JP2008068584A - 消去可能な画像形成材料 - Google Patents

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暁 高山
Kenji Sano
健二 佐野
Takeshi Gotanda
武志 五反田
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Abstract

【課題】発色性に優れた消去可能な画像形成材料を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された呈色性化合物及び顕
色剤とを含有する消去可能な画像形成材料であって、
前記顕色剤が下記一般式(1)で表される4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールを
含有することを特徴とする消去可能な画像形成材料。
Figure 2008068584

【選択図】なし

Description

本発明は、消去可能な画像形成材料に関する。
地球環境の保護、およびCO2による温室効果を抑制するためには森林の保護が非常に
重要である。新たな伐採を最低限に維持し、植林を含めた森林再生とのバランスを保つた
めには既に保有している紙資源を如何に効率よく利用していくかが大きな課題となる。
現在の紙資源の再利用は、画像形成材料を剥離させる脱墨工程を経て紙繊維を質の悪い
紙に漉き直して目的別に使い分ける「リサイクル」であり、これは脱墨工程のコスト高の
問題や廃液の処理による新たな環境汚染の可能性などが指摘されている。
一方で、古くは鉛筆に対しての消しゴム、ボールペンに対しての修正液というように、
画像の修正によるハードコピーの再利用、即ち「リユース」が実用化されてきている。
ここで、紙質の劣化を極力防ぎ、同一目的に複数回使用する「リユース」は、紙質を落
としながら他の目的に使用する「リサイクル」とは異なる概念である。「リユース」は紙
資源の保護の観点からみればより重要な概念であり、「リサイクル」の前段階で適切な「
リユース」が行われれば新たに必要な紙資源を最小限に抑えることが可能になる。
例えば近年、ハードコピー用紙のリユースを目的とした特殊紙であるリライタブルペー
パーなどが提案されてきている。リライタブルペーパーの技術を用いると、使用による皺
や折れ曲がりなどの紙の痛みを気にしなければ100回以上の「リユース」が可能であり
、紙資源の利用効率は飛躍的に向上することになる。
しかし、リライタブルペーパーは特殊紙を使うために「リユース」はできても「リサイ
クル」に適さない技術であり、また熱記録以外の記録技術に適用が困難であるという欠点
を有していた。
これに対し本発明者らは、呈色性化合物と顕色剤との相互作用が増大すると発色状態と
なり、相互作用が減少すると消色状態になることに着目した。呈色性化合物および顕色剤
を含有する組成系に新たに消色剤を加えることにより、室温付近の温度で画像形成材料の
消色状態が安定して存在できるようにし、熱や溶媒による処理で長期に消色状態を固定す
る画像形成材料や、画像消色プロセス、画像消色装置を開発し、現行技術に代わる紙のリ
ユース技術として提案してきた。
本発明者らの提案した画像形成材料は、画像の発色・消色状態の安定性が高く、加えて
材料的にも安全性が高く、また電子写真用トナー、液体インク、インクリボン、筆記用具
全てに対応可能である。更に大規模消色処理が可能であるという従来の技術にないメリッ
トを有している。
更に本発明者らは、「紙」の構成要素であるセルロースが消色剤の機能を有することを
発見し、紙を被記録媒体に用いる限定用途においては、消色剤を含有しない画像形成材料
でも、熱や溶媒による処理方法で消色可能であることを提案している。
例えば、呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂を含有する画像形成材料により、
鮮明な画像を形成でき、しかも良好に画像を消色できることを開示している。この画像形
成材料は、所定の温度に加熱すると顕色剤が紙へ移動するため、呈色性化合物が顕色剤の
作用を受けなくなるため消色が可能になる。
また本発明者らは、顕色剤を適切に組み合わせることにより画像形成材料の発色性を向
上させることを提案している(特許文献1参照)。この複数の顕色剤を組み合わせた組成
においても、画像形成材料の発色は軟化したバインダー樹脂中の呈色性化合物と顕色剤と
の相互作用によって定まり、発色性に優れた、分子構造が互いに大きく異なる二種以上の
顕色剤を使用しなくては発色性の顕著な改善が難しかった。そこで、従来の顕色剤と分子
構造が大幅に異なり、発色濃度が高い顕色剤を見出すことが必要になった。
特開2005-205625公報
本発明は、上記問題を鑑み、発色性に優れた消去可能な画像形成材料を提供することを
目的とする。
上記目的を達成するために本発明の消去可能な画像形成材料は、バインダー樹脂と、前
記バインダー樹脂中に分散された呈色性化合物及び顕色剤とを含有する消去可能な画像形
成材料であって、前記顕色剤が下記一般式(1)で表される4−フェニルメチル−ベンゼ
ンアルコールを含有することを特徴とする。
Figure 2008068584
また、前記4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールが4−フェニルメチル−1,2,
3−ベンゼントリオールであることが好ましい。
また、前記呈色性化合物が3−(4−ジエチルアミノ2−ヘキシルオキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドであることが
好ましい。
また、前記呈色性化合物がクリスタルバイオレットラクトンを含むことが好ましい。
本発明によれば、発色性に優れた消去可能な画像形成材料を提供できる。
本実施形態に係る消去可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー
樹脂とを含有する。この画像形成材料は、バインダー樹脂中に分散されている呈色性化合
物と顕色剤とが相互作用することにより呈色性化合物が発色状態となる。このような画像
形成材料を微粒子にすることで電子写真技術などにより紙上に鮮明な画像を形成できる。
また、本実施形態に係る画像形成材料は加熱あるいは溶剤を添加することにより消去(
消色)することが可能である。
画像形成材料の消色は、バインダー樹脂中の呈色性化合物と顕色剤とが加熱あるいは溶
剤との接触によって相互作用しなくなることによる。即ち、顕色剤は加熱あるいは溶剤と
の接触による消色時に被記録媒体である紙へ移動する。移動した顕色剤は紙の構成要素で
あるセルロースの水酸基と水素結合を形成して固定される。従って、顕色剤が呈色性化合
物と相互作用による発色がなくなり、画像形成材料が消色状態となる。
発明者らは消去可能な画像形成材料の発色性能及び消去性能をより向上させるために、
顕色剤に関して検討した。
まず、画像形成材料の顕色剤として、分子構造が類似し、分子量の異なる種々の多価フ
ェノールを用いて消去性能を検討したところ、画像形成材料の消去性能と顕色剤の分子量
の2乗とが強い相関を示すことが分かった。即ち、顕色剤の分子量が小さいほうが消去性
能が向上する。また顕色剤の分子量に相関があることから、消去性能が加熱時の顕色剤の
拡散時間にも影響を受ける事を示唆している。従って、顕色剤は昇華性を有しない範囲で
可能な限り小さいことが好ましく、具体的には多価フェノールの場合の好適な分子量範囲
が150〜250であった。
一方で、画像形成材料の発色性能(発色性)は多価フェノールの分子量とは相関がなく
、発色と消色は独立な因子であることも分かった。画像形成材料の発色濃度は、多価フェ
ノールの分子構造に因るところが大きい。発明者らは試作・評価による経験則から、3位
と5位の位置両方に水酸基がある多価フェノールは発色性が高く、2位と4位の位置両方
に水酸基がある多価フェノールは発色性が低い傾向にあることを見出した。例えば、ジヒ
ドロキシアセトフェノンのような構造異性体を有する物質の場合、2位と4位の位置に水
酸基を有するものより3位と5位の位置に水酸基を有するもののほうが発色性は高くなる
。このような多価フェノールの分子構造が発色性に影響する原因は電子雲の偏りであると
推測した。例えばベンゾフェノンを基本的な骨格とする多価フェノールにおいては、多価
フェノールがフェノールに連なるCO基(カルボニル基)と分子内水素結合を生じるため
に画像形成材料の発色性が低くなると推測した。従って、分子内水素結合を生じ得ない構
造である場合には、発色性が向上すると推測した。
しかし一方で、カルボニル基が画像形成材料の発色性へ与える影響は分子内水素結合だ
けではない。従って、単にカルボニル基の水素化(もしくはアルキル化)して分子内水素
結合を生じない構造に変更すれば単一的に発色の改善効果が生じるかを確認する必要があ
る。このような知見のもとに、本発明者らは各種顕色剤を用いた画像形成材料を作製した
ところ、4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールを用いた場合に画像形成材料の発色性
が良好であることを見出した。
以下に、本実施形態をより詳細に説明する。
(顕色剤)
本実施形態では、顕色剤として上記一般式(1)の構造を有する4-フェニルメチル-ベ
ンゼンアルコールを使用する。
4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールとしては4−フェニルメチル−1,3−ベン
ゼンジオール、4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール、4−(1−メチ
ル−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、4−(1−メチル−フェニルエチル
)−1,2,3−ベンゼントリオール、4−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1
,2,3−ベンゼントリオール、4−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)
−1,3−ベンゼンジオール、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−エ
チル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−メチレンビス−1,3−ベンゼンジオー
ルなどが挙げられる。
本実施形態では、実質的には4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールを100重量%
(以下wt%)含むことが好ましいが、10wt%以下であればその他成分を含むことを
許容する。10wt%を超えると画像形成材料の発色性が十分に得られない虞がある。
その他の顕色剤として好適な顕色剤は、没色子酸エチル、没色子酸n−プロピル、没色
子酸i−プロピル、没色子酸ブチルなど没色子酸エステルと、2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベン
ゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなど
ヒドロキシベンゾフェノン類である。
(呈色性化合物)
本実施形態では、呈色性化合物は前述した顕色剤と相互作用して発色するものであって
、例えば、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、
アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、
スピロピラン類、フルオラン類等の電子供与性有機物が挙げられる。
具体的には、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーンラクト
ン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3−メチルフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルアミノ)フルオラン
、3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7
−クロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−3−
メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3
−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミ
ノ)フルオラン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)
フルオラン、3,6−Bis(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニ
リノラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3
−(4−ジエチルアミノ−2−エソキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタライド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3−ジエチルアミノ−7
−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3
−Bis(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3,6−ジ
メチルエソキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メソキシ−7−アミノフルオラン
、DEPM、ATP、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフル
オラン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−
(2、3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミ
ンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミ
ノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノ
ベンゾスピロピラン、8’−メトキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロ
ピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,
2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジーp−トルイジノ−4,5−ジ
メチルフルオラン−フェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチルフルオ
ラン等が例示される。これらは1種または2種以上を混合して用いることが可能である。
呈色性化合物を適宜選択すれば多様な色の発色状態が得られることからカラー対応も容易
である。
(バインダー樹脂)
またバインダー樹脂は、画像形成材料作製時に呈色性化合物と顕色剤を分散させ、加熱
消去時には顕色剤が紙へと移動できる特性をもったものである。
一般に、本実施形態に係る消去可能な画像形成材料は、バインダー樹脂中の極性基の含
有量が低いほど発色濃度が高くなる。高い発色・消色コントラストを得るにはバインダー
樹脂として非極性樹脂を用いることが好ましく、たとえばポリスチレン、ポリスチレン誘
導体、スチレン共重合体が好適である。スチレン系モノマーの具体例としては、スチレン
、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン
、2,4一ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン
、p−n−ヘキシルスチレン、p−n一オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、P
−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−クロルスチレンおよび3,4−ジクロルスチレンなどが挙げられる。
好適なスチレン共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−p−ク
ロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重合
体などが挙げられる。トナー用途では、特に、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重合体が好適である。
呈色性化合物と顕色剤は、使用する顕色剤により最適な比率は異なるが、モル比で呈色
性化合物:顕色剤=1:0.1〜4.0となるようにバインダー樹脂に配合される。呈色
性化合粒と顕色剤との比率が1.0を下回ると十分な相互作用が得られずに発色性能が劣
る。また、比率が4.0を超えて混合すると発色に寄与しない材料が増えて無駄になるだ
けでなく、物性に悪影響が生じる場合がある。例えば、画像形成材料中の主要成分(マト
リクス)と異なる低分子量成分の添加量が増えるため、保存安定性・機械的強度を低下さ
せてしまう。
バインダー樹脂は画像形成材料を構成するマトリクスであり、後述する添加剤等の含有
量によって量的に変化するが、例えばトナーに使用する場合にはトナーに対して70wt
%以上90wt%以下とすれば良い。70wt%より少ない場合にはトナー定着性能が急
激に悪化し、印刷の安定性と信頼性に問題を生じる場合がある。また、90wt%より多
いと呈色性化合物と顕色剤との画像形成材料に対する割合が減り、発色性能に影響を与え
、十分な発色濃度が得られない場合がある。
(添加されるその他の材料)
本実施形態における画像形成材料をトナーの用途に適用する場合に、呈色性化合物、顕
色剤およびバインダー樹脂以外に添加される各種の材料について説明する。
まず、トナーの帯電特性を調整するための添加剤(以下帯電制御剤という)を用いても
よい。帯電制御剤としては、消去した際に帯電制御剤の色が残らないことが良い。そのた
め、帯電制御剤は無色または透明であることが好ましいが、一般に使われる帯電制御剤の
うち、負帯電の材料としてはオリエント化学社製のE−89(カリックスアレーン誘導体
)、日本カーリット社製のN−1、N−2、N−3(ともにフェノール系化合物)、LR
147(ホウ素系化合物)、藤倉化成社製のFCA−1001N(スチレンースルホン酸
系樹脂)などを用いることができる。より好適な化合物として、E−89やLR147が
例示される。正帯電の材料としては保土谷化学社のTP−302(CAS#116810
−46−9)、TP−415(同117342−25−2)、オリエント化学社製のP−
51(4級アミン化合物)、AFP−B(ポリアミンオリゴマー)、藤倉化成社製のFC
A−201PB(スチレンーアクリル四級アンモニウム塩系樹脂)などが挙げられる。帯
電制御剤のトナーに対する添加量は通常のトナーと同様に5wt%以下とすれば良い。
また、定着性を制御するためにワックス類などを配合してもよい。本実施形態の画像形
成材料に用いるワックス類としては、呈色性化合物を発色することがない成分で構成され
ていることが好ましい。例えば、高級アルコール、高級ケトン、高級脂肪族エステル等を
用いることが好ましく、酸価で規定するならば10mgKOH/g以下が良い。またこれ
らは、重量平均分子量が102〜105、更には102〜104のものを用いることがより好
ましい。重量平均分子量がこのような範囲であれば、低分子量ポリプロピレン、低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリブチレン、低分子量ポリアルカンなどを用いることも可能で
ある。これらトナーに対するワックス類の添加量は、0.1〜30重量部、更には0.5
〜15重量部が好ましい。なお、ヒートロール定着用トナーの場合ヒートロールからの離
型性能を付与するために添加されるため、添加量が5重量部以内であることがよく、圧力
定着用トナーの場合、画像形成材料の主成分としてこれらのワックスを用いることが可能
で、マイクロカプセル構造にする場合芯の部分となる。
本実施形態の画像形成材料においては更に、通常のトナーと同様に必要に応じて、流動
性、保存性、耐ブロッキング性、感光体研磨性等を制御するための外添剤などを配合して
もよい。外添剤としては、シリカ微粒子、金属酸化物微粒子、クリーニング助剤等を用い
ることが可能である。また、シリカ微粒子としては、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム等があげられる。金属酸化物微粒子としては、酸化亜鉛
、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等
があげられる。クリーニング助剤としては、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粉末等があげられる。
これら外添剤は、疎水化などの表面処理が施されたものであっても良い。疎水化処理は
、トナーとして使う場合に行われているもので、負帯電の場合は、シランカップリング剤
、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤が使われる。また、正帯電の場
合は、アミノシラン系、側鎖にアミンを有するシリコーンオイルなどの処理剤が使われる
。外添剤の添加量は、トナー100重量部に対して0.05〜5重量部、より好ましくは
0.1〜3.0重量部を用いることが良い。また、トナーに使用される一次粒子の平均粒
径は、シリカ微粒子では10〜20nmが一般的に用いられ、他に〜100nmの粒子も
用いられる。シリカ以外の材料では、粒径が大きくなり、0.05〜3μmの平均粒径を
持った粒子が一般的に用いられる。
トナーの粒径範囲は、体積平均径が6〜20μm、個数分布における5μm以下の含有
量が2〜20個数%、体積分布における5μm以下の含有量が0〜5体積%、体積分布に
おける20μm以上の含有量が0〜5体積%であるもの好ましい。これらの測定は、コー
ルターマルチサイザー(コールター社製)を用いて実施される。消去可能なトナーの導電
率は、1011〜1016Ωcm、更に1013〜1015Ωが好適である。二成分現像の場合に
は、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどをシリコーンやアクリルなどの樹脂でコートし
たキャリアが用いられる。これらのキャリアの導電率は、鉄粉で109Ωcm以下、フェ
ライトで106〜1015Ωcm程度、マグネタイトで1013Ωcm以上の範囲、樹脂に5
0μm程度に粉砕した磁性粉を分散させたものでは1013Ωcm以上が好適である。導電
性の測定は、トナーを20mm径、厚さ1mmの円盤型タブレットに打錠し、1V・1k
Hzの電位を印加して測定する。
消去可能な画像形成材料は、このような呈色性化合物、顕色剤、バインダー樹脂等を混
合・分散して作られる。
呈色性化合物と顕色剤をバインダー樹脂に混合・分散する方法としては、高速ディゾル
バ、ロールミル、ボールミル等の装置で、(消色剤を含む場合には非極性の)溶媒を用い
た湿式分散法や、ロール、加圧ニーダー、インターナルミキサー、スクリュー型押し出し
機等による溶融混練法などを用いることができる。また、混合手段としては、ボールミル
、V型混合機、フォルバーグ、ヘンシェルミキサー等を用いることができる。
本発明による消去可能な画像形成材料の発色性能評価のために行った実験結果を以下に
示す。
(実施例1及び実施例2)
実施例1では、呈色性化合物として3−(4−ジエチルアミノ2−ヘキシルオキシフェ
ニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(山
田化学製ロイコ染料Blue203;以下Blue203)を4.15wt%、顕色剤と
して4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール(下記構造式(2))を2.
18wt%(モル比で呈色性化合物の1.2倍)、ワックス成分としてのポリプロピレンワ
ックスを3wt%、バインダー樹脂としてブタジエン含有量10wt%のスチレン−ブタ
ジエン共重合体を89.67wt%、更に帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147
)を1wt%準備した。
Figure 2008068584
これらの画像形成材料を形成する材料をヘンシェルミキサーで混合し、その混合物を加
圧ニーダーで混練・分散させた。更に、混練物を粉砕機により平均粒径11.3μm(1
0.8μm〜11.8μm)の微粉体に加工して青色の電子写真用トナーを得た。
得られたトナーを用いてコピー用紙上に10段階の画像濃度を持つ画像パターンを印刷
し、恒温槽を用いて、印刷されたコピー用紙上の画像パターンを130℃で2時間加熱し
たところ、画像を消去することができた。
次にトナーの発色濃度の測定を行った。トナーの発色濃度の測定は、トナー(以下粉体
という)を粉体測定専用セルに入れ、ミノルタ製色彩色差計CR300を用いて反射濃度
を測定した。粉体濃度とは、粉体の反射率の逆数から常用対数値を求めたものである。発
色状態の呈色性化合物が多いほど、高い粉体濃度が得られる。
実施例2では、各材料を混合物とした後、三本ロールを用いて混練・分散を行った他は
実施例1と同様に、トナーの作製及び粉体濃度の測定を行った。
実験に用いた条件及び結果を表1に列記した。
(比較例1)
顕色剤として4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオールを2,3,4−ト
リヒドロキシベンゾフェノン(下記構造式(3))に変えた他は実施例1と同様に、トナ
ーの作製及び粉体濃度の測定を行った。実験での条件及び結果を表1に併記した。
Figure 2008068584
Figure 2008068584
表1から分かるように実施例1及び実施例2は比較例1に比べて約40%の濃度向上が観
察された。構造式(2)及び構造式(3)から、顕色剤の分子構造の相違は、二つのベン
ゼン環をつなぐ部分がメチレン鎖からカルボニル基に変更されていることが明らかである
。また、2位と4位の位置両方に水酸基がある多価フェノールでも高い発色性能(発色性
)が得られた。
(実施例3及び4)
実施例2における呈色性化合物及び顕色剤の分量を基本組成とし、実施例3では顕色剤
を2倍に、更に実施例4では呈色性化合物及び顕色剤の量を基本組成の2倍に変えた。そ
の他は実施例2と同様にトナーの作成及び粉体濃度の測定を行った。
実験の条件及び結果は表2に列記した。
(実施例5〜7)
実施例5では、呈色性化合物をクリスタルバイオレットラクトン(以下CVL)及び2-
アニリノ-6-(N-エチル-N- イソペンチルアミノ)-3-メチルフルオラン (山田化学製ロ
イコ染料S-205;以下S−205)を3.65wt%及び0.5wt%に変えた他は実施
例2と同様にトナーの作製及び粉体濃度の測定を行った。
更に、実施例5における呈色性化合物に対する顕色剤のモル比率を基本組成とし、実施
例6では顕色剤の比率を2倍に、実施例7では呈色性化合物及び顕色剤の重量比率を実施
例の2倍に変えた。その他は実施例5と同様にトナーの作成及び粉体濃度の測定を行った
実験の条件及び結果は表2に列記した
(比較例2)
顕色剤として構造式(2)に示す化合物を没食子酸エチルに変えた他は実施例5と同様
に、トナーの作製及び粉体濃度の測定を行った。実験での条件及び結果を表2に併記した

Figure 2008068584
図2は実施例2乃至7の粉体濃度を示したものである。図2から呈色性化合物の種類に
よらず、顕色剤として4-フェニルメチル-1,2,3-ベンゼントリオールを用いた場合には没
食子酸エチルを用いた場合(比較例2及び比較例3)よりも粉体濃度が向上することが明
らかである。
また、実施例2及び実施例5の呈色性化合物と顕色剤の比率を基本組成(1:1)とし
た場合、実施例3及び実施例6では1:2、実施例4及び実施例7では2:2になるよう
に調整されている。一般に、トナー全体に対する呈色性化合物と顕色剤の含有比率が多い
ほど呈色性化合物と顕色剤との相互作用する確率が高まり、高い粉体濃度が得られるが、
顕色剤の比率のみが増えても粉体濃度が向上する。呈色性化合物と顕色剤のモル比率を1
:2〜1:4まで変えて同様な実験を行ったが、高い発色性を確認することができた。
(比較例3及び4)
顕色剤として4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオールを使用する替わり
に、比較例3では4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1.3−ベンゼンジオール
(下記構造式(4))に、比較例4では4,4’−メチレンビス−1.3−ベンゼンジオ
ール(下記構造式(5))に替えた他は実施例2と同様に、トナーの作製及び粉体濃度の
測定を行った。実験での条件及び結果を表3に併記した。
Figure 2008068584
Figure 2008068584
Figure 2008068584
比較例3及び比較例4のどちらの場合も実施例1および実施例2に比べて発色濃度が大
きく低下した。例えば、構造式(2)及び構造式(4)から分かるとおり、水素(CH2
)をジメチル基(C(CH32)に変わったことが影響したものと推測できる。

Claims (4)

  1. バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された呈色性化合物及び顕色剤とを含
    有する消去可能な画像形成材料であって、
    前記顕色剤が下記一般式(1)で表される4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールを
    含有することを特徴とする消去可能な画像形成材料。
    Figure 2008068584
  2. 前記4−フェニルメチル−ベンゼンアルコールが4−フェニルメチル−1,2,3−ベ
    ンゼントリオールであることを特徴とする請求項1記載の消去可能な画像形成材料。
  3. 前記呈色性化合物が3−(4−ジエチルアミノ2−ヘキシルオキシフェニル)−3−(
    1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドであることを特徴と
    する請求項1及び2記載の消去可能な画像形成材料。
  4. 前記呈色性化合物がクリスタルバイオレットラクトンであることを特徴とする請求項1
    及び2記載の消去可能な画像形成材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010277084A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Toshiba Tec Corp 電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方法

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