JP2000088105A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents

シリンダヘッドガスケット

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JP2000088105A JP10264263A JP26426398A JP2000088105A JP 2000088105 A JP2000088105 A JP 2000088105A JP 10264263 A JP10264263 A JP 10264263A JP 26426398 A JP26426398 A JP 26426398A JP 2000088105 A JP2000088105 A JP 2000088105A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シリンダヘッドガスケット１は２枚の第
１ガスケット基板２と第２ガスケット基板３とを備えて
いる。各ガスケット基板２、３には互いに逆方向に突出
する第１内側突出部２Ａと第２内側突出部３Ａが形成さ
れ、また各突出部２Ａ、３Ａに、互いに近接する方向に
突出して円周方向に連続して密着する半径方向中央部分
２ａ、３ａが形成されている。 【効果】 上記第１ガスケット基板２と第２ガスケット
基板３との間から外部に吹き抜けようとする燃焼ガス
は、その圧力により第１ガスケット基板をシリンダヘッ
ドに、第２ガスケット基板をシリンダブロックにそれぞ
れ圧接させ、かつその反力で上記半径方向中央部分２
ａ、３ａを相互に圧接させるので、効果的に燃焼ガスの
吹き抜けを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンに用いられる
シリンダヘッドガスケットに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来一般に、シリンダヘッドガスケット
として、相互に重合されてシリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの間に挟持され、それぞれシリンダボアに合わ
せて穿設した燃焼室孔を有する第１ガスケット基板と第
２ガスケット基板とを備えたものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この種のシリンダヘッ
ドガスケットにおいては、エンジンの爆発圧力が大きく
なると、シリンダヘッドガスケットとシリンダヘッドと
の間、シリンダヘッドガスケットとシリンダブロックと
の間、またはシリンダヘッドガスケットを構成する第１
ガスケット基板と第２ガスケット基板との間から燃焼室
内のガスが吹き抜けることがあった。本発明は、より効
果的に燃焼ガスの吹き抜けを防止することができるシリ
ンダヘッドガスケットを提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、相互
に重合されてシリンダヘッドとシリンダブロックとの間
に挟持され、それぞれシリンダボアに合わせて穿設した
燃焼室孔を有する第１ガスケット基板と第２ガスケット
基板とを備えたシリンダヘッドガスケットにおいて、シ
リンダヘッド側となる第１ガスケット基板に、上記燃焼
室孔を囲んでシリンダヘッド側に突出する第１内側突出
部を形成するとともに、この第１内側突出部の半径方向
中央部分をシリンダブロック側に向けて突出させ、また
シリンダブロック側となる第２ガスケット基板に、上記
燃焼室孔を囲んでシリンダブロック側に突出する第２内
側突出部を形成するとともに、この第２内側突出部の半
径方向中央部分をシリンダヘッド側に向けて突出させ、
さらに上記第１ガスケット基板と第２ガスケット基板と
を重合させて、少なくともエンジン組付時において第１
内側突出部の半径方向中央部分と第２内側突出部の半径
方向中央部分とを円周方向に連続して密着させたもので
ある。
【０００５】
【作用】上記構成によれば、シリンダブロック側に向け
て突出する第１内側突出部の半径方向中央部分と、シリ
ンダヘッド側に向けて突出する第２内側突出部の半径方
向中央部分とが円周方向に連続して密着しているので、
その間から外部に吹き抜けようとする燃焼ガスは、その
圧力により、第１内側突出部をシリンダヘッド側に向け
て押圧すると同時に、第２内側突出部をシリンダブロッ
ク側に向けて押圧するようになる。そして第１内側突出
部が燃焼ガスの圧力によりシリンダヘッドに押圧される
とその部分のシール性が向上し、また第２内側突出部が
燃焼ガスの圧力によりシリンダブロックに押圧されると
その部分のシール性も向上する。そしてさらに、第１内
側突出部がシリンダヘッドに、第２内側突出部がシリン
ダブロックに押圧されると、その反力により第１内側突
出部の半径方向中央部分と第２内側突出部の半径方向中
央部分とがより強く密着されるようになるので、その部
分におけるシール性も向上するようになる。
【０００６】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図２において、シリンダヘッドガスケット１は相互
に重合した相対的に厚肉の第１ガスケット基板２と第２
ガスケット基板３とを備えており、これらガスケット基
板２の表裏面に相対的に薄肉の第１プレート４と第２プ
レート５とを重合させている。これらガスケット基板
２、３とプレート４、５には、図１に示すように、それ
ぞれエンジンのシリンダボアに合わせて穿設した燃焼室
孔１０と、図示しない締結ボルトが貫通されるボルト孔
１１と、さらに冷却水が流通される水孔１２とをそれぞ
れ形成している。上記シリンダヘッドガスケット１は、
従来周知のように、図示しないエンジンのシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの間に介在され、上述した締結
ボルトによってシリンダヘッドとシリンダブロックとを
一体に連結することによりそれらの間に挟持されて両者
間をシールするようになっている。
【０００７】図２に示すように、上方側すなわち図示し
ないシリンダヘッド側となる第１ガスケット基板２に
は、上記燃焼室孔１０を囲んでシリンダヘッド側に突出
する第１内側突出部２Ａを形成するとともに、この第１
内側突出部２Ａの半径方向中央部分２ａを下方側すなわ
ち図示しないシリンダブロック側に向けて断面円弧状に
突出させている。他方、下方のシリンダブロック側とな
る第２ガスケット基板３には、上記燃焼室孔１０を囲ん
で下方に突出する第２内側突出部３Ａを形成するととも
に、この第２内側突出部３Ａの半径方向中央部分３ａを
上方側のシリンダブロックに向けて断面円弧状に突出さ
せている。これら第１内側突出部２Ａと第２内側突出部
３Ａとは両ガスケット基板２、３の合わせ面を中心とし
て対称に形成してあり、両ガスケット基板２、３を相互
に重合させた際には、上記第１内側突出部２Ａの半径方
向中央部分２ａと第２内側突出部３Ａの半径方向中央部
分３ａとを相互に円周方向に連続させて密着させてい
る。
【０００８】さらに、上記第１ガスケット基板３には、
上記第１内側突出部２Ａを囲んで上方に突出する第１外
側突出部２Ｂを形成するとともに、第２ガスケット基板
３には、上記第２内側突出部３Ａを囲んで下方に突出す
る第２外側突出部３Ｂを形成してある。これら第１外側
突出部２Ｂと第２外側突出部３Ｂも両ガスケット基板
２、３の合わせ面を中心として対称に形成してあり、両
ガスケット基板２、３を相互に重合させた際には、互い
に逆方向に突出する第１外側突出部２Ｂと第２外側突出
部３Ｂとは、燃焼室孔１０に隣接する側では相互に離隔
しているが、そこから燃焼室孔１０と反対側に所定量だ
け離隔した位置で相互に密着するようにしてある。
【０００９】上記第１内側突出部２Ａと第２内側突出部
３Ａとの内周側および外周側における高さと立ち上がり
角度とは、円周方向で異ならせている。すなわち、図２
は締結ボルトが貫通されるボルト孔１１の中間位置での
断面図を示しており（図１のＩＩ−ＩＩ線参照）、この
位置では第１内側突出部２Ａと第２内側突出部３Ａとの
内周側および外周側における高さｈ1 は高く、またガス
ケット基板２、３の本体部分からの立ち上がり角度θ1
は大きく設定してある。これに対し、図３は締結ボルト
が貫通されるボルト孔１１に近接した位置での断面図を
示しており（図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線参照）、この位置
では第１内側突出部２Ａと第２内側突出部３Ａとの内周
側および外周側における高さｈ2 は低く、また立ち上が
り角度θ2 は小さく設定してある。上記高さｈ1 、ｈ2
や角度θ1 、θ2 はボルト孔１１の中間位置と近接した
位置との所定範囲にわたってそれぞれ形成してあり、か
つ両者の高さの差と角度の差は、滑らかに連続させてい
る。
【００１０】さらに、上記第１プレート４には燃焼室孔
１０を囲む第１フルビード部４Ａとこの第１フルビード
部４Ａを囲む第１ハーフビード部４Ｂとを形成してあ
り、第１フルビード部４Ａは第１ガスケット基板２の第
１内側突出部２Ａに向けて突出するように形成し、また
第１ハーフビード部４Ｂは第１ガスケット基板２の第１
外側突出部２Ｂに向けて突出するように形成してある。
同様に、上記第２プレート５には燃焼室孔１０を囲む第
２フルビード部５Ａとこの第２フルビード部５Ａを囲む
第２ハーフビード部５Ｂとを形成してあり、第２フルビ
ード部５Ａは第２ガスケット基板３の第２内側突出部３
Ａに向けて突出するように形成し、また第２ハーフビー
ド部５Ｂは第２ガスケット基板３の第２外側突出部３Ｂ
に向けて突出するように形成してある。これらフルビー
ド部４Ａ、５Ａとハーフビード部４Ｂ、５Ｂも、面対称
に形成してある。
【００１１】以上の構成において、上記シリンダヘッド
ガスケット１は、エンジンのシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの間に介在され、その状態で締結ボルトによ
ってシリンダヘッドとシリンダブロックとを一体に連結
することによってそれらの間をシールする。この際、燃
焼室孔１０の円周方向において、締結ボルトに近接した
位置の面圧は大きく、それから離隔した位置の面圧は小
さくなるが、上述したように第１内側突出部２Ａと第２
内側突出部３Ａとの内周側および外周側における高さｈ
1 、ｈ2 と立ち上がり角度θ1 、θ2 とを円周方向で異
ならせているので、第１内側突出部２Ａと第２内側突出
部３Ａとに加わる面圧を燃焼室孔１０の円周方向で可及
的に均一とすることができる。
【００１２】そしてエンジンの運転中、第１内側突出部
２Ａと第２内側突出部３Ａとの間から外部に吹き抜けよ
うとする燃焼ガスは、その圧力により、第１内側突出部
２Ａをシリンダヘッド側に向けて押圧すると同時に、第
２内側突出部３Ａをシリンダブロック側に向けて押圧す
るようになる。すると第１内側突出部とシリンダヘッド
との面圧が増大するのでその部分のシール性が向上する
ようになり、同様に第２内側突出部とシリンダブロック
との面圧も増大するので、その部分のシール性も向上す
る。そして第１内側突出部２Ａがシリンダヘッドに、第
２内側突出部３Ａがシリンダブロックに押圧されると、
その反力によって第１内側突出部２Ａの半径方向中央部
分２ａと第２内側突出部３Ａの半径方向中央部分３ａと
がより強く密着されるようになるので、その部分におけ
るシール性も向上するようになる。このように、上記第
１ガスケット基板２と第２ガスケット基板３とは、燃焼
ガスの圧力によりシリンダヘッドとシリンダブロックと
にそれぞれ圧接されると同時に相互に圧接されるので、
従来に比較してより効果的に燃焼ガスの吹き抜けを防止
することができる。
【００１３】図４は本発明のシール性能を測定した試験
結果図を示すもので、本試験はシリンダヘッドとシリン
ダブロックとの間でシリンダヘッドガスケットを挟持し
た状態で燃焼室孔内にガスを供給し、ガスが漏れる際の
圧力（ガスシール圧）を締結ボルトの軸力を変化させな
がら計測したものである。同図において、本発明品Ａは
上記構成を有するものであり、比較品は１枚の板の表裏
面に上記第１内側突出部２Ａ、第２内側突出部３Ａ、第
１外側突出部２Ｂおよび第２外側突出部３Ｂに相当する
突出部を形成し、かつ第１プレート４と第２プレート５
とを設けたものである。同図の試験結果から理解される
ように、特に締結ボルトの軸力が小さくても優れたシー
ル性能が得られており、これは上述したようなガス圧を
利用した自封作用によるものである。そして小さな軸力
によって優れたシール効果を得ることができれば、大き
な軸力によるシリンダヘッドガスケットの座屈を防止し
て長期間良好なシール作用を維持することができる。
【００１４】なお、面圧を円周方向で可及的に均一とせ
ずに、隣接する燃焼室孔１０の部分だけは若干面圧が高
くなるように設定してもよい。
【００１５】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、燃焼ガ
スの圧力を利用して第１ガスケット基板と第２ガスケッ
ト基板とをシリンダヘッドとシリンダブロックとにそれ
ぞれ圧接させることができるのと同時に、相互に圧接さ
せることができるので、従来に比較してより効果的に燃
焼ガスの吹き抜けを防止することができるという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を示す平面図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図。
【図４】本発明のシール性能を測定した試験結果図。
【符号の説明】
１…シリンダヘッドガスケット ２…第１ガス
ケット基板 ２Ａ…第１内側突出部 ２Ｂ…第１外
側突出部 ３…第２ガスケット基板 ３Ａ…第２内
側突出部 ３Ｂ…第２外側突出部 ４…第１プレ
ート ４Ａ…第１フルビード部 ４Ｂ…第１ハ
ーフビード部 ５…第２プレート ５Ａ…第２フ
ルビード部 ５Ｂ…第２ハーフビード部 １０…燃焼室
孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 清治 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 Ｆターム(参考） 3J040 AA01 AA12 BA01 EA05 EA30 FA01 HA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 相互に重合されてシリンダヘッドとシリ
    ンダブロックとの間に挟持され、それぞれシリンダボア
    に合わせて穿設した燃焼室孔を有する第１ガスケット基
    板と第２ガスケット基板とを備えたシリンダヘッドガス
    ケットにおいて、 シリンダヘッド側となる第１ガスケット基板に、上記燃
    焼室孔を囲んでシリンダヘッド側に突出する第１内側突
    出部を形成するとともに、この第１内側突出部の半径方
    向中央部分をシリンダブロック側に向けて突出させ、 またシリンダブロック側となる第２ガスケット基板に、
    上記燃焼室孔を囲んでシリンダブロック側に突出する第
    ２内側突出部を形成するとともに、この第２内側突出部
    の半径方向中央部分をシリンダヘッド側に向けて突出さ
    せ、 さらに上記第１ガスケット基板と第２ガスケット基板と
    を重合させて、少なくともエンジン組付時において第１
    内側突出部の半径方向中央部分と第２内側突出部の半径
    方向中央部分とを円周方向に連続して密着させたことを
    特徴とするシリンダヘッドガスケット。
  2. 【請求項２】 上記第１ガスケット基板に、上記第１内
    側突出部を囲んでシリンダヘッド側に突出する第１外側
    突出部を形成するとともに、上記第２ガスケット基板
    に、上記第２内側突出部を囲んでシリンダブロック側に
    突出する第２外側突出部を形成したことを特徴とする請
    求項１に記載のシリンダヘッドガスケット。
  3. 【請求項３】 重合された２枚のガスケット基板の表面
    と裏面とに、上記シリンダボアに合わせて穿設した燃焼
    室孔を有する第１プレートと第２プレートとが設けら
    れ、第１ガスケット基板に重合された第１プレートは、
    燃焼室孔を囲んで第１内側突出部に向けて突出される第
    １フルビード部を備え、また第２ガスケット基板に重合
    された第２プレートは、燃焼室孔を囲んで第２内側突出
    部に向けて突出される第２フルビード部を備えることを
    特徴とする請求項１又は請求項２に記載のシリンダヘッ
    ドガスケット。
  4. 【請求項４】 重合された２枚のガスケット基板の表面
    と裏面とに、上記シリンダボアに合わせて穿設した燃焼
    室孔を有する第１プレートと第２プレートとが設けら
    れ、第１ガスケット基板に重合された第１プレートは、
    燃焼室孔を囲んで第１内側突出部に向けて突出される第
    １フルビード部と該第１フルビード部の外側で第１外側
    突出部に向けて突出される第１ハーフビード部とを備
    え、また第２ガスケット基板に重合された第２プレート
    は、燃焼室孔を囲んで第２内側突出部に向けて突出され
    る第２フルビード部と該第２フルビード部の外側で第２
    外側突出部に向けて突出される第２ハーフビード部とを
    備えることを特徴とする請求項２に記載のシリンダヘッ
    ドガスケット。
  5. 【請求項５】 上記第１内側突出部と第２内側突出部の
    高さを、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとを締
    結する締結ボルトの近傍において小さく、該締結ボルト
    から離隔した位置において大きく設定したことを特徴と
    する請求項１ないし請求項４のいずれかに記載のシリン
    ダヘッドガスケット。
  6. 【請求項６】 上記内側突出部のガスケット基板からの
    立上がり角度を、上記シリンダヘッドとシリンダブロッ
    クとを締結する締結ボルトの近傍において小さく、該締
    結ボルトから離隔した位置において大きく設定したこと
    を特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれかに記載
    のシリンダヘッドガスケット。
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