JP2001188381A - 消去可能な画像形成材料 - Google Patents

消去可能な画像形成材料

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JP2001188381A
JP2001188381A JP37175399A JP37175399A JP2001188381A JP 2001188381 A JP2001188381 A JP 2001188381A JP 37175399 A JP37175399 A JP 37175399A JP 37175399 A JP37175399 A JP 37175399A JP 2001188381 A JP2001188381 A JP 2001188381A
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Taeko Urano
妙子 浦野
Shigeru Machida
茂 町田
Akira Takayama
暁 高山
Shigeru Ikeda
成 池田
Kenji Sano
健二 佐野
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮明な画像をむらなく形成でき、しかも熱ま
たは溶媒処理により画像を良好な消去できる画像形成材
料を提供する。 【解決手段】 呈色性化合物と、顕色剤と、マトリック
ス材料と、顕色剤を物理的または化学的に吸着すること
が可能な電子供与性基を有する消色剤とを含有する消去
可能な画像形成材料において、消去剤が糖骨格およびス
テロイド骨格の両方を含む化合物であり、その酸解離定
数が10-15.5より小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、複写
機、FAXなどの電子写真や、熱転写記録、筆記具また
は印刷などに用いられ、画像を形成した後に消去するこ
とができる画像形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境の保護およびCO2による温室
効果を抑制するためには森林の保護は絶対条件であり、
新たな伐採を最低限に維持し、植林を含めた森林再生と
のバランスを保つためには現在すでに保有している紙資
源をいかに効率よく利用していくかが大きな課題となっ
ている。現在の紙資源の再利用は、画像形成材料を剥離
させる脱墨工程を経た紙繊維を質の悪い紙に漉き直して
目的別に使い分ける「リサイクル」であり、脱墨工程の
コスト高の問題や廃液処理による新たな環境汚染の可能
性などが指摘されている。
【0003】ここで、紙質の劣化を極力防ぎ、同一の目
的に複数回再使用する「リユース」は、紙質を落としな
がら他の目的に使用する「リサイクル」とは異なる概念
であり、紙資源の保護の観点からはより重要性が高いと
いえる。それぞれの紙を「リサイクル」するまでの間に
有効な「リユース」が行われれば、新たな森林資源の伐
採を最小限に抑えることができる。
【0004】これまでに古くは鉛筆に対してケシゴム、
筆記用具に対して修正液を用いて画像を修正して紙の再
使用がなされてきた。しかし、これらの方法では修正の
ための効率が悪く、再使用にも限度がある。また、最近
ではハードコピー用紙のリユースを目的としたリライタ
ブルペーパーなどが提案されてきた。しかし、リライタ
ブルペーパーは感熱記録しか適用できないうえに、特殊
紙であるためリユースは可能であるがリサイクルできな
い。
【0005】これに対して本発明者らは、呈色性化合
物、顕色剤およびこれらの化合物と相溶性のある消色剤
を含有し、通常の画像形成材料と同様に画像を形成する
ことができ、しかも熱または溶媒で処理することにより
画像の消去が可能な画像形成材料の開発を進めている。
こうした消去可能な画像形成材料を用いれば、画像形成
過程および溶媒または熱による消色過程を効率的に実施
でき、紙質の劣化を極力防ぎながら画像を消去して紙を
白紙状態に戻すことができる。このため、使用によるし
わや折れ曲がりなどの紙のいたみを気にしなければ、1
00回以上も「リユース」することができる。そして、
リユースによる紙質の低下が著しくなった時点でリサイ
クルすればよいので、紙資源の利用効率が飛躍的に向上
する。こうして実質的な紙の使用量を減らすことができ
るので、木材の伐採を最小限に抑えることができる。し
かも、現行のリサイクルシステムで問題となる再生紙の
コスト高や廃液処理による環境汚染も極力避けることが
できる。
【0006】また、本発明者らが提案している画像形成
材料は、人体や環境に対して安全性の高い成分で構成さ
れているため広い用途に適用でき、電子写真用トナー、
液体インク、インクリボン、筆記用具などに対応した材
料を容易に提供できる。しかも、この画像形成材料は加
熱や消去溶媒との接触により消色させることができるの
で、大規模な一括消去処理も可能である。
【0007】しかし、本発明者らがこれまでに提案して
いる画像形成材料では、使用する消色剤によっては発色
濃度のむらや消え残りが生じたり、画像を熱により定着
する際に定着不良(オフセット)を起こすことがあっ
た。画像の消え残りは紙の再使用を制限する要因となる
ため、形成された画像をできるだけ完全に消色できるよ
うに改善する余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鮮明
な画像をむらなく形成でき、しかも熱または溶媒処理に
より画像を良好な消去できる画像形成材料を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の消去可能な画像
形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、マトリックス
材料と、顕色剤を物理的または化学的に吸着することが
可能な電子供与性基を有する消色剤とを含有する消去可
能な画像形成材料において、前記消去剤が糖骨格および
ステロイド骨格の両方を含む化合物であることを特徴と
する。
【0010】ステロイド骨格は通常の飽和炭素環からな
るものだけでなく、環内に酸素を含有する環状エーテル
誘導体、環内に窒素を含有する環状化合物でもよい。糖
骨格については単糖類から三糖類までである。糖骨格と
ステロイド骨格との連結基としてはアルキル基、エーテ
ル基、エステル基などが挙げられる。
【0011】本発明において用いられる糖骨格およびス
テロイド骨格の両方を含む低分子化合物からなる消去剤
の分子量は1300以下であるものが好ましい。このよ
うな分子量を有する低分子化合物では、糖骨格が単糖類
から三糖類までの範囲でその分子量が約800以下であ
り、一方ステロイド骨格の分子量は約500以下であ
る。
【0012】本発明において用いられる消去剤は、酸解
離定数が10-15.5より小さい(pKaが15.5より大
きい)ことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成材料を構成する
成分について説明する。本発明において、呈色性化合物
とは文字や図形などの着色情報を形成する色素の前駆体
化合物であり、顕色剤とは呈色性化合物との相互作用に
より呈色性化合物を着色させる化合物である。呈色性化
合物と顕色剤は、両者の相互作用が増大したときに発色
し、両者の相互作用が減少したときに消色する。なお以
下においては、発色状態にある呈色性化合物および顕色
剤を色素成分という場合がある。
【0014】本発明において用いられる消色剤は、顕色
剤を物理的または化学的に吸着することが可能な電子供
与性基を有し、実効的な顕色作用を持たない化合物であ
る。こうした消色剤を用いることにより、画像形成材料
が消去溶剤に接触したときまたは軟化点以上の温度に加
熱されたときに、呈色性化合物と結合している顕色剤
が、消色剤の電子供与性基に選択的に吸着されて呈色性
化合物と作用できなくなるため、発色状態から消色状態
へと変化する。本発明において用いられる消色剤のよう
に、糖骨格およびステロイド骨格の両方を含む化合物は
特に良好な消色性能を示す。
【0015】消色剤に含まれる顕色剤を物理的または化
学的に吸着することが可能な電子供与性基は特に限定さ
れないが、本発明者らは消色剤の水素イオン供与能が重
要な意味を持つことを新たに見出した。これまで、電子
供与性基としては、ヒドロキシル基、アシル基、オキソ
基、カルボニル基、オキシカルボニル基、アミノ基、芳
香族アミノ基などが主に検討されてきた。ところが、例
えばヒドロキシル基の場合、酸素原子の孤立電子対が電
子供与性を示す一方、分子構造によっては水素イオンを
供給する働きを示す。水素イオンは呈色性化合物に働い
て、顕色作用を示すため、発消色むらの原因となる。そ
こで、消色剤には高い電子供与性と低い水素イオン供与
性が求められる。
【0016】電子供与性の指標としては、DN値(Do
nor NumberまたはDonicity:V.G
utmann,Chem.Br.,7,102(197
2))が知られている。しかし、DN値は限られた化合
物についてしか測定されていないため、現状では電子供
与性を定量的に評価することは困難である。
【0017】一方、化合物が水素イオンを出す能力につ
いては、該当する化合物を水溶液とした場合の平衡定数
である酸解離定数(Ka)およびその対数であるpKa
知られている。酸解離によって放出された水素イオン
は、バインダー樹脂などのマトリックス剤に吸着される
などして消失するが、その一部は呈色性化合物に作用す
る。
【0018】本発明者らは、呈色性化合物に実効的に作
用する水素イオン濃度を求めるために、酸解離定数が既
知であるいくつかの溶媒をモデルとして、呈色性化合物
に対する顕色作用を評価し、良好な消色状態を達成でき
る消色剤の酸解離定数を判断した。具体的には、呈色性
化合物としてはクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)を用い、メタノール(Ka=10-15.5、pKa=1
5.5)、エタノール(pKa=15.9)またはプロ
パノール(pKa=19.4)をCVLに作用させた。
その結果、メタノールを用いた場合には発色したが、エ
タノールまたはプロパノールを用いた場合には発色しな
かった。したがって、本発明に係る消去可能な画像形成
材料でマトリックス剤などによる消色過程がない場合に
は、酸解離定数がメタノールよりも小さい(pKaがメ
タノールよりも大きい)消色剤を用いれば、水素イオン
供与能が低いため良好な消去性能が得られると予想され
る。
【0019】次に、本発明において用いられる各種成分
についてより詳細に説明する。呈色性化合物としては、
ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリ
ールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオ
ーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、
スピロピラン類、フルオラン類などの電子供与性有機物
が挙げられる。
【0020】顕色剤としては、フェノール、フェノール
金属塩、カルボン酸、カルボン酸金属塩、ベンゾフェノ
ン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸金属
塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩、
亜リン酸、亜リン酸金属塩などが挙げられる。顕色剤は
単独でまたは2種以上混合して用いることができる。上
記のうちでも特に好適な顕色剤として、没食子酸エステ
ル、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息
香酸エステル、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビフェノールが挙げられる。
【0021】本発明において、マトリックス剤とは、画
像形成材料の各成分を保持するために用いられるバイン
ダー樹脂、画像形成材料の物性を調整するために用いら
れるワックス成分、液状インクのような液状の画像形成
材料に添加されるビヒクルを意味する。
【0022】バインダー樹脂としては、通常の電子写真
用トナー、液体インク、インクリボン、筆記用具などに
用いられている樹脂であれば特に限定されない。トナー
用バインダー樹脂としては、温度安定性からガラス転移
点(Tg)が40℃以上の樹脂が好適に用いられる。具
体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリレート共重
合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタ
クリレート共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合
体、ポリエステル、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン
−ブタジエンゴム、スチレン−マレイン酸エステル共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げら
れる。熱転写インク用バインダー樹脂としては、熱転写
感度からTgが70℃以下の樹脂が好適に用いられる。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テルが挙げられる。いずれの場合でも、バインダー樹脂
は単独で用いてもよいし、ブレンドして用いてもよい。
【0023】ワックス成分としては、高級アルコール、
高級ケトン、高級脂肪族エステル、低分子量ポリプロピ
レン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリブチレン、
低分子量ポリアルカン、ライスワックスのような天然ワ
ックスなどを用いることができる。ワックス成分の酸価
は10以下であることが好ましい。ワックス成分の重量
平均分子量は、102〜105、さらには102〜104
あることが好ましい。
【0024】本発明において、発色した画像形成材料を
消去するには、画像形成材料を溶媒に接触させて消去す
る方法と、画像形成材料を加熱および融解して消去する
方法がある。
【0025】画像形成材料を溶媒に接触させる方法で
は、紙を溶媒に浸漬させるか、または溶媒を紙に噴霧す
る。このための手段としては、容器に収容した溶媒に紙
を浸漬するローラー、紙に溶媒を噴霧するスプレーノズ
ル、紙に溶媒を滴下するノズル、溶媒を紙に供給するグ
ラビアローラーなどが用いられる。
【0026】本発明で用いられる消去溶媒としては、以
下のような特性を有する溶媒が好適である。
【0027】(1)消去溶媒は、消色剤が呈色性化合物
と作用している顕色剤を物理的または化学的に吸着する
作用を助けることが好ましい。
【0028】(2)消去溶媒は、バインダーとの親和性
がよく紙面上の画像形成材料の内部にまで浸透すること
が可能で、揮発するまでのタイムスケールではバインダ
ー樹脂を溶解しないものであることが好ましい。
【0029】好適な消去溶剤としては、エーテル、たと
えばエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなど;
セルソルブ、たとえば2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシエタンなど;ケトン、たとえばアセトン、
メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチル
ケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなど;エ
ステル類、たとえば酢酸エチル、乳酸エチル、プロピオ
ン酸メチル、酪酸エチルなど;その他、塩化メチレン、
N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセタミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ
る。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を
混合して用いてもよい。この場合、混合比は任意の割合
で構わない。
【0030】上記の消去溶媒以外にも、マトリックス剤
の種類によっては消去特性を発現できる溶媒がある。こ
のような溶媒としては、アルコール、たとえばメチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコールなど;水、塩基性水溶液などが挙
げられる。これらの溶媒は、特にクレヨンのようにワッ
クス成分の割合が多い画像形成材料に有効である。ま
た、これらの溶媒を上記した消去溶媒に添加して用いる
と画像消去の効率が高まることがある。
【0031】上記の消去溶媒に、バインダーとの親和性
が高い溶媒、たとえばトルエン、キシレン、クレゾー
ル、ジメトキシベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、
シクロペンタン、石油エーテル、ベンジンなどを混合し
て用いてもよい。
【0032】本発明において、消色剤は消去溶媒に添加
して用いてもよい。消去溶媒への高分子消色剤の添加量
は画像が消去できる範囲であれば特に限定されないが、
5〜20wt%であることが好ましい。消色剤は画像記
録媒体に添加しても有効に機能する。ここでいう画像記
録媒体とは、紙、合成紙、各種高分子フィルムを代表と
するシート材のほか、画像形成材料を付着させて情報を
記録する容器、梱包体、構造物なども含む。この場合の
消色剤の添加量も画像を消去できる範囲であれば任意で
よいが、他の特性を考慮すれば、5〜20wt%である
ことが好ましい。複数の消色剤を併用して特性を調整し
てもよいことはもちろんである。
【0033】
【実施例】実施例1 呈色性化合物として2重量部の3−(4−ジメチルアミ
ノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−
メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、顕
色剤として1.5重量部の没食子酸プロピル、ワックス
成分として1重量部のポリプロピレンワックス、消色剤
として18重量部のコール酸−サッカロースのエステル
(サッカロース6員環OH基とコール酸のカルボキシル
基がエステル結合を生じたもの)、バインダー樹脂とし
て77.5重量部ポリスチレン(分子量45000)、
および1重量部の帯電制御剤(日本カーリット社、LR
−147)を混合し、ニーダーを用いて十分に混練し
た。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μ
mの粉体を得た。得られた粉体に対して1wt%の疎水
性シリカを外添して青色の電子写真用トナーを作製し
た。なお、上記消色剤のpKaは18以上である。
【0034】作製したトナーをコピー機(東芝製、プリ
マージュ38)のトナーカートリッジに入れ、コピー紙
(NEUSIEDLER社製の500BLATT)上に
評価用の画像パターンを転写した。この画像パターンの
反射濃度をマクベスの濃度計で測定した。形成された画
像の反射濃度は約1.3であり、十分な反射濃度を有す
ることがわかった。また、このトナーは、コピー時のオ
フセット特性が特に優れていた。
【0035】画像が形成された紙を表1に示す溶媒に2
0秒間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。また、画
像が形成された紙を200℃に設定された加熱ローラー
に通して画像を消去した。画像が消去された紙の反射濃
度を測定した結果を表1に示す。
【0036】溶媒による消去状態は非常に良好であり、
色素成分の流れやにじみによる残像は観察されなかっ
た。加熱ローラーによる熱消去状態も良好であった。た
だし、画像部と非画像部とで光散乱の度合いに若干の差
が見られた。画像が消去された紙を60℃で300時間
放置した後にも、反射濃度に変化はなかった。
【0037】
【表1】
【0038】従来例 消色剤として、コール酸とサッカロースとのエステルの
代わりにコール酸を18重量部配合した以外は実施例1
と同様にして、電子写真用トナーを作製した。
【0039】実施例1と同様に、作製したトナーをコピ
ー機のトナーカートリッジに入れ、コピー紙上に評価用
の画像パターンを転写した。形成された画像の反射濃度
は約1.3であり、十分な反射濃度を有することがわか
った。画像が形成された紙をジエトキシエタンに20秒
間浸漬して画像を消去し、自然乾燥した。画像消去後の
紙の反射濃度は0.06であり、実施例1とほとんど差
がなかった。しかし、画像消去後の紙上には局所的に色
素成分の流れに起因すると推定されるにじみがごくわず
かに観測され、画質的には実施例1より若干劣る評価結
果が得られた。このにじみは、紙をヒートロールに通過
させることで消去でき、良好な消去画質が得られた。画
像が消去された紙を60℃で300時間放置した後に
も、反射濃度に変化はなかった。
【0040】参考実験 消色剤の水素イオン供与能を評価するため、以下のよう
な実験を行った。呈色性化合物として2重量部のクリス
タルバイオレットラクトン(CVL)、顕色剤として
1.5重量部の没食子酸プロピル、ワックス成分として
1重量部のポリプロピレンワックス、消色剤として18
重量部のコール酸(pKa=18)、バインダー樹脂と
して77.5重量部のポリスチレン(分子量4500
0)、および1重量部の帯電制御剤(日本カーリット
社、LR−147)を混合し、ニーダーを用いて十分に
混練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径
10μmの粉体を得た。得られた粉体に対して1wt%
の疎水性シリカを外添して青色の電子写真用トナーを作
製した。
【0041】比較のために、コール酸の代わりにフェノ
ール樹脂(pKa=10)を用いた以外は上記と同様に
して電子写真用トナーを作製した。
【0042】作製したそれぞれのトナーをコピー機(東
芝製、プリマージュ38)のトナーカートリッジに入
れ、コピー紙(NEUSIEDLER社製の500BL
ATT)上に評価用の画像パターンを転写し、画像パタ
ーンの反射濃度をマクベスの濃度計で測定した。いずれ
のトナーを用いた場合にも、形成された画像の反射濃度
は約1.3であり、十分な反射濃度を有することがわか
った。また、これらのトナーは、コピー時のオフセット
特性にも優れていた。それぞれのトナーを用いて画像が
形成された紙をジエトキシエタンに20秒間浸漬して画
像を消去し、自然乾燥した。
【0043】コール酸を含有するトナーを用いて画像を
形成した場合、消去後の紙の反射濃度は約0.06であ
り、ほぼ目視できないレベルに消去することができた。
一方、フェノール樹脂を含有するトナーを用いて画像を
形成した場合、消去後の紙には目視できる部分が残し、
その部分の反射濃度は約0.2であった。これらの結果
から、消去剤の水素イオン供与能の指標となるpKa
画像形成材料の消去性能に大きな影響を及ぼすことが確
認された。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、鮮
明な画像をむらなく形成でき、しかも熱または溶媒処理
により画像を良好な消去できる画像形成材料を提供する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 高山 暁 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 池田 成 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐野 健二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA14 CA21 EA06 EA10 2H026 AA07 AA09 BB01 BB21 DD03 DD46 DD53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呈色性化合物と、顕色剤と、マトリック
    ス材料と、顕色剤を物理的または化学的に吸着すること
    が可能な電子供与性基を有する消色剤とを含有する消去
    可能な画像形成材料において、前記消去剤が糖骨格およ
    びステロイド骨格の両方を含む化合物であることを特徴
    とする消去可能な画像形成材料。
  2. 【請求項2】 前記消去剤の分子量が1300以下の低
    分子化合物であることを特徴とする請求項1記載の消去
    可能な画像形成材料。
  3. 【請求項3】 前記消去剤の酸解離定数が10-15.5
    り小さいことを特徴とする請求項1または2記載の消去
    可能な画像形成材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011113093A (ja) * 2009-11-23 2011-06-09 Toshiba Tec Corp 電子写真用トナー
US8465897B2 (en) 2009-11-23 2013-06-18 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Electrophotographic toner

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