JP2000103746A - 成形物およびその製造方法 - Google Patents

成形物およびその製造方法

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JP2000103746A
JP2000103746A JP11310967A JP31096799A JP2000103746A JP 2000103746 A JP2000103746 A JP 2000103746A JP 11310967 A JP11310967 A JP 11310967A JP 31096799 A JP31096799 A JP 31096799A JP 2000103746 A JP2000103746 A JP 2000103746A
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JP11310967A
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Soichiro Imoto
聡一郎 井本
Minoru Yoshioka
稔 吉岡
Mitsutaka Isobe
光孝 磯部
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チュワブル剤などの口腔用錠剤に含まれる生
理活性成分の金属塩の苦味を、単純な組成で長時間に亘
り有効に抑制する。 【解決手段】 苦味を有する生理活性成分の金属塩に、
アスパルテームと還元麦芽糖などの水溶性糖類とを組合
せて添加することにより、生理活性成分の金属塩の苦味
を軽減する。苦味を有する生理活性成分の金属塩には、
アスコルビン酸カルシウム塩、パントテン酸カルシウム
塩などのビタミン類のアルカリ土類金属塩などが含まれ
る。前記各成分の割合は、苦味を有する生理活性成分の
金属塩100重量部に対して、アスパルテーム0.1〜
100重量部、および水溶性糖類10〜2000重量部
程度である。また、アスパルテームの特異な不快な味を
も抑制するためには、アスパルテーム1重量部に対する
水溶性糖類の割合は、例えば、20〜1000重量部程
度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苦味などの口腔内
に残る不快感を抑制した苦味を有する生理活性成分含有
成形物およびその製造方法、並びに苦味を有する生理活
性成分の矯味方法(マスキング方法)に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品に用いる有効成分には、酸味、苦
味、辛み、エグ味などの経口服用時に不快感を伴う成分
が多い。このような不快感を緩和する方法として、例え
ば、特開平2−56416号公報には、アスパルテーム
を添加して、解熱鎮痛剤としてのアセトアミノフェンな
どの苦味を抑制した顆粒剤が開示されている。この文献
には、賦形剤として乳糖、マンニトールを用いることも
記載されている。
【0003】また、特開平4−295425号公報に
は、アスパルテームなどの甘味剤と、澱粉などの糊剤と
を添加したビタミンC含有ハード顆粒が開示されてい
る。このハード顆粒は、ビタミンCを高濃度に含有して
も、強い酸味を感じさせないという特色がある。
【0004】これらの顆粒剤は、錠剤、トローチ錠など
の比較的サイズの大きな成形物と異なり、すぐに飲込む
ことができ、服用が容易である。そのため、活性成分の
苦味を一時的に矯味すれば何ら不快感を伴うことなく服
用できる。しかし、比較的サイズの大きな成形物、特に
口中で徐々に溶解させ、長時間に亘り口腔内に残留する
ことが必要とされるチュワブル剤、トローチ剤などの口
腔用錠剤では、錠剤の溶解に伴なって活性成分の苦味が
継続するため、前記アスパルテームでは矯味できない。
しかも、苦味に加えて、渋味およびエグ味が混在した特
異な味を呈するアスパルテームの味を、前記顆粒剤によ
り矯味することは困難である。
【0005】なお、特開昭60−19475号公報に
は、アスパルテームなどのジペプチド甘味料と、この甘
味料を食した後に残存する特異な甘味を抑制するための
ビタミンCとを含む食品用甘味料組成物が開示されてい
る。この文献には、前記組成物に、果糖、ブドウ糖、砂
糖、乳糖、麦芽糖などの糖類を併用してもよいことが記
載されている。しかし、この文献では、アスパルテーム
の特異な甘味をビタミンCの酸味で矯味するものの、生
理活性成分の金属塩(例えば、ビタミン類のアルカリ土
類金属塩)の特有の苦みを抑制することについて何ら考
慮されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、口腔用錠剤などの比較的サイズの大きな成形物であ
っても、生理活性成分の金属塩の苦味を有効に抑制でき
る成形物およびその製造方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、単純な組成で、生理
活性成分の金属塩の苦味を長時間に亘り軽減できる成形
物およびその製造方法を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、生理活性成分
の金属塩の苦味のみならず、アスパルテームの特異な不
快な味をも軽減できる成形物およびその製造方法を提供
することにある。
【0009】本発明の別の目的は、生理活性成分の金属
塩の苦味を有効かつ長時間に亘り抑制できる矯味方法
(マスキング方法)を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、アスパルテームと水溶
性糖類とを組合せることにより、生理活性成分の金属塩
の苦味を著しく緩和できることを見いだし、本発明を完
成した。
【0011】すなわち、本発明は、苦味を有する生理活
性成分の金属塩、アスパルテームおよび水溶性糖類を含
む成形物に関する。前記苦味を有する生理活性成分の金
属塩には、種々の成分、例えば、生理活性成分のアルカ
リ金属塩、生理活性成分のアルカリ土類金属塩(例えば
カルシウム塩など)が含まれ、生理活性成分はビタミン
類などであってもよい。前記生理活性成分の金属塩に
は、水溶性ビタミン類のアルカリ土類金属塩(例えば、
アスコルビン酸カルシウム塩、パントテン酸カルシウム
塩など)が含まれる。前記成形物は、さらに、遊離の生
理活性成分、例えば、遊離のビタミン類などを含んでい
てもよい。
【0012】水溶性糖類には、例えば、砂糖類(白糖、
ショ糖、フラクトオリゴ糖、パラチノースなど)、澱粉
糖類(ブドウ糖、麦芽糖(マルトース)、還元麦芽糖、
粉飴、水飴、異性化糖(果糖)など)、乳糖類(乳糖、
異性化乳糖(ラクチュロース)、還元乳糖(ラクチトー
ル)など)、蜂蜜糖、糖アルコール類(D−ソルビトー
ル、D−マンニトール、マルチトール、キシリトールな
ど)などが含まれる。水溶性糖類は、ショ糖の甘味度を
1としたとき甘味度0.2〜2.5の糖類、例えば、麦
芽糖などであってもよい。
【0013】さらに、前記成形物は、チュワブル剤など
の圧縮成形製剤であってもよい。前記各成分の割合は、
広い範囲から選択でき、例えば、苦味を有する生理活性
成分の金属塩100重量部に対して、アスパルテーム
0.1〜100重量部、および水溶性糖類10〜200
0重量部程度であってもよい。また、アスパルテーム1
重量部に対する水溶性糖類の割合は、例えば、20〜1
000重量部程度であってもよい。
【0014】前記成形物には、例えば、(1)ビタミン
類の金属塩が水溶性ビタミン類のアルカリ土類金属塩で
あって、このビタミン類のアルカリ土類金属塩100重
量部に対して、アスパルテーム0.1〜50重量部、お
よび甘味度0.2〜2.5の糖類25〜800重量部を
含有する成形物などが含まれる。前記成形物には、さら
に、(2)ビタミン類のアルカリ土類金属塩と遊離のビ
タミン類とで構成されたビタミン成分、アスパルテーム
および水溶性糖類を含む成形物、例えば、(3)水溶性
糖類の甘味度が0.2〜2.0であり、ビタミン類のア
ルカリ土類金属塩100重量部に対する遊離のビタミン
類の割合が10〜1000重量部であり、前記ビタミン
類のアルカリ土類金属塩100重量部に対する、アスパ
ルテームの割合が1〜10重量部、および水溶性糖類の
割合が25〜2000重量部である成形物なども含まれ
る。
【0015】さらに、遊離のビタミン類が酸性であると
き、遊離のビタミン類を含む群とアスパルテームを含む
群とに群分けされ、両者の接触が抑制されて成形されて
いてもよい。このような成形物には、例えば、酸性の遊
離のビタミン類およびアスパルテームの少なくとも一方
の成分が、担体を含む造粒物に含まれている成形物、酸
性の遊離のビタミン類とアスパルテームとが、それぞれ
相異なる造粒物に含まれている成形物なども含まれる。
【0016】本発明の成形物は、苦味を有する生理活性
成分の金属塩、アスパルテームおよび水溶性糖類を含む
組成物を成形することにより製造できる。さらに、本発
明の矯味方法では、アスパルテームおよび水溶性糖類を
添加することにより、苦味を有する生理活性成分の金属
塩を矯味する。
【0017】なお、本明細書において、苦味だけでなく
渋み、エグ味などを伴なう苦味を総称して単に”苦味”
と称する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。
【0019】本発明の成形物および矯味方法は、医薬活
性成分も含めて、苦味を有する種々の生理活性成分の金
属塩に適用できるが、一般的な処方では苦味の緩和及び
矯味(マスキング)が困難な成分に好ましく適用され
る。
【0020】苦味を有する生理活性成分の金属塩には、
金属との塩を形成し、苦みを呈する種々の生理活性成分
が含まれる。金属塩を形成する生理活性成分は、特に制
限されず、例えば、ビタミン類(アスコルビン酸、パン
トテン酸、葉酸)、グリミジン、銅クロロフィリン、シ
ョ糖硫酸エステル、溶性ピロリン酸などが例示される。
好ましい生理活性成分には、ビタミン類、特にアスコル
ビン酸、パントテン酸などの水溶性ビタミン類が含まれ
る。
【0021】前記金属塩には、例えば、リチウム、カリ
ウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、
マグネシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカ
リ土類金属塩、アルミニウムなどの周期表3B族金属と
の塩、鉄などの周期表8族金属との塩などが含まれる。
これらの金属塩のうち、アルカリ金属塩(ナトリウム
塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウ
ム塩、マグネシウム塩など)、特にアルカリ土類金属
塩、とりわけカルシウム塩は特異な苦味を呈する。本発
明は、このような特異な苦みを有する成分をマスキング
するのに有効である。
【0022】このような生理活性成分の金属塩には、例
えば、水溶性ビタミン類の金属塩[例えば、アスコルビ
ン酸(L−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸など)
のアルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)、
アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩な
ど)、パントテン酸(L−パントテン酸、D−パントテ
ン酸など)のアルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム
塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネ
シウム塩など)、リン酸リボフラビンナトリウム等]、
ジクロフエナクナトリウム、グリミジンナトリウム、銅
クロロフィリンナトリウム、パラアミノサリチル酸カル
シウム、硫酸マグネシウム、ショ糖硫酸エステルアルミ
ニウム塩、溶性ピロリン酸第二鉄、イオポダートナトリ
ウム、クロモグリク酸ナトリウム、コリスチンメタンス
ルホン酸ナトリウム、セファゾリンナトリウム、セファ
マンドールナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セ
フォペラゾンナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、ピペ
ラシリンナトリウムなどが例示できる。これらの苦みを
有する生理活性成分の金属塩は単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。
【0023】好ましい苦味を有する生理活性成分の金属
塩には、ビタミン類のアルカリ土類金属塩、特に水溶性
ビタミン類のアルカリ土類金属塩、とりわけビタミン類
のカルシウム塩が含まれる。このようなビタミン類のア
ルカリ土類金属塩のうち、特にアスコルビン酸カルシウ
ム塩又はパントテン酸カルシウム塩などのビタミン類の
カルシウム塩は、苦味だけでなく渋味及びエグ味を呈
し、一般的な方法では矯味が困難である。これらのビタ
ミン類の金属塩は単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。
【0024】本発明において、金属成分の過剰摂取を抑
制するため、生理活性成分の金属塩に、対応する遊離の
生理活性成分を併用し、成形物中の金属成分含有量を調
整してもよい。例えば、ビタミン類のアルカリ土類金属
塩(例えば、カルシウム塩など)を用いる場合には、ビ
タミン類のアルカリ土類金属塩(カルシウム塩など)に
遊離のビタミン類を併用し、アルカリ土類金属の含有量
を調整してもよい。この場合、遊離のビタミン類の強い
酸味を抑制できる。生理活性成分の金属塩(ビタミン類
のアルカリ土類金属塩など)に対する遊離の生理活性成
分(遊離のビタミン類など)の割合は、成形物の用途お
よびサイズなどに応じて選択でき、例えば、生理活性成
分の金属塩(ビタミン類のアルカリ土類金属塩など)1
00重量部に対して遊離の生理活性成分(遊離のビタミ
ン類など)10〜1000重量部、好ましくは25〜7
00重量部、さらに好ましくは50〜500重量部程度
である。
【0025】生理活性成分の金属塩は、苦味を有する他
の活性成分(例えば、生理活性成分、医薬活性成分や生
薬など)と併用してもよい。上記他の活性成分の種類は
特に制限されない。前記他の活性成分のうち、不快な味
を与える生理活性又は医薬活性成分としては、例えば、
ニコチン酸、ニコチン酸アミド、L−アスコルビン酸、
D−アスコルビン酸、L−パントテン酸、D−パントテ
ン酸、チアミン、フルスルチアミンおよびこれらの塩
(例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩など)などのビタミ
ン剤;アミノピリン、フエナセチン、無水カフェインな
どの鎮痛剤;サリチル酸コリンなどの解熱鎮痛剤;N−
シクロヘキシル−N−メチル−(2−アミノ−3,5−
ジブロモベンジル)−アンモニウムクロライド、3−
(N−メチルピペリジデン)−2,2−ジチエニルメタ
ンくえん酸塩、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩
酸トリメトキノールなどの鎮咳去たん剤;フェノバルビ
タールなどの鎮静剤;ヒヨスチン−N−ブチルブロミ
ド、N−メチルスコポラミン・メチル硫酸塩、フロプロ
ピオンなどの鎮けい剤;ジゴキシンなどの強心剤;酒石
酸アリメマジン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸
シプロペプタジンなどの抗ヒスタミン剤;トルブタマイ
ド、グルブゾール、アセトヘキサアミド、クロルプロパ
ミドなどの糖尿病治療剤;α−メルカプトプロピオニル
グリシン、肝水解物などの肝疾患治療剤;臭化プロパン
テリンなどの潰瘍治療剤;すい臓消化酵素、胆汁成分、
アシダーゼ、ウルソデソキシコール酸などの健胃消化
剤;塩酸ヒドラジノフタラジン、レセルピン、ポリサイ
アザイドなどの血圧降下剤;デキサメサゾン、ベタメサ
ゾンなどのホルモン剤;ジベンジルエチレンジアミンジ
ペニシリン−G、アミノベンジルペニシリン、セフアレ
キシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリ
ン、クロラムフェニコールなどの抗生物質;スルフィソ
メゾール、スルフィソオキサザールなどのサルファ剤;
その他の活性成分、例えば、ヒドロキシジンパモエート
などの精神神経用剤、プリミドンなどの抗てんかん剤、
イソソルビドなどの眼圧降下剤、塩酸リジンなどのアミ
ノ酸類栄養補給剤、メトクロプラミド塩基などの消化器
機能異常治療剤などが挙げられる。
【0026】また、他の活性成分としての生薬には、例
えば、アロエ、エンゴサク、エイジツ、オウギ、オウセ
イ、オンジ、ガラナ、クコシ、ジオウ、トウキ、トチュ
ウ、ニンジン、アマロゲンチン、オウゴン、オウバク、
オウレン、ガジュツ、カスカラサグラダ、カスカリラノ
キ、カノコ草、カロウコン、キキョウ、キジツ、キョウ
ニン、キハダ、クコ、クジン、ケツメイシ、ケンゴシ、
ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウブシ、コウボク、ゴ
オウ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴミシ、コロンボ、コンズラ
ンゴ、サイコ、サンシシ、サフラン、サンズコン、ジオ
ウ、シコン、シャクヤク、シャジン(ツリガネニンジ
ン)、シャゼン(オオバコ)、ジャ香、ショウマ、セイ
ヒ、セキショウコン、センキュウ、センコツ、センタウ
リウム草、センブリ、センボウ、センソ、センナ、ソウ
ジュツ、ソウハクヒ、ダイオウ、竹節人参、チモ、チレ
ッタ草、チンピ、トウヒ、トウニン、トコン、ニガキ、
ビャクシャク、ビャクジュツ、ベラドンナコン、ヘノポ
ジ油、ヤクチ、ユウタン、ヨモギ、ニガヨモギ、苦味チ
ンキ、ジシュユ、ホップ、ホミカ、ボウイ、マオウ、モ
クツウ、モッコウ、リュウタン、リンドウ、ルソンカ、
レンギョウ、ロートエキスなどが含まれる。
【0027】苦味を有する他の活性成分を具体的に例示
すると、例えば、(1)アロバルビタール、シクロバル
ビタール、バルビタール、フエノバルビタール、プリミ
ドンなどのバルビツール酸系化合物、(2)アミノピリ
ン、アンチピリン、スルピリンなどのピラゾロン系化合
物、(3)ピラビタールなどのピラビタール系化合物、
(4)塩酸クロルプロマジン、塩酸プロメタジンなどの
フェノチアジン系化合物、(5)塩酸テトラカイン、塩
酸プロカインなどのアミノ安息香酸アミノエステル類、
(6)塩酸リドカインなどのキシリジン系化合物、
(7)塩酸ジブカインなどのジブカイン系化合物、
(8)メフエネシンなどのメフエネシン系化合物、
(9)硫酸アトロピンなどのアトロピン系化合物、(1
0)塩酸パパベリンなどのパパベリン系化合物、(1
1)マレイン酸クロルフェニラミンなどのクロルフェニ
ラミン系化合物、(12)塩酸ジフエンヒドラミン、ジ
メンヒドリナートなどのジフエンヒドラミン系化合物、
(13)アミノフィリン、カフェイン、テオフィリン、
プロキシフィリン、オキシエトフィリン、安息香酸ナト
リウムカフェイン、テオサリシンなどのキサンチン系化
合物、(14)ジギタリス、ジギトシン、ジゴキシンな
どのジギタリス配糖体系化合物、(15)アジマリンな
どのアジマリン系化合物、(16)塩酸ヒドララジンな
どのヒドララジン系化合物、(17)ルチンなどのルチ
ン系化合物、(18)塩酸フェニレフリンなどのフェニ
レフリン系化合物、(19)ジモルホラミンなどのジモ
ルホラミン系化合物、(20)dl−塩酸メチルエフエ
ドリンなどのエフエドリン系化合物、(21)塩酸ノス
カピンなどのノスカピン系化合物、(22)ウルソデス
オキシコール酸、デヒドロコールなどの胆汁酸系化合
物、(23)メチルチオウラシル、プロピルチオウラシ
ルなどのチオウラシル系化合物、(24)ニコチン酸、
ニコチン酸アミドなどのニコチン酸系化合物、(25)
スルファフエナゾール、スルファメチゾール、スルフィ
ソメゾール、スルフイイソキサザール、スルファメトキ
シピリカジン(スルファメトキシピリダジン、スルファ
メトキシピリミジン)などのスルファミン系化合物、
(26)塩酸キニーネ、硫酸キニーネ、エチル炭酸キニ
ーネなどのキニーネ類、(27)ブロムワレリル尿素、
抱水クロラール、アセトアミノフェノン、塩酸アミトリ
プチリン、アミノ安息香酸エチル、G−ストロファンチ
ン、硫酸キニジン、アセタゾラミド、スピロノラクト
ン、ヒドロチアジド、硫酸グアネチジン、塩酸ナファゾ
リン、塩酸イソプロテレノール、塩化ベルベリン、デキ
サメサゾン、塩酸ピリドキシン、アミノベンジルペニシ
リン、硫酸カナマイシン、エリスロマイシン、アセチル
スピラマイシン、スピラマイシン、クロラムフェニコー
ル、テトラサイクリン、エチオナミド、塩酸エメチン、
リン酸クロロキン、サントニン、クエン酸ジエチルカル
バマジン、塩酸コカイン、dl−メントール、l−メン
トールなどの他の薬理活性を有する化合物などが例示で
きる。
【0028】本発明の特色は、アスパルテームと水溶性
糖類との組合せにより、苦味を有する生理活性成分の金
属塩を矯味する点にある。水溶性糖類には、例えば、白
糖、ショ糖、フラクトオリゴ糖、パラチノースなどの砂
糖類;ブドウ糖、麦芽糖(マルトース)、還元麦芽糖、
粉飴、水飴、異性化糖(果糖)などの澱粉糖類;乳糖、
異性化乳糖(ラクチュロース)、還元乳糖(ラクチトー
ル)などの乳糖類;蜂蜜糖;D−ソルビトール、D−マ
ンニトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アル
コール類などが含まれる。これらの水溶性糖類は単独で
又は二種以上混合して使用できる。
【0029】好ましい水溶性糖類には、蔗糖などの砂糖
類;ブドウ糖、麦芽糖、還元麦芽糖、果糖などの澱粉糖
類;乳糖;D−ソルビトール、マルチトール、キシリト
ールなどの糖アルコール類が含まれ、麦芽糖、還元麦芽
糖、乳糖、D−ソルビトール、マルチトール、特に還元
麦芽糖が好ましい。ここにおいて、還元麦芽糖は、還元
麦芽糖水飴および粉末還元麦芽糖水飴を含む。また、好
ましい水溶性糖類の甘味度は、ショ糖の甘味度を1とし
たとき、例えば0.2〜2.5程度、好ましくは0.2
〜2.0、特に0.3〜1.7程度である。
【0030】さらに、麦芽糖、還元麦芽糖、D−ソルビ
トール、マルチトール、キシリトールなどの低カロリー
の糖類をアスパルテームと組み合わせて用いると、矯味
剤として蔗糖などを用いた組成物に比べて、カロリー摂
取を制限している人に適した低カロリー成形物を得るこ
とができる。
【0031】本発明の成形物において、各成分の割合は
矯味可能な広い範囲で選択できる。アスパルテームの使
用量は、例えば、苦味を有する生理活性成分の金属塩1
00重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましく
は0.5〜100重量部、さらに好ましくは1〜10重
量部程度である。また、水溶性糖類の割合は、例えば、
苦味を有する生理活性成分の金属塩100重量部に対し
て、10〜2000重量部、好ましくは25〜2000
重量部、さらに好ましくは50〜500重量部程度であ
る。より具体的には、本発明が好適に適用される水溶性
ビタミン類を生理活性成分として含む成形物において、
各成分の割合は、例えば、水溶性ビタミンのアルカリ土
類金属塩(カルシウム塩など)100重量部に対して、
アスパルテーム0.1〜50重量部、好ましくは、0.
1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部、
および甘味度0.2〜2.5の水溶性糖類25〜800
重量部、好ましくは50〜500重量部、さらに好まし
くは25〜300重量部程度である。
【0032】生理活性成分の金属塩の苦味と、アスパル
テームの特異な不快な味をも緩和するためには、アスパ
ルテームと水溶性糖類との割合を調整し、苦味や不快な
味を希釈するのが有用である。アスパルテームに対する
水溶性糖類の割合は、苦味を有する成分の矯味を損わな
い範囲、例えば、アスパルテームと等量以上の水溶性糖
類を用いる場合が多く、例えば、アスパルテーム1重量
部に対して水溶性糖類1〜2000重量部、好ましくは
10〜1500重量部、さらに好ましくは20〜100
0重量部程度、特に好ましくは50〜500重量部程度
である。
【0033】本発明の成形物は、所望により、前記苦味
を有する生理活性成分以外の活性成分を含んでいてもよ
い。このような活性成分としては、例えば、他の医薬活
性成分、漢方薬エキス、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウム[例えば、ノイシリン(商品名)]、ケイ
酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト[例
えば、アルカマック(商品名)]、水酸化アルミニウム
・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物[例えば、クムライ
ト(商品名)]、スクラルファートなどの制酸剤や粘膜
保護剤;ミネラル;アミノ酸類などが挙げられる。
【0034】また、本発明の成形物は、前記アスパルテ
ーム、水溶性糖類、および苦味を有する生理活性成分の
金属塩以外に、担体や種々の添加物を含んでいてもよ
い。担体としては、苦味を有する生理活性成分の金属塩
の矯味を損わない種々の成分、例えば、コーンスター
チ、タルク、結晶セルロース[アビセル(商品名)な
ど]、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システインなど
の賦形剤;澱粉、アルファー化デンプン、ゼラチン、ア
ラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキ
ストリンなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム[カルメロースカルシウム、例えば、ECG5
05(商品名)]、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース、クロスカルメロースナトリウム[例えば、アクジ
ゾル(商品名)]などの崩壊剤などが例示される。添加
剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのア
ニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよ
びポリオキシエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン系
界面活性剤などの界面活性剤;着色剤;吸着剤;防腐
剤;湿潤剤;帯電防止剤;崩壊延長剤などが挙げられ
る。なお、乳糖、ショ糖、マンニトールなどの水溶性糖
類は、前記賦形剤として使用してもよい。これらの担体
のうち、少なくとも賦形剤および結合剤が繁用され、崩
壊剤を併用する場合も多い。
【0035】本発明は、比較的長時間に亘り生理活性成
分の金属塩の苦味を低減できるので、比較的サイズの大
きな種々の固形成形物、特に口中で徐々に溶解させ、長
時間に亘り口腔内に残留することが必要とされる成形
物、例えば、ドロップ、キャンデーなどの嗜好食品、錠
剤、トローチ錠、舌下錠などの口腔用錠剤などに好適に
適用される。好ましい成形物には、錠剤、トローチ錠、
チュワブル剤などの圧縮成形製剤、特に口中で徐々に長
時間に亘り溶解させるチュワブル剤が含まれる。本発明
の矯味方法では、嵩高くならない程度の矯味剤の使用
で、錠剤やチュワブル剤などの圧縮成形錠剤などの成形
物における苦味も十分効果的に抑制できる。
【0036】本発明の成形物は、その種類に応じた方法
により、苦味を有する生理活性成分の金属塩、アスパル
テームおよび水溶性糖類を含む組成物を成形することに
より製造でき、アスパルテームおよび水溶性糖類の添加
により、生理活性成分の金属塩を含有する成形物におけ
る苦味を矯味(マスキング)できる。
【0037】成形法としては、前記各成分が均一に溶解
又は分散した状態の成形物を得ることができる種々の方
法が挙げられる。例えば、嗜好食品などの場合には、ア
スパルテーム、水溶性糖類および苦味を有する生理活性
成分の金属塩を含む組成物を加熱溶融し、溶融物を成形
型を用いて成形してもよく、口腔用錠剤などの圧縮成形
製剤のように、前記組成物を打錠などの方法により圧縮
成形することにより製造できる。成形物が圧縮成形製剤
である場合には、慣用の方法、例えば、苦味を有する生
理活性成分の金属塩、アスパルテームおよび水溶性糖類
を含む組成物を混合する乾式造粒法、前記組成物を溶媒
(アルコールなどの有機溶媒、特に水などの安全性の高
い溶媒)を用いて造粒する湿式造粒法により造粒し、得
られた造粒末を、必要に応じて添加剤又は担体と共に、
圧縮成形する場合が多い。
【0038】前記造粒に際しては、通常、添加剤又は担
体が使用される。造粒には、転動造粒機、撹拌造粒機、
流動造粒機、噴霧造粒機、遠心転動造粒機、転動流動造
粒機などの湿式造粒機、粉粒状の結合剤を用いる圧密造
粒機などの乾式造粒機などが利用できる。
【0039】なお、アスパルテームは酸性成分により分
解し安定性が低下する場合がある。例えば、ビタミン成
分を、酸性成分としての遊離のビタミン類(例えば、ア
スコルビン酸、パントテン酸など)と、ビタミン類の金
属塩(カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)と
で構成する場合、酸性の遊離のビタミン類と共存させる
と、アスパルテームの安定性が低下し、ビタミン類の金
属塩と共存させると、アスパルテームの安定性を維持で
きる。そのため、アスパルテームの安定性を高めるため
には、(1)遊離のビタミン類などの酸性成分を含まな
い成形物にするか、(2)成形物が酸性成分を含む場合
には、遊離のビタミン類などの酸性成分とアスパルテー
ムとを別群に配合(すなわち、群分け配合)し、両者の
接触が抑制された状態又は両者を分離した状態で含有す
る成形物にするのが好ましい。
【0040】後者(2)の場合、前記酸性成分とアスパ
ルテームとの接触を抑制するため、遊離のビタミン類な
どの酸性成分およびアスパルテームの少なくとも一方の
成分が、添加剤又は担体を用いて造粒した造粒末に含ま
れているのが好ましい。この場合、一方の成分と添加剤
又は担体とを含む群の造粒物に、造粒されていない他方
の成分の群を混合してもよい。さらに好ましい態様にお
いて、アスパルテームと酸性成分とがそれぞれ相異なる
造粒物に含有されていてもよい。すなわち、酸性成分を
含む群(遊離のビタミン類などの酸性成分群)とアスパ
ルテームを含む群(アスパルテーム群)とを別々に造粒
することにより、酸性成分とアスパルテームとを別群に
配合し、酸性成分群とアスパルテーム群とを合わせて成
形するのが好ましい。
【0041】群分け配合において、酸性成分を含む群
は、酸性成分と、必要に応じて他の活性成分と、担体、
好ましくは少なくとも結合剤及び賦形剤とを混合し、慣
用の方法で造粒することにより得ることができる。ま
た、アスパルテーム群も、酸性成分に代えて、アスパル
テームを用い、上記酸性成分群と同様の方法で造粒する
ことにより得ることができる。
【0042】さらに、酸性成分とアスパルテームとの接
触を抑制するためには、成形物において、酸性成分群の
層とアスパルテーム群の層とで構成された複数層の圧縮
成形錠剤(例えば、二層錠や三層錠など)を形成しても
よく、酸性成分群およびアスパルテーム群のいずれか一
方の群を芯とし、この芯を他方の群で被覆した被覆剤で
あってもよい。
【0043】本発明の成形物において、苦味を有する生
理活性成分の金属塩の含有量は、生理活性成分の種類お
よび用途などに応じて、例えば、成形物全体の0.00
1〜70重量%、好ましくは0.01〜60重量%、さ
らに好ましくは0.1〜50重量%程度の範囲から選択
できる。
【0044】本発明の成形物は、苦味を有する活性成分
の金属塩の矯味を損わないコーティング剤によりコーテ
ィングされていてもよい。コーティング剤としては、糖
を主成分とする糖衣組成物、セルロース系の基剤を主成
分とするフィルム形成性組成物などが利用できる。コー
ティング剤の成分としては、糖類(例えば、グラニュー
ウ糖、マンニトールなど)、アラビアゴム、タルク、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメ
チルセルロースアセテートサクシネート、アクリル酸コ
ポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビ
ニルアセタールジエチルアミノアセテート、セラック、
ワックス類などが挙げられる。これらの成分は二種以上
を用いてもよい。また、コーティング剤には、慣用のコ
ーティング助剤、例えば、糖類(例えば、乳糖、マンニ
トールなど)、ポリエチレングリコール、ポリソルベー
ト(例えば、ツィーン80など)、酸化チタン、ベンガ
ラなどの着色剤などを併用してもよい。
【0045】コーティング剤のコーティング量は、成形
品の種類などに応じて選択でき、錠剤などの圧縮固形製
剤では全体の0.1〜30重量%程度である場合が多
い。
【0046】
【発明の効果】本発明の成形物は、アスパルテームと水
溶性糖類とを組合せているので、口腔用錠剤などの比較
的サイズの大きな成形物であっても、口腔内に残る生理
活性成分の金属塩の苦味などの不快感を有効に抑制で
き、商品価値を高めることができる。また、単純な組成
であるにも拘らず、生理活性成分の金属塩の苦味を長時
間に亘り軽減できる。さらに、生理活性成分の金属塩の
苦味のみならずアスパルテームの特異な不快な味をも抑
制できる。
【0047】本発明の方法では、アスパルテーム、水溶
性糖類および苦味を有する生理活性成分の金属塩を含む
組成物を成形するという簡単な操作で、前記の如き苦味
が軽減された成形物を製造できる。また、本発明の矯味
方法では、アスパルテームと水溶性糖類とを組合せて添
加することにより、生理活性成分の金属塩の苦味を有効
かつ長時間に亘り抑制できる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0049】実施例1 以下に示す成分(1)〜(8)の配合処方1を用いて素
錠を得た。すなわち、トウモロコシ澱粉(6)の一部3
8.2gを精製水318mlに分散し、熱時溶解するこ
とにより結合液を調製した。また、アスコルビン酸
(1)〜アスパルテーム(5)および残りのトウモロコ
シ澱粉(6)の6成分を流動型造粒機(パウレック社
製:FD−5S)に入れ、送風温度70℃、品温30℃
に制御しながら、トップスプレー方式で前記結合液を噴
霧することにより造粒した。
【0050】得られた造粒物を整粒機(昭和化学機械
(株)製:パワーミル、P−3S、1.5mmφパンチ
ングスクリーン)を用いて粉砕し、整粒末を得た。整粒
末、ステアリン酸マグネシウム(7)およびパントテン
酸カルシウム(8)をタンブラー型混合機(昭和化学機
械(株)製:タンブラーミキサー、TM−15)を用い
て1分間混合した。混合末を打錠機((株)菊水製作所
製:コレクト12HUK、杵15mmφ、打錠圧2.0
トン/杵)にて打錠し、素錠(重量1150mg、厚み
5.0mm)を得た。
【0051】 [配合処方1] (1)アスコルビン酸(武田薬品工業(株)) 1400.0g (2)アスコルビン酸カルシウム(武田薬品工業(株)) 726.0g (3)リボフラビン(東京田辺(株)) 2.0g (4)粉末還元麦芽糖水飴(東和化成(株)) 2089.6g (5)アスパルテーム(味の素(株)) 23.0g (6)トウモロコシ澱粉(日本食品(株)) 297.2g (7)パントテン酸カルシウム(富士薬品(株)) 32.2g (8)ステアリン酸マグネシウム(堺化学(株)) 30.0g 合計 4600.0g 実施例2 実施例1の粉末還元麦芽糖水飴に代えて、乳糖(メグレ
(Meggle)社製)を用いる以外、実施例1と同様にして
素錠を得た。
【0052】実施例3 実施例1の粉末還元麦芽糖水飴に代えて、蔗糖(大阪製
糖(株)製)を用いる以外、実施例1と同様にして素錠
を得た。
【0053】実施例4 実施例1の粉末還元麦芽糖水飴に代えて、キシリトール
(東和化成(株))を用いる以外、実施例1と同様にし
て素錠を得た。
【0054】実施例5 実施例1において、粉末還元麦芽糖水飴の使用量208
9.6gを1489.6gとする以外、実施例1と同様
にして素錠を得た。
【0055】実施例6 実施例1において、アスパルテームの使用量23gを5
gとし、減量分をトウモロコシ澱粉18gで補う以外、
実施例1と同様にして素錠を得た。
【0056】比較例1 実施例1のアスパルテームに代えて、グリチルリチン二
カリウム(丸善化成(株))を用いる以外、実施例1と
同様にして素錠を得た。
【0057】比較例2 実施例1のアスパルテームに代えて、ステビオサイド
(大日本インキ(株))を用いる以外、実施例1と同様
にして素錠を得た。
【0058】比較例3 実施例1のアスパルテームに代えて、レバデオサイドA
(大日本インキ(株))を用いる以外、実施例1と同様
にして素錠を得た。
【0059】比較例4 実施例1のアスパルテームに代えて、ソーマチン(三栄
源エフ・エフ・アイ(株))を用いる以外、実施例1と
同様にして素錠を得た。
【0060】実施例7 下記に示す配合処方2を用いて、アスコルビン酸群の造
粒末と、アスコルビン酸カルシウムおよびパントテン酸
カルシウムを含むカルシウム群の造粒末とを実施例1と
同様にして調製した。なお、アスコルビン酸群には、ア
スパルテームを添加せず、カルシウム群にのみアスパル
テームを添加した。そして、アスコルビン酸群の造粒末
と、カルシウム群の造粒末とを混合し、実施例1と同様
にして打錠することにより、群分け配合による素錠を得
た。
【0061】 [配合処方2] アスコルビン酸群 カルシウム群 (1)アスコルビン酸 1400.0g − (2)アスコルビン酸カルシウム − 726.0g (3)リボフラビン 1.0g 1.0g (4)還元麦芽糖水飴 734.3g 1355.3g (5)アスパルテーム − 23.0g (6)トウモロコシ澱粉 148.6g 148.6g (7)パントテン酸カルシウム − 30.0g (8)ステアリン酸マグネシウム 16.1g 16.1g 計 2300.0g 2300.0g そして、アスパルテームの安定性を調べるため、得られ
た素錠と、実施例1の素錠を、ポリエチレン製の瓶に1
00錠づつ入れて蓋をし、40℃、75%RHで4週間
保存し、アスパルテームの残存量を高速液体クロマトグ
ラフィを用いて測定した。その結果、実施例1の素錠で
はアスパルテームの残存率が90.7重量%であるのに
対して、実施例7で得られた素錠ではアスパルテームの
残存率が97.7重量%であり、群分け配合した実施例
7の成形物の方が安定である。
【0062】実施例8 以下に示す成分(1)〜(7)の配合処方3を用いて素
錠を得た。すなわち、酪酸リボフラビン(3)40gを
99%アルコール(エタノール)296mlに溶解し、
この溶液を精製水1180ml中で分散させ、酪酸リボ
フラビン結晶分散液を得た。次いで、トウモロコシ澱粉
(6)の一部154gを精製水2400mlに分散し、
熱時溶解することにより結合液を調製した。また、アス
コルビン酸(1)、アスコルビン酸カルシウム(2)、
粉末還元麦芽糖水飴(4)、アスパルテーム(5)およ
び残りのトウモロコシ澱粉(6)の5成分を流動型造粒
機(パウレック社製:FD−2S)に入れ、送風温度7
0℃、品温35℃に制御しながら、トップスプレー方式
で前記分散液、結合液の順に噴霧することにより、着色
して造粒した。
【0063】得られた造粒物を整粒機(昭和化学機械
(株)製:パワーミルP−3S、1.5mmφパンチン
グスクリーン)を用いて粉砕し、整粒末を得た。整粒
末、ステアリン酸マグネシウム(7)をタンブラー混合
機(末広化工機製作所(株)製:TM−20)を用いて
1分間混合した。混合末を打錠機((株)菊水製作所
製:コレクト12HUK、杵15mmφ、打錠圧2.0
トン/杵)にて打錠し、素錠(重量1150mg、厚み
5.0mm)を得た。
【0064】 [配合処方3] (1)アスコルビン酸(武田薬品工業(株)) 5600.0g (2)アスコルビン酸カルシウム(武田薬品工業(株)) 2904.0g (3)酪酸リボフラビン(東京田辺(株)) 40.0g (4)粉末還元麦芽糖水飴(東和化成(株)) 8438.4g (5)アスパルテーム(味の素(株)) 92.0g (6)トウモロコシ澱粉(日本食品(株)) 1196.8g (7)ステアリン酸マグネシウム(堺化学(株)) 128.8g 合計 18400.0g 実施例9 前記配合処方3の成分(1)〜(7)を用いて素錠を得
た。すなわち、トウモロコシ澱粉(6)の一部154g
を精製水2400mlに分散し、熱時溶解することによ
り結合液を調製した。また、アスコルビン酸(1)〜ア
スパルテーム(5)および残りのトウモロコシ澱粉
(6)の6成分を流動型造粒機(パウレック社製:FD
−2S)に入れ、送風温度70℃、品温35℃に制御し
ながら、トップスプレー方式で前記結合液を噴霧するこ
とにより造粒した。
【0065】得られた造粒物を整粒機(昭和化学機械
(株)製:パワーミルP−3S、1.5mmφパンチン
グスクリーン)を用いて粉砕し、整粒末を得た。整粒
末、ステアリン酸マグネシウム(7)をタンブラー混合
機(末広化工機製作所(株)製:TM−20)を用いて
1分間混合した。混合末を打錠機((株)菊水製作所
製:コレクト12HUK、杵15mmφ、打錠圧2.0
トン/杵)にて打錠し、素錠(重量1150mg、厚み
5.0mm)を得た。
【0066】試験例 実施例および比較例で得られた素錠の矯味について、男
性のパネラー4名により官能試験を行なったところ、表
1に示す結果を得た。なお、矯味の判断基準は次の通り
である。
【0067】 優(◎):非常によい味を示す 良(○):良い味を示す 可(△):苦味などの不快な味を感じる 不可(×):苦味などの不快な味を強く感じる
【0068】
【表1】
【0069】表1から分かるように、アスパルテーム以
外の甘味料を用いた比較例、アスパルテーム単独で矯味
する比較例では、苦味を十分に抑制できない。これに対
して、アスパルテームと水溶性糖類とを組み合わせた実
施例では、苦味を有効に抑制でき、非常によい味を示
す。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苦味を有する生理活性成分の金属塩、ア
    スパルテームおよび水溶性糖類を含む成形物。
  2. 【請求項2】 苦味を有する生理活性成分の金属塩が生
    理活性成分のアルカリ金属塩である請求項1記載の成形
    物。
  3. 【請求項3】 苦味を有する生理活性成分の金属塩が生
    理活性成分のアルカリ土類金属塩である請求項1記載の
    成形物。
  4. 【請求項4】 生理活性成分がビタミン類である請求項
    1記載の成形物。
  5. 【請求項5】 生理活性成分の金属塩が水溶性ビタミン
    類のアルカリ土類金属塩である請求項1記載の成形物。
  6. 【請求項6】 アルカリ土類金属塩がカルシウム塩であ
    る請求項3記載の成形物。
  7. 【請求項7】 生理活性成分のアルカリ土類金属塩が、
    アスコルビン酸カルシウム塩又はパントテン酸カルシウ
    ム塩である請求項3記載の成形物。
  8. 【請求項8】 さらに、遊離の生理活性成分を含む請求
    項1記載の成形物。
  9. 【請求項9】 遊離の生理活性成分が遊離のビタミン類
    である請求項8記載の成形物。
  10. 【請求項10】 水溶性糖類が、白糖、ショ糖、フラク
    トオリゴ糖、パラチノース、ブドウ糖、麦芽糖(マルト
    ース)、還元麦芽糖、粉飴、水飴、異性化糖(果糖)、
    乳糖、異性化乳糖(ラクチュロース)、還元乳糖(ラク
    チトール)、蜂蜜糖、D−ソルビトール、D−マンニト
    ール、マルチトールおよびキシリトールからなる群から
    選択された少なくとも一種である請求項1記載の成形
    物。
  11. 【請求項11】 水溶性糖類の甘味度が、ショ糖の甘味
    度を1としたとき0.2〜2.5である請求項1記載の
    成形物。
  12. 【請求項12】 水溶性糖類が還元麦芽糖である請求項
    1記載の成形物。
  13. 【請求項13】 成形物が圧縮成形製剤である請求項1
    記載の成形物。
  14. 【請求項14】 圧縮成形製剤がチュワブル剤である請
    求項13記載の成形物。
  15. 【請求項15】 苦味を有する生理活性成分の金属塩1
    00重量部に対して、アスパルテーム0.1〜100重
    量部、および水溶性糖類10〜2000重量部を含有す
    る請求項1記載の成形物。
  16. 【請求項16】 アスパルテーム1重量部に対する水溶
    性糖類の割合が、20〜1000重量部である請求項1
    記載の成形物。
  17. 【請求項17】 ビタミン類の金属塩が水溶性ビタミン
    類のアルカリ土類金属塩であって、このビタミン類のア
    ルカリ土類金属塩100重量部に対して、アスパルテー
    ム0.1〜50重量部、および甘味度0.2〜2.5の
    糖類25〜800重量部を含有する請求項4記載の成形
    物。
  18. 【請求項18】 ビタミン類のアルカリ土類金属塩と遊
    離のビタミン類とで構成されたビタミン成分、アスパル
    テームおよび水溶性糖類を含む請求項1記載の成形物。
  19. 【請求項19】 水溶性糖類の甘味度が0.2〜2.0
    であり、ビタミン類のアルカリ土類金属塩100重量部
    に対する遊離のビタミン類の割合が10〜1000重量
    部であり、前記ビタミン類のアルカリ土類金属塩100
    重量部に対する、アスパルテームの割合が1〜10重量
    部、および水溶性糖類の割合が25〜2000重量部で
    ある請求項18記載の成形物。
  20. 【請求項20】 遊離のビタミン類が酸性であるとき、
    遊離のビタミン類を含む群とアスパルテームを含む群と
    に群分けされ、両者の接触が抑制されて成形されている
    請求項18記載の成形物。
  21. 【請求項21】 酸性の遊離のビタミン類およびアスパ
    ルテームの少なくとも一方の成分が、担体を含む造粒物
    に含まれている請求項20記載の成形物。
  22. 【請求項22】 酸性の遊離のビタミン類とアスパルテ
    ームとが、それぞれ相異なる造粒物に含まれている請求
    項20記載の成形物。
  23. 【請求項23】 苦味を有する生理活性成分の金属塩、
    アスパルテームおよび水溶性糖類を含む組成物を成形す
    る成形物の製造方法。
  24. 【請求項24】 アスパルテームおよび水溶性糖類を添
    加することを特徴とする苦味を有する生理活性成分の金
    属塩の矯味方法。
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