JP4358177B2 - 消色可能な画像形成材料および電子写真用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、消色可能な画像形成材料、およびこれを用いた電子写真用トナーに関する。
地球環境の保護およびCO2による温室効果を抑制するためには森林の保護は絶対条件である。新たな伐採を最低限に維持し、植林を含めた森林再生とのバランスを保つためには現在既に保有している紙資源を如何に効率よく利用していくかが大きな課題となる。
現在の紙資源の再利用は、画像形成材料を剥離させる脱墨工程を経た紙繊維を質の悪い紙に漉き直して目的別に使い分ける「リサイクル」であり、脱墨工程のコスト高の問題や廃液の処理による新たな環境汚染の可能性などが指摘されている。
一方で、これまでに古くは鉛筆に対してケシゴム、筆記用具に対して修正液というように、画像の修正によるハードコピーの再利用に関して実用化がなされてきている。また、最近では、ハードコピー用紙のリユースを目的とした特殊紙であるリライタブルペーパーなどが提案されてきている。ここで紙質の劣化を極力防ぎ同一の目的に複数回使用する「リユース」は、紙質を落としながら他の目的に使用する「リサイクル」とは異なる概念であり、紙資源の保護の観点からみればより重要な概念であるといえる。それぞれの「リサイクル」の前段階で有効な「リユース」が行われれば新たに必要な紙資源を最小限に抑えることができる。しかし上述のリライタブルペーパーは、特殊紙を使うために、「リユース」はできても「リサイクル」ができないという欠点を有していた。
本発明者らは、呈色性化合物と顕色剤は相互作用が増大すると発色状態となり、相互作用が減少すると消色状態になることに着目して、呈色性化合物および顕色剤を含有する組成系に新たに顕色剤を捕獲する作用を有する消色剤を加えることにより、室温付近の温度で発色状態が安定に存在し、かつ、熱や溶媒による処理で、実用温度において長期に消色状態を固定する画像形成材料や、画像消色プロセス、画像消色装置を開発し、現行技術に代わる有効な紙のリユース技術として提案してきた。
本発明者らの提案した画像形成材料は、画像の発色・消色状態の安定性が高く、加えて材料的にも安全性が高く、また電子写真用トナー、液体インク、インクリボン、筆記用具の全てに対応可能であり、更に大規模消色処理が可能であるという従来の技術にないメリットを有している。
更に本発明者らは、「紙」の構成要素であるセルロースが消色剤の機能を有することを発見し、紙を被記録媒体に用いる場合においては、消色剤を含有しない画像形成材料でも、前記の2種の方法で消色可能であることを提案している。例えば、呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂を含有する画像形成材料により、鮮明な画像を形成でき、しかも良好に画像を消色できることを開示している(特許文献1)。
この画像形成材料の改良を進めるうえで、最も重要な課題は画像の発消色特性である。しかし、上記の組成系では、発色も消色も軟化したバインダー樹脂内における平衡に支配されると考えられている。そのため発色および消色の両特性はバインダー樹脂内で平衡定数の温度依存性によって限界が決まり、画像形成材料の作製プロセス温度と消色プロセス温度でその限界値が定まるといえる。すなわち、選択した構成成分の組みあわせで発消色性能が一義的に決定されると考えられるが、どのような材料を選択すればよいかについての指針はなかった。
特開2000−284520号公報
本発明の目的は、高い発色濃度を示す画像を形成することができ、かつ画像を良好に消色できる消色可能な画像形成材料を提供することにある。
本発明の一態様に係る消色可能な画像形成材料は、呈色性化合物であるロイコ色素と、顕色剤である2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、およびスチレン共重合体からなる群より選択される樹脂マトリクスとを含有し、前記2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの前記ロイコ色素に対するモル比が2以上であることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る電子写真用トナーは、上記の消色可能な画像形成材料を含むことを特徴とする。
本発明の消色可能な画像形成材料によれば、高い発色濃度を示す画像を形成することができ、かつ画像を良好に消色できる。
本発明の実施形態に係る消色可能な画像形成材料は、呈色性化合物であるロイコ色素(L)と、顕色剤(D)である2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと、樹脂マトリクスとを含有する。この画像形成材料では、下記のようなスキームで表される平衡が存在する。
L+D ← → LD。
本発明の実施形態に係る消色可能な画像形成材料(たとえば電子写真用トナー)では、製造工程中の混練時に軟化した樹脂マトリクス(バインダー樹脂)中で上記のスキームに従う平衡反応が起こり、最終的に得られる画像形成材料の発色濃度に影響を及ぼすと考えられる。また、ロイコ色素と顕色剤を含む溶液を用いた評価の結果、室温付近では溶液中での上記スキームに従う平衡反応はほとんど消色方向に偏っていることが明らかになっている。ロイコ色素と顕色剤を含む溶液は、ロイコ色素と顕色剤と樹脂マトリクスとを含む画像形成材料の混練時に樹脂マトリクスが軟化した状態の単純なモデルと考えられる。従って、画像形成材料の作製時にも上記の平衡反応は消色側に偏っていると考えられる。これらの観点から、本発明の実施形態に係る画像形成材料の発色濃度を改善するためには、上記スキームに従う平衡反応を詳細に調べる必要があると考えた。
そこで、まず取り扱いが容易な溶液系を用い、平衡に関する評価を開始した。その結果、上記スキームに従う平衡反応では、マトリクスに対するロイコ色素および顕色剤の相互作用(親和性、溶解性)が重要であることが明らかになった。図1を参照して、ロイコ色素および顕色剤を含有する溶液系の発消色状態の変化を説明する。
例えば、ロイコ色素と顕色剤の混合物にトルエンを添加しても、ほとんど無色の懸濁液が得られるのみである。これは、図1の状態Iに示したように、顕色剤とマトリクス(トルエン)の相互作用が弱いために、ロイコ色素と顕色剤が液相と固相に分離してしまい、上記スキームに従う平衡の形成が困難であるためと考えられる。図1の状態Iに対して他の極性溶媒を添加していくと、次第に懸濁液の青色が強くなり、極性溶媒を特定の割合で添加したところで最大発色を与える青色溶液が得られる。これは、加えた極性溶媒が顕色剤と相互作用し、図1の状態IIに示したように、顕色剤をロイコ色素が含まれる液相に取り込み、両者の相互作用により発色させる役割を演じたためと考えられる。また、最大発色が得られるのは、図1の状態IIIに示したように、加えた極性溶媒が最も効果的に顕色剤に作用している状態であると考えられる。さらに極性溶媒を添加していくと、溶液の色は次第にうすくなり、最終的にはほとんど無色になる。これは、図1の状態IVに示したように、過剰の極性溶媒の存在により、顕色剤と極性溶媒との相互作用が増大し、顕色剤がロイコ色素から引き離されるためであると考えられる。
このように、溶液系の結果から、マトリクスの状態によってロイコ色素の発消色状態が顕著に変化することが明らかになった。上述したように、溶液系は、ロイコ色素と顕色剤を含む樹脂マトリクスが軟化した状態の単純なモデルと考えることができる。したがって、理論上十分な量のロイコ色素および顕色剤を用いても、ロイコ色素または顕色剤と樹脂マトリクスとの相互作用の程度に差がある場合には、良好な発色が得られないおそれがある。
溶液系の評価では、ロイコ色素と顕色剤を取り巻くマトリクスとしての溶媒の極性に着目し、その変化による発消色状態の変化を観察した。しかし、ロイコ色素−マトリクス間および顕色剤−マトリクス間の相互作用の差が重要であるならば、逆にロイコ色素および顕色剤に着目した評価によっても、有意義な知見がえられるはずである。そこで、トナーにおいて、ロイコ色素と顕色剤の比率の変化による発消色状態の変化を観察した。
まず、ロイコ色素(L)として3−(4−ジエチルアミノ−2−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(以下、Blue203と記す)、顕色剤(D)として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(以下、2,4−DHBPと記す)を用い、これらの比率(モル比、以下D/L)を様々に変えたトナーを作製し、それぞれ発色濃度を測定した。その結果、図2に示したように、発色濃度はD/Lにより顕著に変化し、極大値を有する曲線が得られた。図2から、D/Lが2以上5.5以下の範囲で、製品と同じ組成を用いて作製した標準トナー(D/L=1.4に対応)の発色濃度を上回る高い発色が得られることがわかった。また、消去性能に関しては、図3に示したように、D/Lの増大に従い単調に向上する傾向が確認された。ここで、消去性能の指標である消去率は消去前の画像濃度に対して消去後の残像の画像濃度をプロットしたグラフの傾きを示し、消去率の値が小さいほど消去性能が高い。図3から、D/Lが2以上で、消去性能が顕著に向上する(消去率が低下する)という傾向が明らかになった。ただし、D/Lが2未満であると、発色濃度および消去率を顕著に改善する効果は得られない。
なお、色素としてCVL(クリスタルバイオレットラクトン)を用いた場合にも、発色および消色の両特性について、同様の結果が得られた。
一方、ロイコ色素としてBlue203、顕色剤として没食子酸エチル(EG)を用いた場合には、D/Lに対する発色濃度変化および消去率変化はそれぞれ図6および図7のようであった。つまり、顕色剤としてEGを用いた場合には、顕色剤として2,4−DHBPを用いた場合と異なり、D/Lを変化させても発色濃度および消去率の改善は観測されなかった。
以下、本発明の実施形態に係る消色可能な画像形成材料に用いられる成分について説明する。
呈色性化合物であるロイコ色素としては、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類などの電子供与性有機物が挙げられる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーンラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ジメチルエトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、ATP、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2、3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メトキシ−N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオラン、フェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチルフルオランなどが例示される。これらは1種または2種以上を混合して用いることが可能である。呈色性化合物を適宜選択すれば多様な色の発色状態が得られることからカラー対応も容易である。これらの中で、特に適している材料は、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェニルインドールフタリド系の呈色性化合物である。
樹脂マトリクスとしては、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、およびスチレン共重合体が挙げられ。スチレン系モノマーの具体例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレンおよび3,4−ジクロルスチレンなどが挙げられる。これらのモノマーは組合せて用いてもよい。共重合させることができるビニル系モノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メタクリロニトリル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルおよびイソブチルエーテルなどが挙げられる。これらのビニル系モノマーは単独であるいは2種以上組合せて用いてもよい。好適な樹脂バインダーの具体例としては、スチレン・n−ブチルメタクリレート、スチレン・イソブチルメタクリレート、スチレン・エチルアクリレート、スチレン・n−ブチルアクリレート、スチレン・メチルメタクリレート、スチレン・グリシジルメタクリレート、スチレン・ジメチルアミノエチルメタクリレート、スチレン・ジエチルアミノエチルメタクリレート、スチレン・ジエチルアミノプロピルアクリレート、スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン・ブチルアクリレート−N−(エトキシメチル)アクリルアミド、スチレン・エチレングリコールメタクリレート、スチレン・4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン三元共重合体、アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル三元共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・塩素化ポリスチレン・スチレン三元共重合体、アクリロニトリル・エチレン酢酸ビニル・スチレン三元共重合体、スチレン・p−クロロスチレン共重合体、スチレン・プロピレン共重合体、スチレン・マレイン酸エステル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。ブタジエン、マレイン酸エステル、クロロプレンなどの成分の重量比は10%以下であることがより好ましい。ポリアクリレートをポリスチレンとブレンドして用いてもよい。この場合、ポリアクリレート成分は共重合体でもよい。たとえばアクリレートにブタジエン、マレイン酸エステル、クロロプレンなどを10%以下の割合で共重合させたものを用いてもよい。一般に、樹脂マトリクス中の極性基の量が低いほど、混練により作製される画像形成材料の発色濃度が高くなる。トナー用途で最も好適な樹脂マトリクス(バインダー樹脂)としては、スチレン・ブタジエン共重合体およびスチレン・プロピレン共重合体が挙げられる。
[実施例1]
ロイコ色素として4.2重量部(7.7×10-2mol)のBlue203、顕色剤として6.6重量部(3.1×10-1mol)の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、バインダー樹脂として83.2重量部のスチレン−ブタジエン共重合体、帯電制御剤として1.0重量部のLR−147(日本カーリット社製)、およびワックスとして5.0重量部のポリプロピレンワックスを混合し、ニーダーを用いて混練した。この場合、ロイコ色素と顕色剤のモル比は1:4である。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径11.5μmの粉体を得た。得られた粉体の発色濃度は1.08であった。この粉体100重量部に対して1重量部の疎水性シリカを添加してトナーを調製した。得られたトナーをコピー機のトナーカートリッジに入れ、画像を紙に転写した。ここで、画像を形成するための紙には、日本において標準的に使用されている中性紙(P−50S、pH=7.5)を用いた。
まず、消去前の元画像の画像濃度を測定した。その後、130℃で2時間放置して画像を消去した後の残像の画像濃度を測定した。次いで、得られた結果を用い、消去前の元画像の画像濃度に対する、消去後の残像の画像濃度をプロットした。得られたグラフの傾きから、消去率は0.057と算出された。
上記と同様にして、表1に示した各組成のトナーを調製し、それぞれ粉体の発色濃度および消去率を算出した。この結果を用い、粉体の発色濃度および消去率をそれぞれD/L(モル比)に対してプロットすることにより、図2および図3が得られた。
Figure 0004358177
[実施例2]
ロイコ色素として4重量部(9.6×10-2mol)のクリスタルバイオレットラクトン(CVL)、顕色剤として8.0重量部(3.7×10-1mol)の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、バインダー樹脂として82.0重量部のスチレン−ブタジエン共重合体、帯電制御剤として1.0重量部のLR−147(日本カーリット社製)、およびワックスとして5.0重量部のポリプロピレンワックスを混合し、ニーダーを用いて混練した。この場合、ロイコ色素と顕色剤のモル比は1:4である。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径11.5μmの粉体を得た。得られた粉体の発色濃度は0.84であった。この粉体100重量部に対して0.5重量部の疎水性シリカを添加してトナーを調製した。得られたトナーをコピー機のトナーカートリッジに入れ、画像を紙に転写した。実施例1と同様にして算出した消去率は0.021であった。
上記と同様にして、表2に示した各組成のトナーを調製し、それぞれ粉体の発色濃度および消去率を算出した。この結果を用い、粉体の発色濃度および消去率をそれぞれD/L(モル比)に対してプロットすることにより、図4および図5が得られた。
Figure 0004358177
[比較例]
ロイコ色素として4.0重量部(7.4×10-2mol)のBlue203、顕色剤として2.0重量部(1.0×10-1mol)の没食子酸エチル、バインダーとして87.0重量部のスチレン−ブタジエン共重合体、帯電制御剤として1.0重量部のLR−147(日本カーリット社製)、およびワックスとして5.0重量部のポリプロピレンワックスを混合し、ニーダーを用いて混練した。この場合、ロイコ色素と顕色剤のモル比は1:1.4である。この混練物を粉砕機により粉砕し、平均粒径11.3μmの粉体を得た。得られた粉体の発色濃度は0.88であった。この粉体100重量部に対して1重量部の疎水性シリカを添加してトナーを調製した。得られたトナーをコピー機のトナーカートリッジに入れ、画像を紙に転写した。実施例1と同様にして算出した消去率は0.071であった。
上記同様にして、表3に示した各組成のトナーを調製し、それぞれ粉体の発色濃度および消去率を算出した。この結果を用い、粉体の発色濃度および消去率をそれぞれD/L(モル比)に対してプロットすることにより、図6および図7が得られた。
Figure 0004358177
実施例1(図2、図3)および実施例2(図4、図5)に示されるように、ロイコ色素(L)としてのBlue203またはCVLと、顕色剤(D)である2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと、樹脂マトリクスとを含有し、D/Lのモル比が2以上である画像形成材料は、高い発色濃度と、良好な消去率を示す。
一方、比較例(図6、図7)に示されるように、実施例1と同様に、ロイコ色素(L)としてのBlue203および樹脂マトリクスを用いても、顕色剤(D)が没食子酸エチル(EG)である画像形成材料では、D/Lのモル比にかかわらず、発色濃度および消去率の顕著な改善は認められなかった。
ロイコ色素および顕色剤を含有する溶液系の発消色状態の変化を説明する図。 実施例1の画像形成材料についてD/Lのモル比に対する粉体の発色濃度の変化を示す図。 実施例1の画像形成材料についてD/Lのモル比に対する消去率の変化を示す図。 実施例2の画像形成材料についてD/Lのモル比に対する粉体の発色濃度の変化を示す図。 実施例2の画像形成材料についてD/Lのモル比に対する消去率の変化を示す図。 比較例の画像形成材料についてD/Lのモル比に対する粉体の発色濃度の変化を示す図。 比較例の画像形成材料についてD/Lのモル比に対する消去率の変化を示す図。

Claims (3)

  1. 呈色性化合物であるロイコ色素と、顕色剤である2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、およびスチレン共重合体からなる群より選択される樹脂マトリクスとを含有し、前記2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの前記ロイコ色素に対するモル比が2以上であることを特徴とする消色可能な画像形成材料。
  2. 前記2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの前記ロイコ色素に対するモル比が5.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の消色可能な画像形成材料。
  3. 請求項1または2に記載の消色可能な画像形成材料を含むことを特徴とする電子写真用トナー。
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