JP3250157B2 - 微小変位素子、及びこれを用いたトンネル電流検出装置、記録再生装置 - Google Patents

微小変位素子、及びこれを用いたトンネル電流検出装置、記録再生装置

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JP3250157B2 JP02067392A JP2067392A JP3250157B2 JP 3250157 B2 JP3250157 B2 JP 3250157B2 JP 02067392 A JP02067392 A JP 02067392A JP 2067392 A JP2067392 A JP 2067392A JP 3250157 B2 JP3250157 B2 JP 3250157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電薄膜の逆圧電効果
により駆動することのできるマイクロアクチュエーター
の微小変位素子、それを用いた、トンネル電流検出装置
や走査トンネル顕微鏡、さらにはそれを応用した大容
量、高密度の記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年半導体プロセス技術を背景にして半
導体を機械的構造体として用いた半導体圧力センサー、
半導体加速度センサー、マイクロアクチュエーター等の
機械的電気素子(マイクロメカニクス)が脚光を浴びる
ようになってきた。
【0003】係る素子の特徴として、小型で且つ高精度
の機械機構部品を提供でき、且つ半導体ウエハを用いる
ためにSiウエハ上に素子と電気回路を一体化できるこ
とが挙げられる。また、半導体プロセスをベースに作製
することで、半導体プロセスのバッチ処理による生産性
の向上を期待できる。特に微小変位素子としては、圧電
体薄膜を利用したカンチレバー状(片もち梁)のものが
挙げられ、これは非常に微細な動きを制御することが可
能なので、原子レベル、分子レベルを直接観察できる走
査型トンネル顕微鏡(以下「STM」と称す。)に応用
されている。
【0004】例えばスタンフォード大学のクエート等に
より提案された微小変位素子を用いたSTMプローブ
(IEEE Micro Electro Mecha
nical Systems,p188−199,Fe
b.1990)が知られている。この微小変位素子は、
Si基板のウエハの裏面を一部除去しシリコンメンブレ
ンを形成し、表面にAlとZnOの薄膜を順次積層し、
バイモルフのカンチレバーを形成しその後、裏面より反
応性のドライエッチによりシリコンメンブレンとウエハ
表面のエッチングの保護層(シリコン窒化膜)を除去し
て、STMプローブ変位用のバイモルフカンチレバーを
作製している。このカンチレバーの上面自由端部にトン
ネル電流検知用プローブを取り付け、良好なSTM像を
得ている。
【0005】一方、STMの手法を用いて、半導体或い
は高分子材料等の原子オーダー、分子オーダーの観察評
価、微細加工(E.E.Ehrichs,4th In
ternational Conference on
Scanning Tunnering Micro
scopy/spectroscopy.’89,S1
3−3)、及び記録再生装置の様々な分野への応用が研
究されている。なかでも、コンピューターの計算情報等
では大容量を有する記録装置の要求に対してますます高
まっており、半導体プロセス技術の進展により、マイク
ロプロセッサが小型化し、計算能力が向上したために記
録装置の小型化が望まれている。
【0006】これらの要求を満たす目的で、記録媒体と
の間隔が微調整可能な駆動手段上に存在するトンネル電
流発生用プローブからなる変換器から電圧印加すること
によって記録媒体表面の仕事関数を変化させる事により
記録書き込みし、仕事関数の変化によるトンネル電流の
変化を検知することにより情報の読みだしを行い最小記
録面積が10nm平方となる記録再生装置が提案されて
いる。
【0007】また、STMのプローブ(探針)をカンチ
レバーの自由端側に形成し、それぞれ独立に変位するカ
ンチレバーをマルチ化し、さらに半導体プロセスと一体
化して同一基板上にトンネル検知用のプローブ付きカン
チレバーと、そのトンネル電流を増幅処理するアンプ、
カンチレバー駆動とトンネル電流の選択のためのマルチ
プレクサ、シフトレジスタ等を積載する記録再生装置が
提案されている。
【0008】ここで、係るカンチレバーの製造方法を図
を用いて説明する。図6は一個のカンチレバー型微小変
位素子の全体図であり、図7はこのカンチレバーの各製
造工程を示す図である。(100)Si基板71の両面
にLPCVD装置でSi3473を1000Å成膜し
て裏面のみをパターニングし(図7(a))、KOH水
溶液等を用いSi3473をマスクとしカンチレバー
領域のSiの異方性エッチングを行い、数十μm厚のS
iメンブレンを形成する(図7(b))。次に表面にA
l等の電極層74を成膜、パターニングし、同様にして
ZnOのような圧電体薄膜層75をスパッタで成膜しパ
ターニングを繰り返す(図7(c))。次に、ポリイミ
ド等で表面を覆いSiとSi34をエッチングし、ポリ
イミドを除去する(図7(d))。
【0009】以上が従来のカンチレバーの製造工程であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のカンチレバーは
構造体が全て薄膜である。薄膜には異種の薄膜同士を接
合ないしは積層すると内部応力が必然的に発生する。こ
れは異種の薄膜同士の熱膨張係数の違いや格子定数の違
いによって界面に発生すると考えられる。とりわけ薄膜
(厚さ2μm以下)では、この界面に発生した内部応力
が非常に大きな問題となってくる。この応力値の厳密な
コントロールは難しいのが現状である。このため、薄膜
で積層したカンチレバーはこの内部応力のために反って
しまうという問題があった。このためあらかじめ設計し
たカンチレバーの寸法形状を保つことができなくなり、
加工精度を高めることが容易ではなかった。また薄膜形
成時の面内の膜厚の違いや密度の違い、或いは内部応力
値の違いによって、面内の複数のカンチレバーの高さが
異なる問題も生じた。これは集積化しマルチ化し、記録
再生装置として情報の書き込み、或いは読みだしのため
には微小変位素子1本1本が全て正常動作する必要があ
る。このために内部応力による反りが原因で精度が悪い
とその精度を補償するために、外的な補正の手段等を加
える必要があった。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の目的と
するところは、微小変位素子の反り量を少なくし、且つ
複数のカンチレバーの反り量のばらつきを抑えた微小変
位素子及びそれを用いたトンネル電流検出装置及び記録
再生装置を提供することにある。
【0012】即ち、上記目的を達成すべく成された本発
明は、第1に1つ以上の圧電体薄膜と該圧電体薄膜を変
位させるための電極とが積層されたカンチレバー状の積
層体を備える圧電薄膜変位素子において、前記積層体を
構成する一部が形状記憶合金薄膜で形成されており、且
つ、前記積層体の自由端部に情報入出力用プローブを
えることを特徴とする微小変位素子である。係る構成に
よれば、薄膜内部に応力が発生しても形状記憶合金によ
る形状記録効果により応力を緩和し、微小変位素子の反
りを補償するのが本発明の特徴である。
【0013】
【0014】第2に上記第1の微小変位素子を電気伝導
体に対向配置し、該微小変位素子に微小変位素子駆動の
ための駆動手段と該駆動手段を制御する制御手段を設
け、電気伝導体とプローブとの間に電圧を印加し、トン
ネル電流の検出結果に基づき、電気伝導体表面の情報を
出力することを特徴とするトンネル電流検出装置にあ
る。
【0015】第3に上記第1の微小変位素子を記録媒体
に対向配置し、該微小変位素子に微小変位素子駆動のた
めの外部の駆動手段と該駆動手段を制御する制御手段と
を設け、且つ記録媒体とプローブとの間に印加しうる情
報記録用パルス電圧印加回路を具備したことを特徴とす
る記録再生装置にある。
【0016】第4に上記第1の微小変位素子を複数個、
記録媒体と対向配置し、該微小変位素子の各々に、微小
変位素子駆動のための駆動手段と該駆動手段を制御する
制御手段とを設け、且つ、記録媒体とプローブとの間に
印加しうる情報再生用バイアス電圧印加回路を備えたこ
とを特徴とする記録再生装置にある。
【0017】第5に上記第1の微小変位素子を複数個、
記録媒体と対向配置し、該微小変位素子の各々に、微小
変位素子駆動のための駆動手段と該駆動手段を制御する
制御手段とを設け、且つ、記録媒体とプローブとの間に
印加しうる情報記録用バイアス電圧印加回路を備えたこ
とを特徴とする記録再生装置にある。
【0018】本発明においては、微小変位させる微小変
位素子の1部を形状記憶合金薄膜にすることにより薄膜
内部に発生した電極薄膜と圧電体薄膜の界面の内部応力
を形状回復効果により緩和させ、その結果微小変位素子
の反り量を最低限に抑えるものである。
【0019】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に詳述
する。
【0020】実施例1 先ず形状記憶合金薄膜の作製法について述べる。形状記
憶合金薄膜の形成はスパッタ法によった。形状記憶合金
薄膜材料として ターゲットにNi−Ti合金(原子比
1:1)を用いた。成膜雰囲気はArガス中で成膜温度
は室温で行った。厚さは1μm成膜した。この時の薄膜
はX線回折によりアモルファスであった。その後400
℃で熱処理し結晶化を行った。その後この薄膜のX線回
折から結晶化が認められた。次にこの薄膜の一部を切り
出し、四端子による抵抗測定の温度変化をとったとこ
ろ、図3のようになった。これにより加熱、冷却により
マルテンサイト変態による挙動が観測された。以上の結
果から100℃以上の加熱によって形状回復効果がみら
れることがわかった。
【0021】次に本実施例の微小変位素子について述べ
る。
【0022】図1に本発明の微小変位素子の一部分を
す。図中11はSi基板、12はマスク層、13は形状
記憶合金薄膜、14は圧電体薄膜、15は上部電極、1
6はSi(111)面である。これは、Si基板11上
に、通常のIC作製プロセスとSiの異方性エッチング
とにより作製したものである。異方性エッチングで残っ
た(111)面16と異方性エッチングのマスク層12
と下電極を兼ねた形状記憶合金薄膜13と圧電体薄膜1
4と上部電極15で形成される圧電薄膜カンチレバーで
構成されている。これはSiとの接合面を支点として片
持ち梁となっており、上下の電極に電圧を加えることに
よって、自由端先端部が微小変位することができる。尚
カンチレバーのサイズは幅100μm、長さ500μm
である。
【0023】上記カンチレバーの作製方法を図2を用い
て説明する。図2は薄膜カンチレバー作製前の基板製造
工程を示す図である。(100)Si基板11の両面に
LPCVD装置でSi34 膜のマスク層12を100
0Å成膜した。次に裏面にパターニングした(図2
(a))。
【0024】次に裏面からKOHによるSiの異方性エ
ッチングを行った。この時にエッチングされにくい(1
11)面16が形成される。さらに、数十μm厚のSi
メンブレンを形成する(図2(b))。
【0025】この後、前述した形状記憶合金薄膜作製法
と同様にスパッタ法により形状記憶合金薄膜13を厚さ
1μm形成した。次にこの薄膜の応力を緩和させるため
に熱処理を行った。その後にフォトリソグラフィーとウ
エットエッチングによりパターニングを行った(図2
(c))。
【0026】次に、スパッタ法により、圧電体薄膜14
を形成した。圧電体薄膜としてZnOを3000Å成膜
した。ターゲットにはZnOを用いた。Ar+O2 雰囲
気で基板温度200℃でスパッタを行った。さらにフォ
トリソグラフィーとウエットエッチングによりパターニ
ングを行った。その後、上部電極15としてAu薄膜を
抵抗加熱法により作製した。この時の膜厚は1000Å
であった。このAu薄膜をフォトリソグラフィーとウエ
ットエッチングによりパターニングを行った(図2
(d))。
【0027】その後裏面からRIEによるドライエッチ
ングによりSi基板の所望の部分を除去し微小変位素子
を作製した(図2(e))。
【0028】この時残留する圧電体薄膜14と上部電極
15の応力によりカンチレバー(片持ち梁)は反り上が
ってしまった。しかしこの微小変位素子を150℃で熱
処理したところ、形状記憶合金薄膜13の形状回復効果
により反りはなくなった。
【0029】このようにして作製した微小変位素子をS
i基板中に200本形成したところ各カンチレバーの反
り量は長さ500μmのカンチレバーの先端で±2μm
以内であった。
【0030】比較例 実施例1と同様に作製し形状記憶合金薄膜部分に形状記
憶効果のないPt電極を用い同じ構成の微小変位素子を
作製した。この時の微小変位素子の寸法は実施例1のも
のと同じにおこなった。この時のカンチレバーの反り量
は±20μmであった。
【0031】実施例2 本実施例では、本発明の微小変位素子の他の態様を示
す。実施例1と違う点は圧電体薄膜が2層構成である点
である。
【0032】図4は本実施例の微小変位素子の構成図で
ある。
【0033】実施例1と同様にSi基板にSiメンブレ
ンを作製した。その後、形状記憶合金薄膜13を形成し
た。この時の条件は実施例1で述べたものと同じであ
る。次に、スパッタ法により、圧電体薄膜14としてA
INを3000Å成膜した。ターゲットにはAINを用
い、Ar+N2 雰囲気で基板温度200℃でスパッタを
行った。さらにフォトリソグラフィーとウエットエッチ
ングによりパターニングを行った。その後、中電極17
としてAu薄膜を抵抗加熱法により作製した。この時の
膜厚は1000Åであった。このAu薄膜をフォトリソ
グラフィーとウエットエッチングによりパターニングを
行った。
【0034】さらに同様の工程で圧電体薄膜14と上部
電極15を作製した。その後裏面からRIEによるドラ
イエッチングにより薄膜カンチレバーを作製した。次に
実施例1と同様に熱処理し形状を回復させた。
【0035】この様に作製した微小変位素子は多数回成
膜による内部応力の増大も緩和することができ、かつ圧
電体薄膜を2層有しているので変位量も大きくとること
ができる。
【0036】実施例3 本実施例では、本発明の微小変位素子を用いて情報の記
録、再生等を行う記録再生装置について述べる。
【0037】実施例1で作製した微小変位素子の自由端
部にフォトリソグラフィーとリフトオフによりPtのプ
ローブ(探針)を作製した。このプローブを持つ微小変
位素子、ここではSi基板面内に4×3=12本の微小
変位素子を図5に示す記録再生装置に取り付けた。
【0038】図中101は媒体の基板、102は金属電
極層、103は記録層である。201はXYステージ、
202はマルチ微小変位素子のプローブ、203は微小
変位素子の支持体、204は微小変位素子をZ軸方向に
駆動するリニアアクチュエーター、205,206はX
YステージをそれぞれX,Y軸方向に駆動するリニアア
クチュエーター、207は記録・再生用のバイアス回路
である。301はプローブ電極から記録層103を介し
て電極層102へ流れる電流を検出する再生用のトンネ
ル電流検出器である。302,303はカンチレバーを
Z軸方向に移動させるためのサーボ回路である。304
は複数のカンチレバーをZ軸方向に動かすための駆動回
路であり、これは、微小変位素子に駆動する電圧値を独
立に制御することができ、これにより各微小変位素子の
Z軸方向の位置を制御することができる。305はZ軸
方向リニアアクチュエーター204の駆動回路である。
306は、これらの操作を制御するコンピューター、3
07はステージ駆動回路である。
【0039】本実施例では、この記録再生装置にマルチ
微小変位素子を取り付け、記録媒体としてガラス基板上
にCr/Auを蒸着し、その上部にポリイミドLB膜を
4層(約15Å)成膜したものを用いた。記録媒体の電
極と微小変位素子の先端のプローブに1Vの電圧を印加
した。12本全ての微小変位素子のプローブが、それぞ
れ1nA程度のトンネル電流になるように微小変位素子
の圧電体薄膜に電界を加えてプローブの位置をZ軸方向
に移動させた。この際12本に各自独立に圧電薄膜にか
けた電界の値はほとんど±1%以内の電圧であった。
【0040】次に微小変位素子12本に各自圧電薄膜に
かける電圧を同じにしたところ、それぞれのプローブの
トンネル電流値は0.1nA〜5nAの範囲内におさま
っていた。
【0041】尚、この記録媒体にはパルス電圧を加える
と、記録媒体の抵抗率が2桁程度変化する特徴がある。
【0042】その後、プローブにバイアス回路によりパ
ルス電圧(5V 1μsec)を加え、所望の位置に情
報を記録した。尚、その領域は約100Å×100Å程
度と非常に小さく、超高密度の記録を行うことができ
た。
【0043】次に、プローブと記録媒体の電極間にバイ
アス回路により1Vの電圧を印加し、トンネル電流検出
回路でトンネル電流の変化を見たところ、先ほど記録し
た領域に抵抗値が変化した部分を検出した。このよう
に、本実施例においては、記録情報の書き込み、読み出
しが行えることを確認した。
【0044】上実施例では記録再生装置であったが、記
録又は再生のみの装置でも良い。
【0045】実施例4 本実施例では、前述した記録再生装置を使って、STM
として実験を行った結果について述べる。
【0046】実施例3で述べた記録媒体を被観察物とし
て走査し、プローブ電極と被観察物との間に電圧を印加
し、トンネル電流値の結果を出力するとSTM像が得ら
れる。本実施例では被観察物としてHOPGを用いて、
STM像を得たところ、広範囲にわたって像を原子オー
ダーで観察でき、さらに安定な像が得られた。さらに、
耐久性も向上し、長時間にわたって観察することができ
た。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧電体薄膜と該圧電体薄膜を変位させるための電極とが
積層されたカンチレバー状の積層体を備える圧電薄膜変
位素子において、前記積層体を構成する一部に形状記憶
合金薄膜を用いることにより、薄膜の内部応力を緩和す
ることができる。このため例えば薄膜カンチレバーにお
いてその反り量を最小限に抑えることができるようにな
った。またプローブを有したこの微小変位素子は応答
性、操作性ともに高くSTMを応用した記録再生装置が
実現できる。また、複数のプローブをもつ微小変位素子
においては面内の1本1本のカンチレバーの反り量のば
らつきも高精度に作製でき、平面度も高いので、歩留ま
りが向上すると共に、制御性も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小変位素子の模式図である。
【図2】本発明の微小変位素子の作製工程を示す模式図
である。
【図3】形状記憶合金薄膜の抵抗変化を示す図である。
【図4】他の実施例の微小変位素子の模式図である。
【図5】本発明の記録再生装置のブロック図である。
【図6】従来例の微小変位素子の斜視図である。
【図7】従来例の微小変位素子の作製工程を示す模式図
である。
【符号の説明】
11 Si基板 12 マスク層 13 形状記憶合金薄膜 14 圧電体薄膜 15 上部電極 16 Si(111)面 17 中電極 71 Si基板 73 Si34膜 74 電極層 75 圧電体薄膜層 101 記録媒体基板 102 金属電極層 103 記録層 201 XYステージ 202 プローブ電極 203 支持体 204 Z軸方向リニアアクチュエーター 205 X軸方向リニアアクチュエーター 206 Y軸方向リニアアクチュエーター 207 記録再生用バイアス回路 301 トンネル電流検出器 302,303 サーボ回路 304,305 駆動回路 306 コンピューター 307 ステージ駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−133370(JP,A) 特開 平1−179286(JP,A) 特開 平2−216749(JP,A) 特開 平4−223204(JP,A) 特開 昭62−84741(JP,A) 特開 平2−27267(JP,A) 特開 平5−60509(JP,A) 実開 平2−88129(JP,U) 実開 昭62−71998(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/66 G11B 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ以上の圧電体薄膜と該圧電体薄膜を
    変位させるための電極とが積層されたカンチレバー状の
    積層体を備える圧電薄膜変位素子において、前記積層体
    を構成する一部が形状記憶合金薄膜で形成されており、
    且つ、前記積層体の自由端部に情報入出力用プローブを
    備えることを特徴とする微小変位素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微小変位素子を電気伝導
    体に対向配置し、該微小変位素子に微小変位素子駆動の
    ための駆動手段と該駆動手段を制御する制御手段を設
    け、電気伝導体とプローブとの間に電圧を印加し、トン
    ネル電流の検出結果に基づき、電気伝導体表面の情報を
    出力することを特徴とするトンネル電流検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の微小変位素子を記録媒体
    に対向配置し、該微小変位素子に微小変位素子駆動のた
    めの外部の駆動手段と該駆動手段を制御する制御手段と
    を設け、且つ記録媒体とプローブとの間に印加しうる情
    報記録用パルス電圧印加回路を具備したことを特徴とす
    る記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の微小変位素子を複数個、
    記録媒体と対向配置し、該微小変位素子の各々に、微小
    変位素子駆動のための駆動手段と該駆動手段を制御する
    制御手段とを設け、且つ、記録媒体とプローブとの間に
    印加しうる情報再生用バイアス電圧印加回路を備えたこ
    とを特徴とする記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の微小変位素子を複数個、
    記録媒体と対向配置し、該微小変位素子の各々に、微小
    変位素子駆動のための駆動手段と該駆動手段を制御する
    制御手段とを設け、且つ、記録媒体とプローブとの間に
    印加しうる情報記録用バイアス電圧印加回路を備えたこ
    とを特徴とする記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段が、記録媒体とプローブと
    の間に流れるトンネル電流の検出結果に基づき、前記微
    小変位素子を変位させるためのバイアス電圧を変化さ
    せ、その信号を微小変位素子を構成する電極に与えるも
    のであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一
    項に記載の記録再生装置。
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