JP2002038039A - 消去可能な画像形成材料用青色ロイコ染料、それを用いた画像記録媒体および画像消去方法 - Google Patents

消去可能な画像形成材料用青色ロイコ染料、それを用いた画像記録媒体および画像消去方法

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JP2002038039A
JP2002038039A JP2000219446A JP2000219446A JP2002038039A JP 2002038039 A JP2002038039 A JP 2002038039A JP 2000219446 A JP2000219446 A JP 2000219446A JP 2000219446 A JP2000219446 A JP 2000219446A JP 2002038039 A JP2002038039 A JP 2002038039A
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JP
Japan
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group
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leuco dye
image forming
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Application number
JP2000219446A
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English (en)
Inventor
Shigeru Machida
茂 町田
Akira Takayama
暁 高山
Kenji Sano
健二 佐野
Shigeru Ikeda
成 池田
Hirotomo Miyake
弘倫 三宅
Satoyuki Madono
智行 真殿
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Toshiba Corp
Yamada Chemical Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Yamada Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消去可能な画像形成材料に適用され、発色時
には高い画像濃度、消色時には低い画像濃度を示し、加
熱消去時の劣化が抑えられて消えムラや変色がない状態
で良好なコントラストが得られる青色ロイコ染料を提供
する。 【解決手段】 少なくともロイコ染料と顕色剤とを含有
する消去可能な画像形成材料に用いられ、下記一般式
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜
6のアルコキシル基およびアセトアミド基からなる群よ
り選択され、R2はメチル基またはフェニル基、R3は炭
素数1〜8のアルキル基、R4は炭素数1〜6のアルキ
ル基である[ただし、R1がエトキシル基、R2がメチル
基、R3およびR4がエチル基の場合を除く]。)で表さ
れる青色ロイコ染料。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくともロイコ染
料と顕色剤とを含有する消去可能な画像形成材料に用い
られる青色ロイコ染料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーションが進展
するにつれ、各種の情報量が著しく増大し、それに合わ
せてハードコピーによる情報の出力も増大している。ハ
ードコピー出力は、最も基本的な情報表示手段であり、
汎用性と保存性に優れている。しかし、ハードコピー出
力では、情報が増加すると記録媒体としての紙を大量に
使用することになるので、紙の原料となる木材の伐採の
増加につながる。森林資源は地球環境の維持および炭酸
ガスによる温室効果の抑制の観点から非常に重要な意味
を持つ。このため、新たな木材の伐採を最低限に抑え、
現在すでに保有している紙資源を効率的に活用すること
が大きな課題となっている。
【0003】従来、紙資源の再利用(リサイクル)は、
画像形成材料が印刷された紙を多量の漂白剤と水を用い
て処理し、紙繊維を漉き直して紙質の悪い再生紙を製造
することにより行われている。このような方法は、再生
紙のコストを高騰させるうえに、廃液の処理に伴う新た
な環境汚染の原因となる。
【0004】これに対して本発明者らは、少なくともロ
イコ染料および顕色剤を含有し、通常の画像形成材料と
同様に画像を形成することができ、しかも熱または溶媒
で処理することにより画像の消去が可能な画像形成材料
の開発を進めている。こうした消去可能な画像形成材料
を用いれば、紙質の劣化を極力防ぎながら、画像を消去
して白紙状態に戻した紙を何度も繰り返して再使用(リ
ユース)することができる。そして、リユースによる紙
質の低下が著しくなった時点でリサイクルすればよいの
で、紙資源の利用効率が飛躍的に向上する。こうして実
質的な紙の使用量を減らすことができるので、木材の伐
採を最小限に抑えることができる。しかも、現行のリサ
イクルシステムで問題となる再生紙のコスト高や廃液処
理による環境汚染も極力避けることができる。
【0005】この消去可能な画像形成材料の普及を促進
するためにはカラー画像に対応しなければならず、基本
である黒色の他に少なくとも三原色の染料が必要とな
る。例えば、消去可能な画像形成材料(インク)を用い
る筆記具を開発しようとする場合、現在市販されている
ペンの色目を参考にすると、青と赤の染料は必要不可欠
であることがわかる。しかも、紙にカラー画像を形成し
た場合でも、紙のリユースおよびリサイクルの効率を高
める必要がある。
【0006】ところが、従来の青色ロイコ染料は、クリ
スタルバイオレットラクトンのように耐光性が不十分な
ものが多い。また、従来の青色ロイコ染料のうちには、
加熱により劣化して黄色や茶色に変色し、形成した画像
が完全に消色せず紙質を著しく損ねるものがあった。こ
のため、従来の青色ロイコ染料は、消去可能な画像形成
材料に必ずしも好適に適用できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、消去
可能な画像形成材料に適用され、発色時には高い画像濃
度、加熱または溶媒と接触による消色時には低い画像濃
度を示し、良好なコントラストが得られる青色ロイコ染
料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の消去可能
な画像形成材料用青色ロイコ染料は、ロイコ染料と、顕
色剤と、消色剤とを含有する消去可能な画像形成材料に
用いられる青色ロイコ染料であって、下記一般式
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシル基およびアセトアミド
基からなる群より選択され、R2はメチル基またはフェ
ニル基、R3は炭素数1〜8のアルキル基、R4は炭素数
1〜6のアルキル基である[ただし、R1がエトキシル
基、R2がメチル基、R3およびR4がエチル基の場合を
除く]。)で表されることを特徴とする消去可能な画像
形成材料用青色ロイコ染料。
【0011】本発明の第2の消去可能な画像形成材料用
青色ロイコ染料は、ロイコ染料と、顕色剤と、バインダ
ー樹脂とを含有する消去可能な画像形成材料に用いられ
る青色ロイコ染料であって、下記一般式
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシル基およびアセトアミド
基からなる群より選択され、R2はメチル基またはフェ
ニル基、R3は炭素数1〜8のアルキル基、R4は炭素数
1〜6のアルキル基である[ただし、R1がエトキシル
基、R2がメチル基、R3およびR4がエチル基の場合を
除く]。)で表されることを特徴とする消去可能な画像
形成材料用青色ロイコ染料。
【0014】本発明の消去可能な画像形成材料用青色ロ
イコ染料のうち特に好適なものとして、上記一般式にお
いて、R1が炭素数5または6のアルコキシル基、R2
メチル基またはフェニル基、R3およびR4が炭素数1〜
4のアルキル基であるものが挙げられる。
【0015】また、本発明の消去可能な画像形成材料用
青色ロイコ染料のうち特に好適なものとして、上記一般
式において、R1がメチル基またはアセトアミド基、R2
がメチル基またはフェニル基、R3が炭素数1〜8のア
ルキル基、R4が炭素数1〜6のアルキル基であるもの
も挙げられる。
【0016】本発明の画像記録媒体は、紙上に上記の消
去可能な画像形成材料用青色ロイコ染料を含む画像形成
材料を発色した状態で形成したことを特徴とする。
【0017】本発明の画像消去方法は、紙上に上記の消
去可能な画像形成材料用青色ロイコ染料を含む画像形成
材料を発色した状態で画像を形成する工程と、前記紙を
加熱するかまたは前記紙を溶媒に接触させることにより
画像を消去する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0019】第1の発明に係る画像形成材料は、非常に
良好な発色・消色性能が得られる材料である。ここで、
発色時の画像濃度をDC、消色時の画像濃度をDD、紙
(バックグラウンド)の反射濃度をDPとしたとき、発
色部と消去部とのコントラストは(DC−DP)/(DD
−DP)という式によって表される。本発明の第1の画
像形成材料は、発色時の画像濃度が0.7以上であり、
かつコントラストが20以上という良好な発色・消去性
能を得ることを目標としている。
【0020】第1の発明に係る画像形成材料は、ロイコ
染料と顕色剤と消色剤とを用いることにより発色・消色
が可能になっている。すなわち、ロイコ染料は顕色剤と
の相互作用(主に電子の授受)により発色する。一方、
この組成系を加熱するかまたは溶媒と接触させると、顕
色剤が消色剤と相互に混合し、ロイコ染料が顕色剤と相
互作用しなくなるため消色する。したがって、発色時に
高い画像濃度を得るためにはロイコ染料が顕色剤と良好
に結合し、消色時に低い画像濃度を得るためには顕色剤
と消色剤とが相溶したときにロイコ染料が顕色剤と結合
しなくなることが必要になる。これらの現象は、ロイコ
染料の電子供与性や立体構造に支配されると考えられ、
ロイコ染料の分子構造が重要な要因になる。さらに、加
熱による画像消去においてリユースの回数を増加させる
ためには、染料の劣化を極力防ぎ、消しムラやしみが生
じないようにすることが必要である。本発明では、上記
一般式で表されるアザフタリド系の青色染料を用いて、
発色時の高い画像濃度と消色時の低い画像濃度を実現し
ている。
【0021】一般式のR1は炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシル基およびアセトアミド
基からなる群より選択される。アルキル基は炭素数1〜
6のものを用いることができるが、特にメチル基または
エチル基が最適である。アルコキシル基は炭素数1〜6
のものを用いることができるが、特に炭素数3〜6のも
のが発色・消色特性に優れているため好ましい。アルキ
ル基またはアルコキシル基は直鎖のものでも分岐したも
のでもよいが、直鎖のものが好適である。R1がアセト
アミド基またはアルキル基の場合には、色目が空色に近
い青色になる傾向があり、筆記用のペンやマーカーの用
途に適している。R1がアルコキシル基の場合には、色
目が深い青色になる傾向があり、電子写真やインクジェ
ットプリンターで文字を印刷する用途に適している。
【0022】一般式のR2はメチル基またはフェニル基
である。R2がフェニル基である染料は、R2がメチル基
である染料と比較すると、発色濃度が高くなる傾向があ
り、消色特性は同程度である。したがって、R2がフェ
ニル基である染料は画像形成材料への添加量を減らすこ
とができ、消色する際に有利である。
【0023】一般式のR3は炭素数1〜8のアルキル基
である。特にR3が炭素数2〜8のアルキル基である染
料は発色・消色特性が優れている。R3のアルキル基は
直鎖のものでも分岐したものでもよいが、直鎖のものが
好適である。ただし、R1のアルコキシル基が炭素数3
または4である染料は融点が低下する傾向があり、製造
時の取り扱いが困難になるので、その場合にはR3のア
ルキル基の炭素数を1または2にすることが好ましい。
また、R3の炭素数が6〜8のアルキル基である染料も
融点が低下する傾向があり、製造時の取り扱いが困難に
なるので、その場合にはR1のアルキル基またはアルコ
キシル基の炭素数を1〜3にすることが好ましい。
【0024】一般式のR4は炭素数1〜6のアルキル基
であり、特に炭素数2〜5のアルキル基が好適であり、
さらにエチル基が最も好適である。R4のアルキル基は
直鎖のものでも分岐したものでもよいが、直鎖のものが
好適である。(R42の2つのR4アルキル基は同一で
も異なっていてもよいが、合成上は同一であるほうが有
利である。
【0025】特に、R1が炭素数5または6のアルコキ
シル基、R2がメチル基またはフェニル基、R3およびR
4が炭素数1〜4のアルキル基である青色ロイコ染料
は、R1の作用により加熱劣化が抑えられ、熱消去後の
画像の黄ばみや褐色化を防止できる。このためリユース
効率が向上した画像形成材料が得られる。
【0026】また、R1がメチル基またはアセトアミド
基、R2がメチル基またはフェニル基、R3が炭素数1〜
8のアルキル基、R4が炭素数1〜6のアルキル基であ
る青色ロイコ染料も好適である。
【0027】本発明で用いられる顕色剤としては、フェ
ノール、フェノール金属塩、カルボン酸金属塩、ベンゾ
フェノン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸
金属塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩、亜リン酸、亜リン酸金属塩などが挙げられる。これ
らのうちでも好適な顕色剤として、没食子酸エステル、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン、
2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸
エステル、4,4’−ビフェノールが挙げられる。これ
らは単独で、または2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0028】第1の発明に係る画像形成材料は、青色ロ
イコ染料、顕色剤および消色剤を含有する。第1の発明
で用いられる消色剤には、大別して低分子消色剤と高分
子消色剤とがある。
【0029】単独で機能する低分子消色剤としては、コ
ール酸、コール酸メチル、プレグネノロン、メチルアン
ドロステンジオール、β−シトステロール、ヘコゲニン
などのステロール化合物およびその誘導体が挙げられ
る。
【0030】単独では消色剤として機能しない極性有機
低分子化合物と、各成分の相分離を抑制する機能が高い
有機低分子化合物(相分離抑制剤)とを併用して、消色
剤として用いてもよい。極性有機低分子化合物として
は、脂環式1価アルコール、たとえばシクロドデカノー
ル、メントール、イソメントール、テルピネオールな
ど;多環式アルコール誘導体、たとえばボルネオール、
イソボルネオール、アダマンタノール、ショウノウな
ど;環式糖アルコールの誘導体、たとえば1,2:5,
6−ジイソプロピリデン−D−マンニトールなどが挙げ
られる。これらのうち1種または2種以上を用いること
ができる。相分離抑制剤としては、環式糖アルコールお
よびその誘導体、たとえばD−グルコース、D−マンノ
ース、D−ガラクトース、D−フルクトース、ビタミン
C、サッカロース、マルトース、ラクトースなどが挙げ
られる。これらのうち1種または2種以上を用いること
ができる。
【0031】高分子消色剤(ポリマーまたはオリゴマ
ー)としては、デンプン、デンプンを主成分とする穀物
粉体、デンプン誘導体(メチル化スターチ、酢化スター
チ、ニトロ化スターチなど)、セルロース、セルロース
誘導体(酢酸セルロース、エチルセルロース、ニトロ化
セルロースなど)、多糖類およびその誘導体(デキスト
リン、マンナン、アミロース、グリコゲン、キチン、ペ
クチンなど)、ポリアミノ酸(トレオニン、セリン、リ
シン、ヒスチジンなどの骨格を有するもの)、糖蛋白質
(コラーゲン、タカアミラーゼA、カゼイン、胚芽糖蛋
白質、卵白アルブミンなど)、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピリジン、ポリビニルアセタール、ポリアク
リロニトリル、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピ
ロール、ポリビニルカルバゾールなどの高分子化合物お
よびこれらの誘導体、ポリスチレンの4級アンモニウム
塩置換体やエチレンジアミン骨格を有するアミノ基によ
る置換体などが挙げられる。
【0032】第1の発明に係る画像形成材料は、その他
の成分として、たとえば紙上に定着させる機能を有する
バインダー樹脂やワックスを含有していてもよい。
【0033】第1の発明で用いることができるバインダ
ー樹脂としては、通常の電子写真用トナー、液体イン
ク、インクリボン、筆記具などで用いられている樹脂で
あり、ロイコ染料および顕色剤のいずれか一方と選択的
に相溶するものであれば、特に限定されない。トナー用
バインダー樹脂としては、温度安定性からガラス転移点
が40℃以上のものが好ましい。具体的には、ポリスチ
レン、スチレン−アクリレート共重合体、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体などが挙げられる。これらは単独
で用いてもよいし、ブレンドして用いてもよい。熱転写
インク用のバインダー樹脂は、熱転写感度の点からガラ
ス転移点が70℃以下のものが好ましい。具体的には、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルなどが挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、ブレンドし
て用いてもよい。
【0034】第1の発明で用いることができるワックス
としては、高級アルコール、高級ケトン、高級脂肪酸エ
ステル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、低分子量ポリブチレン、低分子量ポリアルカン、天
然ワックス(たとえばライスワックスなど)、パラフィ
ンが挙げられる。これらは重量平均分子量が102〜1
5、さらには102〜104であることが好ましい。ワ
ックスは酸価が10以下であることが好ましい。
【0035】第2の発明に係る画像形成材料は、ロイコ
染料、顕色剤およびバインダー樹脂を必須成分とし、消
色剤を含まない組成物からなり、必ずしも第1の画像形
成材料ほど良好な消去性能が得られるわけではないが、
十分実用的に使用できるものである。
【0036】第2の発明に係る画像形成材料に関して
は、消去とは(a)形成された画像の反射濃度に対し
て、消去後の画像領域の反射濃度が1/3以下に低下す
るか、または(b)消去後の画像領域の反射濃度とバッ
クグラウンドの反射濃度との差が0.1以下になること
を意味する。(a)と(b)の両方の条件を満たすこと
がより好ましい。この条件は、上述した第1の画像形成
材料に対して適用される、発色時の画像濃度が0.7以
上であり、かつコントラストが20以上という条件より
は、消去性能の要求水準が低い。
【0037】上述した画像形成材料では、呈色性化合物
であるロイコ染料(L)と顕色剤(D)が結合して発色
したコンプレックス(L−D)を形成する。この反応は
可逆的であり、以下のような平衡関係が成り立ってい
る。
【0038】[L]+[D] ←→ [L−D] 第2の発明に係る画像形成材料では、以下に示す2つの
機構のいずれかにより画像が消去される。
【0039】(1)ロイコ染料、顕色剤およびバインダ
ー樹脂とを含む画像形成材料を溶媒と接触させるかまた
は加熱したとき、バインダー樹脂がロイコ染料または顕
色剤のいずれか一方と相溶し、溶媒の揮発後または冷却
後にも相溶状態が維持され画像が消去された状態が保持
される。
【0040】(2)ロイコ染料、顕色剤およびバインダ
ー樹脂とを含む画像形成材料を溶媒と接触させるかまた
は加熱したとき、上述したロイコ染料と顕色剤との平衡
が非発色側へずれ、溶媒の揮発後または冷却後にも非発
色側へずれた平衡が維持され画像が消去された状態が保
持される。
【0041】これらの機構に対しても、第1の発明の画
像形成材料について説明したように、ロイコ染料の電子
供与性や立体構造が影響し、一般式で表される青色ロイ
コ染料(アザフタリド染料)を用いることにより、発色
時の高い画像濃度と消色時の低い画像濃度を実現でき
る。
【0042】第2の発明に係る画像形成材料において、
顕色剤としては第1の発明の画像形成材料について説明
したのと同様な化合物を用いることができる。
【0043】また、第2の発明に係る画像形成材料の消
去性能に関しては、バインダー樹脂が重要な影響を与え
る。第2の発明の画像形成材料に用いられるバインダー
樹脂は、ロイコ染料との相溶性が高く、顕色剤との相溶
性が低いものが好ましい。このようなバインダー樹脂と
しては、第1の発明の画像形成材料について説明したポ
リスチレン、スチレン−アクリレート共重合体、スチレ
ン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリレート共
重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体などのうち、特にポリスチレ
ン、およびスチレンユニットのモル含有率が30%以
上、より好ましくは70%以上である共重合体が好適で
ある。
【0044】なお、第2の発明に係る画像形成材料にお
いても、第1の発明の画像形成材料について説明したの
と同様なワックス成分を使用することができる。
【0045】これらの画像形成材料は、電子写真用トナ
ー、インクジェットプリンター用インク、印刷インク、
文具用インク、クレヨンのような固形インクなどに幅広
く応用することができる。また、これらの材料を用い、
所定の書式を印刷しておけば、消去可能な記録媒体とし
て用いることができる。さらに、本発明に係る消去可能
な画像形成材料と、通常のインクまたはリライタブル記
録材料とをうまく組み合わせれば、書式の変更や部分的
な書き換えが可能で、リユースおよびリサイクルの効率
が高い記録媒体として用いることもできる。
【0046】本発明に係る画像形成材料を用いて形成さ
れた画像は、加熱するかまたは消去用の溶媒に接触させ
ることにより消去することができる。
【0047】加熱による画像の消去では、第1の画像形
成材料に対しては加熱温度を低分子消色剤を用いている
場合にはその融点以上、高分子消色剤を用いている場合
にはその軟化点以上に設定する。第2の画像形成材料に
対しては加熱温度をバインダー樹脂の軟化点以上に設定
する。具体的には、加熱温度は80℃以上が好ましく、
紙の劣化を防ぐためには250℃以下が好ましい。加熱
時間は、画像が消去されかつ紙質が劣化しない範囲で任
意に設定される。具体的には、150℃以下では1〜2
4時間、150〜200℃で10分〜1時間、200℃
以上で10分以下である。
【0048】消去用溶媒には以下にような特性が求めら
れる。(1)消去用溶媒は、消色剤またはバインダー樹
脂が顕色剤を物理的または化学的に吸着して取り込んで
保持することを促進する。(2)消去用溶媒は、紙面上
の画像形成材料の内部まで浸透することができ、かつ揮
発するまでの間にバインダー樹脂を溶解することはな
い。
【0049】好適な消去用溶媒としては、エーテル、た
とえばエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンな
ど;セロソルブ類、たとえば2−メトキシエタノール、
2−エトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタンなど;ケトン、たとえばアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジ
エチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンな
ど;エステル、たとえば酢酸エチル、乳酸エチル、プロ
ピオン酸メチル、酪酸エチルなどが挙げられる。その他
の溶媒として、塩化メチレン、N−メチルピロリジノ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシドなども用いられる。これらの溶媒は
単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。この場合、混合比は特に限定されない。
【0050】上記の消去用溶媒以外にも、使用されてい
るワックスやバインダー樹脂によっては消去特性を発現
できる溶媒がある。このような溶媒としては、アルコー
ル、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどや、
水、塩基性水溶液などが挙げられる。これらの溶媒は特
にクレヨンのようにワックスの割合が多い画像形成材料
に有効である。これらの溶媒を上述した消去用溶媒に添
加すると、消去性能が高まる場合がある。
【0051】なお、バインダー樹脂との親和性を改善す
るために、他の溶媒を混合してもよい。このような溶媒
としては、たとえばトルエン、キシレン、クレゾール、
ジメトキシベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、シク
ロペンタン、石油留分(石油エーテル、ベンジンなど)
が挙げられる。
【0052】本発明においては、消去用溶媒に消色剤を
添加してもよい。この場合、消去用溶媒への消色剤の添
加量は画像を有効に消去できる範囲であれば特に限定さ
れないが、添加量は5〜20wt%の範囲であることが
好ましい。また、紙などの画像記録媒体に消色剤を添加
してもよい。この場合も、画像記録媒体への消色剤の添
加量は画像を有効に消去できる範囲であれば特に限定さ
れない。ただし、他の特性を考慮すれば、画像記録媒体
の全表面に画像を形成した場合(ベタ画像を形成した場
合)に使用する全画像形成材料重量の5〜20wt%の
消色剤を予め画像記録媒体に添加することが好ましい。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下の実
施例においては、ロイコ染料として下記表1に示すもの
を用いた。E−1〜E−20は一般式に含まれるもので
あり、Blue63は公知の染料で一般式から除外した
ものである。また、C−1は公知のクリスタルバイオレ
ットラクトンであり、一般式に含まれない。
【0054】
【表1】
【0055】実施例1 E−1〜E−20、Blue63、およびC1のロイコ
染料を用意した。以下のようにして画像形成材料(トナ
ー)を調製し、紙上に画像を形成した後、紙を溶媒に浸
漬して画像を消去する実験を行った。色彩色度計(ミノ
ルタ製CR−300)により発色時の画像濃度DCおよ
び消色時の画像濃度DDを測定し、紙の反射濃度DPをバ
ックグラウンド値として用い、(DC−DP)/(DD
P)という式に従ってコントラストを計算した。
【0056】2重量部のロイコ染料、顕色剤として2重
量部の没食子酸プロピル、消色剤として16重量部のコ
ール酸、ワックス成分として1重量部のポリプロピレン
ワックス、1重量部の帯電制御剤(LR−147、日本
カーリット社)、バインダー樹脂として78重量部のポ
リスチレン(三洋化成製、SB−130)を配合してよ
く混合した。この混合物を80℃以下の温度に保ちなが
らニーダーで混練し、シェアがかからなくなった時点で
装置を停めて取り出し、室温まで放冷した。混練物を粗
く粉砕して再度ニーダーで混練して染料と顕色剤をバイ
ンダー樹脂に均一に分散させた。この混練物を粉砕機で
粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。この粉体10
0wt%に疎水性シリカ1wt%を外添し、磁性粉を混
合して青色の電子写真用トナーを作製した。このトナー
をコピー機(東芝製プリマージュ38)のトナーカート
リッジに入れ、コピー紙(Neusiedler社、5
00BLATT)に評価用のベタ画像を転写した。発色
時の画像濃度DCを測定した結果を表2に示す。ベタ画
像が形成されたコピー紙をジエトキシエタンに20秒浸
漬することにより画像を消去した。消色時の画像濃度D
Dを測定した結果を表2に示す。また、バックグラウン
ドのコピー紙の反射濃度DPを0.09としてコントラ
ストを計算した結果を表2に示す。
【0057】染料としてE−1〜E−20(およびBl
ue63)を用いたトナーは、比較例であるC1(クリ
スタルバイオレットラクトン)を用いたトナーと比較し
て、発色時の高い画像濃度と消色時の低い画像濃度が得
られている。これらのコピー紙を60℃で300時間放
置した後にも、消色状態に変化は見られず、消色状態は
非常に安定であった。
【0058】
【表2】
【0059】実施例2 実施例1と同様にしてE−5のロイコ染料を用いたトナ
ーを調製した。このトナーを用いて実施例1と同様にコ
ピー紙上にベタ画像(画像濃度DC=0.97)を形成
した。その後、コピー紙を100℃、120℃、150
℃または200℃に温度設定したホットプレート上で加
熱して画像を消去した。加熱処理時間は100℃で24
時間、120℃で10時間、150°で3時間、200
℃で10分とした。実施例1と同様に、消色時の画像濃
度DDを測定した結果を表3に示す。また、バックグラ
ウンドのコピー紙の反射濃度DPを0.09としてコン
トラストを計算した結果を表3に示す。
【0060】上記の温度範囲、加熱時間では染料の劣化
が起こらず、発色時の高い画像濃度と消色時の低い画像
濃度が達成できた。これらのコピー紙を60℃で300
時間放置した後にも、消色状態に変化は見られず、消色
状態は非常に安定であった。
【0061】
【表3】
【0062】また、E−1のロイコ染料を用いたトナー
とBlue63を用いたトナーを調製し、上記と同様の
実験を行った。その結果、以下に示すように、E−1の
ロイコ染料を用いたトナーの方が、Blue63を用い
たトナーよりも低温での消去特性が良好であった。すな
わち、Blue63を用いたトナーは120℃以上の条
件では染料の分解により若干赤茶色に変色する傾向があ
り、100℃では消去が不十分であった。一方、E−1
を用いたトナーも120℃以上の条件では同様に染料の
分解により若干赤茶色に変色する傾向があったが、10
0℃での消去特性は良好で、コントラストは5.2であ
った。
【0063】実施例3 実施例1と同様にして、それぞれE−1〜E−20、B
lue63、およびC1のロイコ染料を用いたトナーを
作製した。これらのトナーを用いて実施例1と同様にコ
ピー紙上にベタ画像を形成した。発色時の画像濃度DC
を測定した結果を表4に示す。その後、これらのコピー
紙を115℃に温度設定したオーブン中で10時間加熱
して画像を消去した。実施例1と同様に、消色時の画像
濃度DDを測定した結果を表4に示す。また、バックグ
ラウンドのコピー紙の反射濃度D Pを0.09としてコ
ントラストを計算した結果を表4に示す。
【0064】染料としてE−1〜E−20(およびBl
ue63)を用いたトナーは、比較例であるC1(クリ
スタルバイオレットラクトン)を用いたトナーと比較し
て、発色時の高い画像濃度と消色時の低い画像濃度が得
られている。また、E−1〜E−20(およびBlue
63)を用いたトナーでは115℃、10時間という条
件では染料が劣化することはなかった。また、紙を50
0枚重ねてオーブン中で加熱処理した場合でも、消えム
ラは発生しなかった。これらのコピー紙を60℃で30
0時間放置した後にも、消色状態に変化は見られず、消
色状態は非常に安定であった。
【0065】
【表4】
【0066】実施例4 実施例1と同様にしてE−18のロイコ染料を用いたト
ナーを調製した。このトナーを用いて実施例1と同様に
コピー紙上にベタ画像(画像濃度DC=0.83)を形
成した。その後、コピー紙を表5に示す溶媒に20秒間
浸漬して画像を消去した。実施例1と同様に、消色時の
画像濃度DDを測定した結果を表4に示す。また、バッ
クグラウンドのコピー紙の反射濃度DPを0.09とし
てコントラストを計算した結果を表4に示す。
【0067】溶媒による消去状態はいずれも場合も良好
であり、トナーの流れや染料のにじみによる残像は観察
されなかった。これらのコピー紙を60℃で300時間
放置した後にも、消色状態に変化は見られず、消色状態
は非常に安定であった。
【0068】
【表5】
【0069】実施例5 バインダー樹脂として、表6に示すように、ブチルアク
リレート含有量の異なる5種のスチレン−ブチルアクリ
レート共重合体(分子量65000)を用意した。な
お、ブチルアクリレート含有量が0wt%のものはスチ
レンホモポリマーである。以下のようにして消色剤を含
まないトナーを調製した。
【0070】2重量部のE−5のロイコ染料、顕色剤と
して2重量部の2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、ワックス成分として1重量部のポリプ
ロピレンワックス、1重量部の帯電制御剤(LR−14
7、日本カーリット社)、バインダー樹脂として94重
量部のスチレン−ブチルアクリレート共重合体を配合し
てよく混合した。この混合物を80℃以下の温度に保ち
ながらニーダーで混練し、シェアがかからなくなった時
点で装置を停めて取り出し、室温まで放冷した。混練物
を粗く粉砕して再度ニーダーで混練して染料と顕色剤を
バインダー樹脂に均一に分散させた。この混練物を粉砕
機で粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。この粉体
100wt%に疎水性シリカ1wt%を外添し、磁性粉
を混合して青色の電子写真用トナーを作製した。このト
ナーをコピー機(東芝製プリマージュ38)のトナーカ
ートリッジに入れ、コピー紙(Neusiedler
社、500BLATT)に評価用のベタ画像を転写し
た。発色時の画像濃度DCを測定した結果を表6に示
す。ベタ画像が形成されたコピー紙をジエトキシエタン
に20秒浸漬することにより画像を消去した。実施例1
と同様に、消色時の画像濃度DDを測定した結果を表6
に示す。また、バックグラウンドのコピー紙の反射濃度
Pを0.09としてコントラストを計算した結果を表
6に示す。
【0071】これらのコピー紙を60℃で300時間放
置した後にも、消色状態に変化は見られず、消色状態は
非常に安定であった。
【0072】
【表6】
【0073】実施例6 E−1〜E−20、Blue63、およびC1のロイコ
染料を用意した。以下のようにして消色剤を含まないト
ナーを調製した。
【0074】2重量部のロイコ染料、顕色剤として2重
量部の2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、
ワックス成分として1重量部のポリプロピレンワック
ス、1重量部の帯電制御剤(LR−147、日本カーリ
ット社)、バインダー樹脂として94重量部のスチレン
−ブチルアクリレート共重合体(ブチルアクリレート含
有量6wt%、分子量65000)を配合してよく混合
した。この混合物を80℃以下の温度に保ちながらニー
ダーで混練し、シェアがかからなくなった時点で装置を
停めて取り出し、室温まで放冷した。混練物を粗く粉砕
して再度ニーダーで混練して染料と顕色剤をバインダー
樹脂に均一に分散させた。この混練物を粉砕機で粉砕し
て平均粒径10μmの粉体を得た。この粉体100wt
%に疎水性シリカ1wt%を外添し、磁性粉を混合して
青色の電子写真用トナーを作製した。このトナーをコピ
ー機(東芝製プリマージュ38)のトナーカートリッジ
に入れ、コピー紙(Neusiedler社、500B
LATT)に評価用のベタ画像を転写した。発色時の画
像濃度DCを測定した結果を表7に示す。ベタ画像が形
成されたコピー紙をジエトキシエタンに20秒浸漬する
ことにより画像を消去した。実施例1と同様に、消色時
の画像濃度DDを測定した結果を表7に示す。また、バ
ックグラウンドのコピー紙の反射濃度DPを0.09と
してコントラストを計算した結果を表7に示す。
【0075】染料としてE−1〜E−20(およびBl
ue63)を用いたトナーは、比較例であるC1(クリ
スタルバイオレットラクトン)を用いたトナーと比較し
て、発色時の高い画像濃度と消色時の低い画像濃度が得
られている。これらのコピー紙を60℃で300時間放
置した後にも、消色状態に変化は見られず、消色状態は
非常に安定であった。
【0076】
【表7】
【0077】実施例7 E−1〜E−20、Blue63、およびC1のロイコ
染料を用意した。以下のようにしてクレヨンを作製し
た。
【0078】1重量部のロイコ染料に対して、顕色剤と
して1重量部の没食子酸プロピル、消色剤として10重
量部のコール酸、ワックス成分として5重量部のステア
リルアルコールおよび5重量部の1−ドコサノールを加
え、80℃に加熱して3時間激しく攪拌した後、成形し
てクレヨンを作製した。
【0079】これらのクレヨンを用い、紙の上に溶融定
着させて画像を形成した。溶融発色時の画像濃度を測定
した結果を表8に示す。染料としてE−1〜E−20
(およびBlue63)を用いたクレヨンでは、画像濃
度が1.05以上であることが確認された。
【0080】次に、これらのクレヨンを用い、紙上の3
cm×3cmの範囲を手書きで塗りつぶした。塗りつぶ
しは線が重ならないように、かつ白色部が残らないよう
に注意しながら行ったが、完全に塗りつぶすことは不可
能であった。このように塗りつぶしにより形成された画
像濃度DCを測定した結果を表8に示す。画像濃度は色
彩色度計の光路内の平均値として得られるため、表8に
示されるように、塗りつぶし画像濃度DCは、溶融発色
時の画像濃度よりも小さくなる。
【0081】次に、塗りつぶし画像が形成された紙を1
30℃の恒温乾燥機中で10時間加熱して画像を消去し
た。消色時の画像濃度DDを測定した結果を表8に示
す。また、筆記具であるクレヨンとして評価するため
に、塗りつぶし画像濃度DCを用い、バックグラウンド
のコピー紙の反射濃度DPを0.09としてコントラス
トを計算した結果を表8に示す。
【0082】染料としてE−1〜E−20(およびBl
ue63)を用いたトナーは、比較例であるC1(クリ
スタルバイオレットラクトン)を用いたトナーと比較し
て、発色時の高い画像濃度と消色時の低い画像濃度が得
られている。また、E−2〜E−20を用いたトナーで
は130℃、10時間という条件では染料が劣化するこ
とはなかった。E−2およびBlue63を用いたトナ
ーでも、画像厚さが薄いため、目視では染料の劣化によ
る赤茶色の変色を確認できなかった。また、紙を500
枚重ねてオーブン中で加熱処理した場合でも、消えムラ
は発生しなかった。これらの紙を60℃で300時間放
置した後にも、消色状態に変化は見られず、消色状態は
非常に安定であった。
【0083】また、これらのクレヨンで書いた線を、消
去溶媒であるジエトキシエタンを入れたフェルトペンで
なぞると、消えムラなく消去することができ、時間が経
過しても再発色は起こらなかった。消去溶媒としてメチ
ルエチルケトンまたはイソプロピルアルコールを用いた
場合にも同様の結果が得られた。
【0084】
【表8】
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、消
去可能な画像形成材料に適用した場合に、発色時には高
い画像濃度、消色時には低い画像濃度を示し、加熱消去
時の劣化が抑えられて消えムラや変色がない状態で良好
なコントラストが得られる青色ロイコ染料を提供するこ
とができる。したがって、消去可能な画像形成材料の適
用範囲が広がり、リユースの効率を向上でき、ひいては
紙資源を効率的に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 暁 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐野 健二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 池田 成 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 三宅 弘倫 京都府京都市南区上鳥羽上調子町1番地1 山田化学工業株式会社内 (72)発明者 真殿 智行 京都府京都市南区上鳥羽上調子町1番地1 山田化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 BB02 BB06 4H056 BA02 BB15 BC03 BC04 BD03 BF26F FA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロイコ染料と、顕色剤と、消色剤とを含
    有する消去可能な画像形成材料に用いられる青色ロイコ
    染料であって、下記一般式 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜
    6のアルコキシル基およびアセトアミド基からなる群よ
    り選択され、R2はメチル基またはフェニル基、R3は炭
    素数1〜8のアルキル基、R4は炭素数1〜6のアルキ
    ル基である[ただし、R1がエトキシル基、R2がメチル
    基、R3およびR4がエチル基の場合を除く]。)で表さ
    れることを特徴とする消去可能な画像形成材料用青色ロ
    イコ染料。
  2. 【請求項2】 ロイコ染料と、顕色剤と、バインダー樹
    脂とを含有する消去可能な画像形成材料に用いられる青
    色ロイコ染料であって、下記一般式 【化2】 (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜
    6のアルコキシル基およびアセトアミド基からなる群よ
    り選択され、R2はメチル基またはフェニル基、R3は炭
    素数1〜8のアルキル基、R4は炭素数1〜6のアルキ
    ル基である[ただし、R1がエトキシル基、R2がメチル
    基、R3およびR4がエチル基の場合を除く]。)で表さ
    れることを特徴とする消去可能な画像形成材料用青色ロ
    イコ染料。
  3. 【請求項3】 R1が炭素数5または6のアルコキシル
    基、R2がメチル基またはフェニル基、R3およびR4
    炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の消去可能な画像形成材料用青色ロ
    イコ染料。
  4. 【請求項4】 R1がメチル基またはアセトアミド基、
    2がメチル基またはフェニル基、R3が炭素数1〜8の
    アルキル基、R4が炭素数1〜6のアルキル基であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の消去可能な画
    像形成材料用青色ロイコ染料。
  5. 【請求項5】 紙上に請求項1ないし4のいずれかに記
    載の消去可能な画像形成材料用青色ロイコ染料を含む画
    像形成材料を発色した状態で形成したことを特徴とする
    画像記録媒体。
  6. 【請求項6】 紙上に請求項1ないし4のいずれかに記
    載の消去可能な画像形成材料用青色ロイコ染料を含む画
    像形成材料を発色した状態で画像を形成する工程と、前
    記紙を加熱するかまたは前記紙を溶媒に接触させること
    により画像を消去する工程とを有することを特徴とする
    画像消去方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233110A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP2009078483A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Toshiba Corp 呈色性化合物、色素化合物、および画像形成材料
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