JP2000066009A - レンズシートへの遮光パターンの形成方法 - Google Patents

レンズシートへの遮光パターンの形成方法

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JP2000066009A
JP2000066009A JP10231863A JP23186398A JP2000066009A JP 2000066009 A JP2000066009 A JP 2000066009A JP 10231863 A JP10231863 A JP 10231863A JP 23186398 A JP23186398 A JP 23186398A JP 2000066009 A JP2000066009 A JP 2000066009A
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lens sheet
shielding pattern
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レンズシートの背面に緻密・精細な遮光パター
ンを形成するのに好適な、むらのない均一な遮光パター
ンの形成方法を提供することにある。 【解決手段】少なくともレンズシート10の平坦面10
aに、画像形成シート40を形成する工程とレンズアレ
イ側より平行紫外線UVを照射して、レンズによる集光
部32の感光層30を硬化させ、この感光層30の集光
部32と非集光部34とに熱粘着性の差を生ぜしめる工
程と画像形成シート40の支持体20を、感光層の硬化
感光層32aと共に剥離除去する工程を具備するレンズ
シートへの遮光パターンの形成方法において、支持体2
0上に色材と、エチレン性不飽和基を有する光重合性化
合物と、光重合性を有しない有機重合体からなる熱粘着
性の結合剤と、光重合開始剤からなる感光層30を設け
た画像形成シート40を用いるレンズシートへの遮光パ
ターンの形成方法としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型プロジェク
ションスクリーンに代表されるレンズシートヘの遮光パ
ターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、透過型スクリーン(レンズシ
ート)の観察面側にコントラストを向上させるための遮
光パターンを形成する方法として、特開昭59−121
033号公報などで知られている。
【0003】上記公報は、透過型スクリーン(レンズシ
ート)の観察面側にポジ形感光性粘着剤(感光すること
で粘着性が消失する粘着剤)を配設し、この粘着剤面と
反対面より投射光源(プロジェクター)又はこれと同等
の開口を有する光源から投射した光線で該粘着剤を露光
し、レンズシートの各単位レンズの集光部の粘着性を失
わせた後、観察面上から遮光性トナーを散布し、粘着性
の残っている未霞光部分に粘着させ、露光により粘着性
のなくなった部分に付着しただけのトナー及び余剰のト
ナーを除去することにより、遮光パターンを形成した透
過形投射スクリーンを得る方法である。
【0004】しかしながら、上記の遮光パターンの形成
方法では、トナーの付着むらが大きく、スクリーン全体
にわたって均一な遮光パターンを形成することが困難で
あるばかりか、遮光パターンが緻密、精細になるほどト
ナーの付着が悪く、遮光濃度を得られないなどの問題を
有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決するものであり、その課題とすると
ころは、レンズシートの背面(非レンズ部側)に緻密・
精細な遮光パターンを形成するのに好適な、むらのない
均一な遮光パターンの形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、少なくと
も以下の〔1〕〜〔3〕の工程を具備するレンズシート
への遮光パターンの形成方法において、支持体上に少な
くとも色材と、エチレン性不飽和基を有する光重合性化
合物と、光重合性を有しない有機重合体からなる熱粘着
性の結合剤と、光重合開始剤からなる感光層を設けた、
画像形成シートを用いることを特徴とするレンズシート
への遮光パターンの形成方法としたものである。 〔1〕片面にレンズアレイが形成され、他面が平坦であ
るレンズシートの平坦面に、画像形成シートを形成する
工程。 〔2〕レンズアレイ側より平行光からなる紫外線を照射
して、レンズによって集光した部分の前記感光層を硬化
させ、感光層の集光部と非集光部とに熱粘着性の差を生
ぜしめる工程。 〔3〕画像形成シートの支持体を、感光層の硬化部分
(集光部分)とともに剥離除去する工程。
【0007】また、請求項2の発明では、前記工程
〔3〕の後に、工程〔4〕として、 〔4〕色材含有層が形成された支持体の色材含有層を、
前記工程〔3〕でパターン化された感光層に密着させる
工程。該工程〔4〕の後に、工程〔5〕として、 〔5〕色材含有層が形成された支持体を剥離して、パタ
ーン化された感光層に、色材含有層を付着残留し、遮光
パターンをレンズシートに形成する工程。の2工程を追
加することを特徴とする請求項1記載のレンズシートへ
の遮光パターンの形成方法としたものである。
【0008】また、請求項3の発明では、前記画像形成
シートの感光層が、色材を含まないことを特徴とする請
求項2記載のレンズシートヘの遮光パターンの形成方法
としたものである。
【0009】また、請求項4の発明では、前記工程
〔3〕の後に、工程〔6〕として、 〔6〕昇華性染料または、染料混合物を含有した色材含
有層が形成された支持体の色材含有層を、前記工程
〔3〕でパターン化された感光層に密着させる工程。該
工程〔6〕の後に、工程〔7〕として、 〔7〕密着させつつ、レンズシート、色材含有層が形成
された支持体、またはその両者を染料が昇華して、前記
工程〔3〕でパターン化された感光層に凝縮するような
温度で加熱する工程。該工程〔7〕の後に、工程〔8〕
として、 〔8〕色材含有層が形成された支持体を除去する工程。
の3工程を追加することを特徴とする請求項1記載のレ
ンズシートへの遮光パターンの形成方法としたものであ
る。
【0010】さらにまた、請求項5の発明では、前記画
像形成シートの感光層が、色材を含まないことを特徴と
する請求項4記載のレンズシートヘの遮光パターンの形
成方法としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明によるレンズシートへ
の遮光パターンの形成方法を工程順に示す説明図であ
る。
【0012】図1(a)は、レンズシート(10)の平
坦面(10a)へ画像形成シート(40)を載置する工
程の側断面図であり、まず、片面に所定形状の凹凸から
なるレンズアレイが形成され、他面が平坦であるレンズ
シート(10)の平坦面(10a)に、支持体(20)
上に感光層(30)を設けた画像形成シート(40)
を、熱ロールを通して貼り合わせる。
【0013】レンズシート(10)としては、ポリアク
リル,ポリ塩化ビニル,ポリカーボネートなどの透明な
熟可塑性樹脂を任意の方法で成型したものでも良いし、
または∪∨硬化型樹脂やEB硬化型樹脂などの電離放射
線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズ部を有するもので
も良い。
【0014】また、前記感光層(30)は、少なくと
も、色材と、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合
物と、光重合性を有しない有機重合体からなる熱粘着性
の結合剤と、光重合開始剤からなり、多くの特許公報、
あるいは文献等で開示されている。
【0015】前記感光層(30)に用いられる光重合性
化合物は、フリーラジカル付加重合が可能な、または架
橋可能なエチレン性不飽和基を有する化合物であって、
1以上のエチレン性不飽和基、例えばビニル基またはア
リル基を有するモノマー、オリゴマー、または末端また
は側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマーである。
その例としては例えば、アクリル酸およびその塩、アク
リル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸お
よびその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミ
ド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコ
ン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニ
ルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル
類、アリルエステル類、およびこれらの誘導体などを挙
げることができる。
【0016】さらに具体的には、(メタ)アクリル酸、
メチル(メタ)アクリレート、プチル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2
一工チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、N−メテロール(メタ)
アクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメテロールプロバンテトラ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂の末端に(メタ)
アクリレートが結合したポリマー、石油樹脂のアクリレ
ート変性体、不蝕和ポリエステル樹脂などの高分子量化
合物などが好適に使用できる。これらの化合物は1種ま
たは2種以上を混合して用いることができる。
【0017】また、上記画像形成シート(40)の感光
層(30)に用いる結合剤は、光重合性を有しない有機
重合体からなり、これは感光層に配合されて、各種添加
剤の分散媒になるとともに、粘着力の調整剤としても用
いられるものである。この結合剤は上記の光重合性化合
物と相溶性であることが望ましい。一般的な結合剤の例
としては、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、
ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリ
レート共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合
体、セルロース誘導体、ポリオレフイン、ジアリルフタ
レート樹脂、各種合成ゴム例えばブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体などを挙げることができる。
【0018】また、画像形成シート(40)の感光層
(30)に用いる光開始剤としては、ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフエノン、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフエノン、2
−エチルアントラキノン、フェナントラキノン、1,2
−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノ
ン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフエニル
エーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、2−
(o−クロロフエニル)−4,5−ジフエニルイミダゾ
リル二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ
−(m−メトキシフエニル)イミダゾリル二量体、2−
(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾリル二量体、2−(p−メトキシフエニル)−4,5
−ジフエニルイミダゾリル二量体などが挙げられる。
【0019】上記イミダゾリル二量体は、連鎖移動剤例
えば、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾー
ルあるいは他の有機チオールと共に使用することができ
る。
【0020】さらに、画像形成シート(40)の感光層
(30)に用いる色材は、従来から用いられている染料
または顔料のいずれでも良く、またはそれらの混合物で
あっても良い。これら以外にも、例えば金属粉、白色顔
料、蛍光顔料、体質頗料などを用いる場合もある。また
この他にも、この感光層(30)は、酸化チタン,タル
ク,炭酸カルシウムなどの充填剤、ロジン酸エステル,
テルペン樹脂などの増粘剤、ウレタン,アクリル微粒子
などの拡散剤、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤、消
泡剤、ハジキ防止剤、安定剤、各種ポリマーなどを配合
しても良い。
【0021】画像形成シート(40)の形成に用いる支
持体(20)としては、熱圧負荷時に感光層(30)を
平面性と寸法とを安定に保って支持することができる、
いかなるものでも良い。その例としては、アセテートフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを挙げる
ことができる。特に、熱と水に対して寸法安定性が高
く、感光層(30)の塗布時の作業性及び露光、転写時
の操作性に優れている二軸廷伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムが好適である。
【0022】またこの画像形成シート(40)は、印刷
の簡易校正刷に使用される市販の感光性カラーシートも
そのまま使用でき、具体的にはインキプルーフ(東洋イ
ンキ製造社製)などが挙げられる。
【0023】次に図1(b)は、レンズシート(10)
への紫外線照射工程を示すもので、上記でレンズシート
(10)の平坦面(10a)に載置された画像形成シー
ト(40)に、レンズシート(10)のレンズアレイ側
から全面に平行紫外線(UV)を照射し、レンズ機能に
よって集光された集光部(32)の前記感光層(30)
を硬化させ、その硬化感光層(32a)のレンズシート
(10)に対する接着力f1が、感光層(30)の支持
体(20)に対する接着力f2との関係で、f1<f2
となるようにする。
【0024】続いて、図1(c)に示すように、前記画
像形成シート(40)を、レンズの集光部(32)とな
る硬化感光層(32a)とともに除去し、非集光部(3
4)の非硬化感光層(34a)のみをレンズシート(1
0)に残留させて遮光パターンを得る。
【0025】このまま工程を終了しても良いが、請求項
2の発明は、この遮光パターンとなる非硬化感光層(3
4a)の上にさらに、色材を付与して、遮光濃度を調整
するものである。この発明を図2で説明する。
【0026】先ず、図2(a)に示すように、レンズシ
ート(10)に残留する、パターン化された、粘着性を
有したままの非硬化感光層(34a)の上に、さらに色
材含有層(50)をその支持体(60)に形成した色材
含有層支持シート(70)を、熱ロールで圧着し、パタ
ーン化された非硬化感光層(34a)に、色材含有層
(50)を粘着させる。
【0027】この粘着条件は、非硬化感光層(34a)
に色材含有層(50)が十分に粘着し、色材含有層の支
持体(60)から完全に移行する温度、圧力であること
が必要である。
【0028】上記色材含有層(50)の色材は、従来か
ら用いられている染料または顔料のいずれでも良く、ま
たはそれらの混合物であっても良い。これら以外にも、
例えば金属粉、白色顔料、蛍光顛料、体質顔料、酸化チ
タン,タルク,炭酸カルシウムなどの充填剤、ロジン酸
エステル,テルペン樹脂などの増粘剤、ウレタン,アク
リル徹粒子などの拡敢剤、酸化防止剤、レベリング剤、
可塑剤、消泡剤、ハジキ防止剤、安定剤、各種ポリマ
ー、などを配合しても良い。
【0029】色材含有層の支持体(60)は、図1
(a)に示す画像形成シート(40)の形成に用いる支
持体(20)と同様、熟圧負荷時に色材含有層(50)
を平面性と寸法とを安定に保って支持することができる
いかなるものでも良い。
【0030】また、上記感光層(30)の色材と色材含
有層(50)の色材は、同一色である条件の他、場合に
よっては異なる色を使用することも可能である。また、
請求項3の発明では、上記感光層(30)の色材を除い
て、色材含有層(50)の色材だけで、遮光パターンを
着色形成することが可能とするものであり、感光層(3
0)の感度を上げたい場合などに有効としたものであ
る。
【0031】次に、図2(b)に示すように、非硬化感
光層(34a)に粘着していない色材含有層部分を、色
材含有層支持シート(70)と共に除去し、非硬化感光
層(34a)の上に、これと同一形状の色材含有層(5
0)を形成した遮光パターンを形成できるものである。
【0032】続いて、請求項4の発明について、すなわ
ち前記色材含有層(50)の色材が、昇華性染料また
は、染料混合物を含有する場合の遮光パターンの染色形
成工程を説明する。
【0033】図3(a)に示すように、上記請求項2の
発明で形成した、レンズシート(10)にパターン化さ
れた非硬化感光層(34a)の粘着性を有したままの面
に、昇華性染料または、染料混合物を含有する昇華性色
材含有層(80)をその支持体(90)に形成した昇華
性色材含有層支持シート(100)を、熱圧ロールで圧
着し、パターン化した非硬化感光層(34a)に、昇華
性色材含有層(80)を密着させる。
【0034】この昇華性色材含有層(80)中の昇華性
染料または、染料混合物は、パターン化された非硬化感
光層(34a)を染色することを目的として配合されて
いるものであり、この目的を達成できるいかなる染料も
用いることができる。具体的には、「染料便覧」(有機
合成化学協会編、昭和45年刊)などに記載されたもの
が使用できる。
【0035】次に、このレンズシート(10)、非硬化
感光層(34a)、昇華性色材含有層支持シート(10
0)が積層されたものを、密着させつつ、昇華性色材含
有層(80)中の染料が昇華させ、非硬化感光層(34
a)に凝縮するような温度で、レンズシート(10)、
昇華性色材含有層支持シート(100)または、その両
者を加熱する。
【0036】次に、図3(b)に示すように、昇華性染
料または、染料混合物を含有する昇華性色材含有層支持
シート(100)を、レンズシート(10)から除去す
ることで、非硬化感光層(34a)を、これと同一形状
に染色して、濃度を調整した遮光パターンを形成するも
のである。
【0037】また、上記図1(a)で示す感光層(3
0)の色材と、昇華性色材含有層(80)の昇華性染料
色材は、同一色である条件の他、場合によっては異なる
色を使用することも可能である。また、請求項5の発明
では、上記感光層(30)の色材を除いて、昇華性色材
含有層(80)中の昇華性染料色材による染色だけで、
遮光パターンを着色形成することが可能とするものであ
り、感光層(30)の感度を上げたい場合などに有効と
したものである。
【0038】以上のように、本発明のレンズシート(1
0)ヘの遮光パターンの形成方法では、予め、支持体
(20)上に感光層(30)が形成された画像形成シー
ト(40)を用いて、これをパターン状に転写するた
め、透過型スクリーン全体にわたって濃度の均一な遮光
パターンが得られる他、パターン化した感光層(30)
は、粘有性を有しており、これに色材含有層(50)を
さらに積層するか、あるいは、染色することで、遮光パ
ターンの遮光濃度を自由に調整することが可能とするも
のである。
【0039】なお、上記レンズシート(10)のレンズ
アレイは、レンチキュラーレンズ型でも蠅の目レンズ型
でもよいが、レンズの作成が比較的容易な点から透過型
スクリーン用にはレンチキュラーレンズが一般的に使用
されている。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例により、本発明を具体的
に説明する。 〈実施例1〉下記成分からなる感光層(30)組成物を
調整した。 〔感光層の組成例1〕 ポリエステル(バイロン300 東洋紡績社製) 15.0部 テトラエチレングリコールジアクリレート(新中村化学社製) 1.0部 トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製) 9.0部 2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S −ト リアジン 1.0部 カーボンブラック(MA−7 三菱化学社製) 4.4部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 28部 この感光性組成物をガラスビーズとともに分散し、着色
感光液を調整した。
【0041】続いて、支持体(20)として、25μm
厚のポリエチレンテレフタレートフィルムをコロナ処理
し、その上に上記で得られた着色感光液を、乾燥後の膜
厚が1μmとなるようにワイヤーバーコーターで塗布
し、100℃の温風乾燥機で2分間乾操した。次に、保
護カバーとなる50μmのポリエチレンフィルムをこの
表面に、70℃、1m/分、2kg圧に設定したラミネ
ータを通して貼り合わせ、画像形成シート(40)を作
成した。
【0042】次に、上記保護カバーとしてのポリエチレ
ンフィルムを剥離して、片面にレンズアレイを形成した
ポリカーボネートの他面(レンズシート(10)の平坦
面(10a))に、画像形成シート(40)を、80
℃、2m/分、2kg圧に設定したラミネータを通し
て、貼り合わせた。
【0043】続いて、レンズシート(10)のレンズア
レイ側から全面に平行紫外線(UV)を、ランプ強度;
20w/cm、露光量90mJ/cm2 の量で照射し
た。次いで画像形成シート(40)を、感光層の硬化部
分とともに、25℃、2m/分の速度で剥離し、非硬化
感光層(34a)のみをレンズシート(10)に残留さ
せて遮光パターンを得た。
【0044】〈実施例2〉下記成分からなる感光層(3
0)組成物を調整した。 〔感光層の組成例2〕 ジアリルオルソフタレートプレポリマー(ダイソーイソダップK、ダイソー社 製) 15.0部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (K A Y A R A D D P H A 日本化薬社製) 10.2部 2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフエニルイミダゾリル二量体 1.0部 2−メルカプトベンゾチアゾール 0.5部 カーボンブラック(MA−7、三菱化学社製) 4.4部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 28部 この感光性組成物を用い、実施例1と同様に画像形成シ
ート(40)を作成し、遮光パターンを形成した。
【0045】〈実施例3〉厚み12μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム全面に、下記の黒色インキ組成
1を乾燥後の膜厚が1μmとなるようにワイヤーバーコ
ーターで塗布し、100℃の温風乾燥機で2分間乾燥し
た。この黒色インキシートを、実施例1で作成した遮光
パターン面に、80℃、1m/分、2kg圧に設定した
ラミネータを通して貼り合わせ、続いて室温でシートを
剥離して、遮光パターン上に黒色インキを形成した. 〔黒色インキ組成例1〕 ポリメチルメタアクリレート(BR−85 三菱レイヨン社製)15.0部 カーボンブラック(MA−7 三菱化学社製) 4.4部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 28部
【0046】〈実施例4〉実施例2で作成した遮光パタ
ーンを使用した他は、実施例3と同様にして遮光パター
ン上に黒色インキを形成した。
【0047】〈実施例5〉厚み12μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム全面に、下記の黒色染料含有イ
ンキ組成2を、乾燥後の膜厚が1μmとなるようにワイ
ヤーバーコーターで塗布し、100℃の温風乾燥機で2
分間乾燥した。
【0048】この黒色インキシートを、実施例1で作成
した遮光パターン面に、80℃、1m/分、2kg圧に
設定したラミネータを通して貼り合わせ、レンズシート
全体を100℃で30秒間加熱し、室温まで冷却した後
シートを剥離して、遮光パターンを黒色に染色した。
【0049】 〔黒色インキ組成例2〕 ポリメチルメタアクリレート(BR−85 三菱レイヨン社製)15.0部 カーボンブラック(MA−7 三菱化学社製) 4.4部 黒色昇華性染料 2.0部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 28部
【0050】〈実施例6〉実施例2で作成した遮光パタ
ーンを使用した他は、実施例5と同様にして遮光パター
ンを黒色に染色した。
【0051】〈比較例1〉特開昭59−121033号
公報に記載されている方法で、レンズシート(10)の
平坦面(10a)側にポジ形感光性粘着剤(商品名;ク
ロマリン、デュボン社製)を配設し、レンズアレイ側か
ら平行紫外線(UV)を120w/cm、80mJ/c
2 で照射した。次いで、そのカバーフィルムを剥離し
て、感光剤面にカーボンブラック(MA−7、三菱化学
社製)を散布し、粘着性のなくなった部分および余剰の
カーボンブラックをフアーブラシで除去することによ
り、遮光パターンを形成した。
【0052】それぞれの条件で形成した遮光パターンの
形状を目視で、また遮光パターン濃度を反射濃度計で測
定した。形成条件とともに、結果をまとめて下記表1 に
示した。
【0053】
【表1】
【0054】上記表1より、実施例1〜6の本発明によ
って形成した遮光パターンは、遮光に十分な濃度を有
し、形状も良好であった。また、遮光パターン濃度も、
パターンの重ね工程や、染色工程を追加することで、調
整が可能であった。これに対し従来の方法である比較例
1における遮光パターンは、濃度に難点があり、さらに
パターン形状に凹凸やむら等のあるものであった。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、少なくとも片面にレンズア
レイが形成され、他面が平坦であるレンズシートの平坦
面に、画像形成シートを形成する工程とレンズアレイ側
より平行光からなる紫外線を照射して、レンズによって
集光した部分の前記感光層を硬化させ、感光層の集光部
と非集光部とに熱粘着性の差を生ぜしめる工程と画像形
成シートの支持体を、感光層の硬化部分(集光部分)と
ともに剥離除去する工程を具備するレンズシートへの遮
光パターンの形成方法において、前記支持体上に少なく
とも色材と、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合
物と、光重合性を有しない有機重合体からなる熱粘着性
の結合剤と、光重合開始剤からなる感光層を設けた画像
形成シートを用いるレンズシートへの遮光パターンの形
成方法としたので、透過型スクリーン全体にわたって濃
度の均一な遮光パターンを得ることができる。
【0056】また、パターン化した感光層は、粘有性を
有しており、これに色材含有層をさらに積層するか、あ
るいは、昇華性色材含有層により染色することで、遮光
パターンの遮光濃度を自由に調整することができる。
【0057】従って本発明は、透過型プロジェクション
スクリーンのコントラスト向上のための遮光パターンの
形成において、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズシートへの遮光パターンの形成
方法の工程の一実施の形態を示す側断面図であり、
(a)は、レンズシートに画像形成シートを密着した状
態を示すものであり、(b)は、平行紫外線を照射した
状態を示すものであり、(c)は、遮光パターンが形成
された状態を示すものである。
【図2】本発明のレンズシートへの遮光パターンの形成
方法の工程の一実施の形態を示す側断面図であり、
(a)は、レンズシートの遮光パターン上に色材含有層
支持シートを密着した状態を示すものであり、(b)
は、遮光パターン上に色材含有層を積層した状態を示す
ものである。
【図3】本発明のレンズシートへの遮光パターンの形成
方法の工程の一実施の形態を示す側断面図であり、
(a)は、レンズシートの遮光パターン上に昇華性色材
含有層支持シートを密着した状態を示すものであり、
(b)は、遮光パターンを染色した状態を示すものであ
る。
【符号の説明】
10‥‥レンズシート 10a‥‥レンズシートの平坦面 20‥‥支持体 30‥‥感光層 32‥‥集光部 32a‥‥硬化感光層 34‥‥非集光部 34a‥‥非硬化感光層 40‥‥画像形成シート 50‥‥色材含有層 60‥‥色材含有層の支持体 70‥‥色材含有層支持シート 80‥‥昇華性色材含有層 82‥‥染料 90‥‥昇華性色材含有層の支持体 100‥‥昇華性色材含有層支持シート UV‥‥平行紫外線 f1‥‥硬化感光層のレンズシートに対する接着力 f2‥‥感光層の支持体に対する接着力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H021 BA26 BA29 BA32 4F100 AA37B AD11B AG00B AK02B AK15A AK25A AK25B AK41B AK42A AK45A AL05B BA02 BA10A CA13B DD01A DE04B EH012 EH461 EJ082 EJ542 EJ551 EJ911 GB90 JB14A JB14B JL13B JN17B JN30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも以下の〔1〕〜〔3〕の工程を
    具備するレンズシートへの遮光パターンの形成方法にお
    いて、支持体上に少なくとも色材と、エチレン性不飽和
    基を有する光重合性化合物と、光重合性を有しない有機
    重合体からなる熱粘着性の結合剤と、光重合開始剤から
    なる感光層を設けた、画像形成シートを用いることを特
    徴とするレンズシートへの遮光パターンの形成方法。 〔1〕片面にレンズアレイが形成され、他面が平坦であ
    るレンズシートの平坦面に、画像形成シートを形成する
    工程。 〔2〕レンズアレイ側より平行光からなる紫外線を照射
    して、レンズによって集光した部分の前記感光層を硬化
    させ、感光層の集光部と非集光部とに熱粘着性の差を生
    ぜしめる工程。 〔3〕画像形成シートの支持体を、感光層の硬化部分
    (集光部分)とともに剥離除去する工程。
  2. 【請求項2】前記工程〔3〕の後に、工程〔4〕とし
    て、 〔4〕色材含有層が形成された支持体の色材含有層を、
    前記工程〔3〕でパターン化された感光層に密着させる
    工程。該工程〔4〕の後に、工程〔5〕として、 〔5〕色材含有層が形成された支持体を剥離して、パタ
    ーン化された感光層に、色材含有層を付着残留し、遮光
    パターンをレンズシートに形成する工程。の2工程を追
    加することを特徴とする請求項1記載のレンズシートへ
    の遮光パターンの形成方法。
  3. 【請求項3】前記画像形成シートの感光層が、色材を含
    まないことを特徴とする請求項2記載のレンズシートヘ
    の遮光パターンの形成方法。
  4. 【請求項4】前記工程〔3〕の後に、工程〔6〕とし
    て、 〔6〕昇華性染料または、染料混合物を含有した色材含
    有層が形成された支持体の色材含有層を、前記工程
    〔3〕でパターン化された感光層に密着させる工程。該
    工程〔6〕の後に、工程〔7〕として、 〔7〕密着させつつ、レンズシート、色材含有層が形成
    された支持体、またはその両者を染料が昇華して、前記
    工程〔3〕でパターン化された感光層に凝縮するような
    温度で加熱する工程。該工程〔7〕の後に、工程〔8〕
    として、 〔8〕色材含有層が形成された支持体を除去する工程。
    の3工程を追加することを特徴とする請求項1記載のレ
    ンズシートへの遮光パターンの形成方法。
  5. 【請求項5】前記画像形成シートの感光層が、色材を含
    まないことを特徴とする請求項4記載のレンズシートヘ
    の遮光パターンの形成方法。
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