JP2000067478A - 情報再生用プローブとその作製方法、及び該再生用プローブを用いた情報再生装置 - Google Patents

情報再生用プローブとその作製方法、及び該再生用プローブを用いた情報再生装置

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JP2000067478A
JP2000067478A JP10249101A JP24910198A JP2000067478A JP 2000067478 A JP2000067478 A JP 2000067478A JP 10249101 A JP10249101 A JP 10249101A JP 24910198 A JP24910198 A JP 24910198A JP 2000067478 A JP2000067478 A JP 2000067478A
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広夫 吾妻
Kiyoshi Takimoto
清 瀧本
Yasuhiro Shimada
康弘 島田
Takeo Yamazaki
剛生 山▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、記録ビットが高密度に形成された場
合にも、情報の再生を高速で行うことが可能で、かつ、
ビットの検出感度を従来よりも向上させることができる
情報再生用プローブとその作製方法、及び該再生用プロ
ーブを用いた情報再生装置を提供することを目的として
いる。 【解決手段】本発明の情報再生用プローブは、導電性探
針と該導電性探針を支持する弾性体からなる情報再生用
プローブであって、前記導電性探針の近傍に電界効果ト
ランジスタが設けられ、前記導電性探針が前記電界効果
トランジスタのゲート電極に接続されていることを特徴
とするものであり、また本発明の報再生装置は、上記し
た本発明の情報再生用プローブを備え、前記導電性探針
を走査させた際の該導電性探針の電位変化または誘導分
極により、電界効果トランジスタのゲート電圧を変調し
て記録情報に応じた2値信号を再生信号として出力し、
情報を再生することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル顕
微鏡(STM)の原理を応用した高密度情報記録再生に
用いる情報再生用プローブとその製造方法、及び該再生
用プローブを用いた情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料表面の様子を原子スケールの分解能
で調べることのできる顕微鏡の代表例として、走査型ト
ンネル顕微鏡(STM)と原子間力顕微鏡(AFM)が
あげられる。STMの動作原理は以下のとおりである。
金属の針からなる探針電極を、導電性のある試料の表面
から数10A以内の位置に近付け、探針電極と試料の間
に電圧をかけると、トンネル電流が流れる。トンネル電
流は探針電極と試料表面との間の距離に非常に敏感であ
る。STMは、このトンネル電流が一定となるように、
探針電極と試料表面との間の距離をフィードバック制御
によって調節しながら、探針電極を試料表面上で2次元
走査する。フィードバック制御信号を2次元走査に同期
させてマッピングすることによりトンネル電流を一定と
する探針先端の軌跡を画像化することができる。試料表
面の物性が一定であれば、この軌跡は試料表面形状を画
像化したものと見なすことができる。探針電極と試料表
面間の距離の調節、および、探針電極の走査には、通常
圧電素子が用いられる。
【0003】AFMの動作原理は以下のとおりである。
先端の鋭利な探針を、試料表面の極近傍の位置に近付け
ると、探針先端は試料表面の原子から力を受ける。探針
を小さな弾性体で支持しておけば、探針先端が試料表面
の原子から受ける力は弾性体の変位に変換できる。この
変位が一定になるように、探針と試料表面との間の距離
をフィードバック制御によって調節しながら、探針を試
料表面上で2次元走査する。フィードバック制御信号を
2次元走査に同期させてマッピングすることにより試料
表面の形状を画像化することができる。弾性体として一
般には片持ち梁(カンチレバー)が用いられる。カンチ
レバーの変位は非常に小さく、レバー背面にレーザー光
をあて反射光のふれ角により検出する方法や、レバーの
後方にSTMを設けトンネル電流の変化により検出する
方法などにより検出される。AFMでは探針をごく小さ
な力で接触させた状態で動作させる接触モードが可能で
あり、この場合には弾性体の変位(カンチレバーのたわ
み)から直接表面形状が画像化される。すなわち接触モ
ードでは探針と試料表面との間の距離を特にフィードバ
ック制御する必要がないため高速走査による表面観察が
可能である。またAFMにおける探針として導電性の探
針電極を用いれば、試料表面の形状をAFMにより観察
しながら同時かつ独立に試料表面の伝導度分布等を観察
することができる。
【0004】STMやAFMは、探針先端と試料表面と
の近接相互作用を用いて試料表面の様子を直接的に観察
することを特徴としている。トンネル電流や力以外の相
互作用を用いた顕微鏡も多く開発されており、このよう
な顕微鏡はまとめて、走査型プローブ顕微鏡(SPM)
と呼ばれている。近年、SPMを応用して、物体表面の
微小な領域に情報を書き込み、またこれを読み取る、情
報記録再生装置が考えられつつある。例えば、T.R.
Albrecht,M.M.Dovek,M.D.Ki
rk,C.A.Lang,andC.F.Quate,
Appl.Phys.Lett.,5,1727(19
89)には、グラファイトのへき開面に、3〜8V,1
00μsの電圧のパルスを加え、直径40A、深さ7A
程度の穴を形成し、STMによって、これを観察する研
究が示されている。また、薄膜状の物質の導電率を局所
的に変化させることによって、情報の高密度記録、およ
び、再生を行うことも考えられている。例えば、(瀧本
清、矢野享治、畑中勝則、江口健、中桐孝志:応用物理
63,470(1994))には、導電率の極めて小さ
なLB膜に、探針電極を介してパルス電圧を印加して、
直径10nm程度の非常に電流の流れやすい領域を作
り、これを記録ビットに使うという試みがなされてい
る。
【0005】さらには、SiN/SiO2/Si積層構
造におけるSiN/SiO2界面に探針電極を介したパ
ルス電圧の印加によって電荷を注入、蓄積することで記
録を行い、静電容量の変化によって読み出しを行う方法
が開示されている。また、強誘電体薄膜の自発分極を探
針電極を介したパルス電圧の印加によって局所的に反転
させて情報の記録を行い、自発分極と探針電極との間の
静電力を直接検出することによって再生を行う方法が開
示されている。この方式では、この他にも静電容量の変
化、もしくは圧電効果による媒体の変位を検出して再生
を行う方法も可能である。これらの方法を使えば、きわ
めて高密度な情報記録が可能になると期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】媒体の局所的導電率の
変化によって記録された情報を読み出す場合には、媒体
と探針電極との間を流れる電流の変化を検出する。再生
動作を高速で行うためには、導電性の探針を用いたAF
Mを利用し、AFM自体は接触モードで動作させ、同時
に電流の検出を行うのが適当である。実際には探針電極
または媒体からの配線を電流増幅器に導き、電流/電圧
変換を行う。しかし、上記の構成では、以下のような問
題点があった。 (1)記録密度を向上させた場合、書き込まれる記録ビ
ットの面積は小さくなる。これを高速で走査して読み出
す場合、一つの記録ビットから探針に流れ込む電荷の総
量が減少する。このため、高いコントラストでのビット
の検出が難しくなる。また、ビットの検出感度を向上さ
せると、高速再生が難しくなる。 (2)探針電極または媒体から電流増幅器までの配線に
よって生じる浮遊容量は電流増幅器の帯域を低下させる
ため、高速再生には浮遊容量をなるべく小さくするため
に配線は可能なかぎり短くするのが望ましい。しかし通
常の電流増幅回路を用いる限り、配線の短縮には限界が
ある。
【0007】一方、記録が電荷の蓄積や強誘電体の自発
分極の反転による場合も、高速走査のためにはAFMを
接触モードで動作させる方式を採用するのが望ましい。
しかし、この条件下では静電力の直接検出は困難であ
る。また静電容量の変化や圧電効果による媒体の変位を
検出する場合には交流電圧を印加した際の電流の応答も
しくは弾性体の変位の応答を検出する必要がある。前者
の場合、ロックイン検出等複雑な検出系が必要になるほ
か電流の直接検出の場合同様浮遊容量による帯域低下の
問題が伴う(上記(2)の問題点)。また、後者の場合
には印加する交流電圧の周波数は弾性体の共振周波数以
下に設定しなければならず、走査速度の新たな規制要因
が生じ、高速再生に有利とは言えない。
【0008】そこで、本発明は、上記した課題を解決
し、記録ビットが高密度に形成された場合にも、情報の
再生を高速で行うことが可能で、かつ、ビットの検出感
度を従来よりも向上させることができる情報再生用プロ
ーブとその作製方法、及び該再生用プローブを用いた情
報再生装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、情報再生用プローブとその作製方法、及び
該再生用プローブを用いた情報再生装置を、つぎのよう
に構成したことを特徴とするものである。すなわち、本
発明は、導電性探針と該導電性探針を支持する弾性体か
らなる情報再生用プローブであって、前記導電性探針の
近傍に電界効果トランジスタが設けられ、前記導電性探
針が前記電界効果トランジスタのゲート電極に接続され
ていることを特徴としている。また、本発明の情報再生
用プローブは、前記導電性探針が、シリコン単結晶基板
に形成された凹部に剥離層を介して形成された金属薄膜
を、前記弾性体上の金属接合層に圧着接合させ、前記凹
部形状とされた金属薄膜を転写することにより形成され
た探針であることを特徴としている。また、本発明の情
報再生用プローブは、前記導電性探針が、有機金属錯体
雰囲気下で前記弾性体上の一点に電子ビームを照射する
ことにより形成された金属柱であることを特徴としてい
る。また、本発明の情報再生用プローブの作製方法は、
導電性探針と該導電性探針を支持する弾性体からなる情
報再生用プローブの作製方法であって、シリコン単結晶
基板に形成された凹部に剥離層を介して金属薄膜層によ
り探針を形成し、該金属薄膜層の探針を前記弾性体上に
形成された電界効果トランジスタのゲート電極上の金属
接合層に圧着接合させ、該ゲート電極上の金属接合層に
前記剥離層を介して凹部形状に形成された金属薄膜層の
探針を転写することを特徴としている。また、本発明の
情報再生装置は、導電性探針を有する記録媒体表面に接
触させて該記録媒体表面上を走査させ、前記探針と前記
記録媒体間の相互作用の変化を検出して前記記録媒体に
記録された情報を再生する情報再生装置において、上記
した本発明のいずれかの情報再生用プローブまたは上記
した本発明の情報再生用プローブの作製方法によって作
製された情報再生用プローブを備え、前記導電性探針を
走査させた際の該導電性探針の電位変化または誘導分極
により、電界効果トランジスタのゲート電圧を変調して
記録情報に応じた2値信号を再生信号として出力し、情
報を再生することを特徴としている。また、本発明の情
報再生装置は、前記記録媒体が、導電性基板上に設けら
れた記録層の導電率の局所的な変化によって情報が記録
される記録媒体であることを特徴としている。また、本
発明の情報再生装置は、前記記録媒体が、導電性基板上
に設けられた記録層中への局所的な電荷の蓄積によって
情報が記録される記録媒体であることを特徴としてい
る。また、本発明の情報再生装置は、前記記録媒体が、
導電性基板上に設けられた強誘電体層を記録層とし、該
強誘電体層の自発分極の局所的な反転によって情報が記
録される記録媒体であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】記録媒体には2値情報が記録され
ており、再生時には「0」と「1」を区別して読み出す
ことができればよく、顕微鏡としてのSPMに要求され
るような探針・試料表面間の相互作用検出における検出
系は入出力信号間の直線性を必ずしも要求されない。し
たがって、記録ビットの有無により生じる相互作用の変
化に対してあるしきい値を境に2値信号を出力する検出
回路を少なくとも備えていればよい。このようなことか
ら、本発明によれば、記録媒体に局所的な導電率の変化
として記録された記録ビットを再生する場合、記録ビッ
トの有無は導電性探針の電位の差に変換され、これによ
る電界効果トランジスタのゲート電圧の差によってドレ
イン・ソース間のチャンネルがON/OFFされ、もし
くはチャンネル抵抗が変調されて記録情報に対応した2
値信号が出力されるように構成されている。本発明にお
いては、このような構成により、探針に流れ込む電荷の
総量が減少しても高いコントラストでのビットの検出が
可能になる。更に導電性探針の極近傍に電界効果トラン
ジスタが設けられ探針が直接ゲートに接続されるため、
探針・検出回路間の配線は理想的に短くなり、この間の
浮遊容量を極めて低減できるため、検出回路の帯域を落
とすこともなく高密度記録下での情報再生の高速化が図
れる。また、記録媒体に局所的に電荷を蓄積する、また
は強誘電体薄膜からなる記録媒体の局所的な自発分極の
反転により情報が記録されている場合も、記録ビットの
有無、すなわち蓄積電荷の有無あるいは分極の向きの違
いは導電性探針の電位の差または導電性探針内の誘電分
極の向きの違いに変換され、これによって生じる電界効
果トランジスタのゲート電圧の差によってドレイン・ソ
ース間のチャンネルがON/OFFされ、もしくはチャ
ンネル抵抗が変調されて記録情報に対応した2値信号が
出力される。このため静電容量の変化や圧電効果による
媒体の変位を検出する場合に比べ、検出系が単純となる
ほか、変調の必要がないため高速再生に適する。更に導
電性探針の極近傍に電界効果トランジスタが設けられ探
針が直接ゲートに接続されるため、探針・検出回路間の
配線は理想的に短くなり、この間の浮遊容量を極めて低
減できるため、検出回路の帯域を落とすこともなく高密
度記録下での情報再生の高速化が図れる。
【0011】上記いずれの場合でも、現状の素子作成工
程では信号検出用の電界効果トランジスタの占有面積は
μm2以上であるが、ゲートに金属探針を直接接続する
ため、顕微鏡の空間分解能は探針の先端形状に支配さ
れ、nmオーダーの高い空間分解能を維持し得る。さら
に導電性探針の作製法として、シリコン単結晶基板に形
成された凹部に剥離層を介して形成された金属薄膜を前
記弾性体上の金属接合層に圧着接合させ、前記凹部形状
を転写することによって形成する方法を用いれば、弾性
体上に電界効果トランジスタを作製する工程と探針を製
造する工程が独立になるため、弾性体上に電界効果トラ
ンジスタを配置する設計、及び作製工程の自由度が増
す。
【0012】本発明を、図を用いて説明する。図4は、
本発明の基本的な構成を示している。201はカンチレ
バー本体であり、Siに、BやGaやInを不純物とし
て混入したp形半導体でできており、204、205の
2ケ所に、AsやPやSbを不純物として混入したn形
半導体領域が形成されている。これら、2ケ所のn形半
導体領域204、205は、ソース(S)、および、ド
レイン(D)として使用される。202は、SiO2
らなる絶縁層であり、ゲート(G)絶緑層として使用さ
れる。203は導電性探針であり、Pt(白金)、Au
(金)、W(タングステン)などの金属で作られてい
る。導電性探針203は絶縁層202上に形成した電極
に接続され、この電極と共にゲートとしての役割を果た
す。これらにより電界効果トランジスタ(FET)が構
成される。206および207は、導電率の局所的な変
化によって記録を行う薄膜状の物質、208はAu等の
導電性のある金属で作られた基板である。206は導電
率の低い部分、207は導電率の高い部分を表してい
る。金属基板208とソースSの間には電圧VSTMが、
ドレインDとソースSの間には電圧VDが加えられる。
【0013】図5は、導電性探針203が、導電率の低
い部分206、および、導電率の高い部分207に接触
したときの、ゲートGにかかる電圧を説明するための、
単純化された等価回路図である。図5(a)は、導電性
探針203が、導電率の低い部分206に接触した様子
を示している。薄膜の導電率の低い部分206は、ほと
んど電流が流れずキャパシタとして働く。ゲートGの絶
縁層202の容量をCI、導電率の低い部分206の容
量をCOFFとしてヽ電圧VSTMを印加する。FETのゲー
トGにかかる電圧は、COFFSTM/(COFF+CI)で表
される。図5(b)は、導電性探針203が、導電率の
高い部分207に接触した様子を示している。薄膜の導
電率の高い部分207は、抵抗として働く。導電率の高
い部分207の抵抗をRONとして、電圧VSTMを印加す
る。定常状態では、この回路には電流は流れない。した
がって、FETのゲートGにかかる電圧は、VSTMで表
される。
【0014】一般に、n型チャンネルのエンハンスメン
ト型MOSFETでは、ドレインDにかかる電圧VD
一定の場合、ゲートGにかかる電圧VGが、あるしきい
値VTを越えると、ドレインD、ソースS間を流れる電
流I、が急激に増大する。したがって、導電性探針20
3が、導電率の低い部分206に接触したときのゲート
Gにかかる電圧COFFSTM/(COFF+CI)は、しきい
値VTより低く、導電性探針203が、導電率の高い部
分207に接触したときのゲートGにかかる電圧V
Sは、しきい値VTより高くなるように、電圧VSTMを設
定しなくてはならない。以上の説明は、n型チャンネル
のエンハンスメント型MOSFETについて行った。本
発明では、p型チャンネルのMOSFETでも、また、
デプレション型と呼ばれるタイプのMOSFETでも同
様の効果が得られる、また記録媒体に局所的に電荷を蓄
積する、または強誘電体薄膜からなる記録媒体の局所的
な自発分極の反転により情報が記録されている場合も、
記録ビットの有無、すなわち蓄積電荷の有無あるいは分
極の向きの違いは導電性探針の電位の差または導電性探
針内の誘電分極の向きの違いに変換され、これによって
生じる電界効果トランジスタのゲート電圧の差によって
しきい値VTをはさんだゲート電圧の変動が生じドレイ
ン・ソース間のチャンネルがON/OFFされ、もしく
はチャンネル抵抗が変調されて記録情報に対応した2値
信号が出力される。
【0015】次に、図13を用いて、本発明を適用する
再生装置の概要を説明する。導電性を有する基板100
1上の記録層1002からなる記録媒体1003に対
し、先端に設けられている探針1004が接触するよう
に、複数のプローブ1005が配置されている。各プロ
ーブ1005において、探針1004は、たわむ様に弾
性変形を生じる弾性体1006により支持されている。
また、各プローブは支持体1009に一体で支持されて
いる。ここで、弾性体1006のたわみの弾性定数が約
0.1[N/m]、弾性変形量が約1[μm〕であると
すると、記録媒体に対する探針の接触力は約10
-7[N]程度となる。制御コンピュータ1014により
制御された位置制御回路1013からの位置制御信号を
受け、xyz駆動機構1007により、記録媒体100
3に取り付けられたxyzステージ1008が駆動さ
れ、プローブ1005と記録媒体1003とは相対的に
3次元方向に移動する。記録媒体1003に対し、プロ
ーブ1005のxy方向及びz方向位置を調節し、探針
1004先端が記録媒体1003上の所望の位置で、か
つ所望の接触力で接触させた状態になるようブローブ1
005が位置合せされる。
【0016】上記の再生装置において、記録媒体100
3に対しプローブ1005を走査する際、プローブ10
05上の探針1004先端は記録媒体1003に対し、
常に接触した状態を保つ。このような接触走査方式は、
探針1004先端を記録媒体1003に対し接触させた
まま走査する場合に、記録媒体1003の表面に凹凸が
あっても、弾性体1006の弾性変形によりこれを吸収
するため、探針1004先端と記録媒体1003表面の
接触力はほぼ一定に保たれ、探針1004先端や記録媒
体1003表面が破壊することを避けられる。この方式
は個々のプローブをZ方向に位置合せするピエゾ素子等
の手段が不必要であるため、構成が複雑にならず、特に
複数のプローブを有する装置に適している。また、記録
媒体1003に対する個々のプローブ1005のz方向
位置のフィードバック制御が不要であるため、記録媒体
1003に対するプローブ1005の高速走査が可能と
なる。
【0017】上述の装置における記録層1002として
は、電圧印加により流れる電流値が変化するような材料
を用いる。具体例としては、第1に、特開昭63−16
1552号公報、特開昭63−161553号公報に開
示されているようなポリイミドやSOAZ(ビス−n−
オクチルスクアリリウムアズレン)等電気メモリー効果
を有するLB膜(=Langmuir−Blodget
t法により作成された有機単分子の膜の累積膜)が挙げ
られる。この材料は、探針−LB膜−基板間にしきい値
以上の電圧(5〜10[V]程度)を印加すると間のL
B膜の導電性が変化(OFF状態→ON状態)し、再生
用のバイアス電圧(0.01〜2[V]程度を印加した
際に流れる電流が増大するものである。この媒体を使用
した場合、記録されたドットは周囲に比べて導電性が向
上する。
【0018】第2の具体例として、GeTe,GaS
b,SnTe等の非晶質薄膜材料が挙げられる。この材
料は、探針−非晶質薄膜材料−基板間に電圧を印加し、
流れる電流により発生する熱で非晶質→晶質への相転移
を起こさせるものである。これにより材料の導電性が変
化し、再生用のバイアス電圧を印加した際に流れる電流
が増大するものである。第3の具体例として、Znや
W,Si,GaAs等の酸化性金属・半導体材料が挙げ
られる。この材料は、探針−酸化性金属・半導体材料間
に電圧を印加すると、流れる電流により、材料表面に吸
着している水や大気中の酸素と反応し、表面に酸化膜が
形成される。このため材料表面の接触抵抗が変化し、バ
イアス電圧を印加した際に流れる電流が減少する。この
媒体を使用した場合は、記録されたドットは周囲に比べ
て導電性が低下する。また上述の装置における記録層1
001として、電圧印加により記録層中に電荷を蓄積し
得る材料あるいは分極を反転し得る材料も用いることが
できる。この場合、再生は蓄積電荷、または分極電荷の
直接検出、またはこれらによる媒体表面の電位変化の検
出によってなされる。
【0019】電圧印加により媒体内に電荷を蓄積させる
方法では使用し得る媒体は主に2種類あり、一つは窒化
Si層/酸化Si層/Si基板(NOS)タイプ、もう
一つは酸化Si層/窒化Si層/酸化Si層/Si基板
(ONOS)タイプである。両者共酸化Si層と窒化S
i層の界面付近に電荷を蓄積させる点では同一である
が、ONOSタイプの方が、より表面付近に電荷を蓄積
できるためビット径を小さくでき、高密度化に有利にな
る。
【0020】電圧印加により分極を反転し得る材料とし
ては強誘電性を有するものが挙げられる。例えばPbT
iO3,Bi4Ti312,BaTiO3,LiNbO3
LiTaO3やPZT(チタン酸ジルコニア酸鉛)、P
LZT(チタン酸ジルコニア酸ランタン鉛)、さらには
VDF/TrFE(フッ化ビニリデン/三フッ化エチレ
ン)共重合体、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)とい
った強誘電性高分子など数多くの材料が挙げられ、これ
らの本発明への適用が考えられる。記録媒体は下部電極
層と上部強誘電体層とから構成され、下部電極層はA
u,Ptなどの金属だけでなく、Si等の半導体であっ
てもよい。プローブ電極と記録媒体の下部電極層との間
にパルス電圧を印加し、強誘電体の抗電界よりも大きな
電界が記録媒体に印加されればパルス電圧の極性に対応
して記録媒体の自発分極の方向が決まり情報を記録する
ことができる。
【0021】さて、上述の記録媒体上に記録されたビッ
トの再生は次のように行う。バイアス印加回路1010
により、各プローブのソースと記録媒体1003との間
にバイアス電圧を印加し、記録ビットの有無によりゲー
ト電圧がしきい値を境に変調されるようにする。各プロ
ーブのドレインには抵抗を介して電圧VDが印加され
る。記録ビットの有無により変調されたゲート電圧によ
る各プローブのドレイン・ソース間のチャンネルのON
/OFFが電圧の変化に変換され、再生制御回路101
2に出力される。再生制御回路1012はこれらの電圧
信号を基に再生信号を構成し、制御コンピュータに出力
する。なお、ドレイン抵抗を含む各プローブヘの配線
(図13の1015)、再生制御回路及びバイアス印加
回路は支持体1009上に一体で形成されていてもよ
い。また、ここでは複数のプローブよりなる再生回路を
示したが、1個のプローブからなる再生装置であっても
よい。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1〜図3は、本実施例で使用されるカン
チレバーの構成を示した図であり、図1は、カンチレバ
ー先端のふかん図である。101は厚さ5μmのp形S
i単結晶薄膜(面方位(100)面)、102は厚さ1
μmのSiO2薄膜、103は面方位(100)面のS
i結晶基板である。Si基板103は、厚さ0.5とす
る。p形Si単結晶薄膜101の一部は、カンチレバー
本体109として、Si基板103から突出している。
カンチレバー本体109の上面はSiO2薄膜で覆われ
ている。カンチレバー本体109の大きさは、長さL=
800μm、幅W=200μm、厚さd=5μmとし
た。これにより約1.7[N/m]のたわみのバネ定数
を有するカンチレバーが得られる。カンチレバー本体1
09の先端には、ピラミッド形の探針110と、その探
針110に接続されたゲート電極106が取り付けられ
ている。探針110、ゲート電極106は、Au(金)
で作られている。ゲート電極106の両側には、SiO
2薄膜の除去された窓があり、そこにn形Si領域10
7、108が形成されている。n形Si領域107、1
08には、Al電極104、105が取り付けられてい
る。すなわちカンチレバー本体109の先端付近には、
電界効果トランジスタ(FET)が構成されており、探
針110、ゲート電極106がゲート、n形Si領域1
07、108がドレインとソースのそれぞれの役割を果
たす。図1のAA’の断面を示したのが図2、BB’の
断面を示したのが図3である。SiO2薄膜112が取
り除かれた窓の部分には、n形Si領域107、108
が形成され、Al電極104,105が取り付けられて
いる。ゲート電極106はSiO2薄膜112上に取り
付けられ、更に探針110に接続される。
【0023】図6を用いて、本実施例で使用されるカン
チレバーの作成方法を説明する。本実施例では、図6
(a)のように、厚さ0.5mmの面方位(100)面
のSi結晶基板301、厚さ1μmのSiO2薄膜30
2、厚さ5μmのSi単結晶薄膜を積み重ねた構造の基
板を用意する。このような構造は、SOI(Silic
on−on−Insulator)と呼ばれている。本
実施例ではSiO2薄膜302上の厚さ5μmのSi単
結晶薄膜として、ボロン(B)を不純物原子として導入
したp形Si単結晶薄膜303を用いる。まず、図6
(b)のように、SOIの上下両面に、熱酸化によっ
て、SiO2薄膜304、305を形成する。次に、図
6(c)のように、SiO2薄膜304に、フォトリソ
グラフィ、エッチングによって、窓の領域を作り、イオ
ン注入法により、リン(P)原子を不純物として導入す
る。P原子は、50〜100keVに加速し、ドーズ量
(半導体表面の1cm2 あたりに注入されるイオンの個
数)は、およそ1013cm-2とする。熱処理(600〜
700℃で30分間)を行って、イオン注入による結晶
格子の損傷を回復する。これにより、n形Si領域30
6、307が形成される。
【0024】SiO2薄膜304、および、n形Si領
域306,307上にAlを蒸着して、薄膜308を作
る。Al薄膜308上に、レジスト層を作り、これをフ
ォトリソグラフィによって、レジスト(電極)のパター
ン309,310にする(図6(d))。エッチングに
よって、Al薄膜308のレジスト層に覆われていない
部分を取り除き、さらに、レジストのパターン309,
310を取り除く。こうして、Al電極311,312
ができあがる(図6(e))。次に、Si基板301の
裏面に窒化シリコン膜314を0.5μm成膜した(図
6(f))。フォトリソグラフィによってカンチレバー
本体のパターンにしたレジスト層を形成し、ドライエッ
チングによって、Si単結晶薄膜303をカンチレバー
の形状にパターニングした。次いで、裏面の窒化シリコ
ン膜314、及びSiO2薄膜305を同様にエッチン
グマスク形状にパターニングした(図6(g))。次
に、チタンTiを3nm、金Auを50nm成膜し、フ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層及びゲート電極313を形成した(図6
(h))。
【0025】図7は、本実施例のカンチレバーに取り付
ける探針の製造工程を示す図である。まず、面方位(1
00)面のSi単結晶基板401に、保護層402とし
て熱酸化膜を100nm形成した。次に、保護層402
の所望の箇所を、フォトリソグラフィとエッチングによ
りパターニングし、6μm平方のシリコンを露出した。
次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッ
チングによりパターニング部のシリコンをエッチングし
た。なお、エッチング条件は、濃度30%の水酸化カリ
ウム水溶液を用い、液温90℃、エッチング時間は15
分とした。このとき(111)面と等価な4つの面で囲
まれた深さ約4μmの逆ピラミッド状の凹部403が形
成された(図7(a))。
【0026】次に、保護層402である熱酸化膜をフッ
酸とフッ化アンモニウムの混合水溶液(HF:NH4
=1:5)で除去した(図7(b))。次に、120℃
に加熱した硫酸と過酸化水素水の混合液、及び、2%フ
ッ酸水溶液を用いて基板401の洗浄を行った。次に、
熱酸化炉をもちいて基板401を酸素及び水素雰囲気中
で1000℃に加熱し、剥離層404である二酸化シリ
コンを400nm堆積した(図7(c))。次に、探針
406となる部分を作製する。まず、探針406の材料
として金Auを真空蒸着法により300nm成膜した
(図7(d))。次に探針406の材料405をフォト
リソグラフィとエッチングによりパターニングし、探針
406を形成した(図7(e))。図8は探針をカンチ
レバー上に圧着・接合する工程、及びカンチレバーを作
製する工程を示した図である。同工程において、探針4
06とカンチレバー上の接合層313とを位置合わせし
て対向・接触させ、荷重を加えることにより探針406
と接合層313の接合(圧着)を行った(図8
(a))。次いで、双方の基板(301、401)を引
き離すことにより、剥離層404と探針406との界面
で剥離させた(図8(b))。表面保護層501として
ポリイミド層をスピンコートにより塗布し、ベークして
形成した(図8(c))。次に、裏面の窒化シリコン3
14をエッチングマスクにして、90℃に加熱した30
%水酸化カリウム水溶液により裏面から基板301のエ
ッチングを行った。次に、フッ酸とフッ化アンモニウム
混合水溶液によりSiO2薄膜302を除去した(図8
(d))。最後に、酸素プラズマを用いて表面保護層5
01を除去してカンチレバー型プローブを形成した(図
8(e))。この時のカンチレバーのFET部を含む断
面(図1のA−A’断面)を図8(f)に示す。以上の
ようにして作成したカンチレバー型プローブを用いて前
述した構成の再生装置を製作したところ、高密度に記録
された情報の再生を高速に行うことが可能で、かつ、ビ
ットの検出感度を従来よりも向上させることができた。
【0027】[実施例2]実施例2では、本発明の片持
ち梁レバーに取り付けられた探針として、有機金属錯体
の雰囲気下で、片持ち梁レバーの先端部の一点に、電子
ビームを照射することによって、金属柱を成長させたも
のを使用した。図9は、カンチレバー先端のふかん図で
ある。601は厚さ5μmのp形Si単結晶薄膜、60
2は厚さ1μmのSiO2薄膜、603は面方位(10
0)面のSi結晶基板である。Si基板603は、厚さ
0.5mmである。p形Si単結晶薄膜601の一部
は、カンチレバー本体609として、Si基板603か
ら突出している。カンチレバー本体609の上面は、S
iO2薄膜で覆われている。カンチレバー本体609の
先端には、柱状の探針611と、台座610、さらに、
台座610に接続された電極606が取り付けられてい
る。探針611、台座610、電極606は、Au
(金)で作られている。電極606の両側には、SiO
2薄膜の除去された窓があり、そこにn形Si領域60
7、608が形成されている。n形Si領域607、6
08には、Al電極604,605が取り付けられてい
る。カンチレバー本体609の先端付近は、電界効果ト
ランジスタ(FET)を構成しており、探針611、台
座610、電極606がゲート、n形Si607、60
8がドレインとソースの役割を果たす。
【0028】図10は、本実施例で使用されるカンチレ
バーの製造工程の一部、探針の形成、圧着、及び裏面か
らのエッチングによるカンチレバーの形成工程を示した
ものである。カンチレバー部へのFET部及び接合層3
13の形成は実施例1と同様の工程により作成した。ま
ず、面方位(100)面のSi単結晶基板701に、保
護層702として熱酸化膜を100nm形成した。次
に、保護層702の所望の箇所を、フォトリソグラフィ
とエッチングによりパターニングし、6μm平方のシリ
コンを露出した。次に、水酸化カリウム水溶液を用いた
結晶軸異方性エッチングによりパターニング部のシリコ
ンをエッチングした。なお、エッチング条件は、濃度3
0%の水酸化カリウム水溶液を用い、液温90℃とし
た。この結晶軸異方性エッチングにより(111)面を
側面とする台形の断面を持った凹部703を形成する。
凹部703の底面が、一辺が2〜0.5μmの正方形と
なるように、エッチング時間を調節した(図10
(a))。
【0029】次に、保護層702である熱酸化膜をフッ
酸とフッ化アンモニウムの混合水溶液(HF:NH 4
=1:5)で除去した。次に、120℃に加熱した硫酸
と過酸化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水溶液を用
いて基板701の洗浄を行った。次に、熱酸化炉をもち
いて基板701を酸素及び水素雰囲気中で1000℃に
加熱し、剥離層704である二酸化シリコンを400n
m堆積した(図10(b))。次に、探針706となる
部分を作製する。まず、探針706の材料として金Au
を真空蒸着法により300nm成膜した。次に探針70
6の材料をフォトリソグラフィとエッチングによりパタ
ーニングし、探針706を形成した(図10(c))。
探針706とカンチレバー上の接合層313とを位置合
わせして対向・接触させ、荷重を加えることにより探針
706と接合層313の接合(圧着)を行った(図10
(d))。次いで、双方の基板(301、701)を引
き離すことにより、剥離層704と探針706との界面
で剥離させた(図10(e))。表面保護層としてポリ
イミド層をスピンコートにより塗布し、ベークして形成
した。次に、裏面の窒化シリコン314をエッチングマ
スクにして、90℃に加熱した30%水酸化カリウム水
溶液により裏面から基板301のエッチングを行った。
次に、フッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液によりS
iO2薄膜302を除去した。最後に、酸素プラズマを
用いて表面保護層を除去してカンチレバー型プローブを
形成した(図10(f))。この時のカンチレバーのF
ET部を含む断面(図1のA−A’断面に相当)を図1
0(g)に示す。
【0030】図11は、Auの台座上に、柱状の探針を
形成する方法を示した図である。この方法の基本的な考
え方は、例えば、(Kam.L.Lee,David.
W.Abraham,F.Secord,and L.
Landstein,J.Vac.Sci.Techn
ol.B9.3562(1991))に示されている、
台座を取り付けたカンチレバー本体を、真空チャンバー
に入れ、有機金属錯体のガスにさらす。ここでは、数1
0〜100mTorrのdimethyl−gold
trifluoroaxety lacetonate
complexのガスを使う。数10〜100keV
に加速した電子ビームを、台座上の中央に照射する。電
子ビームは、直径数10nm程度の範囲に集中されてい
て、電流量としては、数10〜100pAとする。電子
ビーム照射時間を、100〜300sとすると、半径
0.2μm、高さ1〜4μmのAuの円柱が形成され
る。円柱の先端は、円錐状の頂点となっている。図12
は、Auの台座上に、Auの円柱が形成される様子を説
明する図である。有機Au錯体(dimethyl−g
old trifluoroaxety laceto
nate complex)分子は、Auの台座上に吸
着する。電子ビームの照射される領域では、電子の衝突
によって、有機Au錯体分子が分解されAu原子となっ
て堆積する。このような効果から、Auの円柱が成長す
る。
【0031】以上のようにして作成したカンチレバー型
プローブを用いて前述した構成の再生装置を製作したと
ころ、高密度に記録された情報の再生を高速に行うこと
が可能で、かつ、ビットの検出感度を従来よりも向上さ
せることができた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報再生
プローブによれば、導電性探針がその近傍に設けられた
電界効果トランジスタのゲート電極に接続するように構
成されているため、該導電性探針の電位変化または誘導
分極により、電界効果トランジスタのゲート電圧を変調
して記録情報に応じた2値信号を再生信号として出力す
ることができる。また探針のきわめて近傍に電界効果ト
ランジスタを形成して、配線を理想的に短くすることが
でき、浮遊容量の大幅な低減化が図れ、検出帯域を落と
すことなく記録情報の高速検出が可能となる。また、導
電性探針を、シリコン単結晶基板に形成された凹部に剥
離層を介して形成された金属薄膜を、前記弾性体上の金
属接合層に圧着接合させ、前記凹部形状とされた金属薄
膜を転写する作製方法で作製することにより、弾性体上
に電界効果トランジスタを作製する工程と探針を製造す
る工程が独立になるため、弾性体上に電界効果トランジ
スタを配置する設計、及び作製工程の自由度を高めるこ
とができる。また、本発明の再生プローブを用いた再生
装置は、記録媒体の導電率の局所的な変化により記録さ
れた情報、あるいは記録媒体中への電荷蓄積または記録
媒体の分極により記録された情報の再生に適用でき、高
密度に記録された情報の再生を高速に行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるカンチレバーの構成
を示した図。
【図2】図1で示されているAA’方向の断面を示した
図。
【図3】図1で示されているBB’方向の断面を示した
図である。
【図4】本発明の基本的な動作を説明する図であり、そ
の基本的な構成を示した図。
【図5】本発明の基本的な動作を説明する図であり、
(a)、(b)は、プローブが試料の導電率の低い部
分、および、導電率の高い部分に接触したときの等価回
路を示した図である。
【図6】本発明の実施例1における再生プローブの製造
工程の一部、カンチレバー上にFETを作製する工程及
び探針接合層を作製する工程を示した図である。
【図7】本発明の実施例1における再生プローブの製造
工程の一部、導電性探針の製造工程を示した図である。
【図8】本発明の実施例1における再生プローブの製造
工程の一部、探針をカンチレバー上に圧着・接合する工
程、及びカンチレバーを作製する工程を示した図であ
る。
【図9】本発明の実施例2における再生プローブを示す
図である。
【図10】本発明の実施例2における再生プローブの製
造工程の一部、探針の製造工程、探針をカンチレバー上
に圧着・接合する工程、及びカンチレバーを作製する工
程を示した図である。
【図11】本発明の実施例2における柱状探針の形成方
法を示した図である。
【図12】本発明の実施例2における柱状探針の形成原
理を説明する図である。
【図13】本発明の再生プローブを用いた再生装置の構
成の一例を示した図である。
【符号の説明】
101,111,303,601:p形Si単結晶薄膜 102,112,302,304,305,602:S
iO2薄膜 103,301,401,603,701:面方位(1
00)面のSi結晶基板 104,105,311,312,604,605:A
l電極 106,313,606:Au電極(ゲート電極及び接
合層) 107,108,204,205,306,307,6
07,608:n形Si領域 109,201,609:カンチレバー本体 110,203,406,706,1004:探針 202:絶縁層 206:薄膜の導電率の低い部分 207:薄膜の導電率の高い部分 208,1001:導電性基板 308:Al薄膜 309,310:レジスト 314:窒化シリコン薄膜 402,702:保護層 403:逆ピラミッド形の凹部 404,704:剥離層 405:Au薄膜 501:表面保護層 610:台座 611:柱状の探針 703:台形の断面を持った凹部 1002:記録層 1003:記録媒体 1005:プローブ 1006:弾性体 1007:xyz駆動機構 1008:xyz駆動ステージ 1009:支持体 1010:バイアス印加回路 1012:再生制御回路 1013:位置制御回路 1014:制御コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 康弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 剛生 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性探針と該導電性探針を支持する弾性
    体からなる情報再生用プローブであって、前記導電性探
    針の近傍に電界効果トランジスタが設けられ、前記導電
    性探針が前記電界効果トランジスタのゲート電極に接続
    されていることを特徴とする情報再生用プローブ。
  2. 【請求項2】前記導電性探針が、シリコン単結晶基板に
    形成された凹部に剥離層を介して形成された金属薄膜
    を、前記弾性体上の金属接合層に圧着接合させ、前記凹
    部形状とされた金属薄膜を転写することにより形成され
    た探針であることを特徴とする請求項1に記載の情報再
    生用プローブ。
  3. 【請求項3】前記導電性探針が、有機金属錯体雰囲気下
    で前記弾性体上の一点に電子ビームを照射することによ
    り形成された金属柱であることを特徴とする請求項1に
    記載の情報再生用プローブ。
  4. 【請求項4】導電性探針と該導電性探針を支持する弾性
    体からなる情報再生用プローブの作製方法であって、 シリコン単結晶基板に形成された凹部に剥離層を介して
    金属薄膜層により探針を形成し、該金属薄膜層の探針を
    前記弾性体上に形成された電界効果トランジスタのゲー
    ト電極上の金属接合層に圧着接合させ、該ゲート電極上
    の金属接合層に前記剥離層を介して凹部形状に形成され
    た金属薄膜層の探針を転写することを特徴とする情報再
    生用プローブの作製方法。
  5. 【請求項5】導電性探針を有する記録媒体表面に接触さ
    せて該記録媒体表面上を走査させ、前記探針と前記記録
    媒体間の相互作用の変化を検出して前記記録媒体に記録
    された情報を再生する情報の再生装置において、 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の情報再生用
    プローブまたは請求項4によって作製された情報再生用
    プローブを備え、前記導電性探針を走査させた際の該導
    電性探針の電位変化または誘導分極により、電界効果ト
    ランジスタのゲート電圧を変調して記録情報に応じた2
    値信号を再生信号として出力し、情報を再生することを
    特徴とする情報再生装置。
  6. 【請求項6】前記記録媒体が、導電性基板上に設けられ
    た記録層の導電率の局所的な変化によって情報が記録さ
    れる記録媒体であることを特徴とする請求項5に記載の
    情報再生装置。
  7. 【請求項7】前記記録媒体が、導電性基板上に設けられ
    た記録層中への局所的な電荷の蓄積によって情報が記録
    される記録媒体であることを特徴とする請求項5に記載
    の情報再生装置。
  8. 【請求項8】前記記録媒体が、導電性基板上に設けられ
    た強誘電体層を記録層とし、該強誘電体層の自発分極の
    局所的な反転によって情報が記録される記録媒体である
    ことを特徴とする請求項5に記載の情報再生装置。
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