JP2007310299A - 消去可能な画像形成材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂とを含む画像形成材料において熱消去性、発色性に優れた画像形成材料が提供する。
【解決手段】 本発明の消去可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂と、0.01重量%未満の可塑剤とを含有する画像形成材料であって、バインダー樹脂中に少なくともスチレン−ブタジエン共重合体を含み、バインダー樹脂に対するブタジエンユニット重量比率が12.5重量%以上15重量%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】 本発明の消去可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂と、0.01重量%未満の可塑剤とを含有する画像形成材料であって、バインダー樹脂中に少なくともスチレン−ブタジエン共重合体を含み、バインダー樹脂に対するブタジエンユニット重量比率が12.5重量%以上15重量%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、消色可能な画像形成材料に関する。
地球環境の保護、およびCO2による温室効果を抑制するためには森林の保護は絶対条件である。新たな伐採を最低限に維持し、植林を含めた森林再生とのバランスを保つためには既に保有している紙資源を如何に効率よく利用していくかが大きな課題となる。
現在の紙資源の再利用は、画像形成材料を剥離させる脱墨工程を経た紙繊維を質の悪い紙に漉き直して目的別に使い分ける「リサイクル」であり、これは脱墨工程のコスト高の問題や廃液の処理による新たな環境汚染の可能性などが指摘されている。
一方で、古くは鉛筆に対してケシゴム、ボールペンに対して修正液というように、画像の修正によるハードコピーの再利用、即ち「リユース」が実用化されてきている。ここで紙質の劣化を極力防ぎ、同一目的に複数回使用する「リユース」は、紙質を落としながら他の目的に使用する「リサイクル」とは異なる概念である。「リユース」は紙資源の保護の観点からみればより重要な概念であり、「リサイクル」の前段階で適切な「リユース」が行われれば新たに必要な紙資源を最小限に抑えることができる。例えば近年、ハードコピー用紙のリユースを目的とした特殊紙であるリライタブルペーパーなどが提案されてきている。リライタブルペーパーの技術を用いると、使用による皺や折れ曲がりなどの紙の痛みを気にしなければ100回以上の「リユース」が可能であり、紙資源の利用効率は飛躍的に向上することになる。
しかし、リライタブルペーパーは特殊紙を使うために「リユース」はできても「リサイクル」に適さない技術であり、また熱記録以外の記録技術に適用が困難であるという欠点を有していた。
これに対し本発明者らは、呈色性化合物と顕色剤とは相互作用が増大すると発色状態となり、相互作用が減少すると消色状態になることに着目した。呈色性化合物および顕色剤を含有する組成系に新たに消色剤を加えることにより、室温付近の温度で画像形成材料の消色状態が安定して存在できるようにし、熱や溶媒による処理で長期に消色状態を固定する画像形成材料や、画像消色プロセス、画像消色装置を開発し、現行技術に代わる紙のリユース技術として提案してきた。
本発明者らの提案した画像形成材料は、画像の発色・消色状態の安定性が高く、加えて材料的にも安全性が高く、また電子写真用トナー、液体インク、インクリボン、筆記用具全てに対応可能である。更に大規模消色処理が可能であるという従来の技術にないメリットを有している。
更に本発明者らは、「紙」の構成要素であるセルロースが消色剤の機能を有することを発見し、紙を被記録媒体に用いる限定用途においては、消色剤を含有しない画像形成材料でも、熱や溶媒による処理方法で消色可能であることを提案している。
例えば、呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂を含有する画像形成材料により、鮮明な画像を形成でき、しかも良好に画像を消色できることを開示している(特許文献1)。この画像形成材料は、所定の温度に加熱すると顕色剤が紙へ移動するため、呈色性化合物が顕色剤の作用を受けなくなるため消色が可能になる。
しかしながら、画像形成材料中の呈色性化合物の一部しか発色状態にならないために、画像形成材料自体の発色が薄かった。
特開2000−284520公報
これに対し、呈色性化合物を過剰に添加することによって発色濃度をあげる方法が考えられるが、発色に寄与しない呈色性化合物を無駄にしてしまうだけでなく、画像形成材料の物性に悪影響が生じる。例えば、画像形成材料中の主要成分(マトリクス)と異なる低分子量成分の添加量が増えるため、保存安定性・機械的強度を低下させてしまう。
本発明は上記問題を鑑み、発色性及び熱消去性に優れた画像形成材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の消去可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂と、0重量%以上0.01重量%未満の可塑剤とを含有する画像形成材料であって、前記バインダー樹脂中に少なくともスチレン−ブタジエン共重合体を含み、前記バインダー樹脂に対するブタジエンユニット重量比率が12.5重量%以上15重量%以下であることを特徴とする。
本発明の消去可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂と、0.01重量%以上の可塑剤とを含有する画像形成材料であって、前記バインダー樹脂中に少なくともスチレン−ブタジエン共重合体を含み、前記バインダー樹脂に対するブタジエンユニット重量比率が10重量%以上14重量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、発色性及び熱消去性に優れた画像形成材料を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る消去可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂とを含有する。この画像形成材料は、バインダー樹脂中に分散されている呈色性化合物と顕色剤とが相互作用することにより呈色性化合物が発色状態となる。このような画像形成材料を微粒子にすることで電子写真技術などにより紙上に鮮明な画像を形成できる。
また、本実施形態に係る画像形成材料は加熱により消去(消色)することが可能である。
画像形成材料の消色は、バインダー樹脂中で相互作用している呈色性化合物と顕色剤とが加熱によって相互作用しなくなることによる。顕色剤は加熱消色時に被記録媒体である紙へ移動する。移動した顕色剤は紙の構成要素であるセルロースの水酸基と水素結合を形成するため、画像形成材料が消色状態となる。
ここで呈色性化合物の発色は添加量から予想される濃度より低くなることがあるため、バインダー樹脂等からなるマトリクス中での呈色性化合物の分散状態について検討した。特に、機械的な分散による画像形成材料を電子顕微鏡等で詳細に観察した結果、マトリクス中に分散していない呈色性化合物と顕色剤が点在していることが分かった。
そこで、呈色性化合物のバインダー樹脂への溶解度を向上させることを検討した結果、呈色性化合物のバインダー樹脂への溶解度の調整は、バインダー樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体を用い、バインダー樹脂中のブタジエンユニット重量比率を調整することが有効であることを見出した。
ここでいうブタジエンユニットとは、高分子鎖におけるブタジエンの存在形態には大きく左右されない。即ち、スチレン−ブタジエン共重合体がブロック重合体等の形態をもつ共重合体であっても良い。ブタジエン含有量の異なる2種類以上のスチレン−ブタジエン共重合体の混合比率を調整することで、容易に溶解度を調整することができる。また、スチレン−ブタジエン共重合体の組合せは相溶性が高いので、全体が均一な溶解度をもつ樹脂を得ることが可能である。
図1には、スチレン−ブタジエン共重合体中のブタジエン重量比率を変化させた場合の呈色性化合物(Blue203:山田化学製ロイコ染料)の溶解度の変化を示した。ブタジエン重量比率が増加すると溶解度が増加することが明らかである。
発明者らは、消去可能な画像形成材料中のバインダー樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体を含有するとき、バインダー樹脂中のブタジエンユニットの重量比率が、12.5wt%(重量%)から15wt%の限られた範囲だけで消去性能が向上することを見出した。
マトリクスとしてスチレン−ブタジエン共重合体のブタジエンユニットの重量比率を増やすと、呈色性化合物のバインダー樹脂への溶解度の増大と供に、顕色剤のバインダー樹脂への溶解度も増大する。ブタジエンユニット含有率が15wt%より大きい場合、顕色剤の溶解度が大きくなりすぎて加熱時に顕色剤が画像形成材料内部から紙へ移動する割合が減少し、呈色性化合物との解離が不十分になる。従ってバインダー樹脂中のブタジエンユニットの重量比率は15wt%以下であることが良い。
更に、消去可能な画像形成材料として必須成分ではないが、可塑剤を添加することも可能である。可塑剤を添加してバインダー樹脂を適度に可塑化すると、顕色剤の移動阻害要因である分散力、双極子間力、水素結合等が低減されるため、より消去性能が向上する。一般に、高分子材料は分子間力によって分子鎖の運動が拘束されているため変形し難い硬い状態を保っている。可塑剤は高分子材料であるバインダー樹脂等の分子鎖間に入り込んで分子鎖の接近を妨害することで、分子間力による分子鎖の拘束を低減できる。従って呈色性化合物を発色させていた顕色剤はバインダー樹脂内部を移動し易くなるため紙へ容易に移動できるようになる。可塑剤は呈色性化合物の消色を促進できる。
本発明者らは、画像形成材料中に可塑剤を0.01wt%以上添加し、バインダー樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体を使用した場合、バインダー樹脂中のブタジエンユニットの重量比率が10wt%から14wt%の範囲で性能が向上することを見出した。
バインダー樹脂中のブタジエンユニット重量比率が14wt%より大きくなると、加熱時に顕色剤が画像形成材料内部から紙へ移動する割合が減少する。これは、可塑剤を添加すると呈色性化合物のバインダー樹脂への溶解度が増大すると供に、顕色剤のバインダー樹脂への溶解度も増大するためである。従って、呈色性化合物との解離が不十分になるため、ブタジエンユニットの重量比率は14wt%以下であることが良い。
前述したように、可塑剤を添加すると画像形成材料中の顕色剤が移動しやすくなる。つまり、可塑剤を添加することで画像形成材料の消色を促進できる。但し可塑剤を加えすぎると、可塑剤の極性基から受ける相互作用(双極子相互作用)の影響が大きくなり、トナー内部を顕色剤が移動し難くなる可能性があるため、可塑剤の添加は画像形成材料中に5wt%以下の添加が好ましい。また、トナーとして使用する場合、バインダー樹脂が軟化してトナー作製時の粉砕が困難になるため可塑剤の添加量を1wt%以下にすることが好ましい。1wt%より多いと所定の粒径を得るための収率が減少する場合がある。本実施形態に係る消去可能な画像形成材料の消去特性を考慮すると0.5wt%以下であることがより好ましい。
ここで、バインダー樹脂に対する呈色性化合物あるいは顕色剤の溶解度の測定方法は、次のような方法で行うことが可能である。例えば、バインダー樹脂を混練する温度で溶融させて、秤量後の呈色性化合物を加えて混練した後、顕微鏡などで不溶物の有無を判定する方法がある。不溶物がない場合には、加えた量までは溶解可能であるので、不溶物が現れるまで、添加量を増やして限界量を見極める作業を繰り返すことによって溶解度が測定できる。
なお、バインダー樹脂の粘度が高い場合、呈色性化合物を混練することが困難なこともあるため、混練が容易になる温度で溶解度の測定を実施したのち、正則溶液理論の計算式で各温度における溶解度を推算する。
また、ブタジエンユニット含有量は各種分析手段によって確認することが可能である。赤外分光法で置換基(C=C伸縮振動と芳香族C−H伸縮振動)の比率から確認する方法、熱分解ガスクロマト質量分析(Pyrolysis−GC/MS)で検出した化合物に含まれているベンゼン環と不飽和結合の比率から確認する方法、示差走査熱量測定(DSC)を利用してガラス転移点から確認する方法などが挙げられる。例えば、ブタジエンユニット量とガラス転移点には図2に示したようなに関係性がある。DSCを用いた場合、ガラス転移点を測定することによって、スチレン−ブタジエン共重合体中のブタジエンユニット量を算出することが可能である。
本実施形態では、呈色性化合物は、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類等の電子供与性有機物が挙げられる。
具体的には、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーンラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−Bis(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エソキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタライド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−Bis(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3,6−ジメチルエソキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メソキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、ATP、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2、3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メトキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジーp−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオラン−フェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチルフルオラン等が例示される。これらは1種または2種以上を混合して用いることが可能である。呈色性化合物を適宜選択すれば多様な色の発色状態が得られることからカラー対応も容易である。
また顕色剤は、前述した呈色性化合物と相互作用して呈色性化合物を発色させるものであって、例えば、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いることが可能である。特に、没色子酸、及び没色子酸メチル、没色子酸エチル、没色子酸n−プロピル、没色子酸 i−ブチルなど没色子酸エステル、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルなどジヒドロキシ安息香酸及びソノエステル、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,6−ジヒドロキシアセトフェノン、3,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノンなどヒドロキシアセトフェノン類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどヒドロキシベンゾフェノン類、2,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノールなどビフェノール類、4−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(ベンゼン−1,2,3−トリオール)]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(1,2−ベンゼンジオール)]、4,4’,4’’−エチリデントリスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレントリス−p−クレゾールなど多価フェノール類等を使用することがより好ましい。最も好適な顕色剤は、没色子酸エチル、没色子酸n−プロピル、没色子酸i−プロピル、没色子酸ブチルなど没色子酸エステルと、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどヒドロキシベンゾフェノン類である。
また、バインダー樹脂は、画像形成材料作製時に呈色性化合物と顕色剤を分散させるものである。一方、加熱消去時には顕色剤が紙へと移動できる特性をもったものである。
一般に、本発明に係る消去可能な画像形成材料は、バインダー樹脂中の極性基の含有量が低いほど呈色濃度が高くなる。高い発色・消色コントラストを得るにはバインダー樹脂として非極性樹脂を用いることが好ましく、たとえばポリスチレン、ポリスチレン誘導体、スチレン共重合体が好適である。スチレン系モノマーの具体例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4一ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n一オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、P−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレンおよび3,4−ジクロルスチレンなどが挙げられる。
好適なスチレン共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重合体などが挙げられる。トナー用途では、特に、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重合体が好適である。
本実施形態では、バインダー樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体を使用する。実質的にはスチレン−ブタジエン共重合体を100wt%含むことが好ましいが、10wt%以下であれば他成分を含むことを許容する。スチレン−ブタジエン共重合体以外の樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、エチレンアクリル無水マレイン酸共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンイソフタレート、ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、塩ビ酢ビフェノール樹脂、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、6,6−ナイロン、テトロン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ABS樹脂、AS樹脂、ポリペプチド、ポリアクリルアミド、ポリアリルアルコール、ポリ酢酸アリル、ポリオキシメチレン、ポリフッ化エチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ケイ素ゴム、6ナイロン、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリベンズイミダゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタレートポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ポリ4−メチルデンテン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、4フッ化エチレン、4フッ化・6フッ化プロピレン、4フッ化エチレンパーフロアルコキシエチレン共重合、4フッ化エチレン共重合体、3フッ化塩化エチレン、フッ化ビニリデン、11ナイロン、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレン・オキサイド、アイオノマー、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー等を同時に用いることが可能である。
スチレン−ブタジエン共重合体の具体例としてはエリオケム社のPLIOLITE、 PLIOTONE1035、 PLIOTONE PTR7716、 PLIOTONE PTR7724、 PLIOTONE PTR7734、 PLIOTONE PTR7724、 PLIOTONE PTR7737、 PLIOTONE CPR6891、 日本ゼオン社のNipol2057SS、Nipol2057S、Nipol2007J等があげられる。
また、可塑剤は、画像形成材料に柔軟性を与えるために添加するものである。
画像形成材料に添加する可塑剤としては、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール誘導体、ステアリン酸誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、ジフェニル誘導体が挙げられる。具体的にはジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、エチルヘキシルデシルフタレート、ジノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジアルリルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジブトキシエチルフタレート、メチルフタリルエチルグリコール、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジ−n−ブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ベンジル−n−ブチルアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ジブトキシエチルアジペート、ベンジルオクチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ−2−エチルヘキシル−4−チオアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジメチルセバケート、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート、ジノニルマレート、ジブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、n−オクチル、n−デシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、ジイソオクチル、モノイソデシルトリメリテート、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、メチルオレート、ブチルオレート、メトキシエチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレート、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート、n−ブチルステアレート、グリセリルモノステアレート、塩素化メチルステアレート、ベンゼンスルホンブチルアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−エチルーp−トルエンスルホンアミド、o−トルエンエチルスルホンアミド、p−トルエンエチルスルホンアミド、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリー(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ポリエチレングリコール、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。可塑剤の種類によって最適添加量は微妙に異なるが、適正量はおよそ0.5wt%以下である。特に効果が高いのはベンゼン環もしくは脂環構造を有するフタル酸誘導体、トリメリクエン酸誘導体などを添加するとよい。
呈色性化合物と顕色剤はモル比で呈色性化合物:顕色剤=1:0.1〜10となるようにバインダー樹脂に配合される。また、バインダー樹脂は後述する添加剤等の含有量によって量的に変化するが、例えばトナーに対して90wt%未満である。
本実施形態における画像形成材料をトナーの用途に適用する場合に、呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂以外に添加される各種の材料について説明する。
まず、トナーの帯電特性を調整するための添加剤(以下帯電制御剤という)を用いてもよい。帯電制御剤としては、消去した際に帯電制御剤の色が残らないことが良い。そのため、帯電制御剤は無色または透明であることが好ましいが、一般に使われる帯電制御剤のうち、負帯電の材料としてはオリエント化学のE−89(カリックスアレーン誘導体)、日本カーリットのN−1、N−2、N−3(ともにフェノール系化合物)、LR147(ホウ素系化合物)、藤倉化成のFCA−1001N(スチレンースルホン酸系樹脂)などを用いることができる。より好適な化合物として、E−89やLR147が例示される。正帯電の材料としては保土谷化学のTP−302(CAS#116810−46−9)、TP−415(同117342−25−2)、オリエント化学のP−51(4級アミン化合物)、AFP−B(ポリアミンオリゴマー)、藤倉化成のFCA−201PB(スチレンーアクリル四級アンモニウム塩系樹脂)などが挙げられる。帯電制御剤のトナーに対する添加量は5wt%以下であることが好ましい。
また、定着性を制御するためにワックス類などを配合してもよい。本実施形態の画像形成材料に用いるワックス類としては、呈色性化合物を発色することがない成分で構成されていることが好ましい。例えば、高級アルコール、高級ケトン、高級脂肪族エステル等を用いることが好ましく、酸価で規定するならば10mgKOH/g以下が良い。またこれらは、重量平均分子量が102〜105、更には102〜104のものを用いることがより好ましい。重量平均分子量がこのような範囲であれば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリブチレン、低分子量ポリアルカンなどを用いることも可能である。これらトナーに対するワックス類の添加量は、0.1〜30重量部、更には0.5〜15重量部が好ましい。なお、ヒートロール定着用トナーの場合ヒートロールからの離型性能を付与するために添加されるため、添加量が5重量部以内であることがよく、圧力定着用トナーの場合、画像形成材料の主成分としてこれらのワックスを用いることが可能で、マイクロカプセル構造にする場合芯の部分となる。
本実施形態の画像形成材料においては更に、必要に応じて、流動性、保存性、耐ブロッキング性、感光体研磨性等を制御するための外添剤などを配合してもよい。外添剤としては、シリカ微粒子、金属酸化物微粒子、クリーニング助剤等を用いることが可能である。また、シリカ微粒子としては、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム等があげられる。金属酸化物微粒子としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等があげられる。クリーニング助剤としては、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粉末等があげられる。
これら外添剤は、疎水化などの表面処理が施されたものであっても良い。疎水化処理は、トナーとして使う場合に行われているもので、負帯電の場合は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤が使われる。また、正帯電の場合は、アミノシラン系、側鎖にアミンを有するシリコーンオイルなどの処理剤が使われる。外添剤の添加量は、トナー100重量部に対して0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3.0重量部を用いることが良い。また、トナーに使用される一次粒子の平均粒径は、シリカ微粒子では10〜20nmが一般的に用いられ、他に〜100nmの粒子も用いられる。シリカ以外の材料では、粒径が大きくなり、0.05〜3μmの平均粒径を持った粒子が一般的に用いられる。
トナーの粒径範囲は、体積平均径が6〜20μm、個数分布における5μm以下の含有量が2〜20個数%、体積分布における5μm以下の含有量が0〜5体積%、体積分布における20μm以上の含有量が0〜5体積%であるもの好ましい。これらの測定は、コールターマルチサイザー(コールター社)を用いて実施される。消去可能なトナーの導電率は、1011〜1016Ωcm、更に1013〜1015Ωが好適である。二成分現像の場合には、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどをシリコーンやアクリルなどの樹脂でコートしたキャリアが用いられる。これらのキャリアの導電率は、鉄粉で109Ωcm以下、フェライトで106〜1015Ωcm程度、マグネタイトで1013Ωcm以上の範囲、樹脂に50μm程度に粉砕した磁性粉を分散させたものでは1013Ωcm以上が好適である。導電性の測定は、トナーを20mm径、厚さ1mmの円盤型タブレットに打錠し、1V・1kHzの電位を印加して測定する。
消去可能な画像形成材料は、このような呈色性化合物、顕色剤、バインダー樹脂等を混合・分散して作られる。
呈色性化合物と顕色剤をバインダー樹脂に混合・分散する方法としては、高速ディゾルバ、ロールミル、ボールミル等の装置で、(消色剤を含む場合には非極性の)溶媒を用いた湿式分散法や、ロール、加圧ニーダー、インターナルミキサー、スクリュー型押し出し機等による溶融混練法などを用いることができる。また、混合手段としては、ボールミル、V型混合機、フォルバーグ、ヘンシェルミキサー等を用いることができる。
本発明による消去可能な画像形成材料の消去性能評価のために行った実験結果を以下に示す。
消去性能の評価のために、バインダ−樹脂としてブタジエンユニット含有量の異なるスチレン−ブタジエン共重合体を用いたトナーを4種類準備した。
ブタジエンユニットの含有率の多いほうから20wt%、15wt%、12.5wt%、10wt%、の4種類である。
これらのバインダー樹脂を用いて、以下のようにして4種類のトナーを作製した。
呈色性化合物として3−(4−ジエチルアミノ2−ヘキシルオキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(山田化学製ロイコ染料:Blue203)を4.15wt%、顕色剤としての没食子酸エチルを2wt%、ワックス成分としてのポリプロピレンワックスを5wt%、バインダー樹脂として4種類のブタジエン含有量の異なるスチレン−ブタジエン共重合体を87.85wt%、更に帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147)を1wt%準備した。
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(山田化学製ロイコ染料:Blue203)を4.15wt%、顕色剤としての没食子酸エチルを2wt%、ワックス成分としてのポリプロピレンワックスを5wt%、バインダー樹脂として4種類のブタジエン含有量の異なるスチレン−ブタジエン共重合体を87.85wt%、更に帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147)を1wt%準備した。
これらの画像形成材料を形成する材料をヘンシェルミキサーで混合し、その混合物を3本ロールで混練・分散させた。更に、混練物を粉砕機により平均粒径11.3μm(10.8μm〜11.8μm)の微粉体に加工し、その後、両者に疎水性シリカを全体の1wt%外添して青色の電子写真用トナーを得た。
まず、外添剤添加前のトナーの発色濃度を測定した。トナーの発色濃度は、外添剤添加前のトナー(以下粉体という)を粉体測定専用セルに入れ、ミノルタ製色彩色差計CR300を用いて粉体濃度を測定することにより行った。粉体濃度とは、粉体の反射率の逆数から常用対数値を求めたものである。発色状態の呈色性化合物が多いほど、高い粉体濃度が得られる。
次に、作製した4種類のトナーを用いてその消去性能を評価した。評価のための実験手順と評価方法は次の通りである。
作製した4種類のトナーを東芝テック製MFP(プリマージュ351)により、2種のコピー用紙上に10段階の画像濃度を持つ15mm角の画像パターン(以下ベタパターンという)を印刷した。これを消去性能の評価のための元画像とした。ここで画像濃度とは反射率を測定し、測定された反射率の逆数から常用対数を求めたものである。
加熱消去は、恒温槽を用いて、印刷されたコピー用紙上のベタパターンを130℃で2時間加熱して行った。
また、消去性能は評価用に印字された元画像の画像濃度を説明変数とし、加熱消去後の画像濃度を目的変数とした場合の回帰係数である。即ち、加熱消去後の画像濃度を縦軸に、消去前の画像濃度を横軸にプロットして得られる回帰式の傾き(回帰係数)である。この回帰係数(消去性能)が小さいほど消去性能が高いことを意味する。
図3には、バインダー樹脂中のブタジエンユニット重量比率ごとの粉体濃度を、図4には、ブタジエンユニット重量比率ごとの画像形成材料の消去性能を示した。ブタジエンユニット量が多くなると粉体濃度が上がるが、消去性能については12.5wt%以上で消去性能が向上することが図4より分かる。また、15wt%より大きくなると消去性能は必ずしも良くなく、ブタジエンユニットの重量比率は15wt%以下であることが良い。
呈色性化合物を実施例1とは変え、可塑剤を添加した他は同様に、消去可能な画像形成材料の熱消去性能評価のために以下のような実験を行った。
消去性能の評価のために、バインダ−樹脂としてブタジエンユニット含有量の異なるスチレン−ブタジエン共重合体を用いたトナーを5種類準備した。
ブタジエンユニットの含有率の多いほうから15wt%、14wt%、12.5wt%、10wt%、8.7wt%の5種類である。
これらのバインダー樹脂を用いて、以下のようにして5種類のトナーを作製した。
呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL;山田化学製ロイコ染料)及び2−アニリノ−6−(N−エチル−N− イソペンチルアミノ)−3−メチルフルオラン(山田化学製ロイコ染料:S205)を各々3.65wt%及び0.5wt%、顕色剤としての没食子酸エチルを2wt%、ワックス成分としてのポリプロピレンワックスを5wt%、バインダー樹脂として5種類のブタジエン含有量の異なるスチレン−ブタジエン共重合体を87.35wt%、帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147)を1wt%、更に可塑剤としてジ(2−エチルヘキシル)フタレートを0.5wt%準備した。
これらの画像形成材料を形成する材料をヘンシェルミキサーで混合し、その混合物を3本ロールで混練・分散させた。更に、混練物を粉砕機により平均粒径11.3μm(10.8μm〜11.8μm)の微粉体に加工し、その後、両者に疎水性シリカを全体の1wt%外添して青色の電子写真用トナーを得た。
まず、外添剤添加前のトナーの発色濃度はミノルタ製色彩色差計CR300を用いて粉体濃度を測定することにより行った。
次に、作製した5種類のトナーを用いてその消去性能を評価した。消去性能の評価方法は実施例1に同じである。
図5には、0.5wt%の可塑剤を含む画像形成材料のバインダー樹脂中のブタジエンユニット重量比率に対する消去性能を示した。ブタジエンユニット量が10wt%以上で消去性能が向上することが図5より分かる。また、14wt%より大きくなると消去性能は必ずしも良くなく、ブタジエンユニットの重量比率は14wt%以下であることが良いことが分かる。
可塑剤の添加量を0.01wt%に変えた他は実施例2と同様にトナーを作製した。バインダ−樹脂中のブタジエンユニット含有量は10wt%、12.5wt%の2種類を用意した。
呈色性化合物として3−(4−ジエチルアミノ2−ヘキシルオキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(山田化学製ロイコ染料:Blue203)を4.15wt%、顕色剤としての没食子酸エチルを2wt%、ワックス成分としてのポリプロピレンワックスを5wt%、バインダー樹脂としてブタジエン含有量の異なる2種類のスチレン−ブタジエン共重合体を87.84wt%、更に帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147)を1wt%、更に可塑剤としてジ(2−エチルヘキシル)フタレートを0.01wt%準備した。
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(山田化学製ロイコ染料:Blue203)を4.15wt%、顕色剤としての没食子酸エチルを2wt%、ワックス成分としてのポリプロピレンワックスを5wt%、バインダー樹脂としてブタジエン含有量の異なる2種類のスチレン−ブタジエン共重合体を87.84wt%、更に帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147)を1wt%、更に可塑剤としてジ(2−エチルヘキシル)フタレートを0.01wt%準備した。
これらの画像形成材料を形成する材料をヘンシェルミキサーで混合し、その混合物を3本ロールで混練・分散させた。更に、混練物を粉砕機により平均粒径11.3μm(10.8μm〜11.8μm)の微粉体に加工し、その後、両者に疎水性シリカを全体の1wt%外添して青色の電子写真用トナーを得た。
作製したトナーを用いてその消去性能を評価した。消去性能の評価方法は実施例1に同じである。
0.01wt%の可塑剤を含む画像形成材料のバインダー樹脂中のブタジエンユニット重量比率に対する消去性能は、ブタジエンユニット量が10wt%の場合に0.060、12.5wt%の場合に0.056であり、消去性能が向上した。この実施例においても消去性能が改善することが確認できた。
Claims (2)
- 呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂と、0重量%以上0.01重量%未満の可塑剤とを含有する画像形成材料であって、
前記バインダー樹脂中に少なくともスチレン−ブタジエン共重合体を含み、
前記バインダー樹脂に対するブタジエンユニット重量比率が12.5重量%以上15重量%以下である
ことを特徴とする消去可能な画像形成材料。 - 呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂と、0.01重量%以上の可塑剤とを含有する画像形成材料であって、
前記バインダー樹脂中に少なくともスチレン−ブタジエン共重合体を含み、
前記バインダー樹脂に対するブタジエンユニット重量比率が10重量%以上14重量%以下である
ことを特徴とする消去可能な画像形成材料。
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