JP3554484B2 - 車両用乗員拘束保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に装備される車両用乗員拘束保護装置に関し、特に、乗員を保護するためのシートベルトの巻き取り及び引き出しを行う電動リトラクタを用いた車両用乗員拘束保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートベルトを引き出す又は巻き取るための電動リトラクタを備えた車両用乗員拘束保護装置は、従来より知られている。この電動リトラクタはモータを介してリールシャフトによりシートベルトの引き出し又は巻き取りを行うが、その制御、即ちモータ制御は、例えば、車両用乗員拘束保護装置が備えているMPUによりなされている。
【0003】
このMPUは、シートベルトが巻き取られ完全に格納されたことや、シートベルトが乗員の体にフィットしたことを確認するために、モータの回転駆動が停止していることを検出する必要があった。さらに、乗員によるシートベルトの引き出しは、リールシャフト用プーリの内部に備えられている渦巻きばね等のシートベルト巻き取り側に働く付勢力に抗して行われるが、この乗員によるシートベルトの引き出しが行われていないことを確認するためにも、モータの回転駆動が停止していることを検出する必要があった。
【0004】
このモータの停止状態を判断する一手法として、モータに流れる電流値が所定値より大きいか否かを検出し、該電流値が所定値より大きい場合にモータの回転駆動が停止していると判断する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手法でモータの停止状態を判断する時には、モータの使用環境、例えば、モータの周囲温度(モータ自身の温度を含む)や、モータに供給される電源電圧そのものの変動等により、モータに流れる電流値が変動するため、モータの回転駆動の停止判断が正確にできないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記点に着目してなされたものであり、モータの使用環境によらずモータの回転駆動の停止判断を正確に行うことができる車両用乗員拘束保護装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の車両用乗員拘束保護装置は、直流モータの駆動力により少なくともシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタを備える車両用乗員拘束保護装置において前記電動リトラクタは直流モータと、前記直流モータの回転が停止したことを電気的しきい値を利用して検出する停止検出手段とを備え、前記停止検出手段は、前記直流モータの使用環境に応じて、前記電気的しきい値を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の構成によれば、モータの使用環境に応じて、モータが停止したことを検出するための電気的しきい値が制御されるので、モータの使用環境によらずモータの回転駆動の停止判断を正確に行うことができる。
【0009】
前記電気的しきい値は、前記モータに供給される電源電圧に基づいて算出される前記モータが回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時の電流値のしきい値であってもよい。
【0010】
この構成によれば、モータが回転駆動している時にモータに流れる電流値と上記電流値のしきい値との大小判断ができるので、モータの使用環境によらずモータの回転駆動の停止判断をより正確に行うことができる。
【0011】
前記電気的しきい値は、前記モータに供給される電源電圧に基づいて算出される前記モータの駆動力を現在の状態から徐々に低下させる状態へ移行する時の電流値のしきい値であり、前記制御手段が前記モータに供給される電流及び前記電流値のしきいに基づいて前記モータの駆動力を現在の状態から徐々に低下させるように制御する構成にしてもよい。
【0012】
この構成によれば、モータの使用環境によらず、制御手段はモータの駆動力を現在の状態から徐々に低下させる状態へ移行する時の判断を正確に行うことができる。
請求項2の車両用乗員拘束保護装置は、直流モータの駆動力により少なくともシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタを備える車両用乗員拘束保護装置において、前記電動リトラクタは直流モータと、前記直流モータの回転が停止したことを電気的しきい値を利用して検出する停止検出手段とを備え、前記停止検出手段は、前記直流モータに供給される電源電圧に基づいて前記電気的しきい値を算出し、前記直流モータに流れる電流値と前記電気的しきい値とを比較することを特徴とする。
請求項3の車両用乗員拘束保護装置は、請求項1又は2に記載の車両用乗員拘束保護装置において、前記停止検出手段は、前記直流モータに流れる電流の大きさが、前記電気的しきい値よりも大きいときに、前記直流モータの回転停止を検出することを特徴とする。
請求項4の車両用乗員拘束保護装置は、請求項1又は2に記載の車両用乗員拘束保護装置において、前記停止検出手段は、前記直流モータに流れる電流の大きさが、前記電気的しきい値よりも大きいときに、前記直流モータのシートベルト巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように前記直流モータの回転を制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタ100の構成を示す図である。
【0015】
電動リトラクタ100はフレーム1を備えている。このフレーム1にはシートベルトを巻き取るリールシャフト3が回転自在に設置され、車両に所定の減速度が作用したとき又はシートベルトが所定の加速度で引き出されたときにシートベルトの引き出しをロックする公知のシートベルトロック機構2が固定されている。
【0016】
次いで、リールシャフト3の中心軸3aはリールシャフト用プーリ5の中心軸に連結されており、このリールシャフト用プーリ5は動力伝達ベルト7を介して直流モータ用プーリ6に連結している。リールシャフト用プーリ5の内部には渦巻きばね等の付勢力付与手段が形成されており、常にシートベルトを巻き取る方向に付勢力が働いている。
【0017】
リールシャフト用プーリ5及び直流モータ用プーリ6の外周にはそれぞれ所定数の外歯が形成され、また動力伝達ベルト7の内周にも所定数の内歯が形成されており、リールシャフト用プーリ5及び直流モータ用プーリ6の外歯と動力伝達ベルト7の内歯とは過不足なくかみ合っている。
【0018】
直流モータ用プーリ6の中心軸は直流モータ10に連結されている。従って、直流モータ10の回転は直流モーター用プーリ6を介してリールシャフト3に伝達される。
【0019】
直流モータ10は、フレーム1に少なくとも2点以上で固定されており、また直流モータ駆動部11を介してMPU(Micro Processing Unit)14に接続されている。
【0020】
直流モータ駆動部11はMPU14からの制御信号に基づいて直流モータ10の回転を制御する。
【0021】
図2は直流モータ駆動部11の回路図である。図2中の回路C1は、抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出する電流検出回路であり、回路C2は直流モータ10の端子間電圧を測定する電圧測定回路である。また、図2中の電圧Vbは直流モータ10に電源電圧を供給し、複数のトランジスタ及びFET等は、MPU14からの制御信号により直流モータ10の回転を正転又は反転駆動させるためのものである。
【0022】
図1に戻り、MPU14は、シートベルトのタングがバックルに装着されたか否かを検出する及びシートベルトのタングがバックルから解除されたか否かを検出するバックル接続有無検出部16に接続されている。また、MPU14は時間を計測するタイマー15を備えている。尚、MPU14は直流モータ10の端子間電圧の極性によりシートベルトが引き出されたか否かを判断し、直流モータ10に流れる電流iからシートベルトの巻き取りが終了したか否かを判断する。
【0023】
バックル接続有無検出部16はシートベルトのタングがバックルに装着されたか否かを検出し又はシートベルトのタングがバックルから解除されたか否かを検出し、それに対応した制御信号をMPU14に出力する。
【0024】
図3は、MPU14が行うシートベルト巻き取り制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベルト巻き取り制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0025】
まず、直流モータ10が回転駆動していない状態、即ち、シートベルトの引き出し及び巻き取りが行われていない時に、直流モータ10に供給されている電源電圧を測定し(ステップS31)、直流モータ10が回転駆動を停止する時に直流モータ10に流れる電流値i、即ち、直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iをステップS31で測定された電源電圧に基づいて算出する(ステップS32)。尚、直流モータ10に供給される電源電圧の基準値及びしきい値である電流値iの基準値は予めMPU14が記憶しており、ステップS31で測定された電源電圧が該電源電圧の基準値よりも大きい場合には、しきい値である電流値iが基準値よりも大きくなるように算出され、一方ステップS31で測定された電源電圧が該電源電圧の基準値よりも小さい場合には、しきい値である電流値iが基準値よりも小さくなるように算出される。
【0026】
その後、シートベルトの巻き取り駆動が必要であるか否かを判別し(ステップS33)、シートベルトの巻き取り駆動が必要でない場合には本制御を終了する一方、シートベルトの巻き取り駆動が必要である場合には、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に回転させるために直流モータ10を回転駆動させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS34)。これにより、シートベルトは巻き取られる。
【0027】
次に、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS35)、当該電流iが直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時のしきい値である電流値iより大きいか否かを判別する(ステップS36)。電流iが電流値i以下の場合、即ち、直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行していない場合にはステップS35に戻る一方、電流iが電流値iより大きい場合、即ち、直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行した場合には、本制御を終了する。
【0028】
上述したように、本実施の形態によれば、直流モータ10の使用環境により直流モータ10に供給される電源電圧の変動がある場合にも、該電源電圧を測定し(ステップS31)、この測定された電源電圧に基づいて直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iを算出し(ステップS32)、実際に直流モータ10が回転駆動している時に直流モータ10に流れる電流iが上記電流値iより大きいか否かを判別するので、直流モータ10の使用環境によらず直流モータ10の回転駆動の停止判断を正確に行うことができる。
【0029】
尚、本実施の形態では、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出したが、これに限られず他の方法により直流モータ10に流れる電流iを検出してもよい。
【0030】
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタの構成は上記電動リトラクタ100の構成と同様である。
【0031】
図4は、シートベルトを巻き取る時にMPU14が行うシートベル格納制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベル格納制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0032】
まず、シートベルトのタングがバックルから解除されたことがバックル接続有無検出部16によって検出されたか否かを判別し(ステップS41)、シートベルトのタングがバックルから解除されたことが検出されなかった場合には本制御を終了する一方、シートベルトのタングがバックルから解除されたことが検出された場合には、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に回転させるために直流モータ10を回転駆動させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS42)。これにより、シートベルトは巻き取られる。尚、この時、タイマー15は前記制御信号を直流モータ駆動部11に出力した時からの経過時間を計測する。
【0033】
次いで、前記制御信号を直流モータ駆動部11に出力してから所定時間、例えば、3秒経過したか否かを判別し(ステップS43)、3秒経過後に、直流モータ10の回転駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS44)。これにより、直流モータ10の回転駆動が停止され、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取りは停止する。尚、この時、シートベルトロック機構2によるシートベルトのロックはない。また、この時、タイマー15は直流モータ10の回転駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力した時からの経過時間を計測する。
【0034】
次に、シートベルトが引き出されたか否かを判別し(ステップS45)、シートベルトが引き出された場合には、シートベル引き出し制御を行った後に、本制御を終了する。尚、シートベルト引き出し制御は公知であるため、その説明を省略する。
【0035】
ステップS45で、シートベルトが引き出されなかった場合には、直流モータ10に供給されている電源電圧を測定し(ステップS46)、直流モータ10が回転駆動を停止する時に直流モータ10に流れる電流値i、即ち、直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iをステップS46で測定された電源電圧に基づいて算出する(ステップS47)。尚、直流モータ10に供給される電源電圧の基準値及びしきい値である電流値iの基準値は予めMPU14が記憶しており、ステップS46で測定された電源電圧が該電源電圧の基準値よりも大きい場合には、しきい値である電流値iが基準値よりも大きくなるように算出され、一方ステップS46で測定された電源電圧が該電源電圧の基準値よりも小さい場合には、しきい値である電流値iが基準値よりも小さくなるように算出される。
【0036】
次いで、直流モータ10の回転駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力してから所定時間、例えば、10秒経過したか否かを判別し(ステップS48)、10秒経過していない場合にはステップS45に戻る一方、10秒経過した場合には、再びリールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に回転させるために直流モータ10を回転駆動させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS49)。これにより、シートベルトは巻き取られる。
【0037】
次に、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS50)、当該電流iが直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時のしきい値である電流値iより大きいか否かを判別する(ステップS51)。電流iが電流値i以下の場合、即ち、直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行していない場合にはステップS50に戻る一方、電流iが電流値iより大きい場合、即ち、直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行した場合には、本制御を終了する。
【0038】
上述したように、本実施の形態によれば、直流モータ10の使用環境により直流モータ10に供給される電源電圧の変動がある場合にも、該電源電圧を測定し(ステップS46)、この測定された電源電圧に基づいて直流モータ10が回転駆動している状態から回転駆動を停止する状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iを算出し(ステップS47)、実際に直流モータ10が回転駆動している時に直流モータ10に流れる電流iが上記電流値iより大きいか否かを判別する(ステップS51)ので、直流モータ10の使用環境によらず直流モータ10の回転駆動の停止判断を正確に行うことができる。
【0039】
尚、本実施の形態では、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出したが、これに限られず他の方法により直流モータ10に流れる電流iを検出してもよい。
【0040】
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタの構成は上記電動リトラクタ100の構成と同様である。
【0041】
図5は、シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベルト装着制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0042】
まず、シートベルトのタングがバックルに装着されたことをバックル接続有無検出部16により検出されたか否かを判別し(ステップS61)、検出されていない場合には本制御を終了する一方、検出された場合には、直流モータ10に供給されている電源電圧を測定し(ステップS62)、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力を現在の状態から徐々に低下させる状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iをステップS62で測定された電源電圧に基づいて算出する(ステップS63)。尚、直流モータ10に供給される電源電圧の基準値及びしきい値である電流値iの基準値は予めMPU14が記憶しており、ステップS62で測定された電源電圧が該電源電圧の基準値よりも大きい場合には、しきい値である電流値iが基準値よりも大きくなるように算出され、一方ステップS62で測定された電源電圧が該電源電圧の基準値よりも小さい場合には、しきい値である電流値iが基準値よりも小くなるように算出される。
【0043】
次に、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために直流モータ10を回転駆動させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS64)。これにより、シートベルトは巻き取られ、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。尚、MPU14は、直流モータ10を回転駆動させる制御信号のデューティー比を自由に設定変更でき、これにより、リールシャフト3の回転速度を変更することができる。
【0044】
次に、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS65)、当該電流iがリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力を現在の状態から徐々に低下させる状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iより大きいか否かを判別する(ステップS66)。電流iがしきい値である電流値i以下の場合にはステップS65に戻る一方、電流iがしきい値である電流値iより大きい場合には、リールシャフト3のシートベルト巻き取り側への回転速度をさらに減速させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御して(ステップS67)、本制御を終了する。
【0045】
上述したように、本実施の形態によれば、直流モータ10の使用環境により直流モータ10に供給される電源電圧の変動がある場合にも、該電源電圧を測定し(ステップS62)、この測定された電源電圧に基づいてリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力を現在の状態から徐々に低下させる状態へ移行する時の判断に用いるしきい値である電流値iを算出し(ステップS63)、実際に直流モータ10に流れる電流iがしきい値である電流値iより大きいか否かを判別する(ステップS66)ので、MPU14では、直流モータ10の使用環境によらず、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力を現在の状態から徐々に低下させる状態へ移行する時の判断を正確に行うことができる。
【0046】
尚、本実施の形態では、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出したが、これに限られず他の方法により直流モータ10に流れる電流iを検出してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の車両用乗員拘束保護装置によれば、モータの使用環境に応じて、モータが停止したことを検出するための電気的しきい値が制御されるので、モータの使用環境によらずモータの回転駆動の停止判断を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタ100の構成を示す図である。
【図2】直流モータ駆動部11の回路図である。
【図3】MPU14が行うシートベルト巻き取り制御の詳細を説明するフローチャートである。
【図4】シートベルトを巻き取る時にMPU14が行うシートベル格納制御の詳細を説明するフローチャートである。
【図5】シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 フレーム
2 シートベルトロック機構
3 リールシャフト
5 リールシャフト用プーリ
6 直流モータ用プーリ
7 動力伝達ベルト
10 直流モータ(検出手段)
11 直流モータ駆動部
14 MPU(検出手段、制御手段)
100 電動リトラクタ

Claims (4)

  1. 直流モータの駆動力により少なくともシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタを備える車両用乗員拘束保護装置において
    前記電動リトラクタは直流モータと、前記直流モータの回転が停止したことを電気的しきい値を利用して検出する停止検出手段とを備え、
    前記停止検出手段は、前記直流モータの使用環境に応じて、前記電気的しきい値を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする車両用乗員拘束保護装置。
  2. 直流モータの駆動力により少なくともシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタを備える車両用乗員拘束保護装置において、
    前記電動リトラクタは直流モータと、前記直流モータの回転が停止したことを電気的しきい値を利用して検出する停止検出手段とを備え、
    前記停止検出手段は、前記直流モータに供給される電源電圧に基づいて前記電気的しきい値を算出し、前記直流モータに流れる電流値と前記電気的しきい値とを比較することを特徴とする車両用乗員拘束保護装置。
  3. 前記停止検出手段は、前記直流モータに流れる電流の大きさが、前記電気的しきい値よりも大きいときに、前記直流モータの回転停止を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用乗員拘束保護装置。
  4. 前記停止検出手段は、前記直流モータに流れる電流の大きさが、前記電気的しきい値よりも大きいときに、前記直流モータのシートベルト巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように前記直流モータの回転を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用乗員拘束保護装置。
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