JP3305304B2 - 探針駆動機構並びに該機構を用いた圧電式アクチュエータの製造方法 - Google Patents

探針駆動機構並びに該機構を用いた圧電式アクチュエータの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料の表面観察或いは
記録媒体を用いた記録・再生に用いられる、探針駆動機
構及び該機構を用いた圧電式アクチュエータの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体或いは高分子材料等の原
子、分子オーダーの観察評価、微細加工、及び記録装置
等の様々な分野への走査型トンネル顕微鏡(以下「ST
M」と記す)の応用が研究されている。
【0003】中でも、コンピューターの計算情報や映像
情報等では大容量を有する記録装置が要求され、STM
手法の応用に対する要望がますます高まっており、さら
に半導体プロセス技術の進展により、マイクロプロセッ
サが小型化し、計算能力が向上したために記録装置の小
型化が望まれている。これらの要求を満たす目的で、記
録媒体との間隔の微調整が可能な駆動手段上に存在する
トンネル電流発生用プローブからなる変換器を用い、該
変換器から電圧を印加し、記録媒体表面の仕事関数を変
化させることにより記録書き込みし、或いは仕事関数の
変化によるトンネル電流の変化を検知することにより情
報の読み出しを行ない、最小記録面積が10nm平方と
なる記録再生装置が提案されている(特開昭63−16
1552号公報等)。
【0004】一般に、データ転送速度、及びデータ記録
速度を向上させるためにはプローブの数を増やす必要が
ある。この際、上述した装置においてはプローブと媒体
との間隔を調整しつつ、記録データ列上を走行すること
になるが、記録したデータ列の幅が非常に細く、装置の
温度変化によるドリフト、外部からの振動などの影響に
よるプローブのデータ列からのはずれ等により安定した
記録再生が困難になる。従って各プローブが独立に、媒
体面に平行な方位を垂直な方位に高速に変位することが
要求される。
【0005】この要求を満足させるために、例えば、W
O89/07256には図6の様な圧電体層5、7と電
極層4、6、8を積層したカンチレバーが提案されてい
る。該カンチレバーはシリコン酸化膜よりなる絶縁層1
1を成膜パターニングし、次いでSi基板1を異方性エ
ッチングによってシリコンメンブレン10を形成してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例ではシリコンメンブレン10と絶縁層11のエッチ
ングの際にSi基板1のサイドエッチングを抑えるため
に絶縁層11の膜厚を薄くする必要がある。そのため下
電極4とSi基板1で無視できない容量が発生し、基板
を介して他の電極と接続し、図7の様な等価回路にな
る。
【0007】通常カンチレバーの駆動周波数はカンチレ
バーの大きさ、層構成で決まる共振周波数で制限される
が、さらに従来例では圧電体層5、7による容量と上述
の寄生容量による時定数の増大によっても制限され媒体
とプローブの間隔の調整ができず、書き込み読み出しの
誤動作を生じる。また、複数プローブ構成の場合は駆動
電極の配線長が各々のプローブで異なるためこれによる
寄生容量も大きくばらつく。従って、これがカンチレバ
ーの駆動特性のバラツキとなる。
【0008】また、以上の問題を回避するために電極下
の絶縁層を厚くし、寄生容量を小さくする様な工程にし
た場合、図6の絶縁層11をエッチングする際、Siが
等方的にエッチングされ、絶縁層厚さの10倍以上サイ
ド方向にエッチングが進むためカンチレバー形状の制御
性が悪くなる。
【0009】本発明の目的は、カンチレバーと支持体と
の間で発生する寄生容量を低減してカンチレバーの応答
性を改善すると共に、カンチレバー製造時の不要なエッ
チングを防止した新規な圧電式アクチュエータ、探針駆
動機構の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の第1の
態様は、圧電体薄膜と、これを挟持する電極を有するバ
イモルフカンチレバーであって、該カンチレバーの一端
が絶縁層を介して支持体の表面に支持され、且つその他
端に情報入出力用のプローブを備えた探針駆動機構の製
造方法であって、支持体上に第1の絶縁層を設け、上記
カンチレバーの一端を支持する支持体部を残し、エッジ
部において傾斜部を有するようにパターニングする工
程、更にその上に第2の絶縁層を設ける工程、第2の絶
縁層上に電極層と圧電体薄膜を順次積層する工程、プロ
ーブを形成する工程、及び支持体部以外の支持体を除去
してカンチレバーを形成する工程を含むことを特徴とす
る探針駆動機構の製造方法である。
【0011】本発明の第2の態様は、圧電体薄膜と、こ
れを挟持する電極を有するバイモルフカンチレバーであ
って、該カンチレバーの一端が絶縁層を介して支持体の
表面に支持され、且つその他端に情報入出力用のプロー
ブを備えた探針駆動機構の製造方法であって、支持体上
に第1の絶縁層を設ける工程、更にその上に第2の絶縁
層を設け、上記カンチレバーの一端を支持する支持体部
を残し、エッジ部において傾斜部を有するようにパター
ニングする工程、第1及び第2の絶縁層上に電極層と圧
電体薄膜を順次積層する工程、プローブを形成する工
程、及び支持体部以外の支持体を除去してカンチレバー
を形成する工程を含むことを特徴とする探針駆動機構の
製造方法である。
【0012】本発明の第3の態様は、圧電体薄膜と、こ
れを挟持する電極を有するバイモルフカンチレバーであ
って、該カンチレバーの一端が絶縁層を介して支持体の
表面に支持され、支持体の裏面に絶縁層を有する圧電式
アクチュエータの製造方法であって、支持体上に第1の
絶縁層を設け、上記カンチレバーの一端を支持する支持
体部を残し、エッジ部において傾斜部を有するようにパ
ターニングする工程、更にその上に第2の絶縁層を設け
る工程、第2の絶縁層上に電極層と圧電体薄膜を順次積
層する工程、及び支持体部以外の支持体を除去してカン
チレバーを形成する工程を含むことを特徴とする圧電式
アクチュエータの製造方法である。
【0013】本発明によれば、カンチレバー部の剛性を
低くし、且つ支持体上に絶縁層を厚く設けることによ
り、寄生容量を低くし、且つカンチレバーの駆動特性を
高めることを可能にしたものである。
【0014】この絶縁層の膜厚は、少なくとも5000
Åは必要であり、1μm以上であれば更に好ましい。
【0015】また、上記本発明による探針駆動機構のさ
らに好ましい態様としては、支持体に接する絶縁層が、
耐異方性エッチングを有する材料からなる、或いはシリ
コン酸化膜を含み、カンチレバーに接する絶縁層がシリ
コンナイトライド膜を含み、支持体の裏面に接する絶縁
層がシリコン酸化膜を含み、支持体がシリコンからな
る。
【0016】また、本発明の探針駆動機構の製造方法に
おいては、支持体は異方性エッチングで除去されること
が望ましい。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこれらに限定されるものではない。
【0018】実施例1 図1は本発明によるカンチレバーと引出電極部構成の断
面図である。カンチレバーは圧電体層5、7と駆動用電
極層4、6、8とで構成され、カンチレバー自由端には
ティップ9が積載されトンネル電流引出用電極は上電極
8形成時に同時に形成される。図1では中、上電極6、
8が途中で切断されているが、実際にはボンディングパ
ッドまでの長い距離に渡って配線される。
【0019】次に本発明による構成と効果を図2の製造
工程図に従って説明する。
【0020】図2(a)に示す如く(100)Si基板
1に容易に厚膜を得ることができるので熱酸化炉で1μ
m以上のシリコン酸化膜3を成膜し、表面は支持体部1
3のみにシリコン酸化膜が残るように、両面をパターニ
ングする。シリコン酸化膜3のパターニングは図2
(c)の工程で成膜する下電極4として比較的薄い層を
用いた場合にシリコン酸化膜のエッジ部12が急峻にな
ると下電極4のカバーレージが悪くなるのでHF系の水
溶液等の等方的エッチングによることが望ましい。その
後LPCVD装置でSiH2Cl2とNH3ガスの気相成
長によってシリコンナイトライド膜2を1000〜15
00Å成膜し、裏面のみパターニングする。この際シリ
コンナイトライド膜2を成膜するかわりに、再度熱酸化
炉でシリコン酸化膜を成膜しても良い。
【0021】次に図2(b)に示す如くSiの異方性エ
ッチング例えばKOH水溶液を加熱し、後にカンチレバ
ーとなる領域をエッチングし数10μm厚のシリコンメ
ンブレン10を形成する。更に図2(c)に示す如く、
下電極4を1000Å程度成膜し、圧電体5を成膜し、
同様の操作で中電極6、圧電体層7、上電極8を順に積
層し、ティップ9を形成する。次に表面を10μm以上
コーティングしシリコンメンブレン10及びシリコンナ
イトライド膜2をKOH水溶液等による異方性エッチン
グ或いはCF4、SF6等のガスによるプラズマエッチン
グによって除去し、さらにCF4、SF6等のガスによる
プラズマエッチングによってコーティングを除去するこ
とによって図1の様な構成のカンチレバーが得られる。
【0022】以上の様に形成されたカンチレバーの、本
発明の構成による利点は次の通りである。
【0023】前述した様に、図6の如き従来型の構成に
よると、図7の等価回路に示される望ましくない寄生容
量c1、c2が存在する。ここでcは圧電体の容量、
1、r2は配線抵抗、r3は基板の抵抗を表す。
【0024】以上の条件で本発明(図1)と従来技術
(図6)のc、c1、c2を比較する。 条件 SiO23の厚さ(本発明のみ) 1μm Si342(従来例では絶縁層11に該当)の厚さ 0.15μm 圧電体5、7の厚さ 0.3μm カンチレバー9の大きさ 300μm×100μm 配線 5μm幅×5mm長 Si34の誘電率 1.0×10-10(F/m) SiO2の誘電率 3.5×10-11( 〃 ) ZnOの誘電率 1.1×10-10( 〃 )
【0025】
【0026】以上の比較より明らか様に従来例ではカン
チレバー本体に対し配線からの寄生分がほぼ40%
(c’/c)にもなるのに対し、本発明のc’はその1
/10以下と非常に低い。図4の様なマルチプローブの
場合にはプローブ間での配線長が異なるため、各々のプ
ローブの寄生容量や基板抵抗が大幅に異なることになり
カンチレバーの駆動に大きなバラツキが生じることにな
る。しかし、本発明によれば寄生容量そのものが小さい
ので配線長のバラツキによる寄生分のバラツキが減少さ
れる。即ち、各カンチレバーの特性のバラツキを大幅に
抑えることが可能となるのである。
【0027】実施例2 基本的な構成と効果については実施例1に同じである
が、製法についての他の例を図3を用いて説明する。
【0028】シリコン基板1に対しLPCVD装置を用
いて800℃程度加熱しSiH2Cl2とNH3を反応さ
せ、シリコンナイトライド膜2を1000〜1500Å
成膜し、シリコンメンブレン10領域形成のため裏面を
パターニングし、エッチングする。次に常圧CVD装置
を用いて400〜450℃程度に加熱しSiH4とO2
反応させシリコン酸化膜3を表面のみに成膜しパターニ
ング、エッチングし、図3の様な構成を得る。後の工程
は実施例1に同じである。
【0029】尚、シリコンメンブレン10を形成する工
程をシリコン酸化膜3を成膜する前に実施しても同様な
結果を得ることができる。
【0030】実施例3 次に、本発明による前記探針駆動機構を用いた情報処理
装置の一例である記録再生装置の説明を行なう。図5
は、本実施例の記録再生装置の概略図である。101
は、本発明の探針駆動機構102を複数設けたシリコン
基板、105は、シリコン基板をZ方向に駆動する粗動
用圧電素子、103は板状の記録媒体、104は探針駆
動機構の走査可能領域で決まる記録エリアを一列に並べ
たデータ列である。記録媒体103は、不図示の移動機
構により、図中矢印の方向に並進移動され、記録エリア
は列状に記録される。探針駆動機構102とZ方向粗動
用圧電素子105は、不図示のリニアモータなどの移動
機構によりデータ列と直行する方向に移動可能な様に構
成され、任意のデータ列にアクセスし、データの記録再
生を行なうことができる。その際、目標とするデータ列
までのアクセスは、リニアエンコーダーなどの位置検出
装置により行なわれ、その後、探針駆動機構102の各
々の探針は、目標のデータ列の各々の記録エリア内を走
査する。
【0031】前記記録媒体103としては、電流−電圧
特性においてメモリ−スイッチング現象(電気メモリー
効果)を有する材料、例えば、特開昭63−16155
2号公報に記載されているように、π電子準位をもつ群
とσ電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上に
積層した有機単分子膜或いはその累積膜を用いることが
可能となる。電気メモリー効果は前記の有機単分子膜、
その累積膜等の薄膜を一対の電極間に配置させた状態で
それぞれ異なる2つ以上の導電率を示す状態(図8ON
状態、OFF状態)へ遷移させることが可能なしきい値
を超えた電圧を印加することにより可逆的に低抵抗状態
(ON状態)及び高抵抗状態(OFF状態)へ遷移(ス
イッチング)させることができる。またそれぞれの状態
は電圧を印加しなくとも保持(メモリー)しておくこと
ができる。
【0032】また記録媒体103として、あるしきい値
以上の電圧を印加すると表面が局所的に溶融または蒸発
して、表面形状が凹又は凸に変化する材料、例えば、A
u、Ptなどの金属薄膜を用いても良い。
【0033】次に、記録再生の方法を説明する。
【0034】先ず、記録方法は、Z方向粗動用圧電素子
105と探針駆動機構102が移動機構により記録位置
に移動し、記録媒体103のあるしきい値を超える電圧
を印加することにより行なう。その際、記録媒体103
には、バイアス回路106によりバイアス電圧が加えら
れ、探針は記録媒体103に対してトンネル電流が流れ
る距離に保たれている。その接近は、Z方向粗動用圧電
素子105により、近傍まで近づけ、後は複数有る探針
駆動機構102で各々の探針毎にトンネル領域に引き込
まれる。その引き込みは各探針に対応したトンネル電流
検出回路107により検出されたトンネル電流を各々の
探針駆動機構102のZ方向サーボ回路110を通して
フィードバックすることにより、各探針と記録媒体間を
一定距離に制御している。その時、Z方向サーボ回路1
10にはローパスフィルターが設けられ、そのカットオ
フ周波数はデータ信号には追従せず、記録媒体の面振
れ、表面のうねりに追従できるように選ばれ、探針と記
録媒体の平均距離が一定となる様に制御される。
【0035】記録時には、制御回路112から記録信号
がパルス印加回路108に送られ、各探針にパルス電圧
として印加され、記録が行なわれる。
【0036】その際、パルス印加により探針と記録媒体
の距離が変化しないようにZ方向サーボ回路110に
は、ホールド回路を設けて、パルス電圧が印加されてい
る探針駆動機構102の駆動電圧を保持する。
【0037】そのとき、データ列104の記録エリア内
には記録ビットがマトリクス状に記録される。各々の記
録ビット列には、アドレス情報が挿入されており、再生
時のデータの識別を行なう。
【0038】次に再生方法について説明する。
【0039】再生時には探針は、移動機構により所望の
データ列104の記録エリア上に移動し、記録媒体10
3の表面との間のトンネル電流の記録部と非記録部の変
化分を検出し再生を行なう。そのとき探針駆動機構10
2はXY位置制御回路109により制御され、探針が記
録エリアの全域を走査するように駆動される。1つの記
録エリア内の再生信号は、トンネル電流検出回路107
を通し、制御回路112で信号処理して一時的に記憶さ
れ、その中から所望のデータのみが再生出力される。
【0040】このような記録再生装置において探針駆動
機構を前記実施例の様な構成とすることにより、1つの
探針で走査できる領域が広がり、1つの記録エリアが大
きくなり、全体として記録密度を挙げることができる。
【0041】実施例4 実施例1のカンチレバー型プローブを用いたSTM装置
を作製した。装置のブロック図は図5と同様である。こ
の装置で、サンプルとしてHOPG(高配向熱分解グラ
ファイト)基板のへき開面を、バイアス電流1nA、ス
キャンエリア100Å×100Åで観察したところ、良
好な原子像を得ることができた。
【0042】また、スキャンエリア500Å×500Å
で同様にHOPG基板の表面の小さい段差を観察した
後、プローブを基板から離し、再度観察を行なったとこ
ろ再現性良く、同じ場所で段差が観察された。
【0043】実施例5 本実施例においては、インクジェットヘッドに応用する
ために圧電式アクチュエータを複数個横に並べて作製し
た。断面の概略図を図9(a)に、その斜視図を図9
(b)にそれぞれ示す。
【0044】ティップの形成を除き、しかも基板の除去
工程の直前まで、実施例1と同様の操作を行なって圧電
式アクチュエータを作製した。次に、ノズル付き基板2
8に複数のノズル開口部29を形成した。更にスペーサ
27を形成した。スペーサ27には貴金属などの導電体
薄板を用い、各圧電式アクチュエータの上部電極8を短
絡して接続できるようにしたと同時に、引出電極の役割
を兼ねるようにした。また、各圧電式アクチュエータの
下部電極には、不図示の引出電極より個別に印加できる
ようにした。
【0045】続いて位置合わせの後、圧電式アクチュエ
ータを形成した基板1とノズル付き基板28を貼り合わ
せた。最後に実施例1に示す様に、水酸化カリウム水溶
液を用いて基板の異方性エッチングにより圧電式アクチ
ュエータの片端部を除いて圧電式アクチュエータ下部の
基板を除去して作製した。
【0046】このようにして作製したインクジェットヘ
ッドにおいては、下部電極4に印加した電圧による圧電
式アクチュエータの自由端部の図中上下方向への変位に
より、ノズル開口部29付近のインクの圧力が高まり、
ノズル開口部29よりインクを吐出させることができ
る。このような電圧印加を、複数の圧電式アクチュエー
タそれぞれに対して選択的、断続的に行なうことで、電
圧印加に対して応答性の良好な任意の印字を行なうこと
ができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、支持体と電極間の絶縁
層を配線下のみに残しその後に電極層、圧電層を積層す
るのでカンチレバー部のシリコンメンブレンのエッチン
グ後の絶縁層のエッチングの際にシリコンのサイドエッ
チングの問題が発生しない。そのため、配線下の絶縁層
を厚くすることが可能となるので配線間の寄生容量を低
くすることができる。その結果、各プローブ間の寄生容
量のバラツキを抑えることができ、しかも寄生容量その
ものを小さくできるのでプローブ駆動の制御性が大きく
向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による探針駆動機構の断面図である。
【図2】図1に示した探針駆動機構の製造工程図であ
る。
【図3】別の態様の製造工程を示す図である。
【図4】マルチプローブの概略図である。
【図5】本発明による探針駆動機構を用いた情報処理装
置の概略図である。
【図6】探針駆動機構の従来例を示す概略図である。
【図7】探針駆動機構の従来例の電極間の等価回路図で
ある。
【図8】本発明による探針駆動機構を用いた情報処理装
置に用いる記録層の電気メモリー効果を示す図である。
【図9】本発明による圧電式アクチュエータを応用した
例を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 シリコンナイトライド膜 3 シリコン酸化膜 4 下電極 5 圧電体層 6 中電極 7 圧電体層 8 上電極 9 ティップ 10 シリコンメンブレン 11 絶縁層 12 エッジ部 13 支持体部27 スペーサ 28 ノズル付き基板 29 ノズル開口部 101 シリコン基板 102 探針駆動機構 103 記録媒体 104 データ列 105 粗動用圧電素子 106 バイアス回路 107 トンネル電流検出回路 108 パルス印加回路 109 XY位置制御回路 110 Z方向サーボ回路 111 Z方向粗動回路 112 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/3065 H01L 21/302 J 21/318 21/306 E 41/09 41/08 U 41/22 41/22 Z (72)発明者 山本 敬介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 笠貫 有二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 義勇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 平井 裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−220596(JP,A) 特開 昭62−108161(JP,A) 特開 平4−136577(JP,A) 特表 平3−504762(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B81C 1/00 G01B 21/00 G01N 13/12 G12B 21/04 H01L 21/306 H01L 21/3065 H01L 21/318 H01L 41/09 H01L 41/22

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体薄膜と、これを挟持する電極を有
    するバイモルフカンチレバーであって、該カンチレバー
    の一端が絶縁層を介して支持体の表面に支持され、且つ
    その他端に情報入出力用のプローブを備えた探針駆動機
    構の製造方法であって、支持体上に第1の絶縁層を設
    け、上記カンチレバーの一端を支持する支持体部を残
    し、エッジ部において傾斜部を有するようにパターニン
    グする工程、更にその上に第2の絶縁層を設ける工程、
    第2の絶縁層上に電極層と圧電体薄膜を順次積層する工
    程、プローブを形成する工程、及び支持体部以外の支持
    体を除去してカンチレバーを形成する工程を含むことを
    特徴とする探針駆動機構の製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体とカンチレバーとの間に設けられ
    た絶縁層の膜厚が少なくとも5000Åであることを特
    徴とする請求項1記載の探針駆動機構の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の絶縁層の厚さが、少なくとも50
    00Åであることを特徴とする請求項1記載の探針駆動
    機構の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の絶縁層が、シリコン酸化膜を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の探針駆動機構の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第2の絶縁層が、シリコンナイトライド
    膜を含むことを特徴とする請求項1記載の探針駆動機構
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 圧電体薄膜と、これを挟持する電極を有
    するバイモルフカンチレバーであって、該カンチレバー
    の一端が絶縁層を介して支持体の表面に支持され、且つ
    その他端に情報入出力用のプローブを備えた探針駆動機
    構の製造方法であって、支持体上に第1の絶縁層を設け
    る工程、更にその上に第2の絶縁層を設け、上記カンチ
    レバーの一端を支持する支持体部を残し、エッジ部にお
    いて傾斜部を有するようにパターニングする工程、第1
    及び第2の絶縁層上に電極層と圧電体薄膜を順次積層す
    る工程、プローブを形成する工程、及び支持体部以外の
    支持体を除去してカンチレバーを形成する工程を含むこ
    とを特徴とする探針駆動機構の製造方法。
  7. 【請求項7】 支持体とカンチレバーとの間に設けられ
    た絶縁層の膜厚が少なくとも5000Åであることを特
    徴とする請求項6記載の探針駆動機構の製造方法。
  8. 【請求項8】 第2の絶縁層の厚さが、少なくとも50
    00Åであることを特徴とする請求項6記載の探針駆動
    機構の製造方法。
  9. 【請求項9】 第2の絶縁層が、シリコン酸化膜を含む
    ことを特徴とする請求項6記載の探針駆動機構の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 第1の絶縁層が、シリコンナイトライ
    ド膜を含むことを特徴とする請求項6記載の探針駆動機
    構の製造方法。
  11. 【請求項11】 支持体が、シリコンを含むことを特徴
    とする請求項1または6記載の探針駆動機構の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 支持体を異方性エッチングで除去する
    ことを特徴とする請求項1または6記載の探針駆動機構
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 圧電体薄膜と、これを挟持する電極を
    有するバイモルフカンチレバーであって、該カンチレバ
    ーの一端が絶縁層を介して支持体の表面に支持され、支
    持体の裏面に絶縁層を有する圧電式アクチュエータの製
    造方法であって、支持体上に第1の絶縁層を設け、上記
    カンチレバーの一端を支持する支持体部を残し、エッジ
    部において傾斜部を有するようにパターニングする工
    程、更にその上に第2の絶縁層を設ける工程、第2の絶
    縁層上に電極層と圧電体薄膜を順次積層する工程、及び
    支持体部以外の支持体を除去してカンチレバーを形成す
    る工程を含むことを特徴とする圧電式アクチュエータの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 支持体とカンチレバーとの間に設けら
    れた絶縁層の膜厚が少なくとも5000Åであることを
    特徴とする請求項13記載の圧電式アクチュエータの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 第1の絶縁層の厚さが、少なくとも5
    000Åであることを特徴とする請求項13記載の圧電
    式アクチュエータの製造方法。
  16. 【請求項16】 支持体が、シリコンを含むことを特徴
    とする請求項13記載の圧電式アクチュエータの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 第1の絶縁層が、シリコン酸化膜を含
    むことを特徴とする請求項13記載の圧電式アクチュエ
    ータの製造方法。
  18. 【請求項18】 第2の絶縁層が、シリコンナイトライ
    ド膜を含むことを特徴とする請求項13記載の圧電式ア
    クチュエータの製造方法。
  19. 【請求項19】 支持体を異方性エッチングで除去する
    ことを特徴とする請求項13記載の圧電式アクチュエー
    タの製造方法。
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