JP2000071937A - 車両用乗員拘束保護装置 - Google Patents

車両用乗員拘束保護装置

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JP2000071937A
JP2000071937A JP10240008A JP24000898A JP2000071937A JP 2000071937 A JP2000071937 A JP 2000071937A JP 10240008 A JP10240008 A JP 10240008A JP 24000898 A JP24000898 A JP 24000898A JP 2000071937 A JP2000071937 A JP 2000071937A
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driving force
driving
winding
mpu
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Yukinori Midorikawa
幸則 緑川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートベルトを巻き取る駆動力を十分に活か
しきることができる車両用乗員拘束保護装置を提供す
る。 【解決手段】 第1直流モータ8の駆動力が弱くなった
ときには、MPU10から入力するPWM信号のパルス
幅を調整することにより駆動力の配分を変えて、第2直
流モータ16の駆動力の配分を大きくすることで、第1
直流モータ8の駆動力も無駄なく使うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
装備される車両用乗員拘束保護装置に関し、特に、乗員
を保護するためのシートベルトの巻き取り及び引き出し
を行う電動リトラクタを用いた車両用乗員拘束保護装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】シートベルトの巻き取りを行うリトラク
タを備えた車両用乗員拘束保護装置は、従来より知られ
ている。
【0003】例えば、特公平3−79212号公報に記
載されているリトラクタは、シートベルトの引き出しに
より、リターンスプリング(第2の巻取力発生装置)に
巻取力を蓄え、モータ(第1の巻取力発生装置)を駆動
させる電気系統が故障したり、車載バッテリの起電力低
下によるモータのトルクが低下したり、というように、
モータの出力が所定値以下となり、モータによりシート
ベルトを巻き取ることができない場合に、回転力伝達装
置の働きによって、前記リターンスプリングに蓄えられ
た巻取力を巻取軸に伝達する構成であった。
【0004】これにより、モータによるシートベルトの
巻き取りができないときにも、引き出されているシート
ベルトを確実に巻き取っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記リ
トラクタは、モータ(第1の巻取力発生装置)による巻
き取りとリターンスプリング(第2の巻取力発生装置)
による巻き取りとを回転力伝達装置によって切り替えて
いたため、即ちこれら両方を同時に使用し巻き取りを行
っていないため、モータ及びリターンスプリングはそれ
ぞれ単体で強い巻取力を発生しなければならない場合が
あった。
【0006】また、上記リトラクタは、モータの巻取力
が経年変化等により弱くなり、巻き取りが十分にできな
くなった場合、リターンスプリングに切り替えることに
より、巻き取りができるようになるが、モータの巻取力
は弱くなっただけであり、巻取力がなくなったわけでは
ないので、リターンスプリングに切り替えることによ
り、モータに残っている巻取力が活かしきれない場合が
あった。
【0007】本発明は、上記点に着目してなされたもの
であり、シートベルトを巻き取る駆動力を十分に活かし
きることができる車両用乗員拘束保護装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の車両用乗員拘束保護装置は、シートベル
トの引き出し及び巻き取りを行うためリールシャフトを
回転駆動させる駆動手段を複数備える車両用乗員拘束保
護装置において、前記駆動手段の各々の駆動力の配分を
決定する駆動力配分決定手段を備えることを特徴とす
る。
【0009】本発明の構成によれば、駆動力配分決定手
段が駆動手段の各々の駆動力の配分を決定するので、一
の駆動手段の駆動力が弱くなったときには、駆動力の配
分を変えて、他の駆動手段の駆動力の配分を大きくする
ことで、一の駆動手段の駆動力を無駄なく使うことがで
きる。よって、シートベルトを巻き取る駆動力を十分に
活かしきることができる。
【0010】請求項1の車両用乗員拘束保護装置におい
て、前記駆動力配分決定手段は、前記駆動手段に入力す
るPWM信号のパルス幅を調整することにより駆動力の
配分を決定してもよい。
【0011】この構成によれば、電気的に正確に駆動力
の配分を決定することができる。
【0012】請求項1の車両用乗員拘束保護装置におい
て、一の駆動手段及び他の駆動手段を同一の駆動力で駆
動させ、前記一の駆動手段及び他の駆動手段の端子間電
圧又は該電圧の脈流成分を比較することにより故障診断
をするように構成してもよい。
【0013】この構成によれば、電気的に正確に駆動手
段の故障を診断することができる。
【0014】請求項1の車両用乗員拘束保護装置におい
て、一の駆動手段を所定の駆動力で駆動させ、このとき
に非駆動状態の他の駆動手段の端子間電圧又は該電圧の
脈流成分が該駆動力に見合う信号であるか否かを判断す
ることで故障診断をするように構成してもよい。
【0015】この構成によれば、電気的に正確に駆動手
段の故障を診断することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態に係る車両用
乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタ100の
構成を示す図である。
【0018】電動リトラクタ100はフレーム1を備え
ている。このフレーム1にはシートベルトを巻き取るリ
ールシャフト3が回転自在に設置され、車両に所定の減
速度が作用したとき又はシートベルトが所定の加速度で
引き出されたときにシートベルトの引き出しをロックす
る公知のシートベルトロック機構2が固定されている。
【0019】次いで、リールシャフト3の中心軸3a
は、第1リールシャフト用プーリ5の中心軸及び第2リ
ールシャフト用プーリ13の中心軸にそれぞれ連結され
ており、この第1リールシャフト用プーリ5は第1動力
伝達ベルト7を介して第1直流モータ用プーリ6に接続
されており、第2リールシャフト用プーリ13は第2動
力伝達ベルト15を介して第2直流モータ用プーリ14
に接続されている。
【0020】第1リールシャフト用プーリ5及び第1直
流モータ用プーリ6の外周にはそれぞれ所定数の外歯が
形成され、また第1動力伝達ベルト7の内周にも所定数
の内歯が形成されており、第1リールシャフト用プーリ
5及び第1直流モータ用プーリ6の外歯と第1動力伝達
ベルト7の内歯とは過不足なくかみ合っている。
【0021】同様に、第2リールシャフト用プーリ13
及び第2直流モータ用プーリ14の外周にはそれぞれ所
定数の外歯が形成され、また第2動力伝達ベルト15の
内周にも所定数の内歯が形成されており、第2リールシ
ャフト用プーリ13及び第2直流モータ用プーリ14の
外歯と第2動力伝達ベルト15の内歯とは過不足なくか
み合っている。
【0022】第1直流モータ用プーリ6の中心軸は第1
直流モータ8に連結されており、第2直流モータ用プー
リ14の中心軸は第2直流モータ16に連結されてい
る。従って、第1直流モータ8の回転は第1直流モータ
用プーリ6を介してリールシャフト3に伝達される一
方、第2直流モータ16の回転は第2直流モータ用プー
リ14を介してリールシャフト3に伝達される。
【0023】第1直流モータ8及び第2直流モータ16
は、それぞれフレーム1に少なくとも2点以上で固定さ
れており、また第1直流モータ駆動部9及び第2直流モ
ータ駆動部17を介してMPU(Micro Processing Uni
t)10に接続されている。第1直流モータ駆動部9及
び第2直流モータ駆動部17はそれぞれMPU10から
のPWM(パルス幅変調)信号に基づいて第1直流モー
タ8及び第2直流モータ16の回転を制御する。
【0024】図2は第1直流モータ駆動部9の回路図で
ある。尚、第2直流モータ駆動部17の回路構成もこれ
と同様である。
【0025】図2中の端子P1及び端子P2はMPU1
0から出力されるPWM(パルス幅変調)信号の入力端
子であり、端子P1及び端子P2には、例えば、20k
HzのPWM信号が入力される。端子P3及び端子P4
は電流検出用の出力端子であり、端子P5及び端子P6
は電圧検出用の出力端子であり、端子P1〜端子P6は
それぞれMPU10に接続されている。また、図2中の
電圧Vbは第1直流モータ8に供給され、図2中の複数
のトランジスタ及びFET等は、MPU10からのPW
M信号により第1直流モータ8の回転を正転又は反転駆
動させるためのものである。
【0026】図2中の回路C1は、抵抗r1に流れる電
流から第1直流モータ8に流れる電流iを検出する電流
検出回路であり、PWM信号の影響による電流の変動を
取り除くためのインターフェイス回路(以下、IFとい
う)1及びIF2を備えている。MPU10は、IF1
及びIF2からそれぞれ電圧信号を受信し、この電圧信
号に基づいて第1直流モータ8に流れる電流iを検出す
る。
【0027】回路C2は第1直流モータ8にかかる端子
間電圧を測定する電圧測定回路であり、PWM信号の影
響による端子間電圧の変動を取り除くため、IF3及び
IF4を備えている。MPU10は、IF3及びIF4
からそれぞれ電圧信号を受信し、この電圧信号に基づい
て第1直流モータ8にかかる端子間電圧を測定する。
【0028】IF1〜IF4は、例えば抵抗r2、抵抗
r2より小さい抵抗値の抵抗r3及びコンデンサc3か
らなるローパスフィルタ構成となっており、カットオフ
周波数を、例えば、20Hzに設定している。これによ
り、電流検出回路C1及び電圧測定回路C2でMPU1
0に出力されるPWM信号の影響は、−60dBに低減
され、本来電流検出回路C1で検出しようとしている電
流や電圧測定回路C2で測定しようとしている端子間電
圧にほとんど影響を与えなくなる。
【0029】図1に戻り、MPU10は、時間を計測す
るタイマ20を備え、シートベルトのタングがバックル
に装着されたか否かを検出する及びシートベルトのタン
グがバックルから解除されたか否かを検出するバックル
接続有無検出部12と、自車両の衝突予知を検出する衝
突予知検出部11とにそれぞれ接続されている。
【0030】バックル接続有無検出部12はシートベル
トのタングがバックルに装着されたか否かを検出し又は
シートベルトのタングがバックルから解除されたか否か
を検出し、それに対応した制御信号をMPU10に出力
する。
【0031】衝突予知検出部11は自車両と自車両の前
方の物体との間の距離を測定する距離センサ21を備え
ており、距離センサ21は自車両と自車両の前方の物体
との間の距離の測定結果を示す制御信号を衝突予知検出
部11に出力する。衝突予知検出部11は、下記の式
(1)から求まる衝突不可避距離ddを計算し、この衝
突不可避距離ddが距離センサ21から出力された値よ
りも大きいときには、衝突不可避を示す制御信号をMP
U10に出力する。
【0032】dd=Vr×td ……(1) dd:衝突不可避距離(単位:m) Vr:相対速度(単位:m/s) td:運転者の応答遅れ(例0.5〜2秒) 次に、MPU10で行われる処理について説明する まず、第1直流モータ8を駆動し、第2直流モータ16
を駆動停止状態にすると、リールシャフト3は第1直流
モータ8の駆動に応じて回転し、駆動停止状態の第2直
流モータ16も該駆動に応じて回転する。そして、第1
リールシャフト用プーリ5及び第1直流モータ用プーリ
6のギア比と第2リールシャフト用プーリ13及び第2
直流モータ用プーリ14のギア比とを同一にすれば、駆
動状態の第1直流モータ8の回転数と駆動停止状態の第
2直流モータ16の回転数とが同一になる。
【0033】第1リールシャフト用プーリ5及び第1直
流モータ用プーリ6のギア比と第2リールシャフト用プ
ーリ13及び第2直流モータ用プーリ14のギア比とを
同一にした状態で、乗員によりシートベルトが引き出さ
れると、シートベルトの引き出し時にMPU10は、第
1直流モータ8及び第2直流モータ16のそれぞれの端
子間電圧又は電圧の脈流成分を比較することにより、同
一ならば正常と判断し、異なるならば異常と判断するこ
とができる。尚、上記ギア比が互いに異なっていても、
該ギア比の値を考慮し、両モータの端子間電圧又は電圧
の脈流成分を比較すれば上記と同様の故障診断が可能で
ある。
【0034】また、単にMPU10から第1直流モータ
駆動部9にPWM信号を入力したにも拘わらず、第1直
流モータ8の端子間電圧又は第1直流モータ8に流れる
電流が所定値以下(例えば5V以下、3A以下)の場合
に、第1直流モータ8周りの駆動系が異常であると判断
してもよい。同様に第2直流モータ16周りの駆動系の
故障診断をすることもできる。
【0035】更に、MPU10からPWM信号を入力す
ることにより第1直流モータ8を所定の駆動力で駆動さ
せ、このときに非駆動状態の第2直流モータ16の端子
間電圧又は電圧の脈流成分が該駆動力に見合う信号であ
るか否かを判断することにより故障診断をすることもで
きる。尚、上記の故障診断に加えて、第1直流モータ8
を非駆動状態にし、第2直流モータ16を駆動させて同
様の故障診断をすれば信頼性の高い故障診断をすること
ができる。
【0036】次に、衝突予知検出部11から衝突不可避
を示す制御信号がMPU10に入力されたときに、MP
U10は第1直流モータ駆動部9及び第2直流モータ駆
動部17のそれぞれにPWM信号を出力し、第1直流モ
ータ8及び第2直流モータ16の両方を駆動させて、大
きな巻き取り力でシートベルトを巻き取る。
【0037】ここで、衝突不可避を示す制御信号がMP
U10に入力されたときに、必要とされるシートベルト
を巻き取るための駆動力の最大値が100であるとする
ならば、例えば、第1直流モータ8及び第2直流モータ
16のそれぞれ単体の駆動力の最大値を70にしてもよ
い。これにより、第1直流モータ8及び第2直流モータ
16の合計の駆動力の最大値は100を超えるため、1
00になるように第1直流モータ8及び第2直流モータ
16のそれぞれの駆動力を調整すればよく、第1直流モ
ータ8及び第2直流モータ16は、1つのモータのとき
に比べ、ともに寸法を小さくでき、重量も軽くでき、コ
ストも安くできる。
【0038】さらに、経年変化等で、例えば、第1直流
モータ8の駆動力が弱くなったときには、MPU10か
ら入力するPWM信号のパルス幅を調整することにより
駆動力の配分を変えて、第2直流モータ16の駆動力の
配分を大きくすることで、第1直流モータ8の駆動力も
無駄なく使うことができる。例えば、第1直流モータ8
の駆動力の最大値が30になり、衝突不可避を示す制御
信号がMPU10に入力されたときには、第2直流モー
タ16の駆動力を最大値の70とすることで、必要とさ
れるシートベルトを巻き取るための駆動力を確保するこ
とができる。
【0039】上述したように、本実施の形態によれば、
第1直流モータ8の駆動力が弱くなったときには、MP
U10から入力するPWM信号のパルス幅を調整するこ
とにより駆動力の配分を変えて、第2直流モータ16の
駆動力の配分を大きくすることで、第1直流モータ8の
駆動力も無駄なく使うことができる。よって、電動リト
ラクタ100はシートベルトを巻き取る駆動力を十分に
活かしきることができる。
【0040】尚、シートベルトの巻き取りにおいて、第
1直流モータ8単体の駆動力で足りる場合は、第2直流
モータ16を駆動せずに、シートベルトの巻き取り引き
出し量センサとして使用することもできる。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
車両用乗員拘束保護装置によれば、駆動力配分決定手段
が駆動手段の各々の駆動力の配分を決定するので、一の
駆動手段の駆動力が弱くなったときには、駆動力の配分
を変えて、他の駆動手段の駆動力の配分を大きくするこ
とで、一の駆動手段の駆動力を無駄なく使うことができ
る。よって、シートベルトを巻き取る駆動力を十分に活
かしきることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護
装置が備えている電動リトラクタ100の構成を示す図
である。
【図2】直流モータ駆動部11の回路図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 シートベルトロック機構 3 リールシャフト 5 第1リールシャフト用プーリ 6 第1直流モータ用プーリ 7 第1動力伝達ベルト 8 第1直流モータ(駆動手段) 9 第1直流モータ駆動部 10 MPU(駆動力配分決定手段) 12 バックル接続有無検出部 16 第2直流モータ(駆動手段) 17 第2直流モータ駆動部 100 電動リトラクタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルトの引き出し及び巻き取りを
    行うためリールシャフトを回転駆動させる駆動手段を複
    数備える車両用乗員拘束保護装置において、前記駆動手
    段の各々の駆動力の配分を決定する駆動力配分決定手段
    を備えることを特徴とする車両用乗員拘束保護装置。
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