のGreen100)上に手書きで画像パターンを作成した。紙に描画したパターンの画像濃度は、ミノルタ製色彩色差計で測定し、無地の紙との画像濃度差を数値化した。加熱消色は、東芝製のアイロンを用いて約200℃、3秒間加熱して行った。紙に残ったパターンの残像濃度を測定し、無地の紙との画像濃度差を数値化した。元画像と残像の濃度の比を発消色コントラスト([消色後の画像濃度−消色後の紙の無地部分の画像濃度]/[消色前の画像濃度−消色前の紙の無地部分の画像濃度])と定義して、消去性能を定量評価した。α−シクロデキストリン添加量と発消色コントラストの関係を図1にまとめて示す。
α−シクロデキストリンの添加によってコントラストが改善されて極大値になるが、さらに添加量を増やして消色剤過多になると発色濃度が薄くなり、結果としてコントラスト低下が発生した。
(実施例2)
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を1重量部、顕色剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを1重量部、マトリクス剤としてステアリルアルコールを10重量部計量して配合し、加熱融解して均一化した。融解物を冷却した後、エタノール52重量部と水36重量部を加えた。これを約80℃に加熱して固形物を融解した溶液を冷却しながらペイントシェーカーにて分散して、白色のエマルジョン液を作成した。そのエマルジョン液に5重量部のα−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリンをそれぞれ加えてペイントシェーカーで分散して、白色のエマルジョン状のインク液を作成した。
実施例1と同様に実施例2のインクの発消色特性を評価した。シクロデキストリンの種類と発消色コントラストの関係を図2にまとめて示す。
5重量部の添加量では、α−シクロデキストリンよりβ−シクロデキストリンの添加の方が良いコントラストが得られた。
(実施例3)
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を1重量部、マトリクス剤としてステアリルアルコールを10重量部、顕色剤として三種2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(2,4−DHBP)、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン(2,4,4−THBP)、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシフェニルスルホン(D−8)それぞれを1重量部計量して配合し、加熱融解して均一化とした。融解物を冷却した後、エタノール52重量部と水36重量部を加えた。それを約80℃に加熱して固形物を融解した液を冷却しながらペイントシェーカーにて分散して、白色のエマルジョン液を作成した。そのエマルジョン液にα−シクロデキストリン5重量部を加えてペイントシェーカーで分散して、白色のエマルジョン状のインク液を作成した。
実施例1と同様に実施例3のインクの発消色特性を評価した。顕色剤の種類と発消色コントラストの関係を図3にまとめて示す。
水に不溶かつアルコールに易溶の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと比較して、水に微溶かつアルコールに可溶の2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノンと水に微溶かつアルコールに易溶の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシフェニルスルホンを用いたインクは、コントラストが大幅に劣ることが判る。
(実施例4)
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を1重量部、顕色剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを1重量部、マトリクス剤としてステアリルアルコールを10重量部計量して配合し、加熱融解して均一化した。融解物を冷却した後、組成比を変えたエタノールと水の混合液を88重量部加えた。それを約80℃に加熱して固形物を融解した液を、冷却しながらペイントシェーカーにて分散して、白色のエマルジョン液を作成した。そのエマルジョン液にα−シクロデキストリン5重量部を加えてペイントシェーカーで分散して白色のエマルジョン状のインク液を作成した。
実施例4のインクは毛筆を用いて、コピー用紙(富士ゼロックス社のGreen100)上に手書きで画像パターンを作成した。紙に書いたパターンの画像濃度は、ミノルタ製色彩色差計で測定した。エタノールと水の組成比と画像濃度の関係を図4にまとめて示す。なお、水とアルコールの含有率(%)は88重量部中の割合(%)としている。
水の含有率が40%を超えると感想画像の発色濃度は大幅に薄くなり、60%を超えると印刷時に無色となる(この無色画像はステアリルアルコールの融点を越えた温度で加熱すると発色する)。
エタノールの含有率を増やした方が印刷画像濃度は高くなるが、その一方で80%を超えるとエマルジョンが不安定になった。99.7%では一時間以内にインクがゲル化してしまった。
(実施例5)
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)、顕色剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、マトリクス剤としてステアリルアルコールを選定し、配合比1:1:4、1:1:6、1:1:10(呈色性化合物:顕色剤:高級アルコール)とした上で、それぞれの組成を加熱融解して均一化した。融解物を冷却した後、融解物16重量部に対してエタノール60重量部と水40重量部を加えた。それを約80℃に加熱して固形物を融解した液を冷却しながらペイントシェーカーにて分散して、白色のエマルジョン液を作成した。そのエマルジョン液にα−シクロデキストリン5重量部を加えてペイントシェーカーで分散して白色のエマルジョン状のインク液を作成した。
実施例1と同様に実施例5のインクの発消色特性を評価した。呈色性化合物と高級アルコールの配合した重量比と発消色コントラストの関係を図5にまとめて示す。顕色剤は呈色性化合物と同量配合した。重量比によって大幅にインクの発消色特性が変化した。1:1:6の組成ではコントラスト約70という驚異的数値が得られた。コントラスト極大値の組成比から高級アルコールを減らしていくと残像濃度が高くなり、逆に増やしていくと発色濃度が低下する傾向が見られた。コントラストが40以上の消色インクあれば、画像濃度0.5以下の画像を不可視レベルに消すことができる。マトリクス剤として高級アルコールを用いた液体の画像形成材料であるため、消色後の紙面の凹凸の変化や、反射率の変化が極めて少ないので、人間の目で不可視化が可能である。
(実施例6)
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)を、顕色剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを、マトリクス剤としてステアリルアルコールを選定して、配合比1:1:4で配合物を加熱融解して均一化した。融解物を冷却した後16重量部計量し、エタノール60重量部と水40重量部を加えた。それを約80℃に加熱して固形物を融解した液を、冷却しながらペイントシェーカーにて分散して、白色のエマルジョン液を作成した。さらにそのエマルジョン液をろ過して200nm以上の粒子がない溶液を作成した。そのろ過液にヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)を1〜2重量部加えて攪拌溶解し、薄い青色の透明インク液を作成した。インク液は動的光散乱法により粒子径測定を行ったところ、200nm以上の粒子が含まれていない溶液であることを確認した。
実施例1と同様にインクの発消色特性を評価した。HP−β−CDの添加量と発消色コントラストの関係を図6にまとめて示す。
エマルジョンインクに比較してコントラストは低いが、HP−β−CDの1%程度の添加により大幅に改善できることが示された。しかしさらに添加量を増やして過多になると発色濃度が薄くなり、結果としてコントラスト低下が発生した。
本発明による消色エマルジョンインクの発消色特性(α−シクロデキストリン含有量依存性) 本発明による消色エマルジョンインクの発消色特性(シクロデキストリン種類(α:α−シクロデキストリン、β:β−シクロデキストリン)依存性) 本発明による消色エマルジョンインクの発消色特性(顕色剤種類依存性) 本発明による消色エマルジョンインクの発色特性(水/エタノール溶媒組成依存性) 本発明による消色エマルジョンインクの発消色特性(高級アルコール/呈色性化合物重量比依存性) 本発明による消色溶液インクの発消色特性(HP−β−CD含有量依存性)

Claims (4)

  1. 融点が48℃以上のアルキルアルコールと,
    シクロデキストリン類である包接性化合物と、
    呈色性化合物と、
    顕色剤と
    水及び/又は低級アルコールとを含有し、
    前記包接化合物を前記顕色剤1重量部に対して、0.5〜10重量部の量で含有されることを特徴とする液体画像形成材料。
  2. 前記融点が48℃以上のアルキルアルコールが直鎖のアルキルアルコールであり、かつ、
    微粒子であることを特徴とする請求項1記載の液体画像形成材料。
  3. 前記融点が48℃以上のアルキルアルコールの炭素数が16以上、かつ、22以下であることを特徴とする請求項1記載の液体画像形成材料。
  4. 前記融点が48℃以上のアルキルアルコールの融点が80℃以下であることを特徴とする請求項1記載の液体画像形成材料。
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