JP2001142201A - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント及びカラーフィルターの製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント及びカラーフィルターの製造法

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JP2001142201A
JP2001142201A JP32623899A JP32623899A JP2001142201A JP 2001142201 A JP2001142201 A JP 2001142201A JP 32623899 A JP32623899 A JP 32623899A JP 32623899 A JP32623899 A JP 32623899A JP 2001142201 A JP2001142201 A JP 2001142201A
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photosensitive resin
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meth
color filter
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Manabu Saito
学 斎藤
Hiromi Furubayashi
寛巳 古林
Tadahiro Tanigawa
直裕 谷川
Yoshizo Igarashi
由三 五十嵐
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フィルム剥離性が容易で歩留まり良く、段差
が少ない高精度のパターンを容易に形成でき、カラーフ
ィルターの製造に好適な感光性樹脂組成物、を提供す
る。 【解決手段】 (A)バインダーポリマー、(B)分子
内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合
を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤及び
(D)体質顔料を含有してなる感光性樹脂組成物、
(a)支持体フィルム、(b)クッション層及び(c)
前記感光性樹脂組成物の層の順に積層された感光性エレ
メント並びにこの感光性エレメントを(c)感光性樹脂
組成物の層が、透明基板上に接するように貼り合わせる
工程、(a)支持体フィルム及び(b)クッション層を
剥離する工程並びに(c)感光性樹脂組成物の層をパタ
ーン状に露光、現像する工程を含む工程を繰り返すこと
により、多色のパターンを形成することを特徴とするカ
ラーフィルターの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成
物、これを用いた感光性エレメント及びカラーフィルタ
ーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶カラーテレビ、液晶カラー表示のコ
ンピューターなどが実用化されているが、これらの液晶
表示装置は、透明電極を設けたガラス等の透明な基板を
1〜10μm程度の間隔をもうけて、その間に液晶物質
を封入し、電極間の印加した電圧により液晶物質を配向
しその濃淡により表示する仕組になっている。さらに、
カラー表示のため、ガラスなどの光学的に透明な基板の
表面に2種以上の色相を異にする極めて微細なストライ
プ状又はモザイク状のパターンを一定間隔に開けて、平
行又は交差して並べたカラーフィルターを設置してい
る。
【0003】カラーフィルターは、通常、透明基板、着
色パターン、保護膜、透明電極の順に形成されている。
着色パターンは2種以上の色相を異にする極めて微細な
ストライプ状またはモザイク状のパターンからなるもの
である。これらのパターンは色相を所定の順序に所定の
間隔をおいて整然と配置し、しかも厚さむらの少ない均
一な層とする必要があり、種々のカラーフィルターの製
造法が提案されている。例えばスクリーン印刷法では、
低コストのカラーフィルターの形成が可能である。ま
た、フォトリソグラフィ技術を用いる方法、すなわち、
カラーフィルター用基板上に形成された透明膜に、所定
のネガマスクを通して紫外線照射し、未露光部を除去し
たのち、防染層を形成しながら染色する方法が有る。
【0004】前記の方法の改良方法として、基板上に着
色した溶液状感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、
露光・現像して一色のパターンを形成させ、該工程を他
の色についても同様に繰り返し行ってカラーフィルター
を形成する方法がある。また、現在プリント配線板製造
時のエッチングレジスト、めっきレジスト、ソルダレジ
スト等に一般に使用されている透明支持体フィルム及び
感光性樹脂組成物の層から成る感光性エレメントを使用
した多色の微細なストライプ状またはモザイク状のパタ
ーンを簡単に高精度で形成できるカラーフィルターの製
造法が知られている。
【0005】透明基板上に支持体フィルムと一色に感光
性樹脂組成物の層とから成る感光性エレメントを、感光
性樹脂組成物の層が基板に面するように張り合わせる工
程、露光して所定のパターンを形成させる工程及び前記
支持体フィルムを剥がして現像する工程を繰り返して多
色パターンを形成させてカラーフィルターが製造され
る。
【0006】例えば、一つの色相着色剤を含む感光性樹
脂組成物の層を透明支持体フィルムに塗布乾燥した感光
性エレメントの感光性樹脂組成物の層を透明基板上に転
写して、所定のパターンのマスクを介して露光・現像し
てパターンを形成する方法(特開昭61−99102号
公報)が知られている。また、このフィルムに所定のパ
ターンのマスクを介して露光・現像してパターンを形成
したのちに、透明基板上に転写してカラーフィルターの
パターンを形成する方法(特開昭61−99103号公
報)及びこのフィルムを透明基板上に加熱圧着して、所
定のパターンのマスクを介して露光して、支持体フィル
ムを剥離し、現像して透明着色の画像パターンを形成す
る方法(特開昭63−187203号公報)が知られて
いる。また、感光性樹脂組成物の層の上にポリ酢酸ビニ
ル共重合体の接着体を構成した感光性エレメントを用い
て特開昭63−187203号公報と同様の方法でカラ
ーフィルターのパターンを形成する方法(特開平2−2
4624号公報)が知られている。
【0007】しかしながら、感光性エレメントを用いた
カラーフィルターの製造においては、多色の内2色目以
降を感光性エレメントのラミネート(積層)で形成する
ため、どうしても既に形成されてパターンが影響し表面
の段差が発生する問題がある。この段差は後工程の透明
樹脂から成るオーバーコート層の塗布むらやその後のス
パッタリングによるIn23−SnO2系の電極形成不
良による高抵抗化の問題がある。また、直接に画像の荒
れとして現れることもある。
【0008】この段差を低減するために、感光性樹脂組
成物の層と透明支持体の間に熱可塑性の樹脂層を設け、
ラミネート時の圧力と温度で平坦化する方法(特開平4
−208940号公報、特開平7−20309号公報)
が提案されている。この方法では、感光性樹脂組成物の
層とクッション層が密着しているため、クッション層の
上に定のパターンのマスクを介して露光しなければなら
なく、著しい解像度不足を招く結果となっている。この
ため露光前に透明支持体フィルムと一緒にクッション層
を剥離する方法がある。しかし、この方法では、透明支
持体フィルムとクッション層を剥離する際に感光性樹脂
組成物の層とクッション層の密着が強く、感光性樹脂組
成物の層が透明基板上に残らない問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2、3又は
4記載の発明は、フィルム剥離性が容易で歩留まり良
く、段差が少ない高精度のパターンを容易に形成でき、
カラーフィルターの製造に好適な感光性樹脂組成物を提
供するものである。請求項5記載の発明は、フィルム剥
離性が容易で歩留まり良く、段差が少ない高精度のパタ
ーンを容易に形成でき、カラーフィルターの製造に好適
な感光性エレメントを提供するものである。請求項6記
載の発明は、フィルム剥離性が容易で歩留まり良く、段
差が少ない高精度のパターンを容易に形成できるカラー
フィルターの製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)バイン
ダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つの重合可
能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、
(C)光重合開始剤及び(D)体質顔料を含有してなる
感光性樹脂組成物に関する。また、本発明は、(D)体
質顔料の配合量が、(c)感光性樹脂組成物の層の総量
に対して、1.0〜50重量%である前記感光性樹脂組
成物に関する。また、本発明は、(A)バインダーポリ
マーの重量平均分子量が、20,000〜300,00
0である前記感光性樹脂組成物に関する。また、本発明
は、(B)光重合性化合物が、ビスフェノールA系(メ
タ)アクリレート化合物である前記感光性樹脂組成物に
関する。
【0011】また、本発明は、(a)支持体フィルム、
(b)クッション層及び(c)前記感光性樹脂組成物の
層の順に積層された感光性エレメントに関する。また、
本発明は、前記感光性エレメントを(c)感光性樹脂組
成物の層が、透明基板上に接するように貼り合わせる工
程、(a)支持体フィルム及び(b)クッション層を剥
離する工程並びに(c)感光性樹脂組成物の層をパター
ン状に露光、現像する工程を含む工程を繰り返すことに
より、多色のパターンを形成することを特徴とするカラ
ーフィルターの製造法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはア
クリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、
(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応
するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基
とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル
基を意味する。
【0013】本発明の感光性樹脂組成物は、(A)バイ
ンダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つの重合
可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、
(C)光重合開始剤及び(D)体質顔料を含有してな
る。
【0014】前記(D)体質顔料としては、特に制限は
ないが、例えば、白色又は透明であることが好ましい。
これらの例としては、バライト(硫酸バリウム)、白亜
(重質炭酸カルシウム)等が上げられる。これらは単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0015】上記粒径は、0.001〜1.0μmであ
ることが好ましく、0.001〜0.1μmであること
がより好ましい。この粒径が0.001μm未満では入
手が困難な傾向があり、1.0μmを超えると体質顔料
が凝集しやすく色層の均一塗布性の妨げとなる傾向があ
る。
【0016】体質顔料の配合量は、(c)感光性樹脂組
成物の層の総量に対して、1.0〜50重量%であるこ
とが好ましく、10〜30重量%であることがより好ま
しい。この配合量が1.0重量%未満ではクッション層
と感光性樹脂組成物の層の密着が強くクッション層を高
速(4m/min以上)で剥離する際に感光性樹脂組成物の
層も同時に剥離してしまう傾向があり、50重量%を超
えると感光性樹脂組成物の層の密着が弱く保護フィルム
を張り合わせることが困難となる傾向がある。
【0017】上記(A)バインダーポリマーとしては、
アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を有するこ
とが好ましく、重量平均分子量が20,000〜30
0,000であることが好ましい。この重量平均分子量
が20,000未満では感光性樹脂組成物の層の流動性
及び粘着力が顕著に増大し、クッション層との密着力が
強くなりすぎるためクッション層と支持体フィルムの界
面で剥離しずらくなる傾向があり、300,000を超
えると感光性樹脂組成物の層の流動性及び粘着力が顕著
に低下し、ラミネート時に基板へ張り付かない、又はフ
ィルムを基板サイズに切断する際、感光性樹脂組成物の
層の微小な切断くずが出やすくなり、周辺装置の汚れの
原因になるなどの問題が生ずる傾向がある。なお、本発
明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーによって測定し、標準ポリスチレン
の検量線を用いて換算した値である。
【0018】上記(A)バインダーポリマーとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メ
タ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸アル
キルエステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し
得るビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これ
らは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0019】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ
る。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルや
(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノ
マーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルエ
チル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)
アクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これ
らは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0020】更に(メタ)アクリル酸を共重合成分とし
て含むテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸等のポ
リエステル、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合
体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、メチルセルロース、エチルセルロース等も用い
ることができる。
【0021】前記(B)分子内に少なくとも1つのエチ
レン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例え
ば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応
させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)
アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキ
シ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メ
タ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニ
ル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレ
ート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和
カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合
を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノ
マー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレー
ト、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−
ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−
β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレ
ート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げら
れるが、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合
物又はウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合
物を必須成分とすることが好ましい。これらは単独で又
は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0022】上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリ
ロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例
えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエ
トキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテト
ラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘ
キサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシ
オクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロ
キシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリ
ロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)ア
クリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカ
エトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニ
ル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタ
クリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、B
PE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として
商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタク
リロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、
BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)
として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0023】上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリ
ロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパ
ンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)ア
クリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテ
トラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエト
キシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げら
れる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0024】前記(C)光重合開始剤としては、例え
ば、ベンゾフェノン、4,4′−ジメチルアミノベンゾ
フェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミ
ノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミ
ノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナ
ントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニ
ルエーテル等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフ
ェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2
−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミ
ダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,
5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキ
シフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量
体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニ
ルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−
メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミ
ダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾ
ール二量体、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノ)−1−プロパノン等が用いら
れる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0025】本発明における感光性樹脂組成物には、必
要に応じて、さらに(E)顔料又は染料を含有させるこ
とができる。これらの例としては、例えば、公知の着色
剤が使用でき、(c)感光性樹脂組成物の層の成分、特
に(A)成分又は(B)成分に対する相溶性、目標とす
る色相、光透過性等を考慮して適宜選択され、例えば、
フクシン、オーラミン塩基、カルコシドグリーンS、パ
ラマジェンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレン
ジ、ナイトブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイト
グリーン、ベイシックブルー20、アイオジンググリー
ン、ナイトグリーンB、トリバロサン、ニューマジェン
タ、アシッドバイオレットRRH、レッドバイオレット
5RS、エチルバイオレット、メチレンブルー、ニュー
メチレンブルーGG、フタロシアニングリーン、ダイヤ
モンドグリーン、ローダミンB等の染料、フタロシアニ
ンブルー等のフタロシアニン系顔料、インダンスレンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ハロゲン化フタロシア
ニン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンレッド
等のキナクリドン顔料、ピロロ・ピロール系顔料、アン
トラキノン系顔料、ベリレン系顔料、カーボン、チタン
カーボン、酸化鉄、アゾ系黒色顔料、チタン白、シリ
カ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然
マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性炭酸
バリウム、チタン酸バリウム、山陽色素(株)製colortex
red UEM、colortex blue UEM、colortex green
UE−1203などが挙げられる。これらは単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0026】前記(A)成分の配合量は、(A)成分及
び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60
重量部であることが好ましい。この配合量が20重量部
未満では塗膜性が不十分となる傾向があり、60重量部
を超えると硬化物の膜特性が低下する傾向がある。
【0027】前記(B)成分の配合量は、(A)成分及
び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80
重量部であることが好ましい。この配合量が40重量部
未満では光感度が不十分で硬化物の膜特性が低下する傾
向があり、80重量部を超えると塗膜性が不十分となる
傾向がある。
【0028】前記(C)成分の配合量は、(A)成分及
び(B)成分の総量100重量部に対して、0.1〜1
0重量部であることが好ましい。この配合量が0.1重
量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、10重
量部を超えると露光の際感光性樹脂組成物の層の表面で
の光吸収が増大し、内部の光硬化が不十分となる傾向が
ある。
【0029】前記(E)成分の配合量は、(A)成分及
び(B)成分の総量100重量部に対して、1〜50重
量部であることが好ましい。この配合量が1重量部未満
では着色が不十分となる傾向があり、50重量部を超え
ると光透過率が低下する傾向がある。
【0030】その他、感光性樹脂組成物の層には、熱重
合性成分安定剤、ヘキサメトキシメラミン等のメラミン
樹脂などの熱硬化性樹脂等を含有させてもよい。
【0031】また、本発明の感光性エレメントは、
(a)支持体フィルム、(b)クッション層及び(c)
感光性樹脂組成物の層の順に積層される必要があり、前
記(c)感光性樹脂組成物の層が、(A)バインダーポ
リマー、(B)分子内に少なくとも一つの重合可能なエ
チレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(C)光
重合開始剤及び(D)体質顔料を含有してなる。
【0032】上記(a)支持体フィルムは、紫外線を透
過できるものであれば特に制限はないが、好ましくは厚
さが2〜100μm程度のポリエステルフィルムが用い
られる。上記ポリエステルフィルムとしては、例えば、
テトロンフィルム(帝人(株)製製品名)、マイラーフィ
ルム(デュポン社製製品名)等のポリエステルフィルム
が挙げられる。
【0033】上記(b)クッション層としては、特に制
限はないが、例えば、エチレン系共重合体であることが
好ましい。上記エチレン系共重合体としては、共重合成
分としてエチレンを含有するものであれば特に制限はな
く、ポリエチレン、EVΑ(エチレン−酢酸ビニル共重
合体)、EEΑ(エチレン−エチルアクリレート共重合
体)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を
組み合わせて使用される。
【0034】上記エチレン系共重合体におけるエチレン
の共重合比は、共重合成分総量に対して、60〜80重
量%であることが好ましく、65〜80重量%であるこ
とがより好ましい。この共重合比が60重量%未満では
クッション層の密着性が高くなり、カバーフィルムの剥
離が困難となると同時に、クッション層と色層の密着も
高くなりベースフィルムの剥離も困難となる傾向があ
り、80重量%を超えると、2色目、3色目の画素を形
成するためにフィルムをラミネートした際、1色目の画
素に対する追従性不良のため良好な画素及び平坦性が得
られなくなる傾向がある。
【0035】前記(b)クッション層の膜厚は5〜10
0μmであることが好ましく、10〜50μmであるこ
とががより好ましく、15〜30μmであることが特に
好ましい。この膜厚が5μm未満では2色目、3色目の
画素を形成する際の画素に対する追従性が悪くなる傾向
があり、また100μmを超えるとコストアップとなる
傾向がある。
【0036】なお、感光性樹脂組成物の層の保護の見地
から、(c)感光性樹脂組成物の層の(b)クッション
層と接触している面とは反対側の面に、さらに(d)保
護フィルムを積層することが好ましい。上記保護フィル
ムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレ
フィンフィルム等が用いられるが、表面平滑性等の面か
ら、ポリオレフィンフィルムが好ましい。また、その厚
みは、10〜40μmであることが好ましく、10μm
未満では取扱性に劣る傾向があり、40μmを超えると
コストアップとなる傾向がある。
【0037】本発明の感光性エレメントは、例えば、ポ
リエチレンフィルム等の支持体フィルム上にクッション
層の溶液をロールコータ、コンマコータ、グラビアコー
タ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータなど
で塗布、乾燥後、さらに感光性樹脂組成物の溶液を上記
塗工方法で塗布、乾燥後、必要に応じて保護フィルムを
積層することで製造することができる。
【0038】また、上記とは別にポリエチレンフィルム
等の支持体フィルム上に感光性樹脂組成物の溶液をロー
ルコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイ
フコータ、ダイコータ、バーコータなどで塗布、乾燥
後、必要に応じて保護フィルムを積層し感光性樹脂組成
物の層を有するエレメントを得る。また、ポリエチレン
フィルム等の支持体フィルム上にクッション層の溶液を
ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアー
ナイフコータ、ダイコータ、バーコータなどで塗布、乾
燥してクッション層を有するエレメントを得る。次い
で、必要に応じて存在する保護フィルムを剥離した感光
性樹脂組成物の層を有するエレメントの感光性樹脂組成
物の層とクッション層とを貼り合わせるようにして本発
明の感光性エレメントを得ることもできる。
【0039】本発明の感光性エレメントを使用したカラ
ーフィルタは、例えば、以下のようにして製造される。
まず、必要に応じてブラックマトリックスが形成された
カラーフィルタ用基板を必要に応じて100〜200℃
の温度で3〜30分間加熱した後、そのカラーフィルタ
用基板上に必要に応じて存在する保護フィルムを剥がし
ながら感光性エレメントの感光性樹脂組成物の層を積層
し、感光性樹脂組成物の層の表面の支持体フィルム及び
クッション層を剥離した後、感光性樹脂組成物の層上に
所定のパターンのネガマスクを乗せて像状に露光する。
次いで未露光部分が現像液で現像され着色パターンが形
成される。この着色パターンの形成工程を色の異なる感
光性エレメントを用いて所定回数繰り返すことで多色の
着色パターンを形成させカラーフィルタが得られる。
【0040】前記積層工程は、一般にホットロールと呼
ばれる加熱可能なロール又はヒートシューと呼ばれる加
熱用のジャケットとラミネートロールと呼ばれるロール
により、感光性樹脂組成物の層を加熱し軟化しながら行
う。本発明の感光性エレメントを用いると2色目以降の
パターンを形成する際に、特別な処理をすることなくパ
ターンの段差を低減できる。
【0041】前記露光工程は、一般に専用の露光機があ
り、接触又は非接触型のものを用いて行う。ランプとし
ては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを
用いることができる。
【0042】現像方法は、ディップ法、スプレー法等が
挙げられ、高解像度化には高圧スプレー法が最適であ
る。現像液は、環境性及び安全性の見地からアルカリ性
水溶液であることが好ましく、例えば、0.1〜5重量
%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カ
リウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウム
の希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希
薄溶液等が好ましい。
【0043】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。
【0044】実施例1 ポリエステルフィルム(50μm厚)上に表1のクッシ
ョン層樹脂組成物を均一に塗布し、100℃の熱風対流
式乾燥機で10分間乾燥して乾燥後の膜厚が20μm厚
のクッション層(b)を形成した後、更に表2の感光性
樹脂組成物の溶液を均一に塗布し、100℃の熱風対流
式乾燥機で10分間乾燥して乾燥後の膜厚が1.8μm
厚の感光性樹脂組成物の層(c)を形成後、30μm厚
のポリエチレンフィルムを保護フィルム(d)として積
層し感光性エレメントを得た。
【0045】得られた感光性エレメントをその保護フィ
ルムを剥がしながら、感光性樹脂組成物の層を150℃
で予め加熱したガラス基板上にロール温度150℃、ロ
ール圧6×105Pa、速度1.0m/分でラミネートし
た。次いで、ポリエステルフィルムとクッション層を高
速(6m/min)で除去し、所定のパターンのネガマスク
を通して露光機HMW−201B(3KW、超高圧水銀
灯、オーク製作所製)で露光した後、30℃で0.05
重量%の炭酸ナトリウム水溶液で10〜20秒スプレー
現像して未露光部を除去し、一色目の着色パターンを作
製した。この着色パターンの形成工程を赤、青、緑の順
に各色の感光性エレメントを用いて3回繰り返し行い、
多色パターンを作製した。この際の露光量は、200mJ
/cm2とした。得られた多色パターンに150℃で45分
間加熱してカラーフィルターを得た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】実施例2 表1の組成物中の体質顔料を60重量部とした以外は実
施例1と同様に感光性エレメントを作製した。実施例1
と比べると若干カバーフィルムが積層しにくかったが、
その他の特性は良好であった。
【0049】比較例1 表2の感光性樹脂組成物中の体質顔料を0重量部とした
以外は実施例1と同様に感光性エレメントを作製した。
実施例1と同様に感光性エレメントを透明基板にラミネ
ートしようとしたが、カバーフィルムと一緒に感光性樹
脂組成物も剥離されてしまった。
【0050】
【発明の効果】請求項1、2、3又は4記載の感光性樹
脂組成物は、フィルム剥離性が容易で歩留まり良く、段
差が少ない高精度のパターンを容易に形成でき、カラー
フィルターの製造に好適である。請求項5記載の感光性
エレメントは、フィルム剥離性が容易で歩留まり良く、
段差が少ない高精度のパターンを容易に形成でき、カラ
ーフィルターの製造に好適である。請求項6記載のカラ
ーフィルターの製造法は、フィルム剥離性が容易で歩留
まり良く、段差が少ない高精度のパターンを容易に形成
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 直裕 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 五十嵐 由三 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA16 AB13 AC01 AD01 BC83 CB55 CC08 CC12 DA40 EA08 2H048 BA43 BA47 BA48 BB02 BB42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)バインダーポリマー、(B)分子
    内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合
    を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤及び
    (D)体質顔料を含有してなる感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (D)体質顔料の配合量が、(c)感光
    性樹脂組成物の層の総量に対して、1.0〜50重量%
    である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)バインダーポリマーの重量平均分
    子量が、20,000〜300,000である請求項1
    又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)光重合性化合物が、ビスフェノー
    ルA系(メタ)アクリレート化合物である請求項1、2
    又は3記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (a)支持体フィルム、(b)クッショ
    ン層及び(c)請求項1、2、3又は4記載の感光性樹
    脂組成物の層の順に積層された感光性エレメント。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の感光性エレメントを
    (c)感光性樹脂組成物の層が、透明基板上に接するよ
    うに貼り合わせる工程、(a)支持体フィルム及び
    (b)クッション層を剥離する工程並びに(c)感光性
    樹脂組成物の層をパターン状に露光、現像する工程を含
    む工程を繰り返すことにより、多色のパターンを形成す
    ることを特徴とするカラーフィルターの製造法。
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