JP2000090316A - 貨幣処理装置 - Google Patents

貨幣処理装置

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JP2000090316A
JP2000090316A JP10259918A JP25991898A JP2000090316A JP 2000090316 A JP2000090316 A JP 2000090316A JP 10259918 A JP10259918 A JP 10259918A JP 25991898 A JP25991898 A JP 25991898A JP 2000090316 A JP2000090316 A JP 2000090316A
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隆基 石原
Takashi Hara
孝志 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、検知位置を複数方向から検知し
て、硬貨分布状態、硬貨残留状態及び残留した異物形状
を求めて、そのときの硬貨及び異物の検知情報に応じた
処理を実行する貨幣処理装置の提供を目的とする。 【解決手段】この発明は、投入された複数の貨幣を受付
けて鑑別処理を行う貨幣処理装置であって、上記投入さ
れた複数の貨幣を保持する保持手段と、この保持手段が
保持した貨幣を複数の検知位置より検知する検知手段
と、この検知手段の複数の検知信号に基づいて、上記保
持手段の貨幣処理を変更制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動預金
支払機(ATM)に内蔵されるような貨幣処理装置に関
し、さらに詳しくは混入した外国硬貨等の異物を装置内
部に取込み規制して硬貨詰りや搬送障害を未然に防止す
る貨幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、ATM等の自動取引機に内部構成
される硬貨処理装置を例にとって説明すると、この硬貨
処理装置は顧客が誤って外国硬貨、記念硬貨等の取扱い
適用外の硬貨や紙片、綿ぼこり、輪ゴム、クリップ、ボ
タン等の異物が混入することがあり、このため硬貨出入
口等の異物が残留しやすい位置を光電検知センサで検知
して異物の有無をチェックしている。
【0003】しかし、この種の硬貨処理装置は異物を検
知すると、この異物が装置内部で搬送障害を誘因するた
め無条件で回収動作を実行している。このとき、硬貨が
大量に一括投入されている場合はその全てを回収動作す
る必要があるため、回収障害を発生させることがあっ
た。ことに、紙片等の僅かな異物が存在するだけでも取
込み不可と判定して回収動作してしまうため、回収回数
が増えて回収系の搬送障害が増大する傾向にあった。ま
た、外国硬貨等が混入したとき、この外国硬貨に遮られ
て正規の硬貨を搬送できないことがあり、この場合は硬
貨詰りとなって大量の残留物が発生する問題を有してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、検
知位置を複数方向から検知して、硬貨分布状態、硬貨残
留状態及び残留した異物形状を求めて、そのときの硬貨
及び異物の検知情報に応じた処理を実行する貨幣処理装
置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
投入された複数の貨幣を受付けて鑑別処理を行う貨幣処
理装置であって、上記投入された複数の貨幣を保持する
保持手段と、この保持手段が保持した貨幣を複数の検知
位置より検知する検知手段と、この検知手段の複数の検
知信号に基づいて、上記保持手段の貨幣処理を変更制御
する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、貨幣投入口に投入
された複数の貨幣を装置内部に取込んで鑑別処理を行う
貨幣処理装置であって、上記貨幣投入口に投入された貨
幣の分布状態を複数の検知位置より検知する検知手段
と、この検知手段の複数の検知信号に基づいて貨幣の取
込み速度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の貨幣処理装置の制御手段に、硬貨と異物を分離促
進する異物分離手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の作用及び効果】この発明によれば、投入された
複数の貨幣を受付けて鑑別処理を行う際、投入された複
数の貨幣は保持手段に保持された後、複数の検知位置か
ら検知する検知手段によって検知され、このときの複数
の検知信号を組合せることに基づいて制御手段は、貨幣
の投入量、貨幣の分布状態、異物の有無及び異物形状等
を正確に把握管理できるため、これに応じた適切な処理
へと変更制御することができる。従って、投入された貨
幣の検知情報に応じてその次処理を自動的に決定できる
ため、適正な取込み処理をすべきか、あるいは回収処
理、返却処理をすべきかを自動選択して実行することが
できる。
【0009】また、貨幣投入口に投入された複数の貨幣
を装置内部に取込んで鑑別処理を行う際、貨幣投入口に
投入された貨幣の分布状態を複数の検知位置から検知す
る検知手段によって検知し、この検知手段の検知信号に
基づいて制御手段は貨幣の搬送速度を制御するように設
定すれば、検知内容に応じた搬送処理ができる。例え
ば、多量検知の場合は少しずつ搬送し、少量検知の場合
は通常速度あるいは比較的速く搬送し、異物混入を検知
した場合はむやみに回収動作せず、貨幣が多量のときは
そのまま返却するなど適切な搬送処理を施すことができ
る。
【0010】さらに、貨幣と異物を分離促進する異物分
離手段を備えた場合は、貨幣と異物との混合搬送時に互
いに離れ、異物は貨幣取込み位置より他へ移動して取込
み規制され、正規の貨幣だけを装置内部に取込むことが
でき、硬貨詰りを解消して装置内部の搬送障害を未然に
防止することができる。
【0011】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図1はATM11を示し、このATM11は装
置本体の上部前面に、顧客に取引操作を表示案内するタ
ッチパネル兼用のCRT12と、通帳挿入口13と、カ
ード挿入口14と、硬貨投入口15と、紙幣投入口16
と、取扱い表示器17とを備えて、入金、出金、振込
み、通帳記入、残高照会等の取引機能を有している。
【0012】図2はATM11の制御回路ブロック図を
示し、メインCPU21はROM22に格納されたプロ
グラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データを
RAM23で読出し可能に記憶する。
【0013】上述のCPU21は、インターフェース2
4を介してCRT12、通帳処理部25、カード処理部
26、硬貨処理部27、紙幣処理部28、明細票処理部
29、ジャーナル処理部30、センタ通信処理部31、
遠隔監視装置(CRMC)通信処理部32、係員パネル
処理部33を接続している。
【0014】このうち、CRT12は各種の取引表示案
内と、その操作手順を表示し、また画面上に表示した表
示部分と対応してタッチ入力許容するタッチ入力機能を
有している。
【0015】通帳処理部25は、通帳挿入口13に挿入
された通帳の取引データを読取り、また更新データを書
込み処理し、通帳の印字欄には取引データや未記帳デー
タの記帳処理を行ない。さらに、取引終了及び取消し時
に通帳を通帳挿入口13に返却する。
【0016】カード処理部26は、カード挿入口14に
挿入されたキャッシュカードの取引データを読取り、ま
た更新データを書込み処理し、取引終了及び取消し時に
カードをカード挿入口14に放出する。
【0017】硬貨処理部27は、硬貨投入口15に投入
された硬貨を内部に取込んで受付け処理し、出金時及び
入金取消し時に硬貨を硬貨投入口15より放出する。紙
幣処理部28は、紙幣投入口16に投入された紙幣を内
部に取込んで受付け処理し、出金時及び入金取消し時に
紙幣を紙幣投入口16より放出する。明細票処理部29
は、入出金取引や残高照会等の各種の取引内容の取引デ
ータを記載した明細票を取引毎に発行する。
【0018】ジャーナル処理部30は、明細票を発行す
る毎に同記録内容のジャーナル(控え伝票)を装置内部
に保存し、またこのジャーナルには障害が発生した時の
異常コードを合わせて記録する。
【0019】センタ通信処理部31は、編集した入出金
要求電文、記帳要求電文等をセンタ34に送信し、この
センタ34から送られてきた入出金回答、記帳データ等
の自動取引データを受信処理する。遠隔監視装置(CR
MC)通信処理部32は、ATM11の検出データをC
RMCに送信し、CRMCから返信されてきた障害復旧
データ等の応答データを受信処理する。係員パネル処理
部33は、ATM内部に備えられる係員パネルを取扱っ
て障害復旧操作や保守点検等の係員操作を実行させる。
【0020】図3はATM11に内部構成される硬貨処
理装置41を示し、この硬貨処理装置41は上方の一部
に顧客が硬貨42を投入及び取出し許容する硬貨投入口
15を有し、この硬貨投入口15の内方に硬貨42を一
括して受入れる凹形状の受皿43を有し、この受皿43
の下方に硬貨取込み用のフィーダ44を有し、硬貨投入
口15に投入された硬貨を受皿43及びフィーダ44を
介して次段の入金鑑別部45へと一枚ずつ導き、入金鑑
別部45に導かれた硬貨は、ここで真偽及び金種が鑑別
された後、これより個別搬送路46を介して一方の一時
保留部47側と他方のスタッカ48側とに分岐搬送され
る。
【0021】一時保留部47側は、個別搬送路46より
導かれた硬貨をここで一時保留し、この保留硬貨の入金
が確定すれば、一時保留部47から回収搬送路49を介
して下方の回収カートリッジ50に回収処理し、入金取
消しの場合は保留された硬貨を返却搬送路51に導いて
返却処理する。
【0022】スタッカ48側は、個別搬送路46に接続
した選別搬送路52を介して硬貨を一枚ずつ取込み、こ
れより金種別に区画したスタッカ48内に選別して収納
し、この収納した硬貨を再利用可能に金種別に収納待機
させている。そして、このスタッカ48から硬貨を繰出
す際は、指定金種の硬貨をスタッカ48から金種別に落
下放出させ、その下方に対設された出金搬送路53及び
既述した返却搬送路51を介して元の受皿43へと搬送
して出金処理する。図中、54は予備回収カートリッ
ジ、55は出金鑑別部、56は返却口である。
【0023】ところで、硬貨投入口15に配設される受
皿43は、硬貨42を一括して受入れ取出し可能に上面
を開放した凹形状を有し、この受皿43を180°反転
させることにより、受皿底部を開口して受入れた硬貨を
下方のフィーダ44に一括して落下収納させる取込み構
造を有している。
【0024】このフィーダ44は、図4〜図6に示すよ
うに、ホッパ57と、フィードベルト58と、第1〜第
4検知センサS1 〜S4 と、振動付与装置59と、返却
ゲート60とを備えて構成される。
【0025】上述のホッパ57は上面を開放して、受皿
43から落下される硬貨42を受入れ、下面をフィード
ベルト58の幅と略一致するように次第に狭めて四角錐
状に傾斜形成し、ここに導かれた硬貨42を下方のフィ
ードベルト58面上に硬貨の自重により自然に載置させ
る。
【0026】このとき、ホッパ57の内部空間に対して
は第1〜第4検知センサS1 〜S4の4つの検知センサ
を配設して検知し、第1検知センサS1 は過剰投入状態
や大型異物の投入を検知する上部空間を検知し、第2検
知センサS2 は硬貨取込み後の残留状態を検知するフィ
ーダ底部の後方を検知し、第3検知センサS3 は同じく
残留状態を検知するフィーダ底部の中間位置を検知し、
第4検知センサS4 は硬貨を一枚ずつ取込むためのフィ
ードローラ61とフィードベルト58面との間のフィー
ダ底部前方の取込み部分を検知してフィーダ44内に導
かれた硬貨の取込み状態を検知確認する。
【0027】またこの場合、フィードベルト58の取込
み方向を高く傾斜配設して、このフィーダ44内から硬
貨を一枚ずつ取込み易くしている。また、このフィード
ベルト58の下面側には同ベルト面に上下方向の振動を
付与する振動付与装置59を設置している。
【0028】この振動付与装置59を配設することによ
り、フィードベルト58面上に載置された多数の硬貨を
分散させて均一にならすことができ、一枚ずつの取込み
を容易にする。また、異物が混入している場合は、その
異物と硬貨との分離を促進して正規の硬貨だけを取込み
動作する。
【0029】例えば、図6に示すように、外国硬貨等の
大きな異物62がフィードローラ61とフィードベルト
58との間の取込み部分に導かれたとき、この位置で大
きな異物62は取込み規制される。このとき、振動付与
装置59の振動がフィードベルト58に与えられること
により、大きな異物62はそのベルトの上下方向の振動
を受けて後方に飛ばされ、正規の硬貨42だけが取込ま
れる。
【0030】また、取込み規制されてフィードベルト5
8上に残留した大きな異物62は硬貨42の取込み完了
後に、フィードベルト58の底部後方位置に残留し、こ
れを第2検知センサS2 が検知したとき、その後方位置
を開閉する返却ゲート60を開放して、大きな異物62
をフィーダ44の外部に放出して返却口通路63から返
却口へと導かれる。
【0031】このフィーダ44ベルト58の搬送駆動に
際して、CPU21は第1〜第4検知センサS1 〜S4
の検知情報を組合せて硬貨の投入量、硬貨の分布状態、
異物の有無及び異物形状等を正確に把握管理できる。こ
のため、取込み処理をすべきか、回収処理をすべきか
か、返却処理をすべきかを自動的に選択する次処理自動
決定処理機能を持たせている。従って、検知内容に応じ
た次処理ができる。また、多量検知の場合は少しずつ搬
送し、少量検知の場合は通常速度あるいは比較的速く搬
送し、異物混入を検知した場合はむやみに回収動作せ
ず、この異物と共に多量の硬貨を検知したときはそのま
ま返却するなど適切な処理を施すことができる。
【0032】図7はフィーダ44で一括投入された硬貨
の取込み動作が完了した時点の検知パターン別の処理動
作例を示し、これはフィーダ44の位置に配設された第
1〜第4検知センサS1 〜S4 の各検知信号をCPU2
1が組合せて総合的に判断した判定結果と、これに応じ
た処理動作要請結果を示す。
【0033】No1 、フィーダ44内を検知する第1〜第
4検知センサS1 〜S4 がOFFの場合は、フィーダ内
の硬貨が全て正常に取込み動作されたと判定して正常に
終了動作を実行する。
【0034】No2 、第4検知センサS4 だけがONの場
合は、フィーダ内に少量の異物が残留していると判定
し、振動付与装置59を駆動し、かつフィードベルト5
8を逆転し、さらに返却ゲート60を開放して異物を返
却口へと導いて異物の排出動作(返却動作)を実行す
る。 No3 、第3検知センサS3 だけがONの場合は、同じく
フィーダ内に少量の異物が残留していると判定し、その
異物の排出動作を行う。
【0035】No4 、第3・第4検知センサS3 ,S4 が
ONの場合は、残留異物が多量に存在すると判定し、こ
のときは異物による搬送障害の恐れがあるため処理動作
を停止する。
【0036】No5 、第2検知センサS2 だけがONの場
合は、フィードベルト58後方の最も低い傾斜部分に搬
送に口して転動するパチンコ玉等の残留異物が存在する
と判定して、その残留異物の排出動作を実行する。
【0037】No6 〜No8 、第2検知センサS2 と、第3
検知センサS3 もしくは第4検知センサS4 がONの場
合は、残留異物が多量に存在すると判定して処理動作を
停止する。
【0038】No9 、第1検知センサS1 がONの場合
は、大型異物が投入されていると判定して、他の検知セ
ンサのON・OFF信号に拘らず処理動作を停止する。
【0039】次に、フィーダ44からの硬貨取込み動作
を図8のフローチャートを参照して説明する。今、硬貨
投入口15に硬貨が一括投入されると、この一括投入さ
れた硬貨は一旦、受皿43に受止められた後、フィーダ
44へ導かれ、これより硬貨を一枚ずつ装置内方へと取
込み動作する(ステップn1 )。
【0040】このとき、第1〜第4検知センサS1 〜S
4 の検知信号に基づいて取込み不良が発生したことを検
知すれば、一括投入された硬貨の取込み動作が完了した
時点で残留がなければ(ステップn2 〜n3 )。
【0041】正常な取込み動作終了と判定して、受入れ
た硬貨を内方の入金鑑別部45で入金計数し、CRT1
2には入金額及び入金完了した旨を表示案内して一括投
入された硬貨の一入金処理が終了する(ステップn4 〜
n5 )。
【0042】また、硬貨の取込み動作終了時点で、フィ
ーダ44内に紙片、綿ぼこり、輪ゴム、クリップ、ボタ
ン等の異物が残留していれば、振動付与装置59を駆動
して振動付与作用を与え(ステップn6 〜n7 )、その
残留量が少ないと検知した場合は、返却ゲート60を開
放してフィーダ44より返却口56へと排出動作する。
またこのとき、図9に示すように、CRT12に返却し
た旨を表示案内して顧客に知らせる(ステップn8 〜n
11)。
【0043】さらに、フィーダ44内に多量の異物や大
型異物が残留していると検知した場合は、そのまま排出
動作すると搬送障害を発生させる恐れがあるため排出動
作を停止し、CRT12には取引中止した旨を表示案内
し、かつ係員による異物取出し操作を行う(ステップn
12)。
【0044】また、硬貨だけを入金処理する以外に、図
10に示すように、硬貨と紙幣との併用入金時に鑑別不
良で受付け拒否された場合は、一括投入された硬貨及び
紙幣を元の投入口に戻すと共に、再入金操作をCRT1
2に表示案内する。
【0045】このように、フィーダ44に一括投入され
た硬貨を受付けたとき、またフィーダ44からの硬貨の
取込み動作が終了したとき、そのときの検知情報に応じ
て最適な次処理となる取込み、返却、係員回収操作のい
ずれかを自動的に選択して実行することができる。図1
1〜図16は受皿43の位置での硬貨取込み動作を検知
した場合を示す。硬貨投入口15の内方に対設される受
皿43は、図11〜図13に示すように、硬貨投入口の
内方に硬貨42を受入れ・取出し可能に上面を開放した
固定受皿43aと小さな可動受皿43bとを組合せて構
成している。凹部形状を有する固定受皿43aの底方下
部に180°回動自由に支持した円弧形状の可動受皿4
3bを配設し、この可動受皿43bを180°反転させ
ることにより、受皿底部を開口して一括投入された硬貨
を下方のフィーダ44に落下収納させている。
【0046】また、受皿43の内部空間に対しては、上
部空間を検知する満杯検知センサS11と、中間部空間を
検知する第1多量検知センサS12及び第2多量検知セン
サS13と、下部空間を検知する少量検知センサS14とを
備えて、受皿43内に導かれた硬貨の有無を検知する。
【0047】この場合、満杯検知センサS11と、第1、
第2多量検知センサS12,S13は固定受皿43aに固定
設置しているのに対し、少量検知センサS14は可動受皿
43bに一体的に取付けているため、少量検知センサS
14は可動受皿43bの反転動作と共に回動しながら硬貨
の有無を検知し、可動受皿43bの回動状態に支障なく
可動受皿43b上を正確に検知することができ、受皿4
3上の硬貨の検知精度を高めている。
【0048】またこの受皿43には、クリップ、安全ピ
ン、パチンコ玉等の磁性異物71を受皿上に磁気吸着保
持する保持機能を持たせている。これは可動受皿43b
の下部裏面側に強磁性体の2つの永久磁石72,72を
互いに引き合うように左右に離して取付け、各磁石の磁
気吸引作用だけでなく、両磁石72,72間に磁力線が
発生して吸引領域を可動受皿43bの全体に広くとり、
この可動受皿43b面上に磁気吸引作用を持たせてい
る。
【0049】この磁気吸引作用により、可動受皿43b
上に磁性異物71を吸着させて受皿と一体に保持するこ
とができるため、可動受皿43bを反転させても硬貨だ
けが落下して、受皿43上からの磁性異物71の取込み
を規制して装置内部への保護を図っている。
【0050】また、可動受皿43bの上面には凹凸載置
面73を形成しており、この凹凸載置面73は一定間隔
毎に突出する直線突起74を有して、凹凸載置面73上
を凹凸面に形成し、この凹凸面によって混入した磁性異
物71を検知し易い起立状態に吸着させることができ、
これにより磁性異物71の存在を明確に検知することが
できる。
【0051】このように、高さ方向に異なる各検知セン
サS11〜S14の検知情報によって硬貨の投入を的確に確
認することができ、しかも同検知情報によって一括投入
された受皿43内は満杯か、多量か、少量かあるいは残
留かの硬貨受入れ状態を正確に検知することができる。
図中、75は検知用貫通孔である。
【0052】ところで、受皿から硬貨を内方に取込んだ
とき、受皿43上に磁性異物71等の残留物が存在して
いることを少量検知センサS14が検知すると、CPU2
1はCRT12にその旨を表示案内して顧客に知らせ、
顧客に残留物を取出させるなど、その残留物を直ちに取
出すことができる。
【0053】図14は受皿43の位置に配設された各検
知センサS11〜S14の検知パターン別の処理動作例を示
し、 No1 、受皿内を検知する各検知センサS11〜S14がOF
Fの場合は、受皿は空で硬貨の受入れ待機状態にある。 No2 、少量検知センサS14だけがONの場合は、受皿内
に少量硬貨あるいは残留物があると判定し、その旨をC
RT12に表示案内する。 No3 、多量検知センサS12,S13だけがONの場合は、
硬貨投入口に紙片や紙幣等が投入されたと判定し、その
まま返却動作する。 No4 、多量検知センサS12,S13と少量検知センサS14
がONの場合は、硬貨が多量に一括投入されたと判定
し、混入する恐れのある磁性異物71の存在を考慮して
受皿43の凹凸載置面73上に磁性異物を吸着保持する
ように受皿反転時には低速回転させる。 No5 〜No8 、満杯検知センサS11がONの場合は過剰投
入や不適な大型異物の投入のため、他の検知センサのO
N/OFF信号に拘らず、適正な硬貨の受入れ処理がで
きないため、受付け拒否してそのまま顧客に返却する。
【0054】このように受皿内を各検知センサS11〜S
14で検知し、その検知信号に応じて受皿43を最適な動
作となる硬貨受入れ待機動作、硬貨取込み動作、硬貨返
却動作のいずれかを自動的に選択して実行することがで
きる。
【0055】次に、受皿43の硬貨受入れ処理動作を図
15のフローチャートを参照して説明する。今、硬貨投
入口15に硬貨が投入されると、この投入された硬貨は
一旦、受皿43に受止められ、その後、可動受皿43b
を180°反転動作させて硬貨を内方に取込み処理する
(ステップn21〜n22)。
【0056】この硬貨取込み処理後に、少量検知センサ
S14がONしていれば、残留物が存在すると判定して受
皿43内の残量物を顧客により取出させる等の残留物の
取出し操作を実行させる(ステップn23〜n24)。
【0057】そして、受入れた硬貨を内方に取込んで計
数処理し、残留物がないことを確認すると、適正な入金
処理がなされたと判定して正常な硬貨の受入れ処理が完
了する。このとき、CRT12には入金額及び入金完了
した旨を表示案内して硬貨の一入金処理が終了する(ス
テップn25〜n27)。
【0058】この硬貨の受付け時に一定時間経過しても
硬貨の投入がなければ、入金取引中断と判定して元の硬
貨の入金待機状態に戻る(ステップn28)。
【0059】硬貨が一括投入されたとき、多量検知セン
サS12,S13と少量検知センサS14がONすると、硬貨
が多量に投入されたと判定し、混入する恐れのある磁性
異物71の存在を考慮して受皿43の凹凸載置面73に
磁性異物71を吸着保持するように低速回転させる。こ
のとき、クリップ、安全ピン、パチンコ玉等の磁性異物
71が混入していれば、磁気吸着作用が働いて凹凸載置
面73上に吸着保持し、不適な磁性異物73が装置内部
に入るのを未然に規制する(ステップn29〜n30)。
【0060】また、受皿43内に硬貨が一括投入された
とき、満杯検知センサS11がONの場合は過剰投入のた
め、このときは他の検知センサのON・OFF信号に拘
らず、適正な硬貨の受入れ処理ができなくなるため、そ
のまま顧客に返却する。また、多量検知センサS12,S
13だけがONの場合は、硬貨投入口に紙幣等の紙類が誤
投入されたと判定し、そのまま顧客に返却動作する。ま
たこのとき、図16に示すように、CRT12に「返却
された硬貨をお受取り下さい」と表示案内して顧客に知
らせ、顧客自身に過剰投入硬貨や誤投入紙幣を取出させ
るなど、その投入物の取出し処置を直ちに施すことがで
きる(ステップn31)。
【0061】上述のように、複数の検知センサの検知信
号を組合せることにより、硬貨の投入量、硬貨の分布状
態、異物の有無及び異物形状等を正確に把握管理できる
ため、これに応じた適切な次処理を自動的に決定して実
行することができる。
【0062】また、硬貨の搬送速度を制御するように設
定すれば、検知内容に応じた搬送処理ができる。例え
ば、多量検知の場合は少しずつ搬送し、少量検知の場合
は通常速度あるいは比較的速く搬送し、異物混入を検知
した場合はむやみに回収動作せず、硬貨が多量のときは
そのまま返却するなど適切な搬送処理を施すことができ
る。
【0063】さらに、硬貨と異物を分離促進する振動付
与装置を備えた場合は、硬貨と異物との混合搬送時に自
然に離れ、異物が硬貨取込み位置に詰まった場合でも、
その位置より異物は他へ移動して取込み規制されるた
め、正規の硬貨だけを装置内部に取込むことができ、硬
貨詰りを解消して装置内部の搬送障害を未然に防止する
ことができる。
【0064】また、受皿に永久磁石を備えて、硬貨と磁
性異物の分離を図ることもでき、この場合は受皿に投入
された硬貨は磁性体でないため受皿反転時に離れて内方
に取込まれ、クリップ、安全ピン等の磁性異物の場合は
受皿に取付けられた永久磁石の磁力によって磁性異物を
受皿面に吸着保持して、磁性異物を受皿の位置で取込み
規制する。このため、装置内部での磁性異物による硬貨
詰りを未然に防止することができ、また装置内部の保護
を図ることができる。従って、この硬貨処理装置をAT
M等の取引処理装置に組込んだ場合は、正規の硬貨を円
滑に受入れ、不適な異物を受入れ規制する受入れ管理能
力の高い安定した硬貨処理性能が得られる。
【0065】この発明と、上述の一実施例の構成との対
応において、この発明の貨幣処理装置は、実施例の硬貨
処理装置41に対応し、以下同様に、貨幣は、硬貨42
に対応し、保持手段は、フィーダ44及び受皿43に対
応し、検知手段は、第1〜第4検知センサS1 〜S4
と、満杯検知センサS11と第1多量検知センサS12と第
2多量検知センサS13と少量検知センサS14とに対応
し、制御手段は、CPU21に対応し、異物分離手段
は、振動付与装置59及び永久磁石72に対応するも、
この発明は請求項に示される技術思想に基づいて応用す
ることができ、上述の一実施例の構成のみに限定される
ものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のATMの外観斜視図。
【図2】 この発明のATMの制御回路ブロック図。
【図3】 この発明の硬貨処理装置の内部構成図。
【図4】 この発明のフィーダを示す要部平面図。
【図5】 この発明のフィーダを示す縦断側面図。
【図6】 この発明のフィーダ内での一時詰り状態を示
す要部側面図。
【図7】 この発明のフィーダ位置に配設された各検知
センサの検知パターン別の処理動作例を示す図表。
【図8】 この発明のフィーダからの硬貨取込み処理動
作を示すフローチャート。
【図9】 この発明のCRTの硬貨返却時の案内画面を
示す表示図。
【図10】 この発明のCRTの再入金操作時の案内画
面を示す表示図。
【図11】 この発明の受皿を示す平面図。
【図12】 この発明の受皿を示す縦断正面図。
【図13】 この発明の受皿の磁性異物の吸着状態を示
す縦断側面図。
【図14】 この発明の受皿位置に配設された各検知セ
ンサの検知パターン別の処理動作例を示す図表。
【図15】 この発明の受皿への硬貨受入れ処理動作を
示すフローチャート。
【図16】 この発明のCRTの硬貨返却時の案内画面
を示す表示図。
【符号の説明】
11…ATM 12…CRT 15…硬貨投入口 21…CPU 27…硬貨処理部 41…硬貨処理装置 42…硬 貨 43…受 皿 44…フィーダ 45…入金鑑別部 57…ホッパ 58…フィードベルト 59…振動付与装置 60…返却ゲート 61…フィードローラ 62…異 物 63…返却口通路 S1 〜S4 ,S11〜S14…検知センサ 71…磁性異物 72…永久磁石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投入された複数の貨幣を受付けて鑑別処理
    を行う貨幣処理装置であって、上記投入された複数の貨
    幣を保持する保持手段と、上記保持手段が保持した貨幣
    を複数の検知位置より検知する検知手段と、上記検知手
    段の複数の検知信号に基づいて、上記保持手段の貨幣処
    理を変更制御する制御手段とを備えた貨幣処理装置。
  2. 【請求項2】貨幣投入口に投入された複数の貨幣を装置
    内部に取込んで鑑別処理を行う貨幣処理装置であって、
    上記貨幣投入口に投入された貨幣の分布状態を複数の検
    知位置より検知する検知手段と、上記検知手段の複数の
    検知信号に基づいて貨幣の取込み速度を制御する制御手
    段とを備えた貨幣処理装置。
  3. 【請求項3】制御手段に硬貨と異物を分離促進する異物
    分離手段を備えた請求項1または2記載の貨幣処理装
    置。
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