JP3472144B2 - 消去可能な画像形成材料 - Google Patents

消去可能な画像形成材料

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JP3472144B2 JP18513198A JP18513198A JP3472144B2 JP 3472144 B2 JP3472144 B2 JP 3472144B2 JP 18513198 A JP18513198 A JP 18513198A JP 18513198 A JP18513198 A JP 18513198A JP 3472144 B2 JP3472144 B2 JP 3472144B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、複写
機、FAXなどの電子写真や、熱転写記録に用いられ、
画像を形成した後に消去することができる画像形成材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーションが普及
するにつれ、各種の情報量が著しく増大し、それに合わ
せて情報の出力も増大している。情報の出力は、ディス
プレイ出力、およびプリンターによる紙へのハードコピ
ー出力に代表される。ディスプレイ出力は、表示部に大
規模な回路基板が必要となるため、携帯性およびコスト
の観点から問題がある。一方、ハードコピー出力は、最
も基本的な情報表示手段であり、汎用性と保存性に優れ
ている。しかし、ハードコピー出力では、情報が増加す
ると記録媒体としての紙を大量に使用することになるの
で、紙の原料となる木材の伐採の増加につながる。森林
資源は地球環境の維持および炭酸ガスによる温室効果の
抑制の観点から非常に重要な意味を持つ。このため、新
たな木材の伐採を最低限に抑え、現在すでに保有してい
る紙資源を効率的に活用することが大きな課題となって
いる。
【0003】従来、紙資源の再利用(リサイクル)は、
画像形成材料が印刷された紙を多量の漂白剤と水を用い
て処理し、紙繊維を漉き直して紙質の悪い再生紙を製造
することにより行われている。このような方法は、再生
紙のコストを高騰させるうえに、廃液の処理に伴う新た
な環境汚染の原因となる。
【0004】これに対して本発明者らは、呈色性化合
物、顕色剤およびこれらの化合物と相溶性のある消色剤
を含有し、通常の画像形成材料と同様に画像を形成する
ことができ、しかも熱または溶媒で処理することにより
画像の消去が可能な画像形成材料の開発を進めている。
こうした消去可能な画像形成材料を用いれば、紙質の劣
化を極力防ぎながら、画像を消去して白紙状態に戻した
紙を何度も繰り返して再使用(リユース)することがで
きる。そして、リユースによる紙質の低下が著しくなっ
た時点でリサイクルすればよいので、紙資源の利用効率
が飛躍的に向上する。こうして実質的な紙の使用量を減
らすことができるので、木材の伐採を最小限に抑えるこ
とができる。しかも、現行のリサイクルシステムで問題
となる再生紙のコスト高や廃液処理による環境汚染も極
力避けることができる。
【0005】ところで、本発明者らの研究によれば、呈
色性化合物、顕色剤、消色剤、バインダーなどを含有す
る消去可能な画像形成材料では、特に消色剤とバインダ
ーとの相溶性が悪い場合に消色剤の分散が不良となり、
消去むらが生じる原因になることがわかってきた。たと
えば溶媒を用いて消去する際に、画像形成材料が流れた
跡や不均一な剥離が生じ、画像を良好に消去できないこ
とがある。逆に、使用環境によっては、形成された画像
の濃度が低下して画像を安定に維持できないこともあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
形成材料を構成する他の材料との相溶性が悪い消色剤を
用いた場合にも分散不良を解消することができ、良好な
消去状態を得ることができる消去可能な画像形成材料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の消去可能な画像
形成材料は、呈色性化合物と、顕色剤と、コール酸、コ
ール酸の誘導体、リトコール酸、リトコール酸の誘導
体、テストステロン、テストステロンの誘導体、コルチ
ゾン、コルチゾンの誘導体、及び環式糖アルコールから
なる群より選択される消去剤の官能基が保護基で保護さ
れた少なくとも1種の消色剤前駆体とを含有することを
特徴とする。 本発明の他の消去可能な画像形成材料
は、呈色性化合物と、顕色剤と、消色剤と、官能基が保
護基で保護された、消色助剤として作用する高分子化合
物の前駆体とを含有することを特徴とする。この場合、
消色助剤として作用する高分子化合物が、バインダーと
共重合しており、その官能基が保護基で保護されていて
もよい。
【0008】本発明において、消色剤や消色助剤に導入
されている保護基は、加熱、光照射、または塩基性物質
との接触により解離することが好ましい。本発明におい
ては、バインダーなどの他の成分との相溶性が悪い消色
剤や消色助剤でも、保護基を導入することにより良好な
相溶性を示すようになるので、消色剤や消色助剤の分散
性が向上する。このような消色剤または消色助剤の前駆
体は、保護基が解離すると、良好な分散状態を保ったま
ま消色作用を発現する。したがって、画像の消去過程に
おいて分散不良に基づく消去むらを防ぐことができる。
また、消色剤または消色助剤の前駆体は保護基が解離す
るまでは消色作用を示さないので、比較的過酷な使用環
境でも画像を安定に維持できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の消去可能な画像形成材料
は、呈色性化合物と、顕色剤と、保護基が導入された消
色剤の前駆体とを組み合わせて、印刷後に消去を可能に
するものである。
【0010】本発明の画像形成材料は様々な形態で使用
することができる。たとえば、サーマルプリンターのイ
ンク;インクジェットプリンターのインク;コピー機
(PPC)およびレーザープリンターなどのトナー;ス
クリーン印刷や活字印刷などの印刷インク;ボールペン
や万年筆などの筆記用具のインクとして用いることがで
きる。サーマルプリンターのインクは、呈色性化合物、
顕色剤、消色剤前駆体、ワックスなどを混合してプラス
チックシートに塗布して使用される。インクジェットプ
リンタのインクは、呈色性化合物、顕色剤、消色剤前駆
体などを溶媒に分散させて使用される。トナーは、呈色
性化合物、顕色剤、消色剤前駆体、バインダーなどを含
む組成物を粉砕することにより調製される。本発明の画
像形成材料を用いれば、多様な紙に印刷することができ
る。
【0011】本発明の画像形成材料を構成する基本的な
成分の作用について概略的に説明する。呈色性化合物と
は文字や図形などの着色情報を形成する色素の前駆体化
合物であり、顕色剤とは呈色性化合物との相互作用(主
に電子またはプロトンの授受)により呈色性化合物を着
色させる化合物である。また、保護基がはずれた状態の
消色剤は、溶融時または溶媒の存在下に顕色剤および呈
色性化合物のうち一方を優先的に相溶性を示す性質を有
する化合物である。
【0012】これらの3成分は、固化したときに、以下
に示す2つの状態を取り得る。すなわち、(1)消色剤
が平衡溶解度に相当するだけの量の呈色性化合物および
顕色剤と混合し、消色剤への平衡溶解度を超える余剰の
呈色性化合物および顕色剤が消色剤と相分離して、呈色
性化合物と顕色剤とが相互作用により発色した状態、お
よび(2)消色剤が顕色剤または呈色性化合物を平衡溶
解度を超えて多量に取り込み、呈色性化合物と顕色剤と
の相互作用が減少して消色した状態、である。
【0013】この発色状態と消色状態との間の状態変化
は以下のような原理でなされる。ここでは、上記の組成
系が溶融して流動状態にあるときに、消色剤が顕色剤を
優先的に溶解すると想定して説明する。室温において
は、呈色性化合物および顕色剤の相と消色剤の相とが相
分離した状態が平衡状態に近い。この場合、呈色性化合
物と顕色剤とが互いに相互作用して発色状態となってい
る。この状態から、組成系を融点以上に加熱すると、顕
色剤が流動状態の消色剤に優先的に溶解し、呈色性化合
物との相互作用を失うため消色状態になる。溶融状態に
ある組成系を急冷することによって強制的に固化する
と、消色剤は平衡溶解度を越えた量の顕色剤を取り込ん
で非晶質化し、室温で無色になる。非晶質の組成系は、
相対的には非平衡な状態にあるが、ガラス転移点Tg以
下の温度では十分長寿命であり、Tgが室温以上である
ならば非晶質状態から容易に平衡状態に移ることはな
い。
【0014】また、呈色性化合物、顕色剤、および消色
剤の3成分を含有する画像形成材料に溶媒を作用させた
場合にも、上記と同様な原理で発色状態から消色状態へ
と変化させることができる。
【0015】本発明の画像形成材料中の呈色性化合物、
顕色剤および消色剤前駆体の好ましい配合比は以下の通
りである。顕色剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に
対して0.1〜10重量部、さらには1〜2重量部に設
定することが好ましい。顕色剤が0.1重量部未満の場
合には、呈色性化合物と顕色剤との相互作用による画像
形成材料の発色が不十分になる。顕色剤が10重量部を
超える場合には両者の相互作用を十分に減少させること
が困難となる。消色剤前駆体の配合比は、呈色性化合物
1重量部に対し1〜200重量部、さらには10〜10
0重量部に設定することが好ましい。消色剤前駆体が1
重量部未満では、画像形成材料の発色状態と消色状態と
の間の状態変化を起こさせることが困難になる。消色剤
前駆体が200重量部を超えると、画像形成材料の発色
が不十分になる。
【0016】次に、本発明の画像形成材料の成分として
用いることができる具体的な化合物について説明する。
本発明で用いられる呈色性化合物としては、ロイコオー
ラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビ
ノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン
類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピ
ラン類、フルオラン類などの電子供与性有機物が挙げら
れる。
【0017】具体的な呈色性化合物として、クリスタル
バイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーン
ラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルア
ミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフ
ェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−ク
ロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N
−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−ア
ニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラ
ン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオ
ラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラ
ン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N
−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−ビス(ジエチ
ルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロアニリノ)
ラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラ
ン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−
ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ジ
メチルエトキシフルオラン、3,6−ジエチルアミノ−
6−メトキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、AT
P、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブ
チルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビ
ノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2,
3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾ
イルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチル
オーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニル
イミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリ
ン、N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピ
ラン、8’−メトキシ−N,3,3−トリメチルインド
リノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベン
ジルオキシフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチル
アミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,
5−ジメチルフルオラン、フェニルヒドラジド−γ−ラ
クタム、3−アミノ−5−メチルフルオランなどが挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上を混合して用
いることができる。呈色性化合物を適宜選択すれば多様
な色の発色状態が得られることから、マルチカラー対応
が可能である。
【0018】本発明で用いられる顕色剤としては、フェ
ノール、フェノール金属塩、カルボン酸金属塩、ベンゾ
フェノン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸
金属塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩、亜リン酸、亜リン酸金属塩などの酸性化合物が挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上を混合して用
いることができる。
【0019】本発明において用いられる保護基を有する
消色剤は、保護基が解離したときに顕著な消色作用を示
す。この保護基は、消色剤が画像形成材料を構成する顕
色剤や呈色性化合物と相溶して消色作用を発揮するため
に最も重要な役割を果たすヒドロキシル基やカルボキシ
ル基などの官能基を保護する置換基である。ここではま
ず、保護基で保護されていない消色剤について説明す
る。消色剤は、非晶質状態にあるときに無色性が良好で
あることが望ましい。消色剤が非晶質状態で無色透明で
あるほど、画像形成材料を消色した時に紙を元の白紙に
近い状態に戻すことができる。このような性質が要求さ
れるので、消色剤は、分子量が大きく、重量当りの結晶
の融解エンタルピ変化ΔHが小さく、最大結晶成長速度
MCVの小さい化合物であることが好ましい。消色剤の
結晶の融解エンタルピー変化ΔHが小さいと、その結晶
の融解に要する熱エネルギー量が少量となるので、省エ
ネルギーの点でも好ましい。また、消色剤に対する顕色
剤の溶解度を高めるためには、消色剤は顕色剤との親和
性が高いことが好ましく、例えばアルコール性ヒドロキ
シル基を有する化合物が好適である。消色状態にある組
成系の保存安定性の観点からは、組成系のガラス転移点
Tgは少なくとも室温(25℃)以上であることが必要
となり、さらに50℃以上であることが好ましい。この
条件を満たすためには、消色剤のガラス転移点も少なく
とも室温(25℃)以上、さらに50℃以上であること
が好ましい。一方、消色剤の結晶化温度は、組成系のガ
ラス転移点Tgと融点Tmとの間の温度範囲にある。こ
のため、消去を高速化するためには、消色剤のガラス転
移点は150℃以下であることが好ましい。これらの条
件を満たす、好ましい消色剤としては以下の(a)〜
(c)のような化合物が挙げられる。
【0020】(a)ステロール化合物。ステロール化合
物の具体例としては、コレステロール、スチグマステロ
ール、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオー
ル、エストラジオール ベンゾエート、エピアンドロス
テン、ステノロン、β−シトステロール、プレグネノロ
ン アセテート、β−コレスタロール、5,16−プレ
グナジエン−3β−オール−20−オン、5α−プレグ
ネン−3β−オール−20−オン、5−プレグネン−3
β,17−ジオール−20−オン 21−アセテート、
5−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オン
17−アセテート、5−プレグネン−3β,21−ジオ
ール−20−オン 21−アセテート、5−プレグネン
−3β,17−ジオール ジアセテート、ロコゲニン、
チゴゲニン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニ
ンおよびその誘導体が挙げられる。これらの消色剤は単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0021】なお、(a)の消色剤を用いた場合、非晶
質状態にある組成系をガラス転移点を超える温度まで加
熱すると、顕色剤の拡散速度が急激に高まり、平衡状態
へ戻る方向に顕色剤と消色剤との相分離運動が加速され
る。そして、組成系を結晶化温度以上融点未満の温度に
加熱した後に室温まで徐冷すると、より平衡状態に近く
安定な相分離状態となり発色状態に戻る。したがって、
(a)の消色剤を用いた組成系は、原理的には発色状態
と消色状態とを可逆的に繰り返すことができる。この意
味で、(a)の消色剤は「可逆性消色剤」といえる。た
だし、本発明の消去可能な画像形成材料は、画像を形成
した後に消去できればよく、本質的に可逆性は要求され
ない。
【0022】(b)コール酸、リトコール酸、テストス
テロンおよびコルチゾン、ならびにこれらの誘導体。具
体例としては、コール酸、コール酸メチルエステル、コ
ール酸ナトリウム、リトコール酸、リトコール酸メチル
エステル、リトコール酸ナトリウム、ヒドロキシコール
酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、ヒオデオキシ
コール酸、ヒオデオキシコール酸メチルエステル、テス
トステロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキ
シメチルテストステロン、ヒドロコルチゾン、コレステ
ロールメチルカーボネート、α−コレスタノールが挙げ
られる。これらのうちでも特に2個以上のヒドロキシル
基を有するものが好ましい。
【0023】(b)の消色剤は、(a)の消色剤と比べ
て、溶融時に顕色剤との親和性が強く相溶性が非常に高
い。しかも、(b)の消色剤は非晶質性が高いため、組
成系が固化した後にも相分離を起こしにくい。この意味
で、(b)の消色剤は「相溶性消色剤」といえる。した
がって、(b)の消色剤を用いた組成系では、より安定
な消色状態を得ることができる。
【0024】(c)1個以上のヒドロキシル基を有する
5員環以上の非芳香族系の環状化合物。なお、これらの
化合物の融点は50℃以上であることが好ましい。具体
例としては、脂環式1価アルコール(例えばシクロドデ
カノール)、脂環式2価アルコール(例えば1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオー
ル、1,2−シクロドデカンジオール)、糖類およびそ
の誘導体(例えばグルコース、サッカロース)、環状構
造を有するアルコール類(例えば1,2:5,6−ジイ
ソプロピリデン−D−マンニトール)が挙げられる。
【0025】(c)の消色剤は単独で用いてもよいが、
特に(a)の消色剤とともに用いた場合に効果的であ
る。すなわち、(c)の消色剤は(a)の消色剤との親
和性が強く、固化した後にも相分離を起こしにくい。こ
の意味で(c)の消色剤を「相分離抑制性消色剤」また
は「相分離抑制剤」と呼ぶことがある。(c)の消色剤
を用いた場合にも、より安定な消色状態を得ることがで
きる。
【0026】上述した(c)の消色剤すなわち相分離抑
制剤はさらに2種に分類できる。すなわち、(c1)融
点およびガラス転移点が比較的高く、常温において非晶
質になりやすい化合物(高非晶質性の相分離抑制剤)
と、(c2)融点およびガラス転移点が比較的低いため
常温において非晶質になりにくく微結晶を形成すること
がありうるが、流動状態で顕色剤との相溶性が非常に高
い化合物(低非晶質性の相分離抑制剤)である。
【0027】呈色性化合物、顕色剤および高非晶質性の
相分離抑制剤を含有する画像形成材料を加熱・冷却した
ときの画像濃度の変化を説明する。室温で発色状態にあ
る画像形成材料を高非晶質性の相分離抑制剤の融点以上
に加熱すると、顕色剤が高非晶質性の相分離抑制剤に溶
解し、呈色性化合物との相互作用を失うため消色状態に
なる。溶融状態にある画像形成材料を冷却して固化する
と、高非晶質性の相分離抑制剤は平衡溶解度を越えた量
の顕色剤を取り込んで非晶質化して室温で消色する。こ
のように高非晶質性の相分離抑制剤は単独でも消色剤と
して機能する。しかも、高非晶質性の相分離抑制剤は室
温で非晶質になりやすいので、長時間にわたって消色状
態を維持することができる。ただし、流動状態で顕色剤
との相溶性がそれほど良好でない場合には、発色状態と
消色状態で画像濃度の顕著な変化が得られないおそれが
ある。
【0028】呈色性化合物、顕色剤および低非晶質性の
相分離抑制剤を含有する画像形成材料を加熱・冷却した
ときの画像濃度の変化を説明する。室温で発色状態にあ
る画像形成材料を低非晶質性の相分離抑制剤の融点以上
に加熱すると、相当量の顕色剤が低非晶質性の相分離抑
制剤に溶解し、呈色性化合物との相互作用を失うため消
色状態になる。しかし、溶融状態にある画像形成材料を
冷却して固化しても、低非晶質性の相分離抑制剤は非晶
質になりにくく微結晶化することもあるため、画像形成
材料は元の発色状態に戻る。このように低非晶質性の相
分離抑制剤は単独では消色剤として機能しない。
【0029】以上の挙動からわかるように、消色剤とし
て高非晶質性の相分離抑制剤および低非晶質性の相分離
抑制剤の両方を用いれば、両者の長所を生かすことがで
きる。呈色性化合物、顕色剤ならびに高非晶質性および
低非晶質性の相分離抑制剤を含有する画像形成材料を加
熱・冷却したときの画像濃度の変化を説明する。室温に
おいては、呈色性化合物、顕色剤および低非晶質性の相
分離抑制剤の混合物相と高非晶質性の相分離抑制剤の相
とが相分離した状態で画像が形成される。組成系を低非
晶質性の相分離抑制剤の融点以上に加熱すると、顕色剤
が流動状態の低非晶質性の相分離抑制剤に溶解して、呈
色性化合物との相互作用を失うため消色する。さらに、
組成系を高非晶質性の相分離抑制剤の融点以上に加熱す
ると、顕色剤および低非晶質性の相分離抑制剤が高非晶
質性の相分離抑制剤に溶解した状態になる。溶融状態の
組成系を冷却して固化すると、高非晶質性の相分離抑制
剤の作用により、低非晶質性の相分離抑制剤は平衡溶解
度を越えた量の顕色剤を取り込んだまま非晶質化するた
め、室温で消色する。高非晶質性の相分離抑制剤は非晶
質性が高いため、低非晶質性の相分離抑制剤の結晶化を
さまたげ、組成系の相分離を抑制する。したがって、画
像形成材料の消色状態を非常に安定に維持することがで
きる。
【0030】好適な高非晶質性の相分離抑制剤は環式糖
アルコールである。具体例としては、D−グルコース、
D−マンノース、D−ガラクトース、D−フルクトー
ス、L−ソルボース、L−ラムノース、L−フコース、
D−リボデソース、α−D−グルコース=ペンタアセテ
ート、アセトグルコース、ジアセトン−D−グルコー
ス、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−グル
コサミン、D−フルクトサミン、D−イソ糖酸、ビタミ
ンC、エルトルビン酸、トレハロース、サッカロース、
マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクト
ース、メリビオース、ラフィノース、ゲンチアノース、
メレジトース、スタキオース、メチル=α−グルコピラ
ノシド、サリシン、アミグダリン、オイキサンチン酸が
挙げられる。これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0031】好適な低非晶質性の相分離抑制剤は、環式
糖アルコール以外のヒドロキシル基を有する5員環以上
の非芳香族環式化合物または環式糖アルコールの誘導体
であり、代表的にはテルペンアルコールである。具体例
としては、脂環式1価アルコール、たとえばシクロドデ
カノール、ヘキサヒドロサリチル酸、メントール、イソ
メントール、ネオメントール、ネオイソメントール、カ
ルボメントール、α−カルボメントール、ピペリトー
ル、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テ
ルピネオール、1−p−メンテン−4−オール、イソプ
レゴール、ジヒドロカルベオール、カルベオール;脂環
式多価アルコール、たとえば1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,2−シクロヘキサンジオール、フロログル
シトール、クエルシトール、イノシトール、1,2−シ
クロドデカンジオール、キナ酸、1,4−テルピン、
1,8−テルピン、ピノールヒドラート、ベツリン;多
環式アルコール誘導体、たとえばボルネオール、イソボ
ルネオール、アダマンタノール、ノルボルネオール、フ
ェンコール、ショウノウ;環式糖アルコールの誘導体、
たとえば1,2:5,6−ジイソプロピリデン−D−マ
ンニトールが挙げられる。これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。
【0032】また、極性の高いポリマー(またはオリゴ
マー)は消色作用を示し、単独で消色剤として機能する
か、または上述した低分子消色剤の消色助剤として作用
する。極性の高いポリマー(またはオリゴマー)の具体
例としては、セルロース、たとえばニトロセルロース、
エチルセルロース、メチルセルロース、アセチルセルロ
ースなど;でんぷんのような植物性の炭水化物;ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸;ポリビフェニルアクリレ
ート;ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド;ポ
リビニルエステル、たとえばポリ酢酸ビニルなど;ポリ
フェニレン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケト
ン;ポリスルホン;ポリアミド;ポリベンズイミダゾー
ル;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィ
ド;ポリカーボネート;ポリジビニルベンゼン;メラミ
ン樹脂;共重合体中の極性モノマーの重量比が20wt
%以上である、スチレン・アクリレート共重合体、スチ
レン・アクリル酸共重合体、スチレン・メタクリル酸共
重合体、スチレン・エポキシ変性スチレン共重合体など
が挙げられる。なお、スチレン・アクリレート共重合体
に用いられるアクリレートモノマーとしては、例えばn
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、N−(エトキシメチル)アクリルアミ
ド、エチレングリコールメタクリレート、4−ヘキサフ
ルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0033】本発明においては、上述したような消色剤
または消色助剤の官能基を保護する保護基を導入する。
この保護基としては、画像形成材料を構成する成分のう
ち特にバインダーとの相溶性を向上させる性質を有する
ものを選択することが好ましい。これらの保護基は、加
熱、光照射、または塩基性物質との接触により解離す
る。保護基が解離すると、消色剤または消色助剤の本来
有している官能基(たとえばヒドロキシル基やカルボキ
シル基)が現われ、顕色剤または呈色性化合物に対する
相溶性が向上し、消色作用を示すようになる。この意味
で、保護基を有する消色剤(または消色助剤)は、潜在
性消色剤(または消色助剤)といえる。
【0034】ヒドロキシル基に対する保護基としては、
メトキシメチル エーテル、2−メトキシエトキシメチ
ル エーテル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル エ
ーテル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル エ
ーテル、テトラヒドロピラニル エーテル、4−メトキ
シテトラヒドロピラニル エーテル、4−メトキシテト
ラヒドロチオピラニル エーテル、テトラヒドロフラニ
ル エーテル、1−エトキシエチル エーテル、1−メ
チル−1−メトキシエチル エーテル、1−(イソプロ
ピル)エチル エーテル、2−(フェニルセレニル)エ
チル エーテル、アリル エーテル、5−ジベンゾスベ
リル エーテル、トリフェニルメチルエーテル、トリメ
チルシリル エーテル、トリエチルシリル エーテル、
イソプロピルジメチルシリル エーテル、トリベンジル
シリル エーテル、トリ−p−キシリルシリル エーテ
ル、トリフェニルシリル エーテル、ギ酸 エステル、
アセテート エステル、クロロアセテート エステル、
ジクロロアセテート エステル、トリクロロアセテート
エステル、メトキシアセテート エステル、トリフェ
ニルメトキシアセテート エステル、p−クロロフェノ
キシアセテートエステル、2,6−ジクロロ−4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシア
セテート エステル、2,6−ビス−(1,1−ジメチ
ルブチル)フェノキシアセテート エステル、クロロジ
フェニルアセテート エステル、モノスクシノエート
エステル、ピバロエート エステル、アダマントエート
エステル、クロトネート エステル、4−メトキシク
ロトネート エステル、(E)−2−メチル−2−ブテ
ノエート エステル、ベンゾエート エステル、アルキ
ル メチル カーボネート、アルキル エチル カーボ
ネート、アルキル ビニル カーボネート、アルキル
p−ニトロフェニル カーボネート、アルキルN−イミ
ダゾリル カーボネート、ボレート エステル、ニトレ
ート エステル、1,3−(1,1,3,3−テトライ
ソプロピルジシロキサニリデン)誘導体、環状カーボネ
ート、環状ボロネートなどが挙げられる。
【0035】カルボキシル基に対する保護基としては、
トリメチルシリル エステル、tert−ブチルジメチ
ルシリル エステル、メチル エステル、プロピル エ
ステル、tert−ブチル エステル、N−フタルイミ
ドメチル エステル、2−(トリメチルシリル)エチル
エステル、2−メチルチオエチル エステル、2−
(p−トルエンスルホニル)エチル エステル、トリフ
ェニルメチル エステル、o−ニトロベンジル エステ
ル、p−ニトロベンジル エステル、2,4−ジニトロ
フェニルスルフェニル エステルなどが挙げられる。
【0036】保護基のうちエーテル、シリル エーテル
およびシリル エステルは、加熱されたときに画像形成
材料に含まれる弱酸性成分の助けにより解離して脱保護
が行われる。また、溶媒で消去する過程で画像形成材料
に含まれる弱酸性成分が拡散することによりこれらの保
護基が解離することもある。
【0037】保護基のうちエステル、ボレート エステ
ル、カーボネート、シロキサニリデン誘導体およびボロ
ネートは、塩基性条件下で解離して脱保護が行われる。
画像形成材料を塩基性にするには後述するような塩基性
物質が用いられる。
【0038】保護基のうちニトレート エステルおよび
o−ニトロベンジル エステルは、光照射により解離し
て脱保護が行われる。この場合、溶媒または熱による画
像消去の工程において光を照射するなど、光照射の工程
を追加すればよい。
【0039】なお、本発明においては、消色剤(または
消色助剤)を加熱により破壊されるマイクロカプセルに
封入して用いることにより、保護基を導入した消色剤
(または消色助剤)の前駆体と同様な機能を持たせるこ
とができる。
【0040】上述したようにエステルなどの保護基を解
離するために用いられる塩基性物質について説明する。
なお、塩基性物質は、バインダー中に含まれる未反応の
カルボン酸やフェノール性ヒドロキシル基の影響を低減
する目的でも用いられる。また、塩基性物質を用いれ
ば、pHが8より小さい紙に画像を形成した場合でも、
弱酸性環境の影響を避けることができる。このような塩
基性物質は特に限定されず、無機化合物でも有機化合物
でもよい。また、塩基性物質は画像形成材料に直接添加
してもよいし、マイクロカプセルに封入した形態で添加
してもよい。
【0041】好適な無機化合物としては、塩化カルシウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸アン
モニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属のホ
ウ酸塩、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リ
ン酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナ
トリウムが挙げられる。
【0042】好適な有機化合物としては、第1級〜第3
級アミンや第4級アンモニウム塩が挙げられる。第4級
アンモニウム塩の対イオンとしては、ヒドロキシルイオ
ン、ハロゲンイオン、アルコキシドイオンなどが挙げら
れる。
【0043】非芳香族系のアミンまたはアンモニウム塩
としては、炭素数が1〜50の脂肪族炭化水素基または
炭素数が1〜50の脂環式炭化水素基を有するものが挙
げられる。これらの炭化水素基は、ビニル基、エチニレ
ン基、エチニル基、オキシ基、オキシカルボニル基、チ
オカルボニル基、ジチオカルボニル基、チオ基、スルフ
ィニル基、スルホニル基、カルボニル基、ヒドラゾ基、
アゾ基、アジド基、ニトリロ基、ジアゾアミノ基、イミ
ノ基、尿素結合、チオ尿素結合、アミド結合、ウレタン
結合、カルボニルジオキシ基から選択される少なくとも
1個の置換基で置換されていてもよい。
【0044】芳香族系のアミンまたはアンモニウム塩と
しては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、テ
トラロン環、アントラセン環、フェナントレン環、イン
デン環、インダン環、ペンタレン環、アズレン環、ヘプ
タレン環、フルオレン環などの芳香環を有するものが挙
げられる。これらの芳香環は炭素数が1〜50の脂肪族
炭化水素基や炭素数が1〜50の脂環式炭化水素基で置
換されていてもよい。さらにこれらの炭化水素基が、上
述した置換基で置換されていてもよい。
【0045】環状アミンとしては、アジリジン、アゼチ
ジン、ピロリン、ピロリジン、インドリン、ピリジン、
ピペリジン、ヒドロピリジン、キノリン、イソキノリ
ン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリ
ン、アクリジン、フェナントリジン、フェナントロリ
ン、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、ピリダジン、ピ
リミジン、ピラジン、イミダゾール、ヒスタミン、デカ
ヒドロキノリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イミダゾ
リジン、ピペラジン、シンノリン、フタラジン、キナゾ
リン、キノサリン、ジヒドロフェナジン、トリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール、トリアジン、テトラゾール、
ペンタメチレンテトラゾール、テトラジン、プリン、プ
テリジン、カルボリン、ナフチリジン、インドリジン、
キノリジン、キヌクリジン、オキサゾール、オキサゾリ
ジン、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、アント
ラニル、オキサジン、オキサゾリン、チアゾール、チア
ゾリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、イソ
チアゾール、チアジン、アゾキシム、フラザン、オキサ
ジアジン、チアジアゾール、ベンゾチアジアゾール、チ
アジアジン、ジチアジン、モルホリン、ヘキサメチレン
テトラミン、ジアザビシクロウンデセンなどが挙げられ
る。
【0046】上記以外で用いることができる有機塩基性
物質としては、アルコールのアルカリ金属塩、アルコー
ルのアルカリ土類金属塩、アミジン、グアニジン、アミ
ノグアニジン、尿素、チオ尿素、セミカルバジド、チオ
セミカルバジド、カルボノヒドラジドが挙げられる。
【0047】本発明の画像形成材料において使用可能な
バインダーとしては、以下のようなものが挙げられる。
たとえば、ポリスチレンホモポリマー、ポリエステル、
エポキシ樹脂、水素添加スチレン樹脂、スチレン・イソ
ブチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体、
スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル・アクリルゴム・スチレン三元共重合体、アクリロニ
トリル・塩素化ポリスチレン・スチレン三元共重合体、
アクリロニトリル・EVA・スチレン三元共重合体、ス
チレン・p−クロロスチレン共重合体、スチレン・プロ
ピレン共重合体、スチレン・ブタジエンゴム共重合体、
スチレン・イソブチレン共重合体などが挙げられる。こ
れらの他に、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テル
ペン樹脂、脂肪酸または脂環式炭化水素樹脂、芳香族石
油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどを
混合してもよい。
【0048】なお、上述した消色助剤として作用する極
性の高いポリマー(またはオリゴマー)は、バインダー
と共重合させた状態でその官能基を保護基で保護しても
よい。
【0049】また、バインダーとしてポリエステルやエ
ポキシ樹脂を用いる場合には、未反応のカルボン酸やフ
ェノール性ヒドロキシル基などの弱酸性成分が含まれて
いるので、良好な画像消去状態を達成するためには、上
述したように塩基性物質を併用することが好ましい。
【0050】本発明においては、消色剤、消色助剤、塩
基性物質などをマイクロカプセルに封入した状態で画像
形成材料の他の成分と混合してもよい。マイクロカプセ
ルのシェル材料としては、加熱により破壊される材料が
選択される。マイクロカプセルが破壊する温度は120
〜200℃であることが好ましい。好適な材料として
は、ポリエーテルケトン、エポキシ樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、ポリス
チレン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリシロキサ
ン、ポリビニルアセテート、アラビアゴム、ポリビニル
ピロリドン、ポリスルホン、ポリイソシアネート、ポリ
ピロール、キトサン、コラーゲン、ポリアミノ酸などが
挙げられる。これらは単独で用いてもよいし混合して用
いてもよい。また、これらの共重合体を用いてもよい。
好適なマイクロカプセルの粒径は画像形成材料の用途に
応じて異なるが、トナー、熱転写インク、筆記用インク
の場合には1〜5μm、インクジェットプリンター用イ
ンクの場合にはノズルのサイズ以下の100〜1000
nmとすることが好ましい。
【0051】本発明において、発色した画像形成材料を
消去するには、画像形成材料を加熱および融解して消去
する方法と、画像形成材料を溶媒に接触させて消去する
方法がある。
【0052】画像形成材料を加熱する方法では、任意の
加熱手段たとえばサーマルプリンターヘッド(TP
H)、レーザーヘッド、サーマルバー、ホットスタン
プ、ヒートローラー、ヒートガン、温風配風機、加熱ラ
ンプなどを適用できる。
【0053】画像形成材料を溶媒に接触させる方法で
は、紙を溶媒に浸漬させるか、または溶媒を紙に噴霧す
る。このための手段としては、容器に収容した溶媒に紙
を浸漬するローラー、紙に溶媒を噴霧するスプレーノズ
ル、紙に溶媒を滴下するノズル、溶媒を紙に供給するグ
ラビアローラーなどが用いられる。残留した溶媒を紙か
ら除去する手段としては、熱風、赤外線ランプ、ヒート
ローラー、ホットプレス、サーマルプリンターヘッド
(TPH)、サーマルバーなどが用いられる。なお、気
化しやすい溶媒を用いた場合には、自然乾燥させてもよ
い。また、これらの装置には使用した溶媒を回収する手
段を設けることが好ましい。
【0054】この方法で用いる溶媒は、(A)顕色剤と
消色剤との間の水素結合の形成を助ける性質を有するこ
とが好ましく、さらに(B)バインダーとの親和性が高
く画像形成材料の内部にまで浸透しやすい性質を有する
ことが好ましい。上記の(A)の性質を満たす溶媒は単
独で使用することができる。また、2種以上の溶媒を混
合して上記の2つの性質を満たすようにしてもよい。
【0055】上記の(A)および(B)の両方の性質を
有する溶媒としては、エーテル、ケトン、エステルなど
が挙げられる。具体例は、飽和エーテル、たとえばエチ
ルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロ
ピルエーテル、イソペンチルメチルエーテル、ブチルエ
チルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、エチルイソペンチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ
ヘキシルエーテル;不飽和エーテル、たとえばエチルビ
ニルエーテル、アリルエチルエーテル、ジアリルエーテ
ル、エチルプロパルギルエーテル;二価アルコールのエ
ーテル、たとえば2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジ
ブトキシエタン;環状エーテル、たとえばオキセタン、
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソラ
ン、ジオキサン、トリオキサン;飽和ケトン、たとえば
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケト
ン、ジエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチ
ルメチルケトン、エチルプロピルケトン、イソブチルメ
チルケトン、ピナコロン、メチルペンチルケトン、ブチ
ルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケ
トン、ヘキシルメチルケトン、イソヘキシルメチルケト
ン、へプチルメチルケトン、ジブチルケトン;不飽和ケ
トン、たとえばエチリデンアセトン、アリルアセトン、
メシチルオキシド;環状ケトン、たとえばシクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオ
クタノン;エステル、たとえばギ酸エチル、ギ酸プロピ
ル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸
イソペンチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、
酢酸イソペンチル、酢酸sec−アミル、酢酸ヘキシ
ル、酢酸アリル、2−メトキシエチルアセテート、2−
エトキシエチルアセテート、1,2−ジアセトキシエタ
ン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピ
オン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオ
ン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸イソ
ペンチル、プロピオン酸sec−アミル、2−メトキシ
プロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテー
ト、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソ
プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチ
ル、酪酸sec−アミル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エ
チル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ
酪酸ブチル、イソ酪酸ペンチル、イソ酪酸イソペンチ
ル、イソ酪酸sec−アミル、吉草酸メチル、吉草酸エ
チル、吉草酸プロピル、吉草酸イソプロピル、吉草酸ブ
チル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、
吉草酸イソプロピル、吉草酸ブチル、ヘキサン酸メチ
ル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン
酸イソプロピルなどである。上記以外の溶媒として、塩
化メチレン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクト
ン、n−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセタミド、ジメチルスルホキシドなどがある
(第一群)。これらは単独で用いても、2種以上を混合
して用いてもよい。混合溶媒を用いる場合、混合比は任
意に設定できる。
【0056】上記(A)の性質を有するが、バインダー
との親和性が低い溶媒は、たとえば水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、
3−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、1
−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノー
ル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、グリセリンなどである(第二群)。
【0057】上記(A)の性質を持たないが、バインダ
ーとの親和性が高い溶媒は、たとえばトルエン、エチル
ベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼ
ン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、ペ
ンチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレン、キシ
レン、クレゾール、エチルフェノール、ジメトキシベン
ゼン、ジメトキシトルエン、ベンジルアルコール、トリ
ルカルビノール、クミルアルコール、アセトフェノン、
プロピオフェノン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプ
タン、シクロオクタン、石油留分(石油エーテル、ベン
ジンなど)である(第三群)。
【0058】上述したように第一群の溶媒は単独で良好
に使用することができる。第二群の溶媒は、単独でも使
用できるが、第一群の溶媒と混合してもよい。この場
合、どちらの群の溶媒も消去能を持っているので任意の
混合比で使用することができる。第二群の溶媒と第三群
の溶媒との混合溶媒を用いる場合、十分な消去能が得ら
れれば両者の混合比は特に限定されないが、第三群の溶
媒を20〜80wt%とすることが好ましい。第三群の
溶媒は第一群の溶媒と混合して用いてもよい。この場
合、第三群の溶媒を90wt%以下とすればよい。ま
た、第一群から第三群の溶媒を混合して用いてもよい。
この場合、第三群の溶媒を80wt%以下とすることが
好ましい。
【0059】画像形成材料を効率的に消色するためには
溶媒を予め加熱しておいてもよい。この場合、溶媒の温
度を40〜150℃の範囲とすることが好ましい。本発
明において、塩基性物質を用いる場合、溶媒による画像
消去工程において用いる消去用溶媒に添加してもよい
し、加熱による画像消去工程の前に塩基性物質の溶液を
紙に噴霧するかまたは紙を塩基性物質の溶液に浸漬させ
てもよい。塩基性物質の溶液を調製するために用いられ
る溶媒は、消去用溶媒として例示したもののうち使用す
る塩基性物質を溶解できるものを任意に選択できる。塩
基性物質の溶液の濃度は、1〜40wt%であることが
好ましい。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。これらの
実施例では、ヨーロッパにおいて標準的に使用されてい
るNEUSIEDLER製の紙(pH=9.4)に画像を形成し
た。マクベスの濃度計により測定されたこの紙の反射濃
度は0.07であった。
【0061】実施例1消色剤の前駆体として、コレステ
ロールのヒドロキシル基を表1のいずれかの保護基で保
護したものを用意した。
【0062】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、消色剤の前駆体10重量部、相分離
抑制剤としてD−グルコース10重量部、バインダーと
して分子量45000のポリスチレン77重量部、およ
び帯電制御剤としてLR−147(日本カーリット社)
1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練した。
この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの
粉体を得た。この粉体100wt%に対して疎水性シリ
カ1wt%を添加してトナーを調製した。
【0063】得られたトナーをコピー機(東芝製、プリ
マージュ3860)のトナーカートリッジに入れ、定着
温度150℃で画像を紙に転写した。この紙をメチルエ
チルケトンに30秒間浸漬させた後、乾燥し、画像を消
去した。画像消去後の紙の反射濃度を測定した結果を表
1に示す。表1に示されるように、画像消去後の紙の反
射濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好に
消去できた。
【0064】
【表1】
【0065】画像が消去された紙を60℃で300時間
放置したが、画像が再び現れることはなかった。その
後、画像を消去した紙に、別の画像を転写し、消去する
プロセスを9回繰り返した。その後に転写した10回目
の画像も1回目の画像と同等の品質であった。さらに、
コピーおよび消去を50回まで繰り返した。その結果、
紙は物理的に痛んだが、コピーされた画像の品質および
消去状態の品質は良好であった。
【0066】実施例2 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、塩基性物質として炭酸カリウム4gを溶解した。こ
の溶液45mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコアセ
ルベーションを誘発した。この分散液を30℃まで冷却
し、放置した後にデカンテーションしてマイクロカプセ
ルを分離した。得られたマイクロカプセルに対し、等容
量のホルムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さらに
ホルムアルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分間
攪拌した後、マイクロカプセルをろ過した。得られたマ
イクロカプセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。
【0067】また、消色剤の前駆体として、コレステロ
ールのヒドロキシル基を表2のいずれかの保護基で保護
したものを用意した。呈色性化合物としてクリスタルバ
イオレットラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として
没食子酸プロピル1重量部、消色剤の前駆体10重量
部、相分離抑制剤としてD−グルコース10重量部、上
記のようにして調製したマイクロカプセル2重量部、バ
インダーとして分子量45000のポリスチレン75重
量部、および帯電制御剤としてLR−147(日本カー
リット社)1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に
混練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径
10μmの粉体を得た。この粉体100wt%に対して
疎水性シリカ1wt%を添加してトナーを調製した。
【0068】得られたトナーをコピー機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度150℃で画像を紙に転写し
た。この紙をメチルエチルケトンに30秒間浸漬させた
後、乾燥し、画像を消去した。画像消去後の紙の反射濃
度を測定した結果を表2に示す。表2に示されるよう
に、画像消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程
度であった。消去状態の安定性についても実施例1と同
様な結果が得られた。
【0069】
【表2】
【0070】実施例3相分離抑制剤の前駆体として、D
−グルコースのヒドロキシル基を表3のいずれかの保護
基で保護したものを用意した。
【0071】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、消色剤としてコレステロール10重
量部、相分離抑制剤の前駆体10重量部、バインダーと
して分子量45000のポリスチレン77重量部、およ
び帯電制御剤としてLR−147(日本カーリット社)
1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練した。
この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの
粉体を得た。この粉体100wt%に対して疎水性シリ
カ1wt%を添加してトナーを調製した。
【0072】得られたトナーをプリンター(キャノン
製、レーザーショットLBP−730)のトナーカート
リッジに入れ、画像を紙に転写した。その後、紙を15
0℃の恒温槽中に1時間放置した。この紙をメチルエチ
ルケトンに30秒間浸漬させた後、乾燥し、画像を消去
した。画像消去後の紙の反射濃度を測定した結果を表3
に示す。表3に示されるように、一部の相分離抑制剤の
前駆体を用いた場合を除いて、画像消去後の紙の反射濃
度は初期の反射濃度と同程度であった。
【0073】
【表3】
【0074】実施例4 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、塩基性物質としてtert−ブトキシカリウム4g
を溶解した。この溶液45mLに硫酸ナトリウム11g
を加えてコアセルベーションを誘発した。この分散液を
30℃まで冷却し、放置した後にデカンテーションして
マイクロカプセルを分離した。得られたマイクロカプセ
ルに対し、等容量のホルムアルデヒドを添加して5分間
攪拌し、さらにホルムアルデヒドの2倍量のエタノール
を添加し5分間攪拌した後、マイクロカプセルをろ過し
た。得られたマイクロカプセルを冷水で洗浄した後、乾
燥した。
【0075】また、相分離抑制剤の前駆体として、D−
グルコースのヒドロキシル基を表4のいずれかの保護基
で保護したものを用意した。呈色性化合物としてクリス
タルバイオレットラクトン(CVL)1重量部、顕色剤
として没食子酸プロピル1重量部、消色剤としてコレス
テロール10重量部、相分離抑制剤の前駆体10重量
部、上記のようにして調製したマイクロカプセル2重量
部、バインダーとして分子量45000のポリスチレン
75重量部、および帯電制御剤としてLR−147(日
本カーリット社)1重量部を混合し、ニーダーを用いて
十分に混練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平
均粒径10μmの粉体を得た。この粉体100wt%に
対して疎水性シリカ1wt%を添加してトナーを調製し
た。
【0076】得られたトナーをコピー機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度150℃で画像を紙に転写し
た。この紙をメチルエチルケトンに30秒間浸漬させた
後、乾燥し、画像を消去した。画像消去後の紙の反射濃
度を測定した結果を表4に示す。表4に示されるよう
に、一部の相分離抑制剤の前駆体を用いた場合を除い
て、画像消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程
度であった。
【0077】
【表4】
【0078】実施例5 消色剤の前駆体として、コール酸のカルボキシル基を表
5のいずれかの保護基で保護したものを用意した。
【0079】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、消色剤の前駆体18重量部、バイン
ダーとして分子量45000のポリスチレン79重量
部、および帯電制御剤としてLR−147(日本カーリ
ット社)1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混
練し、粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉体を
得た。この粉体に対して疎水性シリカを1wt%添加し
てトナーを調製した。
【0080】得られたトナーをコピー機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度150℃で画像を紙に転写し
た。この紙をメチルエチルケトンに30秒間浸漬させた
後、乾燥し、画像を消去した。画像消去後の紙の反射濃
度を測定した結果を表5に示す。表5に示されるよう
に、画像消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程
度であった。
【0081】
【表5】
【0082】実施例6 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、塩基性物質として炭酸カリウム4gを溶解した。こ
の溶液45mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコアセ
ルベーションを誘発した。この分散液を30℃まで冷却
し、放置した後にデカンテーションしてマイクロカプセ
ルを分離した。得られたマイクロカプセルに対し、等容
量のホルムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さらに
ホルムアルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分間
攪拌した後、マイクロカプセルをろ過した。得られたマ
イクロカプセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。
【0083】また、消色剤の前駆体として、コール酸の
カルボキシル基を表6のいずれかの保護基で保護したも
のを用意した。呈色性化合物としてクリスタルバイオレ
ットラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子
酸プロピル1重量部、消色剤の前駆体18重量部、上記
のようにして調製したマイクロカプセル2重量部、バイ
ンダーとして分子量45000のポリスチレン77重量
部、および帯電制御剤としてLR−147(日本カーリ
ット社)1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混
練した。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径1
0μmの粉体を得た。この粉体100wt%に対して疎
水性シリカ1wt%を添加してトナーを調製した。
【0084】得られたトナーをコピー機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度150℃で画像を紙に転写し
た。この紙をジエトキシエタンに30秒間浸漬させた
後、乾燥し、画像を消去した。画像消去後の紙の反射濃
度を測定した結果を表6に示す。表6に示されるよう
に、画像消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程
度であった。消去状態の安定性についても実施例1と同
様な結果が得られた。
【0085】
【表6】
【0086】実施例7 高分子消色助剤の前駆体として、分子量50000のポ
リアクリル酸のカルボキシル基をトリメチルシリル化し
たものを用意した。
【0087】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、消色剤としてコール酸7重量部、高
分子消色助剤の前駆体31重量部、バインダーとして分
子量45000のポリスチレン57重量部、および帯電
制御剤としてLR−147(日本カーリット社)1重量
部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練し、粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。この粉体
に対して疎水性シリカを1wt%添加してトナーを調製
した。
【0088】得られたトナーをプリンターのトナーカー
トリッジに入れ、画像を紙に転写した。その後、この紙
を200℃に設定した加熱ローラーに通して30秒間加
熱して画像を消去した。この結果、若干の蝋化(紙にワ
ックス成分などがしみ込んでテカった状態)が生じた
が、画像消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同じ
く0.07であった。消去状態の安定性についても実施
例1と同様な結果が得られた。
【0089】実施例8 バインダーを兼ねる高分子消色助剤の前駆体として、分
子量45000のスチレン・アクリレート共重合体のト
リメチルシリル化したもの(アクリレート含有量30w
t%)を用意した。
【0090】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、消色剤としてコール酸5重量部、高
分子消色助剤の前駆体(バインダー)57重量部、およ
び帯電制御剤としてLR−147(日本カーリット社)
1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混練し、粉
砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。こ
の粉体に対して疎水性シリカを1wt%添加してトナー
を調製した。
【0091】得られたトナーをプリンターのトナーカー
トリッジに入れ、画像を紙に転写した。この紙に、塩基
性物質である炭酸カリウムの3wt%水溶液を噴霧した
後、メチルエチルケトンに30秒間浸漬させた後、乾燥
し、画像を消去した。画像消去後の紙の反射濃度を測定
した結果、初期の反射濃度と同程度の0.10であっ
た。消去状態の安定性についても実施例1と同様な結果
が得られた。
【0092】実施例9 高分子消色剤の前駆体として、コーンスターチのヒドロ
キシル基をメトキシメチルエーテルで保護したものを用
意した。
【0093】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、高分子消色剤の前駆体30重量部、
バインダーとして分子量45000のスチレン67重量
部、および帯電制御剤としてLR−147(日本カーリ
ット社)1重量部を混合し、ニーダーを用いて十分に混
練し、粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉体を
得た。この粉体に対して疎水性シリカを1wt%添加し
てトナーを調製した。
【0094】得られたトナーをコピー機(東芝製、プリ
マージュ3860)のトナーカートリッジに入れ、定着
温度150℃で画像を紙に転写した。この紙をメチルエ
チルケトンに30秒間浸漬させた後、乾燥し、画像を消
去した。画像消去後の紙の反射濃度を測定した結果、初
期の反射濃度と同程度の0.10であり、画像を良好に
消去できた。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、バ
インダーなどの他の成分との相溶性が悪い消色剤や消色
助剤でも保護基を導入することにより良好な相溶性を示
すようになるので分散性が向上し、こうした消色剤また
は消色助剤の前駆体は保護基が解離したときに良好な分
散状態を保ったまま消色作用を発現するので、画像の消
去過程において分散不良に基づく消去むらを防ぐことが
できる。また、消色剤または消色助剤の前駆体は保護基
が解離するまでは消色作用を示さないので、比較的過酷
な使用環境でも画像を安定に維持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/09 B41M 5/18 101A 101C (56)参考文献 特開 平9−71055(JP,A) 特開 平8−197853(JP,A) 特開 平6−27735(JP,A) 特開 平9−176627(JP,A) 特開 昭62−14163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 B41M 5/28 - 5/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呈色性化合物と、顕色剤と、コール酸、
    コール酸の誘導体、リトコール酸、リトコール酸の誘導
    体、テストステロン、テストステロンの誘導体、コルチ
    ゾン、コルチゾンの誘導体、及び環式糖アルコールから
    なる群より選択される消去剤の官能基が保護基で保護さ
    れた少なくとも1種の消色剤前駆体とを含有することを
    特徴とする消去可能な画像形成材料。
  2. 【請求項2】 呈色性化合物と、顕色剤と、消色剤と、
    官能基が保護基で保護された、消色助剤として作用する
    高分子化合物の前駆体とを含有することを特徴とする消
    去可能な画像形成材料。
  3. 【請求項3】 消色助剤として作用する高分子化合物
    が、バインダーと共重合しており、その官能基が保護基
    で保護されていることを特徴とする請求項2記載の消去
    可能な画像形成材料。
  4. 【請求項4】 保護基が、加熱、光照射、または塩基性
    物質との接触により解離することを特徴とする請求項1
    乃至3いずれか記載の消去可能な画像形成材料。
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