JP2003186242A - 消去可能な画像形成材料 - Google Patents

消去可能な画像形成材料

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JP2003186242A
JP2003186242A JP2001384897A JP2001384897A JP2003186242A JP 2003186242 A JP2003186242 A JP 2003186242A JP 2001384897 A JP2001384897 A JP 2001384897A JP 2001384897 A JP2001384897 A JP 2001384897A JP 2003186242 A JP2003186242 A JP 2003186242A
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JP2001384897A
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English (en)
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Shigeru Machida
茂 町田
Akira Takayama
暁 高山
Shigeru Ikeda
成 池田
Kenji Sano
健二 佐野
Satoyuki Madono
智行 真殿
Tomoyuki Ogawa
知之 小川
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Toshiba Corp
Yamada Chemical Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Yamada Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な黄色発色が得られ、かつ熱履歴の制御
または消去溶媒との接触により消去不良を起こすことな
く高い品質の消去状態が得られ、発色時と消色時の画像
濃度のコントラストが高い、消去可能な画像形成材料を
提供する。 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数5以上のアルキル基またはアリー
ル基である。R2はフェニル基または炭素数1〜5のア
ルキル基である)で表される黄色発色のロイコ染料と、
顕色剤と、バインダー樹脂とを含有する消去可能な画像
形成材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な黄色発色が
得られ、かつ良好に消去することが可能な画像形成材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の紙の再利用は、画像形成材料を紙
から剥離する脱墨工程と漂白工程とを経た紙繊維を、質
の悪い紙に漉き直して目的別に使い分ける「リサイク
ル」が主である。こうした「リサイクル」に関しては、
脱墨工程のコスト高の問題や廃液の処理による新たな環
境汚染の可能性などが指摘されている。一方、紙質の劣
化を極力防ぎ同一の目的に複数回使用する「リユース」
は、紙資源の有効利用の観点からみればより重要な概念
であるといえる。「リユース」に関してはいくつか実用
化の例はあるものの、オフィス内での分別や画像消去後
の紙質の問題から社会的に受け入れられていないのが現
状である。
【0003】本発明者らは、ロイコ染料と顕色剤とが相
互作用を増大すると発色状態となり、相互作用を減少す
ると消色状態になることに着目して、バインダー樹脂、
ロイコ染料および顕色剤の組み合わせを選ぶことによ
り、室温付近の温度で発色状態が安定に存在し、熱や溶
媒による処理を施すと色が消え、一旦消色すると実用温
度において長期に消色状態を固定することのできる画像
形成材料を開発し、現行のリサイクル技術に代わる有効
な紙のリユースとリサイクルの技術として提案した(例
えば特開2000−284520)。
【0004】この種の消去可能な画像形成材料を用いれ
ば、ロイコ染料と顕色剤が相互作用した状態で媒体に書
き込みを行うことにより、画像を形成できる。一方、画
像が形成された媒体を画像消去条件下におくとロイコ染
料と顕色剤とが分離し、遊離したロイコ染料および顕色
剤のどちらか一方が選択的にバインダー樹脂に相溶する
か、またはバインダー樹脂の特性によりロイコ染料と顕
色剤との平衡が非発色側にずれるか、または遊離した顕
色剤が消色剤に固定されて、不可逆的に安定な消色状態
が達成される。このため、画像形成材料の製造条件でロ
イコ染料と顕色剤が結合した状態に平衡が偏っていれば
高い画像濃度が保証される。一方、画像消去条件におい
て両者が遊離して存在するように制御できれば、リユー
スに耐えられるグレードの古紙を得ることが可能にな
る。この技術を用いると、画像形成過程および消色過程
が非常に効率的に達成され、使用による皺や折れ曲がり
などの紙の痛みを気にしなければ100回以上のリユー
スが可能である。したがって、リユースに耐えられなく
なった段階で紙をリサイクルすればよいので、紙資源の
利用効率を飛躍的に向上できることになる。
【0005】消去可能な画像形成材料を用いてカラー画
像を印刷するためには、少なくともブラック、シアン、
マゼンダ、イエローの基本色が必要となる。本発明者ら
はこれまでに、最も使用量の多いブラックおよび環境色
としての用途が期待されるシアンについて、消去可能な
画像形成材料用の染料を開発している(ブラック:特開
2000−160041,シアン:特願2000−21
9446)。
【0006】次いで、本発明者らは、基本色としてばか
りではなく、色目を微調整する機能を有する黄色発色の
ロイコ染料を消去可能な画像形成材料に適用しようとし
て評価した。その結果、これまで上市されている染料で
は良好な性質を示すものが見出せなかった。たとえば、
ある染料は、単体ではレモン色で申し分のない色目を示
すが、発色率が低いため画像形成材料にすると色がほと
んど確認できない。また、ある染料は、高い発色率を示
すが、色目がオレンジ色で黄色の画像形成材料にならな
い。特に、発色率が高い染料は、消去可能な画像形成材
料の標準的な顕色剤である没食子酸プロピルを用いると
消色特性に劣るものが多く、紙質の良い古紙を得ること
が不可能であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な黄色発色が得られ、かつ熱履歴の制御または消去溶媒
との接触により消去不良を起こすことなく高い品質の消
去状態が得られ、発色時と消色時の画像濃度のコントラ
ストが高い、黄色発色の消去可能な画像形成材料を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に係る消
去可能な画像形成材料は、下記一般式(1)
【化2】 (式中、R1は炭素数5以上のアルキル基またはアリー
ル基である。R2はフェニル基または炭素数1〜5のア
ルキル基である)で表される黄色発色のロイコ染料と、
顕色剤と、バインダー樹脂とを含有する。
【0009】本発明の他の態様に係る消去可能な画像形
成材料は、上記の各成分に加えて、さらに消去剤を含有
していてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る消去可能
な画像形成材料は、染料(L)に顕色剤(D)が作用し
た状態で発色して画像形成材料として用いることがで
き、加熱または消去溶剤との接触により不可逆的に消色
した状態となりリユースまたはリサイクルすることが可
能になる。画像形成材料として用いる際では十分な黄色
の色濃度が確保され、また消色後には記録媒体との色濃
度差がリユースやリサイクルに耐えうる範囲まで減少し
ていることが求められる。
【0011】本発明の実施形態において用いられる染料
(L)は、顕色剤(D)と結合して発色体(L−D)を
形成するが、この反応は可逆的であり、下記式(I)に
示すような平衡関係が成り立っている。
【0012】 [L]+[D] ⇔ [L−D] (I) 従って、画像形成材料を製造する条件において生成した
発色体の割合が、発色状態の画像濃度を規定する。消去
可能な画像形成材料として有効に機能するためには、発
色状態の画像濃度DCが0.3以上であることが好まし
く、DCと消色状態の画像濃度DDのコントラスト(DC
−DP)/(DD−DP)が5以上であることが必要であ
り、さらに好ましくは式(II)に示すように10以上で
あることが望ましい。
【0013】 (DC−DP)/(DD−DP)≧10 (II) ここで、DPは記録媒体の画像濃度(バックグラウン
ド)である。ただし、DC≧0.3を満たすことが好ま
しい。
【0014】本発明の実施形態に係る画像形成材料の消
去状態は以下に示す3つの機構のいずれかで達成され
る。
【0015】第1の機構:(A)加熱または消去溶媒と
の接触により、画像形成材料中においてバインダー樹脂
とロイコ染料または顕色剤のいずれか一方とが選択的に
相溶し、ロイコ染料と顕色剤とが空間的に分離される。
(B)温度の低下後または溶媒の除去後にも上記の相溶
状態が維持され、ロイコ染料と顕色剤が分離した画像の
消去状態が保持される。
【0016】第2の機構:(A)画像形成材料の作製条
件においては、ロイコ染料と顕色剤との平衡が発色側
(両者が結合して発色体が生成する方向)に偏っている
が、加熱または消去溶媒との接触により両者の平衡が非
発色側へずれて、ロイコ染料と顕色剤とが分離して存在
する確率が飛躍的に増加する。(B)温度の低下後また
は溶媒の除去後にも非発色側にずれた平衡が維持され、
ロイコ染料と顕色剤が分離した画像の消去状態が保持さ
れる。
【0017】第3の機構(これは消去剤を含有する画像
形成材料における消去機構である):(A)加熱または
消去溶媒との接触により、画像形成材料中においてロイ
コ染料から顕色剤が遊離する。(B)遊離した顕色剤が
消色剤に固定されてロイコ染料と作用できなくなるた
め、画像の消去状態が保持される。
【0018】一般式(1)で表される黄色染料におい
て、R1は炭素数5以上のアルキル基またはアリール基
である。
【0019】R1がアルキル基である場合、アルキル鎖
は直鎖であっても側鎖を有するものであっても脂環式の
ものであってもよいが、直鎖のアルキル基の場合により
高い熱安定性を示す傾向がある。アルキル基の炭素数が
4以下の場合、120℃以上に加熱した時に染料の分解
または酸化による劣化が起こりやすいので、アルキル基
の炭素数は5以上であることが望ましい。アルキル鎖長
が長くなるに従って染料の分解または酸化による劣化は
抑制されるが、アルキル鎖長が9以上になるとアルキル
鎖同士の自己凝集力の働きにより極性の高い顕色剤との
相溶性が悪くなり発色状態の安定性が低くなるので、ア
ルキル基は炭素数8までであることが好適である。
【0020】R1がアリール基である場合、立体障害が
大きすぎたり小さすぎたりすると共役長が変化して色目
が黄色でなくなるので、置換基が炭素数1〜2のアルキ
ル基で、置換基数が1〜2であることが望ましい。R1
に含まれるアリール基としては、特に2,6−ジメチル
フェニル基または2,6−ジエチルフェニル基が好適で
ある。
【0021】良好な発消色特性を付与する上で好適なR
2は、フェニル基または炭素数1〜5のアルキル基であ
る。アルキル基は直鎖であっても側鎖を有するものであ
っても脂環式のものであってもよいが、特に好適なのは
メチル基である。
【0022】一般式(1)で表される黄色染料は、黒や
青のロイコ染料と比較してプロトン受容性が高いので、
顕色剤と相互作用してラクトン環が開環した発色状態に
平衡が偏る傾向がある。消色は加熱や溶剤との接触によ
りラクトン環が閉環した状態に平衡をずらすことで達成
しているから、プロトンの受容性が高まった染料では消
色特性を付与するのに工夫が必要になる。本発明の実施
形態では以下のような考え方に基づいて発消色特性の高
い画像形成材料を作製することが好ましい。
【0023】(a)発色状態と消色状態の間には式
(I)の平衡が成り立っており、染料、顕色剤、バイン
ダー樹脂(マトリクス材料)の種類、または作製条件に
より発色状態の染料の割合が変化する。通常の場合、バ
インダー樹脂中の染料の発色率が30%程度であれば画
像形成材料として十分に機能することがわかっている。
プロトン受容性が高い染料は、顕色剤との相互作用が強
く、平衡が発色側にずれるので、顕色剤の添加量を下げ
て、発色率が上がり過ぎないように調整し、適度な発消
色能を画像形成材料に付与する。
【0024】(b)発消色のバランスは、染料のプロト
ン受容性と顕色剤のプロトン供与性により決定される。
本発明の実施形態において用いられる黄色染料は黒や青
の染料と比較してプロトン受容性が高いので、顕色剤の
プロトン供与性を弱めて発色率、消色特性、発色の経時
安定性を確保する。
【0025】本発明の実施形態において用いられる顕色
剤としては、フェノール類、フェノール金属塩類、カル
ボン酸金属塩類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属
塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩
類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類などが挙げられる。
これらは単独でまたは2種以上混合して用いることがで
きる。これらの顕色剤のうちで特に好適なものは以下の
通りである。
【0026】上記(a)の手法に有効な顕色剤として
は、没色子酸エステル、テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン類、トリヒドロキシベンゾフェノン類、ジヒドロキシ
安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン類が挙げられ
る。染料に対する顕色剤の割合は、顕色剤のプロトン供
与性によって好適な範囲が変わるが、モル比で0.4〜
1.5倍が好ましい。
【0027】上記の(b)の手法に有効な顕色剤として
は、ジヒドロキシ安息香酸エステル、ジヒドロキシアセ
トフェノン類、ジヒドロキシベンゾフェノン類、ビフェ
ノール類が挙げられる。特に好適なのはジヒドロキシア
セトフェノン類であり、さらに3’,5’−ジヒドロキ
シアセトフェノンは最も良好な性能を示す。染料に対す
る顕色剤の割合は、顕色剤のプロトン供与性によって好
適な範囲が変わるが、モル比で1.0〜4.0倍が好ま
しい。
【0028】本発明の実施形態において用いられるバイ
ンダー樹脂は、通常の電子写真用トナー、液体インク、
インクリボン、筆記用具などに用いられるポリマーであ
って、ロイコ染料および顕色剤のいずれか一方を選択的
に相溶するものであるならばどのようなものでもよい。
【0029】トナー用バインダー樹脂としては、温度安
定性の観点からTgが40℃以上であるものが好適に用
いられる。上記の黄色染料と相溶性が高く、フェノール
類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ビフェノー
ル類などの通常用いられる顕色剤との相溶性が低いバイ
ンダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリスチ
レン−アクリレート共重合体、ポリスチレン−アクリル
酸共重合体、ポリスチレン−メタクリレート共重合体、
ポリスチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体などが挙げられる。これらのバイ
ンダー樹脂は単独で用いてもよいし、ブレンドして用い
てもよい。特に好適なのは、ポリスチレンホモポリマー
およびその共重合であり、ポリスチレンユニットのモル
含有率は30%〜100%、さらに70〜100%が好
ましい。
【0030】熱転写インクリボンには、熱転写感度の観
点からTgが70℃以下のポリマーを用いるのが好適で
ある。具体的には、好適なポリマーとして、エチレン−
酢酸ビニル、ポリエステル系樹脂が挙げられる。これら
のポリマーは単独で用いてもよいし、ブレンドして用い
てもよい。
【0031】本発明の実施形態において用いられるワッ
クス類としては、高級アルコール、高級ケトン、高級脂
肪族エステル、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリ
エチレン、低分子量ポリブチレン、低分子量ポリアルカ
ン、アミド系ワックス、ライスワックスのような天然ワ
ックス、パラフィン類などが挙げられる。これらは単独
で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ワックスは、酸価が10以下であるものが好ましい。ま
た、ワックスは、重量平均分子量が102〜105、さら
には102〜104であることが好ましい。
【0032】本発明の実施形態に係る画像形成材料を用
いて形成された画像は、加熱するか、または画像消去用
の溶媒に接触させることにより消去することができる。
【0033】加熱による画像の消去は、バインダー樹脂
の軟化点以上に加熱することで行うことができる。加熱
温度は、実用温度での画像安定性を考慮すると80℃以
上であることが好ましく、紙の劣化を防ぐことを考慮す
ると250℃以下であることが好ましい。加熱時間は、
画像が消去され、紙質が劣化しない範囲であるならば特
に限定されないが、好ましくは150℃以下ならば1時
間〜12時間、150℃〜200℃ならば10分〜1時
間、200℃以上ならば10分以下である。大量の紙を
一括して消色処理する場合には、例えば保管庫の温度を
100℃〜150℃に保ち、一晩放置しておくという方
法を用いて、染料の劣化もなく安全に画像を消色するこ
とが可能である。
【0034】消去溶媒には、以下のような特性が求めら
れる。(1)染料と作用している顕色剤を遊離させる。
(2)バインダーとの親和性がよく、紙面上の画像形成
材料の内部にまで浸透することが可能で、かつ揮発する
までのタイムスケールではバインダー樹脂を溶解しな
い。
【0035】好適な消去溶剤としては、エチルエーテ
ル、エチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テ
トラヒドロピラン、ジオキサンに代表されるエーテル
類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タンなどのセルソルブ類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロペ
ンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチ
ル、乳酸エチル、プロピオン酸メチル、酪酸エチルなど
のエステル類、塩化メチレン、N−メチルピロリジノ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、ジメ
チルスルホキシド、などが挙げられる。これらの溶媒は
単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよ
い。これらの消去溶媒を混合して用いる場合、混合比は
任意に設定できる。
【0036】上記した消去溶媒以外にも、バインダー樹
脂によっては消去特性を発現できる溶媒がある。このよ
うな消去溶媒としては、メチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール
に代表されるアルコール類や水、塩基性水溶液などが挙
げられる。これらの溶媒は、特にクレヨンのようにワッ
クス成分の割合が多い画像形成材料に有効である。ま
た、これらの溶媒を上述した消去溶媒に添加して用いる
と画像消去の効率が高まることがある。また、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、ジメトキシベンゼン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、シクロペンタン、石油エーテ
ル、ベンジンなどの石油留分に代表される、バインダー
との親和性が高い溶媒を、上述した消去溶媒と混合して
用いてもよい。
【0037】
【実施例】以下の実施例においては、本発明に含まれる
黄色染料として下記1〜4を用い、比較のために比較例
1および比較例2の黄色染料を用いた。
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】実施例1 黄色染料(上記1〜4、比較例1、比較例2のいずれ
か)を3.4wt%、顕色剤として没食子酸プロピルを
モル比で黄色染料に対して1.2倍量、ワックス成分と
してポリプロピレンワックスを1wt%、帯電制御剤
(日本カーリット製、LR−147)を1wt%、バイ
ンダー樹脂としてポリスチレン(三洋化成製SB−13
0)を全体で100wt%となるように約93重量部加
えてよく混合した。この混合物を80℃以下の温度に保
ちながらニーダーで混練して、シェアがかからなくなっ
た時点で装置を停めて混練物を取り出して室温まで放冷
した。混練物を粗く粉砕して再度ニーダーで混練して、
染料と顕色剤をバインダー樹脂に均一に分散させた。そ
の後、粉砕機により平均粒径10μmの微粉体に加工し
た後、疎水性シリカを全体の1wt%外添して、磁性粉
と混合して黄色の電子写真用トナーを作製した。
【0041】これらのトナーを用いて、PPC(東芝製
プリマージュ38)によりコピー紙(NEUSIEDL
ER製中性紙500BLATT)上に画像評価用のパタ
ーンを転写した。また、画像を形成した紙をジエトキシ
エタンに20秒間浸漬して画像を消去した。
【0042】画像濃度の測定はミノルタ製色彩色差計C
R−300で行った。表1に、発色状態における画像濃
度DC、ジエトキシエタンによる画像消去後の画像濃度
D、および式(II)により求めた発色時と消色時の画
像濃度のコントラストを示した。バックグラウンドのコ
ピー紙の画像濃度は0.08であった。
【0043】1〜4の黄色染料を含む画像形成材料は、
良好な発色・消色性能を示した。しかし、比較例1の黄
色染料を用いた場合には、発色濃度が低いばかりではな
く、経時安定性が悪かった。また、比較例2の黄色染料
を用いた場合には、消え残りが多く消色後の紙質が落ち
た。
【0044】
【表1】
【0045】実施例2 黄色染料(上記1〜4、比較例1、比較例2のいずれ
か)を3.4wt%、顕色剤として3',5'−ジヒドロ
キシアセトフェノンをモル比で黄色染料に対して2倍
量、ワックス成分としてポリプロピレンワックスを1w
t%、帯電制御剤(日本カーリット製、LR−147)
を1wt%、バインダー樹脂としてポリスチレン(三洋
化成製 SB−130)を全体で100wt%となるよ
うに約93重量部加えてよく混合した。この混合物を8
0℃以下の温度に保ちながらニーダーで混練して、シェ
アがかからなくなった時点で装置を停めて混練物を取り
出して室温まで放冷した。混練物を粗く粉砕して再度ニ
ーダーで混練して、染料と顕色剤をバインダー樹脂に均
一に分散させた。その後、粉砕機により平均粒径10μ
mの微粉体に加工した後、疎水性シリカを全体の1wt
%外添して、磁性粉と混合して黄色の電子写真用トナー
を作製した。
【0046】これらのトナーを用いて、PPC(東芝製
プリマージュ38)によりコピー紙(NEUSIEDL
ER製中性紙500BLATT)上に画像評価用のパタ
ーンを転写した。また、画像を形成した紙をジエトキシ
エタンに20秒間浸漬して画像を消去した。
【0047】画像濃度の測定はミノルタ製色彩色差計C
R−300で行った。表2に、発色状態における画像濃
度DC、ジエトキシエタンによる画像消去後の画像濃度
D、および式(II)により求めた発色時と消色時の画
像濃度のコントラストを示した。バックグラウンドのコ
ピー紙の画像濃度は0.08であった。
【0048】1〜4の黄色染料を含む画像形成材料は、
良好な発色・消色性能を示した。しかし、比較例1の黄
色染料を用いた場合には、発色濃度が低いばかりではな
く、経時安定性が悪かった。また、比較例2の黄色染料
を用いた場合には、消え残りが多く消色後の紙質が落ち
た。
【0049】
【表2】
【0050】実施例3 染料2を用いて実施例2と同様にトナーを作製した。実
施例2の方法で画像を形成した後(画像濃度DC:0.
45)、100℃、120℃、150℃、200℃に温
度設定されたホットプレート上で加熱処理を行った。加
熱処理時間は100℃で24時間、120℃で3時間、
150℃で1時間、200℃で5分とした。
【0051】表3に、画像消去後の画像濃度DD、およ
び式(II)により求めた発色時と消色時の画像濃度のコ
ントラストを示した。バックグラウンドのコピー紙の画
像濃度は0.08であった。
【0052】100℃でも良好な消去状態が得られる
が、120℃以上でより良好な消去状態が得られること
がわかる。
【0053】
【表3】
【0054】実施例4 染料2を用いて実施例2と同様にトナーを作製した。実
施例2の方法で画像を形成した後(画像濃度DC:0.
45)、表4に示した各種の消去溶剤に20秒間浸漬し
て画像を消去した。表4に溶剤乾燥後の画像濃度DD
示した。
【0055】いずれの消去溶媒を用いた場合でも消去状
態は良好であり、トナーの流れや発色体のにじみによる
残像は観察されなかった。消去状態は非常に安定で、6
0℃で300時間経過後でも消去画質に変化は見られ
ず、消色後の色濃度も不変であった。
【0056】
【表4】
【0057】実施例5 染料2を3.4wt%、顕色剤として3',5'−ジヒド
ロキシアセトフェノンをモル比で染料に対して3倍量、
ワックス成分としてポリプロピレンワックスを1wt
%、帯電制御剤(日本カーリット製、LR−147)を
1wt%、バインダー樹脂として表5に示したブチルア
クリレート含有量を有するいずれかのポリスチレン−ブ
チルアクリレート共重合体(分子量65000)を全体
で100wt%となるように約93重量部加えてよく混
合した。この混合物の温度を80℃以下に保ちながらニ
ーダーで混練して、シェアがかからなくなった時点で装
置を停めて混練物を取り出して室温まで放冷した。混練
物を粗く粉砕して再度ニーダーで混練して、染料と顕色
剤をバインダー樹脂に均一に分散させた。その後、粉砕
機により平均粒径10μmの微粉体に加工した後、疎水
性シリカを全体の1wt%外添して、磁性粉と混合して
黄色の電子写真用トナーを作製した。
【0058】これらのトナーを用いて、PPC(東芝製
プリマージュ38)によりコピー紙(NEUSIEDL
ER製中性紙500BLATT)上に画像評価用のパタ
ーンを転写した。また、画像を形成した紙を、130℃
に温度設定されたオーブン中で3時間加熱して画像を消
去した。
【0059】画像濃度の測定はミノルタ製色彩色差計C
R−300で行った。表5に、発色状態における画像濃
度DC、加熱による画像消去後の画像濃度DD、および式
(II)により求めた発色時と消色時の画像濃度のコント
ラストを示した。バックグラウンドのコピー紙の画像濃
度は0.08であった。
【0060】表5から、バインダー樹脂としてはポリス
チレンかブチルアクリレート含有量が低いポリスチレン
−ブチルアクリレート共重合体が好ましいことがわか
る。
【0061】
【表5】
【0062】同様の画像を形成した紙をジエトキシエタ
ンに20秒間浸漬することにより画像の溶剤消去を行っ
た。この場合、画像濃度は0.08にまで低下し、画像
は完全に消去された。
【0063】実施例6 黄色染料(上記1〜4、比較例1、比較例2のいずれ
か)を1重量部、顕色剤として3’,5’−ジヒドロキ
シアセトフェノンを0.6重量部、ワックス成分として
アミド系ワックス(川研ケミカル製、カワスリップS
A)を30重量部加えた後、120℃に加熱して1時間
半激しく撹拌した後、クレヨンに成形した。
【0064】これらのクレヨンを用いて、紙(NEUS
IEDLER製中性紙500BLATT)上の3cm×
3cmの範囲を塗りつぶした後、ジエトキシエタンを充
填したフェルトペンで消去溶媒を塗布することにより画
像の消去を行った。
【0065】画像濃度の測定はミノルタ製色彩色差計C
R−300で行った。表6に、発色状態における画像濃
度DC、ジエトキシエタンによる画像消去後の画像濃度
D、および式(II)により求めた発色時と消色時の画
像濃度のコントラストを示した。バックグラウンドのコ
ピー紙の画像濃度は0.08であった。なお、消去溶剤
として、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール
を用いた場合にも、ジエトキシエタンの場合とほぼ同様
の結果が得られた。
【0066】1〜4の黄色染料を含む画像形成材料は、
良好な発色・消色性能を示した。しかし、比較例1の黄
色染料を用いた場合には、発色濃度が低かった。また、
比較例2の黄色染料を用いた場合には、マトリクス材料
であるワックスとの相溶性が悪く、発色濃度が低いだけ
でなく、書き心地の良いクレヨンにすることができなか
った。
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】以上記述したように本発明によれば、良
好な黄色発色が得られ、かつ熱履歴の制御または消去溶
媒との接触により消去不良を起こすことなく高い品質の
消去状態が得られ、発色時と消色時の画像濃度のコント
ラストが高い、黄色発色の消去可能な画像形成材料を提
供することができる。したがって、消去可能な画像形成
材料でカラー画像を印刷することが可能になり、消去可
能インクの応用範囲が広がることから、その工業的価値
は大なるものがある。また、紙のリサイクルに対する寄
与も大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 暁 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 池田 成 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐野 健二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 真殿 智行 京都府京都市南区上鳥羽上調子町1番地1 山田化学工業株式会社内 (72)発明者 小川 知之 京都府京都市南区上鳥羽上調子町1番地1 山田化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA21 AA27 AA29 CA30 EA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数5以上のアルキル基またはアリー
    ル基である。R2はフェニル基または炭素数1〜5のア
    ルキル基である)で表される黄色発色のロイコ染料と、
    顕色剤と、バインダー樹脂とを含有することを特徴とす
    る消去可能な画像形成材料。
  2. 【請求項2】 加熱または溶媒との接触により、前記バ
    インダー樹脂と前記ロイコ染料または前記顕色剤のいず
    れか一方とが相溶し、その相溶状態が温度の低下後また
    は溶媒の除去後にも維持され、画像の消去状態が保持さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の消去可能な画像
    形成材料。
  3. 【請求項3】 加熱または溶媒との接触により、前記ロ
    イコ染料と前記顕色剤との平衡が非発色側にずれ、温度
    の低下後または溶媒の除去後にも非発色側にずれた平衡
    が維持され、画像の消去状態が保持されることを特徴と
    する請求項1に記載の消去可能な画像形成材料。
  4. 【請求項4】 さらに、消去剤を含有することを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の消去可能な画
    像形成材料。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)のR1が炭素数5〜8
    の鎖状または環状アルキル基であることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の消去可能な画像
    形成材料。
  6. 【請求項6】 前記顕色剤が、没色子酸エステル、テト
    ラヒドロキシベンゾフェノン類、トリヒドロキシベンゾ
    フェノン類、ジヒドロキシ安息香酸およびトリヒドロキ
    シアセトフェノン類からなる群より選択され、モル比で
    前記ロイコ染料の0.4〜1.5倍含まれることを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の消去可
    能な画像形成材料。
  7. 【請求項7】 前記顕色剤が、ジヒドロキシ安息香酸エ
    ステル、ジヒドロキシアセトフェノン類、ジヒドロキシ
    ベンゾフェノン類およびビフェノール類からなる群より
    選択され、モル比で前記ロイコ染料の1.0〜4.0倍
    含まれることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載の消去可能な画像形成材料。
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