JP4052491B2 - 車両用乗員拘束保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に装備される車両用乗員拘束保護装置に関し、特に、乗員を保護するためのシートベルトの巻き取り及び引き出しを行う電動リトラクタを用いた車両用乗員拘束保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートベルトを引き出す又は巻き取るための電動リトラクタを備えた車両用乗員拘束保護装置は、従来より知られている。この電動リトラクタはリールシャフトによりシートベルトの引き出し又は巻き取りを行い、シートベルトが所定の加速度で引き出されたときにシートベルトの引き出しをロックする公知のシートベルトロック機構を備えている。
【0003】
そして、この電動リトラクタはシートベルトの装着を検知するとリールシャフトによりシートベルトの巻き取りを行い、乗員の体にシートベルトがフィットし、シートベルトの巻き取りが限界に到達すると、所定の弛みを与えるためにリールシャフトによりシートベルトの引き出しを行っていた。
【0004】
図5は、従来のリールシャフトによるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフトによるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係の一例を示す図である。
【0005】
まず、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフトにより一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、シートベルトの巻き取りが限界に到達するまで行われていた(期間T1)。この期間、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフトによるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少した。
【0006】
その後、シートベルトの巻き取りが限界に到達すると(点a)、リールシャフトは逆回転し、一定の大きさのシートベルト引き出し駆動力でシートベルトの引き出しが開始され、所定の弛みが与えられるまでシートベルトの引き出しを続けようとしていた。この時、リールシャフトによるシートベルトの引き出し加速度は増大した。
【0007】
図9は、従来のリールシャフトによるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフトによるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係の他の例を示す図である。
【0008】
まず、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフトにより一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、シートベルトの巻き取りが限界に到達するまで行われていた(期間T5)。この期間、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフトによるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少した。
【0009】
その後、シートベルトの巻き取りが限界に到達すると(点c)、リールシャフトによるシートベルトの巻き取りは停止され、渦巻きばね等の付勢力に抗する反発力、即ちシートベルトに圧迫されていた乗員の体や衣服の反発力によって、シートベルトの引き出しを続けようとしていた。この時、リールシャフトによるシートベルトの引き出し加速度は増大した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シートベルトの装着後にリールシャフト3によるシートベルトの巻き取りが限界に到達すると、リールシャフト3は逆回転し、シートベルトの引き出しを行うため、リールシャフトによるシートベルトの引き出し加速度が急激に増大し、シートベルトの引き出しのロックに必要とされる引き出し加速度のしきい値を超えてしまい、シートベルトロック機構によりシートベルトの引き出しがロックされることがあった。従って、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は大きい時点(点b)から解放されないことがあった(図5の期間T2)。
【0011】
また、シートベルトの装着後にリールシャフト3によるシートベルトの巻き取りが限界に到達し、この巻き取りを停止すると、シートベルトに圧迫されていた乗員の体や衣服の反発力によって、圧迫が弱まる方向にシートベルトが急速に戻されるため、リールシャフトによるシートベルトの引き出し加速度が急激に増大し、シートベルトの引き出しのロックに必要とされる引き出し加速度のしきい値を超えてしまい、シートベルトロック機構によりシートベルトの引き出しがロックされることがあった。従って、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は大きい時点(点d)から解放されないことがあった(図9の期間T6)。
【0012】
本発明は、上記点に着目してなされたものであり、快適なシートベルト装着環境を提供することができる車両用乗員拘束保護装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の車両用乗員拘束保護装置は、少なくともリーフシャフトによるシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタと、前記電動リトラクタに前記シートベルトの巻き取り駆動力を供給する駆動力供給手段と、前記シートベルトが所定加速度以上で引き出されたときにその引き出しをロックするシートベルトロック手段とを備えている車両用乗員拘束保護装置において、前記シートベルトのタングがバックルに装着された場合に前記リーフシャフトをシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために前記駆動力供給手段に制御信号を出力し、前記駆動力供給手段から供給される電流に応じて前記シートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御し、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、前記リーフシャフトをシートベルトの引き出し側へ回転させ、乗員に所定の弛みが与えられたとき前記シートベルトの引き出し駆動を停止させるように制御する制御手段を備えることを特徴とする。
また、請求項2の車両用乗員拘束保護装置は、請求項1の車両用乗員拘束保護装置において、前記制御手段は、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、所定時間経過後に、前記リーフシャフトをシートベルトの引き出し側へ回転させることを特徴とする。
【0014】
本発明の構成によれば、制御手段がシートベルトの巻き取り速度に応じて駆動力供給手段によるシートベルトの駆動力を制御するので、シートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。また、シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、リーフシャフトをシートベルトの引き出し側へ回転させ、乗員に所定の弛みが与えられたとき前記シートベルトの引き出し駆動を停止させるようにしたので、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【0015】
上記目的を達成するため、請求項3の車両用乗員拘束保護装置は、少なくともリーフシャフトによるシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタと、前記電動リトラクタに前記シートベルトの巻き取り駆動力を供給する駆動力供給手段と、前記シートベルトが所定加速度以上で引き出されたときにその引き出しをロックするシートベルトロック手段とを備えている車両用乗員拘束保護装置において、前記シートベルトのタングがバックルに装着された場合に前記リーフシャフトをシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために前記駆動力供給手段に制御信号を出力し、前記駆動力供給手段から供給される電流に応じて前記シートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御し、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、前記シートベルトの巻き取り駆動を停止させる制御信号を出力するように制御する制御手段を備えることを特徴とする。
また、請求項4の車両用乗員拘束保護装置は、請求項3の車両用乗員拘束保護装置において、前記制御手段は、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、所定時間経過後に、前記シートベルトの巻き取り駆動を停止させる制御信号を出力することを特徴とする。
さらに、請求項5の車両用乗員拘束保護装置は、請求項1乃至4のいずれか1項の車両用乗員拘束保護装置において、前記車両用乗員拘束保護装置は、更にシートベルトの装着有無を検出するバックル接続有無検出部と、前記シートベルトの巻き取り終了直前であることを検出する巻き取り終了直前検出手段を有し、前記バックル接続有無検出部により、前記シートベルトの非装着が検出された場合には、前記駆動力供給手段により、前記電動リトラクタに前記シートベルトの巻き取り駆動力を供給し、前記シートベルトを巻き取り、前記巻き取り終了直前検出手段により、前記シートベルトの巻き取りが終了直前であることが検出されると、前記制御手段は、時系列的に、巻き取り駆動力を低下させることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、シートベルトの巻き取りの限界に到達したことが検出されるので、より精密にシートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタ100の構成を示す図である。
【0019】
電動リトラクタ100はフレーム1を備えている。このフレーム1にはシートベルトを巻き取るリールシャフト3が回転自在に設置され、車両に所定の減速度が作用したとき又はシートベルトが所定の加速度で引き出されたときにシートベルトの引き出しをロックする公知のシートベルトロック機構2が固定されている。
【0020】
次いで、リールシャフト3の中心軸3aはリールシャフト用プーリ5の中心軸に連結されており、このリールシャフト用プーリ5は動力伝達ベルト7を介して直流モータ用プーリ6に連結している。リールシャフト用プーリ5の内部には渦巻きばね等の付勢力付与手段が形成されており、常にシートベルトを巻き取る方向に付勢力が働いている。
【0021】
リールシャフト用プーリ5及び直流モータ用プーリ6の外周にはそれぞれ所定数の外歯が形成され、また動力伝達ベルト7の内周にも所定数の内歯が形成されており、リールシャフト用プーリ5及び直流モータ用プーリ6の外歯と動力伝達ベルト7の内歯とは過不足なくかみ合っている。
【0022】
直流モータ用プーリ6の中心軸は直流モータ10に連結されている。従って、直流モータ10の回転は直流モーター用プーリ6を介してリールシャフト3に伝達される。
【0023】
直流モータ10は、フレーム1に少なくとも2点以上で固定されており、また直流モータ駆動部11を介してMPU(Micro Processing Unit)14に接続されている。
【0024】
直流モータ駆動部11はMPU14からの制御信号に基づいて直流モータ10の回転を制御する。
【0025】
図2は直流モータ駆動部11の回路図である。図2中の回路C1は、抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出する電流検出回路であり、回路C2は直流モータ10の端子間電圧を測定する電圧測定回路である。また、図2中のバッテリ電圧Vbは直流モータ10に電源電圧を供給し、複数のトランジスタ及びFET等は、MPU14からの制御信号により直流モータ10の回転を正転又は反転駆動させるためのものである。
【0026】
図1に戻り、MPU14は、シートベルトのタングがバックルに装着されたか否かを検出する及びシートベルトのタングがバックルから解除されたか否かを検出するバックル接続有無検出部16に接続されている。また、MPU14は時間を計測するタイマー15を備えている。尚、MPU14は直流モータ10の端子間電圧の極性によりシートベルトが引き出されたか否かを判断し、直流モータ10に流れる電流iからシートベルトの巻き取りが終了したか否かを判断する。
【0027】
バックル接続有無検出部16はシートベルトのタングがバックルに装着されたか否かを検出し又はシートベルトのタングがバックルから解除されたか否かを検出し、それに対応した電気信号をMPU14に出力する。
【0028】
図3は、シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベルト装着制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0029】
まず、シートベルトのタングがバックルに装着されたことをバックル接続有無検出部16により検出されたか否かを判別し(ステップS31)、検出されていない場合には本制御を終了する一方、検出された場合には、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために直流モータ10を駆動させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS32)。これにより、シートベルトは巻き取られ、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。尚、MPU14は、直流モータ10を駆動させる制御信号のデューティー比を自由に設定変更でき、これにより、リールシャフト3の回転速度を変更することができる。
【0030】
次に、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS33)、当該電流iが所定値、例えば、1.0Aより大きいか否かを判別し(ステップS34)、当該電流iが所定値(1.0A)以下の場合は、ステップS33に戻る一方、当該電流iが所定値(1.0A)より大きい場合は、リールシャフト3のシートベルト巻き取り側への回転速度をさらに減速させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御する(ステップS35)。この時、タイマー15は当該制御信号を直流モータ駆動部11に出力してからの経過時間を計測する。
【0031】
その後、タイマー15により所定時間、例えば3秒間経過したか否かを判別し(ステップS36)、所定時間(3秒間)経過していない場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下しているが、十分に低下していない場合は、ステップS35に戻る一方、所定時間(3秒間)経過した場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下し、十分に低下している場合は、乗員の体にシートベルトがフィットし、シートベルトの巻き取りが限界に到達しているので、リールシャフト3のシートベルト引き出し側への回転速度を加速させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し(ステップS37)、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動力が時系列的に徐々に増大するように制御する。これにより、シートベルトは引き出され、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に減少し、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し速度は徐々に増大する。この時、タイマー15は当該制御信号を直流モータ駆動部11に出力してからの経過時間を計測する。
【0032】
次に、タイマー15により所定時間、例えば2秒間経過したか否かを判別し(ステップS38)、所定時間(2秒間)経過していない場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動力が時系列的に徐々に増大しているが、十分に増大していない場合は、ステップS37に戻る一方、所定時間(2秒間)経過した場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動力が時系列的に徐々に増大し、十分に増大した場合は、乗員に所定の弛みが与えられたので、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動を停止させるべく直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力して(ステップS39)、本制御を終了する。
【0033】
図4はリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【0034】
本実施の形態では、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。
【0035】
その後、直流モータ10に流れる電流iが1.0Aより大きくなると、リールシャフト3のシートベルト巻き取り側への回転速度をさらに減速させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御する(期間T3)。この期間、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大しているが、シートベルトの巻き取り開始時に比べて当該圧迫力の増大する割合は減少している。
【0036】
そして、シートベルトの巻き取りが限界に到達する(点e)。その後、リールシャフト3のシートベルト引き出し側への回転速度を加速させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動力が時系列的に徐々に増大するように制御し、所定の弛みが与えられたところでこの制御を終了する(期間T4)。この期間、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に減少する。
【0037】
上述したように、本実施の形態によれば、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、直流モータ10に流れる電流iが1.0Aより大きくなると、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御し、シートベルトの巻き取りが限界に到達した後に、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動力が時系列的に徐々に増大するように制御するので、従来のように、シートベルトの引き出し加速度が急激に増大し、シートベルトの引き出しのロックに必要とされる引き出し加速度のしきい値を超えることがなくなる。従って、シートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【0038】
尚、本実施の形態では、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力及び引き出し駆動力を直流モータ10を駆動させる制御信号のデューティー比を変更することで制御したが、バッテリ電圧Vbの値を変更する又はバッテリ電圧Vbと直流モータ10との間に可変抵抗を設け、抵抗の値を変更することにより直流モータ10に流れる電流iの大きさを制御し、当該電流iの大きさの制御によりリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力及び引き出し駆動力を制御してもよい。
【0039】
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、主としてシートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御である。
【0040】
本発明の第2の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタ200の構成は、直流モータ駆動部11の替わりに直流モータ駆動部21を備えている点のみ異なり、その他は上記電動リトラクタ100の構成と同様である。
【0041】
図6は直流モータ駆動部21の回路図である。図6中の回路C21は、抵抗r21に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出する電流検出回路であり、回路C22は直流モータ10の端子間電圧を測定する電圧測定回路である。また、図6中のバッテリ電圧Vbは直流モータ10に電源電圧を供給する。
【0042】
図7は、シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベルト装着制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0043】
まず、シートベルトのタングがバックルに装着されたことをバックル接続有無検出部16により検出されたか否かを判別し(ステップS71)、検出されていない場合には本制御を終了する一方、検出された場合には、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために直流モータ10を駆動させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力する(ステップS72)。これにより、シートベルトは巻き取られ、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。尚、MPU14は、直流モータ10を駆動させる制御信号のデューティー比を自由に設定変更でき、これにより、リールシャフト3の回転速度を変更することができる。
【0044】
次に、電流検出回路C21により抵抗r21に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS73)、当該電流iが所定値、例えば、1.0Aより大きいか否かを判別し(ステップS74)、当該電流iが所定値(1.0A)以下の場合は、ステップS73に戻る一方、当該電流iが所定値(1.0A)より大きい場合は、リールシャフト3のシートベルト巻き取り側への回転速度をさらに減速させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御する(ステップS75)。この時、タイマー15は当該制御信号を直流モータ駆動部21に出力してからの経過時間を計測する。
【0045】
その後、タイマー15により所定時間、例えば3秒間経過したか否かを判別し(ステップS76)、所定時間(3秒間)経過していない場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下しているが、十分に低下していない場合は、ステップS75に戻る一方、所定時間(3秒間)経過した場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下し、十分に低下している場合は、乗員の体にシートベルトがフィットし、シートベルトの巻き取りが限界に到達しているので、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動を停止させるべく直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力して(ステップS77)、本制御を終了する。
【0046】
図8はリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【0047】
本実施の形態では、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。
【0048】
その後、直流モータ10に流れる電流iが1.0Aより大きくなると、リールシャフト3のシートベルト巻き取り側への回転速度をさらに減速させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御する(期間T7)。この期間、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大しているが、シートベルトの巻き取り開始時に比べて当該圧迫力の増大する割合は減少している。
【0049】
そして、シートベルトの巻き取りが限界に到達し(点f)、直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力する。これにより、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取りは停止され、シートベルトに圧迫されていた乗員の体や衣服の反発力によって、シートベルトの引き出しが続けられ、所定の弛みが与えられる。従って、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に減少する。
【0050】
上述したように、本実施の形態によれば、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、直流モータ10に流れる電流iが1.0Aより大きくなると、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御し、シートベルトの巻き取りが限界に到達した後に、直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力するので、従来のように、シートベルトの引き出し加速度が急激に増大し、シートベルトの引き出しのロックに必要とされる引き出し加速度のしきい値を超えることがなくなる。従って、シートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【0051】
尚、本実施の形態では、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力及び引き出し駆動力を直流モータ10を駆動させる制御信号のデューティー比を変更することで制御したが、バッテリ電圧Vbの値を変更する又はバッテリ電圧Vbと直流モータ10との間に可変抵抗を設け、抵抗の値を変更することにより直流モータ10に流れる電流iの大きさを制御し、当該電流iの大きさの制御によりリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力を制御してもよい。
【0052】
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、主としてシートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御である。
【0053】
本発明の第3の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタの構成は、上記電動リトラクタ100の構成と同様である。
【0054】
図10は、シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベルト装着制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0055】
まず、シートベルトのタングがバックルに装着されたことをバックル接続有無検出部16により検出されたか否かを判別し(ステップS101)、検出されていない場合には本制御を終了する一方、検出された場合には、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために直流モータ10を駆動させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力する(ステップS102)。これにより、シートベルトは巻き取られ、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。尚、MPU14は、直流モータ10を駆動させる制御信号のデューティー比を自由に設定変更でき、これにより、リールシャフト3の回転速度を変更することができる。
【0056】
次に、電流検出回路C1により抵抗r1に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS103)、当該電流iが所定値、例えば、3.0Aより大きいか否かを判別し(ステップS104)、当該電流iが所定値(3.0A)以下の場合は、ステップS103に戻る一方、当該電流iが所定値(3.0A)より大きい場合、即ち、乗員の体にシートベルトがフィットし、シートベルトの巻き取りが限界に到達している場合は、タイマー15が当該電流iが所定値(3.0A)より大きくなってからの経過時間を計測する(ステップS105)。
【0057】
次いで、タイマー15により所定時間、例えば3秒間経過したか否かを判別し(ステップS106)、所定時間(3秒間)経過していない場合には、ステップS105に戻る。この時、シートベルトの巻き取り駆動力は、シートベルトの巻き取り駆動を開始してからの駆動力が維持されており、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は最大であり、シートベルトの巻き取り速度は0であり、シートベルトの引き出し加速度も0である。
【0058】
ステップS106で、所定時間(3秒間)経過した場合には、リールシャフト3のシートベルト引き出し側への回転速度を加速させるために直流モータ10を駆動する制御信号を直流モータ駆動部11に出力し(ステップS107)、一定の大きさのシートベルト引き出し駆動力でシートベルトの引き出しが行われるように制御する。これにより、シートベルトは引き出され、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に減少し、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し速度は徐々に増大する。この時、タイマー15は当該制御信号を直流モータ駆動部11に出力してからの経過時間を計測する。
【0059】
尚、シートベルトの引き出しが開始された時に、シートベルトの引き出し加速度は一定の大きさになるが、シートベルトの巻き取り時にかかる加速度が付加されないため、シートベルトロック機構2によりシートベルトの引き出しがロックされることはない。
【0060】
次に、タイマー15により所定時間、例えば2秒間経過したか否かを判別し(ステップS108)、所定時間(2秒間)経過していない場合、本判別を繰り返す一方、所定時間(2秒間)経過した場合、即ち、乗員に所定の弛みが与えられた場合は、リールシャフト3によるシートベルトの引き出し駆動を停止させるべく直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力して(ステップS109)、本制御を終了する。
【0061】
図11はリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【0062】
本実施の形態では、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。
【0063】
その後、直流モータ10に流れる電流iが3.0Aより大きくなると、シートベルトの巻き取りが限界に到達する(点g)。シートベルトの巻き取りが限界に到達してから、3秒間シートベルトの巻き取り駆動力は、シートベルトの巻き取り駆動を開始してからの駆動力が維持されており、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は最大であり、シートベルトの巻き取り速度は0であり、シートベルトの引き出し加速度も0である。
【0064】
シートベルトの巻き取りが限界に到達してから3秒間経過した後(点h)、リールシャフト3のシートベルト引き出し側への回転速度を加速させるために直流モータ10を駆動する制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、一定の大きさのシートベルト引き出し駆動力でシートベルトの引き出しが行われるように制御し、所定の弛みが与えられたところでこの制御を終了する。尚、シートベルトの巻き取りが限界に到達してから3秒間経過した後(点h)は、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に減少する。
【0065】
上述したように、本実施の形態によれば、シートベルトの巻き取りが限界に到達し、シートベルトの巻き取り速度及びシートベルトの引き出し加速度は0になり、所定時間(3秒間)経過後、一定の大きさのシートベルト引き出し駆動力でシートベルトの引き出しが行われるように制御するので、シートベルトの引き出し加速度はシートベルトの巻き取り時にかかる加速度が付加されず、シートベルトの引き出しのロックに必要とされる引き出し加速度のしきい値を超えることがなくなる。従って、シートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【0066】
(4)第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、主としてシートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御である。
【0067】
本発明の第4の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタの構成は、上記電動リトラクタ200の構成と同様である。
【0068】
図12は、シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。尚、このシートベルト装着制御はMPU14が行うメイン制御の一部を成すものである。
【0069】
まず、シートベルトのタングがバックルに装着されたことをバックル接続有無検出部16により検出されたか否かを判別し(ステップS121)、検出されていない場合には本制御を終了する一方、検出された場合には、リールシャフト3をシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために直流モータ10を駆動させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力する(ステップS122)。これにより、シートベルトは巻き取られ、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。尚、MPU14は、直流モータ10を駆動させる制御信号のデューティー比を自由に設定変更でき、これにより、リールシャフト3の回転速度を変更することができる。
【0070】
次に、電流検出回路C21により抵抗r21に流れる電流から直流モータ10に流れる電流iを検出し(ステップS123)、当該電流iが所定値、例えば、3.0Aより大きいか否かを判別し(ステップS124)、当該電流iが所定値(3.0A)以下の場合は、ステップS123に戻る一方、当該電流iが所定値(3.0A)より大きい場合、即ち、乗員の体にシートベルトがフィットし、シートベルトの巻き取りが限界に到達している場合は、タイマー15が当該電流iが所定値(3.0A)より大きくなってからの経過時間を計測する(ステップS125)。
【0071】
次いで、タイマー15により所定時間、例えば3秒間経過したか否かを判別し(ステップS126)、所定時間(3秒間)経過していない場合には、ステップS125に戻る。この時、シートベルトの巻き取り駆動力は、シートベルトの巻き取り駆動を開始してからの駆動力が維持されており、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は最大であり、シートベルトの巻き取り速度は0であり、シートベルトの引き出し加速度も0である。
【0072】
ステップS126で、所定時間(3秒間)経過した場合には、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動を停止させるべく直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力して(ステップS127)、本制御を終了する。
【0073】
図13はリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【0074】
本実施の形態では、シートベルトの装着が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始され、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に増大し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度は徐々に減少する。
【0075】
その後、直流モータ10に流れる電流iが3.0Aより大きくなると、シートベルトの巻き取りが限界に到達する(点j)。シートベルトの巻き取りが限界に到達してから、3秒間シートベルトの巻き取り駆動力は、シートベルトの巻き取り駆動を開始してからの駆動力が維持されており、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は最大であり、シートベルトの巻き取り速度は0であり、シートベルトの引き出し加速度も0である。
【0076】
シートベルトの巻き取りが限界に到達してから3秒間経過した後(点k)、直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力する。これにより、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取りは停止され、シートベルトに圧迫されていた乗員の体や衣服の反発力によって、シートベルトの引き出しが続けられ、所定の弛みが与えられる。従って、乗員がシートベルトから受ける圧迫力は徐々に減少する。
【0077】
上述したように、本実施の形態によれば、シートベルトの巻き取りが限界に到達し、シートベルトの巻き取り速度及びシートベルトの引き出し加速度は0になり、所定時間(3秒間)経過後、直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部21に出力するので、シートベルトの引き出し加速度はシートベルトの巻き取り時にかかる加速度が付加されず、シートベルトに圧迫されていた乗員の体や衣服の反発力により生じる引き出し加速度のみであり、シートベルトの引き出しのロックに必要とされる引き出し加速度のしきい値を超えることがなくなる。従って、シートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【0078】
(5)第5の実施の形態
本発明の第5の実施の形態では、シートベルト格納制御について説明する。
【0079】
本発明の第5の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタの構成は、上記電動リトラクタ200の構成と同様である。
【0080】
図14はリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度の関係の一例を示す図である。
【0081】
本実施の形態では、シートベルトの解除が検知されるとリールシャフト3により一定の大きさのシートベルト巻き取り駆動力でシートベルトの巻き取りが開始される。MPU14は、直流モータ10の端子間電圧によりシートベルトの巻き取りの終了直前(点n)であるか否かを判別する。
【0082】
シートベルトの巻き取りの終了直前である場合には(点n)、リールシャフト3のシートベルト巻き取り側への回転速度を減速させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御する。この時、タイマー15は当該制御信号を直流モータ駆動部11に出力してからの経過時間を計測する。
【0083】
その後、タイマー15により所定時間、例えば1.5秒間経過したか否かを判別し、所定時間(1.5秒間)経過していない場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下しているが、十分に低下していない場合は、経過時間の計測を続けさせる一方、所定時間(1.5秒間)経過した場合、即ち、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下し、十分に低下している場合は(点o)、直流モータ10の駆動を停止させる制御信号を直流モータ駆動部11に出力し、本制御を終了する。これにより、シートベルトの巻き取りは停止される。
【0084】
上述したように、本実施の形態によれば、シートベルトの巻き取りの終了直前に、リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御されるので、エンドロック現象、即ち、シートベルトの巻き取り終了によりシートベルトの巻き取り速度が急激に0になり、シートベルトの引き出しがロックされてしまう現象は回避される。従って、シートベルトの引き出しはロックされないようになる。
【0085】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の車両用乗員拘束保護装置によれば、制御手段がシートベルトの巻き取り速度に応じて駆動力供給手段によるシートベルトの駆動力を制御するので、シートベルトの引き出しはロックされないようになり、乗員はシートベルトから受ける圧迫力が大きい時点から解放され、快適なシートベルト装着環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用乗員拘束保護装置が備えている電動リトラクタ100の構成を示す図である。
【図2】直流モータ駆動部11の回路図である。
【図3】シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。
【図4】リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【図5】従来のリールシャフトによるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフトによるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係の一例を示す図である。
【図6】直流モータ駆動部21の回路図である。
【図7】シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【図9】従来のリールシャフトによるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフトによるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係の他の例を示す図である。
【図10】シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。
【図11】リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り及び引き出し駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【図12】シートベルト装着時にMPU14が行うシートベルト装着制御の詳細を説明するフローチャートである。
【図13】リールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力、乗員がシートベルトから受ける圧迫力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度及び引き出し速度の関係を示す図である。
【図14】図14はリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り駆動力及びリールシャフト3によるシートベルトの巻き取り速度の関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 シートベルトロック機構
3 リールシャフト
5 リールシャフト用プーリ
6 直流モータ用プーリ
7 動力伝達ベルト
10 直流モータ(速度検出手段、駆動力供給手段)
11,21 直流モータ駆動部(駆動力供給手段)
14 MPU(速度検出手段、制御手段)
100 電動リトラクタ
Claims (5)
- 少なくともリーフシャフトによるシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタと、前記電動リトラクタに前記シートベルトの巻き取り駆動力を供給する駆動力供給手段と、前記シートベルトが所定加速度以上で引き出されたときにその引き出しをロックするシートベルトロック手段とを備えている車両用乗員拘束保護装置において、
前記シートベルトのタングがバックルに装着された場合に前記リーフシャフトをシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために前記駆動力供給手段に制御信号を出力し、前記駆動力供給手段から供給される電流に応じて前記シートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御し、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、前記リーフシャフトをシートベルトの引き出し側へ回転させ、乗員に所定の弛みが与えられたとき前記シートベルトの引き出し駆動を停止させるように制御する制御手段を備えることを特徴とする車両用乗員拘束保護装置。 - 前記制御手段は、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、所定時間経過後に、前記リーフシャフトをシートベルトの引き出し側へ回転させることを特徴とする請求項1記載の車両用乗員拘束保護装置。
- 少なくともリーフシャフトによるシートベルトの巻き取りを行う電動リトラクタと、前記電動リトラクタに前記シートベルトの巻き取り駆動力を供給する駆動力供給手段と、前記シートベルトが所定加速度以上で引き出されたときにその引き出しをロックするシートベルトロック手段とを備えている車両用乗員拘束保護装置において、
前記シートベルトのタングがバックルに装着された場合に前記リーフシャフトをシートベルトの巻き取り側に所定の回転速度で回転させるために前記駆動力供給手段に制御信号を出力し、前記駆動力供給手段から供給される電流に応じて前記シートベルトの巻き取り駆動力が時系列的に徐々に低下するように制御し、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、前記シートベルトの巻き取り駆動を停止させる制御信号を出力するように制御する制御手段を備えることを特徴とする車両用乗員拘束保護装置。 - 前記制御手段は、前記シートベルトの巻き取り限界に到達したことを検出した後、所定時間経過後に、前記シートベルトの巻き取り駆動を停止させる制御信号を出力することを特徴とする請求項3記載の車両用乗員拘束保護装置。
- 前記車両用乗員拘束保護装置は、更にシートベルトの装着有無を検出するバックル接続有無検出部と、前記シートベルトの巻き取り終了直前であることを検出する巻き取り終了直前検出手段を有し、前記バックル接続有無検出部により、前記シートベルトの非装着が検出された場合には、前記駆動力供給手段により、前記電動リトラクタに前記シートベルトの巻き取り駆動力を供給し、前記シートベルトを巻き取り、前記巻き取り終了直前検出手段により、前記シートベルトの巻き取りが終了直前であることが検出されると、前記制御手段は、時系列的に、巻き取り駆動力を低下させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用乗員拘束保護装置。
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