JP2000095333A - 物品搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】物品を、所定の位置及び方向に対して正確に放
出することができる物品搬送装置を提供する。 【解決手段】仕分けコンベアを構成する支持ローラを回
転して、支持ローラに載置された果菜物を表裏反転す
る。判定装置を構成する撮像カメラで果菜物を撮像し、
その撮像した画像データに基づいて果菜物の等階級を判
定する。判定と対応する仕分け部に果菜物が搬送された
とき、支持ローラの間に配設した支持部材を放出姿勢に
回動し、支持ローラに載置された果菜物を支持部材によ
り下方から突上げ、支持部材の斜面に沿って、果菜物
を、仕分け部に配設したコンベアに放出するので、支持
ローラに載置された果菜物を、所定の位置及び方向に対
して正確に放出することができ、例えば分配、供給、選
別等の作業が安定して行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばミカン、
リンゴ、西瓜、梨、柿、桃、芋等の果菜物、或いは、テ
ニス、サッカー、野球、卓球等の球技用ボール又はその
他の略球形状を有する物品を搬送する作業に用いられる
物品搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような物品を等階級別に
仕分けする装置としては、例えば、搬送路両側部に架設
したチェーンを回転して、チェーン間に架設した受皿本
体を移動する。

【０００３】受皿本体に軸支したローラを回転して、ロ
ーラに載置され物品を表裏反転すると共に、その果菜物
を周面を撮像用カメラで撮像し、その撮像したデータに
基づいて、果菜物の等階級を信号処理装置で判定する。

【０００４】判定と対応する位置に搬送されたとき、ソ
レノイドを作動して、フック部材による係止を解除し、
バネの弾性により、傾動腕を排出方向に傾動して、ロー
ラに載置された物品を、搬送路側部に配設したコンベア
に放出する選別装置（特開平１０−９０１８９号公報）
がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した装置
は、果菜物の重量に加えて、傾動腕及び遮光部材を回動
するのに必要な弾性を有するバネを用いるので、傾動腕
を回動しようとする力が大きく、搬送時に生じる振動に
より、フック部材による係止が解除され、判定と異なる
位置に果菜物が排出されてしまうことがある。

【０００６】また、遮光部材に載置された果菜物を転動
させて放出するので、所定の位置及び方向に対して果菜
物を放出することが難しく、不安定となるため、仕分け
作業が適確に行えない。且つ、遮光部材とコンベアの落
差が大きく、放出時に於いて、大きな衝撃が果菜物に付
与されるため、果菜物の表皮が柔らかいと、周面に傷が
付きやすく、商品価値が損なわれる。

【０００７】その時、果菜物を転動させて放出するの
で、所定の姿勢に揃えて放出することが困難であり、箱
詰時に於いて、果菜物の向きを揃えてなければならず、
作業に手間が掛かるという問題点を有している。

【０００８】この発明は上記問題に鑑み、支持ローラの
周面よりも上方に放出部材を突出して、その放出部材に
沿って支持ローラに載置された物品を搬送路側部に放出
するので、所定の位置及び方向に対して正確に放出する
ことができ、物品の仕分け作業が適確に行える物品搬送
装置の提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
搬送路上に配列した支持ローラを搬送方向に移動して、
該支持ローラの間に載置された物品を搬送する物品搬送
装置であって、上記支持ローラの間に、該支持ローラに
載置された物品を搬送路側部に対して放出する放出部材
を出没可能に設けた物品搬送装置であることを特徴とす
る。

【００１０】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記放出部材を、上記支持ローラに載
置された物品を搬送路側部に対して放出する方向に回動
可能に設けた物品搬送装置であることを特徴とする。

【００１１】請求項３記載の発明は、上記請求項１又は
２記載の構成と併せて、上記放出部材を、上記支持ロー
ラに載置された物品が搬送路側部に対して放出される形
状に形成した物品搬送装置であることを特徴とする。

【００１２】請求項４記載の発明は、上記請求項１，２
又は３記載の構成と併せて、上記支持ローラを、上記搬
送路一側部に架設した無端帯に対して搬送方向に直交し
て取付け、上記支持ローラの間に配列した放出部材を、
上記搬送路他側部に架設した無端帯に対して搬送方向に
直交して上下回動可能に取付けた物品搬送装置であるこ
とを特徴とする。

【００１３】

【作用】請求項１記載の物品搬送装置は、放出部材を、
支持ローラの周面よりも上方に突出して、支持ローラに
載置された物品を放出部材により持上げると共に、その
放出部材に沿って、支持ローラに載置された物品を搬送
路側部に放出するので、所定の位置及び方向に対して正
確に放出することができる。

【００１４】請求項２記載の物品搬送装置は、上記請求
項１記載の作用と併せて、放出部材を、支持ローラに載
置された物品が搬送路側部に対して放出される方向に回
動し、その放出部材の斜面に沿って、支持ローラに載置
された物品を搬送路側部に放出するので、放出時の落差
及び衝撃が小さく、物品を傷付けることなく放出するこ
とができる。

【００１５】請求項３記載の物品搬送装置は、上記請求
項１又は２記載の作用と併せて、任意の形状（例えば曲
面、斜面）に形成した放出部材に沿って、支持ローラに
載置された物品が搬送路側部に放出するので、物品の放
出がスムースに行える。

【００１６】請求項４記載の物品搬送装置は、上記請求
項１，２又は３記載の作用と併せて、支持ローラを、搬
送路一側部に架設した無端帯に取付け、放出部材を、搬
送路他側部に架設した無端帯に対して上下回動可能に取
付けるので、搬送路下部の空間が形成され、その空間を
利用して、支持ローラを回転するための手段又は放出部
材を上下回動するための手段を設けることができる。

【００１７】

【発明の効果】この発明によれば、放出部材を、支持ロ
ーラの周面よりも上方に突出して、その放出部材に沿っ
て支持ローラに載置された物品を搬送路側部に放出する
ので、物品の重量に加えて、放出部材を出没動作するだ
けで済むため、従来例のような弾性の大きいバネを用い
たりする必要が無く、搬送時に於いて、放出部材が誤動
作するのを防止することができると共に、所定の位置及
び方向に対して正確に放出することができ、例えば分
配、供給、選別等の作業が安定して行える。

【００１８】しかも、放出部材を放出方向に回動して、
その放出部材の斜面に沿って支持ローラに載置された物
品を搬送路側部に放出するので、物品を、所定の姿勢に
維持した状態のまま放出することができる。且つ、放出
時の落差及び衝撃が小さく、物品を傷付けることなくス
ムースに放出することができ、商品価値が損なわれるの
を防止することができる。

【００１９】さらに、任意形状に形成した放出部材に沿
って、支持ローラに載置された物品を搬送路側部に放出
するので、例えばコンベア、シュータ等の放出部に対し
て物品を放出する作業がスムースに行え、物品の放出姿
勢が変位するのを防止することができる。

【００２０】さらにまた、支持ローラと放出部材を、搬
送路両側部に架設した無端帯に取付けるので、搬送路下
部に空間が形成され、その空間を利用して、支持ローラ
を回転するための手段又は放出部材を上下回動するため
の手段を設けることができ、支持ローラ及び放出部材に
特別な加工をする必要がなく、装置全体の構成を簡素化
することができる。

【００２１】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は、物品の一例として果菜物を仕分けする
作業に用いられる鍵盤型搬送装置を示し、図１及び図２
に於いて、この鍵盤型搬送装置１は、整列コンベア３の
搬送側終端部に近接して配設され、分散コンベア２に放
出された果菜物Ａ…を整列コンベア３…に供給し、整列
コンベア３から仕分けコンベア４に果菜物Ａを乗り移ら
せるとき、コンベア３，４間の上方に架設した押えベル
ト９を果菜物Ａに押付けて搬送し、果菜物Ａの姿勢及び
間隔を保持する。

【００２２】仕分けコンベア４上の検査部ａに配設した
検査装置５により果菜物Ａの略全周面を検査すると共
に、搬送路下部に配設した回転機６により果菜物Ａを表
裏反転する。検査装置５による判定に基づいて、仕分け
コンベア４上の仕分け部ｂ〜ｆに配設した分配コンベア
７…に果菜物Ａを等階級別に放出し、仕分け部ｇに配設
した回収コンベア８に規格外の果菜物Ａを放出する構成
である。

【００２３】上述した仕分けコンベア４は、図３、図
４、図５にも示すように、搬送路上に配列した支持ロー
ラ１３…の間に、支持ローラ１３…の間に対して出没許
容される厚さ及び形状（例えば板状、棒状、筒状、柱
状）であって、支持ローラ１３…に載置された果菜物Ａ
が支持される間隔に隔てて支持部材１８を配列してい
る。

【００２４】支持ローラ１３は、搬送路一側部（図３中
左側）に架設した無端帯１０の搬送側上縁部に対して送
り方向に直交して水平架設され、その支持ローラ１３
を、無端帯１０の全長に対して果菜物Ａが載置される前
後間隔に隔てて多数配列（例えば一つの取付け部材１１
に対して複数本を一組として鍵盤状に配列）している。

【００２５】無端帯１０の搬送側上縁部には、取付け部
材１１を、送り方向に対して所定間隔に隔てて取付けて
いる。取付け部材１１の搬送側上端部に形成又は固定し
た軸受部１２には、支持ローラ１３の基端側中心部に形
成又は挿通した支軸１４を送り方向に対してフリー回転
可能に軸受している。また、支持ローラ１３を、支軸１
４上に対してフリー回転可能に取付けてもよい。

【００２６】支持ローラ１３は、例えば合成樹脂又はそ
の他の材質により中空又は中実に形成され、中央部外周
面から両端部外周面に向けて大径となる形状（例えば鼓
形）に形成している。また、一端側外周面から他端側外
周面に向けて同径となる形状に形成したローラに交換し
てもよい。

【００２７】なお、支持ローラ１３の外周面に、例えば
複数本の突条を長さ方向に形成したり、縞状、格子状、
網目状の突条部を形成してもよい。

【００２８】支持部材１８は、搬送路他側部（図３中右
側）に架設した無端帯１５の搬送側上縁部に対して送り
方向に直交して架設され、その支持部材１８を、無端帯
１５の全長に対して支持ローラ１３…に載置された果菜
物Ａが支持される前後間隔であって、支持ローラ１３…
の間に対して出没許容される間隔に隔てて多数配列（例
えば一つの取付け部材１６に対して複数本を一組として
鍵盤状に配列）している。

【００２９】且つ、支持部材８の上縁部を、仕分け部ｂ
〜ｇに配設したコンベア７，８に向けて果菜物Ａが放出
される角度又は形状（例えば斜面、曲面）に形成してい
る。また、複数の支持部材１８を一体的に形成又は連結
してもよい。

【００３０】無端帯１５の搬送側上縁部には、取付け部
材１６を、送り方向に対して所定間隔に隔てて取付けて
いる。

【００３１】取付け部材１６に形成した支持板１７，１
７の間に、支持部材１８の基端側に形成又は挿通した支
軸１９を送り方向に対して直交する方向に上下回動可能
に軸架して、支持部材１８を、支持ローラ１３…の間に
没入される水平姿勢と、支持ローラ１３…に載置された
果菜物Ａを搬送路側部のコンベア７，８に放出する放出
姿勢に上下回動可能に設けている。また、支持部材１８
を、支軸１９上に対して上下回動可能に取付けてもよ
い。

【００３２】支軸１９に装着したコイルバネ２０は、支
持部材１８を、支持ローラ１３…の間に対して没入され
る方向に回動付勢している。

【００３３】支持板１７，１７の上端部間に形成した突
起２１は、支持部材１８の基端側上縁部に当接され、支
持部材１８を、支持ローラ１３…の上部周面よりも下方
に没入した状態に回動規制している。

【００３４】なお、支持ローラ１３の外周面と、支持部
材１８の上部外面を、例えば合成ゴム、軟質樹脂等の接
触抵抗が大きい部材で被覆又は形成してもよい。

【００３５】無端帯１０，１５は、始端側両側部に軸支
したスプロケット２３と、終端側両側部に軸支したスプ
ロケット２４の間に張架され、始端側下部に配設した減
速機付きモータ２５は、スプロケット２５ａ，２５ａ及
び駆動チェーン２５ｂを介して、無端帯１０，１５を送
り方向に同期して回転（例えば整列コンベア３よりも速
い速度）する。なお、無端帯１０，１５（例えばチェー
ン）を、例えばベルト、線条体又はその他のループ状に
連続する無端帯で構成してもよい。なお、無端帯１０，
１５を独立して回転駆動してもよい。

【００３６】終端側から始端側に至る回帰路には、支持
部材１８の遊端部と対向して復帰ガイド２６を架設し、
その回帰路内周には、円盤型の復帰板２７をスプロケッ
ト２３，２４の軸端部に固定している。復帰ガイド２６
と復帰板２７は、放出姿勢に回動した支持部材１８の遊
端部に当接され、支持部材１８を元の状態（水平姿勢）
に回動復帰する。この時、コイルバネ２０の弾性を利用
する。

【００３７】無端帯１５は、搬送路他側部に架設したガ
イド部材３６に係合され、無端帯１５に取付けた支持部
材１８をガイド部材３６に沿って上下動する。

【００３８】ガイド部材３６を、検査部ａに至るまでの
一部と、検査部ａの前後検査領域と略対応する部分を高
位に架設して、そのガイド部材３６に沿って移動する支
持部材１８を、支持ローラ１３…の上部周面よりも上方
に突出して果菜物Ａを突き上げ、支持ローラ１３の上部
周面から果菜物Ａの一部又は全部を非接触状態に浮上が
らせる。

【００３９】一方、ガイド部材３６を、検査部ａの前後
検査領域間と略対応する部分を低位に架設して、支持部
材１８を、支持ローラ１３…の上部周面よりも下方に没
入させ、支持部材１８で支持した果菜物Ａを支持ローラ
１３…に載置する。

【００４０】また、無端帯１０を、搬送路一側部に架設
したガイド部材３７に係合し、その係合したガイド部材
３７を任意高さ（高位、低位）に架設して、支持部材１
８を上下動してもよい。

【００４１】なお、支持部材１８を、支持ローラ１３…
の上部周面よりも上方に突出される状態に回動又は揺動
して、果菜物Ａを浮上がらせてもよい。

【００４２】前述した検査装置５は、図２、図６に示す
ように、仕分けコンベア４上に設定した検査部ａの前側
検査領域に、反転前の果菜物Ａの上部周面（表側周面）
と対向して撮像カメラ４４，４５を配設し、果菜物Ａの
左側周面と対向して撮像カメラ４６を配設している。

【００４３】後側検査領域に、反転直後の果菜物Ａの上
部周面（裏側周面）と対向して撮像カメラ４７，４８を
配設し、果菜物Ａの右側周面と対向して撮像カメラ４９
を配設している。

【００４４】撮像カメラ４４，４５，４７，４８は、果
菜物Ａの上部周面に対して略真上又は斜め上方に配設
し、撮像カメラ４６，４９は、果菜物Ａの左右周面に対
して略真横又は斜め側方に配設している。なお、撮像カ
メラ４４〜４９の位置、角度、台数を任意に変更しても
よい。

【００４５】前後検査領域に配設した照光器５０は、例
えばハロゲンランプ、紫外線ランプ等で構成され、果菜
物Ａの外周面に対して、例えば紫外線、赤外線、Ｘ線等
の検査光を照射し、変色、腐敗、損傷、傷跡、浮き皮等
の発見を容易にする。

【００４６】撮像カメラ４４〜４９は、例えばＣＣＤカ
メラ、画素子（ＣＣＤ）等の撮像手段で構成され、果菜
物Ａの等階級を判定するための装置本体５１と、果菜物
Ａの映像を写し出すためのモニタ５２に接続している。

【００４７】装置本体５１は、撮像カメラ４４〜４９で
撮像した果菜物Ａ全体の画像データと、予め格納した等
階級データとを比較して等階級（例えば、色、糖度、
傷、腐り、外径、形状、高さ、幅、体積、偏平度、成熟
度、腐り具合、浮き皮具合、等階級に該当しない規格
外）を判定し、仕分け部ｂ〜ｇに支持ローラ１３が移動
するまでの番地又はタイムラグを計数し、その判定と対
応する仕分け部ｂ〜ｇに支持ローラ１３が移動したと
き、後述する放出動作器３４を作動して、果菜物Ａが載
置された支持ローラ１３…間の支持部材１８を放出姿勢
に回動又は揺動する。

【００４８】仕分け部ｂ〜ｇに配設した放出動作器３４
及び後述する係止解除器５３は、例えばソレノイド、シ
リンダ、モータ等のアクチュエータで構成され、判定と
対応する仕分け部ｂ〜ｇに果菜物Ａが搬送されたとき、
その判定に基づいて独立作動される。

【００４９】放出動作器３４は、図５に示すように、コ
イルバネ３０の弾性に抗して、支持部材１８の基端部を
押下部材３４ａで押下し、支持部材１８を、支持ローラ
１３…に載置された果菜物Ａが仕分け部ｂ〜ｇに配設し
たコンベア７，８に対して放出される方向及び姿勢に回
動する。判定と異なる果菜物Ａが搬送されたとき、放出
動作器３４を作動せず、支持部材１８を水平姿勢に維持
した状態のまま周回移動させる。 放出姿勢に回動し
た支持部材１８と、仕分け部ｂ〜ｇに配設したコンベア
７，８の間には、ガイド板３５を、放出方向に向けて低
くなるように斜設している。

【００５０】一方、放出姿勢に回動した支持部材１８
は、回帰路側に設けた復帰ガイド２６と復帰板２７に当
接し、元の状態（水平姿勢）に回動復帰される。且つ、
支軸１９を中心として、支持部材１８の遊端側が基端側
よりも長く、その遊端側の重さと、コイルバネ２０によ
り水平姿勢に回動復帰される。なお、係止解除器３４
は、他の例で説明する。

【００５１】前述した回転機６は、図３、図７に示すよ
うに、検査部ａ前段の搬送路下部と、検査部ａ中央の搬
送路下部に配設され、搬送方向に移動する支持ローラ１
３に回転付与ベルト４０を圧接しながら回転して、支持
ローラ１３を回転させ、その回転力により果菜物Ａを表
裏反転する。

【００５２】回転付与ベルト４０は、支持ローラ１３の
遊端側下部周面に圧接される部分を、例えば合成ゴム、
合成皮革等の接触抵抗が大きな部材で形成すると共に、
始端側及び終端側に軸支したプーリ４１，４１の間と、
そのプーリ４１，４１の間に架設したベルトガイド４２
に張架して、支持ローラ１３の遊端側下部周面に対して
圧接される高さに周回ガイドする。また、支持ローラ１
３の遊端側周面に、例えば突条、ローレット等の凹凸面
を形成して、回転付与ベルト４０の接触抵抗を大きくし
てもよい。

【００５３】プーリ４１に直結した減速機付き駆動モー
タ４３は、回転付与ベルト４０を支持ローラ１３の周回
方向と一致する方向に高速回転（送り速度以上）させ、
或いは、周回方向と対向する方向に低速回転又は回転停
止させ、回転付与ベルト４０に圧接される支持ローラ１
３を矢印方向に回転しながら移動して、支持ローラ１３
を、任意の角度（例えば約９０度〜約３６０度）に回転
する。

【００５４】支持ローラ１３の小径側外周面と大径側外
周面とに生じる周速差により、大中小の果菜物Ａを同一
領域で前後方向に表裏反転（例えば、約１８０度）す
る。

【００５５】他の回転方法として、図８に示すように、
支持ローラ１３の遊端側下部周面に対して圧接される高
さ位置に、回転付与ベルト４０と同一部材で形成した回
転付与パッド３８を配設し、支持ローラ１３を回転付与
パッド３８に圧接しながら搬送方向に移動して、支持ロ
ーラ１３…に載置された果菜物Ａを表裏反転する。

【００５６】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、鍵盤型搬送装置１により果菜物Ａを等階級別
に仕分けするときの動作を説明する。先ず、図１、図２
に示すように、分散コンベア２に放出された果菜物Ａ…
を整列コンベア３…に供給し、整列コンベア３から仕分
けコンベア４に移載される果菜物Ａの姿勢及び間隔を押
えベルト９で保持して、仕分けコンベア４の支持ローラ
１３…に果菜物Ａを１個ずつ移載する。

【００５７】検査部ａ前段に於いて、図３、図７に示す
ように、回転機６により支持ローラ１３…を回転して、
支持ローラ１３…に載置された果菜物Ａを回転させ、例
えば斜め、鉛直に起立する果菜物Ａを横転して、向き及
び姿勢を揃える。

【００５８】続いて、図４の実線で示すように、支持部
材１８を突出して、支持ローラ１３…に載置された果菜
物Ａを浮上がらせ、支持ローラ１３…に挟まったり、斜
め又は起立した状態のまま搬送される果菜物Ａを水平姿
勢に向き修正して搬送する。

【００５９】検査部ａの前側検査領域に於いて、図６に
示すように、支持部材１８…に載置された果菜物Ａの表
側周面と左側周面を撮像用カメラ４４，４５，４６で撮
像し、その画像データを、検査装置５の装置本体５１に
記憶する。支持部材１８を没入して、果菜物Ａを支持ロ
ーラ１３…に載置して搬送する。

【００６０】直後に於いて、図３、図７に示すように、
回転機６により支持ローラ１３…を回転して、支持ロー
ラ１３…に載置された果菜物Ａを表裏反転（例えば約１
８０度）する。再び、支持部材１８…を突出して、支持
ローラ１３…に載置された果菜物Ａを持上げて搬送す
る。

【００６１】後側検査領域に於いて、支持部材１８…で
支持された果菜物Ａの裏側周面と右側周面を撮像用カメ
ラ４７，４８，４９で撮像し、その画像データを装置本
体５１に記憶する。

【００６２】次に、支持部材１８…を没入して、果菜物
Ａを支持ローラ１３…に載置して搬送し、撮像用カメラ
４４〜４９で撮像した画像データと、装置本体５１に格
納された等階級データを比較して総合判定する。

【００６３】判定と対応する仕分け部ｂ〜ｇに果菜物Ａ
が搬送されたとき、図５の実線で示すように、検査装置
５による判定に基づいて放出動作器３４を作動させ、支
持部材１８…の基端側を押下（例えば瞬間的に押下）し
て、果菜物Ａが載置された支持ローラ１３…間の支持部
材１８…を放出姿勢に回動する。

【００６４】支持ローラ１３…に載置された果菜物Ａ
を、支持部材１８…により下方から突上げると共に、そ
の果菜物Ａを、支持部材１８…に沿って、仕分け部ｂ〜
ｆに配設した分配コンベア７…に放出する。

【００６５】分配コンベア７に放出された果菜物Ａは、
人為的作業又は機械的作業により等階級別に箱詰め処理
し、規格外の果菜物Ａは、仕分け部ｇに配設した回収コ
ンベア８に放出して、回収又は廃棄する。以下同様にし
て、仕分けコンベア４により搬送される果菜物Ａ…を等
階級別に仕分け処理する。

【００６６】以上のように、検査装置７による判定に基
づいて、放出動作器３４を作動させ、支持部材１８を放
出姿勢に回動して、その支持部材１８に沿って、支持ロ
ーラ１３…に載置された果菜物Ａを仕分け部ｂ〜ｇに配
設したコンベア７，８に放出するので、果菜物Ａの重量
に加えて、支持部材１８を回動するだけで済むため、従
来例のような弾性の大きいバネを用いたりする必要が無
く、搬送時に於いて、支持部材１８が誤動作するのを防
止することができる。

【００６７】且つ、果菜物Ａの重さに影響されず、支持
部材１８による放出速度が一定しているため、所定の位
置及び方向に対して正確に放出することができ、例えば
分配、供給、選別等の作業が安定して行える。

【００６８】しかも、支持部材１８に沿って、支持ロー
ラ１３…に載置された果菜物Ａを搬送路側部のコンベア
７，８に放出するので、果菜物Ａを、所定の姿勢に維持
した状態のままスムースに放出することができ、果菜物
Ａの放出姿勢が変位するのを防止することができる。且
つ、放出時の落差及び衝撃が小さく、果菜物Ａを傷付け
ることなくスムースに放出することができ、商品価値が
損なわれるのを防止することができる。

【００６９】さらにまた、支持ローラ１３を、搬送路一
側部に架設した無端帯１０に取付け、支持部材１８を、
搬送路他側部に架設した無端帯１５に取付けるので、搬
送路下部に空間が形成され、その空間を利用して、支持
ローラ１３を回転するための回転機６を設けたり、支持
部材１８を上下回動するための放出動作器３４を設ける
ことができ、支持ローラ１３及び支持部材１８に特別な
加工をする必要がなく、装置全体の構成を簡素化するこ
とができる。

【００７０】さらにまた、支持ローラ１３…に載置され
た果菜物Ａの周面全体を、撮像用カメラ４４〜４９で撮
像したり、作業者の目で目視する等して検査するので、
変色、腐敗、損傷等の変質部分が果菜物Ａの一部周面に
あっても確実に発見することができ、果菜物Ａ全体の品
質検査及び選別作業が適確に行える。

【００７１】図９は、支持部材１８を、支持ローラ１３
…の上部周面よりも下方に没入される姿勢に回動規制す
る他の例を示し、検査装置５による判定と対応する仕分
け部ｂ〜ｇに果菜物Ａが搬送されたとき、仕分け部ｂ〜
ｇに配設した係止解除器５３を独立作動して、取付け部
材１６の支持片１７，１７間に取付けられた係止レバー
２９の後端部を解除部材５３ａで押上げ、支持部材１８
の基端部から係止レバー２９を離脱させて、係止レバー
２９による係止を解除する。

【００７２】支持部材１８を、支軸１９に装着したコイ
ルバネ３０の弾性により放出姿勢に回動して、支持ロー
ラ１３…に載置された果菜物Ａを突上げると共に、支持
部材１８…の斜面に沿って、果菜物Ａを、仕分け部ｂ〜
ｇに配設したコンベア７，８に放出するので、上述した
実施例と同等の作用効果を奏することができる。

【００７３】支持ローラ１３…に載置された果菜物Ａを
支持部材１８により直接持上げて、仕分け部ｂ〜ｇに配
設したコンベア７，８に放出するので、果菜物Ａを持上
げるのに必要な弾性のコイルバネ３０を装着するだけで
すみ、従来例のようなバネを用いる必要が無く、搬送時
の振動により、係止レバー２９による係止が不測に解除
されたり、支軸１９が破損したりするのを確実に防止す
ることができ、果菜物Ａの仕分け作業が確実に行え、耐
久性の向上を図ることができる。

【００７４】支持片１７，１７の間に形成した規制部３
１は、係止レバー２９を、支持部材１８の基端部に対し
て係止される姿勢に回動規制する。

【００７５】係止レバー２９は、支軸３２に装着したコ
イルバネ３３の弾性により、支持部材１８の基端部に対
して係止される方向に回動付勢している。

【００７６】なお、支持部材１８の基端側を遊端側より
も重くしたり、その基端側に重り部材を取付ける等し
て、その基端側の自重により、支持部材１８を放出姿勢
に回動付勢してもよい。

【００７７】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の物品は、実施例の果菜物Ａに対応
し、以下同様に、物品搬送装置は、鍵盤型搬送装置１及
び仕分けコンベア４に対応し、放出部材は、支持部材１
８に対応に対応するも、この発明は、上述の実施例の構
成のみに限定されるものではない。

【００７８】上述した実施例では、同一の外径及び形状
に形成した支持ローラ１３を配列しているが、例えば外
径の異なる大小の支持ローラ１３を同一高さに配列した
り、同一の外径及び形状に形成した支持ローラ１３を上
下段違いに配列してもよい。

【００７９】また、支持ローラ１３の他の回転方法とし
て、例えば支持ローラ１３又は支軸１４に形成したギャ
と、搬送路側部に配設したギャ又はラックを歯合して、
支持ローラ１３を送り方向に正逆回転してもよい。

【００８０】さらにまた、コイルバネ２０，３０，３３
の代わりに、例えばコイルスプリング、板バネ、合成ゴ
ム等の弾性体を用いてもよい。

【００８１】さらにまた、支持部材１８を、仕分けコン
ベア４上に設定した仕分け部ｂ〜ｇのみに設けてもよ
い。

【００８２】さらにまた、何れか一方の無端帯１０，１
５に支持ローラ１３と支持部材１８を取付けて、支持ロ
ーラ１３…に載置された果菜物Ａを、支持部材１８の出
没動作により搬送路側部に配設したコンベア７，８に放
出してもよい。

【００８３】さらにまた、支持部材１８の代わりに、仕
分け部ｂ〜ｇに配設したコンベア７，８に対して、支持
ローラ１３…に載置された果菜物Ａが放出される形状又
は角度に傾斜した部材を出没可能に設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 鍵盤型搬送装置の全体構成を示す平面図。

【図２】 仕分けコンベアによる搬送状態を示す側面
図。

【図３】 支持ローラ及び支持部材の取付け状態を示す
正面図。

【図４】 支持部材による果菜物の持上げ状態を示す正
面図。

【図５】 支持部材による果菜物の放出動作を示す正面
図。

【図６】 検査装置による果菜物の撮像状態を示す斜視
図。

【図７】 回転機による果菜物の回転方法を示す側面
図。

【図８】 回転機による果菜物の他の回転方法を示す側
面図。

【図９】 支持部材の他の取付け状態を示す正面図。

【符号の説明】

Ａ…果菜物 １…鍵盤型搬送装置 ４…仕分けコンベア ５…検査装置 ６…回転機 ７…分配コンベア ８…回収コンヘア １０，１５…無端帯 １１，１６…取付け部材 １３…支持ローラ １８…支持部材 ２０，３０…コイルバネ ２９…係止レバー ３４…放出動作器 ３８…回転付与パッド ４０…回転付与ベルト ４４〜４９…撮像カメラ ５３…係止解除器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送路上に配列した支持ローラを搬送方向
   に移動して、該支持ローラの間に載置された物品を搬送
   する物品搬送装置であって、上記支持ローラの間に、該
   支持ローラに載置された物品を搬送路側部に対して放出
   する放出部材を出没可能に設けた物品搬送装置。
2. 【請求項２】上記放出部材を、上記支持ローラに載置さ
   れた物品を搬送路側部に対して放出する方向に回動可能
   に設けた請求項１記載の物品搬送装置。
3. 【請求項３】上記放出部材を、上記支持ローラに載置さ
   れた物品が搬送路側部に対して放出される形状に形成し
   た請求項１又は２記載の物品搬送装置。
4. 【請求項４】上記支持ローラを、上記搬送路一側部に架
   設した無端帯に対して搬送方向に直交して取付け、上記
   支持ローラの間に配列した放出部材を、上記搬送路他側
   部に架設した無端帯に対して搬送方向に直交して上下回
   動可能に取付けた請求項１，２又は３記載の物品搬送装
   置。