JP2509883B2 - 転写絵付シ−トおよびその製造方法 - Google Patents

転写絵付シ−トおよびその製造方法

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JP2509883B2 JP59127405A JP12740584A JP2509883B2 JP 2509883 B2 JP2509883 B2 JP 2509883B2 JP 59127405 A JP59127405 A JP 59127405A JP 12740584 A JP12740584 A JP 12740584A JP 2509883 B2 JP2509883 B2 JP 2509883B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐薬品性、耐溶剤性等の諸物性に優れた転
写層を、被転写体上に形成しうる転写シートの製造法に
関する。
(従来の技術) 従来より、転写による絵付方法は、直接印刷すること
が困難な物に対しての絵付けによく利用されている。例
えば、ホットスタンプと呼ばれる転写シートは数多く存
在し、紙、合成皮革、プラスチック成形品等に簡単に絵
付けする方法として利用されてきており、且つ広範囲に
わたって多数の用途に有効に活用されている。その殆ど
は、ポリエステルなどのベースフイルムに、アクリル系
樹脂、ゴム系樹脂、ビニル系樹脂等からなる剥離層、更
に、絵柄層あるいは蒸着層、接着剤層等を積層したもの
で、転写後は、剥離層が絵柄層を保護する保護層として
働く構成になっている。
(発明が解決しようとしている問題点) しかしながら、上記の各層は、樹脂を溶剤に溶かして
作られた塗料または印刷インキを用いて製造されるもの
であるので、特定の溶剤には耐溶剤性があるが、一般に
上記の塗料やインクに使用されるようなエステル系溶
剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤に対しては全く耐溶剤
性がなかった。
このことは、転写絵付用シートの耐溶剤性を要求され
る箇所への使用が制限されるばかりか、通常転写後の転
写面に文字、マーク等をスクリーン印刷する場合が多
く、スクリーン印刷時の仕損品の修正がきかないなどの
欠点があり、そのために従来から耐薬品性、耐溶剤性の
優れた転写シートが望まれていた。耐溶剤性を得るため
には架橋させればよいのであるが、従来の熱硬化による
方法、例えばイソシアネートあるいはエポキシ等の架橋
剤を利用する方法では、転写時に基体シートが剥れなく
なるという欠点を有する。
本出願人は、上記欠点を解決するために、すでに以下
の提案を行なった。すなわち、転写後に表面を保護する
保護層となる転写シートの剥離層を、分子中にエチレン
性不飽和結合を有するプレポリマーもしくはオリゴマー
と、分子中にエチレン性不飽和結合を有するモノマーお
よび/またはポリチオール類とからなる電子線硬化材料
を用いて、電子線照射により硬化した層にすることによ
り、耐溶剤性、耐薬品性が著しく向上した転写シートを
提案した。
本発明者らは、更に、研究を続けた結果、転写絵付用
シートの剥離層のみならず、絵柄層をも電離放射線照射
により架橋させることにより、一層優れた耐溶剤性、耐
薬品性、耐汚染性を有する転写絵付シートが得られるこ
とを知り、製造方法の研究を進めた。その結果、基体シ
ートの片面に、分子中にラジカル重合性不飽和基を有す
る電離放射線架橋性ポリマー、或は該電離放射線架橋性
ポリマーと電離放射線重合性単量体とからなる材料(以
下単に電離放射線架橋性材料という)を含有する剥離層
を設け、該剥離層を電離放射線照射により架橋させた
後、更に電離放射線架橋性材料を含有する絵柄層を設
け、電離放射線を照射して架橋させた後に接着剤層を設
けるという方法が考えられるが、この場合、電離放射線
照射装置を多数必要とするか、一台の電離放射線照射装
置では、非常に生産能率が悪いという欠点があり、ま
た、基体シートの片面に電離放射線架橋性材料を含有す
る剥離層を設け、次いで電離放射線架橋性材料を含有す
る絵柄層を設け、更に接着剤層を設けた後に、電離放射
線を照射する方法は、製造方法としては簡単ではある
が、次のようなトラブルを起すことがあることを知っ
た。
すなわち、電離放射線照射の際、接着剤層も電離放射
線の影響を受け、該接着剤層の材料が、分解もしくは架
橋を起し、その結果、絵柄層を被転写体に転写する際、
加熱による接着剤層の溶融が生じなかったり、仮に溶融
しても、被転写体との接着性が乏しくなったり、あるい
は接着剤層の軟化点が変化し、これらの転写シートの保
存中に転写シートのブロッキング等のトラブルが生じ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者ら、上述の如き従来技術の欠点を解決すべく
鋭意研究の結果、種々の知見に基づき、以下の本発明に
より、上述の従来技術の欠点が解決されることを知り、
本発明を完成した。
すなわち、本発明は、基体シートの片面に剥離層、絵
柄層および接着剤層が順次設けてある転写絵付シートに
おいて、上記剥離層および絵柄層が、分子中にラジカル
重合性不飽和基を有する電離放射線架橋性ポリマー、或
は該電離放射線架橋性ポリマーと電離放射線重合性単量
体とからなる材料から構成された電離放射線照射による
架橋層であることを特徴とする転写絵付用シートおよび
その製造方法である。
本発明を詳細に説明すると、本発明の転写絵付用シー
トは、上述の如き構成からなり、好ましくは、以下の如
き2方法によって提供される。
(第1の方法) 基体シートの片面に電離放射線架橋性材料からなる剥
離層を設け、該剥離層上に電離放射線架橋性材料からな
る絵柄層を設け、次いで電離放射線を照射した後に接着
剤層を設ける方法。
(第2の方法) 基体シートの片面に、電離放射線架橋性材料からなる
剥離層を設け、該剥離層上に電離放射線架橋性材料から
なる絵柄層を設け、該絵柄層上にラジカル捕捉剤を含有
する熱可塑性樹脂、もしくはメタクリロイル基を有する
単量体の重合単位を構成成分として含有する重合体から
なる接着剤層を設け、その後に電離放射線を照射して、
上記剥離層および絵柄層を架橋硬化させる方法。
まず、第1の方法を、本発明方法の工程を図解的に示
す添付図面を参照して詳細に説明すると、第1図に示す
如く基体シートの片側表面に、電離放射線架橋性材料を
必須成分とする剥離層形成用のコーティング剤を塗布、
乾燥して、基体シートの表面との間で剥離性を有する剥
離層を形成する。次いで、前記工程で形成した剥離剤層
の表面に、着色剤を含有する電離放射線架橋性材料を必
須成分とするコーティング剤を塗布、乾燥して、第2図
に示される着色剤層たる絵柄模様層を形成する。
次いで、電離放射線を照射して剥離剤層および着色絵
柄模様層を架橋硬化させる。
更に、前記工程で形成した絵柄模様層を含む剥離剤層
の表面に、絵柄模様層の表面と剥離剤層の表面とを被覆
するように、熱可塑性樹脂を主成分とするコーティング
剤を塗布、乾燥して、第3図に示される接着剤層を形成
し、本発明の転写絵付用シートを得る。
次に、第2の方法について説明する。
前述の第1の方法と同様にして、第1図に示す基体シ
ート上に剥離剤層を形成し、更に第2図に示す絵柄模様
層を形成し、次いで電離放射線を照射することなく、ラ
ジカル捕捉剤を含有する熱可塑性樹脂を主成分とするコ
ーティング剤を塗布、乾燥して第3図に示される接着剤
層を形成する。
次に、得られたシート全体に接着剤層を通して電離放
射線を照射して剥離剤層および絵柄模様層を架橋硬化さ
せる。
尚、以上の説明において、着色剤層として絵柄模様層
を以って説明したが、接着剤層は、全面均一に形成され
た無地の着色剤層であっても勿論差し支え無い。
更に、着色絵柄層と接着剤層の間に金属蒸着層等の中
間層を設けてもよい。
本発明方法において使用される基体シートとしては、
ポリエステルフイルム、セロファンフイルム、ポリプロ
ピレンフイルムなどの各種プラスチックフイルム、紙、
金属箔などの単体あるいは必要に応じて2種以上をラミ
ネートしたシートなどが使用可能である。更に、例えば
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹
脂、ポリエーテル系樹脂を溶剤に溶かしたビヒクルに体
質顔料を添加し、更に必要に応じてシリコンなどの撥水
剤、撥油剤等を添加したインキ組成物を用いて、シート
表面に、0.5〜5μmの凹凸を設けることにより艶消し
したシート、或るいは同じくシート表面に5μm以上の
凸状模様層を設けたシートを用い、凹凸又は凸状模様層
を有する面に剥離剤層を形成することにより、得られる
転写絵付層の表面に、凹凸或るいは凸状模様等を形成す
るようにすると共に、基体シートと剥離剤層との間の剥
離性をより高度ならしめることもできる。
また、剥離剤層、着色剤層たる絵柄模様層の形成に使
用する電離放射線架橋性材料としては、一般に電離放射
線照射により架橋するポリマー(架橋型ポリマー)、例
えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルメチルケトン、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリ塩化
ビニルなどのホモポリマーあるいは上記ポリマー構造を
含む他成分との共重合体類、天然ゴム、ネオプレン、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、
ジメチルポリシロキサン、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン、ポリビニルブチラール樹脂などがあげ
られる。上記架橋型ポリマーは、溶剤に溶解させてコー
ティング剤として単独で用いることができるが、一般に
電離放射線照射により分解するポリマー(分解型ポリマ
ー)、例えばポリメタクリル酸エステル類、ポリ塩化ビ
ニリデン、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース等のセルロース誘導体類、ポリイソブチレ
ン等のポリマーの場合には、ポリマー中にラジカル重合
性不飽和基を導入するか、もしくは分子中にラジカル重
合性不飽和結合を有する単量体と混合して、電離放射線
より架橋硬化する組成にする必要がある。分子中にラジ
カル重合性不飽和結合を有するポリマー、オゴリマーま
たは単量体としては、例えば、不飽和ポリエステル類、
ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウ
レタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリ
オールアクリレート、メラミンアクリレート等の各種ア
クリレート類、ポリエステルメタクリレート、エポキシ
メタクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテ
ルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミ
ンメタクリレート等の各種メタクリレート類、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー類;ア
クリル酸メチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル
酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メト
キシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステ
ル類;メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等の
メタクリル酸エステル類;アクリルアミド、メタクリル
アミド等の不飽和カルボン酸アミド;アクリル酸2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2−(N,N
−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N
−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸2−(N,N−ジ
メチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアル
コールエステル類;エチレングリコールアクリレート、
プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジオ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合
物、および/または分子中に2個以上のチオール基を有
するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパ
ントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリ
チオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラチオ
グリコレート等を混合したものを使用することができ
る。
なお、上記のラジカル重合性不飽和結合を有する単量
体は、前述の架橋型ポリマーと混合して使用することに
より、電離放射線照射時の架橋密度をより一層高くする
ことができ、効果的である。混合組成比は任意に混合し
て使用できる。剥離剤層、絵柄模様層の形成において
は、上記の電離放射線架橋材料を必須成分とするコーテ
ィング剤を塗布、乾燥するものであるが、このときの乾
燥は、塗布されたコーティング剤に指先で触れたとき
に、コーティング剤が指先に付着することのない程度の
乾燥状態、即ち指触乾燥状態に乾燥させる指触乾燥を行
なうことが必要である。したがって、これらの各工程で
使用する電離放射線架橋性材料を必須成分とするコーテ
ィング剤中に溶剤を含有せしめたものを使用し、コーテ
ィング剤の塗布後に、コーティング剤中の溶剤を加熱に
よって揮発させる指触乾燥法や、或るいは同じく電離放
射線架橋性材料を必須成分とするコーティング剤中に光
重合開始剤を添加せしめたものを使用し、コーティング
剤の塗布後に紫外線照射処理を行ない、塗布層の表面を
硬化させる指触乾燥法を利用することが、転写用シート
を連続生産によって得るうえで好ましい。
塗布されたコーティング剤中の溶剤を加熱によって揮
発させる指触乾燥法は、電離線硬化性組成物中に低沸点
揮発溶剤を90%以下含有せしめたものをコーティング剤
として使用し、コーティング剤の塗布後に、乾燥フード
中で加熱し、溶剤を揮発することによりコーティング剤
層表面を指触乾燥させる方法で、かかる方法においては
既存の乾燥フードをそのまま利用することができるこ
と、及びコーティング剤の粘度を、利用する塗布方法の
種類に従って容易に調整することができること等の特質
がある。また、紫外線照射処理により塗布層の表面、即
ち塗布されたコーティング剤層の表面を硬化させる指触
乾燥法は、あらかじめ10重量%以下の光重合開始剤を含
有せしめてあるコーティング剤を使用し、コーティング
剤の塗布後に紫外線を照射し、コーティング剤層表面を
硬化させるもので、高圧水銀灯(50w/cm〜200w/cm)を
1〜10灯設置するだけの簡単な設備で行なうことができ
る。このときに利用される光重合開始剤としては、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、
ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテルなどの各種ベンゾインエーテル類、ベンゾフェ
ノン類、ハロゲン化アセトフェノン類、ビアチル類など
があり、紫外線照射によりラジカルを発生するものが使
用される。
さらに、剥離剤層を形成するためのコーティング剤中
には、該剥離剤層が、形成される転写絵付層の表面物性
等を考慮して、適宜スリップ剤等を添加せしめることも
勿論可能である。
また着色剤層たる絵柄模様層を形成するためのコーテ
ィング剤は、電離放射線架橋材料と、所望の色彩を有す
る顔料等の着色剤とを成分としたものが使用できる。
金属蒸着層の形成は、通常の公知の方法による金属蒸
着方法によって得られる。
次に、剥離剤層及び着色絵柄層を形成している電離放
射線架橋性材料を架橋硬化させる手段としては、電子
線、γ線が好ましく、0.5Mrad〜20Mradの照射で架橋硬
化させることができる。
第1の方法の場合、電離放射線を照射した後に接着剤
層を設けるのであるが、接着剤層を形成する熱可塑性樹
脂としては、特に制限はなく、被転写体への接着性を考
慮して任意に選択すればよい。例えばビニル系重合体、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、ロジン誘導体等があるが、この限りではない。第2
の方法の場合には、剥離層および絵柄層の電離放射線照
射の前に、接着剤層を設けるが、接着剤層を形成する熱
可塑性樹脂中にラジカル捕捉剤を混入しておくことを特
徴としている。ラジカル捕捉剤としては、電離放射線照
射の際、接着剤層で発生するラジカルを捕捉し、熱可塑
性樹脂の架橋もしくは分解を防止するためのものであっ
て、例えば分子中に少なくとも1個以上のフェノール性
水酸基を有する化合物類としては、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール、カルバクロール、チモール、ナフ
トール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロ
ガロール、フロログルシン、フェノールフタレイン、P
−メトキシフェノール、P−エトキシフェノール、ノボ
ラック、O−フェニルフェノール等があげられ、分子中
に少なくとも1個以上のキノン構造を有する化合物類と
しては、P−ベンゾキノン、O−ベンゾキノン、ジフェ
ノキノン、アントラキノン、ナフトキノン等があげら
れ、その他、ジフェニルピクリルヒドラジル、フェルダ
ジル、ニトロベンゼン、ジフェニルアミン、ジフェニル
ビフリルヒドラジン等があげられる。
このようなラジカル捕捉剤は、熱可塑性樹脂に対し、
0.1重量%以上、10重量%以下が好ましいが、熱可塑性
樹脂自体に上記のフェノール性水酸基あるいはキノン構
造を有するものに対しては、この限りではない。
また、接着剤層を構成する成分として、メタクリロイ
ル基を有する単量体の重合単位を有するポリマーを含有
させる場合は、前述の電離放射線条件の照射後でも、充
分に転写絵付用シートの接着剤層として使用できる。
ここで、メタクリロイル基を有する単量体の重合単位
を有するポリマーとは、ポリマー主鎖中に下記構造単位
を有するポリマーのことである。
[ただし、RはH、炭素数が1以上のアルキル基を示
す。] 上記重合体が、メタクリロイル基を有する単量体と他
の重合性単量体との共重合体である場合は、メタクリロ
イル基を有する単量体が、30モル%以上の割合で含有す
ることが好ましい。
該ポリマーとしては、例えばメタクリル酸メチル
(共)重合体、メタクリル酸エチル(共)重合体、メタ
クリル酸プロピル(共)重合体、メタクリル酸ブチル
(共)重合体などがあげられる。
第2の方法の場合は、接着剤層を設けた後に前述の如
くして電離放射線を照射することを特徴としている。
接着剤層を形成するためのコーティング剤中には、該
コーティング剤に、特に隠ぺい性を具備せしめる目的
で、不透明顔料等を含有せしめるのが好ましい。
これらの剥離剤層、接着剤層たる絵柄模様層、接着剤
層等を形成するためのコーティング剤の塗布方法として
は、ナチュラルロールコート、リバースロールコート、
グラビアロールコート、エアナイフコート、カーテンフ
ローコート、ミヤバーコート等の各種コーティング方
法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印
刷法、オフセットグラビア印刷法等の各種印刷方法を利
用することができる。
(作用・効果) 以上の如き本発明によれば、本発明の転写シートは、
剥離層および絵柄層の両層が、いずれも電子線で架橋硬
化した層であるので、被転写体に転写後、転写された絵
柄層の表面が電子線で架橋硬化した剥離層、すなわち保
護層で被覆され、且つ絵柄層も同様であるので、あらゆ
る溶剤や薬品に対してすぐれた耐久性を示すとともに、
表面強度その他の物理的性質も著しく改良されている。
また、本発明方法によれば、剥離層および絵柄層の電
子線による照射は唯一回でよく、また第2の製造方法に
よれば、最終工程で唯一回の電子線照射で十分であり、
生産工程が著しく簡略化され、高い生産性を示すことが
できる。
以下、本発明の転写絵付用シートについて、その具体
的な構成を実施例を以って説明する。
実施例1 厚さ25μmのポリエステルフイルム[東レ(株)製:
ルミラー]を基体シートとし、該シートの片面に下記組
成によるコーティング剤Aを、版深40μmのグラビアベ
タ版にて全面に均一に塗布し、80℃の乾燥フードに通し
て溶剤を揮発させ、塗布されたコーティング剤層を指触
乾燥して、剥離剤層を形成した。
コーティング剤A; 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 13重量部 ヘキサンジオールジアクリレート 1重量部 ポリエチレンワックス 0.5重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 45重量部 得られた剥離剤層の表面に、下記組成によるコーティ
ング剤Bを、網点グラビア版にて木目柄に印刷、塗布
し、80℃の乾燥フードに通して溶剤を揮発させ、塗布さ
れたコーティング剤層を指触乾燥して、着色剤層たる絵
柄模様層を形成した。
コーティング剤B; ポリメタクリル酸メチル 10重量部 セピア顔料 10重量部 ヘキサンジオールジアクリレート 1重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 得られたシートに、200KVで加速された電子線を3Mrad
照射して、剥離層及び絵柄層を架橋させた。
次いで、絵柄層上に下記コーティング剤Cを塗布し
て、本発明の転写絵付用シートを得た。
コーティング剤C; 塩素化ポリプロピレン(山陽国策パルプ製) 10重量部 セピア顔料 10重量部 カーボンブラック 1重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 前述の工程で得られた本発明の転写用シートを、別製
のポリプロピレン樹脂板に、転写用シートの接着剤層
が、ポリプロピレン樹脂板と密接するようにして密着さ
せ、表面温度200℃のシリコンゴムローラーにて圧力6.5
kg/cm、走行速度15mm/secで加圧、加熱し、しかる後
に、転写用シートの基体シートを引き剥し、ポリプロピ
レン樹脂板の表面に絵柄模様層を含む接着剤層と剥離剤
層とを転写した。
かくしてポリプロピレン樹脂板の表面に形成された木
目柄の転写模様層は、酢酸エチル、トルエン、メチルエ
チルケトン、エチルアルコールをそれぞれ綿布(カナキ
ン3号)に浸ませた物で学振型摩擦試験機にて、200g荷
重、50回こすり試験を行なっても何の変化もみられなか
った。
実施例2 下記組成物を、10時間還流させて重合体溶液を得た。
メチルメタクリレート 200重量部 グリシジルメタクリレート 142重量部 トルエン 300重量部 メチルエチルケトン 300重量部 過酸化ベンゾイル 1重量部 次いで、重合体溶液にハイドロキノン0.5重量部、ア
クリル酸75重量部およびピリジン5重量部を加え、80℃
の温度で4時間反応させてコーティング剤Dを得た。厚
み25μmのポリエステルフィルム[ダイヤホイル(株)
製]を基体シートとし、該基体シートの片面にコーティ
ング剤Dを、版深40μmのグラビアベタ版にて全面に均
一に塗布し乾燥させ、次いで該塗布面に下記組成のコー
ティング剤Eを、グラビア版を用いて花柄に印刷し、乾
燥させた。
コーティング剤E; コーティング剤D 100重量部 赤色顔料 10重量部 トルエン 20重量部 メチルエチルケトン 20重量部 該塗布面全体に、下記組成のコーティング剤Fを、版
深60μのグラビアベタ版にて均一に塗布し、乾燥させて
巻き取り、ロール状にした。
コーティング剤F; 塩素化ポリプロピレン(山陽国策パルプ製) 10重量部 チタンホワイト 10重量部 ハイドロキノン 1重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 得られたロールにγ線を5Mrad照射して、本発明の転
写絵付用シートを得た。
以上の工程で得られた転写用シートを使用し、以下実
施例1の手順と同様の操作を施して、転写絵付層を有す
るポリプロピレン樹脂板を得た。
得られたポリプロピレン樹脂板の表面の転写絵付層
は、実施例1で得られた転写絵付層と同様に耐溶剤性に
優れた性質を有していた。
実施例2と同様にして、但しコーティング剤Fのハイ
ドロキノンを含まないコーティング剤を使用して、同様
の転写絵付用シートを得た。得られた転写シートは、50
℃の温度で1週間保存したところ、ブロッキングがおこ
り、使用できなかった。実施例2で得られた転写絵付用
シートは、同条件の保存では何の異常も認められなかっ
た。
実施例3 厚み25μmのポリエステルフィルム[東レ(株)製]
の片面に、コロナ放電処理を行ない、下記組成のコーテ
ィング剤Gを全面に均一に塗布し、ツヤ消し層を設けて
基体シートとした。
コーティング剤G; ポリエステル樹脂[東洋紡製バイロン200] 100重量部 マイクロシリカ 5重量部 酢酸エチル 85重量部 硬化剤[日本ポリウレタン製コロネートL] 5重量部 該基体シートのツヤ消し面に、下記組成のコーティン
グ剤Hを、全面に均一に塗布し乾燥させた。
コーティング剤H; ポリ酢酸ビニル[積水化学製エスニールC-5] 10重量部 ポリエチレンワックス 2重量部 酢酸エチル 90重量部 次いで、下記組成のコーティング剤Iを、グラビア版
を用いて全面に均一に塗布し乾燥させた後、175KVで加
速された電子線を20Mrad照射して架橋させた。
コーティング剤I; ポリ酢酸ビニル[積水化学製エスニールC-3] 10重量部 パール顔料 10重量部 透明黄色顔料 1重量部 酢酸エチル 80重量部 次いで、下記組成の接着剤用コーティング剤Jを全面
に塗布乾燥させて、本発明の転写絵付用シートを得た。
コーティング剤J; ポリウレタン樹脂[住友ハイエルウレタン製デスモコー
ル 110] 10重量部 パール顔料 10重量部 酢酸エチル 80重量部 得られた転写絵付用シートを用いて、実施例1と同様
にしてウレタンレザーのウレタン面に転写絵付を行なっ
た。得られたパール光沢を有するレザーは、実施例1で
得られた転写絵付層と同様の耐溶剤性能を持っていた。
実施例4 厚み25μmのポリエステルフィルム[東レ製]の片面
に、下記組成のコーティング剤Kを全面に均一に塗布
し、30m/minの速度で80w/cmの能力を有する紫外線照射
ランプ2灯の5cm下を通過させて硬化させた。
コーティング剤K; ポリエステルアクリレート[東亜合成化学製アロニック
スM8030] 30重量部 オリゴエステルアクリレート[東亜合成化学製アロニッ
クスM-113] 30重量部 ヘキサンジオールジアクリレート 30重量部 ベンゾフェノン 5重量部 エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート 3重量部 ポリエチレンワックス 10重量部 次いで、下記組成のコーティング剤Lを使用してグラ
ビア版にて木目柄を印刷した。
コーティング剤L; コーティング剤D[実施例2で得たもの] 100重量部 セピア顔料 10重量部 黄色顔料 5重量部 トルエン 15重量部 メチルエチルケトン 15重量部 次いで、該印刷面に、下記組成のコーティング剤M
を、60μmのグラビアベタ版でコーティングし、乾燥さ
せ、巻き取りながら、200KVの電子線を1Mrad照射して、
本発明の転写絵付用シートを得た。
コーティング剤M; メタクリル酸ブチルスチレン(6対4モル)共重合体10
重量部 セピア顔料 5重量部 チタンホワイト 10重量部 トルエン 32重量部 メチルエチルケトン 40重量部 得られた転写絵付用シートを用いて、実施例1と同様
にしてABS樹脂板に転写絵付した。得られたABS樹脂板の
表面の転写絵付層は、実施例1で得られた転写絵付層と
同様に耐溶剤性に優れた性質を有していた。
実施例5 厚み25μmのツヤ消しが施されたポリエステルフィル
ム[東レ製“ルシラー×44"]の片面に、下記組成のコ
ーティング剤Nを全面に均一に塗布し、剥離層を形成し
た。
コーティング剤N; 環化ゴム樹脂 10重量部 ネオペンチルグルコールジアクリレート 3重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 37重量部 次いで、実施例4と同様にしてコーティング剤Lを用
いて木目柄を印刷し、該絵柄状にコーティング剤Oを全
面に塗布して接着剤層を形成した。
コーティング剤O; ポリスチレン樹脂(重量平均分子量14万) 10重量部 セピア顔料 5重量部 赤色顔料 3重量部 P−ベンゾキノン 2重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 連続的に巻き取りながら、175KVで加速された電子線
を3Mrad照射して、本発明の転写絵付用シートを得た。
得られた転写絵付用シートを用いて、実施例1と同様に
して、ポリスチレン樹脂板に転写絵付を行なった。得ら
れたポリスチレン樹脂板の表面の転写絵付層は、実施例
4で得られた転写絵付層と同様に耐溶剤性に優れた性質
を有していた。ポリスチレン樹脂板との接着性を調べる
ために、ゴバン目に切り込みを入れ、テープによる剥離
テスト、(ゴバン目剥離テスト)を行なった結果、絵柄
の剥離はみられなかった。また比較のためにブランクと
してコーティング剤Oの中からP−ベンゾキノンを省い
た接着剤層のものをテストした結果、ゴバン目の約30%
において剥離がみられた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本発明の転写絵付方法をその工程順
に説明した模型的断面図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体シートの片面に剥離層、絵柄層および
    接着剤層が順次設けてある転写絵付シートにおいて、上
    記剥離層および絵柄層が、分子中にラジカル重合性不飽
    和基を有する電離放射線架橋性ポリマー、或は該電離放
    射線架橋性ポリマーと電離放射線重合性単量体とからな
    る材料から構成された電離放射線照射による架橋層であ
    ることを特徴とする転写絵付用シート。
  2. 【請求項2】基体シートの片面に剥離層を設け、該剥離
    層上に絵柄層を設け、次いで該絵柄層上に接着剤層を設
    けることからなる転写絵付用シートの製造方法におい
    て、上記の剥離層および絵柄層を、分子中にラジカル重
    合性不飽和基を有する電離放射線架橋性ポリマー、或は
    該電離放射線架橋性ポリマーと電離放射線重合性単量体
    とからなる材料から形成して電離放射線照射により架橋
    硬化させ、次いで上記接着剤層を、熱可塑性樹脂からな
    る接着剤組成物から形成するすることを特徴とする転写
    絵付用シートの製造方法。
  3. 【請求項3】基体シートの片面に剥離層を設け、該剥離
    層上に絵柄層を設け、次いで該絵柄層上に接着剤層を設
    けることからなる転写絵付用シートの製造方法におい
    て、上記の剥離層および絵柄層を、分子中にラジカル重
    合性不飽和基を有する電離放射線架橋性ポリマー、或は
    該電離放射線架橋性ポリマーと電離放射線重合性単量体
    とからなる材料から形成し、上記接着剤層を、ラジカル
    捕捉剤を含有する熱可塑性樹脂もしくはメタクリロイル
    基を有する単量体の重合単位を有する重合体からなる接
    着剤組成物から形成し、次いで電離放射線を照射するこ
    とにより剥離層および絵柄層を架橋硬化させることを特
    徴とする転写絵付用シートの製造方法。
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