JPH1172908A - 感光性エレメント及びカラ−フィルタの製造法 - Google Patents

感光性エレメント及びカラ−フィルタの製造法

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JPH1172908A
JPH1172908A JP23393297A JP23393297A JPH1172908A JP H1172908 A JPH1172908 A JP H1172908A JP 23393297 A JP23393297 A JP 23393297A JP 23393297 A JP23393297 A JP 23393297A JP H1172908 A JPH1172908 A JP H1172908A
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JP
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photosensitive
film
layer
photosensitive element
molecule
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JP23393297A
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English (en)
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Nobuaki Takane
信明 高根
Masanobu Hanehiro
昌信 羽広
Yasuo Kamigata
康雄 上方
Tsutomu Sato
勉 佐藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム転写法カラーフィルタ製造法におい
て使用される、剥離性、感度、現像性の経時安定性に優
れる感光性エレメントを提供する。 【解決手段】 フィルム転写法カラーフィルタ製造法に
おいて使用される感光性エレメントであって、クッショ
ン層とエチレン性不飽和結合を分子内に一つ以上有する
化合物を含む感光層からなり、エチレン性不飽和結合を
分子内に一つ以上有する化合物として、25℃で固体ま
たは粘度が10万cps以上である化合物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性エレメント
及びカラー液晶表示装置等に使用されるカラ−フィルタ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ティスプレイ(以下LCDと略す)
は、薄型、小型、低消費電力などの特長を生かし、現
在、時計、電卓、TV、パソコン等の表示部に用いられ
ている。更に近年、カラーLCDが開発されOA・AV
機器を中心にナビゲーションシステム、ビュウファイン
ダーなど数多くの用途に使われ始めており、その市場は
今後、急激に拡大するものと予想されている。
【0003】LCDをカラー表示させるためのカラーフ
ィルタは、図1に示すように格子状パターンのBM(ブ
ラックマトリックス)1が形成されたガラス板等の基板
2上に、R(赤)G(緑)B(青)からなるカラー画素
3(約100×100×2μm)を順次形成し、その上
に透明なオーバーコート層(OC)4を形成したもので
ある。5は偏光板、6はITO電極である。
【0004】カラーLCDは、カラーフィルタ7をLC
D内部に設置し、バックライト光をカラーフィルタに透
過することによって表示画面をカラー化できる。8は配
向膜、9は液晶、10はシ−ル材、11はトップコ−ト
層、12はITO電極、13はガラス板等の基板、14
は偏光板である。
【0005】現在、カラーフィルタは主に染色法を用い
て製造されている。しかし、この方法はガラス基板上に
透明な感光性樹脂を塗布、乾燥、露光、現像によって画
素を形成後、染料を用いて染色しその後、混色防止層を
形成するといった工程を3回繰り返し行う必要があるた
め、工程数が多くコスト高となる。また、着色剤として
染料を用いているため、カラーフィルタの重要課題であ
る信頼性(耐候性・耐熱性)が劣るという欠点がある。
そこで、着色剤として顔料を用いたカラーフィルタがい
くつか提案されており、その中に電着法、印刷法、フォ
トリソ法(フォトリソグラフィー法)がある。
【0006】しかし、電着法は電極パターンを形成する
必要があるため(1)パターンの自由度が少ない、
(2)コストが高い、また印刷法は(1)大型基板の位
置合わせが難しく解像度が低いため微細化の対応が困
難、(2)パターンの平坦性が劣る、などの問題があ
り、現状ではフォトリソ法が主流と考えられている。フ
ォトリソ法には、液状レジスト法とフィルム転写法が考
えられる。液状レジスト法は、感光性樹脂中に顔料を分
散させたワニスをスピンナーでガラス基板上に塗布、乾
燥後、露光、現像によってカラー画素が形成される。一
方、フィルム転写法は、プリント板用感光性フィルムと
同様にワニスをフィルム化したものであり、基板にラミ
ネート後、露光、現像によってカラー画素が形成され
る。
【0007】フィルム転写法カラーフィルタ製造法にお
いて使用されている感光性エレメントは、(1)支持体
フィルム、(2)感光性樹脂層、(3)カバーフィルム
の三層構造、(1)支持体フィルム、(2)クッション
層、(3)感光性樹脂層、(4)カバーフィルムの四層
構造、または、クッション層と感光性樹脂層の間に中間
層を有する五層構造のもの等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の三層構造のフィ
ルムを使用すると、画素またはブラックマトリックス等
の下地の凹凸に起因する転写不良及び画素平坦性の低下
が発生し易かった。また、四素構造では、一定時間保存
するとクッション層への低融点物質の移行に起因する感
度や現像性の低下が発生した。そこで感度や現像性を上
げるために、液状のエチレン性不飽和結合を、分子内に
一つ以上有するモノマーを増量すると、ベトツキが上が
るために、カバーフィルムの剥離が困難となったり、感
光性樹脂がマスクに付着する問題が発生した。一方、中
間層を設けた五層構造フィルムでは、多層塗工するた
め、材料のコストが高く、生産性が高いとは言い難かっ
た。本発明は、剥離性、感度、現像性の経時安定性に優
れる感光性エレメント及びそれを用いたカラーフィルタ
の製造法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、課題のた
めに検討した結果、着色画像形成材料を含む感光液に、
25℃で個体または粘度が10万cps 以上であるエチレ
ン性不飽和結合を分子内に一つ以上有するモノマー及び
オリゴマーを少なくとも1種類以上含有させることによ
り、着色画像形成材料を膜として形成した場合に、ベト
ツキが少なくなり、また、この感光液を用いて、支持体
フィルム上に、着色画像形成材料を感光性樹脂層として
積層した場合に、カバーフィルムの剥離性が容易にな
り、また、支持体フィルム上に、熱可塑性を有するクッ
ション層、着色画像形成材料を感光性樹脂層として順次
積層した場合、一定時間保存しても感度や現像性の安定
性が向上することを見いだした。
【0010】本発明の感光性エレメントは、支持体フィ
ルム上に形成された熱可塑性を有するクッション層とエ
チレン性不飽和結合を分子内に一つ以上有する化合物を
含む感光層とを備え、前記感光層の膜厚減少量が20%
以下のものである。エチレン性不飽和結合を分子内に一
つ以上有する化合物としては、25℃で固体または粘度
が10万cps以上であるもの、分子量1000以上の
オリゴマーが使用される。このようなエチレン性不飽和
結合を分子内に一つ以上有する化合物は、クッション層
内に含有することができる。感光層の膜厚減少量は、感
光性エレメント作成後、感光性エレメントの使用時すな
わち活性光線を照射、現像する段階での膜厚の減少量で
ある。本発明のカラ−フィルタの製造法は、ガラス基板
等の基板に前記の感光性エレメントを用いて、感光層を
膜として形成し、活性光線を照射、現像によって所定画
像を形成する工程を所定回数行うことを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明は、 (a)エチレン性不飽
和結合を分子内に一つ以上有するモノマー及びオリゴマ
ー (b)アルカリ可溶な分散樹脂 (c)着色剤 (d)光開始剤
を含有してなる着色画像形成材料を含む感光液におい
て、25℃で固体または粘度が10万cps 以上である
(a)エチレン性不飽和結合を分子内に一つ以上有するモ
ノマー及びオリゴマーを少なくとも1種以上含むことを
特徴とする着色画像形成材料を含む感光液、及びそれを
用いた感光性エレメントに関する。
【0012】また、本発明は永久支持体上に、上記した
感光液を用いて、支持体フィルム上に、着色画像形成材
料を感光性樹脂層として積層した感光性エレメントを用
いて、着色画像形成材料を膜として形成し、活性光線を
画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像
によって除去する工程を、所定回数行うことを特徴とす
るカラーフィルタの製造法である。
【0013】さらに、本発明は永久支持体上に、上記し
た感光液を用いて、支持体フィルム上に、熱可塑性を有
するクッション層、着色画像形成材料を感光性樹脂層と
して、順次積層した感光性エレメントを用いて、着色画
像形成材料を膜として形成し、活性光線を画素状に照射
し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像によって除去
する工程を、所定回数行うことを特徴とするカラーフィ
ルタの製造法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述に説明
する。 (a) 成分の25℃で固体または粘度が10万cps 以上で
あるエチレン性不飽和結合を分子内に一つ以上有するモ
ノマー及びオリゴマーは、例えば、ECH変性フタル酸
ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシ
アヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシア
ヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ト
リブロモフェニルアクリレート、EO変性トリブロモフ
ェノールアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェ
ノールジメタクリレート等が挙げられる。さらに「UV
・EB硬化ハンドブック(原料編)」(加藤清視編著、
高分子刊行会発行、1985年12月20日発行)記載
の、性状が常温で固体または粘度が10万cps 以上のも
のが選ばれるのが好ましい。これらの (a)成分は少なく
ともとも一種類以上用いるが、本成分の使用量は、着色
画像形成材料中固形分総量の1〜30%とすることが好
ましい。多すぎると現像性が低下したり、ベトツキが発
生する傾向がある。また、少なすぎると感度が低下す
る。
【0015】(b)成分の25℃で液体であるエチレン
性不飽和結合を分子内に一つ以上有するモノマーは、例
えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパンジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘ
キサメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、フルフリルアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、レゾルシ
ノールジアクリレート、p,p’−ジヒドロキシジフェ
ニルジアクリレート、スピログリコールジアクリレー
ト、シクロヘキサンジメチロールジアクリレート、ビス
フェノールAジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、及び上記のメタクリレート同構造の化合物、メ
チレンビスアクリルアミド、ウレタン系ジアクリレート
等の多官能モノマーが挙げられる。
【0016】また、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ア
ルキルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)アシッドホスフェート、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート四級化物等の単官能モノマーが挙げられる。
これらの成分は単独または2種以上を混合して用いるこ
ともできる。本化合物の使用量は、本発明の着色画像形
成材料中の固形分総量の0〜30重量%とすることが好
ましく、0〜25重量%とすることがより好ましい。こ
れは(a)成分のみだと十分な感度が得られない場合に
添加することが好ましく、多すぎるとベトツキが大きく
なる傾向がある。
【0017】(c)成分のアルカリ可溶な分散樹脂は、
酸価が20〜300、重量平均分子量が1,500〜2
00,000の範囲に入っていれば好ましく、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシ
ル基含有重合性モノマと、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、スチレン等の重合性モノマとの共重合
体が代表的なものとして挙げられる。
【0018】本成分の使用量は、本発明の感光性組成物
中の固形分総量の10〜80重量%とすることが好まし
く、20〜70重量%とすることがより好ましい。
(c)成分が少なすぎるとアルカリ現像性が低下する。
【0019】(d)成分としての感光性組成物に有効な
着色剤としては、無機顔料や有機顔料が挙げられる。有
機顔料としては、例えば、溶剤(水も含む)不溶性のア
ゾ系、縮合系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、その
他インジゴ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナク
リドン系、メチンアゾメチン系、イソインドリノン系等
が挙げられる。
【0020】三原色であるBlue,Green ,R
ed を構成する有機顔料として、Blueはフタロシ
アニン系顔料が用いられる。例えば、C.I.Pigm
ent Blue 15:6(C.I.No.7416
0)、C.I.Pigment Blue 60(C.
I.No.69800)、色再現性を良くするため、
C.I.Pigment Violet23との混合が
用いられる。Green は緑の顔料として、ハロゲン
化フタロシアニン系顔料で例えばC.I.Pigmen
t Green 7(C.I.No.74260)、
C.I.Pigment Green 36(C.I.
No.74265)、C.I.Pigment Gre
en 37(C.I.No.74255)又、色再現性
を良くするため、例えば黄色の顔料C.I.Pigme
nt Yellow139(C.I.No.なし)、
C.I.Pigment Yellow83(C.I.
No.21108)との混合が用いられる。Red は
キナクリドン系顔料やアントラキノン系の赤の顔料が用
いられる。例えばC.I.Pigment Red 2
09(C.I.No.73905)、C.I.Pigm
ent Red 177(C.I.No.6530
0)、色再現性を良くするため、Green の場合と
同様に例えば、黄色の顔料C.I.Pigment Y
ellow139や、C.I.Pigment Yel
low83との混合が用いられる。無機顔料としては酸
化クロム、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、コバル
ト緑、コバルト青、黄鉛、等である。
【0021】三原色の補色であるシアン、マゼンタ、イ
エロを構成する有機顔料としては、シアンはC.I.P
igment Blue 15:3(C.I.No.7
4160)、マゼンタとしてはC.I.Pigment
Red 57:3(C.I.No.15850:
1)、イエロは例えばC.I.Pigment Yel
low12(C.I.No.21090)等が用いられ
る。
【0022】ブラックマトリックスを形成する着色剤と
しては、カーボンブラック、チタンカーボン、鉄黒等で
ある。
【0023】(e)成分の光開始剤としては、例えば、
ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−
ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチ
ルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキ
シアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオ
キサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1
−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロア
ントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−
クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアント
ラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナン
トラキノン、1,2−ベンゾアントラキノンラチ1,4
−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノ
ン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル
イミダゾール二量体等が挙げられる。これらの光開始剤
は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。こ
の成分の使用量は、本発明の感光性組成物中の固形分総
量の0.01〜25重量%とすることが好ましく、1〜
20重量%であることがより好ましい。
【0024】着色感光性組成物の製造で使用される有機
溶剤としては、例えば、ケトン系有機溶剤(アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、セロソル
ブ系有機溶剤(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチロセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、ブチロセロソルブアセテート
等)、グリコール系有機溶剤(エチレングリコールモノ
プロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート等)、アルコール系有
機溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、3−メチル
−3−メトキシブタノール等)、芳香族系有機溶剤(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等)、3−メチル−3−メ
トキシブチルアセテート、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、酢酸エチルなどが挙げられ
る。これらは単独で又は2種類以上を組み合せて使用さ
れる。このような溶剤は、感光性組成物の固形分が10
〜60重量%となるような量で使用することが好まし
い。多すぎると分散の安定性が低下する傾向があり、少
なすぎるとゲル化が生じやすい傾向がある。
【0025】着色画像形成用として、例えば、カラーフ
ィルタ用として希釈剤又は溶剤に溶解した感光性組成物
を塗布するときの支持体としては、透明なガラス板すな
わち、青板ガラス、主に無アルカリ、アルミノシリケー
ト、石英ガラス等が使用される。又その他の用途にはア
クリル樹脂板、塩化ビニル樹脂板、銅板、アルミニウム
板、ニッケル板、ステンレス等の金属板等が使用され
る。
【0026】塗布方法としては、ロールコータ塗布、ス
ピンコータ塗布、スプレー塗布、ホエラー塗布、デップ
コータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコ
ータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布
等である。これらの支持体上に上記の方法で感光性組成
物を塗布した後、自然乾燥や加熱により強制乾燥し、数
μmの乾燥した塗膜が形成される。
【0027】又、永久支持体に直接塗布せず、支持体上
に塗布して感光性エレメントとしたのちラミネートする
ことにより、永久支持体に膜として形成することができ
る。永久支持体に直接塗布できない場合は、この方法が
有効である。支持体フィルムに塗布する方法としては、
上記塗布方法に記載した方法で行うことができる。
【0028】感光性エレメントとしては、支持体フィル
ム、クッション層、感光性樹脂層、カバーフィルムを順
次積層してなる四層構造のものが好ましく、永久支持体
へ感光性樹脂層を密着後、永久支持体上に感光性組成物
としての膜を残して、クッション層を剥離できるもので
あり、支持体フィルム、クッション層を剥離した後、フ
ォトマスク等を通して活性光線を画像状に照射し、露光
部を光硬化させ、未露光部を現像によって除去すること
よって、永久支持体上に、着色画像を形成することがで
きる。これにより感光性樹脂層の転写の際に、すでに形
成された永久支持体上の画素又はブラックマトリックス
等による凹凸に起因する転写不良及び画像の平坦性の低
下を防止し、かつクッション層の着色感光層からの剥離
が申し分なく、現像後、画素平坦性の良好なカラーフィ
ルタを得ることができる。
【0029】支持体フィルムとしては、化学的、熱的に
安定であり、シートまたは板状に成形できるものを用い
ることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースア
セテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース
誘導体、ポリアミド類、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリイミド類である。これらの中で特に好ましいの
は寸法安定性及び透過性に優れた2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートである。支持体フィルムの膜厚は6〜1
00μmが好ましい。6μm以下では、ラミネート時に
ラミネートロール等の表面粗さを下地のクッション層、
着色感光性樹脂層に転写し、感光性組成物としての膜の
表面が荒れるおそれがあるからである。
【0030】クッション層は、シート状に成膜可能で、
常温ではベトツキがなく、膜としての平滑性が0.05
μm以下のものが望ましい。また、着色感光性樹脂フィ
ルムを透明基板にラミネートする温度での硬度(JIS
K6301)が80度以下のものがより好ましい。この
理由は、硬度が堅いと透明基板上に形成した画像パター
ンの縁部分に圧力が浸透せず、泡が入ったり、縁部分に
転写した感光層の膜厚が大きくなり、形成した画像の平
坦性を損なうためである。またこの層の膜厚は該感光性
樹脂層の膜厚よりも厚いことが望ましく、少なくとも2
倍の厚さが必要である。感光性樹脂層の膜厚が1.5μ
mの場合は3μm以上であることが好ましい。
【0031】またクッション層は、転写後、感光性樹脂
層から良好な剥離性を示すために、感光性樹脂層との密
着力が低い材料を用いるか、着色感光性樹脂フィルムと
クッション層の界面にシリコン化合物等を塗膜するなど
して離型処理を施してもよい。また、あらかじめクッシ
ョン層を支持体フィルムに塗工しておき、感光性樹脂層
と貼り合わせることによってクッション層との密着力を
弱くすることもできる。
【0032】クッション層に用いる材料として、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレ
ンと酢酸ビニル、エチレンとアクリル酸エステル、エチ
レンとビニルアルコールのようなエチレン共重合体、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニルと
ビニルアルコールの共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと
(メタ)アクリル酸エステルのようなスチレン共重合
体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)ア
クリル酸エステルの様なビニルトルエン共重合体、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチ
ルと酢酸ビニルのような(メタ)アクリル酸エステルの
共重合体、合成ゴム、セルローズ誘導体等から選ばれ
た、少なくとも1種類以上の有機高分子を用いることが
できる。
【0033】本発明の感光性エレメントのカバーフィル
ムとしては、化学的および熱的に安定であって、感光層
との剥離が容易であるものが望ましい。具体的にはポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリビニルアルコール等の薄いシート状のもので表
面の平滑性が高いものが好ましい。剥離性を付与するた
めに表面に離型処理をしたものも含まれる。
【0034】支持体フィルム上に得られた感光性樹脂層
を、永久支持体にラミネートする方法としては、カバー
フィルムを剥がし、永久支持体上に加熱圧着することが
密着性が向上し、より好ましい。
【0035】このようにして永久支持体表面に形成した
方法における感光性組成物の膜厚は、用途により決定さ
れるが、通常は0.1〜500μmの範囲で使用され
る。液晶用カラーフィルタに用いる場合は0.1〜5μ
mの範囲で使用される。
【0036】この乾燥塗膜である感光性樹脂層に露光機
により露光を行い、感光部分を硬化させる。本発明の組
成物に適用し得る露光機としては、カーボンアーク灯、
超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ等が挙
げられる。
【0037】
【実施例】
実施例 支持体フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレ
フタレートを用い、このフィルム上に、下記組成のクッ
ション層形成溶塗布液とグラビヤロールを用いて、乾燥
膜厚が5μmとなるように塗布乾燥し、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体樹脂膜を形成し、これにより支
持体フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に、クッション層が形成された支持体を得た。 クッション層形成溶液: エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂 10g (三井−デュポンポリケミカル社製、商品名EVAFL
EX−EEA−709、エチルアクリレート含有量35
%) トルエン 90g 次に40μmのポリプロピレンフィルムに、以下の着色
感光樹脂層分散液を、グラビヤロールを用いて、乾燥膜
厚が1.5μmになるように感光性樹脂層を形成した。
形成した感光性樹脂層とエチレン−エチルアクリレート
共重合樹脂クッション層とを貼り合わせて、支持体フィ
ルム、感光性樹脂層、クッション層、ポリプロピレンフ
ィルムを順次積層したカラーフィルタ製造用感光性エレ
メントを作製した。 着色感光樹脂層分散液:前述の共重合体である樹脂(ポ
リマーA)と顔料とを溶剤でビーズミルで3時間分散し
た。ポリマーAはスチレン−マレイン酸樹脂で、分子量
11000、酸価75である。また、このときの顔料は
C.I.Pigment Blue15:6とC.I.
Pigment Violet 23を用い、割合は9
1:9とし、溶剤はγ−ブチロラクトンを使用した。分
散物の組成は、樹脂37.5%、顔料15%、溶剤γ−
ブチロラクトン50%とした。分散剤は、A−600
(第一工薬)2.5%の割合にした。平均粒径は、Ho
riba−CAPA−700Particle−Ana
lyzerで測定し、0.3μmであった。 (ポリマー) ポリマーA 78部 (架橋剤) ECH変性フタル酸ジアクリレート 30部 (光開始剤) ベンゾフェノン 8部 ベンゾフェノンエ−テル 8部 (増感剤) 2メルカプトベンズイミダゾ−ル 1.1部 (溶剤) N−メチルピロリドン 5部 γ−ブチロラクタン 500部 (重合禁止剤) p−メトキシフェノール 0.1部 (界面活性剤) パーフルオロアルキルアルコキシレート 0.01部 (着色剤) 分散物 48部 (部:重量部) 次にクロム膜(膜厚0.1μm)付きガラス基板(1.
1mm×200mm×300mm、ジオマテック社製)
でブラックマトリックスを形成したガラス基板に、ロー
ルラミネータHLM1500(日立化成テクノプラント
社製)を用いて、基板温度100℃、ロール温度100
℃、ロール圧力6kg/cm2、速度0.5m/分で、
前記カラーフィルタ製造用感光性エレメントのカバーフ
ィルムのポリプロピレンフィルムを剥がしながら、感光
性樹脂層がガラス基板に面するようにラミネートした。
ガラス基板/感光性樹脂層/クッション層/ポリエチレ
ンテレフタレートの順に積層されたガラス基板よりポリ
エチレンテレフタレートをロールで卷き取りながら剥が
すとクッション層はポリエチレンテレフタレートフィル
ム側に接着したまま剥がれ、ガラス基板には着色感光性
樹脂フィルムのみが残った。次に所定のネガマスクを通
して、平行光露光機MAP1200L(大日本スクリー
ン社製)を用いて100mJ/cm2露光、スプレー式
現像装置DVW911(大日本スクリーン社製)を用い
て、下記現像液を用いて、25℃で60秒間スプレー現
像して未露光部を除去し、クリーンオーブンCSO−4
02(楠本化成製)で240℃に加熱、硬化を行って1
色の着色パターンを形成した。現像液組成は、下記の組
成である。 トリエタノールアミン 6% イソプロパノール 0.5% 水 93.5% 合 計 100%(重量) この着色形成工程をR、G、Bの順に各色のフィルムを
用いて繰り返し行い、膜厚1.5μmのRGB画素パタ
ーンを形成した。できたパターンはカラーフィルタとし
て十分使用に耐えるものであった。このときの感度はコ
ダックスッテプタブッレトで7段だった。
【0038】
【発明の効果】本発明の感光性エレメントは、感光層か
らクッション層への感光層組成物質の移行が少ないた
め、剥離性、感度、現像性の経時安定性に優れる。本発
明のカラ−フィルタは、画像品質に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶ティスプレイの断面図。
【符号の説明】
1.BM(ブラックマトリックス) 2.ガラス基板 3.カラー画素 4.オーバーコート層(OC) 5.偏光板 6.ITO電極 7.カラーフィルタ 8.配向膜 9.液晶 10.シ−ル材 11.トップコ−ト層 12.ITO電極 13.ガラス基板 14.偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勉 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体フィルム上に形成された熱可塑性
    を有するクッション層とエチレン性不飽和結合を分子内
    に一つ以上有する化合物を含む感光層とを備え、前記感
    光層の膜厚減少量が20%以下である感光性エレメン
    ト。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和結合を分子内に一つ以
    上有する化合物が、25℃で固体または粘度が10万c
    ps以上である請求項1記載の感光性エレメント。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和結合を分子内に一つ以
    上有する化合物が、分子量1000以上のオリゴマーで
    ある請求項1記載の感光性エレメント。
  4. 【請求項4】 エチレン性不飽和結合を分子内に一つ以
    上有する化合物をクッション層内に含有する請求項1記
    載の感光性エレメント。
  5. 【請求項5】 基板に請求項1〜4各項記載の感光性エ
    レメントを用いて、感光層を膜として形成し、活性光線
    を照射、現像によって所定画像を形成する工程を所定回
    数行うことを特徴とするカラ−フィルタの製造法。
JP23393297A 1997-08-29 1997-08-29 感光性エレメント及びカラ−フィルタの製造法 Pending JPH1172908A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001207086A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Riken Vinyl Industry Co Ltd 紫外線硬化性塗料用組成物及びそれを用いた積層体の製造方法
WO2006025389A1 (ja) * 2004-09-01 2006-03-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法

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