JPH08152513A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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JPH08152513A
JPH08152513A JP29759794A JP29759794A JPH08152513A JP H08152513 A JPH08152513 A JP H08152513A JP 29759794 A JP29759794 A JP 29759794A JP 29759794 A JP29759794 A JP 29759794A JP H08152513 A JPH08152513 A JP H08152513A
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Withdrawn
Application number
JP29759794A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Naganuma
勉 長沼
Tsunero Oki
恒郎 大木
Shigeru Hirayama
茂 平山
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色ムラの少ない、即ち高い表示品質を保ちつ
つ、工程が短くて生産性が高く、コストダウンが可能な
カラーフィルタの製造方法。 【構成】 基板10上に感熱接着剤層12を設ける被転
写体14の前処理段階と、支持体16上に放射線の照射
により支持体との密着性が向上する感光性着色転写層1
8を設けた転写体20を、感光性着色転写層が被転写体
の感熱接着剤層と密着するように重ねる密着工程と、カ
ラーフィルタに形成する着色パターンに対応した遮蔽部
24が形成され、遮蔽部に発熱体42が設けられたマス
ク22を用いて、マスクを介して感光性着色転写層に放
射線を照射する露光工程と、発熱体により、感熱接着剤
層の遮蔽部に対応した部分を加熱する加熱工程と、転写
体の支持体と、感光性着色転写層の放射線の照射された
露光部分30とを被転写体から剥離して、感光性着色転
写層の非露光部分28を被転写体上に形成する剥離工程
とからなる着色パターン形成段階とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶表示装置
や、カラービデオカメラなどの固体撮像素子に使用され
る色分解用カラーフィルタを製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コンピュータのディスプレイ、カラーテ
レビ、カラーモニタなどのカラー液晶表示装置、あるい
は、カラービデオカメラなどの固体撮像素子には色分解
用カラーフィルタが使用されている。これら液晶表示装
置などに用いられるカラーフィルタの製造方法として
は、これまでに種々の方法が提案され、代表的なものと
して、(1)染色法、(2)顔料分散法、(3)電着
法、(4)印刷法などがある。
【0003】(1)染色法は、透明な基板上に易染性の
透明層と感光性樹脂層を設け、フォトリソグラフィ技術
などを利用して所望のパターンを形成し、1色づつ染色
することにより、すなわち、赤色用のパターンを形成し
た後に赤色に染色し、次いで、緑色用のパターンを形成
した後に緑色に染色し、青色用のパターンを形成した後
に青色の染色をすることによりカラーフィルタを製造す
るものである。
【0004】(2)顔料分散法は、顔料あるいは染料等
の色素を分散させた感光性樹脂を透明基板上に塗布し
て、常法にしたがって緑色、赤色、青色等の所望の着色
パターンを順次形成するものである。 (3)電着法は、透明な基板上に透明導電体層からなる
所望のパターンを形成した後、着色すべきパターンにの
み通電しながら、色素を含んだ高分子樹脂を分散させた
溶媒を電着して着色パターンを形成するものである。 (4)印刷法は、オフセット印刷やスクリーン印刷等を
利用し、印刷パターンを描いた金属にインキを載せ、そ
れをゴム製のブランケットに転写した後に基板上に移し
てカラーフィルタを製造するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの方法においても、カラーフィルタの製造方法とし
て必ずしも満足のいくものではなかった。即ち、(1)
染色法および(2)顔料分散法は、フォトリソグラフィ
技術を利用するものであるので、解像度ないし精度が高
く、安定して製造することができるが、1色のパターン
形成にだけに、感光性樹脂等の塗布、ソフトベーク、パ
ターン露光、現像、染色(染色法の場合)、水洗、乾
燥、ハードベーク等の工程を要し、複数の色、即ち、赤
色、緑色、青色(あるいはさらに黒色)のパターンから
なるカラーフィルタを製造するには、これら工程をさら
に複数回、繰返す必要があり複雑で、しかも、感光性樹
脂等の塗布、そのソフトベーク及びハードベークは比較
的長時間を要するため、製造時間の短縮が困難である。
【0006】また、顔料分散法における感光性樹脂の塗
布は、従来、スピンナーによって行われているが、滴下
された樹脂のうち、着色層として利用されるのは数パー
セントに過ぎず、その他は1回程度は再生処理して利用
された後、廃液として処理され、殆どの感光性樹脂が廃
棄されていることになる。また、これらの製造方法にお
いては、湿式現像工程を含むため、廃液等の処理設備が
必要となり、総じて生産性の向上やコストダウンが困難
である。さらに、将来的に予想される基板の大型化に対
して感光性樹脂を均一に塗布していくことが困難になる
と考えられる。
【0007】(3)電着法は、透明な基板上に透明導電
体層(例えば、ITO(Indium-tin-Oxide))を成膜し、
色パターンに合わせて微細加工した後、各色ごとに透明
導電体層に通電して色材を電着するものであるので、膜
厚を印加電圧で制御でき、また色素のバインダとして熱
硬化性樹脂を使用できるため、耐熱性、耐光性、耐薬品
性を向上させることができ、しかも、電着浴に浸漬して
着色するため、基板の大型化に対応できる等の利点があ
る。しかしながら、透明導電体層は、同色間では端子部
で導通をとるため画素同しが接続すると共に、異なる色
間では画素は導通してはならず、画素形状や画素配列に
制約が生じ、しかも透明導電体層のパターン化には非常
に高度な微細加工技術が要求される。したがって、歩留
りの向上ないし、コストダウンを図ることが困難であ
る。
【0008】(4)印刷法は、感光性樹脂の塗布、露
光、現像といったフォトリソグラフィ技術が不要なため
製造工程が短く、製造コストが低く、量産性に優れてい
るという大きな長所をもつが、印刷インキが滲んだり、
着色パターンの形状や位置を高精度に維持するのが難し
く、また形成された着色パターンの断面形状が凹凸にな
るため全体として厚みが一定にならず、色ムラが生じや
すいなど表示品質を向上させることが困難である。
【0009】さらにまた、転写法によるものもあるが、
この方法であると、転写箔の転写層として所望のカラー
パターンを形成するには、印刷等の手段が用いられる
が、印刷によって精密なパターンを作れる精度は10μ
m程度が限界であるので、この精度以上のパターンは形
成困難である。また、転写箔の転写層として特定の部分
を被転写体の決められた位置に転写しようとする場合、
転写層と被転写体の位置を正確に決めることが要求され
るが、転写する形状が微細になると、位置決めを正確に
行うのに非常に手間がかかり、転写法の特徴である効率
の良さが損なわれてしまうという問題があった。
【0010】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、色ムラの少ない、即ち高い表示品質を保ちつ
つ、工程が短くて生産性が高く、コストダウンが可能な
カラーフィルタの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
の製造方法は、 (A)基板上に感熱接着剤層を設ける被転写体の前処理
段階と、 (B)支持体上に放射線の照射により支持体との密着
性が向上する感光性着色転写層を設けた転写体を、感光
性着色転写層が被転写体の感熱接着剤層と密着するよう
に重ねる密着工程と、 カラーフィルタに形成する着色パターンに対応した遮
蔽部が形成され、該遮蔽部に発熱体が設けられたマスク
を用いて、マスクを介して感光性着色転写層に放射線を
照射する露光工程と、 発熱体により、感熱接着剤層の遮蔽部に対応した部分
を加熱する加熱工程と、 転写体の支持体と、感光性着色転写層の放射線の照射
された露光部分とを被転写体から剥離して、感光性着色
転写層の非露光部分を被転写体上に形成する剥離工程と
からなる着色パターン形成段階とを有することを特徴と
するものである。
【0012】尚、本発明で放射線とは、放射性元素から
放射されるものに限定されるものではなく、可視光線、
紫外線などの光をも含有して意味する。
【0013】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明のカラ
ーフィルタの製造方法においては、図1(a)に示すよ
うに、基板10と、その基板10上に感熱接着剤が塗
布、乾燥されてなる感熱接着剤層12とからなる被転写
体14と、支持体16とその支持体16上に設けられた
感光性着色転写層18とからなる転写体20とを用い
る。
【0014】本発明では、未露光時での感光性着色転写
層18と支持体16の密着力は小さいが、自然には、ま
たは弱い振動の付与では、感光性着色転写層18は支持
体16から剥離落下しない程度のものとされる。そし
て、感光性着色転写層18は、紫外線や可視光線等の放
射線の照射を受けることによって、支持体16との密着
力が増加する性状のものである。すなわち、支持体16
と未露光時の感光性着色転写層18の密着力をF1、支
持体16と露光された感光性着色転写層18の密着力を
2としたならば、この支持体16と感光性着色転写層
18の密着力は露光によってF1からF2に変化すると共
に、次式を満たす。 F1<F2 ・・・
【0015】また、本発明では、被転写体14の感熱接
着剤層12は加熱されることによって、粘着性が飛躍的
に向上するもので、被転写体14と転写体20とを図1
(a)に示すように単に重ね合わせた場合、接触する感
熱接着剤層12と感光性着色転写層18の間の密着力
(以下、F3とする)は小さいが、感熱接着剤層12を
加熱した場合の感熱接着剤層12と感光性着色転写層1
8の間の密着力(以下、F4とする)は大きくなる。即
ち、感光性着色転写層18に対する感熱接着剤層12の
密着力は加熱によりF3からF4に変化すると共に、次式
を満たす。 F3<F4 ・・・
【0016】さらに、本発明のカラーフィルタの製造方
法においては、図1(b)に示すようなマスク22を用
いる。このマスク22は、カラーフィルタの着色パター
ンに対応し、放射線を透過させることのない遮蔽部24
が形成され、着色パターンを形成しない箇所に応じて透
過部26が形成されたものである。さらに、本発明での
マスク22には、遮蔽部24に発熱体42が設けられて
いる。
【0017】このマスク22を転写体20の上部に重
ね、図1(c)に示すように、マスク22の上方から放
射線を照射すると共に、発熱体42を発熱させる。する
と、放射線は、マスク22の透過部26,26,・・・の
みを透過し、感光性着色転写層18の、透過部に応じた
箇所のみ露光される。また、感熱接着剤層12は発熱体
42,42,・・・の下部に位置する箇所のみ加熱され
る。すると、感光性着色転写層18は、照射された部分
(露光部分30)のみ、支持体16との密着力が増加す
る(F2)。また、マスク22の透過部26,26,・・・
には発熱体42は配置されていないので、この感光性着
色転写層18の露光部分に対応した箇所の感熱接着剤層
12は加熱されない。また、感熱接着剤層12は、加熱
された部分(加熱部分)のみ、感光性着色転写層18と
の密着力が増加する(F4)。また、発熱体42,4
2,・・・はマスクの遮蔽部24にのみ配置されているの
で、感熱接着剤層12の加熱部分に対応した箇所の感光
性着色転写層18は露光されていない(非露光部分2
8)。
【0018】その結果、感光性着色転写層18の露光部
分30においては、感光性着色転写層18と支持体16
との密着力F2は、感光性着色転写層18と感熱接着剤
層12の加熱されていない非粘着性部分48との密着力
よりも大きくなる。また、感光性着色転写層18の非露
光部分28においては、感光性着色転写層18と支持体
16との密着力F1よりも、感光性着色転写層18と感
熱接着剤層12の加熱された粘着性部分46との密着力
4の方が大きくなり、次式が満たされる。 F1<F4 ・・・
【0019】この状態で、支持体16を被転写体14か
ら剥離すると、図1(d)に示すように、感光性着色転
写層18の露光部分30は支持体16に密着したままた
剥離し、感光性着色転写層18の非露光部分28は感熱
接着剤層12に密着し、被転写体14上に残存する。
【0020】したがって、マスク22の遮蔽部24の形
状通りに、感光性着色転写層18は感熱接着剤層12上
に転写される。
【0021】尚、図1においては、マスク22を転写体
20上に配置し、さらにその上方から放射線を照射した
が、必ずしもこれに限られるものではなく、マスク22
を被転写体14側に配置して、さらにそのマスク側上方
から放射線を照射することにより、マスク22の透過部
26に対応した部分のみの感光性着色転写層18を露光
し、かつ遮蔽部24に対応した部分のみの感熱接着剤層
12を加熱することも可能である。
【0022】また、放射線を照射する露光工程と、発熱
体により感熱接着剤層を加熱する加熱工程は、同時に行
っても、または、露光工程後に加熱工程を行っても、ま
たは加熱工程後に露光工程を行っても良い。
【0023】上述した転写体20を被転写体14上に密
着する密着工程から剥離工程までの着色パターン形成段
階によって、1色の着色パターンが形成され、この着色
パターン形成段階を感光性着色転写層18の色種を変え
ることによって、複数の色種の着色パターンを形成した
カラーフィルタを製造することができる。すなわち、例
えば、図2(a)に示すように、基板10上に感熱接着
剤層12を形成した被転写体上に、支持体16の表面に
感光性着色転写層18(例えば、赤色)を形成した転写
体20と、マスク40を順に重ねる。尚、図2において
は、被転写体の基板10上の形成する各着色パターンの
境界部分にブラックマトリクス38,38,・・・を形成
しておいた。また、マスク40としては、透明なガラス
基板44に、形成する着色パターンに対応する部分のみ
に不透明で放射線を透過しない発熱体42を形成したも
のを用いてある。
【0024】そして、上述したように、放射線の照射に
よる着色パターンの非形成部分の感光性着色転写層への
露光と、発熱体による着色パターン形成部分の感熱接着
剤層12の加熱と、その後の剥離工程等を経て、図2
(b)に示すように、赤色の着色パターン32r,32
r,・・・が所定の位置にのみに形成される。
【0025】同様に、緑色の感光性着色転写層を用いる
ことにより、図2(c)に示すように、所定位置にのみ
に緑色の着色パターン32g,32g,・・・が所定の位
置にのみに形成される。さらに、同様に、青色の感光性
着色転写層を用いることにより、図2(d)に示すよう
に、所定位置にのみに青色の着色パターン32b,32
b,・・・が所定の位置にのみに形成される。こうして、
3色の、即ち、赤、緑、青色の着色パターンが同一平面
内の所定の位置に形成されたカラーフィルタが製造され
る。
【0026】このように、本発明のカラーフィルタの製
造方法であると、非常に短い工程で複数色の着色パター
ンが形成可能となる。尚、2色目以降は感熱接着剤層1
2がクッションの役割を果すため、感熱接着剤層12上
に他色の着色パターンが存在し、被転写体14の表面が
平坦な面ではなくなっていても、転写体20の重ね合わ
せ時の密着性は保たれる。また、基板10上に予めブラ
ックマトリクス38を形成しておいたものであると、マ
スクに形成しておく各着色パターンを若干大きくしてお
くことにより、ブラックマトリクス38と各着色パター
ン32の端部が重なるため、パターンの位置ずれ等の不
良が、より低減される。特に、黒色のブラックマトリク
スパターンを転写以外の方法、例えばリソグラフィ技術
などを利用して形成することで、より黒色フィルタ部の
隠蔽性が良くなり、カラーフィルタの各着色パターンの
転写位置が多少ずれた場合でも、一定の大きさ及び形状
の着色パターンを有するカラーフィルタを製造すること
ができる。
【0027】尚、図2においては、ブラックマトリクス
38は予め基板10上に形成されているが、全てのカラ
ーの着色パターンが形成された後に形成しても良い。ま
た、カラーフィルタとしては、全てのカラーの着色パタ
ーン及びブラックマトリクスが形成された後に、ポスト
ベークを行って着色パターンを構成する樹脂および感熱
接着剤層を完全に硬化させ、その後、保護層の塗布、硬
化や、さらに、電極の形成等の製造工程が付加される。
または、保護層は形成せず、パターン上に直接電極を形
成する場合もある。
【0028】本発明のように、密着力の大小関係や露光
により変化する、支持体、感光性着色転写層、感熱接着
剤層や基板等の材料や、その組合せは多々あるが、特に
最終的に液晶表示装置用あるいは固体撮像素子用のカラ
ーフィルタとして用いる場合には、高品質、低価格、さ
らに製造工程において人や環境に有害とならない材料が
好ましい。
【0029】〔基板〕被転写体の基板としては、寸法安
定性がよく、加熱工程等の際の熱に耐えるものならば、
限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカ
ーボネート、ポリサルフォン、ポリビニルアルコールセ
ロファン、ポリスチレンのような耐熱性に優れたプラス
チックフィルムやガラス基板を用いることが望ましい。
【0030】これらの材料は、感熱接着剤層12との密
着力を強化するため、プライマー処理を施してもよい。
プライマー処理としては、例えば、ガラス表面のシラン
カップリング剤等による処理が挙げられる。本発明で
は、基板10と感熱接着剤層12との密着力は、放射線
の露光前後を通して転写体20における支持体16と感
光性着色転写層18との密着力よりも十分強い必要があ
り、この条件を満たす材料やプライマー処理を施す必要
がある。
【0031】〔感熱接着剤層〕被転写体に形成される感
熱接着剤層に用いられる感熱接着剤としては、熱可塑性
を有し、熱硬化後はカラーフィルタの表示品質を妨げな
いだけの無色透明性をもつもので、水性エマルジョンま
たは有機溶剤溶液として、結着剤樹脂と可塑剤と粘着剤
の混合物からなるものが適用される。これら結着剤樹脂
と可塑剤と粘着剤の割合は、20〜5:20〜10:1
0〜3(重量部)の範囲内とすることが望ましい。ま
た、必要に応じて、分散剤や消泡剤、増粘剤等を添加し
て使用することもできる。また、溶剤や水を全く含まな
い熱可塑性の高分子ポリマーをベースとするホットメル
ト接着剤も使用できる。
【0032】ここで、結着剤樹脂とは、熱可塑性樹脂の
性状を有し、室温では固体であり、感熱接着層の設定さ
れた感熱温度に適合するTgをもつもので、例えば、ア
クリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、ス
チレン−ブタジエン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニ
ル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル、エチレン−塩化
ビニル、エチレン−アクリル酸エステルエステル、エチ
レン−アクリル酸、ポリブタジエン、ウレタン、スチレ
ン−イソプレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0033】可塑剤としては、フタル酸ジフェニル、フ
タル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル
酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香
酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息
香酸トリメチールエタン、三安息香酸グリセド、四安息
香酸ペンタエリスリット、八酢酸スクロース、クエン酸
トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエ
ンスルホンアミド等が挙げられる。
【0034】粘着剤としては、テルペン樹脂、脂肪族系
石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹
脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン−フ
ェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水
添ロジンおよびそれらのグリセリン、ペンタエリスリト
ール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)が挙げられ
る。
【0035】ホットメルト接着剤の構成成分は、樹脂
分、ワックス類、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、熱
安定剤、充填剤などである。ここで、樹脂分は、ポリエ
チレン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ
る。ワックス類は石油系(パラフィンワックス)や植物
系(木ろう、白ろう、密ろう)などが挙げられる。可塑
剤には、ポリブテン、スルホンアミド樹脂、石油樹脂、
β−ピネン樹脂やフタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキ
シル、フタル酸ジシクロヘキシル、塩化パラフィンなど
が挙げられる。粘着付与剤には、ブチラール樹脂、ポリ
イソブチレン、アクリルニトリルポリマー、石油樹脂な
どが挙げられる。酸化防止剤には、ジラウリルチオジプ
ロピオネート、2,6−t−クレゾール、p−オクチル
フェノール、安息香酸ソーダ、ステアリン酸カルシウム
などが挙げられる。充填剤には、タルク、クレー、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、バライタなどが挙げられ
る。
【0036】尚、カラーフィルタの製造の場合には、最
終的にカラーフィルタが製品となった段階(例えば、加
熱工程等を経て)で、感熱接着剤層は透明なものとなる
必要がある。
【0037】感熱接着剤の基板10への塗布について
は、例えば、スピンナーコート、スプレイコート、ロー
ルコート、グラビアコート、ブレードコートなどの公知
のコーティング法を用いてよい。また必要により、感熱
接着剤層12の粘度を調製するため、溶剤や希釈剤で希
釈してもよい。感熱接着剤層12は塗工後、乾燥して形
成され、このときの層厚は0.1〜50μmで、特に1μ
m〜20μmが必要十分な密着力をもち、同時にカラーフ
ィルタの透明性に与える影響も少ないので好ましい。
【0038】転写体20を構成する感光性着色転写層1
8と支持体16のうち、支持体16は、熱、化学薬品、
光等に安定であり、同時に放射線を透過する材料が好適
である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、トリアセテー
ト、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリカーボネート、ポリイミド、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のフィルムまたはシートである。特
に、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレー
ト)及びポリプロピレンフィルム(二軸延伸したもの)
は、透明性、熱安定性、強度や寸法安定性に優れ、感光
性着色転写層18と適度な密着力をもち、好ましい。こ
れらのシートはそのまま使用しても良いが、適当なプラ
イマー処理、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、ある
いは剥離処理を施し、密着力の制御を行っても良い。支
持体の厚みとしては5μm〜100μm程度のものが好ま
しく用いられる。特に好ましくは、10〜50μmであ
る。
【0039】感光性着色転写層18としては、アクリル
系樹脂、顔料、分散剤、光重合性モノマー、光重合開始
剤、および溶剤を主成分とし、可視光や紫外線などの放
射線の照射により生ずる重合、架橋、二量化等の反応に
より硬化し、支持体16との密着力が向上するように配
合されたもので、光などによる放射線硬化性樹脂を主体
とする組成物が適用される。
【0040】アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
トなどのアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリ
レート、環状のアクリレートまたはメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレートまたは、メタクリレートな
どの内から3〜5種類程度のモノマーを用いて、分子量
5000〜100000程度に合成した樹脂が適応でき
る。
【0041】顔料としては、例えば、赤色用としては、
C.I.Pig.9、97、122、123、149、168、
177、180、192、215など、緑色用として
は、C.I.Pig.7、36、青色用としては、C.I.Pig.1
5:3、15:6、22、60、64、黄色用として
は、C.I.Pig.12、20、83、86、138、13
9、154、紫色用としては、C.I.Pig.23が使用され
得る。
【0042】分散剤としては界面活性剤、顔料の中間
体、染料の中間体、ソルスパースなどの広範囲のものが
使用される。分散の際の組成の割合は特に限定されるも
のではないが、分散用アクリル系樹脂100重量部に対
する顔料の添加量は50〜150重量部程度であり、分
散剤は顔料100重量部に対して1〜10重量部程度で
ある。また、カラーフィルタの分光調整のために、任意
の顔料を2〜3点混ぜ合わせて調整する。
【0043】光重合性モノマーとしては、2官能、3官
能、多官能モノマーがある。2官能モノマーとしては、
1,6−ヘキサジオールジアクリレート、エチレンジグ
リコールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレートなど
がある。3官能モノマーとしては、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネ
ートなどがある。多官能モノマーとしては、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ及びヘキサアクリレートなどがある。これ
らのモノマーは、昭和高分子(株)、東亜合成(株)、
日本化薬(株)などの市販品があるので、適切なものを
単独もしくは混合して用いれば良い。光重合性モノマー
の添加量は特に限定されるものではないが、分散用アク
リル樹脂100重量部に対して20〜150重量部であ
る。
【0044】光重合開始剤としては、トリアジン系化合
物、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロ
フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'ナフチル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンな
どがある。また、イミダゾール系化合物としては、2−
(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジフェニル−イ
ミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)
−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−イミダゾー
ル二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−
ビス(4−メトキシフェニル)−イミダゾール二量体、
2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(4−
クロロフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3
−ジクロロフェニル)−4,5−ジ(2−フリル)−イ
ミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−
4,5,4',5'−テトラフェニル−1−2'−ビイミダゾ
ール、HB22(保土ヶ谷化学製)などがある。
【0045】また、上記以外の光重合開始剤としては、
イルガキュア907,651(ベンジルジメチルケター
ル)、184(チバガイギ社製:商品名)や、ジエテル
チオキサンソン(日本化薬(株)製)、ベンゾフェノン
等を使用することができ、これらを複数種混合して用い
ることもできる。尚、光重合開始剤の添加量は特に限定
されるものではないが、全樹脂100重量部に対して1
〜50重量部、好ましくは5〜30重量部を1種または
2種添加して用いる。
【0046】溶剤としては、トルエン、キシレン、エチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、ジクライ
ム、シクロヘキサノンなどが用いられるが、樹脂のモノ
マーの組成、光重合性モノマー、光重合開始剤などによ
って異なるので単一または複数の溶剤組成の溶剤が適宜
選択される。
【0047】感光性着色転写層18を構成する、顔料等
を分散した感光性着色樹脂溶液の支持体16への塗布
は、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、
グラビアリバースコーター、バーコーター、リップコー
ター、ナイフコーター、スピンナー、シルクスクリーン
あるいはロールコーター等によって行い得る。塗工時に
溶液中に含まれる不揮発成分やその量は、目的とする層
厚やコーターの種類により適宜選択すれば良く、乾燥後
の層厚は、0.5〜3μmが好ましく、1〜2μmであれ
ばより好ましく、1〜1.5μmであればさらにより好ま
しい。
【0048】転写体20の被転写体14への重ね合わせ
には公知のラミネーターにより行われる通常のラミネー
ト、熱ラミネートあるいは真空ラミネートなどを用いて
もよく、気泡や皺が入らないように留意する。
【0049】マスクは透明な基材に、放射線を遮蔽する
発熱体を設けたものが良く、透明な基材としては、寸法
安定性と耐熱性に優れた透明なものが良く、例えば、ポ
リイミド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレー
トのようなプラスチックフィルムやガラス板が好適であ
る。
【0050】発熱体は、形成するパターン通りの形状
で、熱線を含む光などの放射線の照射または吸収によっ
て発熱したり、また通電することによって発熱するもの
が適用される。例えば、金属発熱体としては、合金発熱
体のニッケルクロム合金、鉄クロム合金が好ましく、ま
た白金、タングステン、モリブテン、鉄、ニッケルなど
の単体金属の発熱体であってもよく、また炭素、黒鉛、
炭化ケイ素などの非金属も適用され得る。これらの発熱
体の形成は、例えば、発熱体が金属製の場合、透明基材
上に、スパッタリング又は蒸着で金属薄膜を成膜し、フ
ォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチング等を行
うフォトリソグラフィ技術を利用することによってなさ
れ、また、発熱体が非金属製の場合、炭素、黒鉛、炭化
ケイ素などと耐熱性の感光性樹脂を混合し、これを透明
基材上に塗布、露光、現像等のフォトリソグラフィ技術
を利用することによってなされ得る。
【0051】
【実施例】フタル酸ジシクロヘキシル50重量部、ポリ
ビニルアルコール3重量部、ノニオン活性剤3重量部、
水44重量部をサンドミルを用いて湿式粉砕し、次い
で、この分散液15重量部(固形分)に対し、アクリル
樹脂の水性エマルジョン10重量部(固形部)、ロジン
エステルの水性エマルジョン5重量部(固形分)を混合
し、全固形分濃度50%の水性塗液である感熱接着剤を
調製した。この感熱接着剤を厚さ3mmのガラス基板の表
面にスピンナー塗布し、40℃にて乾燥した。乾燥後の
塗布量は、15g/m2であった。こうして、被転写体
を作製した。また、転写体の支持体として厚さ25μm
のポリエステルフィルムを用い、この表面に赤色フィル
タ用感光性顔料分散レジスト(富士ハント社製:CR6
000)をワイヤーバーにて塗布、70℃にて乾燥して
赤色フィルタ用転写体を作製した。感光性着色転写層の
乾燥後の厚さは1.2μmであった。同様に、緑色フィル
タ用感光性顔料分散レジスト(富士ハント社製:CG5
111)、青色フィルタ用感光性顔料分散レジスト(富
士ハント社製:CB6000)を用いて、それぞれ緑色
フィルタ用転写体、青色フィルタ用転写体を作製した。
【0052】また、厚さ3mmのガラス板上にニッケルク
ロム合金膜をスパッタリング法で400nmの厚さに均一
に形成し、下記処方で配合した感光性樹脂を分散し、ス
ピンコータによって、塗布、乾燥した。乾燥後の膜厚は
1μmであった。 ・エピコート1001(シェル化学(株)製) ・・・ 28重量部 ・リポキシSP-1519(昭和高分子(株)製) ・・・ 35重量部 ・アロニックスM-305(東亜合成化学(株)製) ・・・ 15重量部 ・ハイドロキノン ・・・ 0.05重量部 ・ジエチルチオキサントン ・・・ 3重量部 ・イルガギュア−907 ・・・ 3重量部 ・メチルエチルケトン ・・・ 180重量部 ・トルエン ・・・ 180重量部 ・三菱カーボンMA−7(三菱化成(株)製) ・・・ 14重量部 次に、上記ガラス板上に、赤色のフィルタパターンのネ
ガフィルムを密着し、200mJ/cm2の紫外線露光を
行った。露光後、現像液に浸漬して非露光部の感光性樹
脂部分を除去し、ニッケルクロム合金膜を露出させ、ニ
ッケルクロム合金のエッチング液(塩化第二鉄)に浸漬
して非露光部のニッケルクロム合金を除去し、マスクを
作製した。
【0053】そして、上記作製した被転写体の感熱接着
剤層上に、赤色用転写体の転写層を皺や気泡が入らない
ように、密着させた。さらに、その上に、マスクをニッ
ケルクロム合金膜からなる発熱体が転写体に密着するよ
うに、重ね合わせた。その後、マスクの上方から、紫外
線露光機(オーク製作所製:UV−330AP1)を用
いて300mJ/cm2の紫外線露光を行い、マスク透過
部に対応した部分の感光性着色転写層と支持体との密着
力を高めた。また、同時に、マスクの発熱体に100V
の電圧を印加して、約100℃となるように発熱させ、
感熱接着剤層を発熱体の形状通りに融解させ、接着性を
生じさせた。その後、マスクを取り外し、転写層の支持
体を180゜剥離で引き剥がすことで、感光性着色転写
層の露光された部分を支持体と共に除去し、カラーフィ
ルタの赤色パターンを形成した。
【0054】続いて、上記の赤色パターンを形成した被
転写体の感熱接着剤層上に、緑色フィルタ用転写体の感
光性着色転写層を密着させ、転写体の支持体上に緑色フ
ィルタパターン用のクロムマスクを重ね、上記と同様
に、緑色の感光性着色転写層への紫外線照射と、発熱体
による感熱接着剤層の加熱後、支持体を剥離して、緑色
パターンを形成した。
【0055】さらに、上述した赤色および緑色パターン
を形成した被転写体の感熱接着剤層上に、青色フィルタ
用転写体の感光性着色転写層を密着させ、転写体の支持
体上に青色フィルタのパターン用のクロムマスクを重
ね、上記同様に、紫外線の照射と発熱体による加熱を行
い、支持体を剥離し、青色パターンを形成した。その
後、230℃、60分にてポストベークを行い、赤、
緑、青色の3色のパターンを有するカラーフィルタを作
製した。各色の着色パターンとも精度の高いカラーフィ
ルタが製造された。
【0056】〔実施例2〕実施例1の被転写体および赤
色フィルタ用転写体、緑色フィルタ用転写体、青色フィ
ルタ用転写体および、上記マスクを用いて、被転写体の
感熱接着剤層の表面に、赤色フィルタ用転写体の感光性
着色転写層を密着させ、さらに赤色フィルタ用マスクを
重ね合わせ、実施例1と同様の紫外線照射と、キセノン
光フラッシュランプにより熱線を照射し、マスクの発熱
体により感熱接着剤層を加熱し、被転写体の表面上に赤
色フィルタ用転写体の感光性着色転写層を転写した。
【0057】続いて、上記の赤色パターンを形成した被
転写体の感熱接着剤層上に、緑色フィルタ用転写体の感
光性着色転写層を密着させ、転写体の支持体上に緑色フ
ィルタパターン用のクロムマスクを重ね、上記同様に、
緑色の感光性着色転写層への紫外線の照射とキセノン光
フラッシュランプの照射と、発熱体により感熱接着剤層
を加熱し、支持体を剥離し、緑色パターンを形成した。
【0058】さらに、上述した赤色および緑色パターン
を形成した被転写体の感熱接着剤層上に、青色フィルタ
用転写体の感光性着色転写層を密着させ、転写体の支持
体上に青色フィルタのパターン用のクロムマスクを重
ね、上記同様に、紫外線の照射およびキセノン光フラッ
シュランプの照射と、発熱体による加熱を行い、支持体
を剥離し、青色パターンを形成した。その後、230
℃、60分にてポストベークを行い、赤、緑、青色の3
色のパターンを有するカラーフィルタを作製した。各色
の着色パターンとも精度の高いカラーフィルタが製造さ
れた。
【0059】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタの製造方法は、
基板上に感熱接着剤層を設ける被転写体の前処理段階
と、支持体上に放射線の照射により支持体との密着性が
向上する感光性着色転写層を設けた転写体を、感光性着
色転写層が被転写体の感熱接着剤層と密着するように重
ねる密着工程と、カラーフィルタに形成する着色パター
ンに対応した遮蔽部が形成され、該遮蔽部に発熱体が設
けられたマスクを用いて、マスクを介して感光性着色転
写層に放射線を照射する露光工程と、発熱体により、感
熱接着剤層の遮蔽部に対応した部分を加熱する加熱工程
と、転写体の支持体と、感光性着色転写層の放射線の照
射された露光部分とを被転写体から剥離して、感光性着
色転写層の非露光部分を被転写体上に形成する剥離工程
とからなる着色パターン形成段階とを有することを特徴
とするもので、感光性着色転写層による密着力と、感熱
接着剤層による密着力の両方を利用して所定の着色パタ
ーンを形成するため、転写が確実で、転写精度が高く、
しかも各工程は簡易でありながら工程数が少なく、さら
に各工程での時間も短く、大幅なコストダウンを図るこ
とができ、生産性に富んでいる。
【0060】また、着色パターンの厚みを薄くすること
ができる他、一平面内に複数の着色パターンを形成して
も不具合が生じず、均一に塗布、形成された感光性着色
転写層をそのまま転写させて着色パターンを形成するた
め、色ムラ等が生じにくく、表示品質が高い。また、顔
料分散法などのようにスピンコートによる感光性着色転
写層の形成を行なわず、予め別の樹脂調製工程で均一か
つ無駄なく感光性樹脂を塗布した転写体を用いることが
できるため、感光性着色剤の使用量を大幅に減少でき、
感光性着色樹脂の利用効率は従来の十数倍となり、使用
する感光性着色樹脂の使用効率を高めることが可能でコ
ストダウンを図れる。しかも、現像液等を用いた湿式現
像を行うものでないので、廃液処理設備等の廃液処理に
かかる負担が殆どない。また、大きな基板に着色パター
ンを形成することも可能で、大型化した液晶表示素子に
対応できるカラーフィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法を示す工程
図であり、図1(a)は被転写体上に転写体を重ねたと
ころ、図1(b)は転写体上にマスクを重ね合わせたと
ころ、図1(c)は放射線の照射と、発熱体による加熱
を行ったことろ、図1(d)は支持体を剥離していると
ころを示すものである。
【図2】本発明のカラーフィルタの製造方法を示す工程
図であり、図2(a)は被転写体上に転写体とマスクを
重ね合わせたところ、図2(b)は1色目の着色パター
ンを形成したところ、図2(c)は2色目の着色パター
ンを形成したところ、図2(d)は3色目の着色パター
ンを形成したところを示すものである。
【符号の説明】
10 基板 12 感熱接着剤層 14 被転写体 16 支持体 18 感光性着色転写層 20 転写体 22 マスク 28 非露光部分 30 露光部分 32(r,g,b) 着色パターン 42 発熱体 46 粘着性部分 48 非粘着性部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に感熱接着剤層を設ける被転写体
    の前処理段階と、 支持体上に放射線の照射により支持体との密着性が向上
    する感光性着色転写層を設けた転写体を、感光性着色転
    写層が被転写体の感熱接着剤層と密着するように重ねる
    密着工程と、 カラーフィルタに形成する着色パターンに対応した遮蔽
    部が形成され、該遮蔽部に発熱体が設けられたマスクを
    用いて、マスクを介して感光性着色転写層に放射線を照
    射する露光工程と、 前記発熱体により、感熱接着剤層の遮蔽部に対応した部
    分を加熱する加熱工程と、 転写体の支持体と、感光性着色転写層の放射線の照射さ
    れた露光部分とを被転写体から剥離して、感光性着色転
    写層の非露光部分を被転写体上に形成する剥離工程とか
    らなる着色パターン形成段階とを有することを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。
JP29759794A 1994-11-30 1994-11-30 カラーフィルタの製造方法 Withdrawn JPH08152513A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255900A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタ基板型温度測定器及びそれを用いた温度測定方法
WO2011001961A1 (ja) * 2009-06-30 2011-01-06 Dic株式会社 透明導電層パターンの形成方法

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