JPH1088046A - 消去可能インクおよびプリンター - Google Patents

消去可能インクおよびプリンター

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JPH1088046A
JPH1088046A JP19729097A JP19729097A JPH1088046A JP H1088046 A JPH1088046 A JP H1088046A JP 19729097 A JP19729097 A JP 19729097A JP 19729097 A JP19729097 A JP 19729097A JP H1088046 A JPH1088046 A JP H1088046A
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健二 佐野
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
Akira Takayama
暁 高山
Sawako Fujioka
佐和子 藤岡
Tetsuo Okuyama
哲生 奥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なコントラストで印刷することができ、
熱によって消去することができるインクを提供し、紙の
再使用を可能にする。 【解決手段】 インク組成物を溶剤中に分散させたイン
クであって、インク組成物は呈色性化合物と顕色剤と消
去剤とを含み、呈色性化合物と顕色剤とは相互作用して
発色した状態にあり、消去剤はインク組成物の溶融時に
顕色剤および呈色性化合物のうち一方を優先的に溶解す
る性質を有し、印刷後に加熱により消去することが可能
な消去可能インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷した後に消去が
可能なインクおよびこのインクを用いるプリンターに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA化の普及により、各種情報の
データ量は拡大の一途をたどり、情報の出力もそれに合
わせて増加している。情報の出力は、ディスプレイ出
力、およびプリンターによる紙へのハードコピー出力に
代表される。しかし、ディスプレイ出力では、表示部に
大規模な回路基板が必要であるため、携帯性およびコス
トの観点から問題がある。また、ハードコピー出力で
は、情報が増加すると記録媒体としての紙を大量に使用
することになるので、資源保護の点で問題がある。しか
も、プリンターや複写機によって印刷した紙を再生する
には、多量の漂白剤と水を必要とするため再生コストも
高くなる。そこで、消去可能なインクを用いて紙に情報
を印刷し、このインクを消去して白紙状態に戻した紙を
再使用することにより実質的な紙の使用量を減らすこと
が考えられている。
【0003】従来、熱を加えることにより消去可能なイ
ンクは、例えば特開平7−81236号に開示されてい
る。このインクは、ロイコ染料などの呈色性化合物と、
顕色剤と、消去作用を有する有機リン酸化合物とを含有
するものである。
【0004】しかし、このような材料からなるインクを
用いた場合、消去が不十分で白紙状態に戻すことが困難
である。このため、消去可能なインクは未だ実用化され
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、十分
なコントラストで印刷することができ、熱によって消去
することができるインクを提供し、紙の再使用を可能に
することにある。また、本発明の他の目的は、このよう
なインクを用いるプリンターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の消去可能インク
は、溶剤中に分散させたインク組成物からなり、前記イ
ンク組成物は呈色性化合物と顕色剤と消去剤とを含み、
前記呈色性化合物と顕色剤とは相互作用して発色した状
態にあり、前記消去剤は、インク組成物の溶融時に、顕
色剤および呈色性化合物のうち一方を優先的に溶解する
性質を有することを特徴とする。
【0007】本発明の印刷および消去方法は、基材上に
呈色性化合物および顕色剤を含むインク組成物を塗布し
た印刷用シートを用い、媒体にインク組成物を熱転写し
て印刷し、他の基材上に消去剤を含む組成物を塗布した
消去用シートを用い、上記インク組成物が印刷された媒
体に消去剤を含む組成物を熱転写して消去するものであ
る。本発明のプリンターは、上記の消去可能インクを印
刷するための印刷機構と、通常のインクを印刷するため
の印刷機構を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の消去可能インクは、呈色性化合物と、顕
色剤と、消去剤とを組み合わせて、印刷後に消去を可能
にするものである。
【0009】まず、この消去可能インクを構成する基本
的な成分の作用について概略的に説明する。呈色性化合
物とは文字や図形などの着色情報を形成する色素の前駆
体化合物であり、顕色剤とは呈色性化合物との相互作用
(主に電子またはプロトンの授受)により呈色性化合物
を着色させる化合物である。また、消去剤は、溶融時に
顕色剤および呈色性化合物のうち一方を優先的に溶解す
る性質を有する化合物である。
【0010】これらの3成分は、固化したときに、以下
に示す2つの状態を取り得る。すなわち、(1)消去剤
が平衡溶解度に相当するだけの量の呈色性化合物および
顕色剤と混合し、消去剤への平衡溶解度を超える余剰の
呈色性化合物および顕色剤が消去剤と相分離して、呈色
性化合物と顕色剤とが相互作用により発色した状態、お
よび(2)消去剤が顕色剤または呈色性化合物を平衡溶
解度を超えて多量に取り込み、呈色性化合物と顕色剤と
の相互作用が減少して消色した状態、である。
【0011】この発色状態と消色状態との間の状態変化
は以下のような原理でなされる。ここでは、上記の3成
分系が溶融して流動状態にあるときに、消去剤が顕色剤
を優先的に溶解すると想定して説明する。室温において
は、呈色性化合物および顕色剤の相と消去剤の相とが相
分離した状態が平衡状態に近い。この場合、呈色性化合
物と顕色剤とが互いに相互作用して発色状態となってい
る。この状態から、3成分系を融点以上に加熱すると、
顕色剤が流動状態の消去剤に優先的に溶解し、呈色性化
合物との相互作用を失うため消色状態になる。溶融状態
にある3成分系を急冷することによって強制的に固化す
ると、消去剤は平衡溶解度を越えた量の顕色剤を取り込
んで非晶質化し、室温で無色になる。非晶質の3成分系
は、相対的には非平衡な状態にあるが、ガラス転移点T
g以下の温度では十分長寿命であり、Tgが室温以上で
あるならば非晶質状態から容易に平衡状態に移ることは
ない。
【0012】次に、本発明のインクの成分として用いる
ことができる具体的な化合物について説明する。本発明
で用いられる呈色性化合物としては、ロイコオーラミン
類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール
類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ロー
ダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、
フルオラン類などの電子供与性有機物が挙げられる。
【0013】具体的な呈色性化合物として、クリスタル
バイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーン
ラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルア
ミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフ
ェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−ク
ロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N
−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−ア
ニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラ
ン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオ
ラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラ
ン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N
−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−ビス(ジエチ
ルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロアニリノ)
ラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラ
ン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−
ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ジ
メチルエトキシフルオラン、3,6−ジエチルアミノ−
6−メトキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、AT
P、ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブ
チルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビ
ノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2,
3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾ
イルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチル
オーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニル
イミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリ
ン、N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピ
ラン、8’−メトキシ−N,3,3−トリメチルインド
リノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベン
ジルオキシフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチル
アミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,
5−ジメチルフルオラン、フェニルヒドラジド−γ−ラ
クタム、3−アミノ−5−メチルフルオランなどが挙げ
られる。これらは単独で、または2種以上を混合して用
いることができる。呈色性化合物を適宜選択すれば多様
な色の発色状態が得られることから、マルチカラー対応
が可能である。
【0014】本発明で用いられる顕色剤としては、フェ
ノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、
ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸
類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル類、酸性リン
酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類な
どの酸性化合物が挙げられる。これらは単独で、または
2種以上を混合して用いることができる。
【0015】本発明で用いられる消去剤は、非晶質状態
にあるときに無色性が良好であることが望ましい。消去
剤が非晶質状態で無色透明であるほど、インクの色を消
去した時に紙を元の白紙に近い状態に戻すことができ
る。このような性質が要求されるので、消去剤は、分子
量が大きく、かつ重量当りの結晶の融解エンタルピ変化
ΔHが小さく、最大結晶成長速度MCVの小さい化合物
であることが好ましい。消去剤の結晶の融解エンタルピ
ー変化ΔHが小さいと、その結晶の融解に要する熱エネ
ルギー量が少量となるので、省エネルギーの点でも好ま
しい。以上のような観点から、消去剤としてはステロイ
ド骨格など球状に近く嵩高い分子骨格を有する化合物が
好適である。また、消去剤に対する顕色剤の溶解度を高
めるためには、消去剤は顕色剤との親和性が高いことが
好ましく、例えばアルコール性水酸基を有する化合物が
好適である。消色状態にある3成分系の保存安定性の観
点からは、3成分系のガラス転移点Tgは少なくとも室
温(25℃)以上であることが必要となり、さらに50
℃以上であることが好ましい。この条件を満たすために
は、消去剤のガラス転移点も少なくとも室温(25℃)
以上、さらに50℃以上であることが好ましい。一方、
消去剤の結晶化温度は、3成分系のガラス転移点Tgと
融点Tmとの間の温度範囲にある。このため、消去を高
速化するためには、消去剤のガラス転移点は150℃以
下であることが好ましい。これらの条件を満たす、好ま
しい消去剤としては以下の(a)〜(c)のような化合
物が挙げられる。
【0016】(a)ステロール化合物。ステロール化合
物の具体例としては、コレステロール、スチグマステロ
ール、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオー
ル、エストラジオール ベンゾエート、エピアンドロス
テン、ステノロン、β−シトステロール、プレグネノロ
ン アセテート、β−コレスタロール、5,16−プレ
グナジエン−3β−オール−20−オン、5α−プレグ
ネン−3β−オール−20−オン、5−プレグネン−3
β,17−ジオール−20−オン 21−アセテート、
5−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オン
17−アセテート、5−プレグネン−3β,21−ジオ
ール−20−オン 21−アセテート、5−プレグネン
−3β,17−ジオール ジアセテート、ロコゲニン、
チゴゲニン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニ
ンおよびその誘導体が挙げられる。これらの消去剤は単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。
これらの消去剤のうち、安定な消去状態を得るのに好適
なものとして、メチルアンドロステンジオール、ヘコゲ
ニン、ロコゲニン、チゴゲニン、ジオスゲニン、エスミ
ラゲニンなどが挙げられる。
【0017】なお、これらの消去剤を用いた場合、非晶
質状態にある3成分系をガラス転移点を超える温度まで
加熱すると、顕色剤の拡散速度が急激に高まり、平衡状
態へ戻る方向に顕色剤と消去剤との相分離運動が加速さ
れる。そして、3成分系を結晶化温度以上融点未満の温
度に加熱した後に室温まで徐冷すると、より平衡状態に
近く安定な相分離状態となり発色状態に戻る。したがっ
て、(a)の消去剤を用いた3成分系は、原理的には発
色状態と消色状態とを可逆的に繰り返すことができる。
この意味で、以下においては(a)の消去剤を、「可逆
性消去剤」と呼ぶことがある。実際に、このような可逆
的な変化を利用したリライタブル記録媒体が提案されて
いる(例えば、特願昭7−37001号)。しかし、本
発明の消去可能インクは、印刷されたインクを消去する
ことを目的としており、特殊な用途を除き、本質的に可
逆性は要求されない。
【0018】(b)コール酸、リトコール酸、テストス
テロンおよびコルチゾン、ならびにこれらの誘導体。具
体例としては、コール酸、コール酸メチルエステル、リ
トコール酸、リトコール酸メチルエステル、ヒドロキシ
コール酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、テスト
ステロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキシ
メチルテストステロン、ヒドロコルチゾンが挙げられ
る。これらのうちでも特に2個以上のヒドロキシル基を
有するものが好ましい。
【0019】(b)の消去剤は、(a)の消去剤と比べ
て、溶融時に顕色剤との親和性が強く相溶性が非常に高
い。しかも、(b)の消去剤は非晶質性が高いため、3
成分系が固化した後にも相分離を起こしにくい。この意
味で、以下においては(b)の消去剤を、「相溶性消去
剤」と呼ぶことがある。したがって、(b)の消去剤を
用いた3成分系では、より安定な消色状態を得ることが
できる。
【0020】(c)1個以上のヒドロキシル基を有する
5員環以上の非芳香族系の環状化合物。なお、これらの
化合物の融点は50℃以上であることが好ましい。具体
例としては、脂環式1価アルコール(例えばシクロドデ
カノール)、脂環式2価アルコール(例えば1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオー
ル、1,2−シクロドデカンジオール)、糖類およびそ
の誘導体(例えばグルコース、サッカロース)、環状構
造を有するアルコール類(例えば1,2:5,6−ジイ
ソプロピリデン−D−マンニトール)が挙げられる。
【0021】(c)の消去剤は単独で用いてもよいが、
特に(a)の消去剤とともに用いた場合に効果的であ
る。すなわち、(c)の消去剤は(a)の消去剤との親
和性が強く、固化した後にも相分離を起こしにくい。こ
の意味で、以下においては(c)の消去剤を、「相分離
抑制性消去剤」または「相分離抑制剤」と呼ぶことがあ
る。(c)の消去剤を用いた場合にも、より安定な消色
状態を得ることができる。
【0022】以下、本発明の消去可能インクの具体的な
構成と使用方法について説明する。本発明の消去可能イ
ンクの1つの態様は、呈色性化合物、顕色剤および消去
剤を含有するインク組成物を発色状態にして溶媒中に分
散させたものである。
【0023】このような消去可能インク中の呈色性化合
物、顕色剤および消去剤の好ましい配合比は以下の通り
である。顕色剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に対
して0.1〜10重量部、さらには1〜2重量部に設定
することが好ましい。顕色剤が0.1重量部未満の場合
には、呈色性化合物と顕色剤との相互作用によるインク
の発色が不十分になる。顕色剤が10重量部を超える場
合には両者の相互作用を十分に減少させることが困難と
なる。消去剤の配合比は、呈色性化合物1重量部に対し
1〜200重量部、さらには10〜100重量部に設定
することが好ましい。消去剤が1重量部未満では、イン
クの発色状態と消色状態との間の状態変化を起こさせる
ことが困難になる。消去剤が200重量部を超えると、
インクの発色が不十分になる。
【0024】上記の消去可能インクの溶媒は水であるこ
とが好ましい。インク組成物を界面活性剤を用いて溶媒
に分散させてもよいが、インク組成物をマイクロカプセ
ル化して溶媒に分散させることが好ましい。この場合、
インクの耐候性や紫外線に対する耐性を改善するため
に、マイクロカプセル中のインク組成物に紫外線吸収剤
を添加するか、またはマイクロカプセルのシェルとして
紫外線吸収性のポリマーを用いることが好ましい。マイ
クロカプセルを作製する際に用いるポリマーの配合比
は、消去剤1重量部に対して0.01〜100重量部、
さらに0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0025】溶媒中のインク組成物の濃度は、用途によ
って異なるが、0.1〜10重量%の範囲であることが
好ましい。インク組成物の濃度が0.1重量%未満であ
ると十分な印刷濃度が得られない。10重量%を超える
とインクの粘度が高くなりすぎるので、特にインクジェ
ットプリンタのインクとして用いる場合に不都合にな
る。溶媒中に分散されたインク組成物は、10μm以上
の粒子を含まないサブミクロンオーダーの粒子であるこ
とが好ましい。
【0026】本発明の消去可能インクは、通常のボール
ペンや万年筆のインク、インクジェットプリンターなど
のプリンター用インク、スクリーン印刷や活字印刷の印
刷インクなどとして使用することができ、多様な紙に印
刷することができる。また、紙以外にも、オーバーヘッ
ドプロジェクター用のシートなどにも印刷できる。印刷
後には、加熱するだけで簡単に消去することができる。
すなわち、この消去可能インクは、溶融時に呈色性化合
物および顕色剤のうち一方を優先的に溶解する消去剤を
含有しているので、固化したときに呈色性化合物と顕色
剤との相互作用をなくして印刷をほぼ完全に消去するこ
とができ、紙を白紙状態にして再生することができる。
したがって、紙の再生のために漂白剤や水を使用する必
要がないので、コストを軽減でき、森林資源の保護にも
大きく貢献できる。
【0027】本発明の消去可能インクは、必ずしも紙の
再使用が必要ではなく、印刷後に単に消去ができればよ
い用途にも適用できる。例えば、郵便はがきの手書き住
所をイメージリーダーで読み取ってバーコード情報に変
換し、消去可能インクでバーコードを印刷してはがきを
局内で機械分類し、別の郵便局で配達順に並べ換えた
後、加熱してバーコードを消去するという用途に用いる
ことができる。このようにすれば、配達された郵便物に
処理の形跡を残さないようにすることができる。これと
同様に、消去可能インクは物流一般に適用することがで
きる。この用途では、紙以外の材料に印刷することもあ
り得る。
【0028】次に、本発明の消去可能インクを消去する
ための装置および消去可能インクを用いるプリンターに
ついて説明する。本発明の消去可能インクを消去して紙
を再生するための装置は、加熱急冷が可能な機構を有し
ていればどのような形態でもよい。具体的には、サーマ
ルヘッドのような発熱抵抗体を有する加熱装置が挙げら
れる。サーマルヘッドの1種で一般にサーマルバーと呼
ばれる、広い面積にわたって紙を加熱できる発熱抵抗体
を用いてもよい。この場合、サーマルバーへ通電する電
流を制御して紙の所望の領域のみを白紙に戻すようにし
てもよい。また、ヒートローラーのような形式の加熱装
置を用いれば、大量の紙を印刷消去により再生すること
ができる。さらに、紙のようなシート状でない物品の表
面に施された印刷を消去するには、赤外線ランプや熱風
により加熱し、冷風を当てたり熱容量の大きいヒートシ
ンクを用いて急冷してもよい。
【0029】例えば図1に示すように、1対の供給ロー
ラー11、11と1対の搬送ローラー12、12の中間
に、適当な面積に調整されたサーマルバー13を設け、
消去可能インクで印刷が施された紙10を通過させる。
サーマルバー13に電流を流すと瞬時に300℃まで加
熱でき、このサーマルバー13で紙10を加熱した後、
装置から紙10が排出されて急冷される結果、紙10の
上の印刷を消去できる。図2は図1の消去機構を内蔵し
た手差し式の消去装置(再生装置)21を示すものであ
る。
【0030】図3は図1よりもさらに印刷の消去および
紙の再生を確実にする機構である。この機構は図1の構
成に加えて、紙10の排出側に紙のしわを延ばすために
1対の圧延ローラー14、14を設けるとともに、搬送
ローラー12、12と圧延ローラー14、14の間にU
V光源15および加湿装置16を設けたものである。こ
の機構では、UV光源15により色素を分解して完全に
消去することができ、加湿装置16で紙10に適度な湿
度を与えた後、圧延ローラー14、14で紙10のしわ
を延ばすことができる。このような機構を用いれば、紙
の使用回数を増加させることができる。なお、本発明で
は同じ紙を何度も使用するため紙の劣化が問題になる。
この点を考慮してプラスチック処理のなされた高級紙を
専用紙として使用してもよい。
【0031】本発明の消去可能インクを使用するプリン
ターとしては、インクジェットプリンターが最適であ
る。特に、可逆性を示す消去剤を含有するインクを用い
る場合には、加熱することなしにインクを空間に飛ばし
て印刷できるタイプのプリンターが望ましい。したがっ
て、最適なインクの飛翔方法は、ピエゾ素子の振動を利
用するもの、または超音波を利用するものが好ましい。
なお、(b)もしくは(c)の消去剤を含有するインク
を用いるか、または全てのインク成分としてTgの高い
材料を用いれば、インクを加熱する方式のバブルジェッ
トプリンターも適用することができる。
【0032】図4(a)および(b)に図1に示す消去
機構を併設したインクジェットプリンターを示す。この
プリンター31では、印刷用紙は印刷トレイ32に収納
されており、紙は通常のインクジェットプリンターと同
様な印刷機構部を経由して印刷され、排出口33から排
出される。また、印刷済みの用紙を再生する場合には、
紙10を投入口34から入れ、図1に示すような供給ロ
ーラー11、搬送ローラー12およびサーマルバー13
を備えた消去機構部を経由して回収トレイ35に回収さ
れる。この場合、印刷トレイ32と回収トレイ35とは
同一形状で交換可能になっている。
【0033】図5に新品の紙および印刷済みの紙のいず
れでも印刷可能なインクジェットプリンターを示す。こ
のプリンター41では、新品の紙を収納するトレイ42
と印刷済みの紙を収納するトレイ43がプリンター41
の一側面に設けられている。トレイ42は印刷済みの紙
の印刷を消去して再生した紙を回収するためのトレイと
しても用いられる。新品の紙はトレイ42から通常のイ
ンクジェットプリンターの印刷機構を経由してプリンタ
ーヘッド45で印刷が行われた後に排出される。一方、
印刷済みの紙はトレイ43から搬送されてサーマルバー
13で印刷が消去された後にトレイ42に回収される
か、またはそのままプリンターヘッド45側へ搬送され
て印刷が行われた後に排出される。再生された紙の搬送
経路の切り換えは切り換え機構44により行われる。
【0034】図6に消去可能インクを印刷するためのヘ
ッドと通常のインクを印刷するためのヘッドとを備えた
インクジェットプリンターを示す。このプリンター51
は消去可能インク用ヘッド52と通常インク用ヘッド5
3とを有する。このプリンター51への印刷情報の指示
は、コンピューター61でアプリケーションを実行し、
ディスプレイ上において例えば印刷用紙の固定情報領域
62および可変情報領域63に相当する領域への入力に
よりなされる。プリンター51ではアプリケーションか
らの印刷指示により消去可能インク用ヘッド52と通常
インク用ヘッド53とが所定の動作で紙50に設定通り
の印刷を行う。このようなプリンターを用いれば、書き
換えの可能性がある可変情報のみを何度でも消去して再
び書き込むことができる。
【0035】図7にヒートローラーからなる消去機構を
併設したインクジェットプリンターを示す。このプリン
ター71では、底部のカセット72に収納されている紙
を、搬送ローラにより搬送し、プリンターヘッド73で
印刷して排出口74から排出する。また、印刷済みの用
紙を再生する場合には、紙を投入口75から入れ、ヒー
トローラー76で加熱して消去し、排出口77から排出
する。
【0036】本発明においては、呈色性化合物、顕色
剤、消去剤、バインダーなどを含む組成物を粉砕して、
電子写真用のトナーとして使用し、印刷を消去できるよ
うにしてもよい。なお、電子写真では、紙に転写したト
ナーを定着するために加熱するので、相溶性消去剤また
は相分離抑制性消去剤を用いることが好ましい。
【0037】図8にヒートローラーからなる消去機構を
併設した電子写真方式のコピー機を示す。このコピー機
81では、紙は底部のカセット82に収納されている。
装置の中央部に設けられた感光ドラム83に、LEDヘ
ッド84から光を照射することにより潜像を形成する。
この感光ドラム83に対し、現像装置85により帯電さ
せたトナー86を静電力を利用して付着させ、潜像を現
像する。これにタイミングを合わせて紙を搬送ローラに
より搬送し、感光ドラム83と転写ローラ87との間を
通すことにより、紙にトナーを転写する。紙に転写され
たトナーを定着ローラ88により定着し、排出口89か
ら排出する。また、印刷済みの用紙を再生する場合に
は、紙を投入口90から入れ、ヒートローラー91で加
熱して消去し、排出口92から排出する。なお、定着ロ
ーラ88およびヒートローラー91の温度は、例えば1
40℃と190℃というように、ヒートローラー91の
温度が高温に設定される。
【0038】また、呈色性化合物および顕色剤を含む印
刷用トナーと、消去剤を含む消去用トナーを用いてもよ
い。本発明のインク成分は、サーマルプリンタにも応用
できる。この場合、印刷用シート(またはリボン)と消
去用シート(またはリボン)とを用いて、印刷および消
去を行う方法が好適である。シートまたはリボンとして
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような耐
熱性樹脂からなるものが用いられる。
【0039】例えば、1つのシート基材上に呈色性化合
物および顕色剤を含むインク組成物を塗布して印刷用シ
ートを作製する。このインク組成物は、紙への転写を容
易にするためにワックスとともに塗布してもよい。他の
シート基材上に消去剤を含む組成物を塗布して消去用シ
ートを作製する。そして、サーマルプリンタにより、印
刷用シートを用いて媒体にインク組成物を熱転写して印
刷し、必要に応じて、消去用シートを用いてインク組成
物が印刷された媒体に消去剤を含む組成物を熱転写して
消去する。消去剤としては、上述した相溶性消去剤また
は相分離抑制性消去剤に分類されるものを用いることが
好ましい。消去の際には、印刷時よりもサーマルプリン
タヘッドの出力を上げて高温で行う。
【0040】図9(a)および(b)に、印刷用シート
および消去用シートの例を示す。図9(a)の印刷用シ
ート100は、バックコート層102を形成したPET
シート101上に、剥離層103、インク層104およ
び潤滑剤層105を形成したものである。なお、剥離層
103および潤滑剤層105は必ずしも設ける必要はな
い。図9(b)の消去用シート200は、バックコート
層202を形成したPETシート201上に、剥離層2
03、バリア層204および消去剤層205を形成した
ものである。バリア層204を設ければ、印刷媒体上で
消去剤が必要以上に広がるのを防止することができる。
なお、剥離層203およびバリア層204は必ずしも設
ける必要はない。
【0041】この場合、呈色性化合物、顕色剤および比
較的ガラス転移点が低い可逆性消去剤を含み、発色状態
にあるインク組成物を用いてもよい。このようなインク
組成物を熱転写して紙に印刷し、加熱により一時的に印
刷を消去し、室温で放置すると、印刷が元に戻るように
することができる。このような機能を利用する用途とし
て、例えば冷蔵して保管する必要がある生鮮食品に、警
告文を印刷したラベルを貼り付け、室温に放置された場
合にラベルに警告文の表示が現われるようにすることが
考えられる。
【0042】さらに、上記のようにインク組成物に可逆
性を持たせる場合、印刷の発色速度を上げるために、可
逆性消去剤から呈色性化合物および顕色剤が相分離する
のを促進する化合物(相分離促進剤)を添加してもよ
い。相分離促進剤としては、炭素数が8以上の長直鎖部
と例えばOH、CO、COOHなどの極性基を有する結
晶性の強い低分子有機材料が好適である。例えば、長直
鎖アルキル基を有する直鎖高級アルコール、直鎖高級多
価アルコール、直鎖高級脂肪酸、直鎖高級多価脂肪酸、
それらのエステルとエーテル結合体、直鎖高級脂肪酸ア
ミド、直鎖高級多価脂肪酸アミドなどが挙げられる。
【0043】より具体的には、1−ドコサノール、1−
テトラコサノール、1−ヘキサコサノール、1−オクタ
コサノールなどを代表とする直鎖高級1価アルコール;
1,12−ドデカンジオール、1,12−オクタデカン
ジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘ
キサデカンジオールなどを代表とする直鎖高級多価アル
コール;ベヘン酸、1−ドコサン酸、1−テトラコサン
酸、1−ヘキサコサン酸、1−オクタコサン酸などを代
表とする直鎖高級脂肪酸;ドデカン二酸、1,12−ド
デカンジカルボキシル酸などを代表とする直鎖高級多価
脂肪酸;ステアロンなどを代表とする直鎖高級ケトン;
ステアリン酸イソプロパノールアミド、ベヘン酸イソプ
ロパノールアミド、ベヘン酸ヘキサノールアミドなどを
代表とする直鎖高級脂肪酸アルコールアミド;エチレン
グリコールラウリン酸ジエステル、カテコールラウリン
酸ジエステル、シクロヘキサンジオールラウリン酸ジエ
ステルなどを代表とする直鎖高級脂肪酸ジオールジエス
テル、が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混
合して用いることができる。混合物の例として、エステ
ル系ワックス、アルコール系ワックス、ウレタン系ワッ
クスに、相分離促進剤として使用できる材料がある。
【0044】印刷用シートに塗布する成分および消去用
シートに塗布する成分を、上記の場合と変えてもよい。
例えば、呈色性化合物、顕色剤および相分離抑制性消去
剤(または相溶性消去剤)を含むインク組成物を塗布し
た印刷用シートと、可逆性消去剤を含む組成物を塗布し
た消去用シートを用いてもよい。また、呈色性化合物、
顕色剤、可逆性消去剤、および相分離抑制性消去剤(ま
たは相溶性消去剤)を含み、可逆性消去剤と相分離抑制
性消去剤が相分離した状態のインク組成物を塗布した印
刷用シートのみを用いてもよい。
【0045】2種の印刷方式を併用することもできる。
例えば、呈色性化合物および顕色剤を含むトナーを用い
て電子写真で紙に印刷し、印刷された紙に消去用シート
から消去剤を熱転写して消去するようにしてもよい。
【0046】さらに、以下のようにして印刷および消去
を行ってもよい。印刷時には、呈色性化合物および顕色
剤を含むトナーを用いて電子写真で耐熱性シートにトナ
ーを転写し、耐熱性シートから紙にトナーを熱転写して
印刷する。消去時には、消去剤を含むトナーを用いて電
子写真で耐熱性シートにトナーを転写し、耐熱性シート
から印刷された紙にトナーを熱転写して消去する。この
場合にも、消去を印刷よりも高温で行う。この方法で
は、印刷の部分的な修正が可能になる。また、通常の電
子写真では定着工程で紙の全面が加熱されるため、紙の
一部の印刷を消去した再び印刷した後、別の部分の印刷
を消去すると、定着工程で再印刷部分が消去されるおそ
れがある。これに対して上記の方法では、定着工程を行
う必要がないので、2回以上の修正も可能になる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として2,4,4’−トリ
ヒドロキシベンゾフェノン2重量部、および消去剤とし
てメチルアンドロステンジオール10重量部をトルエン
/シクロヘキサン混合溶媒を用いて均一に混合した後、
溶媒を蒸発させ、粉体を得た。この粉体を150℃まで
加熱した後、10分かけて室温まで冷却して青色に発色
させた状態とした。この粉体1gを、界面活性剤として
ステアリン酸ナトリウム0.5gを添加した水50cc
に投入し、粉砕機でインク組成物をミクロンオーダーま
で粉砕して分散させたインクを調製した。
【0048】このインクを用いてペンでA4サイズの紙
に文字を書いた。乾燥後、紙の上方を200℃に設定し
たサーマルバーを2秒間かけて移動させた。この結果、
文字が完全に消え、白紙が得られた。上記と同様に文字
の記録および消去を30回繰り返した場合にも、最終的
に白紙が得られることを確認した。こうして最終的に得
られた白紙の光学濃度(OD)は0.15であった。
【0049】実施例2 呈色性化合物としてETAC1重量部、顕色剤として
2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン1重量
部、および消去剤としてヘコゲニン5重量部をトルエン
/シクロヘキサン混合溶媒を用いて均一に混合した後、
溶媒を蒸発させ、粉体を得た。この粉体を150℃まで
加熱した後、10分かけて室温まで冷却して青色に発色
させた状態とした。この粉体1gを、ステアリン酸ナト
リウム0.5gを添加した水50ccに投入し、粉砕機
でミクロンオーダーまで粉砕して分散し、インクを調製
した。
【0050】このインクを、ピエゾ素子を使用したイン
クジェットプリンター(エプソン社製MJ800C)の
インクとして用い、A4サイズの紙に印刷した。その
後、紙の上をサーマルバーを通過させて印刷を消去し
た。再生した紙を60℃で30時間保存したが、印刷情
報が再度表示されることはなく、保存安定性は良好であ
った。再び印刷した後、5000ルクスの光を300時
間照射した。この場合、印刷濃度の低下は10%以下で
あった。
【0051】実施例3 呈色性化合物としてPSD−HR(日本曹達(株)製)
1重量部、顕色剤としてα,α,α’−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベ
ンゼン1重量部、および消去剤としてプレグネノロン2
0重量部を溶融して混合した後、ゆっくりと冷却して赤
色の固形物を得た。ボールミルを用いて、この固形物を
アラビアゴム8wt%水溶液中で10μmオーダーまで
粉砕して分散させた。次に、40℃でゼラチン水溶液を
混合し、1時間撹拌した後、水を滴下し、撹拌して希釈
した。つづいて、10wt%酢酸水溶液を添加して液の
pHを3.9に調整し、さらに37%ホルマリンを添加
して液のpHを7.0に調整した。この液を5℃に冷却
し室温で3日間放置した後、遠心分離機で液中に生成し
たマイクロカプセルを分離して赤色用マイクロカプセル
を調製した。このマイクロカプセルを8重量%の濃度で
水に分散させてインクを調製した。
【0052】このインクを、ピエゾ素子を使用したイン
クジェットプリンター(エプソン社製MJ800C)の
インクとして用い、A4サイズの紙に印刷した。その
後、紙の上をサーマルバーを通過させて印刷を消去し
た。再生した紙を60℃で30時間保存したが、印刷情
報が再度表示されることはなく、保存安定性は良好であ
った。再び印刷した後、5000ルクスの光を300時
間照射した。この場合、印刷濃度の低下は10%以下で
あった。
【0053】実施例4 実施例3と同様な方法で得られたマイクロカプセルを1
5wt%の濃度で水に分散させて凸版印刷用のインクを
調製した。
【0054】このインクを用い、通常の凸版印刷でA4
サイズの紙に印刷した。その後、200℃のヒートロー
ラーを2秒間接触させて印刷を消去した。上記と同様に
印刷および消去を30回繰り返した場合にも、最終的に
白紙が得られることを確認した。こうして最終的に得ら
れた白紙の光学濃度(OD)は0.15であった。
【0055】実施例5 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として2,4,4’−トリ
ヒドロキシベンゾフェノン2重量部、および消去剤とし
てプレグネノロン20重量部を用いた以外は実施例3と
同様な方法により、マイクロカプセルを8重量%の濃度
で水に分散させてインクを調製した。
【0056】このインクを、ピエゾ素子を使用したイン
クジェットプリンター(エプソン社製MJ800C)の
インクとして用い、A4サイズの白紙に印刷した。その
後、紙の上をサーマルバーを通過させて印刷を消去し
た。再生した紙を60℃で30時間保存したが、印刷情
報が再度表示されることはなく、保存安定性は良好であ
った。再び印刷した後、5000ルクスの光を300時
間照射した。この場合、印刷濃度の低下は10%以下で
あった。
【0057】実施例6 呈色性化合物としてPSD−150(日本曹達社製)、
顕色剤として2,3,4,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノンを1:1の割合で配合して発色させた組成物
2重量部、消去剤としてD−グルコース7重量部、バイ
ンダーとしてゼラチン3重量部、ならびに少量のイソプ
ロピルアルコールおよび防黴剤を水に加え、固形分10
%の水性インクを調製した。このインクは黒色であっ
た。
【0058】インクジェットプリンタにより紙にインク
を印刷して乾燥した。この紙を、サーマルプリンターヘ
ッド(TPH)を用い、0.35mJ/dot以上のパ
ワーで加熱することにより、印刷を消去することができ
た。この消去状態は、40℃で1000時間変化がなか
った。
【0059】実施例7〜11 シート基材として熱硬化型シリコーンアクリル樹脂を約
0.2μmの厚さにバックコートした4.5μmのPE
Tフィルムを用い、印刷用シートおよび消去用シートを
作製した。画素密度8dot/mmのサーマルプリンタ
ヘッドを用い、記録速度10ms/Lで印刷および消去
を行った。
【0060】実施例7 呈色性化合物としてクリスタルバイオレットラクトン
(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸プロピル1
重量部、熱溶融転写剤としてライスワックス15重量
部、およびバインダー樹脂としてポリスチレン3重量部
を混合し熱溶融してインク組成物とし、バーコーターで
シート基材の表面に約2μmの厚さに塗布して印刷用シ
ートを作製した。
【0061】消去剤として1,2−シクロヘキサンジオ
ール1重量部、およびコール酸メチル1重量部を混合し
熱溶融し、バーコーターで他のシート基材の表面に約3
μmの厚さに塗布して消去用シートを作製した。
【0062】以下のようにTPHのパワーを変化させ
て、印刷、消去、再印刷を行ったときの、印字の反射濃
度を調べた結果を図10に示す。紙に印刷用シートを重
ねてTPHを用いて熱転写したところ、0.15mJ/
dot以上のパワーで安定に印刷できた。
【0063】この紙に消去用シートを重ねてTPHを用
いて熱転写したところ、0.3mJ/dot以上のパワ
ーで消去できた。この消去状態は、40℃で300時間
経過後でも維持された。
【0064】この紙に再び印刷用シートを重ねてTPH
を用いて熱転写したところ、0.15〜0.2mJ/d
otのパワーで再印刷できた。しかし、パワーを0.3
mJ/dot以上に上げると印刷できなかった。
【0065】実施例8 呈色性化合物としてCVL1重量部、顕色剤として2,
4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン1重量部、可
逆性消去剤としてメチルアンドロステンジオール5重量
部、相分離促進剤として1−ドコサノール5重量部、お
よびバインダーとしてスチレン−メタクリル酸共重合体
3重量部を熱溶融してインク組成物とし、バーコーター
でシート基材の表面に2μmの厚さに塗布して印刷用シ
ートを作製した。消去用シートは実施例7と同様にして
作製した。
【0066】以下のように、TPHのパワーを変化させ
て、印刷、可逆的消去、完全消去、再印刷を行ったとき
の、印字の反射濃度を調べた結果を図11に示す。紙に
印刷用シートを重ねてTPHにより熱転写したところ、
0.15mJ/dot以上のパワーで安定に印刷でき
た。
【0067】この紙の印刷部分をTPHにより加熱した
ところ、0.35mJ/dot以上で消去できた。この
紙を室温で放置したところ、72時間後に印刷した文字
が元に戻った。
【0068】この紙に消去用シートを重ねてTPHによ
り熱転写したところ、0.35mJ/dot以上のパワ
ーで消去できた。この消去状態は、60℃で1000時
間経過後でも変化がなかった。
【0069】この紙に再び印刷用シートを重ねてTPH
により熱転写したところ、0.15〜0.25mJ/d
otのパワーで再印刷できた。しかし、パワーを0.3
5mJ/dot以上に上げると印刷できなかった。
【0070】実施例9 呈色性化合物としてETAC(山田化学社製)1重量
部、顕色剤として2,4,4’−トリヒドロキシベンゾ
フェノン1重量部、相溶性消去剤としてリトコール酸メ
チル5重量部、バインダーとしてポリスチレン3重量部
を、リトコール酸メチルが融解しない程度の温度で分散
させてインク組成物とし、バーコーターでシート基材の
表面に2μmの厚さに塗布して印刷用シートを作製し
た。
【0071】可逆性消去剤としてβ−シトステロール、
相分離促進剤としてライスアルコールを2:1の重量比
で混合して熱溶融し、バーコーターで他のシート基材の
表面に2μmの厚さに塗布して消去用シートを作製し
た。
【0072】以下のように、TPHのパワーを変化させ
て、印刷、消去、再印刷を行ったときの、印字の反射濃
度を調べた結果を図12に示す。紙に印刷用シートを重
ねてTPHにより熱転写したところ、0.10mJ/d
ot以上のパワーで安定に印刷できた。この紙の印刷部
分をTPHにより加熱したが、消去することはできなか
った。
【0073】この紙に消去用シートを重ねてTPHによ
り熱転写したところ、0.3mJ/dot以上のパワー
で消去できた。この消去状態は、40℃で300時間経
過後でも変化がなかった。
【0074】この紙に再び印刷用シートを重ねてTPH
により熱転写したところ、0.15〜0.2mJ/do
tのパワーで再印刷できた。しかし、パワーを0.3m
J/dot以上に上げると印刷できなかった。
【0075】実施例10 呈色性化合物としてRED40(山田化学社製)1重量
部、顕色剤として2,3,4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン1重量部、および相分離抑制性消去剤と
して1,2−シクロヘキサンジオール10重量部を溶融
混合した後、10μm以下に微粉砕した。
【0076】一方、呈色性化合物としてRED40(山
田化学社製)1重量部、顕色剤として2,3,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノン1重量部、および可
逆性消去剤としてコレステロール10重量部を溶融混合
した後、10μm以下に微粉砕した。
【0077】これらの2種の粉体を重量比で1:1に混
合し、濃度5%のゼラチン水溶液に固形分20%となる
ように分散してインクを調製した。このインクを、バー
コーターでシート基材の表面に、約3g/m2 となるよ
うに塗布して印刷用シートを作製した。この実施例では
消去用シートを用いない。
【0078】図13に、TPHパワーと反射濃度との関
係を示す。紙に印刷用シートを重ねてTPHにより熱転
写したところ、0.10〜0.3mJ/dotのパワー
で印刷できた。しかし、0.3mJ/dotを超えるパ
ワーでは、印刷できなかった。
【0079】この紙の印刷部分をTPHにより0.10
〜0.3mJ/dotのパワーで加熱しても、消去する
ことはできなかった。しかし、0.3mJ/dot以上
のパワーでは消去できた。この消去状態は、40℃で3
00時間経過後でも変化がなかった。
【0080】実施例11 呈色性化合物としてCVL1重量部、顕色剤として没食
子酸プロピル1重量部、および可逆性消去剤としてコレ
ステロール10重量部を加熱溶融した組成物を用いて、
ゼラチン皮膜のマイクロカプセルを調製した。このマイ
クロカプセル3重量部に対して、熱溶融転写剤としてラ
イスワックス1重量部を混合し、ホットメルトコーター
でシート基材に塗布し、印刷用シートを作製した。
【0081】紙に印刷用シートを重ねてTPHにより
0.15mJ/dotの条件で熱転写して、「保存不適
当」という文字を印刷した。この紙を160℃に加熱し
て、文字を一時的に消去した。
【0082】この紙を冷蔵庫に入れて保存したところ、
10℃で240時間経過後でも文字は現われなかった。
しかし、25℃の室内に放置したところ、10時間後に
印刷した文字が元に戻った。また、30℃の室内に放置
したところ、2時間後に印刷した文字が元に戻った。こ
のように、本発明のインクは熱履歴センサとして機能
し、例えば生鮮食品の品質管理などの用途に適用するこ
とができる。
【0083】本発明のインクを印刷し、一時的に消去し
た後、印刷が元に戻る温度は、適当なガラス転移点を持
つ材料を選択することにより制御できる。代表的な可逆
性消去剤のガラス転移点および融点を表1に示す。ま
た、上記の温度の近傍でのインクの発色速度は、相分離
促進剤を添加したり、適当な顕色剤を選択することによ
り制御できる。
【0084】
【表1】
【0085】実施例12 呈色性化合物としてCVL1重量部、顕色剤として没食
子酸プロピル1重量部、可逆性消去剤としてコレステロ
ール10重量部、熱溶融転写材としてライスワックス3
重量部、バインダーとしてポリスチレン5重量部、なら
びに少量の疎水化超微粒子石英フィラーおよび帯電制御
剤を熱溶融した後、固化して粉砕し、さらに平均粒径1
0μmに微粉砕してトナーを調製した。また、消去用シ
ートを実施例7と同様にして作製した。
【0086】このトナーをコピー機(キャノン製、FC
210)に入れ、紙に文字をコピーしたところ、安定に
定着させることができた。この紙に消去用シートを重ね
TPHにより熱転写すると、0.3mJ/dot以上の
パワーで消去できた。この消去状態は、40℃で300
時間経過後も変化がなかった。
【0087】実施例13 呈色性化合物としてETAC(山田化学社製)1重量
部、顕色剤として2,4,4’−トリヒドロキシベンゾ
フェノン1重量部、可逆性消去剤としてヘコゲニン5重
量部、相分離促進剤としてライスアルコール(ミリシル
アルコールを多量に含む混合物)3重量部、バインダー
としてスチレン−メタクリル酸共重合体5重量部、なら
びに少量の疎水化超微粒子石英フィラーおよび帯電制御
剤を熱溶融した後、固化して粉砕し、さらに平均粒径1
0μmに微粉砕してトナーを調製した。また、消去用シ
ートを実施例7と同様にして作製した。
【0088】このトナーをコピー機(キャノン製、FC
210)に入れ、紙に文字をコピーしたところ、安定に
定着させることができた。この紙の印刷部分をTPHで
0.35mJ/dot以上のパワーで加熱したところ、
一時的に消去できた。消去した文字は室温では安定であ
った。40℃では3週間後に元に戻った。135℃では
0.2秒で元に戻った。
【0089】この紙に消去用シートを重ねTPHにより
熱転写すると、0.35mJ/dot以上のパワーで消
去できた。この消去状態は、60℃で1000時間経過
後も変化がなかった。
【0090】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、十
分なコントラストで印刷することができ、熱によって消
去することができるインクを提供し、紙の再使用を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消去可能インクによる印刷を消去する
ための消去機構の概略図。
【図2】本発明の消去可能インクによる印刷を消去する
ための消去装置の斜視図。
【図3】本発明の消去可能インクによる印刷を消去する
ための他の消去機構の概略図。
【図4】本発明のインクジェットプリンターの斜視図お
よびその消去機構の概略図。
【図5】本発明の他のインクジェットプリンターの概略
図。
【図6】本発明のさらに他のインクジェットプリンター
の斜視図。
【図7】本発明のさらに他のインクジェットプリンター
の構成を示す図。
【図8】本発明の電子写真方式のコピー機の構成を示す
図。
【図9】本発明のインクを塗布したシートおよび本発明
の消去剤を塗布したシートの断面図。
【図10】本発明の実施例7における印字パワーと反射
濃度との関係を示す図。
【図11】本発明の実施例8における印字パワーと反射
濃度との関係を示す図。
【図12】本発明の実施例9における印字パワーと反射
濃度との関係を示す図。
【図13】本発明の実施例10における印字パワーと反
射濃度との関係を示す図。
【符号の説明】
10…紙 11…供給ローラー 12…搬送ローラー 13…サーマルバー 21…手差し式の消去装置(再生装置) 14…圧延ローラー 15…UV光源 16…加湿装置 31…プリンター 32…印刷トレイ 33…排出口 34…投入口 35…回収トレイ 41…プリンター 42、43…トレイ 44…切り換え機構 45…プリンターヘッド 50…紙 51…プリンター 52…消去可能インク用ヘッド 53…通常インク用ヘッド 61…コンピューター 62…固定情報領域 63…可変情報領域 71…プリンター 72…カセット 73…プリンターヘッド 74…排出口 75…投入口 76…ヒートローラー 77…排出口 81…コピー機 82…カセット 83…感光ドラム 84…LEDヘッド 85…現像装置 86…トナー 87…転写ローラ 88…定着ローラ 89…排出口 90…投入口 91…ヒートローラー 92…排出口 100…印刷用シート 101…PETシート 102…バックコート層 103…剥離層 104…インク層 105…潤滑剤層 200…消去用シート 201…PETシート 202…バックコート層 203…剥離層 204…バリア層 205…消去剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 佐和子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 奥山 哲生 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤中に分散させたインク組成物からな
    り、前記インク組成物は呈色性化合物と顕色剤と消去剤
    とを含み、前記呈色性化合物と顕色剤とは相互作用して
    発色した状態にあり、前記消去剤は、インク組成物の溶
    融時に、顕色剤および呈色性化合物のうち一方を優先的
    に溶解する性質を有することを特徴とする消去可能イン
    ク。
  2. 【請求項2】 前記消去剤が、ステロール化合物から選
    択されることを特徴とする請求項1記載の消去可能イン
    ク。
  3. 【請求項3】 前記消去剤が、コール酸、リトコール
    酸、テストステロンおよびコルチゾン、ならびにこれら
    の誘導体から選択されることを特徴とする請求項1記載
    の消去可能インク。
  4. 【請求項4】 前記消去剤が、1個以上のヒドロキシル
    基を有する5員環以上の非芳香族系の環状化合物から選
    択されることを特徴とする請求項1記載の消去可能イン
    ク。
  5. 【請求項5】 呈色性化合物1重量部に対して、0.1
    〜10重量部の顕色剤が含まれることを特徴とする請求
    項1記載の消去可能インク。
  6. 【請求項6】 呈色性化合物1重量部に対して、1〜2
    00重量部の消去剤が含まれることを特徴とする請求項
    1記載の消去可能インク。
  7. 【請求項7】 溶媒が水であることを特徴とする請求項
    1記載の消去可能インク。
  8. 【請求項8】 インク組成物がマイクロカプセル化して
    溶媒に分散されていることを特徴とする請求項1記載の
    消去可能インク。
  9. 【請求項9】 溶媒中のインク組成物の濃度が、0.1
    〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の消
    去可能インク。
  10. 【請求項10】 基材上に呈色性化合物および顕色剤を
    含むインク組成物を塗布した印刷用シートを用い、媒体
    にインク組成物を熱転写して印刷し、他の基材上に消去
    剤を含む組成物を塗布した消去用シートを用い、インク
    組成物が印刷された媒体に消去剤を含む組成物を熱転写
    して消去することを特徴とする印刷および消去方法。
  11. 【請求項11】 消去を、印刷より高温で行うことを特
    徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記消去剤が、コール酸、リトコール
    酸、テストステロンおよびコルチゾン、ならびにこれら
    の誘導体から選択されることを特徴とする請求項10記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記消去剤が、1個以上のヒドロキシ
    ル基を有する5員環以上の非芳香族系の環状化合物から
    選択されることを特徴とする請求項10記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1の消去可能インクを印刷する
    ための印刷機構と、通常のインクを印刷するための印刷
    機構を有することを特徴とするプリンター。
  15. 【請求項15】 印刷機構が、インクジェットプリンタ
    ーヘッドであることを特徴とする請求項14記載のプリ
    ンター。
  16. 【請求項16】 印刷された消去可能インクを加熱して
    消去する機構を有することを特徴とする請求項14記載
    のプリンター。
  17. 【請求項17】 消去機構が、サーマルバーであること
    を特徴とする請求項14記載のプリンター。
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