JP2000268421A - 記録再生用プローブ、及び該プローブによって構成された記録再生装置 - Google Patents

記録再生用プローブ、及び該プローブによって構成された記録再生装置

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JP2000268421A
JP2000268421A JP11066830A JP6683099A JP2000268421A JP 2000268421 A JP2000268421 A JP 2000268421A JP 11066830 A JP11066830 A JP 11066830A JP 6683099 A JP6683099 A JP 6683099A JP 2000268421 A JP2000268421 A JP 2000268421A
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Kiyoshi Takimoto
清 瀧本
Takehiko Kawasaki
岳彦 川崎
Yasuhiro Shimada
康弘 島田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、記録ビットが高密度に形成された場
合においても、情報の再生を高速で行うことが可能で、
ビットの検出感度をさらに向上させることができ、同時
に同じ探針を用いて電圧印加による情報の記録を行うこ
とが可能な記録再生用プローブ、及び該プローブによっ
て構成された記録再生装置を提供することを目的として
いる。 【解決手段】本発明の記録再生用プローブは、導電性探
針と該導電性探針を支持する弾性体からなる記録再生用
プローブであって、前記弾性体上の前記導電性探針近傍
に第1及び第2の電界効果トランジスタを有し、前記第
1の電界効果トランジスタのゲート電圧を、前記導電性
探針の電位変化または誘導分極により変調して、記録情
報に対応した2値信号を再生信号として出力する一方、
前記第2の電界効果トランジスタを介して、前記導電性
探針に記録電圧を印加する構成を備えてなることを特徴
とするものであり、また本発明の記録再生用装置は、本
発明の上記プローブによって構成されたことを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル顕
微鏡(STM)と原子間力顕微鏡(AFM)の原理を応
用した高密度情報記録再生に用いるプローブ、及び該プ
ローブによって構成された高密度情報記録再生装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】試料表面の様子を原子スケールの分解能
で調べることのできる顕微鏡の代表例として、走査型ト
ンネル顕微鏡(STM)と原子間力顕微鏡(AFM)が
あげられる。STMの動作原理は以下のとおりである。
金属の針からなる探針電極を、導電性のある試料の表面
から数十A以内の位置に近付け、探針電極と試料の間に
電圧をかけると、トンネル電流が流れる。トンネル電流
は探針電極と試料表面との間の距離に非常に敏感であ
る。STMは、このトンネル電流が一定となるように、
探針電極と試料表面との間の距離をフィードバック制御
によって調節しながら、探針電極を試料表面上で2次元
走査する。フィードバック制御信号を2次元走査に同期
させてマッピングすることによりトンネル電流を一定と
する探針先端の軌跡を画像化することができる。試料表
面の物性が一定であれば、この軌跡は試料表面形状を画
像化したものと見なすことができる。探針電極と試料表
面間の距離の調節、および、探針電極の走査には、通常
圧電素子が用いられる。
【0003】AFMの動作原理は以下のとおりである。
先端の鋭利な探針を、試料表面の極近傍の位置に近付け
ると、探針先端は試料表面の原子から力を受ける。探針
を小さな弾性体で支持しておけば、探針先端が試料表面
の原子から受ける力は弾性体の変位に変換できる。この
変位が一定になるように、探針と試料表面との間の距離
をフィードバック制御によって調節しながら、探針を試
料表面上で2次元走査する。フィードバック制御信号を
2次元走査に同期させてマッピングすることにより試料
表面の形状を画像化することができる。弾性体として一
般には片持ち梁(カンチレバー)が用いられる。カンチ
レバーの変位は非常に小さく、レバー背面にレーザー光
をあて反射光のふれ角により検出する方法や、レバーの
後方にSTMを設けトンネル電流の変化により検出する
方法などにより検出される。
【0004】AFMでは探針をごく小さな力で接触させ
た状態で動作させる接触モードが可能であり、この場合
には弾性体の変位(カンチレバーのたわみ)から直接表
面形状が画像化される。すなわち接触モードでは探針と
試料表面との間の距離を特にフィードバック制御する必
要がないため高速走査による表面観察が可能である。ま
たAFMにおける探針として導電性の探針電極を用いれ
ば、試料表面の形状をAFMにより観察しながら同時か
つ独立に試料表面の伝導度分布等を観察することができ
る。STMやAFMは、探針先端と試料表面との近接相
互作用を用いて試料表面の様子を直接的に観察すること
を特徴としている。トンネル電流や力以外の相互作用を
用いた顕微鏡も多く開発されており、このような顕微鏡
はまとめて、走査型プローブ顕微鏡(SPM)と呼ばれ
ている。
【0005】近年、SPMを応用して、物体表面の微小
な領域に情報を書き込み、またこれを読み取る、情報記
録再生装置が考えられつつある。例えば、T.R.Al
brecht,M.M.Dovek,M.D.Kir
k,C.A.Lang,andC.F.Quate,A
ppl.Phys.Lett.,55,1727(19
89)には、グラファイトのへき開面に、3〜8V,1
00μsの電圧のパルスを加え、直径4nm、深さ0.
7nm程度の穴を形成し、STMによって、これを観察
する研究が示されている。また、薄膜状の物質の導電率
を局所的に変化させることによって、情報の高密度記
録、および、再生を行うことも考えられている。例え
ば、瀧本清、矢野享治、畑中勝則、江口健、中桐孝志:
応用物理,63,470(1994)には、導電率の極
めて小さなLB膜に、探針電極を介してパルス電圧を印
加して、直径10nm程度の非常に電流の流れやすい領
域を作り、これを記録ビットに使うという試みがなされ
ている。
【0006】さらには、R.C.Barrett an
d C.F.Quate,Appl.Phys.Let
t.,70,2725(1991)にはSiN/SiO
2/Si積層構造におけるSiN/SiO2界面に探針電
極を介したパルス電圧の印加によって電荷を注入、蓄積
することで記録を行い、静電容量の変化によって読み出
しを行う方法が開示されている。また、強誘電体薄膜の
自発分極を探針電極を介したパルス電圧の印加によって
局所的に反転させて情報の記録を行い、自発分極と探針
電極との間の静電力を直接検出することによって再生を
行う方法が開示されている。この方式では、この他にも
静電容量の変化、もしくは圧電効果による媒体の変位を
検出して再生を行う方法も可能である。これらの方法を
使えば、きわめて高密度な情報記録が可能になると期待
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】媒体の局所的導電率の
変化によって記録された情報を読み出す場合には、媒体
と探針電極との間を流れる電流の変化を検出する。再生
動作を高速で行うためには、導電性の探針を用いたAF
Mを利用し、AFM自体は接触モードで動作させ、同時
に電流の検出を行うのが適当である。実際には探針電極
または媒体からの配線を電流増幅器に導き、電流/電圧
変換を行う。しかしながら、上記の構成では、以下のよ
うな点に問題があった。 (1)記録密度を向上させた場合、書き込まれる記録ビ
ットの面積は小さくなる。これを高速で走査して読み出
す場合、一つの記録ビットから探針に流れ込む電荷の総
量が減少する。このため、高いコントラストでのビット
の検出が難しくなる。また、ビットの検出感度を向上さ
せると、高速再生が難しくなる。 (2)探針電極または媒体から電流増幅器までの配線に
よって生じる浮遊容量は電流増幅器の帯域を低下させる
ため、高速再生には浮遊容量をなるべく小さくするため
に配線は可能なかぎり短くするのが望ましい。しかし通
常の電流増幅回路を用いる限り、配線の短縮には限界が
ある。
【0008】一方、記録が電荷の蓄積や強誘電体の自発
分極の反転による場合も、高速走査のためにはAFMを
接触モードで動作させる方式を採用するのが望ましい。
しかしこの条件下では静電力の直接検出は困難である。
また静電容量の変化や圧電効果による媒体の変位を検出
する場合には交流電圧を印加した際の電流の応答もしく
は弾性体の変位の応答を検出する必要がある。前者の場
合、ロックイン検出等複雑な検出系が必要になるほか電
流の直接検出の場合同様浮遊容量による帯域低下の問題
が伴う(上記(2)の問題点)。後者の場合には印加す
る交流電圧の周波数は弾性体の共振周波数以下に設定し
なければならず、走査速度の新たな規制要因が生じ、高
速再生に有利とは言えない。
【0009】そこで、本発明は、上記した課題を解決
し、記録ビットが高密度に形成された場合においても、
情報の再生を高速で行うことが可能で、ビットの検出感
度をさらに向上させることができ、同時に同じ探針を用
いて電圧印加による情報の記録を行うことが可能な記録
再生用プローブ、及び該プローブによって構成された記
録再生装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
課題を達成するために、記録再生用プローブ、及び該プ
ローブによって構成された記録再生装置を、つぎのよう
に構成したことを特徴とするものである。すなわち、本
発明の記録再生用プローブは、導電性探針と該導電性探
針を支持する弾性体からなる記録再生用プローブであっ
て、前記弾性体上の前記導電性探針近傍に第1及び第2
の電界効果トランジスタを有し、前記第1の電界効果ト
ランジスタのゲート電圧を、前記導電性探針の電位変化
または誘導分極により変調して、記録情報に対応した2
値信号を再生信号として出力する一方、前記第2の電界
効果トランジスタを介して、前記導電性探針に記録電圧
を印加する構成を備えてなることを特徴としている。ま
た、本発明の記録再生用プローブは、前記導電性探針
が、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極に接
続され、かつ前記第2の電界効果トランジスタのソース
電極に接続されていることを特徴としている。また、本
発明の記録再生用プローブは、前記導電性探針が、シリ
コン単結晶基板に形成された凹部に剥離層を介して形成
された金属薄膜を、前記弾性体上の金属接合層に圧着接
合させて前記凹部形状を転写することによって形成され
た探針であることを特徴としている。また、本発明の記
録再生装置は、導電性探針と該導電性探針を支持する弾
性体からなる記録再生用プローブと、導電性基板上に記
録層が設けられた記録媒体とを備え、前記記録再生用プ
ローブを前記記録媒体表面に接触させて該記録媒体表面
上を走査させ、前記導電性探針と前記記録媒体間に電圧
を印加することにより前記導電性探針と前記記録媒体間
の相互作用の変化を引き起こすことで前記記録媒体に情
報の記録を行い、また前記導電性探針と前記記録媒体間
の相互作用の変化を検出して前記記録媒体に記録された
情報を再生する記録再生装置において、前記記録再生用
プローブが上記した本発明のいずれかの記録再生用プロ
ーブによって構成され、前記導電性探針を前記記録媒体
表面上で走査させながら、スイッチ制御手段により前記
第2の電界効果トランジスタをONにして前記第2の電
界効果トランジスタを介して前記導電性探針と前記記録
媒体間に電圧を印加して記録を行い、また、前記スイッ
チ制御手段により前記第2の電界効果トランジスタをO
FFに切り替えた状態で、前記導電性探針を前記記録媒
体表面上で走査させた際の前記導電性探針の電位変化ま
たは誘導分極によって前記電界効果トランジスタのゲー
ト電圧を変調して、前記記録媒体に記録された記録情報
に対応した2値信号を再生信号として出力して記録の再
生を行うことを特徴としている。また、本発明の記録再
生装置は、前記電界効果トランジスタのソース電極と前
記記録媒体の導電性基板間に再生バイアス電圧を印加す
るバイアス印加手段が設けられているとともに、前記第
2の電界効果トランジスタを介して前記記録媒体に情報
を記録するための電圧を印加する記録電圧印加手段が設
けられ、前記スイッチ制御手段が、前記第2の電界効果
トランジスタのゲート電極に制御電圧を印加してプロー
ブの記録再生動作の切り替えを行うとともに、記録再生
装置の記録再生動作を切り替えるためのスイッチ機構を
制御するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明の記録再生装置は、前記記録再生プローブ
を複数備えていることを特徴としている。また、本発明
の記録再生装置は、前記記録媒体が、記録層の導電率の
局所的な変化によって情報が記録されるように構成され
ていることを特徴としている。また、本発明の記録再生
装置は、前記記録媒体が、記録層中への局所的な電荷の
蓄積によって情報が記録されるように構成されているこ
とを特徴としている。また、本発明の記録再生装置は、
前記記録媒体が、強誘電体層を記録層とし、該強誘電体
層の自発分極の局所的な反転によって情報が記録される
ように構成されていることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】上述した記録媒体には2値情報が
記録されており、再生時には「0」と「1」を区別して
読み出すことができればよく、顕微鏡としてのSPMに
要求されるような探針・試料表面間の相互作用検出にお
ける検出系は入出力信号間の直線性は必ずしも要求され
ない。したがって、記録ビットの有無により生じる相互
作用の変化に対してあるしきい値を境に2値信号を出力
する検出回路を少なくとも備えていればよい。このよう
なことから、本発明においては前記探針を記録媒体表面
に接触させて該記録媒体表面上を走査させた際の探針の
電位変化または誘導分極により電界効果トランジスタの
ゲート電圧を変調して、記録情報に対応した2値信号を
再生信号として出力することができるように構成したも
のであり、具体的には、それを前記探針近傍に電界効果
トランジスタを配置し、該電界効果トランジスタのゲー
ト電極を前記探針に接続することによって解決したもの
である。一方、この状態では探針は常にフローティング
状態にあり、情報を記録するための電圧を記録媒体に印
加することができないことから、前記ゲート電極を前記
探針に接続された第1の電界効果トランジスタとは別の
第2の電界効果トランジスタを介して、前記導電性探針
に記録電圧を印加し、記録媒体に記録するように構成し
たものである。
【0012】つぎに、これらの構成による作用について
説明する。本発明の上記した構成によれば、第2の電界
効果トランジスタがOFFの場合、第2の電界効果トラ
ンジスタのドレイン・ソース間の抵抗は極めて高く、実
質的に探針はフローティング状態に置かれる。すなわ
ち、第2の電界効果トランジスタがOFFの場合は再生
の状態に対応する。記録媒体に局所的な導電率の変化と
して記録された記録ビットを再生する場合、記録ビット
の有無は導電性探針の電位の差に変換され、これによる
電界効果トランジスタのゲート電圧の差によってドレイ
ン・ソース間のチャンネルがON/OFFされ、もしく
はチャンネル抵抗が変調されて記録情報に対応した2値
信号が出力される。このため探針に流れ込む電荷の総量
が減少しても高いコントラストでのビットの検出が可能
になる。更に導電性探針の極近傍に電界効果トランジス
タが設けられ、探針が直接ゲートに接続されるため、探
針・検出回路間の配線は理想的に短くなり、この間の浮
遊容量を極めて低減できるため、検出回路の帯域を落と
すことなく高密度記録下での情報再生の高速化が図れ
る。
【0013】また記録媒体に局所的に電荷を蓄積するこ
とにより、または強誘電体薄膜からなる記録媒体の自発
分極を局所的に反転することにより情報が記録されてい
る場合も、記録ビットの有無、すなわち蓄積電荷の有無
あるいは自発分極の向きの違いは導電性探針の電位の差
または導電性探針内の誘導分極の向きの違いに変換さ
れ、これによって生じる電界効果トランジスタのゲート
電圧の差によってドレイン・ソース間のチャンネルがO
N/OFFされ、もしくはチャンネル抵抗が変調されて
記録情報に対応した2値信号が出力される。このため静
電容量の変化や圧電効果による媒体の変位を検出する場
合に比べ、検出系が単純となるほか、変調の必要がない
ため高速再生に適する。更に導電性探針の極近傍に電界
効果トランジスタが設けられ、探針が直接ゲートに接続
されるため、探針・検出回路間の配線は理想的に短くな
り、この間の浮遊容量を極めて低減できるため、検出回
路の帯域を落とすこともなく高密度記録下での情報再生
の高速化が図れる。
【0014】一方、第2の電界効果トランジスタがON
の場合、第2の電界効果トランジスタのドレイン・ソー
ス間の抵抗は極めて低くなり、導電性探針は外部回路と
の接続が可能となる。すなわち、第2の電界効果トラン
ジスタがONの場合は記録の状態に対応し、第2の電界
効果トランジスタのドレインを電圧印加手段に接続すれ
ば、第2の電界効果トランジスタを介して電圧印加によ
る記録が可能になる。上記いずれの場合でも、現状の素
子作成工程では信号検出用の電界効果トランジスタの占
有面積はμm2以上であるが、ゲートに金属探針を直接
接続するため、顕微鏡の空間分解能は探針の先端形状に
支配され、nmオーダーの高い空間分解能を維持し得
る。さらに導電性探針の作製法として、シリコン単結晶
基板に形成された凹部に剥離層を介して形成された金属
薄膜を前記弾性体上の金属接合層に圧着接合させ、前記
凹部形状を転写することによって形成する方法を用いれ
ば、弾性体上に電界効果トランジスタを作製する工程と
探針を製造する工程が独立になるため、弾性体上に電界
効果トランジスタを配置する設計、及び作製工程の自由
度が増す。
【0015】
【実施例】つぎに、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は、本発明の特徴を最も良く表す実施
例1の記録再生用プローブの構成図である。記録媒体2
0は導電性基板22上に形成された記録層21からな
り、導電性基板22はスイッチ機構SW2に接続され
る。探針電極11は弾性体(図示せず)に支持され、弾
性体上で探針の近傍に2個の電界効果トランジスタT
1、T2が配置されている。探針は電界効果トランジス
タT1のゲートG1に接続され、同時に電界効果トラン
ジスタT2のドレインD2に接続されている。また、電
界効果トランジスタT1のソースS1は電界効果トラン
ジスタT2のソースS2に接続され、同時にスイッチ機
構SW1に接続されている。
【0016】再生時には電界効果トランジスタT2のド
レイン(D2)・ソース(S2)間のチャンネルがOF
Fの状態となるようにゲートG2に制御電圧を印加して
おき、T1のゲートG1すなわち探針11がフローティ
ング状態にあるようにしておく。さらにスイッチ機構S
W1によりソースS1、S2を接地し、スイッチ機構S
W1により導電性基板22をバイアス電圧印加手段に接
続し、導電性基板22に再生バイアス電圧が印加される
ようにする。記録層21に記録された記録ビットの有無
によって探針電極の電位を変化させ、これによる電界効
果トランジスタT1のゲートG1の電位の変化によって
T1のドレイン(D1)・ソース(S1)間のチャンネ
ルがON/OFFされ、もしくはチャンネル抵抗が変調
されて記録情報に対応した2値信号が出力される。
【0017】記録時には電界効果トランジスタT2のド
レイン(D2)・ソース(S2)間のチャンネルがON
の状態となるようにゲートG2に制御電圧を印加し、ス
イッチ機構SW2により導電性基板が接地されるように
する。さらにスイッチ機構SW1によりソースS1、S
2を記録電圧印加手段に接続して、T2を介して探針1
1に記録電圧を印加し、記録層21に情報を記録する。
記録媒体20に局所的な導電率の変化として情報が記録
されている場合、導電性基板22にバイアス電圧を印加
しておけば、局所的な導電率の差によって探針11の電
位が変化し、これによりT1のゲートG1の電位が変化
してT1のドレイン(D1)・ソース(S1)間のチャ
ンネルがON/OFFされ、もしくはチャンネル抵抗が
変調されて記録情報に対応した2値信号が出力される。
【0018】また記録媒体20に局所的に電荷を蓄積す
ることにより、または強誘電体薄膜からなる記録媒体の
自発分極を局所的に反転することにより情報が記録され
ている場合も、記録ビットの有無、すなわち蓄積電荷の
有無あるいは自発分極の向きの違いは導電性探針11の
電位の差または導電性探針11内の誘導分極の向きの違
いに変換され、これによって生じるゲート電圧の差によ
り、しきい値VTをはさんだゲート電圧の変動を生じ、
ドレイン・ソース間のチャンネルがON/OFFされ、
もしくはチャンネル抵抗が変調されて記録情報に対応し
た2値信号が出力される。導電性基板22に印加する再
生バイアス電圧は記録ビットの有無による探針11の電
位がT1のドレイン・ソース間のチャンネルのON/O
FFのしきい値をはさんで変化するように設定される。
また、このような設定が可能ならばn型チャンネル、p
型チャンネル、あるいはエンハンスメント型、デプレシ
ョン型いずれのタイプの電界効果トランジスタも使用可
能である。
【0019】[実施例2]図2は、本発明の記録再生用
プローブによって構成した実施例2の記録再生装置の構
成図である。導電性を有する基板22上の記録層21か
らなる記録媒体20に対し、先端に設けられている探針
11が接触するように、複数のプローブ10が配置され
ている。各ブロープ10において、探針11は、たわむ
様に弾性変形を生じる弾性体12により支持されてい
る。また、各プローブは支持体31に一体で支持されて
いる。ここで、弾性体12のたわみの弾性定数が約0.
1[N/m]、弾性変形量が約1[μm〕であるとする
と、記録媒体に対する探針の接蝕力は約10-7[N]程
度となる。制御コンピュータ41により制御された位置
制御回路42からの位置制御信号を受け、xyz駆動機
構32により、記録媒体20に取り付けられたxyzス
テージ33が駆動され、プローブ10と記録媒体20と
は相対的に3次元方向に移動する。記録媒体20に対
し、プローブの10のxy方向及びz方向位置を調節
し、探針11先端が記録媒体20上の所望の位置で、か
つ所望の接触力で接触させた状態になるようプローブ1
0が位置合せされる。
【0020】上記の再生装置において、記録媒体20に
対しプローブ10を走査する際、プローブ10上の探針
11先端は記録媒体20に対し、常に接触した状態を保
つ。このような接触走査方式は、探針11先端を記録媒
体20に対し接触させたまま走査する場合に、記録媒体
20の表面に凹凸があっても、弾性体12の弾性変形に
よりこれを吸収するため、探針11先端と記録媒体20
表面の接触力はほぼ一定に保たれ、探針11先端や記録
媒体20表面が破壊することを避けられる。この方式は
個々のプローブをZ方向に位置合せするピエゾ素子等の
手段が不必要であるため、構成が複雑にならず、特に複
数のプローブを有する装置に適している。また、記録媒
体20に対する個々のブローブ10のz方向位置のフィ
ードバック制御が不要であるため、記録媒体20に対す
るプローブ10の高速走査が可能となる。
【0021】上述の装置における記録層21としては、
電圧印加により流れる電流値が変化するような材料を用
いる。具体例としては、第1に、特開昭63−1615
52号公報、特開昭63−161553号公報に開示さ
れているようなポリイミドやSOAZ(ビス−n−オク
チルスクアリリウムアズレン)等電気メモリー効果を有
するLB膜(=Langmuir−Blodgett法
により作成された有機単分子膜の累積膜)が挙げられ
る。この材料は、探針−LB膜−基板間にしきい値以上
の電圧(5〜10[V]程度)を印加すると間のLB膜
の導電性が変化(OFF状態→ON状態)し、再生用の
バイアス電圧(0.01〜2[V]程度)を印加した際
に流れる電流が増大するものである。この媒体を使用し
た場合、記録されたドットは周囲に比べて導電性が向上
する。第2の具体例として、GeTe,GaSb,Sn
Te等の非晶質薄膜材料が挙げられる。この材料は、探
針−非晶質薄膜材料−基板間に電圧を印加し、流れる電
流により発生する熱で非晶質→晶質への相転移を起こさ
せるものである。これにより材料の導電性が変化し、再
生用のバイアス電圧を印加した際に流れる電流が増大す
るものである。第3の具体例として、ZnやW,Si,
GaAs等の酸化性金属・半導体材料が挙げられる。こ
の材料は、探針−酸化性金属・半導体材料間に電圧を印
加すると、流れる電流により、材料表面に吸着している
水や大気中の酸素と反応し、表面に酸化膜が形成され
る。このため材料表面の接触抵抗が変化し、バイアス電
圧を印加した際に流れる電流が減少する。この媒体を使
用した場合は、記録されたビットは周囲に比べて導電性
が低下する。また上述の装置における記録層21とし
て、電圧印加により記録層中に電荷を蓄積し得る材料あ
るいは分極を反転し得る材料も用いることができる。こ
の場合、再生は蓄積電荷、または分極電荷の直接検出、
またはこれらによる媒体表面の電位変化の検出によって
なされる。
【0022】電圧印加により媒体内に電荷を蓄積させる
方法では使用し得る媒体は主に2種類あり、一つは窒化
Si層/酸化Si層/Si基板(NOS)タイプ、もう
一つは酸化Si層/窒化Si層/酸化Si層/Si基板
(ONOS)タイプである。両者共酸化Si層と窒化S
i層の界面付近に電荷を蓄積させる点では同一である
が、ONOSタイプの方が、より表面付近に電荷を蓄積
できるためビット径を小さくでき、高密度化に有利にな
る。電圧印加により分極を反転し得る材料としては強誘
電性を有するものが挙げられる。例えばPbTiO3
Bi4Ti312、BaTiO3、LiNbO3、LiTa
3やPZT(チタン酸ジルコニア酸鉛)、PLZT
(チタン酸ジルコニア酸ランタン鉛)、さらにはVDF
/TrFE(フッ化ビニリデン/三フッ化エチレン)共
重合体、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)といった強
誘電性高分子など数多くの材料が挙げられ、これらの本
発明への適用が考えられる。記録媒体は下部電極層と上
部強誘電体層とから構成され、下部電極層はAu,Pt
などの金属だけでなく、Si等の半導体であってもよ
い。プローブ電極と記録媒体の下部電極層との間にパル
ス電圧を印加し、強誘電体の抗電界よりも大きな電界が
記録媒体に印加されればパルス電圧の極性に対応して記
録媒体の自発分極の方向が決まり情報を記録することが
できる。
【0023】さて、上述の記録媒体上に記録されたビッ
トの再生は次のように行う。スイッチ制御回路46によ
り各プローブ10のT2のゲートG2にT2のドレイン
・ソース間のチャンネルをOFF状態に保持するような
電圧を印加する。またスイッチ制御回路46によりスイ
ッチ機構(SW2)48を再生バイアス印加側に切り替
え、バイアス印加回路45により、各プローブのソース
(S:S1とS2)と記録媒体20との間にバイアス電
圧を印加し、記録ビットの有無によりゲート電圧がしき
い値を境に変調されるようにする。さらにスイッチ制御
回路46によりスイッチ機構(SW1)47を接地側に
切り替える。各プローブ10のドレインD1には抵抗を
介して電圧VDが印加される。記録ビットの有無により
変調されたゲート電圧による各プローブ10のドレイン
・ソース間のチャンネルのON/OFFが電圧の変化に
変換され、再生制御回路43に出力される。再生制御回
路43はこれらの電圧信号を基に再生信号を構成し、制
御コンピュータ41に出力する。
【0024】記録媒体上に情報を記録する場合には次の
ように行う。スイッチ制御回路46により各プローブの
T2のゲートG2にT2のドレイン・ソース間のチャン
ネルをON状態に保持するような電圧を印加する。また
スイッチ制御回路46によりスイッチ機構(SW2)4
8を接地側に切り替える。さらにスイッチ制御回路46
によりスイッチ機構(SW1)47を記録電圧印加側に
切り替える。制御コンピュータ41からの出力信号に基
づいて記録電圧印加回路44は、各プローブのソース
(S1&S2)と記録媒体20との間に記録用電圧を印
加し、記録ビットの形成を行う。なお、スイッチ機構4
7、48はFETスイッチとして、支持体31上にプロ
ーブとともに一体で形成されていてもよい。またドレイ
ン抵抗を含む各プローブヘの配線(図2の49)、スイ
ッチ制御回路、バイアス印加回路、記録電圧印加回路及
び再生制御回路も支持体31上に一体で形成されていて
もよい。また、ここでは複数のプローブよりなる記録再
生回路を示したが、1個のプローブからなる記録再生装
置であってもよい。
【0025】[実施例3]図3は、本発明の実施例3に
おけるカンチレバー型記録再生プローブの全体像を示し
た図である。101は厚さ5μmのp形Si単結晶薄膜
(面方位(100)面)、102は厚さ1μmのSiO
2薄膜、103は厚さ0.5mm、面方位(100)面
のSi単結晶基板である。p形Si単結晶薄膜101の
一部は、カンチレバー本体104として、Si基板10
3から突出している。カンチレバー本体104の上面は
SiO2薄膜105で覆われている。カンチレバー本体
104の大きさは、長さL=800μm、幅W=200
μm、厚さd=5μmとした。これにより約1.7[N
/m]のたわみのバネ定数を有するカンチレバーが得ら
れる。
【0026】図4は、カンチレバー先端のふかん図であ
る。また、図4のAA’の断面を示したのが図5
(a)、BB’の断面を示したのが図5(b)である。
カンチレバー本体104の先端には、ピラミッド形の探
針110と、その探針110に接続された電極111が
取り付けられている。電極111の両側には、SiO2
薄膜105の除去された窓があり、そこにn形Si領域
112、113が形成されている。n形Si領域11
2、113には、アルミニウム(Al)電極116、1
17が取り付けられている。さらに、もう1組SiO2
薄膜105の除去された窓があり、そこにもn形Si領
域114、115が形成されている。n形Si領域11
5は、Al電極117が取り付けられており、n形Si
領域114に取りつけられた電極は電極111が接続さ
れている。すなわちカンチレバー本体104の先端付近
には、FETが構成されており、n形Si領域112、
114がドレイン、113、115がソースの役割を果
たし、n形Si領域112と113の間のSiO2薄膜
105上に形成された電極111がこれらに対するゲー
トの役割を果たしている。電極111は、更に探針11
0に接続される。n形Si領域114と115の間のS
iO2薄膜105上にはAlゲート電極118が取り付
けられ、Al引き出し電極119に接続されている。
【0027】以下にカンチレバーの作成方法を示す。図
6(a)のように、厚さ0.5mm、面方位(100)
面のSi結晶基板103、厚さ1μmのSiO2薄膜1
02、厚さ5μmのSi単結晶薄膜101を積層させた
SOI(silicon−on−insulator)
基板を用意する。Si単結晶薄膜101として、ボロン
(B)を不純物原子として導入したp形Si単結晶薄膜
を用いる。なお、図6は各工程における図4のA−A’
断面に相当する断面を示したものである。まず、図6
(b)のように、SOIの上下両面に、熱酸化によっ
て、SiO2薄膜105、106を形成する。次に、図
6(c)のように、SiO2薄膜105に、フォトリソ
グラフィ、エッチングによって、窓の領域を作り、イオ
ン注入法により、リン(P)原子を不純物として導入す
る。P原子は、50〜100keVに加速し、ドーズ量
(半導体表面の1cm2あたりに注入されるイオンの個
数)は、およそ1013cm-2とする。その後熱処理(6
00〜700℃で30分間)を行って、イオン注入によ
る結晶格子の損傷を回復する。これにより、n形Si領
域112、113が形成される。
【0028】SiO2薄膜105、および、n形Si領
域112、113上にAlを蒸着して、Al薄膜501
を作る。Al薄膜501上に、レジスト層を作り、これ
をフォトリソグラフィによって、電極のパターン50
2、503、504にする(図6(d))。エッチング
によって、Al薄膜501のレジスト層に覆われていな
い部分を取り除き、さらに、レジストのパターン50
2、503、504を取り除く。こうして、Al電極1
11、116、117ができあがる(図6(e))。以
上の工程により、n形Si領域114、115とこれら
をおおうAl電極、さらにはゲート電極118と引き出
し電極119も同時に形成される。次に、Si基板10
3の裏面に窒化シリコン膜505を0.5μm成膜し
た。フォトリソグラフィによってカンチレバー本体のパ
ターンにしたレジスト層506を形成し(図6
(f))、ドライエッチングによって、Si単結晶薄膜
101をカンチレバーの形状にパターニングした。次い
で、裏面の窒化シリコン膜505、及びSiO2薄膜1
05を同様にエッチングマスク形状にパターニングした
(図6(g))。
【0029】図7は、本実施例のカンチレバーに取り付
ける探針の製造工程を示す図である。まず、面方位(1
00)面のSi単結晶基板601に、保護層602とし
て熱酸化膜を100nm形成した。次に、保護層602
の所望の箇所を、フォトリソグラフィとエッチングによ
りパターニングし、6μm平方のシリコンを露出した。
次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッ
チングによりパターニング部のシリコンをエッチングし
た。なお、エッチング条件は、濃度30%の水酸化カリ
ウム水溶液を用い、液温90℃、エッチング時間は15
分とした。このとき(111)面と等価な4つの面で囲
まれた深さ約4μmの逆ピラミッド状の凹部603が形
成された(図7(a))。次に、保護層602である熱
酸化膜をフッ酸とフッ化アンモニウムの混合水溶液(H
F:NH4F=1:5)で除去した(図7(b))。次
に、120℃に加熱した硫酸と過酸化水素水の混合液、
及び、2%フッ酸水溶液を用いて基板601の洗浄を行
った。次に、熱酸化炉をもちいて基板601を酸素及び
水素雰囲気中で1000℃に加熱し、剥離層604であ
る二酸化シリコンを400nm堆積した(図7
(c))。次に、探針110となる部分を作製する。ま
ず、探針110の材料として金Auを真空蒸着法により
300nm成膜した(図7(d))。次に探針110の
材料605をフォトリソグラフィとエッチングによりパ
ターニングし、探針110を形成した(図7(e))。
【0030】図8は、探針110をカンチレバー本体1
04に接合する工程を示したものであり、図4で探針部
分の断面(C−C’断面)に相当する面で工程を示して
いる。まず、チタンTiを3nm、金Auを50nm成
膜し、フォトリソグラフィとエッチングによりパターン
形成を行い、接合層120を形成した(図8(a))。
【0031】探針110とカンチレバー上の接合層12
0とを位置合わせして対向・接触させ、荷重を加えるこ
とにより探針110と接合層120の接合(圧着)を行
った(図8(b))。次いで、双方の基板(103、6
01)を引き離すことにより、剥離層604と探針11
0との界面で剥離させた(図8(c))。表面保護層7
01としてポリイミド層をスピンコートにより塗布し、
次いでベークして形成した(図8(d))。裏面の窒化
シリコン505をエッチングマスクにして、90℃に加
熱した30%水酸化カリウム水溶液により裏面から基板
103のエッチングを行った。次に、フッ酸とフッ化ア
ンモニウム混合水溶液によりSiO2薄膜102を除去
した(図8(e))。最後に、酸素プラズマを用いて表
面保護層701を除去してカンチレバー型プローブを形
成した(図8(f))。以上のようにして作成したカン
チレバー型プローブを用いて前述した構成の記録再生装
置を製作したところ、電圧印加による微小なビットパタ
ーンの形成が可能であった。さらに、このようにして高
密度に記録された情報の再生を高速に行うことが可能
で、かつ、ビットの検出感度を従来よりも向上させるこ
とができた。
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の記録再
生プローブによれば、導電性探針を支持する弾性体上の
探針の極近傍に電界効果トランジスタを形成し、探針を
電界効果トランジスタのゲートに接続する構成を採るこ
とにより、探針電位の変化により電界効果トランジスタ
のゲート電圧を変調して記録情報に応じた2値信号を再
生信号として出力することができる。また探針の極近傍
に電界効果トランジスタが設けられるため、配線を理想
的に短くすることができ、浮遊容量を極めて低減できる
ため、検出帯域を落とすことなく記録情報の高速検出が
可能となる。さらに、ゲート電極を探針に接続した電界
効果トランジスタとは別の電界効果トランジスタを介し
て、前記導電性探針に記録電圧を印加する構成によっ
て、同じ探針を用いて電圧の印加が可能となり、電圧印
加による記録媒体への微小な記録ビットの形成が可能と
なる。また、本発明の記録再生プローブを用いた記録再
生装置では、探針を介した電圧印加による情報の記録が
可能である。すなわち、電圧印加による記録媒体の導電
率の局所的な変化、あるいは記録媒体中への電荷蓄積ま
たは記録媒体の分極反転を利用した情報記録が可能とな
る。また、同じ記録再生プローブを用いて記録媒体の導
電率の局所的な変化により記録された情報、あるいは記
録媒体中への電荷蓄積または記録媒体の分極により記録
された情報の再生を行うことができ、高密度に記録され
た情報の再生を高速に行うことが可能となる。さらに、
導電性探針として、シリコン単結晶基板に形成された凹
部に剥離層を介して形成された金属薄膜を前記弾性体上
の金属接合層に圧着接合させ、前記凹部形状を転写する
ことによって形成した導電性探針を用いることにより、
弾性体上に電界効果トランジスタを作製する工程と探針
を製造する工程が独立になるため、弾性体上に電界効果
トランジスタを配置する設計、及び作製工程の自由度の
大きい方法で得られた導電性探針によって記録再生プロ
ーブを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における記録再生プローブの
構成を示した図である。
【図2】本発明の実施例2における記録再生プローブを
用いた記録再生装置の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施例3におけるカンチレバー型記録
再生プローブの全体像を示した図である。
【図4】本発明の実施例3におけるカンチレバー型記録
再生プローブの先端の構造を示すふかん図である。
【図5】(a)は図4で示したA−A’方向の断面を示
した図であり、(b)はB−B’方向の断面を示した図
である。
【図6】本発明の実施例3におけるカンチレバー型記録
再生プローブの製造工程の一部、カンチレバー上にFE
Tを作製する工程及び探針接合層を作製する工程を示し
た図である。
【図7】本発明の実施例3におけるカンチレバー型記録
再生プローブの製造工程の一部、導電性探針の製造工程
を示した図である。
【図8】本発明の実施例3におけるカンチレバー型記録
再生プローブの製造工程の一部、探針をカンチレバー上
に圧着・接合する工程、及びカンチレバーを作製する工
程を示した図である。
【符号の説明】
10:プローブ 11:導電性探針 12:弾性体 20:記録媒体 21:記録層 22:導電性基板 31:支持体 32:xyz駆動機構 33:xyz駆動ステージ 41:制御コンピュータ 42:位置制御回路 43:再生制御回路 44:記録電圧印加回路 45:バイアス印加回路 46:スイッチ切り替え回路 47:スイッチ機構(SW1) 48:スイッチ機構(SW2) 101:p形Si単結晶薄膜 102,105,106,402,602:SiO2
膜 103,601:面方位(100)面のSi結晶基板 104:カンチレバー本体 110:探針 111,116,117,118,119:Al電極 112,113,114,115:n形Si領域 120:接合層 501:Al薄膜 502,503,504,506:レジスト 505:窒化シリコン薄膜 603:逆ピラミッド形の凹部 604:剥離層 605:探針材料 701:保護層
フロントページの続き (72)発明者 島田 康弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5D044 BC10 GK11 GK20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性探針と該導電性探針を支持する弾性
    体からなる記録再生用プローブであって、前記弾性体上
    の前記導電性探針近傍に第1及び第2の電界効果トラン
    ジスタを有し、前記第1の電界効果トランジスタのゲー
    ト電圧を、前記導電性探針の電位変化または誘導分極に
    より変調して、記録情報に対応した2値信号を再生信号
    として出力する一方、 前記第2の電界効果トランジスタを介して、前記導電性
    探針に記録電圧を印加する構成を備えてなることを特徴
    とする記録再生用プローブ。
  2. 【請求項2】前記導電性探針が、前記第1の電界効果ト
    ランジスタのゲート電極に接続され、かつ前記第2の電
    界効果トランジスタのソース電極に接続されていること
    を特徴とする請求項1に記載の記録再生用プローブ。
  3. 【請求項3】前記導電性探針が、シリコン単結晶基板に
    形成された凹部に剥離層を介して形成された金属薄膜
    を、前記弾性体上の金属接合層に圧着接合させて前記凹
    部形状を転写することによって形成された探針であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録再
    生用プローブ。
  4. 【請求項4】導電性探針と該導電性探針を支持する弾性
    体からなる記録再生用プローブと、導電性基板上に記録
    層が設けられた記録媒体とを備え、前記記録再生用プロ
    ーブを前記記録媒体表面に接触させて該記録媒体表面上
    を走査させ、前記導電性探針と前記記録媒体間に電圧を
    印加することにより前記導電性探針と前記記録媒体間の
    相互作用の変化を引き起こすことで前記記録媒体に情報
    の記録を行い、また前記導電性探針と前記記録媒体間の
    相互作用の変化を検出して前記記録媒体に記録された情
    報を再生する記録再生装置において、 前記記録再生用プローブが請求項1〜3のいずれか1項
    の記録再生用プローブによって構成され、前記導電性探
    針を前記記録媒体表面上で走査させながら、スイッチ制
    御手段により前記第2の電界効果トランジスタをONに
    して前記第2の電界効果トランジスタを介して前記導電
    性探針と前記記録媒体間に電圧を印加して記録を行い、 また、前記スイッチ制御手段により前記第2の電界効果
    トランジスタをOFFに切り替えた状態で、前記導電性
    探針を前記記録媒体表面上で走査させた際の前記導電性
    探針の電位変化または誘導分極によって前記電界効果ト
    ランジスタのゲート電圧を変調して、前記記録媒体に記
    録された記録情報に対応した2値信号を再生信号として
    出力して記録の再生を行うことを特徴とする記録再生装
    置。
  5. 【請求項5】前記電界効果トランジスタのソース電極と
    前記記録媒体の導電性基板間に再生バイアス電圧を印加
    するバイアス印加手段が設けられているとともに、前記
    第2の電界効果トランジスタを介して前記記録媒体に情
    報を記録するための電圧を印加する記録電圧印加手段が
    設けられ、 前記スイッチ制御手段が、前記第2の電界効果トランジ
    スタのゲート電極に制御電圧を印加してプローブの記録
    再生動作の切り替えを行うとともに、記録再生装置の記
    録再生動作を切り替えるためのスイッチ機構を制御する
    ように構成されていることを特徴する請求項4に記載の
    記録再生装置。
  6. 【請求項6】前記記録再生プローブを複数備えているこ
    とを特徴とする請求項4または請求項5に記載の記録再
    生装置。
  7. 【請求項7】前記記録媒体が、記録層の導電率の局所的
    な変化によって情報が記録されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の
    記録再生装置。
  8. 【請求項8】前記記録媒体が、記録層中への局所的な電
    荷の蓄積によって情報が記録されるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載
    の記録再生装置。
  9. 【請求項9】前記記録媒体が、強誘電体層を記録層と
    し、該強誘電体層の自発分極の局所的な反転によって情
    報が記録されるように構成されていることを特徴とする
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100682956B1 (ko) * 2006-01-09 2007-02-15 삼성전자주식회사 반도체 탐침을 이용한 정보 재생 방법 및 이를 적용한 장치
CN100419855C (zh) * 2002-12-14 2008-09-17 三星电子株式会社 利用电子自旋相关的散射读取数据的装置及其方法
KR101162729B1 (ko) 2007-07-30 2012-07-05 삼성전자주식회사 전기장센서의 센싱감도향상방법, 전기장 센서를 채용한저장장치, 및 그 정보재생방법

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