JP3457538B2 - 消去可能トナーの製造方法および消去可能トナー - Google Patents

消去可能トナーの製造方法および消去可能トナー

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JP3457538B2 JP18519098A JP18519098A JP3457538B2 JP 3457538 B2 JP3457538 B2 JP 3457538B2 JP 18519098 A JP18519098 A JP 18519098A JP 18519098 A JP18519098 A JP 18519098A JP 3457538 B2 JP3457538 B2 JP 3457538B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、複写
機、FAXなどの電子写真や、熱転写記録に用いられ、
画像を形成した後に消去することができる画像形成材料
およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、オフィスオートメーションが進展
するにつれ、各種の情報量が著しく増大し、それに合わ
せて情報の出力も増大している。情報の出力は、ディス
プレイ出力、およびプリンターによる紙へのハードコピ
ー出力に代表される。ディスプレイ出力は、表示部に大
規模な回路基板が必要となるため、携帯性およびコスト
の観点から問題がある。一方、ハードコピー出力は、最
も基本的な情報表示手段であり、汎用性と保存性に優れ
ている。しかし、ハードコピー出力では、情報が増加す
ると記録媒体としての紙を大量に使用することになるの
で、紙の原料となる木材の伐採の増加につながる。森林
資源は地球環境の維持および炭酸ガスによる温室効果の
抑制の観点から非常に重要な意味を持つ。このため、新
たな木材の伐採を最低限に抑え、現在すでに保有してい
る紙資源を効率的に活用することが大きな課題となって
いる。 【0003】従来、紙資源の再利用(リサイクル)は、
画像形成材料が印刷された紙を多量の漂白剤と水を用い
て処理し、紙繊維を漉き直して紙質の悪い再生紙を製造
することにより行われている。このような方法は、再生
紙のコストを高騰させるうえに、廃液の処理に伴う新た
な環境汚染の原因となる。 【0004】これに対して本発明者らは、呈色性化合
物、顕色剤およびこれらの化合物と相溶性のある消色剤
を含有し、通常の画像形成材料と同様に画像を形成する
ことができ、しかも熱または溶媒で処理することにより
画像の消去が可能な画像形成材料の開発を進めている。
こうした消去可能な画像形成材料を用いれば、紙質の劣
化を極力防ぎながら、画像を消去して白紙状態に戻した
紙を何度も繰り返して再使用(リユース)することがで
きる。そして、リユースによる紙質の低下が著しくなっ
た時点でリサイクルすればよいので、紙資源の利用効率
が飛躍的に向上する。こうして実質的な紙の使用量を減
らすことができるので、木材の伐採を最小限に抑えるこ
とができる。しかも、現行のリサイクルシステムで問題
となる再生紙のコスト高や廃液処理による環境汚染も極
力避けることができる。 【0005】ところで、本発明者らが開発を進めてい
る、呈色性化合物、顕色剤、消色剤、バインダー樹脂な
どを含有する画像形成材料は、通常の電子写真用トナー
と同様に画像を形成でき、かつ溶媒または加熱により消
去可能ではあるが、画像の消え残りが生じる場合がある
こともわかってきた。画像の消え残りは紙の再使用を制
限する要因となるため、形成された画像をできるだけ完
全に消色できるように改善する余地がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た発色が得られるとともに、良好な消色状態を得ること
ができる消去可能な画像形成材料を提供することにあ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の消去可能トナー
の製造方法は、呈色性化合物、顕色剤、消色剤、バイン
ダー樹脂およびワックスを含有する消去可能トナーを製
造するにあたり、全ての成分を混合して1回目の混練操
作を行い、得られた混練物を粗粉砕し、得られた粗粉砕
物を用いて2回目の混練操作を行うことを特徴とする。 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明に係る消去可能な画像形成材料は、呈色性
化合物と、顕色剤と、消色剤とを組み合わせて、印刷後
に消去を可能にするものである。これらの成分の基本的
な作用について概略的に説明する。呈色性化合物とは文
字や図形などの着色情報を形成する色素の前駆体化合物
であり、顕色剤とは呈色性化合物との相互作用により呈
色性化合物を着色させる化合物である。また、消色剤は
溶融時または溶媒の存在下に顕色剤に対して優先的に相
溶性を示す性質を有する化合物である。これらの3成分
は、固化したときに、以下に示す2つの状態を取り得
る。すなわち、(1)消色剤が平衡溶解度に相当するだ
けの量の呈色性化合物および顕色剤と混合し、消色剤へ
の平衡溶解度を超える余剰の呈色性化合物および顕色剤
が消色剤と相分離して、呈色性化合物と顕色剤とが相互
作用により発色した状態、および(2)消色剤が顕色剤
を平衡溶解度を超えて多量に取り込み、呈色性化合物と
顕色剤との相互作用が減少して消色した状態、である。 【0012】この発色状態と消色状態との間の状態変化
は以下のような原理でなされる。室温においては、呈色
性化合物および顕色剤の相と消色剤の相とが相分離した
状態が平衡状態に近い。この場合、呈色性化合物と顕色
剤とが相互作用して発色状態となっている。この状態か
ら、組成系を融点以上に加熱すると、顕色剤が流動状態
の消色剤に優先的に溶解し、呈色性化合物との相互作用
を失うため消色状態になる。溶融状態にある組成系を冷
却して固化すると、消色剤は平衡溶解度を越えた量の顕
色剤を取り込んで非晶質化し、室温で無色になる。非晶
質の組成系は、相対的には非平衡な状態にあるが、ガラ
ス転移点Tg以下の温度では十分長寿命であり、Tgが
室温以上であるならば非晶質状態から容易に平衡状態に
移ることはない。 【0013】また、呈色性化合物、顕色剤および消色剤
の3成分を含有する画像形成材料に溶媒を作用させた場
合にも、上記と同様な原理で発色状態から消色状態へと
変化させることができる。なお、呈色性化合物および顕
色剤を含有する画像形成材料に消色剤を含有する溶媒を
作用させることによっても画像を消去することができ
る。 【0014】本発明の画像形成材料は様々な形態で使用
することができる。たとえば、コピー機(PPC)、レ
ーザープリンター、FAXなどの電子写真用トナー(現
像剤);サーマルプリンターのインク;インクジェット
プリンターのインク;スクリーン印刷や活字印刷などの
印刷インク;ボールペンや万年筆などの筆記用具のイン
クとして用いることができる。 【0015】上記の画像形成材料を電子写真用トナーと
して用い、紙に画像を形成し、形成した画像を消去した
際に、消え残りが生じる原因について考える。本発明に
係る画像形成材料からなる電子写真用トナーを製造する
際に一般的に使用されている製造方法を採用すると、以
下のような工程を実施する。すなわち、バインダー樹
脂、呈色性化合物、顕色剤、消色剤、および帯電制御剤
などのその他の添加剤を混合する。なお、消色剤を配合
しない場合もある。呈色性化合物と顕色剤とは相互作用
して発色状態になっている。この混合物を溶融混練し、
バインダー中に他の成分を分散させる。得られた混練物
を機械的に粉砕した後、分級により5〜20μmの粒径
を持つ粉体を得る。必要に応じて無機外添剤を添加して
処理する。この粉体はそのままキャリアを含まない一成
分トナーとして用いることができる。また、この粉体を
磁性粉などのキャリアと混合して二成分トナーとして用
いることもできる。 【0016】このようなトナーを用いて紙の上に画像を
形成するには、カールソンプロセスが用いられる。この
プロセスは、像担持体上に静電潜像を形成する工程と、
トナーを帯電させる帯電工程と、帯電したトナーを静電
潜像に付着せしめてトナー像を形成する現像工程と、ト
ナー像を紙に転写する転写工程と、紙に転写されたトナ
ー像を加熱して定着させる定着工程とを有する。定着温
度は、画像が消去される条件にならないように、相溶性
消色剤の融点および顕色剤の昇華温度よりも低く設定さ
れる。 【0017】上述したように、紙の上に形成された画像
を消去するには、紙を加熱するか、または溶媒を紙に接
触させる。なお、消色剤を含まないトナーを用いた場合
には、消色剤を含有する溶媒を紙に接触させて、画像を
消去する。 【0018】本発明者らは、画像を消去した際に消え残
りが生じる主要な原因は、バインダー中での呈色性化合
物、顕色剤および消色剤の分散性が悪いためであること
を見出した。すなわち、呈色性化合物、顕色剤、消色剤
を含むトナーを良好な消色状態にするためには、消色剤
が顕色剤の近傍に存在することが好ましい。ところが、
呈色性化合物や顕色剤は強い凝集力を保持しているた
め、バインダー中で凝集しやすい。バインダー中で呈色
性化合物および顕色剤が凝集してサイズが大きくなって
いると、画像を溶媒または加熱によって消去する場合に
消色剤が顕色剤のみを優先的に取り込むことが困難にな
り、消え残りが生じる原因となる。同様に、呈色性化合
物および顕色剤を含むが消色剤を含まないトナーでも、
バインダー中で呈色性化合物および顕色剤が凝集してサ
イズが大きくなっていると、消色剤を含んだ溶媒が浸透
しにくくなり、消え残りが生じる原因となる。 【0019】また、バインダー中で呈色性化合物どうし
または顕色剤どうしが凝集するのではなく、呈色性化合
物と顕色剤とが相互作用して発色したものが適度なサイ
ズで均一に分散しているほど良好な発色が得られる。 【0020】したがって、良好な消去状態を得るために
は、バインダー中で呈色性化合物、顕色剤および消色剤
が均一に分散していることが重要になる。さらに、カー
ルソンプロセスによる画像形成時に定着温度が高温にな
りすぎて流動状態のトナーが固化するまでの冷却時間が
長くなると、分散していた呈色性化合物および顕色剤が
凝集しやすくなる。上述したように、呈色性化合物およ
び顕色剤の凝集は、溶媒または加熱による消去時に消え
残りを生じさせる原因となる。このことからわかるよう
に、呈色性化合物および顕色剤の凝集を起こしにくくす
るには、定着温度ができるだけ低いことが好ましい。 【0021】トナーの定着温度はトナーの粒度分布によ
り影響を受ける。すなわち、粒径の大きい粒子が多い
と、全サイズの粒子を定着させるために定着温度を高く
する必要が生じる。また、粒径の小さい粒子が多いと、
個々の粒子中に各成分を均一に含有させることが困難に
なり、消色剤の存在しない粒子もできるため、そのよう
な粒子では消色性能が低下する。したがって、トナーの
定着温度を下げるには、トナーの粒度分布が適切な範囲
にあることが好ましい。 【0022】また、トナー中には、画像形成材料の定着
性を制御するためのワックス成分や、画像形成材料の流
動性、保存性、耐ブロッキング性、感光体摩耗性などを
制御するための無機外添剤が添加される。こうしたワッ
クス成分や無機外添剤が酸性であると、塩基性である呈
色性化合物と相互作用する。このため、溶媒または加熱
により画像を消去した際に、消え残りが生じたり、一旦
は消色しても時間の経過とともに発色が戻ることがあ
る。特に、加熱により画像を消去する場合には、加熱し
た瞬間に画像の濃度が高まることもある。したがって、
トナー中に含まれるワックス成分や無機外添剤は酸性で
ないものが好ましい。 【0023】本発明においては、呈色性化合物、顕色剤
およびバインダー樹脂、または呈色性化合物、顕色剤、
消色剤およびバインダー樹脂を含有する画像形成材料を
製造するにあたり、複数回の混練操作を行う。この方法
により、バインダー中に呈色性化合物および顕色剤を均
一に分散させることができる。 【0024】本発明の製造方法が有効な理由は以下の通
りである。すなわち、通常の混練方法では混練操作中の
一時期だけ分散しようとする成分にせん断応力がかか
り、それ以降はせん断応力がほとんど作用しないため、
バインダー中での呈色性化合物および顕色剤の分散性が
不均一になりやすい。これに対して、本発明では混練操
作を複数回繰り返してせん断応力を作用させるので、バ
インダー中での呈色性化合物および顕色剤の分散性を向
上することができる。 【0025】本発明においては、2回目以降の混練操作
を行う前に前回の混練工程で得られた混練物を粗粉砕す
ることが、より効果的である。本発明においては、バイ
ンダー樹脂と消色剤との混合物および呈色性化合物と顕
色剤との混合物をそれぞれ別々に混練し、これらの混練
物を混合してさらに混練してもよい。消色剤を含まない
画像形成材料を製造する際には、バインダー樹脂と他の
成分との混合物および呈色性化合物と顕色剤との混合物
をそれぞれ別々に混練し、これらの混練物を混合してさ
らに混練してもよい。同様に、呈色性化合物および顕色
剤を一部のバインダーに混練したマスターバッチを用
い、残りのバインダーおよび消色剤を混練し、両方の混
練物を再び混練してもよい。呈色性化合物および顕色剤
を一部のバインダーに混練しておくと、発色の点で有利
になる。 【0026】本発明の方法を用いて製造された画像形成
材料(トナー)は、複数回の混練工程を行うという製造
方法に起因して種々の特徴を有する。まず、本発明に係
るトナーの粒度分布について説明する。トナーの粒度分
布としては、一般的にコールターマルチサイザー(コー
ルター社)で測定した値を用いる。通常のトナーの粒度
分布は、体積平均径が5〜20μmで、個数分布におけ
る5μm以下の粒子の含有率が2〜20個数%、体積分
布における5μm以下の粒子の含有率が0〜5体積%、
体積分布における20μm以上の粒子の含有率が0〜5
体積%である。本発明の画像形成材料の最適な粒度分布
は、個数分布における5μm以下の含有量が15個数%
以下、体積分布における20μm以上の含有量が2体積
%以下である。これらの範囲をはずれると、上述したよ
うに画像を消去する際に消え残りが生じやすくなる。 【0027】また、トナー中に含まれるワックスのサイ
ズ分布に関しても、2μm以下のサイズのものが90%
以上を占めることが好ましい。同様に、トナーの導電率
を調整するために配合される導電性フィラーに関して
も、0.1μm以下の粒子が40%以下、0.2μm以
上の粒子が20%以下であることが好ましい。このよう
に導電性フィラーの粒度分布が均一であれば、定着工程
におけるフィラー粒子を通しての熱の伝導も均一にな
り、定着温度を一定に維持して良好な消色性が得られ
る。 【0028】上述したトナーの粒度分布およびワックス
成分のサイズ分布は、呈色性化合物と顕色剤および消色
剤を含有するトナー、ならびに呈色性化合物および顕色
剤を含有し消色剤を含有しないトナーの両方に適用され
る。 【0029】次に、バインダー樹脂の熱特性について説
明する。バインダー樹脂の熱特性は軟化点およびガラス
転移点で代表される。軟化点はフローテスタを用いて測
定され、60〜190℃の範囲であることが好ましい。
ガラス転移点は示差走査型熱計(DSC)を用いて測定
され、20〜110℃の範囲であることが好ましい。 【0030】バインダー樹脂の軟化点は、混練の際にせ
ん断応力がかかると低下する。したがって、バインダー
樹脂の軟化点の低下の程度を調べることにより、バイン
ダー中で各成分が適度に分散しているかどうかを判断す
る目安とすることができる。本発明においては、混練後
にバインダー樹脂を主成分とするトナーの軟化点が、原
料樹脂との比較で、摂氏温度で計算して2〜8%の範囲
で低下していることが好ましい。混練後のトナーの軟化
点の温度低下が小さい場合には、バインダー中での各成
分の分散が十分でないと判断することができる。一方、
過度のせん断応力をかけてトナー原料を混練すると、呈
色性化合物と顕色剤とが分離して画像濃度の低下を招く
ことがある。特に、バインダーが極性基を有するポリマ
ーからなる場合には、極性基が消色剤の作用を助けるの
でこの傾向が強い。 【0031】本発明の方法を用いると、バインダー樹脂
の分子量分布は、90%以上の成分が2万から6万まで
の範囲にあり、20%以上の成分が5万以上の高分子量
側に現れることがある。これは3次元架橋した不溶成分
がバラバラになり溶出成分として現れたためであると解
釈できる。 【0032】本発明の画像形成材料は、定着性を制御す
るためのワックス成分;摩擦帯電電荷量を制御するため
の帯電制御剤;導電率を調整するために導電性フィラ
ー;流動性、保存性、耐ブロッキング性、感光体研磨性
などを制御するために無機外添剤;クリーニングの効率
を向上させるためのクリーニング助剤など、他の成分を
含有してもよい。 【0033】上述したように、ワックス成分や無機外添
剤が酸性であると塩基性の呈色性化合物と相互作用する
ため、熱や溶媒による画像の消去特性が劣化する。した
がって、ワックス成分を添加する場合、酸価が10以下
のもの、さらに酸価が5以下のものを用いることが好ま
しい。同様に、無機外添剤を添加する場合、pH値が7
以上のものを用いることが好ましい。また、ワックス成
分の酸価や、無機外添剤とpH値を調整するために塩基
性物質を添加してもよい。 【0034】以下、本発明の画像形成材料を構成する成
分をより具体的に説明する。本発明で用いられる呈色性
化合物としては、ロイコオーラミン類、ジアリールフタ
リド類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミ
ン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム
類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類など
の電子供与性有機物が挙げられる。 【0035】具体的な呈色性化合物として、クリスタル
バイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーン
ラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルア
ミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフ
ェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−ク
ロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N
−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−ア
ニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラ
ン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオ
ラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラ
ン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N
−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−ビス(ジエチ
ルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロアニリノ)
ラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラ
ン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−
ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ジ
メチルエトキシフルオラン、3,6−ジエチルアミノ−
6−メトキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、AT
P、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブ
チルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビ
ノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2,
3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾ
イルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチル
オーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニル
イミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリ
ン、N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピ
ラン、8’−メトキシ−N,3,3−トリメチルインド
リノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベン
ジルオキシフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチル
アミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,
5−ジメチルフルオラン、フェニルヒドラジド−γ−ラ
クタム、3−アミノ−5−メチルフルオランなどが挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上を混合して用
いることができる。呈色性化合物を適宜選択すれば多様
な色の発色状態が得られることから、マルチカラー対応
が可能である。 【0036】本発明で用いられる顕色剤としては、フェ
ノール、フェノール金属塩、カルボン酸金属塩、ベンゾ
フェノン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸
金属塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩、亜リン酸、亜リン酸金属塩などの酸性化合物が挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上を混合して用
いることができる。 【0037】本発明において用いられる消色剤は、非晶
質状態にあるときに無色性が良好であることが望まし
い。消色剤が非晶質状態で無色透明であるほど、画像形
成材料を消色した時に紙を元の白紙に近い状態に戻すこ
とができる。このような性質が要求されるので、消色剤
は、分子量が大きく、重量当りの結晶の融解エンタルピ
変化ΔHが小さく、最大結晶成長速度MCVの小さい化
合物であることが好ましい。消色剤の結晶の融解エンタ
ルピー変化ΔHが小さいと、その結晶の融解に要する熱
エネルギー量が少量となるので、省エネルギーの点でも
好ましい。また、消色剤に対する顕色剤の溶解度を高め
るためには、消色剤は顕色剤との親和性が高いことが好
ましく、例えばアルコール性ヒドロキシル基を有する化
合物が好適である。消色状態にある組成系の保存安定性
の観点からは、組成系のガラス転移点Tgは少なくとも
室温(25℃)以上であることが必要となり、さらに5
0℃以上であることが好ましい。この条件を満たすため
には、消色剤のガラス転移点も少なくとも室温(25
℃)以上、さらに50℃以上であることが好ましい。一
方、消色剤の結晶化温度は、組成系のガラス転移点Tg
と融点Tmとの間の温度範囲にある。このため、消去を
高速化するためには、消色剤のガラス転移点は150℃
以下であることが好ましい。これらの条件を満たす、好
ましい消色剤としては以下の(a)〜(c)のような化
合物が挙げられる。 【0038】(a)ステロール化合物。ステロール化合
物の具体例としては、コレステロール、スチグマステロ
ール、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオー
ル、エストラジオール ベンゾエート、エピアンドロス
テン、ステノロン、β−シトステロール、プレグネノロ
ン アセテート、β−コレスタロール、5,16−プレ
グナジエン−3β−オール−20−オン、5α−プレグ
ネン−3β−オール−20−オン、5−プレグネン−3
β,17−ジオール−20−オン 21−アセテート、
5−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オン
17−アセテート、5−プレグネン−3β,21−ジオ
ール−20−オン 21−アセテート、5−プレグネン
−3β,17−ジオール ジアセテート、ロコゲニン、
チゴゲニン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニ
ンおよびその誘導体が挙げられる。これらの消色剤は単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。 【0039】なお、(a)の消色剤を用いた場合、非晶
質状態にある組成系をガラス転移点を超える温度まで加
熱すると、顕色剤の拡散速度が急激に高まり、平衡状態
へ戻る方向に顕色剤と消色剤との相分離運動が加速され
る。そして、組成系を結晶化温度以上融点未満の温度に
加熱した後に室温まで徐冷すると、より平衡状態に近く
安定な相分離状態となり発色状態に戻る。したがって、
(a)の消色剤を用いた組成系は、原理的には発色状態
と消色状態とを可逆的に繰り返すことができる。この意
味で、(a)の消色剤は「可逆性消色剤」といえる。た
だし、本発明の消去可能な画像形成材料は、画像を形成
した後に消去できればよく、本質的に可逆性は要求され
ない。 【0040】(b)コール酸、リトコール酸、テストス
テロンおよびコルチゾン、ならびにこれらの誘導体。具
体例としては、コール酸、コール酸メチルエステル、コ
ール酸ナトリウム、リトコール酸、リトコール酸メチル
エステル、リトコール酸ナトリウム、ヒドロキシコール
酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、ヒオデオキシ
コール酸、ヒオデオキシコール酸メチルエステル、テス
トステロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキ
シメチルテストステロン、ヒドロコルチゾン、コレステ
ロールメチルカーボネート、α−コレスタノールが挙げ
られる。これらのうちでも特に2個以上のヒドロキシル
基を有するものが好ましい。 【0041】(b)の消色剤は、(a)の消色剤と比べ
て、溶融時に顕色剤との親和性が強く相溶性が非常に高
い。しかも、(b)の消色剤は非晶質性が高いため、組
成系が固化した後にも相分離を起こしにくい。この意味
で、(b)の消色剤は「相溶性消色剤」といえる。した
がって、(b)の消色剤を用いた組成系では、より安定
な消色状態を得ることができる。 【0042】(c)1個以上のヒドロキシル基を有する
5員環以上の非芳香族系の環状化合物。なお、これらの
化合物の融点は50℃以上であることが好ましい。具体
例としては、脂環式1価アルコール(例えばシクロドデ
カノール)、脂環式2価アルコール(例えば1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオー
ル、1,2−シクロドデカンジオール)、糖類およびそ
の誘導体(例えばグルコース、サッカロース)およびこ
れらの重合体であるでんぷん(かたくり粉、コーンスタ
ーチ、これらを含む小麦粉類、米粉類など)、環状構造
を有するアルコール類(例えば1,2:5,6−ジイソ
プロピリデン−D−マンニトール)が挙げられる。 【0043】(c)の消色剤は単独で用いてもよいが、
特に(a)の消色剤とともに用いた場合に効果的であ
る。すなわち、(c)の消色剤は(a)の消色剤との親
和性が強く、固化した後にも相分離を起こしにくい。こ
の意味で(c)の消色剤を「相分離抑制性消色剤」また
は「相分離抑制剤」と呼ぶことがある。(c)の消色剤
を用いた場合にも、より安定な消色状態を得ることがで
きる。 【0044】上述した(c)の消色剤すなわち相分離抑
制剤はさらに2種に分類できる。すなわち、(c1)融
点およびガラス転移点が比較的高く、常温において非晶
質になりやすい化合物(高非晶質性の相分離抑制剤)
と、(c2)融点およびガラス転移点が比較的低いため
常温において非晶質になりにくく微結晶を形成すること
がありうるが、流動状態で顕色剤との相溶性が非常に高
い化合物(低非晶質性の相分離抑制剤)である。 【0045】呈色性化合物、顕色剤および高非晶質性の
相分離抑制剤を含有する画像形成材料を加熱・冷却した
ときの画像濃度の変化を説明する。室温で発色状態にあ
る画像形成材料を高非晶質性の相分離抑制剤の融点以上
に加熱すると、顕色剤が高非晶質性の相分離抑制剤に溶
解し、呈色性化合物との相互作用を失うため消色状態に
なる。溶融状態にある画像形成材料を冷却して固化する
と、高非晶質性の相分離抑制剤は平衡溶解度を越えた量
の顕色剤を取り込んで非晶質化して室温で消色する。こ
のように高非晶質性の相分離抑制剤は単独でも消色剤と
して機能する。しかも、高非晶質性の相分離抑制剤は室
温で非晶質になりやすいので、長時間にわたって消色状
態を維持することができる。ただし、流動状態で顕色剤
との相溶性がそれほど良好でない場合には、発色状態と
消色状態で画像濃度の顕著な変化が得られないおそれが
ある。 【0046】呈色性化合物、顕色剤および低非晶質性の
相分離抑制剤を含有する画像形成材料を加熱・冷却した
ときの画像濃度の変化を説明する。室温で発色状態にあ
る画像形成材料を低非晶質性の相分離抑制剤の融点以上
に加熱すると、相当量の顕色剤が低非晶質性の相分離抑
制剤に溶解し、呈色性化合物との相互作用を失うため消
色状態になる。しかし、溶融状態にある画像形成材料を
冷却して固化しても、低非晶質性の相分離抑制剤は非晶
質になりにくく微結晶化することもあるため、画像形成
材料は元の発色状態に戻る。このように低非晶質性の相
分離抑制剤は単独では消色剤として機能しない。 【0047】以上の挙動からわかるように、消色剤とし
て高非晶質性の相分離抑制剤および低非晶質性の相分離
抑制剤の両方を用いれば、両者の長所を生かすことがで
きる。呈色性化合物、顕色剤ならびに高非晶質性および
低非晶質性の相分離抑制剤を含有する画像形成材料を加
熱・冷却したときの画像濃度の変化を説明する。室温に
おいては、呈色性化合物、顕色剤および低非晶質性の相
分離抑制剤の混合物相と高非晶質性の相分離抑制剤の相
とが相分離した状態で画像が形成される。組成系を低非
晶質性の相分離抑制剤の融点以上に加熱すると、顕色剤
が流動状態の低非晶質性の相分離抑制剤に溶解して、呈
色性化合物との相互作用を失うため消色する。さらに、
組成系を高非晶質性の相分離抑制剤の融点以上に加熱す
ると、顕色剤および低非晶質性の相分離抑制剤が高非晶
質性の相分離抑制剤に溶解した状態になる。溶融状態の
組成系を冷却して固化すると、高非晶質性の相分離抑制
剤の作用により、低非晶質性の相分離抑制剤は平衡溶解
度を越えた量の顕色剤を取り込んだまま非晶質化するた
め、室温で消色する。高非晶質性の相分離抑制剤は非晶
質性が高いため、低非晶質性の相分離抑制剤の結晶化を
さまたげ、組成系の相分離を抑制する。したがって、画
像形成材料の消色状態を非常に安定に維持することがで
きる。 【0048】好適な高非晶質性の相分離抑制剤は環式糖
アルコールである。具体例としては、D−グルコース、
D−マンノース、D−ガラクトース、D−フルクトー
ス、L−ソルボース、L−ラムノース、L−フコース、
D−リボデソース、α−D−グルコース=ペンタアセテ
ート、アセトグルコース、ジアセトン−D−グルコー
ス、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−グル
コサミン、D−フルクトサミン、D−イソ糖酸、ビタミ
ンC、エルトルビン酸、トレハロース、サッカロース、
マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクト
ース、メリビオース、ラフィノース、ゲンチアノース、
メレジトース、スタキオース、メチル=α−グルコピラ
ノシド、サリシン、アミグダリン、オイキサンチン酸が
挙げられる。これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。 【0049】好適な低非晶質性の相分離抑制剤は、環式
糖アルコール以外のヒドロキシル基を有する5員環以上
の非芳香族環式化合物または環式糖アルコールの誘導体
であり、代表的にはテルペンアルコールである。具体例
としては、脂環式1価アルコール、たとえばシクロドデ
カノール、ヘキサヒドロサリチル酸、メントール、イソ
メントール、ネオメントール、ネオイソメントール、カ
ルボメントール、α−カルボメントール、ピペリトー
ル、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テ
ルピネオール、1−p−メンテン−4−オール、イソプ
レゴール、ジヒドロカルベオール、カルベオール;脂環
式多価アルコール、たとえば1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,2−シクロヘキサンジオール、フロログル
シトール、クエルシトール、イノシトール、1,2−シ
クロドデカンジオール、キナ酸、1,4−テルピン、
1,8−テルピン、ピノールヒドラート、ベツリン;多
環式アルコール誘導体、たとえばボルネオール、イソボ
ルネオール、アダマンタノール、ノルボルネオール、フ
ェンコール、ショウノウ;環式糖アルコールの誘導体、
たとえば1,2:5,6−ジイソプロピリデン−D−マ
ンニトールが挙げられる。これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。 【0050】本発明の画像形成材料中の呈色性化合物、
顕色剤および消色剤の好ましい配合比は以下の通りであ
る。顕色剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に対して
0.1〜10重量部、さらには1〜2重量部に設定する
ことが好ましい。顕色剤が0.1重量部未満の場合に
は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用による画像形成
材料の発色が不十分になる。顕色剤が10重量部を超え
る場合には両者の相互作用を十分に減少させることが困
難となる。消色剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に
対し1〜200重量部、さらには10〜100重量部に
設定することが好ましい。消色剤が1重量部未満では、
画像形成材料の発色状態と消色状態との間の状態変化を
起こさせることが困難になる。消色剤が200重量部を
超えると、画像形成材料の発色が不十分になる。 【0051】本発明におけるバインダー樹脂としては、
一般的なトナー(現像剤)用のバインダー樹脂であるス
チレン系共重合体、アクリル樹脂などを用いることがで
きる。具体的には、ポリスチレンホモポリマー、水素添
加スチレン樹脂、スチレン−イソブチレン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン三元共重合体、アクリロニトリル−ス
チレン−アクリレート三元共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリロニトリル−アクリルゴム
−スチレン三元共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポ
リスチレン−スチレン三元共重合体、アクリロニトリル
−EVA−スチレン三元共重合体、スチレン−p−クロ
ロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリアクリレ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリ
レート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリグリシ
ジルメタクリレート、ポリ含フッ素アクリレート、スチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−ブチ
ルメタクリレート共重合体、スチレン−エチルアクリレ
ート共重合体などが挙げられる。その他、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロ
ジン、テルペン樹脂、脂肪酸または脂環式炭化水素樹
脂、芳香族石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワ
ックスなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。遊
離の酸成分(カルボン酸やフェノール)を含有する樹脂
を用いる場合には、塩基性物質を併用してpH値を7以
上にすることが好ましい。 【0052】本発明においては、トナー調製時に他の成
分の存在下に、重合反応によってバインダー樹脂を生成
させてもよい。重合法によりバインダー樹脂を得るに
は、乳化重合、懸濁重合、ソープフリー乳化重合、シー
ド重合、分散重合などの方法を用いることができる。特
に、水溶液中に親水性の重合開始剤を加えて重合を開始
させる懸濁重合法や、溶液中に疎水性の重合開始剤を加
える乳化重合法などが好適である。バインダー樹脂を与
えるモノマーとしては、スチレン系モノマー、α−メチ
レン脂肪族モノカルボン酸エステルなどが用いられる。
スチレン系モノマーの具体例としては、ステレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−エチルステレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、
3,4−ジクロルスチレンなどが挙げられる。これらの
モノマーは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エス
テルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
どが挙げられる。これらのモノマーも単独でまたは2種
以上を組み合わせて用いることができる。その他のモノ
マーの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレンなどのモノオレフィン;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロ
ゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベン
ゾエ酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドな
どのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチ
ルエーテルなどのビニルエーテル;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンなどのビニルケトン;N−ビニルピロール、N−ビニ
ルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピ
ロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタレンな
どが挙げられる。これらのモノマーも単独でまたは2種
以上を組み合わせて用いることができる。 【0053】本発明において用いることができるワック
ス成分としては、炭素数10以上の長鎖脂肪族アルコー
ル、炭素数10以上の長鎖脂肪族ケトン、低分子量ポリ
プロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリブチ
レン、低分子量ポリアルカン、およびこれらの変成物な
どが挙げられる。これらのワックス成分は単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。ワックス
成分は、重量平均分子量が102 〜105 、さらには1
2 〜104 のものが好ましい。なお、ステアリン酸ワ
ックスに代表される脂肪族カルボン酸ワックス、脂肪酸
を含むカルナバワックス、高級脂肪酸と高級アルコール
とのエステルで遊離のカルボン酸を含むライスワック
ス、石炭系合成ワックスで高分子ワックス酸を含むモン
タンワックス、酸アミド、流動パラフィン、サゾールワ
ックス、カスターワックス、塩素化パラフィンなどは酸
価を持つ。これらのワックスは、水酸化カルシウムでケ
ン化して酸価を10以下に下げて用いる。ワックス成分
の添加量は、トナー100重量部に対して0.1〜30
重量部、さらに0.5〜15重量部であることが好まし
い。 【0054】本発明において用いることができる帯電制
御剤は、負極性帯電制御剤でも正極性帯電制御剤でもよ
い。負極性帯電制御剤としては、アルキルサリチル酸の
金属キレート、ジカルボン酸の金属キレート、塩素化ポ
リエステル、酸基過剰のポリエステル、塩素化ポリオレ
フィン、脂肪酸の金属塩、脂肪酸石鹸などが挙げられ
る。より具体的には、サリチル酸亜鉛化合物であるオリ
エント化学のE−84)、フェノール系化合物である日
本化薬のN−1、N−2およびN−3、スチレン−スル
ホン酸系樹脂である藤倉化成のFCA−1001N、日
本カーリット社のLR−147などが挙げられる。正極
性帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩類、グアナ
ミン誘導体、アミン化合物、その他窒素化合物などが挙
げられる。より具体的には、保土谷化学のTP−302
(CAS#116810−46−9)およびTP−41
5(同117342−25−2)、4級アミン化合物で
あるオリエント化学のP−51、ポリアミンオリゴマー
であるオリエント化学のAFP−B、スチレン−アクリ
ル四級アンモニウム塩系樹脂である藤倉化成のFCA−
201PBなどが挙げられる。これらのうちから、無色
または透明の帯電制御剤が用いられる。なお、呈色性化
合物、顕色剤、相溶性消色剤のいずれかが帯電制御作用
を有していれば、特に帯電制御剤を添加する必要はな
い。 【0055】本発明において用いることができる導電性
フィラーとしては、マグネタイトなどが挙げられる。本
発明において用いることができる無機外添剤としては、
シリカ微粒子や、その他の金属酸化物微粒子が挙げられ
る。シリカ微粒子としては、二酸化ケイ素、珪酸ナトリ
ウムに代表される珪酸のアルカリ金属塩;珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウムに代表される珪酸のアルカリ土類
金属塩;珪酸アルミニウムおよび珪酸アルミニウムのア
ルカリ金属置換体;珪酸鉄、珪酸亜鉛、珪酸ジルコニウ
ムなどが挙げられる。シリカ微粒子の粒径は個数平均径
で5〜100nm、さらに10〜20nmであることが
好ましい。その他の金属酸化物微粒子としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸
化錫、酸化銅、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化
ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリ
ウムなどが挙げられる。金属酸化物微粒子の粒径は個数
平均径で0.02〜5μm、さらに0.05〜3μmで
あることが好ましい。 【0056】これらのうち、二酸化ケイ素、珪酸ナトリ
ウムに代表される珪酸のアルカリ金属塩;珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウムに代表される珪酸のアルカリ土類
金属塩;珪酸アルミニウムのアルカリ金属置換体;珪酸
亜鉛、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタ
ン酸バリウムなどのようにpH値が7以上のものはその
まま用いることができる。一方、珪酸アルミニウム、珪
酸鉄、珪酸ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化錫などのようにpH値が7
以下であるか条件によっては7以下になるものは、塩基
性物質によってpH値が7以上になるように調整して用
いる。 【0057】本発明において用いることができるクリー
ニング助剤としては、ポリメチルメタクリレート、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどの
樹脂微粉末が好適である。このような樹脂微粉末の粒径
は、個数平均径で0.02〜5μm、さらに0.05〜
3μmであることが好ましい。 【0058】無機外添剤およびクリーニング助剤は、疎
水化処理を施したものでもよい。負帯電の場合は、シラ
ンカップリング材、チタンカップリング材、シリコーン
オイルなどで処理することが好ましい。正帯電の場合
は、アミノシラン系、側鎖にアミンを有するシリコーン
オイルなどで処理することが好ましい。また、導電化表
面処理を行ってもよい。これらの添加量は、トナー10
0重量部に対して0.05〜5重量部、さらに0.1〜
3.0重量部であることが好ましい。 【0059】無機外添剤のトナーに対する被覆率は、溶
媒消去の際に溶媒との親和性および浸透速度に大きな影
響を与える。一般的に無機外添剤は溶媒との親和性が低
いので、無機外添剤による被覆率は必要最小限であるこ
とが好ましい。また、同じ被覆率であれば、均一に被覆
していることが好ましい。無機外添剤による被覆率は1
〜50%、さらに1〜10%であることが好ましい。 【0060】本発明において、ワックス成分の酸価、無
機外添剤のpH値、バインダー樹脂の酸価を調整するた
めに用いられる塩基性物質は特に限定されず、無機化合
物でも有機化合物でもよい。 【0061】好適な無機化合物としては、塩化カルシウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸アン
モニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属のホ
ウ酸塩、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リ
ン酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナ
トリウムが挙げられる。 【0062】好適な有機化合物としては、第1級〜第3
級アミンや第4級アンモニウム塩が挙げられる。第4級
アンモニウム塩の対イオンとしては、ヒドロキシルイオ
ン、ハロゲンイオン、アルコキシドイオンなどが挙げら
れる。 【0063】非芳香族系のアミンまたはアンモニウム塩
としては、炭素数が1〜50の脂肪族炭化水素基または
炭素数が1〜50の脂環式炭化水素基を有するものが挙
げられる。これらの炭化水素基は、ビニル基、エチニレ
ン基、エチニル基、オキシ基、オキシカルボニル基、チ
オカルボニル基、ジチオカルボニル基、チオ基、スルフ
ィニル基、スルホニル基、カルボニル基、ヒドラゾ基、
アゾ基、アジド基、ニトリロ基、ジアゾアミノ基、イミ
ノ基、尿素結合、チオ尿素結合、アミド結合、ウレタン
結合、カルボニルジオキシ基から選択される少なくとも
1個の置換基で置換されていてもよい。 【0064】芳香族系のアミンまたはアンモニウム塩と
しては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、テ
トラロン環、アントラセン環、フェナントレン環、イン
デン環、インダン環、ペンタレン環、アズレン環、ヘプ
タレン環、フルオレン環などの芳香環を有するものが挙
げられる。これらの芳香環は炭素数が1〜50の脂肪族
炭化水素基や炭素数が1〜50の脂環式炭化水素基で置
換されていてもよい。さらにこれらの炭化水素基が、上
述した置換基で置換されていてもよい。 【0065】環状アミンとしては、アジリジン、アゼチ
ジン、ピロリン、ピロリジン、インドリン、ピリジン、
ピペリジン、ヒドロピリジン、キノリン、イソキノリ
ン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリ
ン、アクリジン、フェナントリジン、フェナントロリ
ン、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、ピリダジン、ピ
リミジン、ピラジン、イミダゾール、ヒスタミン、デカ
ヒドロキノリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イミダゾ
リジン、ピペラジン、シンノリン、フタラジン、キナゾ
リン、キノサリン、ジヒドロフェナジン、トリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール、トリアジン、テトラゾール、
ペンタメチレンテトラゾール、テトラジン、プリン、プ
テリジン、カルボリン、ナフチリジン、インドリジン、
キノリジン、キヌクリジン、オキサゾール、オキサゾリ
ジン、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、アント
ラニル、オキサジン、オキサゾリン、チアゾール、チア
ゾリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、イソ
チアゾール、チアジン、アゾキシム、フラザン、オキサ
ジアジン、チアジアゾール、ベンゾチアジアゾール、チ
アジアジン、ジチアジン、モルホリン、ヘキサメチレン
テトラミン、ジアザビシクロウンデセンなどが挙げられ
る。 【0066】上記以外で用いることができる有機塩基性
物質としては、アルコールのアルカリ金属塩、アルコー
ルのアルカリ土類金属塩、アミジン、グアニジン、アミ
ノグアニジン、尿素、チオ尿素、セミカルバジド、チオ
セミカルバジド、カルボノヒドラジドが挙げられる。 【0067】本発明においては、呈色性化合物、顕色
剤、消色剤、塩基性物質などの成分のうち1種または2
種以上をマイクロカプセルに封入した状態で用いてもよ
い。マイクロカプセルのシェル材料としては、加熱によ
り破壊される材料が選択される。マイクロカプセルが破
壊する温度は120〜200℃であることが好ましい。
好適な材料としては、ポリエーテルケトン、エポキシ樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリスチレン、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、
ポリシロキサン、ポリビニルアセテート、アラビアゴ
ム、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリイソシ
アネート、ポリピロール、キトサン、コラーゲン、ポリ
アミノ酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよ
いし混合して用いてもよい。また、これらの共重合体を
用いてもよい。好適なマイクロカプセルの粒径は画像形
成材料の用途に応じて異なるが、トナー、熱転写イン
ク、筆記用インクの場合には1〜5μm、インクジェッ
トプリンター用インクの場合にはノズルのサイズ以下の
100〜1000nmとすることが好ましい。 【0068】本発明の画像形成材料を電子写真用のトナ
ーとして用いる場合、呈色性化合物、顕色剤、相溶性消
色剤、バインダー、ワックス成分、帯電制御剤などの成
分を混合して複数回混練した後、得られた混練物を機械
的に粉砕し、粉砕された粒子を分級する。混合・分散手
段としては、高速ディゾルバ、ロールミル、ボールミル
などの湿式分散法や、ロール、加圧ニーダ、インターナ
ルミキサ、スクリュー型押出機などによる溶融混練法な
どを用いることができる。混合手段としては、ボールミ
ル、V型混合機、フォルバーグ、ヘンシェルミキサなど
を用いることができる。混練物を粗粉砕する手段として
は、ハンマーミル、カッターミル、ローラーミル、ボー
ルミルなどを用いることができる。粗粉砕物を微粉砕す
る手段としては、ジェットミル、高速回転式粉砕機など
を用いることができる。微粉砕物を分級する手段として
は、気流式分級機などを用いることができる。 【0069】本発明の画像形成材料をトナーとして用
い、紙の上に画像を形成するには、像担持体上に静電潜
像を形成し、帯電したトナーを静電潜像に付着せしめて
トナー像を形成し、トナー像を紙に転写し、紙に転写さ
れたトナー像を加熱して定着させる。 【0070】本発明において、発色した画像形成材料を
消去するには、画像形成材料を加熱および融解して消去
する方法と、画像形成材料を溶媒に接触させて消去する
方法がある。 【0071】画像形成材料を加熱する方法では、任意の
加熱手段たとえばサーマルプリンターヘッド(TP
H)、レーザーヘッド、サーマルバー、ホットスタン
プ、ヒートローラー、ヒートガン、温風配風機、加熱ラ
ンプなどを適用できる。 【0072】画像形成材料を溶媒に接触させる方法で
は、紙を溶媒に浸漬させるか、または溶媒を紙に噴霧す
る。このための手段としては、容器に収容した溶媒に紙
を浸漬するローラー、紙に溶媒を噴霧するスプレーノズ
ル、紙に溶媒を滴下するノズル、溶媒を紙に供給するグ
ラビアローラーなどが用いられる。残留した溶媒を紙か
ら除去する手段としては、熱風、赤外線ランプ、ヒート
ローラー、ホットプレス、サーマルプリンターヘッド
(TPH)、サーマルバーなどが用いられる。なお、気
化しやすい溶媒を用いた場合には、自然乾燥させてもよ
い。また、これらの装置には使用した溶媒を回収する手
段を設けることが好ましい。 【0073】この方法で用いる溶媒は、(A)顕色剤と
消色剤との間の水素結合の形成を助ける性質を有するこ
とが好ましく、さらに(B)バインダーとの親和性が高
く画像形成材料の内部にまで浸透しやすい性質を有する
ことが好ましい。上記の(A)の性質を満たす溶媒は単
独で使用することができる。また、2種以上の溶媒を混
合して上記の2つの性質を満たすようにしてもよい。 【0074】上記の(A)および(B)の両方の性質を
有する溶媒としては、エーテル、ケトン、エステルなど
が挙げられる。具体例は、飽和エーテル、たとえばエチ
ルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロ
ピルエーテル、イソペンチルメチルエーテル、ブチルエ
チルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、エチルイソペンチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ
ヘキシルエーテル;不飽和エーテル、たとえばエチルビ
ニルエーテル、アリルエチルエーテル、ジアリルエーテ
ル、エチルプロパルギルエーテル;二価アルコールのエ
ーテル、たとえば2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジ
ブトキシエタン;環状エーテル、たとえばオキセタン、
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソラ
ン、ジオキサン、トリオキサン;飽和ケトン、たとえば
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケト
ン、ジエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチ
ルメチルケトン、エチルプロピルケトン、イソブチルメ
チルケトン、ピナコロン、メチルペンチルケトン、ブチ
ルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケ
トン、ヘキシルメチルケトン、イソヘキシルメチルケト
ン、へプチルメチルケトン、ジブチルケトン;不飽和ケ
トン、たとえばエチリデンアセトン、アリルアセトン、
メシチルオキシド;環状ケトン、たとえばシクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオ
クタノン;エステル、たとえばギ酸エチル、ギ酸プロピ
ル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸
イソペンチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、
酢酸イソペンチル、酢酸sec−アミル、酢酸ヘキシ
ル、酢酸アリル、2−メトキシエチルアセテート、2−
エトキシエチルアセテート、1,2−ジアセトキシエタ
ン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピ
オン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオ
ン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸イソ
ペンチル、プロピオン酸sec−アミル、2−メトキシ
プロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテー
ト、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソ
プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチ
ル、酪酸sec−アミル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エ
チル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ
酪酸ブチル、イソ酪酸ペンチル、イソ酪酸イソペンチ
ル、イソ酪酸sec−アミル、吉草酸メチル、吉草酸エ
チル、吉草酸プロピル、吉草酸イソプロピル、吉草酸ブ
チル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、
吉草酸イソプロピル、吉草酸ブチル、ヘキサン酸メチ
ル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン
酸イソプロピルなどである。上記以外の溶媒として、塩
化メチレン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクト
ン、n−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセタミド、ジメチルスルホキシドなどがある
(第一群)。これらは単独で用いても、2種以上を混合
して用いてもよい。混合溶媒を用いる場合、混合比は任
意に設定できる。 【0075】上記(A)の性質を有するが、バインダー
との親和性が低い溶媒は、たとえば水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、
3−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、1
−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノー
ル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、グリセリンなどである(第二群)。 【0076】上記(A)の性質を持たないが、バインダ
ーとの親和性が高い溶媒は、たとえばトルエン、エチル
ベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼ
ン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、ペ
ンチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレン、キシ
レン、クレゾール、エチルフェノール、ジメトキシベン
ゼン、ジメトキシトルエン、ベンジルアルコール、トリ
ルカルビノール、クミルアルコール、アセトフェノン、
プロピオフェノン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプ
タン、シクロオクタン、石油留分(石油エーテル、ベン
ジンなど)である(第三群)。 【0077】上述したように第一群の溶媒は単独で良好
に使用することができる。第二群の溶媒は、単独でも使
用できるが、第一群の溶媒と混合してもよい。この場
合、どちらの群の溶媒も消去能を持っているので任意の
混合比で使用することができる。第二群の溶媒と第三群
の溶媒との混合溶媒を用いる場合、十分な消去能が得ら
れれば両者の混合比は特に限定されないが、第三群の溶
媒を20〜80wt%とすることが好ましい。第三群の
溶媒は第一群の溶媒と混合して用いてもよい。この場
合、第三群の溶媒を90wt%以下とすればよい。ま
た、第一群から第三群の溶媒を混合して用いてもよい。
この場合、第三群の溶媒を80wt%以下とすることが
好ましい。 【0078】画像形成材料を効率的に消色するためには
溶媒を予め加熱しておいてもよい。この場合、溶媒の温
度を40〜150℃の範囲とすることが好ましい。本発
明において、塩基性物質を用いる場合、溶媒による画像
消去工程において用いる消去用溶媒に添加してもよい
し、加熱による画像消去工程の前に塩基性物質の溶液を
紙に噴霧するかまたは紙を塩基性物質の溶液に浸漬させ
てもよい。塩基性物質の溶液を調製するために用いられ
る溶媒は、消去用溶媒として例示したもののうち使用す
る塩基性物質を溶解できるものを任意に選択できる。塩
基性物質の溶液の濃度は、1〜40wt%であることが
好ましい。 【0079】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下の実
施例において記載したトナーの軟化点は、フローテスタ
(島津製作所製、CFT−500)を用い、ノズル:
1.0mmφ×10.0mm、荷重:30kgf、昇温
速度:3℃/min、サンプル量:1.0gの条件で、
サンプル流出量が半分に達した時の温度(T1/2 )であ
る。 【0080】以下の実施例では、ヨーロッパにおいて標
準的に使用されているNEUSIEDLER製の紙(pH=9.
4)に画像を形成した。画像形成は複写機として東芝製
のプリマージュ3860を用いて行った。なお、1成分
系のトナーを用いて画像形成する場合、上記複写機のト
ナー供給部の攪拌ローラーを取り外し、マグネットロー
ラーを帯電ローラーに替えた改造機を使用した。反射濃
度はマクベスの濃度計により測定した。 【0081】実施例1 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸17重量部、バインダー
として分子量40,000、軟化点180℃のスチレン
−アクリレート共重合体79重量部、ワックス成分とし
て1−ドコサノール1重量部、帯電制御剤(日本カーリ
ット社製、LR−147)1重量部を混合し、ニーダー
の投入エネルギーを適切に調整して混練を行い、混練物
を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。粗粉砕した
混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の混練を行
い、混練物を作製した。 【0082】この混練物の軟化点は173℃であり、軟
化点の低下は7℃(3.8%)であった(実施例1
a)。なお、1回目の混練の後に混練物の粗粉砕を行わ
ずに2回目の混練を行うことにより得られた混練物の軟
化点の低下も7℃(3.8%)であった(実施例1
b)。 【0083】同じ組成でニーダーによる混練を実施例1
aと同一条件で1回だけ行った場合、混練物の軟化点の
低下は3℃(1.6%)であった(比較例1a)。同じ
組成でニーダーの投入エネルギーを実施例1aよりも大
きくして混練を1回だけ行った場合、混練物の軟化点の
低下は17℃(9%)であった(比較例1b)。 【0084】各混練物を粉砕機により粉砕して粉体を得
た。得られた粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重
量部を添加して青色のトナーを得た。このトナーにフェ
ライト系キャリア(日本パウダーテック社製、F97−
2035)1900重量部を添加して攪拌し、二成分ト
ナーを作製した。 【0085】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾燥し
た。 【0086】実施例1aのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は1.2、画像消去後の紙の反射濃
度は0.06であった。実施例1bのトナーを用いた場
合、画像消去後の紙の反射濃度は0.10であった。こ
れらの結果から、複数回の混練を行い、かつ1回目の混
練で得られた混練物を粗粉砕した後に2回目の混練を行
うと、良好な消去状態が得られることがわかる。 【0087】比較例1aのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.9であり、発色が弱かった。
また、画像消去後の紙には消え残りがあり、その部分の
反射濃度は0.2であった。 【0088】比較例1bのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.6であり、発色が非常に弱か
った。画像消去後の紙の反射濃度は0.06であった。
次に、上記の場合と混練方法を変更して実験を行った。 【0089】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部を混合し、ニーダーで混練して混練物
を作製した。これとは別に、消色剤としてコール酸17
重量部、バインダーとして分子量40,000、軟化点
180℃のスチレン−アクリレート共重合体79重量
部、ワックス成分として1−ドコサノール1重量部、帯
電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダー
で混練して混練物を作製した。これらの混練物をそれぞ
れ粗粉砕した後、直ちにニーダーに供給して再度混練し
て混練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕し
て粉体を得た。この粉体に平均粒径1μmの疎水性シリ
カ1重量部を添加して青色のトナーを作製した。このト
ナーにフェライト系キャリア(F97−2035)19
00重量部を添加して攪拌し、二成分トナーを作製した
(実施例1c)。 【0090】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、消色剤としてコール酸
17重量部、バインダーとして分子量40,000、軟
化点180℃のスチレン−アクリレート共重合体79重
量部をニーダーで混練して混練物を作製した。これとは
別に、顕色剤として没食子酸プロピル1重量部、ワック
ス成分として1−ドコサノール1重量部、帯電制御剤
(LR−147)1重量部を混合し、ニーダーで混練し
て混練物を作製した。これらの混練物をそれぞれ粗粉砕
した後、直ちにニーダーに供給して再度混練して混練物
を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕して粉体を
得た。この粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重量
部を添加して青色のトナーを作製した。このトナーにフ
ェライト系キャリア(F97−2035)1900重量
部を添加して攪拌し、二成分トナーを作製した(比較例
1c)。 【0091】これらのトナーを用い、上記と同様にして
画像形成および画像消去を行った。実施例1cのトナー
を用いた場合、形成された画像の反射濃度は1.2、画
像消去後の紙の反射濃度は0.03であった。一方、比
較例1cのトナーを用いた場合、形成された画像の反射
濃度は0.4、画像消去後の紙の反射濃度は0.02で
あった。これらの結果から、呈色性化合物と顕色剤、お
よび消色剤とバインダーを別々に混練し、これらの混練
物を合わせて再度混練することが好ましいことがわか
る。 【0092】実施例2 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1.5重量部、顕色剤として没食子酸プロピ
ル1.5重量部、バインダーとして分子量40,00
0、軟化点180℃のスチレン−アクリレート共重合体
95重量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重
量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、
ニーダーの投入エネルギーを適切に調整して混練を行
い、混練物を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。
粗粉砕した混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。 【0093】この混練物の軟化点は173℃であり、軟
化点の低下は7℃(3.8%)であった(実施例2)。
同じ組成でニーダーによる混練を実施例2と同一条件で
1回だけ行った場合、混練物の軟化点の低下は3℃
(1.6%)であった(比較例2a)。 【0094】同じ組成でニーダーの投入エネルギーを実
施例2よりも大きくして混練を1回だけ行った場合、混
練物の軟化点の低下は17℃(9%)であった(比較例
2b)。 【0095】各混練物を粉砕機により粉砕して粉体を得
た。得られた粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重
量部を添加してトナーを作製した。このトナーにフェラ
イト系キャリア(F97−2035)1900重量部を
添加して攪拌し、二成分トナーを作製した。 【0096】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をコール酸/メチ
ルエチルケトン飽和溶液に60秒間浸漬させた画像を消
去した後、乾燥した。 【0097】実施例2のトナーを用いた場合、形成され
た画像の反射濃度は1.2、画像消去後の紙の反射濃度
は0.06であった。比較例2aのトナーを用いた場
合、形成された画像の反射濃度は0.8であり、発色が
弱かった。また、画像消去後の紙には消え残りがあり、
その部分の反射濃度は0.2であった。 【0098】比較例2bのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.6であり、発色が非常に弱か
った。画像消去後の紙の反射濃度は0.05であった。 実施例3 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸17重量部、バインダー
として分子量40,000のポリスチレン79重量部、
ワックス成分として1−ドコサノール1重量部、帯電制
御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダーの投
入エネルギーを適切に調整して混練を行った。この混練
物を粗粉砕した。粗粉砕物を直ちにニーダーに供給して
2回目の混練を行った。この混練物を粉砕機により粉砕
して粉体を得た。この粉体に平均粒径1μmの疎水性シ
リカ1重量部を添加してトナーを作製した。 【0099】TEM写真を解析してトナー中のワックス
成分のサイズ分布を調べた。その結果、2μm以下のサ
イズのものが90%以上を占めていた(実施例3)。同
じ組成で投入エネルギーを実施例3より小さくして、ニ
ーダーによる混練を行った。この場合、トナー中のワッ
クス成分のサイズ分布は4μmから1μmまでのサイズ
のものがそれぞれ15%前後存在し、幅広い分布を示し
た(比較例3a)。 【0100】同じ組成で投入エネルギーを実施例3より
大きくして、ニーダーによる混練を行った。この場合、
ワックス成分のサイズ分布は0.2μm以下のサイズの
ものが80%以上、2.5μm以上のサイズのものが約
20%であり、その中間のサイズのものがほとんど存在
しない不均一な分布を示した(比較例3b)。 【0101】上記のトナーにフェライト系キャリア(F
97−2035)1900重量部を添加して攪拌し、二
成分トナーを作製した。各二成分トナーを複写機のトナ
ーカートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して
紙に画像を転写した。また、画像が形成された紙をメチ
ルエチルケトンに30秒間浸漬させた画像を消去した
後、乾燥した。 【0102】実施例3のトナーを用いた場合、形成され
た画像の反射濃度は0.9、画像消去後の紙の反射濃度
は0.06であった。比較例3aのトナーを用いた場
合、形成された画像の反射濃度は0.8であり、発色が
弱かった。画像消去後の紙の反射濃度は0.07であっ
た。 【0103】比較例3bのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.7であり、発色が非常に弱か
った。画像消去後の紙の反射濃度は0.1であった。 実施例4 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1.5重量部、顕色剤として没食子酸プロピ
ル1.5重量部、バインダーとして分子量40,000
のスチレン−アクリレート共重合体93重量部、ワック
ス成分として1−ドコサノール1重量部、帯電制御剤
(LR−147)1重量部を混合し、ニーダーの投入エ
ネルギーを適切に調整して混練を行い、混練物を作製し
た。得られた混練物を粗粉砕した。粗粉砕した混練物を
直ちにニーダーに供給して2回目の混練を行い、混練物
を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕して粉体を
得た。この粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重量
部を添加してトナーを作製した。 【0104】TEM写真を解析してトナー中のワックス
成分のサイズ分布を調べた。その結果、2μm以下のサ
イズのものが90%以上を占めていた(実施例4)。同
じ組成で投入エネルギーを実施例4より小さくして、ニ
ーダーによる混練を行った。この場合、トナー中のワッ
クス成分のサイズ分布は4μmから1μmまでのサイズ
のものがそれぞれ15%前後存在し、幅広い分布を示し
た(比較例4a)。 【0105】同じ組成で投入エネルギーを実施例4より
大きくして、ニーダーによる混練を行った。この場合、
ワックス成分のサイズ分布は0.2μm以下のサイズの
ものが80%以上、2.5μm以上のサイズのものが約
20%であり、その中間のサイズのものがほとんど存在
しない不均一な分布を示した(比較例4b)。 【0106】上記のトナーにフェライト系キャリア(F
97−2035)1900重量部を添加して攪拌し、二
成分トナーを作製した。各二成分トナーを複写機のトナ
ーカートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して
紙に画像を転写した。また、画像が形成された紙をコー
ル酸/メチルエチルケトン飽和溶液に60秒間浸漬させ
た画像を消去した後、乾燥した。 【0107】実施例4のトナーを用いた場合、形成され
た画像の反射濃度は1.2、画像消去後の紙の反射濃度
は0.06であった。比較例4aのトナーを用いた場
合、形成された画像の反射濃度は0.8であり、発色が
弱かった。画像消去後の紙の反射濃度は0.07であっ
た。 【0108】比較例4bのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.7であり、発色が非常に弱か
った。画像消去後の紙の反射濃度は0.1であった。 実施例5 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1.5重量部、顕色剤として没食子酸プロピ
ル1.5重量部、バインダーとして分子量47,000
のポリスチレン95重量部、ワックス成分として1−ド
コサノール1重量部、帯電制御剤(LR−147)1重
量部を混合し、ニーダーの投入エネルギーを適切に調整
して混練を行い、混練物を作製した。得られた混練物を
粗粉砕した。粗粉砕した混練物を直ちにニーダーに供給
して2回目の混練を行い、混練物を作製した。この混練
物を粉砕機により粉砕して粉体を得た。この粉体に平均
粒径1μmの疎水性シリカ1重量部を添加してトナーを
作製した。このトナーを分級した。 【0109】分級成分のうち1成分の粒度分布をコール
ターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が8μ
m、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が18%、1
0μm以上の粒子の含有率が17%であり、粒度のそろ
った粒度分布を示した(実施例5)。 【0110】分級成分のうち別の成分の粒度分布をコー
ルターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が1
2μm、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が32
%、12μm以上の粒子の含有率が40%であり、粒度
分布のばらつきが大きかった(比較例5)。 【0111】これらの各分級成分にフェライト系キャリ
ア(F97−2035)を添加して攪拌し、二成分トナ
ーを作製した。各二成分トナーを複写機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像
を転写した。また、画像が形成された紙をコール酸/メ
チルエチルケトン飽和溶液に60秒間浸漬させた画像を
消去した後、乾燥した。 【0112】実施例5のトナーを用いた場合、画像消去
後の紙の反射濃度は0.08であった。このように、粒
度のそろった粒度分布を示すトナーを用いた場合、ほぼ
完全に画像を消去できる。 【0113】比較例5のトナーを用いた場合、画像消去
後の紙には消え残りがあり、その部分の反射濃度は0.
23であった。 実施例6 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸17重量部、バインダー
として分子量85,000のスチレン−ブチルメタクリ
レート共重合体(ブチルメタクリレート含有量30%)
79重量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重
量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、
ニーダーの投入エネルギーを適切に調整して混練を行
い、混練物を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。
粗粉砕した混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して粉体を得た。この粉体に平均粒径1μmの
疎水性シリカ1重量部を添加してトナーを作製した。こ
のトナーを分級した。 【0114】分級成分のうち1成分の粒度分布をコール
ターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が8μ
m、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が18%、1
0μm以上の粒子の含有率が17%であり、粒度のそろ
った粒度分布を示した(実施例6)。 【0115】分級成分のうち別の成分の粒度分布をコー
ルターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が1
2μm、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が30
%、12μm以上の粒子の含有率が35%であり、粒度
分布のばらつきが大きかった(比較例6)。 【0116】これらの各分級成分にフェライト系キャリ
ア(F97−2035)を添加して攪拌し、二成分トナ
ーを作製した。各二成分トナーを複写機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像
を転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチル
ケトンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾燥し
た。 【0117】実施例6のトナーを用いた場合、画像消去
後の紙の反射濃度は0.08であった。このように、粒
度のそろった粒度分布を示すトナーを用いた場合、ほぼ
完全に画像を消去できる。 【0118】比較例6のトナーを用いた場合、画像消去
後の紙には消え残りがあり、その部分の反射濃度は0.
13であった。 実施例7 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸15重量部、導電性フィ
ラーとしてマグネタイト2重量部、バインダーとして分
子量85,000のスチレン−ブチルメタクリレート共
重合体(ブチルメタクリレート含有量30%)79重量
部、ワックス成分として1−ドコサノール1重量部、帯
電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダー
の投入エネルギーを適切に調整して混練を行い、混練物
を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。粗粉砕した
混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の混練を行
い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕
して粉体を得た。この粉体に平均粒径1μmの疎水性シ
リカ1重量部を添加してトナーを作製した。 【0119】TEM写真を解析してトナー中のマグネタ
イトの粒度分布を調べた。その結果、0.1μm以下の
粒子が40%、0.2μm以上の粒子が18%であり、
粒度のそろった粒度分布を示した(実施例7)。 【0120】同じ組成で投入エネルギーを実施例7より
小さくして、ニーダーによる混練を1回だけ行った。こ
の場合、トナー中のマグネタイトの粒度分布は0.1μ
m以下の粒子が30%、0.2μm以上の粒子が70%
であり、粒度分布のばらつきが大きかった(比較例
7)。 【0121】これらのトナーにフェライト系キャリア
(F97−2035)1900重量部を添加して攪拌
し、二成分トナーを作製した。各二成分トナーを複写機
のトナーカートリッジに入れ、定着温度を180℃に設
定して紙に画像を転写した。また、画像が形成された紙
をメチルエチルケトンに30秒間浸漬させた画像を消去
した後、乾燥した。 【0122】実施例7のトナーを用いた場合、画像消去
後の紙の反射濃度は0.1であった。これは、マグネタ
イトによる着色が原因していると思われるが、色素成分
による画像はほぼ完全に消去できているといえる。 【0123】比較例7のトナーを用いた場合、画像消去
後の紙には消え残りがあり、その部分の反射濃度は0.
2であった。 実施例8 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸17重量部、バインダー
として分子量45,000、軟化点190℃のスチレン
−ブチルメタクリレート共重合体(ブチルメタクリレー
ト含有量30%)79重量部、ワックス成分として1−
ドコサノール1重量部、帯電制御剤(LR−147)1
重量部を混合し、ニーダーの投入エネルギーを適切に調
整して混練を行い、混練物を作製した。得られた混練物
を粗粉砕した。粗粉砕した混練物を直ちにニーダーに供
給して2回目の混練を行い、混練物を作製した。この混
練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μmの粉体を
得た。得られた粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1
重量部を添加して一成分トナーを作製した。 【0124】このトナーの軟化点は178℃であり、軟
化点の低下は12℃(6.3%)であった(実施例
8)。同じ組成でニーダーによる混練を実施例8と同一
条件で1回だけ行った場合、トナーの軟化点の低下は3
℃(1.5%)であった(比較例8a)。 【0125】同じ組成でニーダーの投入エネルギーを実
施例8よりも大きくして混練を1回だけ行った場合、ト
ナーの軟化点の低下は18℃(9.5%)であった(比
較例8b)。 【0126】各一成分トナーを改造型複写機のトナーカ
ートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に
画像を転写した。また、画像が形成された紙をメチルエ
チルケトンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾
燥した。 【0127】実施例8のトナーを用いた場合、形成され
た画像の反射濃度は1.2、画像消去後の紙の反射濃度
は0.05であった。比較例8aのトナーを用いた場
合、形成された画像の反射濃度は1.1であり、発色が
弱かった。また、画像消去後の紙には消え残りがあり、
その部分の反射濃度は0.2であった。 【0128】比較例8bのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.7であり、発色が非常に弱か
った。画像消去後の紙の反射濃度は0.08であった。 実施例9 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1.5重量部、顕色剤として没食子酸プロピ
ル1.5重量部、バインダーとして分子量45,00
0、軟化点190℃のスチレン−ブチルメタクリレート
共重合体(ブチルメタクリレート含有量30%)94重
量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重量部、
帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダ
ーの投入エネルギーを適切に調整して混練を行い、混練
物を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。粗粉砕し
た混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の混練を行
い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕
して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体に平
均粒径1μmの疎水性シリカ1重量部を添加して一成分
トナーを作製した。 【0129】このトナーの軟化点は180℃であり、軟
化点の低下は10℃(5.2%)であった(実施例
9)。同じ組成でニーダーによる混練を実施例9と同一
条件で1回だけ行った場合、混練物の軟化点の低下は3
℃(1.5%)であった(比較例9a)。 【0130】同じ組成でニーダーの投入エネルギーを実
施例9よりも大きくして混練を1回だけ行った場合、混
練物の軟化点の低下は18℃(9.5%)であった(比
較例9b)。 【0131】各一成分トナーを改造型複写機のトナーカ
ートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に
画像を転写した。また、画像が形成された紙をコール酸
/メチルエチルケトン飽和溶液に30秒間浸漬させた画
像を消去した後、乾燥した。 【0132】実施例9のトナーを用いた場合、形成され
た画像の反射濃度は1.3、画像消去後の紙の反射濃度
は0.06であった。比較例9aのトナーを用いた場
合、形成された画像の反射濃度は1.0であり、発色が
弱かった。また、画像消去後の紙には消え残りがあり、
その部分の反射濃度は0.15であった。 【0133】比較例9bのトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は0.6であり、発色が非常に弱か
った。画像消去後の紙の反射濃度は0.09であった。 実施例10 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸17重量部、バインダー
として分子量45,000のスチレン−ブチルメタクリ
レート共重合体(ブチルメタクリレート含有量30%)
79重量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重
量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、
ニーダーの投入エネルギーを適切に調整して混練を行
い、混練物を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。
粗粉砕した混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた
粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重量部を添加し
て一成分トナーを作製した。 【0134】TEM写真を解析してトナー中のワックス
成分のサイズ分布を調べた。その結果、2μm以下のサ
イズのものが90%以上を占めていた(実施例10)。
同じ組成で投入エネルギーを実施例10より小さくし
た。この場合、トナー中のワックス成分のサイズ分布は
4μmから1μmまでのサイズのものがそれぞれ15%
前後存在し、幅広い分布を示した(比較例10a)。 【0135】同じ組成で投入エネルギーを実施例10よ
り大きくした。この場合、ワックス成分のサイズ分布は
0.2μm以下のサイズのものが80%以上、2.5μ
m以上のサイズのものが約20%であり、その中間のサ
イズのものがほとんど存在しない不均一な分布を示した
(比較例10b)。 【0136】各一成分トナーを改造型複写機のトナーカ
ートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に
画像を転写した。また、画像が形成された紙をメチルエ
チルケトンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾
燥した。 【0137】実施例10のトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は1.1、画像消去後の紙の反射濃
度は0.06であった。比較例10aのトナーを用いた
場合、形成された画像の反射濃度は0.7であり、発色
が弱かった。画像消去後の紙の反射濃度は0.07であ
った。 【0138】比較例10bのトナーを用いた場合、形成
された画像の反射濃度は0.6であり、発色が非常に弱
かった。画像消去後の紙の反射濃度は0.1であった。 実施例11 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1.5重量部、顕色剤として没食子酸プロピ
ル1.5重量部、バインダーとして分子量45,000
のスチレン−ブチルメタクリレート共重合体(ブチルメ
タクリレート含有量30%)94重量部、ワックス成分
として1−ドコサノール1重量部、帯電制御剤(LR−
147)1重量部を混合し、ニーダーの投入エネルギー
を適切に調整して混練を行い、混練物を作製した。得ら
れた混練物を粗粉砕した。粗粉砕した混練物を直ちにニ
ーダーに供給して2回目の混練を行い、混練物を作製し
た。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μ
mの粉体を得た。得られた粉体に平均粒径1μmの疎水
性シリカ1重量部を添加して一成分トナーを作製した。 【0139】TEM写真を解析してトナー中のワックス
成分のサイズ分布を調べた。その結果、2μm以下のサ
イズのものが90%以上を占めていた(実施例11)。
同じ組成で投入エネルギーを実施例11より小さくし
た。この場合、トナー中のワックス成分のサイズ分布は
4μmから1μmまでのサイズのものがそれぞれ14%
前後存在し、幅広い分布を示した(比較例11a)。 【0140】同じ組成で投入エネルギーを実施例11よ
り大きくした。この場合、ワックス成分のサイズ分布は
0.2μm以下のサイズのものが80%以上、2.5μ
m以上のサイズのものが約20%であり、その中間のサ
イズのものがほとんど存在しない不均一な分布を示した
(比較例11b)。 【0141】各一成分トナーを改造型複写機のトナーカ
ートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に
画像を転写した。また、画像が形成された紙をコール酸
/メチルエチルケトン飽和溶液に60秒間浸漬させた画
像を消去した後、乾燥した。 【0142】実施例11のトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は1.3、画像消去後の紙の反射濃
度は0.06であった。比較例11aのトナーを用いた
場合、形成された画像の反射濃度は0.7であり、発色
が弱かった。画像消去後の紙の反射濃度は0.07であ
った。 【0143】比較例11bのトナーを用いた場合、形成
された画像の反射濃度は0.7であり、発色が非常に弱
かった。画像消去後の紙の反射濃度は0.09であっ
た。 実施例12 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、消色剤としてコール酸17重量部、バインダー
として分子量45,000のスチレン−ブチルメタクリ
レート共重合体(ブチルメタクリレート含有量30%)
79重量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重
量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、
ニーダーの投入エネルギーを適切に調整して混練を行
い、混練物を作製した。得られた混練物を粗粉砕した。
粗粉砕した混練物を直ちにニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して粉体を得た。得られた粉体に平均粒径1μ
mの疎水性シリカ1重量部を添加して一成分トナーを作
製した。このトナーを分級した。 【0144】分級成分のうち1成分の粒度分布をコール
ターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が8μ
m、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が18%、1
0μm以上の粒子の含有率が17%であり、粒度のそろ
った粒度分布を示した(実施例12)。 【0145】分級成分のうち別の成分の粒度分布をコー
ルターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が1
2μm、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が33
%、12μm以上の粒子の含有率が41%であり、粒度
分布のばらつきが大きかった(比較例12)。 【0146】各一成分トナーを改造型複写機のトナーカ
ートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に
画像を転写した。また、画像が形成された紙をメチルエ
チルケトンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾
燥した。 【0147】実施例12のトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は1.1、画像消去後の紙の反射濃
度は0.09であった。このように、粒度のそろった粒
度分布を示すトナーを用いた場合、ほぼ完全に画像を消
去できる。 【0148】比較例12のトナーを用いた場合、画像消
去後の紙には消え残りがあり、その部分の反射濃度は
0.21であった。 実施例13 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1.5重量部、顕色剤として没食子酸プロピ
ル1.5重量部、バインダーとして分子量45,000
のスチレン−ブチルメタクリレート共重合体(ブチルメ
タクリレート含有量30%)94重量部、ワックス成分
として1−ドコサノール1重量部、帯電制御剤(LR−
147)1重量部を混合し、ニーダーの投入エネルギー
を適切に調整して混練を行い、混練物を作製した。得ら
れた混練物を粗粉砕した。粗粉砕した混練物を直ちにニ
ーダーに供給して2回目の混練を行い、混練物を作製し
た。この混練物を粉砕機により粉砕して粉体を得た。得
られた粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重量部を
添加して一成分トナーを作製した。このトナーを分級し
た。 【0149】分級成分のうち1成分の粒度分布をコール
ターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が8μ
m、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が18%、1
0μm以上の粒子の含有率が17%であり、粒度のそろ
った粒度分布を示した(実施例13)。 【0150】分級成分のうち別の成分の粒度分布をコー
ルターカウンターで測定した。その結果、平均粒径が1
2μm、個数分布で5μm以下の粒子の含有率が32
%、12μm以上の粒子の含有率が40%であり、粒度
分布のばらつきが大きかった(比較例13)。 【0151】各一成分トナーを改造型複写機のトナーカ
ートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に
画像を転写した。また、画像が形成された紙をコール酸
/メチルエチルケトン飽和溶液に60秒間浸漬させた画
像を消去した後、乾燥した。 【0152】実施例13のトナーを用いた場合、形成さ
れた画像の反射濃度は1.3、画像消去後の紙の反射濃
度は0.09であった。このように、粒度のそろった粒
度分布を示すトナーを用いた場合、ほぼ完全に画像を消
去できる。 【0153】比較例13のトナーを用いた場合、画像消
去後の紙には消え残りがあり、その部分の反射濃度は
0.22であった。 実施例14 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重量部、バイ
ンダーとして分子量47,000のポリスチレン79重
量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重量部、
帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダ
ーに供給して混練を行い、混練物を作製した。得られた
混練物を再びニーダーに供給して2回目の混練を行い、
混練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕して
平均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体に平均粒
径1μmの表1に示す無機外添剤1重量部添加してトナ
ーを作製した。これらの無機外添剤のpH値はいずれも
7以上である。このトナーにフェライト系キャリア(F
97−2035)1900重量部を添加して攪拌し、二
成分トナーを作製した。 【0154】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙を加熱ローラーに
30秒間接触させて画像を消去した。画像を消去した紙
の反射濃度を測定した結果を表1に示す。若干の蝋化
(紙にワックス成分などがしみ込んでテカった状態)が
認められたが、表1に示されるように、画像消去後の紙
の反射濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良
好に消去できた。 【0155】 【表1】 【0156】画像が消去された紙を60℃で300時間
放置したが、画像が再び現れることはなかった。その
後、画像を消去した紙に、別の画像を転写し、消去する
プロセスを9回繰り返した。その後に転写した10回目
の画像も1回目の画像と同等の品質であった。さらに、
画像形成および消去を50回まで繰り返した。その結
果、紙は物理的に痛んだが、形成された画像の品質およ
び消去状態の品質は良好であった。 【0157】実施例15 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、塩基性物質として炭酸カルシウム4gを溶解した。
この溶液45mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコア
セルベーションを誘発した。この分散液を30℃まで冷
却し、放置した後にデカンテーションしてマイクロカプ
セルを分離した。得られたマイクロカプセルに対し、等
容量のホルムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さら
にホルムアルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分
間攪拌した後、マイクロカプセルをろ過した。得られた
マイクロカプセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。 【0158】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重
量部、バインダーとして分子量47,000のポリスチ
レン79重量部、ワックス成分として1−ドコサノール
1重量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部、塩基
性物質を含有するマイクロカプセル10重量部を混合
し、ニーダーに供給して混練を行い、混練物を作製し
た。得られた混練物を再びニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた
粉体に平均粒径1μmの表2に示す無機外添剤1重量部
添加してトナーを作製した。このトナーにフェライト系
キャリア(F97−2035)2000重量部を添加し
て攪拌し、二成分トナーを作製した。 【0159】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙を200℃の加熱
ローラーに30秒間接触させて画像を消去した。画像を
消去した紙の反射濃度を測定した結果を表2に示す。若
干の蝋化が認められたが、表2に示されるように、画像
消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程度であ
り、画像を良好に消去できた。消去状態の安定性につい
ても実施例14と同様な結果が得られた。 【0160】 【表2】 【0161】実施例16 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重量部、バイ
ンダーとして分子量85,000のスチレン−ブチルメ
タクリレート共重合体(ブチルメタクリレート含有量3
0%)79重量部、ワックス成分として1−ドコサノー
ル1重量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部を混
合し、ニーダーに供給して混練を行い、混練物を作製し
た。得られた混練物を再びニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた
粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重量部添加して
一成分トナーを作製した。 【0162】この一成分トナーを改造型複写機のトナー
カートリッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙
に画像を転写した。また、画像が形成された紙を表3に
示す有機溶媒に30秒間浸漬させて画像を消去した後、
乾燥した。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果
を表3に示す。表3に示されるように、画像消去後の紙
の反射濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良
好に消去できた。消去状態の安定性についても実施例1
4と同様な結果が得られた。 【0163】 【表3】 【0164】実施例17 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重量部、バイ
ンダーとして分子量47,000のポリスチレン79重
量部、ワックス成分として1−ドコサノール1重量部、
帯電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダ
ーに供給して混練を行い、混練物を作製した。得られた
混練物を再びニーダーに供給して2回目の混練を行い、
混練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕して
平均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体に平均粒
径1μmの表4に示す無機外添剤1重量部を添加してト
ナーを作製した。これらの無機外添剤のpH値はいずれ
も7以上である。このトナーにフェライト系キャリア
(F97−2035)1900重量部を添加して攪拌
し、二成分トナーを作製した。 【0165】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾燥し
た。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表4
に示す。表4に示されるように、画像消去後の紙の反射
濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好に消
去できた。消去状態の安定性についても実施例14と同
様な結果が得られた。 【0166】 【表4】【0167】実施例18 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、塩基性物質として炭酸カルシウム4gを溶解した。
この溶液45mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコア
セルベーションを誘発した。この分散液を30℃まで冷
却し、放置した後にデカンテーションしてマイクロカプ
セルを分離した。得られたマイクロカプセルに対し、等
容量のホルムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さら
にホルムアルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分
間攪拌した後、マイクロカプセルをろ過した。得られた
マイクロカプセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。 【0168】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重
量部、バインダーとして分子量47,000のポリスチ
レン79重量部、ワックス成分として1−ドコサノール
1重量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部、炭酸
カルシウムを含有するマイクロカプセル10重量部を混
合し、ニーダーに供給して混練を行い、混練物を作製し
た。得られた混練物を再びニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた
粉体に平均粒径1μmの表5に示す無機外添剤1重量部
を添加してトナーを作製した。このトナーにフェライト
系キャリア(F97−2035)2000重量部を添加
して攪拌し、二成分トナーを作製した。 【0169】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をジエチレングリ
コールジエチルエーテルに30秒間浸漬させた画像を消
去した後、乾燥した。画像を消去した紙の反射濃度を測
定した結果を表5に示す。表5に示されるように、画像
消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程度であ
り、画像を良好に消去できた。消去状態の安定性につい
ても実施例14と同様な結果が得られた。 【0170】 【表5】 【0171】実施例19 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、表6に示す塩基性物質4gを溶解した。この溶液4
5mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコアセルベーシ
ョンを誘発した。この分散液を30℃まで冷却し、放置
した後にデカンテーションしてマイクロカプセルを分離
した。得られたマイクロカプセルに対し、等容量のホル
ムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さらにホルムア
ルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分間攪拌した
後、マイクロカプセルをろ過した。得られたマイクロカ
プセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。 【0172】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重
量部、バインダーとして分子量47,000のポリスチ
レン79重量部、ワックス成分として1−ドコサノール
1重量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部、塩基
性物質を含有するマイクロカプセル10重量部を混合
し、ニーダーに供給して混練を行い、混練物を作製し
た。得られた混練物を再びニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた
粉体に平均粒径1μmの酸化チタン1重量部を添加して
トナーを作製した。このトナーにフェライト系キャリア
(F97−2035)2000重量部を添加して攪拌
し、二成分トナーを作製した。 【0173】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させた画像を消去した後、乾燥し
た。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表6
に示す。表6に示されるように、画像消去後の紙の反射
濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好に消
去できた。消去状態の安定性についても実施例14と同
様な結果が得られた。 【0174】 【表6】【0175】実施例20 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重量部、バイ
ンダーとして分子量47,000のポリスチレン79重
量部、酸価のない表7に示すワックス成分1重量部、帯
電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダー
に供給して混練を行い、混練物を作製した。得られた混
練物を再びニーダーに供給して2回目の混練を行い、混
練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕して平
均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体に平均粒径
1μmの疎水性シリカ1重量部を添加してトナーを作製
した。このトナーにフェライト系キャリア(F97−2
035)2000重量部を添加して攪拌し、二成分トナ
ーを作製した。 【0176】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙を200℃の加熱
ローラーに30秒間接触させて画像を消去した。画像を
消去した紙の反射濃度を測定した結果を表7に示す。若
干の蝋化が認められたが、表7に示されるように、画像
消去後の紙の反射濃度は初期の反射濃度と同程度であ
り、画像を良好に消去できた。消去状態の安定性につい
ても実施例14と同様な結果が得られた。 【0177】 【表7】 【0178】実施例21 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重量部、バイ
ンダーとして分子量47,000のポリスチレン79重
量部、酸価のない表8に示すワックス成分1重量部、帯
電制御剤(LR−147)1重量部を混合し、ニーダー
に供給して混練を行い、混練物を作製した。得られた混
練物を再びニーダーに供給して2回目の混練を行い、混
練物を作製した。この混練物を粉砕機により粉砕して平
均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体に平均粒径
1μmの疎水性シリカ1重量部を添加してトナーを作製
した。このトナーにフェライト系キャリア(F97−2
035)1900重量部を添加して攪拌し、二成分トナ
ーを作製した。 【0179】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させて画像を消去した後、乾燥し
た。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表8
に示す。表8に示されるように、画像消去後の紙の反射
濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好に消
去できた。消去状態の安定性についても実施例14と同
様な結果が得られた。 【0180】 【表8】【0181】実施例22 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、塩基性物質として炭酸カルシウム4gを溶解した。
この溶液45mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコア
セルベーションを誘発した。この分散液を30℃まで冷
却し、放置した後にデカンテーションしてマイクロカプ
セルを分離した。得られたマイクロカプセルに対し、等
容量のホルムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さら
にホルムアルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分
間攪拌した後、マイクロカプセルをろ過した。得られた
マイクロカプセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。 【0182】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重
量部、バインダーとして分子量47,000のポリスチ
レン79重量部、酸価が10以下の表9に示すワックス
成分1重量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部、
炭酸カルシウムのマイクロカプセル10重量部を混合
し、ニーダーに供給して混練を行い、混練物を作製し
た。得られた混練物を再びニーダーに供給して2回目の
混練を行い、混練物を作製した。この混練物を粉砕機に
より粉砕して平均粒径10μmの粉体を得た。得られた
粉体に平均粒径1μmの疎水性シリカ1重量部を添加し
てトナーを作製した。このトナーにフェライト系キャリ
ア(F97−2035)2000重量部を添加して攪拌
し、二成分トナーを作製した。 【0183】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させて画像を消去した後、乾燥し
た。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表9
に示す。表9に示されるように、画像消去後の紙の反射
濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好に消
去できた。消去状態の安定性についても実施例14と同
様な結果が得られた。 【0184】 【表9】 【0185】実施例23 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、表10に示す塩基性物質4gを溶解した。この溶液
45mLに硫酸ナトリウム11gを加えてコアセルベー
ションを誘発した。この分散液を30℃まで冷却し、放
置した後にデカンテーションしてマイクロカプセルを分
離した。得られたマイクロカプセルに対し、等容量のホ
ルムアルデヒドを添加して5分間攪拌し、さらにホルム
アルデヒドの2倍量のエタノールを添加し5分間攪拌し
た後、マイクロカプセルをろ過した。得られたマイクロ
カプセルを冷水で洗浄した後、乾燥した。 【0186】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、相溶性消色剤としてコール酸17重
量部、バインダーとして分子量47,000のポリスチ
レン79重量部、ステアリン酸ワックス1重量部、帯電
制御剤(LR−147)1重量部、塩基性物質のマイク
ロカプセル10重量部混合し、ニーダーに供給して混練
を行い、混練物を作製した。得られた混練物を再びニー
ダーに供給して2回目の混練を行い、混練物を作製し
た。この混練物を粉砕機により粉砕して平均粒径10μ
mの粉体を得た。得られた粉体に平均粒径1μmの疎水
性シリカ1重量部を添加してトナーを作製した。このト
ナーにフェライト系キャリア(F97−2035)20
00重量部を添加して攪拌し、二成分トナーを作製し
た。 【0187】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させて画像を消去した後、乾燥し
た。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表1
0に示す。表10に示されるように、画像消去後の紙の
反射濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好
に消去できた。消去状態の安定性についても実施例14
と同様な結果が得られた。 【0188】 【表10】【0189】実施例24 クリスタルバイオレットラクトン(CVL)の飽和水溶
液100gにヘキサン500mLを加えて窒素置換し
た。この分散液を−50℃に冷却し、マイクロカプセル
の芯材となる凍結したCVLの液滴を形成した。この分
散液にアクリロニトリル26.5gを混合した。この分
散液を−30℃以下の温度で50時間攪拌し、CVLの
液滴の周囲にポリアクリロニトリルを形成し、マイクロ
カプセルを調製した。 【0190】上記と同様の手順に従い、顕色剤である没
食子酸プロピルを封入したマイクロカプセルを調製し
た。低分子量プロピレンワックス5重量部、n−ブチル
アクリレート10重量部およびスチレン80重量部をボ
ールミルを用いて予備混合した。この混合物に重合開始
剤として過酸化ベンゾイル2重量部およびリン酸カルシ
ウム1.2%水溶液33重量部を加えて、ホモミキサー
(特殊機工業)により、6000rpmで5分間攪拌し
た。この混合物を60℃の窒素ガス雰囲気下、150r
pmで60分間攪拌し、プレポリマーを得た。このプレ
ポリマーにCVLのマイクロカプセル6重量部、没食子
酸プロピルのマイクロカプセル6重量部、コール酸20
重量部、帯電制御剤(LR−147)1重量部、疎水性
シリカ3重量部を混合した。この混合物に重合開始剤と
してラウリルメルカプタン0.2重量部および2,2−
アゾビスイソブチルニトリル0.7重量部を添加して混
合した。さらに、3時間にわたって攪拌重合を行い、マ
イクロカプセルが分散したポリマーを得た。このポリマ
ーを水洗およびろ過した後、50℃で減圧乾燥した。得
られた粒子を分級し、50%体積平均粒径が10μmの
トナーを得た。このトナーとフェライトキャリア(日本
鉄粉製、F−150)をトナー濃度4%となるように混
合して二成分トナーを作製した。 【0191】この二成分トナーを複写機のトナーカート
リッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像
を転写した。また、画像が形成された紙を表11に示す
有機溶媒に30秒間浸漬させて画像を消去した後、乾燥
した。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表
11に示す。表11に示されるように、画像消去後の紙
の反射濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良
好に消去できた。消去状態の安定性についても実施例1
4と同様な結果が得られた。 【0192】 【表11】 【0193】実施例25 ゼラチン4gを水40mLに溶解した溶液(37℃)
に、表12に示す塩基性物質4gを溶解または分散し
た。この溶液または分散液45mLに硫酸ナトリウム1
1gを加えてコアセルベーションを誘発した。この分散
液を30℃まで冷却し、放置した後にデカンテーション
してマイクロカプセルを分離した。得られたマイクロカ
プセルに対し、等容量のホルムアルデヒドを添加して5
分間攪拌し、さらにホルムアルデヒドの2倍量のエタノ
ールを添加し5分間攪拌した後、マイクロカプセルをろ
過した。得られたマイクロカプセルを冷水で洗浄した
後、乾燥した。 【0194】クリスタルバイオレットラクトン(CV
L)の飽和水溶液100gにヘキサン500mLを加え
て窒素置換した。この分散液を−50℃に冷却し、マイ
クロカプセルの芯材となる凍結したCVLの液滴を形成
した。この分散液にアクリロニトリル26.5gを混合
した。この分散液を−30℃以下の温度で50時間攪拌
し、CVLの液滴の周囲にポリアクリロニトリルを形成
し、マイクロカプセルを調製した。 【0195】上記と同様の手順に従い、顕色剤である没
食子酸プロピルを封入したマイクロカプセルを調製し
た。ライスワックス5重量部、n−ブチルアクリレート
10重量部およびスチレン80重量部をボールミルを用
いて予備混合した。この混合物に重合開始剤として過酸
化ベンゾイル2重量部およびリン酸カルシウム1.2%
水溶液33重量部を加えて、ホモミキサー(特殊機工
業)により6000rpmで5分間攪拌した。この混合
物を60℃の窒素ガス雰囲気下、150rpmで60分
間攪拌し、プレポリマーを得た。このプレポリマーにC
VLのマイクロカプセル6重量部、没食子酸プロピルの
マイクロカプセル6重量部、コール酸20重量部、塩基
性物質のマイクロカプセル15重量部、帯電制御剤(L
R−147)1重量部、酸化チタン5重量部を混合し
た。この混合物に重合開始剤としてラウリルメルカプタ
ン0.2重量部および2,2−アゾビスイソブチルニト
リル0.7重量部を添加して混合した。さらに、3時間
にわたって攪拌重合を行い、マイクロカプセルが分散し
たポリマーを得た。このポリマーを水洗およびろ過した
後、50℃で減圧乾燥した。得られた粒子を分級し、5
0%体積平均粒径が10μmのトナーを得た。このトナ
ーとフェライトキャリア(日本鉄粉製、F−150)を
トナー濃度4%となるように混合して二成分トナーを作
製した。 【0196】各二成分トナーを複写機のトナーカートリ
ッジに入れ、定着温度を180℃に設定して紙に画像を
転写した。また、画像が形成された紙をメチルエチルケ
トンに30秒間浸漬させて画像を消去した後、乾燥し
た。画像を消去した紙の反射濃度を測定した結果を表1
2に示す。表12に示されるように、画像消去後の紙の
反射濃度は初期の反射濃度と同程度であり、画像を良好
に消去できた。消去状態の安定性についても実施例14
と同様な結果が得られた。 【0197】 【表12】 【0198】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、混
練方法を改良し、粒度分布を調整し、ワックス成分の酸
価や無機外添剤のpH値を調整することにより、発色が
良好で、しかも良好な消去状態が得られる消去可能な画
像形成材料を提供でき、紙資源の効率的な再使用を可能
にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/09 G03G 9/08 381 (72)発明者 常見 宏一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐藤 周逸 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝柳町工場内 (56)参考文献 特開 平6−27739(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】呈色性化合物、顕色剤、消色剤、バインダ
    ー樹脂およびワックスを含有する消去可能トナーを製造
    するにあたり、全ての成分を混合して1回目の混練操作
    を行い、得られた混練物を粗粉砕し、得られた粗粉砕物
    を用いて2回目の混練操作を行うことを特徴とする消去
    可能トナーの製造方法。
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