JP4257924B2 - 消色可能な画像形成材料 - Google Patents

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Description

本発明は、消色可能な画像形成材料に関する。
地球環境の保護、およびCOによる温室効果を抑制するためには森林の保護は絶対条件である。新たな伐採を最低限に維持し、植林を含めた森林再生とのバランスを保つためには既に保有している紙資源を如何に効率よく利用していくかが大きな課題となる。
現在の紙資源の再利用は、画像形成材料を剥離させる脱墨工程を経た紙繊維を質の悪い紙に漉き直して目的別に使い分ける「リサイクル」であり、これは脱墨工程のコスト高の問題や廃液の処理による新たな環境汚染の可能性などが指摘されている。
一方で、古くは鉛筆に対してケシゴム、ボールペンに対して修正液というように、画像の修正によるハードコピーの再利用、即ち「リユース」が実用化されてきている。ここで紙質の劣化を極力防ぎ、同一目的に複数回使用する「リユース」は、紙質を落としながら他の目的に使用する「リサイクル」とは異なる概念である。「リユース」は紙資源の保護の観点からみればより重要な概念であり、「リサイクル」の前段階で適切な「リユース」が行われれば新たに必要な紙資源を最小限に抑えることができる。例えば近年、ハードコピー用紙のリユースを目的とした特殊紙であるリライタブルペーパーなどが提案されてきている。リライタブルペーパーの技術を用いると、使用による皺や折れ曲がりなどの紙の傷みを気にしなければ100回以上の「リユース」が可能であり、紙資源の利用効率は飛躍的に向上することになる。
しかし、リライタブルペーパーは特殊紙を使うために「リユース」はできても「リサイクル」に適さない技術であり、また熱記録以外の記録技術に適用が困難であるという欠点を有していた。
これに対し本発明者らは、呈色性化合物および顕色剤を含有する組成系に新たに消色剤を加えることにより、室温付近の温度で画像形成材料の消色状態が安定して存在できるようにし、熱や溶媒による処理で長期に消色状態を固定する画像形成材料や、画像消色プロセス、画像消色装置を開発し、現行技術に代わる紙のリユース技術として提案してきた。
本発明者らの提案した画像形成材料は、画像の発色・消色状態の安定性が高く、加えて材料的にも安全性が高く、また電子写真用トナー、液体インク、インクリボン、筆記用具全てに対応可能である。更に大規模消色処理が可能であるという従来の技術にないメリットを有している。
更に本発明者らは、「紙」の構成要素であるセルロースが消色剤の機能を有することを発見し、紙を被記録媒体に用いる限定用途においては、消色剤を含有しない画像形成材料でも、熱や溶媒による処理方法で消色可能であることを提案している。
例えば、呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂を含有する画像形成材料により、鮮明な画像を形成でき、しかも良好に画像を消色できることを開示している(特許文献1)。この画像形成材料は、所定の温度に加熱すると顕色剤が紙へ移動し、呈色性化合物が顕色剤の作用を受けなくなるため消色が可能になる。
消色可能な画像形成材料が発色濃度を得るためには、バインダー樹脂として電子供与性の極性基を実質的に含まない非極性樹脂(例えばポリスチレンやスチレン・ブタジエン共重合体など)もしくは電子供与性の極性基濃度が低いスチレン系共重合体(例えばアクリル基濃度の低いスチレン・ブチルアクリレート樹脂)を用いる必要がある。
最近トナー低温定着化の要望から、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂の適用が要求されるようになった。しかしポリエステル樹脂には多量の電子供与性極性基が含有されており、消色可能な画像形成材料に用いた場合には発色濃度の大幅低下を招くため適用が極めて困難であった。
特開2000−284520公報
本発明は上記問題を鑑み、発色性に優れた消色可能な画像形成材料を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の消色可能な画像形成材料はスチレン系非極性樹脂及びポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された呈色性化合物及び顕色剤とを含有する消色可能な画像形成材料であって、前記顕色剤は没食子酸エチルを含み、前記画像形成材料に対する前記没食子酸エチルの配合率が5wt%以上10wt%以下であることを特徴とする。
また、前記バインダー樹脂に対する前記ポリエステル樹脂の配合率が50wt%以上であることが好ましい。
また、前記呈色性化合物はクリスタルバイオレットラクトン及び2-アニリノ-6-(N-アルキル-N-アルキルアミノ)- 3- メチル-フルオランの形で表されるフルオラン化合物を含むことが好ましい。
本発明によれば、発色性に優れた消色可能な画像形成材料を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る消色可能な画像形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、バインダー樹脂とを含有する。この画像形成材料は、バインダー樹脂中に分散されている呈色性化合物と顕色剤とが相互作用することにより呈色性化合物が発色状態となる。このような画像形成材料を微粒子にすることで電子写真技術などにより紙上に鮮明な画像を形成できる。
また、本実施形態に係る画像形成材料は加熱により消去(消色)することが可能である。
画像形成材料の消色は、バインダー樹脂中で相互作用している呈色性化合物と顕色剤とが加熱によって相互作用しなくなることによる。顕色剤は加熱消色時に被記録媒体である紙へ移動する。移動した顕色剤は紙の構成するセルロースの水酸基と水素結合を形成するため、画像形成材料が消色状態となる。
消色可能な画像形成材料は、呈色性化合物と顕色剤とを分散させるバインダー樹脂中の極性基の含有量が低いほど発色濃度が高くなる。高い発色性及び高い消色コントラストを得るにはバインダー樹脂として非極性樹脂を用いることが好ましく、たとえばポリスチレン、ポリスチレン誘導体、スチレン共重合体が好適である。バインダー樹脂中に含まれる電子供与性極性基は呈色性化合物と顕色剤の相互作用体に作用してこれらの相互作用体の解離に寄与したり、また、顕色剤と相互作用して顕色剤を捕獲する機能を有するために画像形成材料中に呈色性化合物と相互作用できる顕色剤が減少したりする。従って電子供与性極性基が少ないバインダー樹脂を用いるのが画像形成材料の発色濃度を高くなるために好ましい。
一方で、トナーの低温定着化のためにバインダー樹脂としてポリエステル樹脂を適用しようとすると、ポリエステル樹脂には多量の電子供与性極性基が含有されているため、発色濃度の低下を招く。非極性樹脂の一部をポリエステル樹脂に置き換えるだけで発色濃度の大幅低下を招いてしまう。
しかし顕色剤として没食子酸エチルを用い、画像形成材料に対する没食子酸エチルの配合率が5wt%以上10wt%以下である場合にはバインダー樹脂にポリエステル樹脂を用いても発色濃度が維持できることを見出した。
(呈色性化合物)
本実施形態では、呈色性化合物はロイコ染料を使用する。ロイコ染料とは、酸化還元に伴って可逆的に色調が変化する有機色素で、ラクトン環を有するトリフェニルメタン型、フルオラン型、アザフタリド型の化合物などが挙げられる。
トリフェニルメタン型のロイコ染料としては、例えばクリスタルバイオレットラクトン(CVL)が挙げられる。フルオラン型のロイコ染料としては、例えば2-アニリノ-6-(N-アルキル-N-アルキルアミノ)- 3- メチル-フルオランの形で表記される黒系ロイコ染料もしくはその誘導体がある。具体的には、2-アニリノ-6-(N,N-ジエチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジプロピルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジペンチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジヘキシルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジオクチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジイソプロピルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジイソブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N,N-ジイソペンチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-エチルアミノ)- 3- メチル-フルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N- イソプロピルアミノ)- 3- メチル-フルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-- イソブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N- イソペンチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N- プロピルアミノ)- 3- メチル-フルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-- ブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-ペンチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-ヘキシルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-オクチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-エチル-N- プロピルアミノ)- 3- メチル-フルオラン、2-アニリノ-6-(N-エチル-N- イソブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-エチル-N- ペンチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-エチル-N- 2-メチルブチル)アミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-エチル-N- 2-エチルプロピル)アミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(N-エチル-N-ヘキシルアミノ)-3-メチルフルオランなどが挙げられる。
クリスタルバイオレットラクトンと2-アニリノ-6-(N-アルキル-N-アルキルアミノ)- 3- メチル-フルオランの形で表されるフルオラン化合物を含む二種以上のロイコ染料を混合することで、発消色に優れた画像形成材料を得ることが可能である。
(顕色剤)
また顕色剤は、前述した呈色性化合物と相互作用して呈色性化合物を発色させるものである。顕色剤はフェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類、リンゴ酸などの有機酸類が挙げられる。
本実施形態において顕色剤は没食子酸エチル、没食子酸n-プロピル、没食子酸 i-ブチルなど没食子酸エステル類を使用するが、画像形成材料として使用する顕色剤に対して10%以下であれば、その他の顕色剤を含んでいても良い。没食子酸エステル類を使用すると発色性に優れた画像形成材料を得ることができ、更に好ましくは没食子酸エチルを用いると消去性にも優れた画像形成材料を得ることができる。画像形成材料に対する没食子酸エチルの重量比率は5重量%以上10重量%以下である。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、画像形成材料作製時に呈色性化合物と顕色剤を分散させるものである。一方、加熱消去時には顕色剤が紙へと移動できる特性をもったものである。
本実施形態においてはスチレン系非極性樹脂及びポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂を用いる。
スチレン系非極性樹脂とはポリスチレン、ポリスチレン誘導体及びスチレンの共重合体を挙げることができる。ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、スチレンの共重合体を構成するスチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルステレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert--ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレン及び3,4-ジクロルスチレン等があげられる。特に、スチレンブタジエン共重合体ポリマーにα-メチルスチレン・スチレン共重合体オリゴマーをアロイ化した樹脂を用いると、発色性・消色性ともに優れた画像形成材料を得ることができる。
また、ポリエステル樹脂とは、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンイソフタレート樹脂などがあげられる。
本実施形態では、スチレン系非極性樹脂及びポリエステル樹脂がバインダー樹脂中の30重量%以上70重量%以下である場合に、顕色剤として没食子酸エチルを用いると、発色濃度が維持できることがわかった。30重量%未満である場合には低温定着化が困難になり、70%を超えると画像形成材料が十分に発色しないおそれがある。
また一般に、トナー用樹脂の熱特性は、軟化点、ガラス転移点の値で代表され、通常のトナーでは、軟化点が60〜190℃、ガラス転移点が20〜110℃のもの使用されるが、本実施形態に係る画像形成材料を用いる場合、バインダー樹脂に好適な熱特性は、軟化点は90〜150℃、ガラス転移点は55〜85℃である。軟化点及びガラス転移点が前述の温度よりも高いとトナーの定着温度が高温になり、定着時に消色する恐れがある。軟化点及びガラス転移店が低いとトナーの保存・安定性が悪くなる。軟化点はフローテスタなどにより測定することが可能であり、ガラス転移点はDSC(Differential Scanning Calorimeter:示差走査型熱量計)などで測定される。
ここで、軟化点はフローテスタ(島津製作所製CFT−500)を用いて、ノズル:1.0mmφ×10.0mm、荷重:30kg・f、昇温速度:3℃/min、サンプル量:1.0gの条件で、サンプル流出量が半分に達した時の温度(T1/2)、ガラス点移転はDSCで溶融急冷(メルトクエンチ)後、ショルダー値として求めた温度である。ショルダー値とは、比熱の変化の変曲点で、比熱が変わる前後の「始点と終点の中間点」を指す。
呈色性化合物と顕色剤はモル比で呈色性化合物:顕色剤=1:0.5〜20となるようにバインダー樹脂に配合される。呈色性化合粒と顕色剤との比率が0.5を下回ると十分な相互作用が得られずに発色性能が劣る。また、比率が20を超えて混合すると発色に寄与しない材料が増えて無駄になるだけでなく、物性に悪影響が生じる場合がある。
バインダー樹脂は画像形成材料を構成するマトリクスであり、後述する添加剤等の含有量によってその比率が変化するが、例えばトナーに使用する場合にはトナーに対して通常80wt%以上95wt%以下として用いる。80wt%より少ない場合には画像のこぼれが発生するなどトナーの定着性能に影響を与える場合がある。また、95wt%より多いと呈色性化合物と顕色剤との画像形成材料に対する割合が減り、発色性能に影響を与える場合がある。
(添加されるその他の材料)
本実施形態における画像形成材料をトナーの用途に適用する場合に、呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂以外に通常のトナーに使用されるような各種添加成分を含有させることができる。呈色性化合物、顕色剤およびバインダー樹脂以外に添加される各種の材料について説明する。
まず、トナーの帯電特性を調整するため、帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、消去した際に帯電制御剤の色が残らないことが良い。そのため、帯電制御剤は無色または透明であることが好ましいが、一般に使われる帯電制御剤のうち、負帯電の材料としてはオリエント化学のE−89(カリックスアレーン誘導体)、日本カーリットのN−1、N−2、N−3(ともにフェノール系化合物)、LR147(ホウ素系化合物)、藤倉化成のFCA−1001N(スチレンースルホン酸系樹脂)などを用いることができる。より好適な化合物として、E−89やLR147が例示される。正帯電の材料としては保土谷化学のTP−302(CAS#116810−46−9)、TP−415(同117342−25−2)、オリエント化学のP−51(4級アミン化合物)、AFP−B(ポリアミンオリゴマー)、藤倉化成のFCA−201PB(スチレンーアクリル四級アンモニウム塩系樹脂)などが挙げられる。
また、定着性を制御するためにワックス類などを配合してもよい。本実施形態の画像形成材料に用いるワックス類としては、呈色性化合物を発色することがない成分で構成されていることが好ましい。例えば、高級アルコール、高級ケトン、高級脂肪族エステル等を用いることが好ましく、酸価で規定するならば10mgKOH/g以下が良い。またこれらは、重量平均分子量が102〜105、更には102〜104のものを用いることがより好ましい。重量平均分子量がこのような範囲であれば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリブチレン、低分子量ポリアルカンなどを用いることも可能である。これらワックス類の添加量は、0.1〜30重量部、更には0.5〜15重量部が好ましい。なお、ヒートロール定着用トナーの場合ヒートロールからの離型性能を付与するために添加されるため、添加量が5重量部以内であることがよく、圧力定着用トナーの場合、画像形成材料の主成分としてこれらのワックスを用いることが可能で、マイクロカプセル構造にする場合芯の部分となる。
また、消去性能を向上を目的に可塑剤を配合してもよい。画像形成材料の消色は顕色剤が紙中の水酸基と結合するために生じるが、顕色剤の媒体中の拡散移動がその消色性能に影響する。可塑剤を添加してバインダー樹脂を適度に可塑化すると、分散力、双極子間力、水素結合等による顕色剤の移動阻害の低減がなされるため、より消去性能が向上する。
画像形成材料に添加する可塑剤としては、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール誘導体、ステアリン酸誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、ジフェニル誘導体が挙げられる。具体的にはジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、エチルヘキシルデシルフタレート、ジノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジアルリルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジブトキシエチルフタレート、メチルフタリルエチルグリコール、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジ−n−ブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ベンジル−n−ブチルアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ジブトキシエチルアジペート、ベンジルオクチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ−2−エチルヘキシル−4−チオアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジメチルセバケート、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート、ジノニルマレート、ジブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、n−オクチル,n−デシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、ジイソオクチル,モノイソデシルトリメリテート、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、メチルオレート、ブチルオレート、メトキシエチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレート、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート、n−ブチルステアレート、グリセリルモノステアレート、塩素化メチルステアレート、ベンゼンスルホンブチルアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−エチルーp−トルエンスルホンアミド、o−トルエンエチルスルホンアミド、p−トルエンエチルスルホンアミド、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリー(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ポリエチレングリコール、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。界面活性剤の種類によって最適添加量は微妙に異なるが、適正量はおおよそ0.5重量%以下である。特に効果が高いのはベンゼン環もしくは脂環構造を有するフタル酸誘導体、トリメリクエン酸誘導体などを添加するとよい。
本実施形態の画像形成材料においては更に、必要に応じて、流動性、保存性、耐ブロッキング性、感光体研磨性等を制御するための外添剤などを配合してもよい。外添剤としては、シリカ微粒子、金属酸化物微粒子、クリーニング助剤等を用いることが可能である。また、シリカ微粒子としては、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム等があげられる。金属酸化物微粒子としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等があげられる。クリーニング助剤としては、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粉末等があげられる。
これら外添剤は、疎水化などの表面処理が施されたものであっても良い。疎水化処理は、トナーとして使う場合に行われているもので、負帯電の場合は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤が使われる。また、正帯電の場合は、アミノシラン系、側鎖にアミンを有するシリコーンオイルなどの処理剤が使われる。外添剤の添加量は、トナー100重量部に対して0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3.0重量部を用いることが良い。また、トナーに使用される一次粒子の平均粒径は、シリカ微粒子では10〜20nmが一般的に用いられ、他に〜100nmの粒子も用いられる。シリカ以外の材料では、粒径が大きくなり、0.05〜3μmの平均粒径を持った粒子が一般的に用いられる。
トナーの粒径範囲は、体積平均径が6〜20μm、個数分布における5μm以下の含有量が2〜20個数%、体積分布における5μm以下の含有量が0〜5体積%、体積分布における20μm以上の含有量が0〜5体積%であるもの好ましい。これらの測定は、コールターマルチサイザー(コールター社)を用いて実施される。消色可能なトナーの導電率は、1011〜1016Ωcm、更に1013〜1015Ωが好適である。二成分現像の場合には、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどをシリコーンやアクリルなどの樹脂でコートしたキャリアが用いられる。これらのキャリアの導電率は、鉄粉で109Ωcm以下、フェライトで106〜1015Ωcm程度、マグネタイトで1013Ωcm以上の範囲、樹脂に50μm程度に粉砕した磁性粉を分散させたものでは1013Ωcm以上が好適である。導電性の測定は、トナーを20mm径、厚さ1mmの円盤型タブレットに打錠し、1V・1kHzの電位を印加して測定する。
消色可能な画像形成材料は、このような呈色性化合物、顕色剤、バインダー樹脂等を混合・分散して作られる。
呈色性化合物と顕色剤をバインダー樹脂に混合・分散する方法としては、高速ディゾルバ、ロールミル、ボールミル等の装置で、(消色剤を含む場合には非極性の)溶媒を用いた湿式分散法や、ロール、加圧ニーダー、インターナルミキサー、スクリュー型押し出し機二軸ロール、三本ロール等による溶融混練法などを用いることができる。また、混合手段としては、ボールミル、V型混合機、フォルバーグ、ヘンシェルミキサー等を用いることができる。
本発明による消色可能な画像形成材料の消去性能評価のために行った実験結果を以下に示す。
試料は呈色性化合物としてCVL(山田化学製ロイコ染料)及び2−アニリノ−6−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3−メチルフルオラン(山田化学製ロイコ染料:S205)、顕色剤として没食子酸エチル(EG)、ワックス成分としてポリプロピレンワックスを、帯電制御剤(日本カーリット社のLR−147)を、バインダー樹脂としてブタジエン重量比10重量%のスチレン−ブタジエン共重合体とα―メチルスチレン・スチレン共重合体オリゴマーとポリエステル樹脂(三井化学製XPE2007)を重量比で4:1:5の比率で配合して使用した。
それぞれの配合比は、呈色性化合物はCVLを3.65重量%及びS205を0.5重量%、ポリプロピレンワックスを1.0重量%、帯電制御剤としてLR−147を1重量%配合し、顕色剤としての没食子酸エチルは3重量%、5重量%、7重量%の場合を用意した。これらの残量をスチレン−ブタジエン共重合体とα―メチルスチレン・スチレン共重合体オリゴマーとポリエステル樹脂とを配合したバインダー樹脂とした。
各材料はヘンシェルミキサーで十分に混合した後、その混合物を3本ロールで混練・分散した(温度140℃)。さらに、混練物を粉砕機により平均粒径11.3±0.5μmの微粉体に加工して、青色の電子写真用トナーを得た。
この微粉体をミノルタ製色彩色差計CR300(粉体測定セルを利用)に供して粉体濃度を測定した。この粉体濃度は反射率の逆数の常用対数を求めた値である。呈色性化合物の発色状態が多いほど、高い粉体濃度が得られる。粉体濃度の測定結果を図1に示した。
さらに作成したトナーに疎水性シリカを全体の1重量%外添したものを作製した。これを東芝テック製MFP(e-studio 351)を用いて、コピー用紙上に数段階の画像IDを持つベタパターンを印刷し、それを消去性能の評価画像とした。熱消去は、恒温槽を用いて130℃、2hの条件で実施した。消去性能は、各評価紙について、横軸に熱消去前の[(元画像ID)−(紙のID)]、縦軸に熱消去後の[(残像ID)−(紙のID)]をプロットしたデータの回帰直線の傾きを測定し、数種の紙の相加平均値を消去率として採用した。この数値は、元画像に対して残像の濃さが何分の1にあたるかを示しており、その数値が小さいほど熱消去性能が高いことを意味している。例えば、熱消去率が0.05とは、画像濃度1.0の画像を熱消去した時に残る残像濃度が0.05であることを意味する。消去率を図2に示した。
(比較例1)
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂のみ、顕色剤として没食子酸エチルを7重量%用いたほかは、実施例1と同様にして電子写真用トナーを作製し、粉体濃度を測定し、図1に併記した。
実施例1のスチレン系樹脂とポリエステル樹脂を含むバインダーでは、3wt%(重量%)から7wt%の範囲でも単調増加傾向が維持された。一方で、トナー作製時に使用するバインダー樹脂の全量をポリエステル樹脂にした比較例1では、トナー重量に対する顕色剤の比率(wt%)を7wt%にしても、十分な発色濃度が得られていないことが分かる。
また図2より、実施例1では発色性に寄与する顕色剤(EG)が増加しても、3wt%から7wt%の範囲で消去率は単調に低下する結果が得られた。即ち、消去性は顕色剤の増加に伴ってより向上した。このようにスチレン系樹脂とポリエステル樹脂を含むバインダーのトナーでは、EGの最適配合量は5wt%以上であることが判明した。
一方で、トナーにはその定着性を確保する必要性から、画像形成材料に対するバインダー樹脂は必要最低限約80wt%含有させる必要がある。消色可能な画像形成材料の場合は、呈色性化合物、ワックス、帯電制御剤の成分の総含有量がおおよそ約10wt%であり、許容できる最大顕色剤含有量は、約10wt%であることが判る。
したがって、本発明のEG含有率範囲は5wt%以上10wt%以下である。
(参考例1)
バインダー樹脂としてスチレン・ブタジエン共重合体とα―メチルスチレン・スチレン共重合体オリゴマーを、重量比で4:1の比率で配合してバインダー樹脂とした以外は実施例1と同様にトナーを作製した。作製したトナーの粉体濃度を図1に併記した。
スチレン系樹脂バインダーを用いた参考例のトナーは、EG含有率が3wt%前後で最大濃度に至りそれ以上は濃くなることはない。
(参考例2)
顕色剤として、2,4-ジヒドロキシアセトフェノン、2,5-ジヒドロキシアセトフェノン、2,6-ジヒドロキシアセトフェノン、3,5-ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4-トリヒドロキシアセトフェノンなどヒドロキシアセトフェノン類、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンなどヒドロキシベンゾフェノン類は、スチレン系バインダー樹脂(スチレン−アクリレート系樹脂)では発色に優れていたが、ポリエステルバインダー樹脂を配合した組成では十分な呈色を示さず、ポリエステルを含有するトナー用顕色剤としては不十分な性能であった。
本実施形態に係る画像形成材料の粉体濃度を示す図 本実施形態に係る画像形成材料の消去率を示す図

Claims (3)

  1. スチレン系非極性樹脂及びポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された呈色性化合物及び顕色剤とを含有する消色可能な画像形成材料であって、
    前記顕色剤は没食子酸エチルを含み、前記画像形成材料に対する前記没食子酸エチルの配合率が5wt%以上10wt%以下であることを特徴とする消色可能な画像形成材料。
  2. 前記バインダー樹脂に対する前記ポリエステル樹脂の配合率が30wt%以上70wt%以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成材料。
  3. 前記呈色性化合物はクリスタルバイオレットラクトン及び2-アニリノ-6-(N-アルキル-N-アルキルアミノ)- 3- メチル-フルオランの形で表されるフルオラン化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成材料。
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