JP2000064872A - エンジンの出力制御装置 - Google Patents

エンジンの出力制御装置

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JP2000064872A JP10238226A JP23822698A JP2000064872A JP 2000064872 A JP2000064872 A JP 2000064872A JP 10238226 A JP10238226 A JP 10238226A JP 23822698 A JP23822698 A JP 23822698A JP 2000064872 A JP2000064872 A JP 2000064872A
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tps
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックギヤで後退運転を行う場合のエンジン
の出力上昇や出力変動を抑制し、安定した運転が可能と
なるような電子制御スロットルシステムを備えたエンジ
ンの出力制御装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 変速機2がバックギヤの状態にある場合
には、エンジン1への吸入空気量を調節するスロットル
弁4の開度規制を行い、エンジン1の出力を抑制するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンへの吸入
空気量を調節するスロットル弁の開度を、エンジンの回
転数やギヤ情報等の運転情報に基づいて電子的に制御す
る電子制御スロットルシステムを備えたエンジンの出力
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両では、運転者のアクセル操作
量に応じて、エンジンの吸気管内に設けられたスロット
ル弁を機械的に作動させ、エンジンの吸入空気量を調整
することによりエンジンの出力を制御している。近年、
エンジン制御の電子化に伴い、例えば、特開平2−20
1061号公報に開示されているような、アクセル操作
量(アクセル開度)を電気的に検出してスロットル弁を
電子的に作動させる電子制御スロットルシステムが注目
されている。この電子制御スロットルシステムは、アク
セル開度と車速とエンジン回転数とからエンジンの目標
トルクを算出し、電動モータにて上記スロットル弁を動
作させ、エンジンの出力を制御するものである。
【0003】このような電子制御スロットルシステムで
は、エンジンの燃焼状態を決定づける吸入空気量の緻密
な制御を行うことができるので、例えば、年々厳しくな
る各種排ガス規制をクリアするための高度なエンジンの
燃焼制御に用いられる。すなわち、従来のエンジンへの
供給燃料量制御に加え、上記電子制御スロットルシステ
ムによってエンジンに吸入される空気量を制御すること
により、エンジンから排出される排気ガス特性に大きな
影響を及ぼす空燃比(エンジンへの吸入空気量と供給燃
料量との比)を正確に制御することが可能となる。した
がって、運転状態に応じた燃焼状態を実現でき排ガスの
低減を図ることができるとともに、車両の走行状態や運
転者の運転操作に応じたエンジンの出力制御を行うこと
ができるので、エンジン側の要求に応じた出力制御が任
意に設定でき、自由度の高いエンジン特性を得ることが
できる。
【0004】更に、最近、燃費低減,排ガス低減,エン
ジンの出力向上といった一見相反するニーズをすべて向
上させることのできるような技術として話題になってい
る筒内噴射エンジンのように、超希薄燃焼を行うエンジ
ンにおいては、アクセル開度一定の運転状態、つまり、
運転者のエンジンへの要求トルクが一定の状態で通常燃
焼と希薄燃焼とを切換えた場合のエンジン出力トルクの
変動を抑えるため、エンジンの吸入空気量を精密に制御
することが必要となってきている。この筒内噴射エンジ
ンは、従来の希薄燃焼エンジンに比べて燃料の希薄度が
高いため上記吸入空気量の制御範囲が広く、吸入空気量
を更に精密な制御が必要である。エンジンの吸入空気量
を制御する装置としては、アイドル運転時において、ス
ロットル弁を閉じた状態とし、吸気管内の上記スロット
ル弁をバイパスする空気通路の空気量を空気制御弁にて
制御することにより、エンジンのアイドル回転を制御す
る装置がある。また、特定の運転状態の場合のみ、スロ
ットル弁を制御してエンジンの出力を制御する装置とし
て、車両を運転者が設定した車速にフィードバック制御
するクルーズコントロール装置や、滑りやすい路面での
発進時にタイヤがスリップした場合にエンジンの出力を
抑えるトラクションコントロール装置等がある。上述し
た電子制御スロットルシステムは、これらのエンジンの
出力制御を一括して制御するもので、エンジン全体とし
てみた場合のシステム構成の簡素化と高度な制御の実現
を可能としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車をバ
ックギヤにて後退運転時においては、車両の進行方向が
後方であるため、前進走行時と比べて運転者の運転姿勢
が無理な体勢となることが多く、そのため、アクセル操
作性が低下する傾向にある。特に、車庫入れや車両の方
向切返し等での後退運転においては、比較的低速度で微
妙なアクセル操作を要する場合が多く、後退運転時のア
クセル操作性の改善が必要とされている。また、後退運
転時にはアクセル操作が微妙なため、アクセルを少し踏
み過ぎて車速が期待以上に早くなった場合には、車両と
運転者の足との位置関係から、運転者がアクセル操作を
していなくても、車両の後退加速度により、結果的にア
クセルを更に踏み越してしまうことになり、車速が更に
増加してしまうことも考えられる。更に、後退運転時に
は、運転者が後方を向いている場合が多く、ブレーキ操
作の遅れも懸念されるため、万一、これらの状況が重な
るようなことが起きた場合には、狭い場所で行われる機
会が多い後方運転においては、最悪、後方の物体と接触
する可能性が考えられる。
【0006】本発明は、上述のような問題点を解決する
ためになされたもので、バックギヤで後退運転を行う場
合のエンジンの出力上昇や出力変動を抑制し、安定した
運転が可能となるような電子制御スロットルシステムを
備えたエンジンの出力制御装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のエンジンの出力制御装置は、変速機がバックギヤの状
態にある場合には、エンジンへの吸入空気量を調節する
スロットル弁の開度規制を行い、エンジンの出力を抑制
するようにしたものである。
【0008】本発明の請求項2に記載のエンジンの出力
制御装置は、スロットル弁の開度の最大値を予め設定さ
れたスロットル弁の最大開度よりも小さい値に設定する
ようなスロットル弁の開度規制を行うものである。
【0009】本発明の請求項3に記載のエンジンの出力
制御装置は、スロットル弁の開き側への開閉速度を制限
するようなスロットル弁の開度規制を行うものである。
【0010】本発明の請求項4に記載のエンジンの出力
制御装置は、アクセル操作量に係わらず、スロットル弁
の開度を算出するためのエンジンの回転数をアイドル時
のアイドル制御目標回転数に固定してスロットル弁の開
度を算出するようなスロットル弁の開度規制を行うもの
である。
【0011】本発明の請求項5に記載のエンジンの出力
制御装置は、負荷が接続されている場合には、上記負荷
の内、予め指定された負荷の稼動を強制的に停止してス
ロットル弁の開度を算出するようなスロットル弁の開度
規制を行うものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて説明する。 実施の形態1.図1は本発明に関わるエンジン出力制御
装置を備えたエンジン制御システムの一実施の形態を示
す全体構成図で、1は通常の自動車用エンジン、2は上
記エンジン1の図示しない出力軸に接続された変速機
(トランスミッション)、3はエンジンの吸気管、4は
上記吸気管3に取り付けられ、エンジン1への吸入空気
量を調整するスロットル弁、5は上記スロットル弁4の
位置を検出するスロットル開度センサ(TPS)、6は
モータ6mを備え、上記スロットル弁4の開閉を行うス
ロットルアクチュエータ、7はエンジン1へ燃料を供給
するためのインジェクタ、8はエンジン1の吸気バル
ブ、9はエンジン1の排気バルブ、10はエンジン1に
供給された燃料を燃焼させるための点火プラグ、11は
運転者が操作するアクセルペダル12の操作量を検出す
るアクセル開度センサ(APS)で、アクセル開度情報
がエンジン出力を決定するための重要な信号であるの
で、本例では2個のアクセル開度センサ11a,11b
から成る2重系にてアクセル開度センサ(APS)11
を構成している。また、13は上記スロットルアクチュ
エータ6に指令信号を与えるスロットルコントローラ、
14はエアコン15を制御するエアコン作動装置、16
は上記トランスミッション2の変速段を制御する変速機
制御装置(TCU)、17は運転者の要求エンジン出力
を上記アクセル開度センサ(APS)11の出力値から
認識し、上記スロットルコントローラ13を介してスロ
ットル弁4を電子的に制御する電子制御スロットルシス
テムを備え、この電子制御スロットルシステムによって
エンジン1への吸入空気量を制御するエンジン出力制御
装置(ECU)である。このエンジン出力制御装置(E
CU)17は、エンジン1に設けられた回転数検出手段
18及び水温センサ19からそれぞれ入力されるエンジ
ン回転数Ne及びエンジン冷却水温度Twや、エンジン
1への燃料供給量、点火時期、エアコン15の作動状態
等に基づいて、エンジン1の出力を上記要求エンジン出
力に制御するもので、更に、ギヤがバックギヤ状態であ
る場合にはスロットル弁4の開度規制を行い、エンジン
1の出力を抑制するような制御を行う。なお、上記TC
U16とECU17とは情報通信、例えばエンジン1に
対するトランスミッション2の接続状態(シフト段)等
の情報の送受信を行っている。
【0013】図2(a)は、エンジン出力制御装置(E
CU)17に収納された電子制御スロットルの特性であ
るアクセル開度センサ(APS)11の出力値とスロッ
トル開度センサ(TPS)5の出力値との関係を示す図
で、図2(b)は従来のメカ制御スロットルの特性を示
す図である。従来のメカ制御スロットルの場合には、運
転者が操作するアクセルペダル12とスロットル弁4と
は、アクセルワイヤにて機械的に接続されており、上記
スロットル弁4は運転者のアクセル操作量(アクセルペ
ダル12の操作量)と連動して開閉され、その開度は運
転者のアクセル操作量にほぼ比例する。一方、電子制御
スロットルの場合、運転者のアクセル操作量はアクセル
開度センサ(APS)11の出力値(APS出力値)と
して検出され、このAPS出力値が運転者のエンジン1
への要求トルク情報としてECU17に入力される。E
CU17は、このエンジン1への要求トルク情報や上記
エンジン回転数Ne等のエンジン1の運転状態に応じて
スロットル弁4の開度を制御すべく、スロットルコント
ローラ13を介して、上記スロットル弁4を操作する。
なお、上記スロットル弁4の開度は、スロットル開度セ
ンサ(TPS)5の出力値(TPS出力値)としてスロ
ットルコントローラ13を介してECU17にフィード
バックされる。また、上記TPS出力値は、APS出力
値が増加するに従って増加するが、同じAPS出力値で
あっても、図2(a)に示すように、エンジン1の高回
転時には速やかにスロットル弁4を開き、低回転時には
徐々にスロットル弁4を開くように、エンジン回転数N
eに応じたスロットル弁4の開度制御を行うようにして
いる。したがって、電子制御スロットルの場合には運転
者の要求トルクに応じたエンジン制御を行うことができ
る。
【0014】次に、本実施の形態1に関わるスロットル
弁4の開度規制の方法について、図3のフローチャート
を用いて説明する。このフローチャートは、エンジンの
出力制御装置(ECU)17に組み込まれたエンジン1
の制御フロー(制御プログラム)の一部である電子制御
スロットルの制御フローである。制御プログラムが起動
(START)すると、ECU17は、燃料供給量制
御,点火時期制御等のエンジン制御の処理(ステップS
1)を完了した後、電子制御スロットル関連の入力情報
を読み込む(ステップS2)。上記入力情報としては、
例えば、TCU16から通信にて送られてくるギヤ情報
(ニュートラル,1速,2速,バック等)、エアコン作
動装置14からのエアコン15の作動要求信号(A/C
情報)、回転数検出手段18からのエンジン回転数N
e、アクセル開度センサ(APS)11からのAPS出
力値等がある。入力情報の読み込みが終了すると、EC
U17は、現在運転者の要求エンジン出力を得るための
エンジン1への吸入空気量を調節するため、予め設定さ
れたAPS出力値とエンジン回転数Neとをパラメータ
とする目標スロットル開度のマップデータから、上記A
PS出力値と上記エンジン回転数Neとに応じた目標ス
ロットル開度(TPSN)を算出する(ステップS
3)。次に、ECU17は、上記ステップS2で読み込
んだギヤ情報から、現在のギヤ状態がバックギヤ(車両
後退走行)かどうかの判定処理を行う(ステップS
4)。現在のギヤ状態がバックギヤである場合には、例
えば、予め設定されたエンジン回転数Neに応じた所定
の係数K(K<1)を、上記ステップS3で算出した目
標スロットル開度(TPSN)に乗算した値である目標
スロットル開度補正値(TPSZ)を求めるような補正
を行い(ステップS5)、更に、上記補正された目標ス
ロットル開度(TPSZ)とTPS出力値との偏差ΔT
PSの値に応じたモータ6mのモータ制御量を算出し、
スロットル開度を上記目標スロットル開度補正値(TP
SZ)にすべく、スロットル弁4の開閉を制御する(ス
テップS6)。なお、上記ステップS4において、現在
のギヤ状態がバックギヤ状態でない場合には、ステップ
S6に進み、上記ステップS3で算出した目標スロット
ル開度(TPSN)とTPS出力値との偏差ΔTPSの
値に応じたモータ6mのモータ制御量を算出し、スロッ
トル開度を上記目標スロットル開度(TPSN)になる
よう、スロットル弁4の開閉を制御する。
【0015】図4(a),(b),(c)は、車両後退
運転時におけるアクセル操作量とスロットル開度及び車
速の挙動を示す図で、図中、破線は運転者の期待値の挙
動を、実線はメカ制御スロットルを有する従来装置の挙
動を、一点鎖線は本発明の電子制御スロットルを有する
エンジンの出力制御装置の挙動を示す。また、同図にお
いて、運転者のアクセル操作量に対応するAPS出力値
をAPS0、スロットル弁4の開度に対応するTPS出
力値をTPS0、車両の車速をVsとした。なお、上記
車速Vsは、トランスミッション2の後段に連結された
図示しない車輪の駆動軸に設けられた車速センサ(図示
せず)から、ECU17に入力される。運転者は、図4
(a)に示すように、時刻T1から徐々にアクセルペダ
ル12を踏み込み、時刻T3にはアクセルを上記APS0
がAPS01で停止するように操作することにより、図4
(b)に示すように、上記TPS0をTPS01に保持し
て、図4(c)に示すように、車速VsをVs01とした
後退運転をしようと期待している。ところが、実際には
時刻T2(T1<T2<T3)で車両が動き出したことで、
車両の後退加速度により、運転者が相対的にアクセルペ
ダル12を踏み増してしまうことがある。この場合、従
来装置では、スロットル弁4の開度はアクセル操作量に
比例するので、スロットル弁4は上記踏み増し量に応じ
た量だけ開き側へ開いてしまい、更にエンジン出力が増
大する。したがって、時刻T3では車速Vsが更に加速
されるので、運転者による上記アクセルペダル12の踏
み増しが繰り返される。この繰り返しでの踏み増し量は
徐々に小さくなり、上記APS0がAPS03となったと
ころ(時刻T4)でAPS0はほぼ一定値となる。このと
き、TPS0は、上記APS0変化に伴って増加し、スロ
ットル弁4はTPS0がTPS0 3となるまで開き側へ開
くので、結果的に、車速VsはVs03まで上昇してしま
うことになる。一方、本実施の形態1においては、ギヤ
状態がバックギヤである場合には、図4(b)に示すよ
うに、スロットル弁4の開度を抑制するような開度規
制、すなわち、演算された目標スロットル開度(TPS
N)に対して予め設定されたエンジン回転数Neに応じ
た所定の係数K(K<1)を乗算して目標スロットル開
度の値を抑制し、上記抑制された目標スロットル開度値
に基づいてスロットル弁4の開度を制御するようにして
いるので、車両発進時に、仮にアクセルペダル12を踏
み増しした場合でも車速の上昇を抑制することができ、
更に、踏み増し量が小さいために踏み増しの繰り返しも
ほとんどない。したがって、TPS0を上記TPS03
り小さな値に保つことができるので、車速Vs02を上記
Vs03に比較して小さな値に抑制でき、後退運転時の車
速の急変を抑制することができる。
【0016】実施の形態2.上記実施の形態1では、ギ
ヤがバックギヤ状態である場合には、図3の制御フロー
において、目標スロットル開度(TPSN)に対してエ
ンジン回転数Neに応じた所定の係数K(K<1)を乗
算し、上記目標スロットル開度を規制するような補正を
行ったが、上記制御フローのステップS5に示した目標
スロットル開度の補正において、スロットル開度の開側
の最大値を制限することにより、更に的確なスロットル
弁4の開度規制を行なうことができ、後退運転時の車速
上昇をより確実に抑制することができる。図5は、上記
スロットル弁4の開度規制を行なうフローチャートを示
すもので、現在のギヤ状態がバックギヤである場合に
は、予め設定されたエンジン回転数Neと目標スロット
ル開度の上限値である上限スロットル開度(TP
Max)との関係から、当該エンジン回転数Neに応じ
たTPSMaxを求め(ステップS511)、上記TPS
Maxと目標スロットル開度TPSNとを比較する(ステ
ップS512)。上記TPSNが上記TPSMax以上で
ある場合には、スロットル弁4の開度を規制するため、
上記TPSNをTPSMaxに置き換え(ステップS51
3)た後、次のステップ(図3のステップS6)に進
み、この置き換えられたTPSNに基づいてスロットル
弁4の開閉を制御する。上記ステップS512におい
て、TPSNがTPSMax未満である場合には、スロッ
トル開度そのものが小さいのでスロットル開度を規制す
る必要がない。したがって、この場合には、図3のステ
ップS3において求めたTPSNに基づいてスロットル
弁4の開閉を制御する。
【0017】次に、本実施の形態2のスロットル開度規
制を行った場合の動作について、図6(a)〜(f)を
用いて説明する。図6において、(a)図は車両のギヤ
状態、(b)図は運転者のアクセル操作量に応じたAP
S出力値であるAPS1、(c)図及び(d)図は従来
のTPS出力値であるTPS1及びエンジン回転数N
1、(e)図及び(f)図は本実施の形態2における
TPS出力値であるTPS2及びエンジン回転数Ne2
時間変化を示す。はじめに車両のギヤ状態は前進状態
で、APS出力値APS1がAPS10であったとする。
運転者は、時刻T1からT2間でAPS1がAPS11の状
態となるまでアクセルペダル12を踏み込み、ある時間
経過した後、時刻T3からT4間でアクセルペダル12を
再びAPS10の状態に戻す。その後、時刻T5において
車両のギヤ状態をバックギヤに設定して後進状態とし、
時刻T6からT7間でアクセルペダル12をAPS11の状
態まで踏み込み、ある時間経過した後、時刻T8からT9
間でアクセルを再びAPS10の状態に戻すような操作を
行ったとする。このとき、従来装置では、スロットル開
度TPS1は上記APS1(図3(b))と連動して動作
するため、TPS1はAPS1と同一動作をし、APS1
がAPS11の状態では、TPS1はTPS11まで上昇
し、これに伴ってエンジン回転数Ne1がNe11まで上
昇する。時刻T5までの前進状態運転時には、本実施の
形態2のTPS2も、従来装置と同様にTPS21まで上
昇し、これに伴ってエンジン回転数Ne2がNe21まで
上昇する。しかしながら、時刻T5からの後進状態運転
時においては、従来装置では、上記前進状態運転時と同
様に、アクセル開度状態がAPS11に増加したときに
は、TPS1はTPS11まで上昇し、これに伴ってエン
ジン回転数Ne1がNe11まで上昇するが、本実施の形
態2においては、エンジン回転数Neにより、TPS1
はその上限値が上限スロットル開度(TPSMax)によ
り制限されているので、このときの上記TPSMaxをT
PS22とすると、スロットル開度TPS2は、上記TP
22を越えることがない。したがって、エンジン回転数
Ne2は上記Ne11よりも低い回転数であるNe22に抑
制されるので、後退運転時の車速上昇を抑制することが
でき、バックギヤで後退運転を行う場合にも安定した運
転を可能とすることができる。
【0018】実施の形態3.上記実施の形態2では、ス
ロットル開度の開側の最大値を制限することにより後退
運転時の車速上昇を抑制するようにしたが、スロットル
弁4の開側への動作速度を制限するようなスロットル弁
4の開度規制を行うことにより、後退運転時の車速上昇
を抑制するようにしてもよい。すなわち、図7の制御フ
ローに示すように、現在のギヤ状態がバックギヤである
場合には、まず前回のステップS4におけるギヤ状態の
判断でもギヤ状態がバックギヤであったかどうかを判定
し(ステップS521)、前回及び今回ともギヤ状態が
バックギヤであると判定した場合には、前回の後退走行
運転時において算出された目標スロットル開度(TPS
0)と今回算出された目標スロットル開度(TPSN)
との偏差(δTPSN)を算出し(ステップS52
2)、上記偏差(δTPSN)と予め設定された基準偏
差(TPSrate)とを比較し(ステップS523)、上
記δTPSNが上記TPSrate以上である場合には、ス
テップS524に進み、スロットル弁4の開度の動作速
度を規制するため、目標スロットル開度(TPSN)を
上記TPS0と上記TPSrateとの和に置き換え(TP
SN=TPS0+TPSrate)、次のステップ(図3の
ステップS6)において、この置き換えられたTPSN
に基づいてスロットル弁4の開閉を制御する。上記ステ
ップS523において、δTPSNがTPSrate未満で
ある場合には、スロットル開度の動作速度が遅いのでス
ロットル開度の動作速度を規制する必要がない。したが
って、図3のステップS3において求めたTPSNに基
づいてスロットル弁4の開閉を制御する。なお、上記ス
テップS521において、今回はじめてギヤ状態がバッ
クギヤになったと判定した場合には、今回求めたTPS
Nに基づいてスロットル弁4の開閉を制御する。
【0019】次に、本実施の形態3のスロットル開度規
制を行った場合の動作について、図6(a)〜(d)及
び(g),(h)を用いて説明する。なお、図6(a)
〜(d)については上記実施の形態2と同一であるの
で、説明を省略する。図6(g),(h)は本実施の形
態3によるTPS出力値TPS3とエンジン回転数Ne3
の時間変化を示す図で、時刻T5までの前進状態運転時
には、スロットル開度TPS3は、従来装置と同様にT
PS11まで上昇し、これに伴ってエンジン回転数Ne3
がNe31まで上昇する。時刻T5からの後進状態運転時
では、上述したように、後退運転時のスロットル弁4の
開側への動作速度が制限されているので、運転者が、時
刻T6からT7間でアクセルをAPS11の状態まで踏み込
んでも、TPS3はゆっくりと上昇するため、TPS2
上記TPS11に達する時刻TSは上記T7よりも遅れるた
め、エンジン回転数Ne3の上昇が抑制される。なお、
同図において時刻TSをT6<TS<T7としたが、時刻T
6と時刻T7の間隔によっては、TPS3が上記TPS11
に達しない場合もある。いずれにしろ本実施の形態3に
おいては、図6(h)に示すように、回転数Ne32は、
上記Ne31よりも低く抑制されるので、バックギヤで後
退運転を行う場合にも安定した運転を可能とすることが
できる。
【0020】実施の形態4.上記実施の形態2,3で
は、バックギヤ状態において、スロットル弁4の開度そ
のものを制限することにより後退運転時の車速上昇を抑
制するようにしたが、図8の制御フローに示すように、
目標スロットル開度(TPSN)を算出するためのエン
ジン回転数Neをアイドル運転時のアイドル制御目標回
転数に固定してスロットル弁4の開度を算出するような
スロットル弁4の開度規制を行い、エンジン回転数の上
昇を抑制することができる。すなわち、現在のギヤ状態
がバックギヤである場合には、目標スロットル開度を求
めるマップデータとして、アイドル運転時のアイドル制
御目標回転数(ISC−Ne)とAPS出力値とをパラ
メータとするスロットル開度のマップデータを用いてA
PS出力値を求め、このAPS出力値を目標スロットル
開度(TPSN)として、スロットル弁4の開閉を制御
する。図9は、本実施の形態4に係わるバックギヤ状態
におけるスロットル制御のタイムチャートを示す図で、
(a)図は運転者のアクセル操作量に応じたAPS出力
APS1、(b)図及び(c)図は従来装置のTPS出
力値TPS1とエンジン回転数Ne1、(d)図及び
(e)図は従来の電子制御スロットル対応システムのT
PS出力値TPS2とエンジン回転数Ne2、(f)図及
び(g)図は本実施の形態4のTPS出力値TPS3
エンジン回転数Ne3である。はじめに車両のギヤ状態
は後進状態で、アクセル開度状態がAPS10の状態であ
ったとする。運転者は、時刻T1からT2間でアクセルペ
ダル12をAPS11の状態まで踏み込み、ある時間経過
した後、時刻T3からT4間でアクセルを再びAPS10
状態に戻すような操作を行ったとする。このとき、従来
装置では、TPS1は上記APS1と連動して動作するた
め、上記APS1がAPS11の状態ではTPS1はTPS
11まで上昇し、これに伴ってエンジン回転数Ne1がN
11まで上昇する。また、従来の電子制御スロットルで
は、TPS2は上記TPS1とは異なりエンジン回転数N
2に応じて上昇するが、上記TPS1がNe21まで上昇
する時刻T5(T2<TK<T3)までは増加し、その後ほ
ぼ一定の値となるように変化する。それに対して、本実
施の形態4においては、目標スロットル開度を算出する
ためのエンジン回転数をアイドル運転時のアイドル制御
目標回転数、例えば、1000rpmに固定しているの
で、図9(f)に示すように、TPS3はAPS1の上昇
に関係なくほぼ一定値TPS33にクリップされる。した
がって、エンジン回転数Ne3は上記Ne13や上記Ne
23よりも低い回転数であるNe33に抑制され、車速の上
昇を抑制することができる。
【0021】実施の形態5.ところで、エンジン1にエ
アコン等の負荷が接続されており、その負荷が稼動して
いる場合には、ECU17は、上記負荷を稼動させるた
め、目標スロットル開度(TPSN)を開側に補正し、
エンジン出力を増加させるようにしている。上記負荷と
しては、パワ−ステアリング等の車両の運転状態に直接
関連する負荷の他に、エアコン等の運転状態に関係ない
負荷がある。また、エアコンの負荷量は特に大きいの
で、エアコンのオン・オフによる目標スロットル開度
(TPSN)の増減も大きい。そこで、現在のギヤ状態
がバックギヤである場合には、図10の制御フローに示
すように、車両の運転状態に関係がなくかつ負荷量の大
きいエアコン(A/C)15をオフ状態とし、後退運転
時のエンジン回転数の変動を抑制することにより、車速
の変動を抑制することができる。図11は、車両にエア
コンが接続されている場合のバックギヤ状態おけるスロ
ットル制御のタイムチャートを示す図で、(a)図は運
転者のアクセル操作量に応じたAPS出力APS4
(b)図はエアコン(A/C)の稼動状態、(c)図は
電子制御スロットルでのTPS出力値TPS4で、実線
は従来装置でのTPS出力値、破線は本実施の形態4の
TPS出力値である。また、(d)図はエンジン回転数
Ne4で、実線は従来装置の、破線は本実施の形態5の
エンジン回転数である。従来装置でのTPS出力値TP
4は、図11(c)に示すように、時刻T1におけるA
PS4の増加に伴って増加するが、時刻T5(T5>T1
でのエアコン15の稼動によるエンジン回転数Ne4
低下を吸収するために、TPS4をΔTPSkだけ開側に
補正した値TPS41として、エンジン回転数Ne4をN
41まで上昇させる。また、APS4の増加がない場合
でも、例えば、時刻T7でのエアコン15が稼動した場
合には、上記エアコン15によるエンジン回転数の低下
を吸収するために、再度スロットル開度をΔTPSk
け開側に補正する。このように、従来装置では、エアコ
ン15の稼動によりTPS4がステップ状にΔTPSk
け変化するので、エンジンの回転数変動を招くことにな
る。それに対して、本実施の形態5においては、例え
ば、時刻T5あるいは時刻T7におけるように、エアコン
15の稼動要求があった場合でも、ECU17は、エア
コン15をオフのままにするよう制御するので、エンジ
ン1に対するエアコン15の負荷変動が生じない。した
がって、TPS4を補正する必要がないので、エンジン
回転数は上記Ne41よりも低いNe42に抑制できるとと
もに、車速の変動を抑制することができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、変速機がバックギヤの状態にある場合に
は、エンジンへの吸入空気量を調節するスロットル弁の
開度規制を行い、エンジンの出力を抑制するようにした
ので、後退運転時のエンジンの出力上昇や出力変動を抑
制することができ、安定した後退運転を行うことができ
る。
【0023】本発明の請求項2に記載のエンジンの出力
制御装置は、スロットル弁の開度の最大値を予め設定さ
れたスロットル弁の最大開度よりも小さい値に設定する
ようなスロットル弁の開度規制を行うようにしたので、
後退運転時のエンジン回転数を抑制することができ、安
定した運転を可能とすることができる。
【0024】本発明の請求項3に記載のエンジンの出力
制御装置は、スロットル弁の開き側への開閉速度を制限
するようなスロットル弁の開度規制を行うようにしたの
で、エンジン回転数の上昇が抑制され、バックギヤで後
退運転を行う場合にも安定した運転を可能とすることが
できる。
【0025】本発明の請求項4に記載のエンジンの出力
制御装置は、アクセル操作量に係わらず、スロットル弁
の開度を算出するためのエンジンの回転数をアイドル時
のアイドル制御目標回転数に固定してスロットル弁の開
度を算出するようなスロットル弁の開度規制を行うよう
にしたので、スロットル弁の開度アクセル操作量の上昇
に関係なくほぼ一定値にクリップされる。したがって、
エンジン回転数を抑制でき、車速の上昇を抑制すること
ができる。
【0026】本発明の請求項5に記載のエンジンの出力
制御装置は、負荷が接続されている場合には、上記負荷
の内、予め指定された負荷の稼動を強制的に停止してス
ロットル弁の開度を算出するようなスロットル弁の開度
規制を行うようにしたので、エアコン等の稼動による負
荷変動が生じることがなく、したがって、車速の変動を
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるエンジン制御システムの全体
構成図である。
【図2】 電子制御スロットル及びメカ制御スロットル
の特性図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係わるスロットル制
御フローを示す図である。
【図4】 本実施の形態1に係わるアクセル操作量とス
ロットル弁開度及び車速との関係を示す図である。
【図5】 本実施の形態2に係わるスロットル制御フロ
ーを示す図である。
【図6】 本実施の形態2及び本実施の形態3に係わる
アクセル操作量とスロットル弁開度及びエンジン回転数
との関係を示す図である。
【図7】 本実施の形態3に係わるスロットル制御フロ
ーを示す図である。
【図8】 本実施の形態4に係わるスロットル制御フロ
ーを示す図である。
【図9】 本実施の形態4に係わるアクセル操作量とス
ロットル弁開度及びエンジン回転数との関係を示す図で
ある。
【図10】 本実施の形態5に係わるスロットル制御フ
ローを示す図である。
【図11】 本実施の形態5に係わるアクセル操作量と
スロットル弁開度及びエンジン回転数との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 エンジン、2 変速機(トランスミッション)、3
吸気管、4 スロットル弁、5 スロットル開度セン
サ(TPS)、6 スロットルアクチュエータ、6m
モータ、7 インジェクタ、8 吸気バルブ、9 排気
バルブ、10 点火プラグ、11 アクセル開度センサ
(APS)、12 アクセルペダル、13 スロットル
コントローラ、14 エアコン作動装置、15 エアコ
ン、16 変速機制御装置(TCU)、17 エンジン
出力制御装置(ECU)、18 回転数検出手段、19
水温センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA11 AA75 AC15 AD10 AD33 AD51 AE00 AE04 AF01 3G065 CA02 CA23 DA04 DA14 EA00 EA03 GA11 GA31 GA33 GA37 GA43 GA46 KA29 KA36 3G093 AA05 BA02 BA09 CA04 CB00 DA06 DB05 DB11 EA09 EB00 EC02 FA07 FA10 FA11 FB05 3G301 HA01 JA04 KA07 KB08 LA03 LB02 LC03 NA08 NC02 PA11A PA11Z PF01Z PF03Z PF08Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの目標回転数に基づいてエンジ
    ンへの吸入空気量を調節するスロットル弁の開度を算出
    し、上記スロットル弁を制御してエンジンの出力を制御
    するエンジンの出力制御装置において、変速機がバック
    ギヤの状態にある場合には、上記スロットル弁の開度規
    制を行い、エンジンの出力を抑制するようにしたことを
    特徴とするエンジンの出力制御装置。
  2. 【請求項2】 上記スロットル弁の開度の最大値を予め
    設定されたスロットル弁の最大開度よりも小さい値に設
    定するようなスロットル弁の開度規制を行うことを特徴
    とする請求項1に記載のエンジンの出力制御装置。
  3. 【請求項3】 上記スロットル弁の開き側への開閉速度
    を制限するようなスロットル弁の開度規制を行うことを
    特徴とする請求項1に記載のエンジンの出力制御装置。
  4. 【請求項4】 アクセル操作量に係わらず、スロットル
    弁の開度を算出するためのエンジンの回転数をアイドル
    時のアイドル制御目標回転数に固定してスロットル弁の
    開度を算出するスロットル弁の開度規制を行うことを特
    徴とする請求項1に記載のエンジンの出力制御装置。
  5. 【請求項5】 負荷が接続されている場合には、上記負
    荷の内、予め指定された負荷の稼動を強制的に停止して
    スロットル弁の開度を算出するスロットル弁の開度規制
    を行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの出
    力制御装置。
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