JP2000074803A - プレ―ト上に血液塗抹標本を自動的に準備する装置 - Google Patents

プレ―ト上に血液塗抹標本を自動的に準備する装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液中に存在している細胞の量に関係なくプ
レートに一様に分布でき、従来の塗布作業に基く汚染の
危険なしに塗布作業を実施でき、プレート同志の付着に
伴う問題を解決でき、有毒な蒸気の移動を阻止する。 【解決手段】 本発明の装置は、新しいプレート１８を
貯蔵する貯蔵ユニット１６と、プレートを取出す取出し
ユニットと、プレートに一滴の血液３８を滴下する滴下
ユニット３４と、血液塗抹標本５０を作るために一滴の
血液をプレート上に塗布する塗布ユニット４８と、プレ
ートの予備領域４６に付加するマーキングユニット７９
と、血液塗布標本を乾燥する乾燥ユニット８０と、血液
塗抹標本を着色する着色ユニット９０と、着色されたプ
レートを排出する出力ユニット９２と、これらのユニッ
ト間でプレートを移動する移送手段８２，８８とから成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液学的分析の分
野に関するものであり、より詳細にはプレート上に血液
塗抹標本を準備することに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】この特殊な分野において、顕微鏡の下で
分析用のガラスプレートのようなプレート上に血液サン
プルの一滴を滴下し、そして血液塗抹標本として知られ
るものを作るために、プレート上にこの滴を塗布するこ
とは公知である。顕微鏡で引き続き分析できるようにす
るため、血液塗抹標本はその後乾燥され、少なくとも一
つの適当な試薬で着色される。実際、この形式のプレー
トの分析により、関連した血液サンプルの組成を測定す
ることができるようになり、このことは特殊な病理学上
の診断のために非常に重要である。
【０００３】この形式の血液塗抹標本は自動化装置によ
って準備され得る。この装置は、新しいプレートの上に
血液を滴下し、塗布するという多数の作業と、その次の
種々の乾燥や着色のような処理作業とを実施する。こう
して処理されたプレートは適当な容器に集められる。
【０００４】この形式の装置は、特に米国特許第４, ０
３４, ７００号公報、欧州特許第０７３５３５８号公報
及び国際公開公報ＷＯ９７／１８４５７から既に公知で
ある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この形
式のプレートの自動提供では種々の問題点が提起されて
おり、特に血液の塗布に関しては、血液中に存在してい
る細胞の量に関係なくプレート上に細胞を一様に分布さ
せるために完全に制御されなければならない。
【０００６】また、この塗布作業は、従来の塗布作業に
基く汚染の危険なしに実施される必要がある。
【０００７】別の問題点は、薄くて比較脆いガラスプレ
ートから成り、その上、新しくて積重ねられた状態で配
置されている時に、互いに自然に付着する傾向があると
いう欠点を有するプレート自体の取扱いに関連してい
る。
【０００８】さらに別の問題点は、プレートの着色作業
を実施するために、試薬瓶から有毒製品を使用したり、
また溶剤による洗浄作業を実施することに関連してい
る。従って、有毒な蒸気の移動を阻止できることが本質
である。
【０００９】これら及びその他の問題点の全ては、従来
の技術によれば、公知の血液塗抹標本の準備装置によっ
てまだ満足に解決されてない。
【００１０】
【課題を解決するための手段】特に、本発明の目的は、
上記の問題点を解決することである。
【００１１】この目的を達成するために、本発明のプレ
ート上に血液塗抹標本を自動的に準備する装置は、水平
に移動され、かつ垂直の積み重ね体に積み重ねられた新
しいプレートを貯蔵する貯蔵ユニットと、選択された取
出し方向へ移動自在であり、かつ前記プレートを後続の
ユニットへ移送するため前記積み重ね体の基部に移され
た前記プレート上で作用し、前記取出し方向に垂直であ
る水平面に関して便宜的に１°〜３０°の鋭角を形成す
るため前記プレートの長手方向縁部に作用する刃の形態
である押圧部材を備えると共に、前記積み重ね体から前
記プレートを取出す取出しユニットと、前記積み重ね体
から取り出した前記プレート上に一滴の血液を滴下する
滴下ユニットと、一様に分布された血液塗抹標本を作る
ために、制御された状態のもとで前記一滴の血液を塗布
する塗布ユニットと、前記プレートの予備領域に同一確
認手段を付加するマーキングヘッドを備えたマーキング
ユニットと、前記血液塗抹標本を乾燥する乾燥ユニット
と、前記血液塗抹標本を着色する着色ユニットと、こう
して着色された前記プレートを排出する出力ユニット
と、予め決定された経路に従って前記ユニットの間で前
記プレートを移動する移送手段とを有する。
【００１２】従って、本発明による装置によって、プレ
ートが連続して移送される特定のユニットにより、すな
わち移送手段により必要な種々の作業を実施できる。こ
れらのユニットにおいて、プレートは、完全に制御され
た状態で特定の作業を受ける。
【００１３】特に、取出しユニットによって、上記の付
着の問題なしに、積み重ね体からプレートを取り出すこ
とができる。
【００１４】さらに、塗布ユニットは制御された状態で
一滴の血液を塗布し、これにより、一様に分布された血
液塗抹標本を作ることができる。
【００１５】本発明の好ましい実施の形態によれば、前
記塗布ユニットが、前記一滴の血液を滴下した前記プレ
ートの表面に対して用いられ、予め決定された角度を形
成するカウンターブロックと、制御された厚さに血液塗
抹標本を形成するために、前記プレートとカウンターブ
ロックとの間の直線運動で相対的な移動を与えるための
手段とを備え、前記カウンターブロックがプラスチック
材料のたわみ部片で覆われ、該たわみ部片が巻取及び送
出手段で支持され、前記たわみ部片が血液と接触する部
分を有し、二つの連続する塗布作業の間に移されるよう
にした。これにより、汚染の何らかの危険を避けること
ができる。
【００１６】前記巻取及び送出手段が、新しい部片を送
出す第１のボビンと、血液で汚れた部片を巻取る第２の
ボビンとを便宜的に備え、好ましくはこれらのボビンが
ケーシング内に収納された。
【００１７】前記塗布ユニットが、塗布速度及び厚さを
調整するために使用される測定値を導き出すために、前
記プレート上に滴下された前記一滴の血液の光透過率を
測定する測定ユニットを備えた。
【００１８】前記測定ユニットは、前記一滴の血液を適
切な位置に置いた時、前記プレートの両側に配置される
エレクトロルミネセントダイオードとフォトダイオード
とを備えた。
【００１９】本発明の好ましい実施の形態によれば、前
記着色ユニットが、垂直軸線のまわりで回転できるよう
に装着され、周囲に分配された複数のウエルをもち、且
つ垂直状態で前記プレートをそれぞれ受け取るターンテ
イブルと、ウエルからウエルへ順に前記ターンテーブル
の角度回転を確保するための手段と、ウエルに処理流体
を充填すると共に、そのウエルから中味を取出す充填及
び取出し手段とを備えた。
【００２０】前記充填及び取出し手段が、少なくとも二
つのプランジャー針を備え、該プランジャー針が前記ウ
エルから引き出された高位置と、前記ウエル内に差し込
まれた低位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸線
と平行に直線運動的に移動自在な支持体によって支持さ
れた。
【００２１】本発明の有利な特徴によれば、プレートが
ウエル内に収容された位置では、前記プレートを同一確
認する手段が上方部分に配置され、前記ウエル内に収納
された流体の外側に配置されるようにした。
【００２２】本発明の別の有利な特徴によれば、前記着
色ユニットが、前記ターンテーブル及びウエルを収容す
る閉じた包囲体を備えた。
【００２３】本発明の好ましい実施の形態によれば、前
記出力ユニットが、空のバスケットを貯蔵及び前進さ
せ、前記着色ユニットから出てきたプレートを受け取る
貯蔵及び移動手段を備えた。
【００２４】本発明の好ましい実施の形態によれば、前
記移送手段が、前記貯蔵ユニットから前記乾燥ユニット
まで前記プレートを水平状態で一つずつ移動する往復台
を備えた。
【００２５】さらに、これらの前記移送手段が、前記乾
燥ユニットの近くに配置され、前記プレートを垂直状態
へもたらす傾斜手段を備えた。
【００２６】有利には、前記移送手段が、さらに、前記
乾燥ユニットと着色ユニットと出力ユニットとの間で垂
直状態にあるプレートを移動する操作ブラケットを備
え、該操作ブラケットが、固定支持体と、該固定支持体
に関して垂直に移動自在な水平梁部材と、該水平梁部材
に沿って直線運動的に移動自在なスライド部材と、プレ
ートをあるユニットから別のユニットへ移すために該プ
レートを握持及び解放する制御握持手段とを備えた。
【００２７】
【発明の実施の形態】まず図１及び図２を参照すると、
本発明による血液塗抹標本の準備装置１０が示されてい
る。この実施の形態において、この装置１０は平行に血
液像を形成する装置１２と結合されている。本実施の形
態において、装置１２はフランスのＡＢＸ社から販売さ
れたＡＢＸ−ＶＥＧＡ型のものである。
【００２８】装置１０は長方形の基板１４を有し、この
基板１４は種々のユニット、第１に新しいプレート１８
の貯蔵ユニット１６を支持している。これらのプレート
１８は長方形のガラスプレートであり、水平に配置さ
れ、垂直な積み重ね体の中に重ねられ、そして柱部材２
０の間に保持されている（図１）。このような配置によ
って作動中に補充が可能となるので、作業者が新しいプ
レートを積み重ね体の頂部に単に置きさえすればよい。
【００２９】本発明による装置はさらに、取出しユニッ
ト２２（図３）を有し、この取出しユニット２２は積み
重ね体の底部に位置したプレートを取出し、取出された
プレートを（図３に概略的に示された）往復台２４の上
へ持って来るために提供されている。この時、往復台２
４は、本発明による装置に含まれた他のユニットへプレ
ートを運搬する。
【００３０】プレート同志がくっ付き合う傾向があるの
で、プレートの取出しには常に問題が伴い、従来技術に
よる自動装置ではしばしば多くの障害が発生している。
【００３１】この問題を解消するために、本発明によれ
ば、取出しユニット２２は押圧部材２４を備えており、
この押圧部材２４は、図２、図３、図４に矢印で示すよ
うに取出し方向ＤＥに変位できる。押圧部材２４は、水
平刃の形態を成し、その厚さは取出されたプレートの厚
さより薄い。この刃は前方エッジとしても知られ、プレ
ート１８の長手方向縁部２８に作用できる長手方向縁部
２６を備えている。本発明の一つの特徴は、取出し方向
ＤＥがプレート１８の長手方向縁部２８に垂直でないこ
とである。実際、図３及び図４に見られるように長手方
向縁部２８は取出し方向ＤＥに垂直な水平面Ｎに対して
鋭角Ａを成している。この鋭角Ａの値は便宜的に１〜３
０°である。例えばこの角度が３°である場合には、プ
レート１８の長手方向縁部２８が取出し方向ＤＥに対し
て９３°の角度を成す。
【００３２】このようにずれた角度を有するプレート用
の積み重ね体を設置することにより、プレートの比較的
有効な分離が可能となり、プレート同志のくっ付き合い
により生じる停止やスローダウンが制限されることがわ
かった。二枚のプレートを９０°の角度で引っ張って剥
がすために必要な平均力はほぼ１５ニュートンであるの
に対して、９３°の角度で引っ張って剥がす場合には僅
かに５ニュートンであることが実験で示すことができ
た。
【００３３】押圧部材２４は、ロッド３０（図３）によ
って直線的に案内され、その変位は、便宜的に、図３に
概略的に示された組立体３２によって得られ、この組立
体３２はステップモーター及びボールねじを備えてい
る。
【００３４】プレートが往復台２３上にひとたび置かれ
ると、そのプレートは装置の次のユニットすなわち滴下
ユニット３４（図２）の段階となる。滴下ユニット３４
にはセンサー３６（図５）が設けられ、このセンサー３
６は、本実施の形態では装置１２の一部であるが、一つ
の変形例として装置１０自体の一部として構成してもよ
い。このセンサー３６は、変位手段（図示せず）によっ
て動かされ、またサンプル管（図示せず）から血液を集
め、そして往復台２３上に丁度載せられた新しいプレー
ト１８上に一滴の血液３８（図２及び図５）を滴下する
ように構成されている。往復台２３上において、プレー
ト１８は、固定止め部材４０とクリップとしても知られ
る傾斜把持部材４２との間に保持されている。
【００３５】血液の滴下はセンサー３６によってプレー
ト上の予定の位置に滴下される。往復台２３が直線的に
動かないように、プレートがしっかりと保持されてい
る。血液の滴下量は予め決められ、ユーザーによって調
整され得る。
【００３６】往復台２３は、取出し方向ＤＥに垂直な移
送方向ＤＴ（図２及び図５）に従って水平直線的に変位
され得る。往復台２３の直線的な移動は、適当な駆動手
段、例えば図５に概略的に示すベルト４４によって行わ
れる。
【００３７】図２に見られるように、プレート１８はほ
ぼ長方形の予備領域４６をもち、この予備領域４６はプ
レート１８の一端に設けられ、また一滴の血液３８が、
この予備領域４６の近くのプレート上に滴下される。
【００３８】それから、駆動手段は塗布ユニットとして
知られ、一滴の血液を塗布し、且つ血液塗抹標本５０を
形成するために設けられたユニット４８（図２）に向っ
て往復台２３を変位させる。塗布ユニット４８は、プレ
ートを移送する往復台２３の通路上に配置されている。
【００３９】塗布ユニット４８（図６）は、プレート上
に滴下された一滴の血液３８について光透過率を測定で
きる測定ユニットを備えている。この測定ユニットは、
一滴の血液３８の位置においてプレート１８の両側に配
置されたエレクトロルミネセントダイオード５２及びフ
ォトダイオード５４を備えている。この場合、エレクト
ロルミネセントダイオード５２は、プレート１８の上面
５６と同じ側に配置され、血液３８の滴を受け入れる。
図示例では、エレクトロルミネセントダイオード５２は
５６０ｎｍで発光する。
【００４０】それから、血液の滴の厚さ及びその含有物
に依存した光の透過率（ＴＯ）の測定値が得られる。実
験によれば、この測定値は関連した血液のヘマトクリッ
ト（赤血球容積率または血球遠心分離装置）読取り値に
逆比例することがわかった。こうして得られた測定値に
基いて、血液の塗布速度と血液塗抹標本の厚さとが調整
される。
【００４１】従って、多数の細胞を含み、高いヘマトク
リット読取り値を有する血液サンプルは低いＴＯ測定値
を示し、従って高い塗布速度を生じる。逆に、ヘマトク
リット読取り値の低い血液サンプルは高いＴＯ測定値
と、遅い塗布速度とを示す。
【００４２】この測定値に基いて、塗布速度を正確に制
御することができ、血液サンプル中に存在する細胞の量
に関係なくプレート上に細胞を一様に分布させることが
できる。
【００４３】この測定が実施されると、塗布ユニット４
８において図７に示すツール５８により塗布作業が行わ
れる。ツール５８は固定された支持体６０を備えてい
る。この支持体６０はカウンターブロック６２を支持
し、カウンターブロック６２と板１８との間の相対的な
変位によって塗布作業を実施するように構成され、往復
台２３によって支持されている。本実施の形態では、そ
の相対的な変位は、塗布作業を生じる移送方向ＤＴへ往
復台２３によって移動させられたプレート１８の変位で
ある。カウンターブロック６２は、矢印Ｈで示されるよ
うに、支持体６０の高さを調整できることを除いて、固
定位置に留まっている。さらに、図面から判るように、
カウンターブロック６２は隆起部６４を備えている。こ
の隆起部６４は縁部６６に接続され、プレート１８の上
面５６で調整可能な角度Ｂを成している。塗抹標本の厚
さを調整するため必要に応じて、この調整可能な角度Ｂ
を変更できる。一般的には、角度Ｂはほぼ３０°であ
る。
【００４４】図７に見られるように、カウンターブロッ
ク６２は一滴の血液と直接接触しない。この目的で、本
発明は、プラスチック材料例えばポリエチレンから成る
たわみ部片６８を有し、このたわみ部片６８は、カウン
ターブロック６２の隆起部６４及び縁部６６を完全に覆
うようにカウンターブロック６２の周囲に張られてい
る。ツール５８はたわみ部片６８を巻取ったり送出した
りする手段を備えている。これらの手段は、新しいたわ
み部片を送出す第１のボビン（送出しボビン）７０と、
血液で汚れたたわみ部片を巻き取る第２のボビン（巻取
りボビン）７２とを備えている。カウンターブロック６
２のまわりの通路と、第２のボビン７２のまわりに巻き
取られる通路との間で、たわみ部片が戻しローラ７４，
７６，７８のまわりを通過する。
【００４５】後続の血液塗抹標本のためにたわみ部片の
空白部分を形成すると共に、汚染の危険を防止するため
血液と接触するたわみ部片６８の部分は二つの連続した
塗布作業間に移される。
【００４６】たわみ部片６８を完全に使い切って交換し
なければならない場合には、便宜的に第１のボビン７０
及び第２のボビン７２がケーシング内に収納される。
【００４７】血液塗抹標本５０を支持するプレート１８
は、再び往復台２３によってマーキングユニット７９
（図２）へ移送される。マーキングユニット７９は、例
えば、インクリボンを備えたニードルマトリックス型の
プリントヘッドから成る。プレート１８は上述の予備領
域４６上にマークされる。印刷インクを十分に付着可能
とするため、この領域は磨かれ、または予め塗装されな
ければならない。
【００４８】変形の実施の形態では、マーキングが別の
方法で、例えば上述の塗布ユニットの位置に配置したリ
ボンまたは他の印刷手段によって実施され得ることに気
づくべきである。
【００４９】マーキングが実施されると、往復台２３は
プレート１８を、乾燥及び傾斜ユニットであるユニット
８０（図１及び図８）に移送する。往復台２３はプレー
ト１８をユニット８０に置き、ユニット８０は傾斜手段
８２によって収容される。傾斜手段８２は、後続のプレ
ート１８を収容するために空の往復台２３を塗布ユニッ
ト４８へ戻すことができる。
【００５０】ポリマー製で便宜的に三つ存在するローラ
ー８４により、傾斜手段８２がプレート１８を支持す
る。その後、プレート１８は、約４０℃に維持されて強
制空気ヒーター８６で運ばれてくる暖かい空気の流れに
晒される。それから、プレート１８を垂直位置（図８に
点線で示す）へ持って来てプレート１８の予備領域４６
を頂部に配置するために、傾斜手段８２（図２及び図
８）がプレート１８を９０°まで傾斜する。
【００５１】それから、こうして垂直状態にされたプレ
ート１８は、図１０及び図１１を参照して詳細に後述さ
れる操作ブラケット８８（図２）によって収集される。
特に、このブラケット８８によってプレート１８を着色
ユニット９０と出力ユニット９２とへ移送できる。
【００５２】着色ユニット９０（図９）は、垂直軸線Ｘ
Ｘをもつ軸９６のまわりを回転するように装着されたタ
ーンテーブル９４を備えている。このターンテーブル９
４は「ウエル」として知られた複数の受け口９８を支持
し、これらの受け口９８は周囲に沿って分配され、図示
例では３２個存在する。これらのウエルは垂直に配置さ
れ、プレート１８に対応して変えられる寸法を備えてい
る。ターンテーブル９４は、図９に概略的に示す駆動手
段１００に接続されている。駆動手段１００はウエルを
順に異なる位置へ動かせるように、除々に増やしながら
ターンテーブル９４を回転できる。こうしてターンテー
ブル９４は、ウエルからウエルへ順次、例えば３０秒毎
に角度回動を実行できる。最初に、空のウエルは、プレ
ート１８を受け入れるためにブラケット８８に対して直
角に配置されている。
【００５３】その後、プレート１８はターンテーブル９
４の各順番の位置で少なくとも一つの作業を受ける。こ
の目的のために、着色ユニット９０はさらに充填及び取
出し手段１０２を備えている。充填及び取出し手段１０
２は、ターンテーブル９４の回転軸線に平行な垂直直線
運動で移すことができる支持体１０４を備えている。本
実施の形態では、支持体１０４はドラム１０６を備え、
このドラム１０６は矢印Ｆ１で示すように、軸９６に沿
って滑動（スライド）できる。支持体１０４は、垂直に
配置された二つのプランジャー針すなわち注入針１０８
と抽出針１１０とを支持している。針がウエル９８から
抜き取られる高位置（図９に実線で示す）と、針がウエ
ル９８内へ差し込まれる低位置との間で支持体１０４を
変位できる。針が選択した着色の取り決めに従って移さ
れるように、針の位置が培養時間を決める。
【００５４】図９に見られるように、プレート１８がウ
エル９８内に収容されている位置では、同一確認手段を
もつプレート１８の予備領域４６が、ウエル９８内に収
容された流体の外部であるように、頂部に配置されてい
る。
【００５５】着色ユニットはさらに閉じた包囲体を備え
ている。この包囲体は、ウエル９８内に注入さた試薬又
は溶剤から発生する有毒蒸気の移動を防ぐために、ター
ンテーブル９４と、ターンテーブル９４に設けられたウ
エル９８とを完全に包囲する基部１１２及びカバー１１
４を備えている。カバー１１４は針を通すための孔１１
６を備えている。
【００５６】MAY-GRUNWALD、GIEMSA、WRIGHT & WRIGHT
GIEMSAの公知の方法によりプレート１８を同一確認する
手段として必要な着色作業の一つを実施するため、ウエ
ル９８に装着されたプレート１８は染料及び他の処理流
体に順次浸漬される。
【００５７】装置１０は、ウエル内に注入され得る種々
の流体の入った瓶と、そして空になった瓶とを入れる凹
部１１８（図１）を備えている。
【００５８】本実施の形態では、溶剤（この場合にはメ
タノール）の入った瓶１２０と、それぞれ二つの異なっ
た染料の入った二本の瓶１２２，１２４とが与えられて
いる。
【００５９】本発明による装置１０に組み合わされる装
置１２が他の試薬１２６，１２８，１３０，１３２（図
２）を入れる凹部１１８を備えていることに気づくべき
である。
【００６０】完全な一回転の後、こうして処理されたプ
レート１８は元の位置、すなわち、ブラケット８８に関
して直角な位置に再度戻される。
【００６１】出力ユニットは、空の積み重ねたバスケッ
ト１３６を収容する受け部１３４（図１及び図２）を備
えている。これらのバスケット１３６は通路１３８に沿
って矢印Ｆ２の方向に一つずつ移される（図１及び図
２）。本実施の形態では、各バスケット１３６は２０個
の凹部を含み、各凹部は操作ブラケット８８で供給され
たプレート１８を垂直状態で収容できる。機械的供給装
置（図示していない）によって、操作ブラケット８８の
真下でバスケット１３６の各凹部を順に位置決めし、そ
して各場合に予め処理されたプレート１８を受けるため
に、バスケット１３６を順次速めて供給できる。バスケ
ット１３６が充填されると、それらのバスケット１３６
は貯蔵領域１４０に貯蔵され、その後、作業者によって
回収される。
【００６２】さらに、装置１０は手で塗布され、そして
着色される必要のあるプレート１８の貯蔵用の受け部１
４２を備えている。実際に、ある場合には、手で塗抹標
本され、すでに血液を与えられたプレート１８を着色す
る必要がある。また、この受け部１４２はブラケット８
８に対して直角に配置されている。この時、着色用ター
ンテーブル９４へプレート１８を直接運ぶため、ブラケ
ット８８によって受け部１４２からプレート１８を集め
ることができる。プレート１８が、着色されると、移さ
れ、バスケット１３６内に入れられる。
【００６３】図１０には操作ブラケット８８でなされる
種々の可能性が概略的に示されている。すなわち、経路
Ｔ１は、血液塗抹標本５０の設けられたプレート１８を
着色用ターンテーブル９４または貯蔵領域１４０のバス
ケット１３６へ運ぶため、このプレート１８を着色する
必要があるか否かに依存している。また、前述したよう
に、受け部１４２の外部に塗布されたプレート１８を着
色台へ運ぶための経路Ｐ２と、プレート１８を着色台か
ら貯蔵領域１４０のバスケット１３６へ移すための経路
Ｐ３とを通ることができる。
【００６４】次に、図１１を参照してブラケット８８の
一般的な構造について説明する。ブラケット８８は、案
内手段を形成する二本の垂直柱部材から成る固定支持体
１４４と、固定支持体１４４に関して垂直方向に移動自
在な水平梁部材１４６と、水平梁部材１４６に沿って移
動自在なスライド部材１４８と、プレート１８をあるユ
ニットから別のユニットへ移動するためプレート１８を
握持できると共に、その後、プレート１８を解放できる
制御握持手段１５０とを備えている。
【００６５】適当な駆動手段（図示していない）によ
り、握持手段１５０が垂直面内の異なった位置を占める
ことができるように、水平梁部材１４６及びスライド部
材１４８を移すことができる。握持手段１５０がある適
当な手段例えば電磁石によって作動される。握持手段１
５０がプレート１８の予備領域４６上で働くことに気づ
くべきである。
【００６６】従って、本発明による装置１０によって、
自動状態で最大の安全性をもって血液塗抹標本を作るこ
とができる。
【００６７】
【発明の効果】以上の如くに、本発明によれば、一滴の
血液の光透過率を測定することにより、血液の塗布速度
と血液塗抹標本の厚さとを調整できる。この測定値に基
づいて、塗布速度を正確に制御することができ、血液サ
ンプル中に存在する細胞の量に関係なくプレート上に細
胞を一様に分布させることができる。
【００６８】後続の血液塗抹標本のためにたわみ部片の
空白部分を形成すると共に、汚染の危険を防止するため
に血液と接触するたわみ部片の部分は二つの連続した塗
布作業間に移される。
【００６９】ずれた角度を有するプレート用の積み重ね
体を設置することにより、プレートの比較的有効な分離
が可能となり、プレート同志のくっ付き合いにより生じ
る停止やスローダウンを制限できる。
【００７０】着色ユニットはさらに閉じた包囲体を備え
ている。この包囲体がターンテーブルと、ターンテーブ
ルに設けられたウエルとを完全に包囲する基部及びカバ
ーを備えているので、ウエル内に注入された試薬又は溶
剤から発生する有毒蒸気の移動を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による装置の概略的な斜視図である。
【図２】図１における装置の平面図である。
【図３】貯蔵ユニット及び取出しユニットの平面図であ
る。
【図４】取出しユニットの動作方法を示す図である。
【図５】往復台で支持されたプレート上に一滴の血液を
滴下する滴下ユニットの一部であるセンサーを示す図で
ある。
【図６】塗布ユニットに組合された光透過率の測定ユニ
ットを示す図である。
【図７】塗布ユニットの手段を示す図である。
【図８】乾燥及び傾斜ユニットの傾斜手段を示す図であ
る。
【図９】着色ユニットの垂直断面図である。
【図１０】操作ブラケットの種々の経路を概略的に示す
図である。
【図１１】操作ブラケットの概略的な正面図である。
【符号の説明】
１０ 血液塗抹標本の準備装置 １６ 貯蔵ユニット １８ プレート ２２ 取出しユニット ２３ 移送手段（往復台） ２４ 押圧部材 ２８ 長手方向縁部 ３４ 滴下ユニット ３８ 一滴の血液 ４６ 予備領域 ４８ 塗布ユニット ５０ 血液塗抹標本 ５２ 測定ユニット（エレクトロルミネセントダイオー
ド） ５４ 測定ユニット（フォトダイオード） ６２ カウンターブロック ６８ たわみ部片 ７０ 送出手段（第１のボビン） ７２ 送出手段（第２のボビン） ７９ マーキングユニット ８０ 乾燥ユニット ８２ 移送手段（傾斜手段） ８８ 移送手段（操作ブラケット） ９０ 着色ユニット ９２ 出力ユニット ９４ ターンテーブル ９８ ウエル １０２ 充填及び取出し手段 １０４ 支持体 １０８ プランジャー針 １１０ プランジャー針 １１２ 包囲体 １１４ 包囲体 １３６ バスケット １４４ 固定支持体 １４６ 水平梁部材 １４８ スライド部材 １５０ 制御把持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギスラン・モレル フランス国、Ｆ−42300 ロアンヌ、リ ュ・モザール、２ (72)発明者 アンリ・シャンゼ フランス国、Ｆ−34980 モンフェリエ・ シュール・レ、シュマン・ドゥ・カンバ、 ２ (72)発明者 セルジュ・シャンゼ フランス国、Ｆ−19170 タルナック、 ル・モン (72)発明者 ロジェ・ル・コント フランス国、Ｆ−34470 ペロル、リュ・ デュ・ラデル、50、レジダンス・サンタ・ モニカ、Ｅ３

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 水平に移動され、かつ垂直の積み重ね体
    に積み重ねられた新しいプレート（１８）を貯蔵する貯
    蔵ユニット（１６）と、 選択された取出し方向（ＤＥ）へ移動自在であり、かつ
    前記プレート（１８）を後続のユニットへ移送するため
    前記積み重ね体の基部に移された前記プレート上で作用
    し、前記取出し方向（ＤＥ）に垂直である水平面（Ｎ）
    に関して便宜的に１°〜３０°の鋭角（Ａ）を形成する
    ため前記プレート（１８）の長手方向縁部（２８）に作
    用する刃の形態である押圧部材（２４）を備えると共
    に、前記積み重ね体から前記プレートを取出す取出しユ
    ニット（２２）と、 前記積み重ね体から取り出した前記プレート（１８）上
    に一滴の血液（３８）を滴下する滴下ユニット（３４）
    と、 一様に分布された血液塗抹標本（５０）を作るために、
    制御された状態のもとで前記一滴の血液（３８）を塗布
    する塗布ユニット（４８）と、 前記プレートの予備領域（４６）に同一確認手段を付加
    するマーキングヘッドを備えたマーキングユニット（７
    ９）と、 前記血液塗抹標本（５０）を乾燥する乾燥ユニット（８
    ０）と、 前記血液塗抹標本（５０）を着色する着色ユニット（９
    ０）と、 こうして着色された前記プレートを排出する出力ユニッ
    ト（９２）と、 予め決定された経路に従って前記ユニットの間で前記プ
    レートを移動する移送手段（２３，８２，８８）とを有
    することを特徴とするプレート上に血液塗抹標本を自動
    的に準備する装置。
  2. 【請求項２】 前記塗布ユニット（４８）が、前記一滴
    の血液（３８）を滴下した前記プレートの表面に対して
    用いられ、予め決定された角度（Ｂ）を形成するカウン
    ターブロック（６２）と、制御された厚さに血液塗抹標
    本（５０）を形成するために、前記プレート（１８）と
    カウンターブロック（６２）との間の直線運動で相対的
    な移動を与えるための手段とを備え、 前記カウンターブロック（６２）がプラスチック材料の
    たわみ部片（６８）で覆われ、該たわみ部片が巻取及び
    送出手段（７０，７２）で支持され、前記たわみ部片が
    血液と接触する部分を有し、二つの連続する塗布作業の
    間に移されるようにしたことを特徴とする請求項１記載
    のプレート上に血液塗抹標本を自動的に準備する装置。
  3. 【請求項３】 前記巻取及び送出手段（７０，７２）
    が、新しい部片を送出す第１のボビン（７０）と、血液
    で汚れた部片を巻取る第２のボビン（７２）とを便宜的
    に備え、好ましくはこれらのボビンがケーシング内に収
    納されたことを特徴とする請求項２記載のプレート上に
    血液塗抹標本を自動的に準備する装置。
  4. 【請求項４】 前記塗布ユニット（４８）が、塗布速度
    及び厚さを調整するために使用される測定値を導き出す
    ために、前記プレート上に滴下された前記一滴の血液
    （３８）の光透過率（ＴＯ）を測定する測定ユニット
    （５２，５４）を備えたことを特徴とする請求項１〜３
    のいずれか一項に記載のプレート上に血液塗抹標本を自
    動的に準備する装置。
  5. 【請求項５】 前記測定ユニット（５２，５４）は、前
    記一滴の血液（３８）を適切な位置に置いた時、前記プ
    レート（１８）の両側に配置されるエレクトロルミネセ
    ントダイオード（５２）とフォトダイオード（５４）と
    を備えたことを特徴とする請求項４記載のプレート上に
    血液塗抹標本を自動的に準備する装置。
  6. 【請求項６】 前記着色ユニット（９０）が、垂直軸線
    （ＸＸ）のまわりで回転できるように装着され、周囲に
    分配された複数のウエル（９８）をもち、且つ垂直状態
    で前記プレートをそれぞれ受け取るターンテーブル（９
    ４）と、ウエルからウエルへ順に前記ターンテーブルの
    角度回転を確保するための手段と、ウエル（９８）に処
    理流体を充填すると共に、そのウエル（９８）から中味
    を取出す充填及び取出し手段（１０２）とを備えたこと
    を特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のプレ
    ート上に血液塗抹標本を自動的に準備する装置。
  7. 【請求項７】 前記充填及び取出し手段（１０２）が、
    少なくとも二つのプランジャー針（１０８，１１０）を
    備え、該プランジャー針（１０８，１１０）が前記ウエ
    ル（９８）から引き出された高位置と、前記ウエル（９
    ８）内に差し込まれた低位置との間で、前記ターンテー
    ブル（９４）の回転軸線（ＸＸ）と平行に直線運動的に
    移動自在な支持体（１０４）によって支持されたことを
    特徴とする請求項６記載のプレート上に血液塗抹標本を
    自動的に準備する装置。
  8. 【請求項８】 プレート（１８）がウエル（９８）内に
    収容された位置では、前記プレートを同一確認する手段
    が上方部分に配置され、前記ウエル（９８）内に収納さ
    れた流体の外側に配置されるようにしたことを特徴とす
    る請求項６記載のプレート上に血液塗抹標本を自動的に
    準備する装置。
  9. 【請求項９】 前記着色ユニット（９０）が、前記ター
    ンテーブル（９４）及びウエル（９８）を収容する閉じ
    た包囲体（１１２，１１４）を備えたことを特徴とする
    請求項６〜８のいずれか一項に記載のプレート上に血液
    塗抹標本を自動的に準備する装置。
  10. 【請求項１０】 前記出力ユニット（９２）が、空のバ
    スケット（１３６）を貯蔵及び前進させ、前記着色ユニ
    ット（９０）から出てきたプレートを受け取る貯蔵及び
    移動手段を備えたことを特徴とする請求項１〜９のいず
    れか一項に記載のプレート上に血液塗抹標本を自動的に
    準備する装置。
  11. 【請求項１１】 前記移送手段が、前記貯蔵ユニット
    （１６）から前記乾燥ユニット（８０）まで前記プレー
    ト（１８）を水平状態で一つずつ移動する往復台（２
    ３）を備えたことを特徴とする請求項１〜１０のいずれ
    か一項に記載のプレート上に血液塗抹標本を自動的に準
    備する装置。
  12. 【請求項１２】 前記移送手段が、さらに、前記乾燥ユ
    ニット（８０）の近くに配置され、前記プレート（１
    ８）を垂直状態へもたらす傾斜手段（８２）を備えたこ
    とを特徴とする請求項１１記載のプレート上に血液塗抹
    標本を自動的に準備する装置。
  13. 【請求項１３】 前記移送手段が、さらに、前記乾燥ユ
    ニット（８０）と着色ユニット（９０）と出力ユニット
    （９２）との間で垂直状態にあるプレート（１８）を移
    動する操作ブラケット（８８）を備え、該操作ブラケッ
    ト（８８）が、固定支持体（１４４）と、該固定支持体
    （１４４）に関して垂直に移動自在な水平梁部材（１４
    ６）と、該水平梁部材（１４６）に沿って直線運動的に
    移動自在なスライド部材（１４８）と、プレート（１
    ８）をあるユニットから別のユニットへ移すために該プ
    レート（１８）を握持及び解放する制御握持手段（１５
    ０）とを備えたことを特徴とする請求項１１または１２
    記載のプレート上に血液塗抹標本を自動的に準備する装
    置。
JP24452599A 1998-09-01 1999-08-31 プレート上に血液塗抹標本を自動的に準備する装置 Expired - Lifetime JP4080645B2 (ja)

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