JP2000082673A - 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 - Google Patents
薄膜形成方法及び薄膜形成装置Info
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Abstract
の分子層成長やデジタルエッチングを実現する装置及び
方法を提供すること。 【解決手段】 V族ガスにTBP又はTDMAPなどの
有機燐化合物を使用するとともに、III族ガスとしてT
MI、TEIを使用する。TMIは50℃、TEIは2
5℃、TBPは5℃、TDMAPは50℃に保持した。
成長温度は360℃で5間保持した後、320℃に保持
して各原料ガスを交互に供給した。
Description
て使用される薄膜形成方法及び薄膜形成装置に関する。
用いて、1Pa以下の成長圧力において結晶を成長する
方法に有機金属分子線成長法(MOMBE)がある。ま
た、GaAs結晶の成長の場合、III族ガスとV族ガス
に使用する原料ガスを適当に選択し(例えばトリメチル
ガリウムとアルシン)、III族ガスとV族ガスを交互に
供給することにより、III族原子あるいはV族原子が1
原子層ごとに停止しながら成長が進む自己停止型の単分
子層成長を実現できる分子層成長法(MLE)が報告さ
れている(例えば、西澤、アフ゜ライト゛サーフェイスサイエンス Appl.Su
rf.Sci.82/83(1994)1)。
成長において有機砒素ガスを用いた報告がある。例え
ば、アイエトロウス他、シ゛ャーナルオフ゛アフ゜ライト゛フィシ゛ックス J.Appl.Phy
s.,78(1995)5834。この場合、単分子層成長を確認して
いるが、水素化物V族ガスを用いた場合と同等の成膜結
果しか得られていない。
においては、InP単結晶の成長を高真空中で行うMO
MBE成長としての報告として、例えば、ウツメイア他、ソリッ
ト゛ステイトエレクトロニクス Solid-State Electronics,40(1996)621
に、V族のP元素に固体原料を用いたことが記載されて
いる。この場合、III族あるいはV族原子層で停止しな
がら成長が進む自己停止型の単分子層成長は確認されて
いない。
VPE)による単分子層成長は、例えば、佐久間他、シ゛
ャハ゜ニース゛シ゛ャーナルオフ゛アフ゜ライト゛フィシ゛ックス Jpn.J.Appl.Phys.,27
(1988)L2189に記載されている。この場合、V族元素に
は、Pの水素化物を使用して自己停止型の単分子層成長
を確認している。また、InPのMOVPE成長はパン
らからも報告されており、例えば、ハ゜ン他、チンソリット゛フィルム
ス Thin Solid Films,225(1993)64には、V族元素にPの
有機燐化合物としてTBPを用いて自己停止型の単分子
層成長を確認したことが記載されている。このように、
MOVPE成長の場合は、自己停止型の単分子層成長
を確認しているが、真空度が104Pa程度と高いため
に、結晶評価方法が限定される。また、この方法では、
気相反応が生じて自己停止型の単分子層成長が実現され
るガス流量範囲や成長温度範囲が狭いなどという問題が
ある。
例えば、青柳他、アフ゜ライト゛フィシ゛ックスレタース゛Appl.Phys.Lett.
60(1992)968に、エッチングガスに塩素ガスを用いたS
i、GaAs結晶のエッチング方法が報告されている。
この場合、エッチング速度がガスの供給量や供給時間に
依存しないデジタルエッチングが実現されている。ただ
し、この方法では、ガスの間欠供給だけでなく、電子ビ
ームやレーザビームがトリガーとして必要となるため、
装置が複雑になる問題がある。また、ツァン他、シ゛ャーナルオフ゛
クリスタルク゛ロース J.Crystal Growth 136(1994)42には、塩化
燐ガスを用いたInP結晶のエッチング方法が報告され
ている。この場合は、デジタルエッチングは実現されて
いない。
長においては、気相反応を抑制するために、チャンバ内
の真空度を1Pa以下に低下する必要がある。例えば、
MLE成長でPの水素化物であるフォスフィン(P
H3)を使用してInP結晶を成長する場合には、結晶
成長が実現できると考えられる温度ではフォスフィンガ
スが分解しないという問題があるため、結晶からP元素
が蒸発してしまい良好な結晶が得られない。さらに、ガ
ス流内に障害物が存在すると、交互供給の真空引き中に
高速で原料ガスを排除できない問題もある。
に、液体窒素トラップで捕獲できない問題もある。この
場合、フォスフィン供給後にチャンバ内のフォスフィン
濃度を低下させるために長時間真空パージを行う必要が
あるが、成長温度が300℃以上の場合にはフォスフィ
ン供給後のパージ中にInP結晶表面からP元素が蒸発
するため、良好な結晶が成長できなくなる。
グガスに塩素を含むガスを用いた場合、塩素による装置
の腐食が発生したり、あるいはエッチングガスの除去に
時間がかかるため連続して結晶成長を実施できないとい
う問題がある。また、ガス供給ラインのガス流内に障害
物があると、ガスの流れが阻害されて、交互供給の真空
引き中に高速でガスを排除できないという問題がある。
また、装置構成を単純にするために、外部トリガを不要
とする必要もある。
あり、効率良くしかも簡易に結晶成長させることができ
る薄膜形成方法及び薄膜形成装置を提供することを目的
とする。
としてInP単結晶薄膜の成長及びエッチングにおい
て、V族原料ガスとして有機燐化合物を使用し、所定の
圧力でガス供給を行って、自己停止型の単分子層成長や
デジタルエッチングを実現する薄膜形成方法及び薄膜形
成装置を提供する。
第III族元素を含む有機金属ガス及び周期律表第V族元
素を含む有機化合物ガスを処理室内の被処理体上に交互
に供給して前記被処理体上に結晶成長させる工程と、前
記有機化合物ガスを供給した後に、記被処理体表面に吸
着した前記有機化合物を1原子層程度とする処理室内圧
力を実現する真空引きを行う工程と、を具備することで
ある。
含む有機化合物ガスを供給した後に迅速にパージするこ
とができるので、周期律表第V族元素が被処理体から離
脱することを抑制することができる。これにより、周期
律表第V族元素の自己停止型単分子層形成を良好に行う
ことができ、単結晶成長を良好に行うことができる。
て、前記有機化合物ガスを液化させて捕捉する工程を具
備することである。
含む有機化合物ガスを効率良く補足することができるの
で、有機化合物ガスを供給した後のパージをより効率良
く行うことができる。
様において、水素ガスを供給する工程を具備することで
ある。
ることができ、結晶表面に吸着した有機金属ガスの分解
が促進されるので、良好な結晶性を有する単結晶を得る
ことができる。
て、水素ガスを供給する前に前記周期律表第V族元素の
水素化物ガスを供給する工程を具備することである。
物の濃度が低くなるので、水素化物ガスの分圧を減少さ
せることができる。その結果、燐の蒸発を抑制すること
ができるので、よりトラップ効果を促進させ、パージ時
間を短縮することができる。
ずれかの態様において、前記被処理体表面に吸着した前
記有機化合物を1原子層程度とする処理室内圧力が1P
a以下であることである。
表面に1層の厚みで吸着するために、前記周期律表第V
族元素の前記被処理体からの離脱を抑制することができ
る。
ずれかの態様において、前記有機化合物ガスが有機燐化
合物ガスであることである。
て、前記有機燐化合物ガスが、ターシャリーブチルフォ
スフィンガス、トリスジメチルアミノフォスフィンガ
ス、及びターシャリーブチルビスジメチルアミノホスフ
ィンガスからなる群より選ばれたものであることであ
る。
った1Pa程度の圧力下での自己停止型単分子層のIn
P結晶成長を実現することができる。
る元素を含むガスを処理室内の前記被処理体上に間欠的
に供給して前記被処理体をエッチングする工程と、前記
ガスを供給した後に真空引きを行う工程と、を具備する
ことである。
質との間での表面反応で揮発性物質を形成させ、真空引
きにより除去するので、被処理体を効率良くエッチング
することができる。
て、前記被処理体が第V族元素を含む材料で構成され、
前記ガスが第V族元素を含むことである。
態様において、前記ガスが燐化合物ガスであることであ
る。
おいて、前記燐化合物がターシャリーブチルフォスフィ
ンガス、トリスジメチルアミノフォスフィンガス、及び
ターシャリーブチルビスジメチルアミノホスフィンガス
からなる群より選ばれたものであることである。
下での自己停止型単分子層のInP結晶成長におけるエ
ッチングを効率良く行うことができる。
のいずれかの態様において、前記被処理体が1×1016
cm-3以上のキャリア濃度を有することである。
渣が残らないので、表面状態のよいエッチングが可能で
ある。
のいずれかの態様において、5×10-4Torr以下の
ガス圧力下でエッチングを行うことである。
体と結合したガス成分の揮発性成分を切り離すことがで
き、効率良くエッチングを進行させることができる。
元素を含むガスを処理室内の被処理体上に間欠的に供給
して前記被処理体をエッチングする工程と、前記ガスを
供給した後に真空引きを行う工程と、周期律表第III族
元素を含む有機金属ガス及び周期律表第V族元素を含む
有機化合物ガスを前記処理室内のエッチング後の被処理
体上に交互に供給して前記被処理体上に結晶成長させる
工程と、前記有機化合物ガスを供給した後に、記被処理
体表面に吸着した前記有機化合物を1原子層程度とする
処理室内圧力を実現する真空引きを行う工程と、を具備
することである。
を連続して同一チャンバ内で実施するので、結晶界面の
汚染を防止して、結晶界面への不純物の堆積を抑制する
ことができる。
おいて、エッチングする工程の前に、前記被処理体上に
10原子層程度の結晶を成長させることである。
した後、エッチングにより除去して、再度結晶成長を行
うので、結晶界面の不純物濃度を低下させることができ
る。
5の態様において、前記ガスが燐化合物ガスであり、前
記有機化合物ガスが有機燐化合物ガスであることであ
る。
おいて、前記燐化合物ガス及び有機燐化合物ガスが、ホ
スフィンガス、ターシャリーブチルフォスフィンガス、
トリスジメチルアミノフォスフィンガス、及びターシャ
リーブチルビスジメチルアミノホスフィンガスからなる
群より選ばれたものであることである。
った1Pa程度の圧力下での自己停止型単分子層のIn
P結晶成長を結晶性の良い状態で実現することができ
る。
する処理室と、周期律表第III族元素を含む有機金属ガ
ス及び周期律表第V族元素を含む有機化合物ガスを前記
処理室内に供給するガス供給ラインと、前記有機金属ガ
スと前記有機化合物ガスを前記処理室内に交互に供給す
るように制御する供給制御手段と、ガス供給後に前記処
理室に対して真空引きを行う吸引手段と、を具備し、前
記ガス供給ラインの先端部が内径2mm以上の略直線形
状を有する配管で構成されていることである。
含む有機化合物ガスを供給した後に迅速にパージするこ
とができるので、効率よく被処理体表面に吸着した前記
有機化合物を1原子層程度とすることができる。これに
より、周期律表第V族元素の自己停止型単分子層形成を
良好に行うことができ、単結晶成長を良好に行うことが
できる。
面を参照して詳細に説明する。
の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す概略図である。
処理室であるチャンバ101は、真空排気可能な処理室
である。チャンバ101内には、被処理体であるInP
基板102を載置する載置台103が設置されている。
この載置台103には、InP基板102を加熱する加
熱ヒータなどの加熱手段が内蔵されている。また、チャ
ンバ101の上面には、温度検出部104が設けられて
おり、この温度検出部104には、放射温度計105が
取り付けられている。この放射温度計105によりチャ
ンバ101内の基板の温度を測定するようになってい
る。
が接続されており、そのガス供給ラインには、それぞれ
原料ガス容器106a〜106hが接続されている。原
料ガス容器106a〜106hには、それぞれトリメチ
ルインジウム(TMI)106a、トリメチルガリウム
(TMG)106b、トリエチルインジウム(TEI)
106c、トリスジメチルアミノホスフィン(TDMA
P)106d、t−ブチルホスフィン(TBP)106
e、ホスフィン(PH3)106f、水素(H2)106
g、アルシン(AsH3)106hが装填されている。
窒素トラップ107が取り付けられており、液体窒素ト
ラップ107内には、液体窒素108が収容されてい
る。また、液体窒素トラップ107の後段には、ターボ
ポンプ109及びロータリーポンプ110が順次接続さ
れている。
構成を示す図である。この図においては、TEI,TB
Pのガス供給ラインを中心に示したものである。チャン
バ101の上部には、石英板111を介してドーム形状
の光源室112が配設されている。この光源室112の
頂部には、ハロゲンランプ113が取り付けられてお
り、ハロゲンランプ113からの光が石英板111を透
過してInP基板102に到達してInP基板102を
上方から加熱するようになっている。
料ガス容器106eには、それぞれガス供給ライン11
4a,114bが接続されており、それぞれのガス供給
ライン114a,114bには、原料ガスの供給量を調
整するバリアブルリークバルブ115a,115bが取
り付けられている。また、ガス供給ライン114a,1
14bには、それぞれ開閉によりガス供給の切り替えを
行うガス切り替えバルブ116a,116bが取り付け
られている。
リアブルリークバルブ115a,115bの後段でガス
排気ライン117a,117bに分岐しており、ガス排
気ライン117a,117bには、それぞれ開閉により
ガス供給の切り替えを行うガス切り替えバルブ118
a,118bが取り付けられている。ガス排気ライン1
17a,117bは、排気系に接続されており、排気系
には、ターボポンプ109b,ロータリーポンプ110
bが接続されている。
チャンバ101内の圧力を監視する圧力計119が取り
付けられている。チャンバ101の排気部には、上述し
たように、液体窒素トラップ107、ターボポンプ10
9a及びロータリーポンプ110aが順次接続されてい
る。
供給部は、図3(b)に示すように、原料ガスの流れが
阻害されないように、内径が2mm以上のストレート状
配管で構成され、その先端には、InP基板102から
の熱の輻射による原料ガスの分解を抑制するためにガス
過熱防止管120が取り付けられている。ガス供給部の
形状を上記のようにするのは、後述するように原料ガス
を分解しないでInP基板に供給することにより350
℃程度の低温で結晶成長が実現できる条件があることが
明らかになったので、原料ガスの流れをスムーズにし
て、真空引き時間を短縮するためである。
ガス供給部には、図3(a)に示すように、原料ガスを
加熱するための加熱ヒータ1が設置されている。これ
は、処理の際に、V族ガスを熱で分解して供給しなけれ
ば、結晶成長が行われないと考えられていたためであ
る。この場合、原料ガスへの熱の伝達を効果的に行うた
めに、内径が2mm以下となっており、原料ガスの流れ
が阻害される。なお、この場合の結晶成長温度は600
℃程度と高いために、成長した原子がマイグレーション
するので、微細な結晶構造を作製することができない。
本発明では、成長温度が350℃程度と低いため、微細
結晶構造を作製できる。
nP基板の結晶成長処理を行う場合について説明する。
ここでは、III族ガスとしてTMIガス又はTEIガス
を用い、V族ガスとしてTBPガスを用いたInP結晶
の単分子層成長について説明する。
ぞれガス供給ライン114a,114bを通してInP
基板102上にTEI,TBPガスが供給される。ま
ず、原料ガスのパージ速度を上げるために、真空引き手
段であるターボポンプ109aで排気すると共に、液体
窒素トラップ107で原料ガスを吸着させて原料ガスを
チャンバ101から排除する。ターボポンプ109aの
排気に加えて、ロータリーポンプ110aで再排気す
る。なお、InP基板102は、ハロゲンランプ113
を用いて加熱される。この加熱光は、石英板111を透
過してInP基板102に到達する。基板温度は、放射
温度計105で検出して、その検出結果に基づいて一定
の基板温度になるように加熱ヒータで制御する。
bで原料ガスの供給量を調整しながら、流量調整された
原料ガスをチャンバ101に供給する。原料ガスを供給
する場合には、ガス切り替えバルブ116aあるいは1
16bの一方のみを開にする。一方、原料ガスを供給し
ない場合には、ガス切り替えバルブ117a,117b
のみを開にしておき、チャンバ101を通さずにターボ
ポンプ109bとロータリーポンプ110bにより排気
する。なお、チャンバ101内の圧力は圧力計119で
監視する。
は原料ガスの選択である。最初に、V族原料ガスの選択
について説明し、その後III族ガスの選択について説明
する。まず、InP結晶の単分子層成長を行うために第
1に必要となるV族ガスの種類の選択について説明す
る。良好な結晶成長を実現するには、InP結晶表面か
らの燐(P)の離脱を抑制する必要がある。
離脱を抑制するガス供給方法を図4を用いて説明する。
図4は、V族ガスとしてTBPガスを用い、III族ガス
としてTEIガスを用いる場合について示している。単
分子層成長を実現するために、原料ガスの交互供給を行
う。原料ガスの交互供給とは、例えばTEIガスを供給
した後に、TEIガスを真空排気により除去(パージ)
し、その後にTBPガスを供給し、その後にTBPガス
をパージする供給方法をいう。この交互供給を繰り返し
ながら(数百回)結晶を1分子層ごとに成長する。TE
IガスとTBPガスの供給タイミングを図4(a),図
4(b)に示す。
ガスの供給までの間にTBPガスをチャンバ内から完全
にパージするためには、このTBPガス供給後のパージ
時間を長くすればよいが、パージ中に結晶表面からのP
の離脱が生ずるために、TBPガスのパージに要する時
間は10秒以上には長くできない。そこで、TEIガス
の供給後になるべく早くチャンバ内の圧力を低下する必
要がある。
る際の圧力変化は、図4(c)の点線で示す直線とな
り、原料ガス供給後のチャンバ内圧力が十分低下しな
い。上述した図3(b)に示す2mm以上の内径を有す
るストレート状配管を用いることにより、図4(c)の
実線で示すように、原料ガス供給後のチャンバ内圧力は
高速で低下する。したがって、結晶表面からPが離脱す
る前にTBPガスをパージすることができ、これによ
り、真空排気(パージ)時間が2秒程度でも良好な結晶
成長を実現することができる。
供給部に内径2mmのストレート状配管を用いた場合に
ついて説明しているが、ガス供給部の形状はこれに限定
されず、結晶表面からPが離脱する前に吸着したTBP
ガスが1原子層厚となるまでパージすることができるチ
ャンバ内圧力、例えば1Pa以下が実現できる形状であ
れば良い。
度を上げるためには、真空引き手段であるターボポンプ
109aによる排気に加えて液体窒素トラップ107に
よる原料ガスの吸着により原料ガスをInP基板上から
排除する必要がある。ここで、重要となるのは、液体窒
素トラップ107でV族ガスが液化されて分圧が低下す
るかどうかである。低温での蒸気圧が低ければ、原料ガ
スが迅速に液化されてパージ速度を上げることができ
る。
近の蒸気圧の実験値から計算により低温での蒸気圧を求
めた。V族ガスとしてPの水素化物であるフォスフィン
(PH3)と砒素(As)の水素化物であるアルシン
(AsH3)の蒸気圧(P)の温度(T)依存性を図5
に示す。
p(m1+m2/T)としてフィッティングを行った場合の
計算値である(m1,m2は定数)。この式を用いるこ
とにより、蒸気圧の温度依存性は、気相、液相、固相い
ずれの実験値の場合にも大きな誤差を伴わずに同一の定
数を用いて示され、いずれの温度範囲でも実験値と計算
値はよく一致した。これから、液体窒素温度である77
Kでのフォスフィンとアルシンの蒸気圧はそれぞれ1T
orrと10-5Torrとなることが分かった。この結
果から分かるように、液体窒素温度ではアルシンの蒸気
圧は極めて低く、トラップが可能であるが、フォスフィ
ンは蒸気圧が高く、ほとんどトラップできない。
は、液体窒素トラップを用いてアルシンをトラップする
ことにより、2秒程度のパージ時間でGaAs基板上か
らアルシンを除去できるので、GaAs結晶を良好に成
長できるが、InP結晶を成長させる場合には、液体窒
素トラップを用いてフォスフィンをトラップできないた
めに、同様な手法を用いて結晶成長を行うのは困難であ
ることが分かった。原料ガスのトラップは、原料ガスの
供給量が少なくて済む実験用設備では大きな問題となら
ないが、生産用設備のように大きな基板に成長を行う場
合には大量の原料ガスを供給する必要があるために、解
決しなければならない重要な課題となる。
気圧の小さいV族ガスを使用する必要があることが明ら
かとなった。室温で安定しており400℃程度の成長温
度で分解する有機V族ガスにはTBPガスとTDMAP
ガスがある。それぞれの蒸気圧の温度依存性を調べた結
果を図6に示す。図中、実線は実験値であり、点線は水
素化物と同様にP=exp(m1+m2/T)としてフィッテ
ィングを行った場合の計算値である。
7Kでの蒸気圧はそれぞれ10-13Torrと10-20T
orrとなった。その結果、TBPガス又はTDMAP
ガスの場合には、液体窒素トラップを用いてトラップす
ることで2秒程度のパージ時間でチャンバからV族ガス
を除去できることが明らかとなった。
は、ガス流量の制御性と安定性を考慮すると、原料ガス
容器内において10Torr以上の蒸気圧を発生する必
要がある。V族ガスの室温近傍における蒸気圧の温度依
存性を図7に示す。この関係から、TBPガスの蒸気圧
は室温で100Torr以上あるため、5℃に保持して
ガスを供給する。ところが、TDMAPガスでは図7か
ら2Torrしかない。したがって、10Torr以上
の蒸気圧を得るために、TDMAPガスを50℃以上に
保持してガスを供給する必要がある。
0℃と高く、成長温度である400℃付近では分解しな
いために成長に必要なP圧力が得られない。しかしなが
ら、TBPとTDMAPの分解温度を調べた結果、それ
ぞれ450℃と400℃であり、アルシンの550℃と
ほぼ同様な値となっている。その結果、アルシンと同程
度の量(10-4Torr)のTBPガス又はTDMAP
ガスを供給することにより、成長に必要なP圧力が得ら
れると考えられる。
Pガスのいずれの場合でも液体窒素温度でトラップが可
能であり、かつ容器内(室温)で10Torr以上の蒸
気圧を発生することができるために、単分子層成長を行
うV族ガスとして使用できることが明らかとなった。
明する。GaAs結晶を成長する場合には、トリエチル
ガリウム(TEG)とトリメチルガリウム(TMG)が
用いられる。ここで、単分子層成長が実現されたのはT
MGであった。InP結晶の場合に使用できるIII族ガ
スにはトリエチルインジウム(TEI)とトリメチルイ
ンジウム(TMI)があるが、いずれが単分子層成長に
適しているかを明らかにする必要がある。
存性を調べた結果を図8に示す。TEGガスの場合には
100℃で急激な圧力の上昇があった後、圧力はほぼ一
定となり、300℃付近で再度急激な圧力の上昇があ
る。この100℃の圧力上昇はTEGガスが液体から気
体となったために生じたものである。一方、300℃付
近での圧力上昇はTEGからエチル基が離脱してモノエ
チルガリウム(MEG)かジエチルガリウム(DEG)
になったためであり、TEGの分解温度を意味してい
る。なお、TMGの分解温度は450℃付近である。
で求めた単分子層成長が可能な温度範囲を図8の中に直
線で示した。TMGガスの場合にはガスの供給時間によ
らず430℃から550℃まで自己停止型の単分子層成
長(Monolayer)が実現できており、TMGの分解温度
に一致している。また、この温度範囲は、アルシンの分
解温度である550℃に対して(分解温度−100℃)
から分解温度の範囲に対応している。
を実現するには、TMGガスのようにIII族ガスに用い
る物質の分解温度とV族ガスに用いる物質の分解温度の
範囲(分解温度−100℃から分解温度)が一致してい
る温度範囲において成長を行う必要であることが分かっ
た。一方、TEGガスの場合には、320℃付近でガス
の供給時間を制御することによってのみ実現されてお
り、自己停止は実現されていない。
存性を調べた結果を図9に示す。TEIとTMIの分解
温度はそれぞれ250℃と320℃である。GaAs結
晶の単分子層成長から同様に考察した結果、分解温度の
高いIII族ガスを構成するTMIと、分解温度の低いIII
族ガスを構成するTBP又はTDMAP(分解温度−1
00℃=300℃)を使用することによって、成長温度
が320℃付近の広い温度範囲で自己停止型の単分子層
成長(Monolayer)を実現できることが分かった。な
お、III族ガスを構成する物質としてTEIを使用した
場合にも、温度範囲は狭いが250℃付近で自己停止型
の単分子層成長が期待できる。
流量の制御性と安定性を考慮すると、1Torr以上が
必要となる。III族ガスの蒸気圧の温度依存性を図10
に示す。TMIでは、室温で12Torrの蒸気圧が得
られており、TEIでは、50℃に加熱することで2T
orr程度と十分な供給圧力が得られることが分かっ
た。
Iガス及び/又はTEIガスを使用することにより、単
分子層成長を実現できることが明らかとなった。
いて単分子層成長を行う場合について図1を用いて説明
する。ここでは、III族ガスにはTMIガス及びTEI
ガスを用い、V族ガスには蒸気圧の高いTBPガスを用
いた場合について説明する。なお、V族ガスとしてTD
MAPガスを用いた場合にも同様に成長させることが可
能である。
orr以下のチャンバ101内の載置台103上に保持
した。TMIガスの温度を50℃、TEIガスの温度を
室温(25℃)、TBPガスの温度を5℃に制御した。
成長は、TBPガスを2×10-3Torrで、TEIガ
スを2.5×10- 6Torrで、TMIガスを5×10
- 6Torrで供給しながら行った。このとき、載置台1
03に設置した加熱ヒータを用いてInP基板102を
加熱して、360℃で5分間保持した後、成長温度であ
る320℃に加熱した。なお、基板温度は放射温度計1
05で監視した。
を30秒間、真空引きを2秒間、TMIガス又はTEI
ガス供給を1秒間、真空引きを2秒間とした。このガス
供給サイクルを200サイクル繰り返して結晶成長させ
て厚さ40nm程度の成長を確認した。この場合、In
P表面に有機燐化合物が吸着し、表面反応により有機燐
化合物のPと基板のInとが結合し、真空引きにより有
機燐化合物の燐と有機物基との間の結合が切れて揮発性
の高い有機物基が除去されることにより結晶が成長す
る。また、InP表面に有機インジウムが吸着し、表面
反応により有機インジウムのInと基板のPとが結合
し、真空引きにより有機インジウムのインジウムと有機
物基との間の結合が切れて揮発性の高い有機物基が除去
されることにより結晶が成長する。
体窒素を入れずに、ターボポンプ109とロータリーポ
ンプ110を用いて行った。今後、製造用設備として使
用する場合や、InGaAs/InPなどの混晶半導体
の量子井戸構造を作製する場合には、ガスを超高真空ま
で排気する必要があるために液体窒素トラップの使用が
必須となる。
ず、TEIガスを用いて成長した結果を図11に示す。
成長温度は340℃であり、当初の予測より高い温度と
なった。結晶の成長速度は、ガス供給1サイクルあたり
の膜厚として示した。TEIガス供給圧力が増加するに
従い成長速度が上昇し、単原子層厚付近で成長速度一定
の領域が現れる。これの領域では、成長が停止した状態
となるので、いわゆる自己停止型成長となる。このた
め、TEIガス供給圧力に依存しない成長が実現される
成長条件が得られた。この圧力では、TEIガスの供給
時間にも成長速度が依存しないことを確認した。このよ
うな成長速度一定の領域が現れるのは、例えばIn原子
上には1原子層分のPしか吸着しないため、1回のガス
導入によりつねに1原子層に相当する厚みの結晶しか成
長するためである。
図12に示す。成長温度は320℃である。TMIガス
の場合も、成長速度が一定となるTMIガス供給圧力範
囲が存在することが分かった。なお、Inとメチル基の
ようがInとエチル基の場合より分子結合が強力である
ため、自己停止型成長を与える圧力範囲はTMIガスの
方が広くなった。
昇する場合、有機燐ガスを供給しながら昇温すると、基
板上で有機燐が分解して炭素などの有機物が基板上に堆
積する。このような場合でも有機物の堆積を防止する目
的として、PH3ガスを供給する。有機基を含まないP
H3ガスを供給することにより、高温加熱時の有機物の
基板上への堆積が抑制されるので、昇温中の炭素の取り
込みを減少することができる。
ガスを用い、燐が基板から離脱することを抑制しながら
原料ガスのパージを行う高速真空引きを行うことによ
り、すなわち結晶表面から燐が離脱する前に有機燐化合
物ガスを1原子層厚までパージすることができるチャン
バ内圧力、例えば1Pa以下が実現できる高速真空引き
を行うことにより、原料ガスを分解することなく、効率
良く自己停止型単分子層成長を行うことができ、良好に
薄膜形成を行うことができる。この場合、結晶成長を1
Pa以下の圧力で実施することができる。通常の結晶評
価方法で結晶を評価することが可能となる。
用いることにより、熱分解温度を低下させることができ
る。また、有機燐化合物ガスは蒸気圧が比較的低いの
で、液体窒素トラップで捕獲できる。したがって、原料
ガス供給後のパージ時間を短縮することができる。その
結果、結晶表面から燐が離脱する前に原料ガスをパージ
することができ、良好な結晶成長を実現することができ
る。
を供給することにより、有機金属化合物の有機基が水素
と反応して蒸気圧の低いガスとなり、離脱しやすくなる
ので、良好な結晶性が実現される。さらに、水素化物ガ
スを供給した後に水素ガスを供給することにより、水素
化物濃度が低下するので、水素化物ガスの分圧を減少さ
せることができる。その結果、パージ時間を短縮するこ
とができるため、パージ中の燐の蒸発を抑制することが
でき、結晶性が向上する。。
を行う場合、結晶内に炭素などの有機物が混入して、結
晶性が劣化する場合がある。本実施の形態では、炭素の
結晶内への取り込みを抑制する方法を提供する。結晶内
への有機物の混入は、V族ガスを従来の水素化物ガスか
ら有機燐化合物にしたためと考えられる。V族ガスを構
成する種々の物質の構造を以下に示す。
つ存在している。一方、TBPは、PとHの結合が2つ
であり、TDMAPは、PとHの結合が存在していな
い。PとHの結合が存在している場合には、反応中にP
から解離した水素がTMIのメチル基(CH3)と反応
してメタン(CH4)となって排気され、PH3+TMI
⇔InP+4CH4↑の反応が右に進みInPが形成さ
れる。TBPとTDMAPの場合には、水素が不足する
ので、TMIのメチル基の結合が切れず、結晶の成長レ
ートが減少するとともに、結晶内への炭素(C)の取り
込みが増加する。
ことにより、TBP+TMI+H2⇔InP+3CH4+
C4H10↑や、TDMAP+TMI+3H2⇔InP+3
CH4+3(C2H7N)↑の反応を生じさせる。これに
より、反応が右に進みInPが形成される。
するためには、成長中は常時10-5Torr程度の水素
ガスを供給し続ける必要がある。また、水素ガス供給に
より、成長室内の圧力が上昇するために、結晶性が低下
することがある。これを抑制するために、V族元素ガス
を供給する時のみ同時に水素ガスを供給するようにす
る。このような供給方法でも同様な効果、すなわち良好
な結晶成長が得られる。また、パージを行っているとき
のみ水素ガスを供給するようにしても同様の効果が得ら
れる。
用いた場合において、 PH3ガス供給後にH2ガスを供
給することにより、PH3ガス濃度が低下するので、P
H3ガス分圧を低下することができる。その結果、パー
ジ時間を短くしても、InP基板上に存在するPH3ガ
ス分圧が低下して、結晶成長に及ぼす影響、すなわち3
次元成長による表面の白濁化などを抑制することができ
る。
は、InP結晶のエッチングを行う場合において、エッ
チングガスとして有機燐化合物を使用することにより、
デジタルエッチングを実現できるエッチング装置及びエ
ッチング方法を提供する。ここでは、エッチングガスと
してTDMAPガスやTBPガスを使用したInP結晶
のエッチングについて説明する。
以上に加熱したInP基板上に間欠供給することによ
り、InP基板がエッチングされることが明らかとなっ
た。図13にその場合のエッチング深さとエッチング回
数の関係を示す。TDMAPガスやTBPガスの供給量
は1×10-4Torr、供給時間5秒、真空引き時間5
秒である。この条件でTDMAPガスやTBPガスの供
給と真空引きを300回繰り返した。
PガスやTBPガスのような分解温度の低い有機燐ガス
を使用している。このように、結晶に吸着や分解し易い
ガスをエッチングガスとして用いることにより、有機燐
ガスが結晶に吸着した後に結晶を構成する元素と反応を
おこして、真空引き中にこの反応成生物が離脱してエッ
チングが促進されることになる。
はエッチング回数に比例して増加した。なお、エッチン
グ速度は、1サイクルあたりのエッチング深さと定義し
た。通常、エッチング深さはエッチングガスの供給量や
供給時間に比例して増加するが、TDMAPガスやTB
Pガスの場合には図14に示すように、エッチング速度
はエッチングガスの供給量に依存しないデジタルエッチ
ングとなった。
度はエッチングガスの供給時間にも依存しなかった。こ
のように、一回のガスの供給により、ほぼ1層ずつ原子
がエッチングされていくために、エッチング速度がガス
供給量やガス供給時間に依存しなくなる。その結果、こ
のエッチング方法では、エッチング深さのばらつきの原
因となる、エッチングガスの供給量及び供給時間依存性
を示さないので、エッチング深さの制御性が向上した。
合物が吸着し、表面反応によりInとPとの結合ができ
る。この状態で真空引きによりInが基板から引き抜か
れる。Inが引き抜かれた基板におけるPは抜け易くな
っているので、Pも基板から離脱する。これによりエッ
チングが行われる。なお、上述した結晶成長とエッチン
グとの違いは、ガス圧力であると考えられ、ガス圧力が
5×10-4Torr以下である場合には、エッチングが
進行する。ガス圧力が5×10-4Torr以上であって
もエッチングは進行するが、第III族ガスが存在すると
結晶成長が進行する。なお、エッチングガスとしては、
上記有機燐化合物ガスの他にホスフィンガスのような燐
化合物ガスを用いることもできる。
構成する元素を含みかつ真空中で蒸発し易い化合物を加
熱した基板上に間歇供給することにより、GaAs(T
MAs,TBAs,TDMAAsを間歇供給),Si
(DMSi,DESi,TMSi,TESiを間歇供
給),GaN(DMH,DEHを間歇供給),ZnSe
(DMSe,DESe,TBSeを間歇供給)などの結
晶においてもデジタルエッチングを実現できると考えら
れる。
原子層ずつ結晶をエッチングすることが可能であるの
で、量子ドット形成時に生ずるウエッティン層の除去が
可能となる。また、InP基板上にはInドットが微細
に発生しているために、量子ドット構造を作製する上で
の核を形成することが可能となる。
とTDMAPやTBPを交互に供給することにより、単
分子層エッチングが可能となる。この場合、エッチング
時の面方位は(11x)面となるため、(111)面の
エッチングを行う場合には、エッチングガスの供給量を
調整する。また、同じ有機燐ガスであるTBBDMAP
(t−ブチルビスジメチルアミノホスフィン)でも同様
なエッチングが可能である。
ドーピングしていない基板やFeドープ基板を用いた場
合では、エッチング後にInドットが形成されたが、V
CZ(蒸気圧制御チョクラルスキー)法で作製した硫黄
(S)ドープ基板を用いた場合には、エッチング後にI
nドットが形成されず鏡面が得られた。この事実から、
基板の電導度が大きく、あるいは転位密度が低いほど、
表面状態のよいエッチングが可能であることが分かっ
た。したがって、基板のキャリア濃度を1×10 16cm
-3以上とするか、転位密度を1×104cm-2以下とす
る必要があることが分かった。
ングを1Pa以下の圧力で実施することで外部トリガを
不要とすることができる。また、原料ガスには、塩素を
含まないエッチングガスを用いるので、装置の腐食を防
止することができる。
形態3で説明したエッチングを行い、その後連続して実
施の形態1で説明した結晶成長を同一チャンバ内で行う
方法を提供する。従来は、エッチングガスと成長用ガス
が異なるために、同一チャンバ内で連続して結晶成長を
実施することが非常に困難であった。これは、結晶成長
時にエッチングガスが存在すると、成長した結晶の表面
状態を悪くするからである。
料ガスを用いているので、エッチング後にガスを排気す
る必要が無く、連続して成長を実施できる。また、エッ
チング温度と結晶成長温度がほぼ同じであるために、エ
ッチング後に成長温度になるまで待機する必要が無い。
このため、同じチャンバ内で連続してエッチング及び結
晶成長を行うことにより、極めて表面状態の良い結晶が
得られた。
ャンバ外で行った場合には、基板を結晶成長用のチャン
バに移動する間に結晶表面が汚染され、その後結晶を成
長しても元の結晶と成長した結晶との間の界面に不純物
が堆積してしまうが、エッチングと結晶成長を連続して
同一チャンバ内で実施することにより、結晶表面の汚染
を防止して、結晶界面への不純物の堆積を抑制すること
ができる。
合には、エッチングのみでは濃度を低下できない。この
ため、本発明の方法により、まず、数原子層結晶を成長
して不純物を結晶中に固定した後、エッチングにより除
去して、再度結晶成長を行う。これにより、界面の不純
物濃度を低下させることができる。
成長について説明しているが、本発明はGa原料として
TMGを用い、As原料としてAsH3用い、目的とす
る混晶比率に応じた原子層の数の比率で成長を行うこと
で、V族元素にPを用いるInGaAsP混晶やGaP
混晶の成長にも同様に適用することができる。
置台に設置した加熱ヒータを用いた場合について説明し
ているが、本発明では、基板上に設置した白熱ランプか
らの光をInP基板上に集光することにより基板加熱を
行っても良い。
法及び薄膜形成装置によれば、InP結晶においても効
率良く自己停止型の単分子層成長及びエッチングを実現
することができ、その実用的効果は極めて大きい。
成を示す概略図
インの構成を示す図
説明するための図
係を示すグラフ
の関係を示すグラフ
の蒸気圧と温度との関係を示すグラフ
を示すグラフ
を示すグラフ
蒸気圧と温度との関係を示すグラフ
すグラフ
すグラフ
すグラフ
係を示すグラフ
係を示すグラフ
Claims (18)
- 【請求項1】 周期律表第III族元素を含む有機金属ガ
ス及び周期律表第V族元素の前記被処理体からの離脱を
抑制する程度の圧力を有する前記周期律表第V族元素を
含む有機化合物ガスを処理室内の被処理体上に交互に供
給して前記被処理体上に結晶成長させる工程と、前記有
機化合物ガスを供給した後に、前記被処理体表面に吸着
した前記有機化合物を1原子層程度とする処理室内圧力
を実現する真空引きを行う工程と、を具備することを特
徴とする薄膜形成方法。 - 【請求項2】 前記有機化合物ガスを液化させて捕捉す
る工程を具備することを特徴とする請求項1記載の薄膜
形成方法。 - 【請求項3】 水素ガスを供給する工程を具備すること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の薄膜形成方
法。 - 【請求項4】 水素ガスを供給する前に前記周期律表第
V族元素の水素化物ガスを供給する工程を具備すること
を特徴とする請求項3記載の薄膜形成方法。 - 【請求項5】 前記被処理体表面に吸着した前記有機化
合物を1原子層程度とする処理室内圧力が1Pa以下で
あることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
に記載の薄膜形成方法。 - 【請求項6】 前記有機化合物ガスが有機燐化合物ガス
であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれ
かに記載の薄膜形成方法。 - 【請求項7】 前記有機燐化合物ガスが、ターシャリー
ブチルフォスフィンガス、トリスジメチルアミノフォス
フィンガス、及びターシャリーブチルビスジメチルアミ
ノホスフィンガスからなる群より選ばれたものであるこ
とを特徴とする請求項6記載の薄膜形成方法。 - 【請求項8】 被処理体を構成する元素を含むガスを処
理室内の前記被処理体上に間欠的に供給して前記被処理
体をエッチングする工程と、前記ガスを供給した後に真
空引きを行う工程と、を具備することを特徴とするエッ
チング方法。 - 【請求項9】 前記被処理体が第V族元素を含む材料で
構成され、前記ガスが第V族元素を含むことを特徴とす
る請求項8記載のエッチング方法。 - 【請求項10】 前記ガスが燐化合物ガスであることを
特徴とする請求項8又は請求項9記載のエッチング方
法。 - 【請求項11】 前記燐化合物がターシャリーブチルフ
ォスフィンガス、トリスジメチルアミノフォスフィンガ
ス、及びターシャリーブチルビスジメチルアミノホスフ
ィンガスからなる群より選ばれたものであることを特徴
とする請求項10記載のエッチング方法。 - 【請求項12】 前記被処理体が1×1016cm-3以上
のキャリア濃度を有することを特徴とする請求項8から
請求項11のいずれかに記載のエッチング方法。 - 【請求項13】 5×10-4Torr以下のガス圧力下
でエッチングを行うことを特徴とする請求項8から請求
項12のいずれかに記載のエッチング方法。 - 【請求項14】 周期律表第V族元素を含むガスを処理
室内の被処理体上に間欠的に供給して前記被処理体をエ
ッチングする工程と、前記ガスを供給した後に真空引き
を行う工程と、周期律表第III族元素を含む有機金属ガ
ス及び周期律表第V族元素を含む有機化合物ガスを前記
処理室内のエッチング後の被処理体上に交互に供給して
前記被処理体上に結晶成長させる工程と、前記有機化合
物ガスを供給した後に、前記被処理体表面に吸着した前
記有機化合物を1原子層程度とする処理室内圧力を実現
する真空引きを行う工程と、を具備することを特徴とす
る薄膜形成方法。 - 【請求項15】 エッチングする工程の前に、前記被処
理体上に10原子層程度の結晶を成長させることを特徴
とする請求項14記載の薄膜形成方法。 - 【請求項16】 前記ガスが燐化合物ガスであり、前記
有機化合物ガスが有機燐化合物ガスであることを特徴と
する請求項14又は請求項15に記載の薄膜形成方法。 - 【請求項17】 前記燐化合物ガス及び有機燐化合物ガ
スが、ホスフィン、ターシャリーブチルフォスフィンガ
ス、トリスジメチルアミノフォスフィンガス、及びター
シャリーブチルビスジメチルアミノホスフィンガスから
なる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項
16記載の薄膜形成方法。 - 【請求項18】 被処理体を収容する処理室と、周期律
表第III族元素を含む有機金属ガス及び周期律表第V族
元素を含む有機化合物ガスを前記処理室内に供給するガ
ス供給ラインと、前記有機金属ガスと前記有機化合物ガ
スを前記処理室内に交互に供給するように制御する供給
制御手段と、ガス供給後に前記処理室に対して真空引き
を行う吸引手段と、を具備し、前記ガス供給ラインの先
端部が内径2mm以上の略直線形状を有する配管で構成
されていることを特徴とする薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251047A JP2000082673A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251047A JP2000082673A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000082673A true JP2000082673A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17216833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10251047A Pending JP2000082673A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000082673A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2007037233A1 (ja) * | 2005-09-27 | 2009-04-09 | 株式会社日立国際電気 | 基板処理装置 |
JP2015053457A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 日本電信電話株式会社 | 光半導体装置の製造方法 |
JP2017537478A (ja) * | 2014-09-26 | 2017-12-14 | フィリップス−ウニヴェルシテート・マールブルク | 少なくとも1種類の15族元素二元化合物の使用法、iii−v族半導体層、及び15族元素二元化合物 |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP10251047A patent/JP2000082673A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2007037233A1 (ja) * | 2005-09-27 | 2009-04-09 | 株式会社日立国際電気 | 基板処理装置 |
JP4874984B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2012-02-15 | 株式会社日立国際電気 | 基板処理装置 |
JP2015053457A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 日本電信電話株式会社 | 光半導体装置の製造方法 |
JP2017537478A (ja) * | 2014-09-26 | 2017-12-14 | フィリップス−ウニヴェルシテート・マールブルク | 少なくとも1種類の15族元素二元化合物の使用法、iii−v族半導体層、及び15族元素二元化合物 |
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