JP3234952B2 - プローブユニット及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置 - Google Patents

プローブユニット及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置

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JP3234952B2 JP25590991A JP25590991A JP3234952B2 JP 3234952 B2 JP3234952 B2 JP 3234952B2 JP 25590991 A JP25590991 A JP 25590991A JP 25590991 A JP25590991 A JP 25590991A JP 3234952 B2 JP3234952 B2 JP 3234952B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
(以後、STMと称す。)及びその手法により情報の記
録及び再生等を行うカンチレバーを備えたプローブユニ
ット、及びそれを用いた記録、再生等を行える情報処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、STMの手法を用いて、半導体あ
るいは高分子材料等の原子オーダー、分子オーダーの観
察評価、微細加工(E.E.Ehrichs,Proc
eedings of 4th Internatio
nal Conferenceon Scanning
Tunneling Microscopy/Spe
ctroscopy,’89,S13−3)、及び記録
装置等の様々な分野への応用が研究されている。
【0003】なかでも、コンピューターの計算情報や映
像情報等では大容量を有する記録装置の要求が益々高ま
っており、さらに、半導体プロセス技術の進展によりマ
イクロプロセッサが小型化し、計算能力が向上したこと
から記録装置の小型化が望まれている。
【0004】これらの要求を満たす目的で、記録媒体と
の間隔が微調整可能な駆動手段上に存在するトンネル電
流発生用プローブからなる変換器から電圧印加すること
によって記録媒体表面の仕事関数を変化させ、情報の書
き込みをし、また、仕事関数の変化によるトンネル電流
の変化を検知して、情報の読み出しを行う、最小記録面
積が10nm平方となる記録再生装置が提案されてい
る。
【0005】かかる記録再生装置においては、半導体基
板上に作製されたカンチレバーの上面自由端部にトンネ
ル電流発生用プローブを配置し、該カンチレバーを変位
させることにより記録媒体との間隔を微調整する手段が
考えられる。
【0006】半導体基板上のカンチレバーの製造方法に
関しては、加工精度が高く、容易に3次元構造体の得ら
れるシリコンの異方性エッチングを利用したカンチレバ
ーの製造方法が知られている。(たとえばP.M.Sa
rro and A.W.Van herwaaden
“Silicon Cantilever Beam
s Fabricated by Electroch
emically Controlled Etchi
ng for Sensor Application
s”J.Electrochem.Soc.:Soli
d−StateScience and Techno
logy Vol.133,No.8ppl724−1
729 August 1986)。
【0007】この方法は、Si(100)基板表面及び
裏面に異方性エッチング液に対するエッチング耐性を持
った物質の層を設け、表面をカンチレバー形状に加工す
るとともに、Si(100)基板に所望の大きさの正方
形あるいは長方形貫通穴が得られるようにSi(10
0)基板裏面にエッチング用開口部を作製し、異方性エ
ッチング液により裏面からSi基板をエッチングしてカ
ンチレバーを形成する方法である。
【0008】この方法をSTMのトンネル電流検出用プ
ローブ駆動用のカンチレバーに適用するには、あらかじ
めSi(100)基板裏面からの異方性エッチングによ
り基板表面に20〜30μm厚のSiメンブレンを作製
し、その後メンブレン上にカンチレバー駆動のための圧
電体等の構造体を作製し、最後に残りのSi基板を裏面
からエッチングする。駆動のための圧電体としてZnO
等Si異方性エッチング液(アルカリ)耐性のない物質
を用いる際には優れた方法といえる。
【0009】なお、途中工程でのSiメンブレンの厚さ
を厚くした場合、後工程でのRIEによるSiメンブレ
ン除去が結晶方位に対して等方的なエッチング方法であ
るため、基板表面における貫通穴の寸法精度がでない。
そこでSiメンブレンの厚さは20〜30μm程度が妥
当である。
【0010】従来技術によるカンチレバーを図5、及び
その作製プロセスを図6に示す。まず結晶方位(10
0)面を主面とする両面研磨したシリコン基板1の両面
に窒化シリコン等のマスク層2を成膜する(図6
(a))。次に、基板1の裏面のマスク層2をパターニ
ングし、Si結晶異方性エッチングにより20μm厚の
Siメンブレン3を形成する(図6(b))。さらに、
基板1の表面にカンチレバー駆動のための構造体(たと
えば圧電体5,6と電極7,8,9の積層からなる圧電
体バイモルフ構造)及びトンネル電流用探針10等を形
成する(図6(c),(d))。最後に、Siメンブレ
ン3を除去し、基板表面マスク層2を除去してカンチレ
バーを形成する(図6(e))。なお、パターン形成は
通常のフォトリソグラフ工程にて行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
のカンチレバーにおいては、作製プロセスの途中段階で
20〜30μm厚という薄いSiメンブレンを作製する
ため、フォトリソグラフ工程のマスクアライメント時に
行われるウエハーの真空チャックでSiメンブレンがた
わみ、カンチレバーの作成プロセスにおけるフォトリソ
グラフ工程の露光時のパターン解像度低下の原因とな
る。そこで本発明の目的は、上述の従来法の問題点であ
メンブレンのたわみの影響によるカンチレバーの作
成プロセスにおけるフォトリソグラフ工程の露光時のパ
ターン解像度が低下し、ひいてはカンチレバーの製造精
度が低下するのを防止すると共に より小型で且つ高密
高集積化されたプローブユニット及びこれを用いた
走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するための本発明の構成は以下の通りである。
【0013】第1に、情報入出力用のプローブ、圧電体
薄膜および該圧電体薄膜の駆動電極を有するカンチレバ
ーを、単結晶シリコン基板に異方性エッチングにより形
成された正方形あるいは長方形状の貫通穴上に設けたプ
ローブユニットであって、前記貫通穴の表面開口部面積
2.5×10-5平方メートル以下であると共に前記貫
通穴には複数のカンチレバーが配置されているプローブ
ユニット、としている点にある。
【0014】第2に、前記第1に記載のプローブユニッ
ト、前記カンチレバーを変位させるための駆動手段、該
駆動手段を制御するための制御手段、前記プローブと観
察すべき試料との距離を調整する手段及びプローブと試
料の間に電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特
徴とする走査型トンネル顕微鏡であり、第に、前記第
1に記載のプローブユニット、前記カンチレバーを変位
させるための駆動手段、該駆動手段を制御するための
御手段、前記プローブと記録媒体との距離を調整する手
段及びプローブと記録媒体の間に電圧を印加する電圧印
手段を備えたことを特徴とする情報処理装置であり、
に、前記第に記載の電圧印加手段が、パルス電圧
印加手段であることを特徴とする情報処理装置であり、
に、前記第に記載の電圧印加手段が、バイアス電
圧印加手段であることを特徴とする情報処理装置であ
り、第に、前記第に記載の制御手段が、試料とプロ
ーブとの間に流れるトンネル電流の検出結果に基づき、
前記カンチレバーを変位させるためのバイアス電圧を変
化させ、その信号をカンチレバーを構成する電極に付与
するものであることを特徴とする走査型トンネル顕微鏡
であり、第に、前記第に記載の制御手段が、記録媒
体とプローブとの間に流れるトンネル電流の検出結果に
基づき、前記カンチレバーを変位させるためのバイアス
電圧を変化させ、その信号をカンチレバーを構成する電
極に付与するものであることを特徴とする情報処理装置
であり、第に、前記第に記載の記録媒体が電気メモ
リー効果を有することを特徴とする情報処理装置であ
り、第に、前記第に記載の記録媒体の表面が非導電
性であることを特徴とする情報処理装置である。
【0015】以上が本発明の構成要素であり、その詳細
及び作用について以下に説明する。本発明による該カン
チレバーはその作製プロセスの途中段階で20〜30μ
m厚という薄いSiメンブレンを作製するため、フォト
リソグラフ工程のマスクアライメント時に行われるウエ
ハーの真空チャックでSiメンブレンがたわみ、メンブ
レン上のパターン解像度が低下する。仮にSiメンブレ
ンの形状が正方形であるとすると、Siメンブレンの撓
み量hは、エネルギー最小原理より、正方形の一辺の長
さa,真空チャックの圧力p,Siメンブレンの厚さ
t,Siのヤング率E,係数C,を用いて次式で表され
る(計測と制御 Vol.28,No.6.1989.
6)。
【0016】
【数1】 解像線幅を±2μmとするとSiメンブレンの撓み量h
の許容量は20μm程度である。また、現在通常用いら
れているマスクアライナーの真空チャック圧力pは10
cmHg程度であり、Siメンブレンの厚さtは20〜
30μmである。この関係と実験データより必要な係数
Cを決定し、必要な面積a2 の大きさを求めると25m
2 以下となった。Siメンブレンの形状が長方形であ
る場合、その最大たわみ量は、同一面積の正方形の最大
たわみ量よりも小さいはずであり、その面積を25mm
2 以下とすれば撓み量hは許容量以下となる。このよう
にSiメンブレンの面積を限定することにより、解像度
の低下を精度内に納めることができる。
【0017】高密度記録媒体に対して情報処理を高速で
行う小型の情報処理装置においては、プローブをマルチ
化・集積化する必要がある。貫通穴上に単数のプローブ
しかない場合、基板裏面エッチング孔に必要な面積が大
きくなるため、小型の情報処理装置には適さない。そこ
で貫通穴上に複数のプローブを備えた形態が考えられ
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例2以外は参考例である。
【0019】(実施例1) 1は本実施例によるプローブユニットの図である。
【0020】カンチレバーの寸法は、縦が500μm、
横が150μmである。
【0021】作製プロセスは従来例に従う。まず結晶方
位(100)面を主面とする両面研磨したn型シリコン
基板1(厚さ525μm)の両面に、LPCVD法によ
り窒化シリコン2を2000Å成膜した(図6
(a))。次に、基板1の裏面の窒化シリコン2を基板
裏面エッチング開口部の形状にパターニングした。パタ
ーニングにはポジ型フォトレジストAz1370(ヘキ
スト社製)を用い、反応性イオンエッチング法(RIE
法)でCF4 ガスにて窒化シリコン膜をエッチングし
た。以下パターニングは同様の方法で行った。その後、
110℃に加熱した水酸化カリウム水溶液(KOH:H
2 O=1:2,重量比、以下同じ)によるSi結晶異方
性エッチングにより20μmのSiメンブレンを形成し
た(図6(b))。
【0022】次に、バイモルフ駆動部分である2層の圧
電体5、6と3層の電極層7、8、9を形成する。圧電
体層には酸化亜鉛を用い、交流スパッタリング法により
成膜し、酢酸水溶液にてウェットエッチングによりパタ
ーンを形成する。下電極層7には30Åのクロムを下引
きした1000Åの金を用いる。クロム及び金は抵抗加
熱による蒸着法で成膜し、クロムは硝酸第2セリウムア
ンモニウムと過塩素酸の水溶液、また金はヨウ素とヨウ
化カリウムの水溶液にてそれぞれウェットエッチングに
よりパターン形成を行う。中電極層8、上電極層9には
l000Åの金を用いる。金は抵抗加熱による蒸着法で
成膜し、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液にてパターン
形成を行う。それぞれの電極は、駆動用の増幅回路につ
ながる取り出し部分を有する。下電極7と上電極9は片
持ち梁の長さ方向の中心線でそれぞれ2分割及び3分割
されており、合計5つの駆動電極を有する3軸方向に駆
動可能な片持ち梁(カンチレバー)となっている。上電
極9の3分割された電極の中心の電極はトンネル電流検
出用プローブ10の取り出し電極11である(図6
(c))。
【0023】トンネル電流検出用プローブ10は、金を
蒸着法により2μm成膜し、プローブ部分のフォトレジ
ストを円形に残してヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液に
よる等方的なウェットエッチングによりプローブを形成
する(図6(d))。
【0024】最後に、CF4 ,O2 プラズマを用いた反
応性イオンエッチング法(RIE法)により、基板1の
裏面から20μm残ったシリコン1及び表面窒化シリコ
ン膜2をエッチングし、貫通穴4を形成するとともにバ
イモルフカンチレバーを形成した。貫通穴4の基板表面
開口部形状は正方形であり、その面積は20mm2 であ
る。
【0025】なお、エッチング液は代表的には水酸化カ
リウム水溶液が用いられるが、基板1の結晶方位により
エッチング速度に異方性が生ずる液(たとえばアンモニ
ア水、ヒドラジン水溶液、ピロカテコール水溶液など)
であれば同様に適用できる。
【0026】マスク層2の材料は、基板1の異方性エッ
チングにおいて基板1と選択的にエッチング可能な材料
(たとえば窒化シリコン、酸化シリコン等)が適用でき
る。またマスク層2は多層膜でもさしつかえない。マス
ク層2の作製方法は従来公知の技術、たとえば半導体産
業で一般に用いられている真空蒸着法やスパッタリング
法、化学気相成長法(CVD法)などの薄膜作製技術や
フォトリソグラフ技術及びエッチング技術を適用するこ
とができ、その作製方法は本発明を制限するものではな
い。
【0027】(実施例2)本実施例で示すものは、本発
明によるカンチレバー型プローブを備えたプローブユニ
ットである。図2は本発明によるプローブユニットの図
である。カンチレバーの寸法は、縦が500μm、横が
150μmである。
【0028】作製プロセスは実施例1で示したプロセス
と同様である。本実施例の特徴とするところは、複数の
カンチレバー型プローブを小さい貫通穴上に収めるた
め、貫通穴上にカンチレバーを交互に配置したところに
ある。貫通穴の表面開口部形状は辺の長さの比が1:2
の長方形であり、その面積は20mm2 である。
【0029】高密度記録媒体に対して情報処理を高速で
行う小型の情報処理装置においては、プローブをマルチ
化・集積化する必要がある。貫通穴上に単数のカンチレ
バー型プローブしかない場合、基板裏面エッチング孔に
必要な面積が大きくなるため、小型の情報処理装置には
適さない。そこで、本実施例に示すような貫通穴上に複
数のカンチレバー型プローブを備えた形態が考えられ
た。
【0030】(実施例3) 次にプローブユニットを用いた走査型トンネル顕微鏡の
説明を行う。
【0031】図3は、本実施例の走査型トンネル顕微鏡
の概略図である。本図中、101は、実施例1と同じカ
ンチレバー型プローブ102を形成したシリコン基板、
105はシリコン基板101をZ方向に駆動する粗動用
圧電素子、114は粗動用圧電素子105及びカンチレ
バー型プローブユニット102を試料表面に接近させる
接近機構、103は表面観察する導電性の試料で、10
4は試料103をXY方向に微動するXY微動機構であ
る。
【0032】本実施例の走査型トンネル顕微鏡の動作を
以下に説明する。
【0033】接近機構114は、Z方向の移動ステージ
からなり、手動またはモーターにより、カンチレバー型
プローブユニット102のプローブが試料103の表面
に粗動用圧電素子105のストローク内に入るように接
近させる。
【0034】その際、顕微鏡を用いて、目視により接近
の程度をモニターするか、もしくはカンチレバー型プロ
ーブユニット102にサーボをかけた状態でモーターに
より自動送りを行い、プローブと試料間にトンネル電流
が流れるのを検出した時点で接近を停止する。
【0035】試料103の観察時には、バイアス回路1
06によりバイアス電圧をかけられた試料103とプロ
ーブとの間に流れるトンネル電流をトンネル電流検出回
路107により検出し、Z軸方向サーボ回路110を通
してプローブと試料表面の平均距離が一定となるように
カンチレバー型プローブユニット102をZ方向に制御
している。
【0036】その状態でカンチレバー型プローブユニッ
ト102をXY位置制御回路109でXY方向に走査す
ることにより試料表面の微小な凹凸により変化したトン
ネル電流が検出され、それを制御回路112に取り込
み、XY走査信号に同期して処理すればコンスタントハ
イトモードのSTM像が得られる。かかるSTM像は、
画像処理、たとえば2次元FETなどの処理をしてディ
スプレイ113に表示される。
【0037】その際、カンチレバー型プローブユニット
102のZ方向のクロストークが小さいので、装置の温
度ドリフト、試料103の表面の凹凸、傾きが大きいと
追従できなくなるため、粗動用圧電素子105を用いて
トンネル電流検出回路107の信号をZ方向粗動駆動回
路111を通して、0.01〜0.1Hz程度の領域の
フィードバックを行い、Z方向の大きな動きに追従する
ように制御している。また、観察場所を変えるときは、
試料側のXY微動機構104をXY微動駆動回路115
によりXY方向に移動させ、所望の領域にプローブが来
るようにして観察を行う。
【0038】本実施例の走査型トンネル顕微鏡を用いる
ことにより、試料観察を正確にしかも安定して行うこと
が可能になった。
【0039】(実施例4) 本実施例では、実施例1のカンチレバー型プローブユニ
ットを複数個用いた情報処理装置について述べる。
【0040】図4に本実施例の主要部構成及びブロック
図を示す。本図に基づいて説明すると、記録再生ヘッド
上には、実施例1によるカンチレバー型プローブ15が
複数配置されている。これら複数のプローブ15は、一
様に媒体と対向する様に配置してある。12は情報記録
用の記録媒体、13は媒体とプローブとの間に電圧を印
加するための下地電極、14は記録媒体ホルダーであ
る。
【0041】前記記録媒体12層は、トンネル電流用探
針から発生するトンネル電流により記録媒体表面の形状
を凸型(Staufer,Appl.Phys.Let
ters,51(4),27,July,1987,p
244参照)または凹型(Heinzelmann,A
ppl.Phys.Letters,Vol.53,N
o.24Dec.,1988.p2447参照)に変形
することが可能な金属、半導体、酸化物、有機薄膜、あ
るいは前記トンネル電流により電気的性質が変化(たと
えば電気的メモリー効果を生ずる)する有機薄膜等より
なる。前記電気特性が変化する有機薄膜としては、特開
昭63−161552号公報に記載された材料が使用さ
れ、ラングミュア・ブロジェット膜よりなるものが好ま
しい。
【0042】例えば、石英ガラス基板の上に下地電極1
3として真空蒸着法によってCrを50Å堆積させ、さ
らにその上にAuを300Å同法により蒸着したものを
用い、その上にLB法によってSOAZ(スクアリリウ
ム−ビス−6−オクチルアズレン)を4層積層したもの
等を用いる。16は記録すべきデータを記録に適した信
号に変調するデータ変調回路、17はデータ変調回路で
変調された信号を記録媒体12とプローブ15の間に電
圧を印加することで記録媒体12上に記録するための記
録電圧印加装置である。プローブ15を記録媒体12に
所定間隔まで近づけ、記録電圧印加装置17によって例
えば3V、幅50nsの矩形状パルス電圧を印加する
と、記録媒体12が特性変化を起こし電気抵抗の低い部
分が生じる。X−Yステージ18を用いて、この操作を
プローブ15で記録媒体12面上で走査しながら行うこ
とによって情報の記録がなされる。図では示していない
が、X−Yステージ18による走査の機構としては、円
筒型ピエゾアクチュエータ、平行ばね、差動マイクロメ
ーター、ボイスコイル、インチウオーム等の制御機構を
用いて行う。
【0043】19はプローブ15と記録媒体12との間
に電圧を印加して両者間に流れるトンネル電流を検出す
る記録信号検出回路、20は記録信号検出回路19の検
出したトンネル電流信号を復調するデータ復調回路であ
る。再生時にはプローブ15と記録媒体12とを所定間
隔にし記録電圧より低い、例えば200mVの直流電圧
をプローブ15と記録媒体12間に加える。この状態で
記録媒体12上の記録データ列に沿ってプローブ15に
て走査中に記録信号検出回路19を用いて検出されるト
ンネル電流信号が記録データ信号に対応する。従って、
この検出したトンネル電流信号を電流電圧変換して出力
してデータ復調回路20で復調することにより再生デー
タ信号を得られる。
【0044】21はプローブ高さ検出回路である。この
プローブ高さ検出回路21は記録信号検出回路19の検
出信号を受け、情報ビットの有無による高周波の振動成
分をカットして残った信号を処理し、この残りの信号値
が一定になる様にプローブ15を上下動制御させるため
にx,z軸駆動制御回路22に命令信号を発信する。こ
れによりプローブ15と媒体12との間隔が略一定に保
たれる。
【0045】23はトラック検出回路である。トラック
検出回路23はプローブ15で記録媒体12上を走査す
る際にプローブ15のデータがこれに沿って記録される
べき経路、あるいは記録されたデータ列(以下これらを
トラックと称する)からのずれを検出する回路である。
【0046】以上のデータ変調回路16、記録電圧印加
装置17、記録信号検出回路19、データ復調回路2
0、プローブ高さ検出回路21、x,z軸駆動制御回路
22、トラック検出回路23で記録再生用回路24を形
成する。
【0047】記録再生ヘッドにおいては、記録再生用回
路24が記録媒体に対向する複数のプローブ及びその駆
動機構それぞれに1つずつ設けられており、各プローブ
による記録、再生、各プローブの変位制御(トラッキン
グ、間隔調整等)等の要素を独立して行っている。
【0048】上述した実施例はすべて記録再生装置であ
るが、記録または再生のみの装置、または走査型トンネ
ル電流検知装置であっても本発明が適用可能であること
は言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、単結晶シリコン基
に異方性エッチングにより形成された正方形あるいは
長方形状の貫通穴上に設けたカンチレバー型プローブユ
ニットにおいて、プローブユニットの作成プロセスにお
けるメンブレンの面積を2.5×10-5平方メートル以
下とすることにより、該メンブレンのたわみの影響によ
って、カンチレバーの作成プロセスにおけるフォトリソ
グラフ工程の露光時のパターン解像度が低下し、ひいて
はカンチレバーの製造精度が低下するのを防止すること
ができ、また、貫通穴に複数のカンチレバーを配置する
ことにより、より小型で且つ高密度 高集積化された
ローブユニット及びこれを用いた走査型トンネル顕微
鏡、情報処理装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】1の実施例によるプローブユニットの図であ
る。
【図2】本発明の実施例によるプローブユニットの図で
ある。
【図3】査型トンネル顕微鏡を示す構成概略図であ
る。
【図4】報処理装置を示す構成概略図である。
【図5】従来技術におけるプローブユニットの図であ
る。
【図6】従来例のプローブユニットの製造工程断面図で
ある。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 マスク層 3 シリコンメンブレン 4 基板貫通穴 5 下ZnO圧電体薄膜 6 上ZnO圧電体薄膜 7 下電極 8 中電極 9 上電極 10 トンネル電流用探針(プローブ) 11 トンネル電流取り出し電極 12 記録媒体 13 下地電極 14 記録媒体ホルダー 15 プローブ 16 データ変調回路 17 記録電圧印加装置 18 X−Yステージ 19 記録信号検出回路 20 データ復調回路 21 プローブ高さ検出回路 22 x,z軸駆動制御回路 23 トラック検出回路 24 記録再生用回路 101 シリコン基板 102 カンチレバー型プローブ 103 試料 104 XY微動機構 105 粗動用圧電素子 106 バイアス回路 107 トンネル電流検出回路 109 XY位置制御回路 110 z方向サーボ回路 111 Z方向粗動駆動回路 112 制御回路 113 ディスプレイ 114 接近機構 115 XY微動駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−162602(JP,A) 特開 平4−223204(JP,A) 特表 平3−503463(JP,A) 国際公開90/15986(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 G01B 7/34 G11B 9/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報入出力用のプローブ、圧電体薄膜お
    よび該圧電体薄膜の駆動電極を有するカンチレバーを、
    単結晶シリコン基板に異方性エッチングにより形成され
    正方形あるいは長方形状の貫通穴上に設けたプローブ
    ユニットであって、前記貫通穴の表面開口部面積2.
    5×10-5平方メートル以下であると共に前記貫通穴に
    は複数のカンチレバーが配置されていることを特徴とす
    るプローブユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプローブユニット、
    記カンチレバーを変位させるための駆動手段、該駆動手
    段を制御するための制御手段、前記プローブと観察すべ
    き試料との距離を調整する手段及びプローブと試料の間
    に電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴とす
    る走査型トンネル顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のプローブユニット、
    記カンチレバーを変位させるための駆動手段、該駆動手
    段を制御するための制御手段、前記プローブと記録媒体
    との距離を調整する手段及びプローブと記録媒体の間に
    電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴とする
    情報処理装置。
  4. 【請求項4】 前記電圧印加手段が、パルス電圧印加手
    段であることを特徴とする請求項記載の情報処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電圧印加手段が、バイアス電圧印加
    手段であることを特徴とする請求項記載の情報処理装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段が、試料とプローブとの間
    に流れるトンネル電流の検出結果に基づき、前記カンチ
    レバーを変位させるためのバイアス電圧を変化させ、そ
    の信号をカンチレバーを構成する電極に付与するもので
    あることを特徴とする請求項記載の走査型トンネル顕
    微鏡。
  7. 【請求項7】 前記制御手段が、記録媒体とプローブと
    の間に流れるトンネル電流の検出結果に基づき、前記
    ンチレバーを変位させるためのバイアス電圧を変化さ
    せ、その信号をカンチレバーを構成する電極に付与する
    ものであることを特徴とする請求項記載の情報処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記記録媒体が電気メモリー効果を有す
    ることを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
  9. 【請求項9】 前記記録媒体の表面が非導電性であるこ
    とを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
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