JP2000062117A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2000062117A
JP2000062117A JP23923398A JP23923398A JP2000062117A JP 2000062117 A JP2000062117 A JP 2000062117A JP 23923398 A JP23923398 A JP 23923398A JP 23923398 A JP23923398 A JP 23923398A JP 2000062117 A JP2000062117 A JP 2000062117A
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Japan
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resin
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ethylene
density
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JP23923398A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamashita
山下  隆
Yoshinori Hashimoto
美則 橋本
Yuji Kono
優二 河野
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性、耐ブロッキング性に優れ、しかも印
刷物とのラミネーション後のツブレ性、光沢性、印刷物
との接着強度、外観等において優れたプリントラミネー
ト製品を与える積層フィルムを提供することを課題とす
る。 【解決手段】 メタロセン触媒により得られるエチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であっ
て密度0.870〜0.905g/cm3でMFR2〜
150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体(成分
A)と、密度0.910〜0.970g/cm3でMF
R2〜150g/10分のエチレン系樹脂(成分B)
と、粘着性付与樹脂(成分C)及び/又はワックス成分
(成分D)とを含有する樹脂組成物からなる接着層と、
熱可塑性樹脂フィルム基材とを積層し、プリントラミネ
ート用積層フィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムを基材とする積層フィルムに関する。詳しくは、本
発明は、加工性、耐ブロッキング性に優れ、しかもラミ
ネーション後のツブレ性、光沢性、印刷物への接着性、
外観等において優れたプリントラミネート製品を与える
積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、印刷された紙表面に印刷保
護、外観改良用の樹脂フィルムをラミネートしたプリン
トラミネート製品が多用されている。かかる樹脂フィル
ムとしては、接着剤や有機溶媒等を用いることなく、加
熱圧着のみでラミネーションが可能なように、熱可塑性
樹脂フィルム基材の片面に接着層を積層させて得られる
プリントラミネート用積層フィルムが一般的に用いられ
ている。
【0003】しかしながら、接着層の材質としてエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体樹脂を用いた従来の積層フィル
ムでは、加工性、耐ブロッキング性、接着強度、光沢性
において劣り、しかもラミネーション後の印刷物との密
着性(ツブレ性)が悪く、印刷物と積層フィルムとの間
に空気が残存して印刷色が不鮮明になるなどの欠点があ
った。また、積層フィルムと印刷紙との境界がトンネル
状に剥離する、いわゆるトンネリング現象が発生すると
いう欠点もあった。
【0004】そこで、加工性、耐ブロッキング性に優
れ、しかもラミネーション後のツブレ、光沢、印刷物へ
の接着、外観等に優れたプリントラミネート製品を与え
るプリントラミネート用積層フィルムの開発が望まれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加工性、耐
ブロッキング性に優れ、しかも印刷物等とのラミネーシ
ョン後のツブレ性、光沢性、印刷物との接着強度、外観
等において優れたプリントラミネート製品を与える積層
フィルムを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、接着層の材質とし
て特定の組成を有する樹脂組成物を用いることにより、
上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂フィル
ム基材の片面に、以下に示す成分(A)、(B)及び
(C)を含有する樹脂組成物(以下、「組成物I」とす
る)からなる接着層を設けたことを特徴とする積層フィ
ルムを提供する。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
度が0.870〜0.905g/cm3、MFRが2〜
150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;60〜
96重量% (B)密度が0.910〜0.970g/cm3、MF
Rが2〜150g/10分のエチレン系樹脂;20〜3
重量% (C)粘着性付与樹脂;20〜1重量%
【0008】また、本発明は、熱可塑性樹脂フィルム基
材の片面に、以下に示す成分(A)、(B)及び(D)
を含有する樹脂組成物(以下、「組成物II」とする)か
らなる接着層を設けたことを特徴とする積層フィルムを
提供する。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
度が0.870〜0.905g/cm3、MFRが2〜
150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;60〜
96重量% (B)密度が0.910〜0.970g/cm3、MF
Rが2〜150g/10分のエチレン系樹脂;20〜3
重量% (D)ワックス成分;20〜1重量%
【0009】また、本発明は、熱可塑性樹脂フィルム基
材の片面に、以下に示す成分(A)、(B)、(C)及
び(D)を含有する樹脂組成物(以下、「組成物III」
とする)からなる接着層を設けたことを特徴とする積層
フィルムを提供する。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
度が0.870〜0.905g/cm3、MFRが2〜
150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;40〜
95重量% (B)密度が0.910〜0.970g/cm3、MF
Rが2〜150g/10分のエチレン系樹脂;20〜3
重量% (C)粘着性付与樹脂;20〜1重量% (D)ワックス成分;20〜1重量%
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フ
ィルム基材と、該基材の片面に設けられた接着層とから
なる。
【0011】(1)熱可塑性樹脂フィルム基材 本発明の積層フィルムの熱可塑性樹脂フィルム基材とし
ては、プリントラミネート用積層フィルムの基材として
通常用いられるものであれば特に限定されず、種々のも
のを用いることができる。例えば、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂からなる一軸延伸
フィルム、二軸延伸フィルム等が挙げられる。このう
ち、透明性、剛性、強度等の面から、二軸延伸したポリ
プロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィ
ルムが好ましい。
【0012】(2)接着層 本発明の積層フィルムの接着層は、以下に述べる成分
(A)及び(B)を必須成分とし、さらに成分(C)及
び/又は(D)を含む樹脂組成物からなる。
【0013】(i)成分(A) 成分(A)は、メタロセン化合物を触媒としてエチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して得ら
れる直鎖状エチレン系共重合体である。
【0014】前記直鎖状エチレン系共重合体のコモノマ
ーとして用いられる炭素数3〜12のα−オレフィンと
しては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、ヘプテン−1、4−メチル−
ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジ
メチルペンテン−1等を挙げることができる。また、コ
モノマーは1種類に限られず、ターポリマーのように2
種類以上のα−オレフィンを用いて多元系共重合体とし
てもよい。特に好ましいものとしては、エチレン・ヘキ
セン−1共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体等を
挙げることができる。
【0015】前記直鎖状エチレン系共重合体の全構成単
位中におけるエチレンとα−オレフィンとの割合は、特
に限定されないが、好ましくはエチレンが67〜85重
量%、α−オレフィンが15〜33重量%である。な
お、これらの共重合比は13C−NMRによって測定され
たものである。
【0016】前記直鎖状エチレン系共重合体の製造に触
媒として用いられるメタロセン化合物(以下、単に「メ
タロセン触媒」ともいう)は、具体的には、以下に示す
成分a、成分b、及び必要に応じて用いられる成分cか
らなるものが挙げられる。
【0017】[成分a]成分aは、下記一般式(I)で
表される化合物である。
【0018】
【化1】 Q1(C54-a1 a)(C54-b2 b)MeX11 ・・・(I)
【0019】[ここで、Q1は二つの共役五員環配位子
を架橋する結合性基であり、炭素数1〜20の2価の炭
化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレ
ン基、又は炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲルミ
レン基を示す。Meはジルコニウム又はハフニウムを、
1及びY1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコ
キシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド基、トリフル
オロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭
化水素基又は炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を
示す。R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜2
0の炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、ケイ素含
有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素
基又はホウ素含有炭化水素基を示す。
【0020】また、隣接する2個のR1又はR2がそれぞ
れ結合して環を形成していても良い。a及びbは各々0
≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。但し、R
1及びR2を有する2個の五員環配位子は基Q1を介して
の相対位置の観点において、Meを含む平面に関して非
対称である。] Q1は、上記したように、二つの共役五員環配位子を架
橋する結合性基であり、以下の(イ)、(ロ)及び
(ハ)で示される基から選ばれる。
【0021】(イ)炭素数1〜20、好ましくは1〜6
の2価の炭化水素基、さらに詳しくは、例えばアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化
水素基、 (ロ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素
基を有するシリレン基、 (ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素
基を有するゲルミレン基。
【0022】なお、2価のQ1基の両結合手間の距離
は、その炭素数の如何に関わらず、Q1が鎖状の場合に
4原子程度以下、好ましくは3原子以下であることが、
1が環状基を有するものである場合は当該環状基+2
原子程度以下、就中当該環状基のみであることが、それ
ぞれ好ましい。
【0023】従って、アルキレンの場合はエチレン及び
イソプロピリデン(両結合手間の距離は2原子及び1原
子)が、シクロアルキレン基の場合はシクロヘキシレン
基(結合手間の距離がシクロヘキシレン基のみ)が、ア
ルキルシリレンの場合は、ジメチルシリレン基(結合手
間の距離が1原子)がそれぞれ好ましい。
【0024】Meは、ジルコニウム又はハフニウムであ
る。X1及びY1は、それぞれ独立に、すなわち相互に同
一でも異なっていてもよく、以下の(ニ)〜(ル)で示
される基から選ばれる。
【0025】(ニ)水素 (ホ)ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好まし
くは塩素) (ヘ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の炭
化水素基 (ト)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のア
ルコキシ基 (チ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のア
ルキルアミド基 (リ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のリ
ン含有炭化水素基 (ヌ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のケ
イ素含有炭化水素基 (ル)トリフルオロメタンスルホン酸基
【0026】また、R1及びR2は、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ
基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。ま
た、隣接する2個のR1又は2個のR2がそれぞれ結合し
て環を形成していてもよい。a及びbはそれぞれ0≦a
≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
【0027】具体的な例としては、特開平8−2087
33号公報に例示した化合物を挙げることができる。例
えばジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−
4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾイン
デニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジ
クロライド等を挙げることができる。これらの中でもジ
メチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾイン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビ
ス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、又はエチレンビス(4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを用
いることが好ましい。
【0028】[成分b]成分bは、アルミニウムオキシ
化合物(成分b−1)、ルイス酸(成分b−2)、及
び、成分aと反応して成分aをカチオンに変換すること
が可能なイオン性化合物(成分b−3)のうちから選ば
れる化合物である。
【0029】ここで、ルイス酸のあるものは、「成分a
と反応して成分aをカチオンに変換することが可能なイ
オン性化合物」として捉えることができる。従って、
「ルイス酸」及び「成分aと反応して成分aをカチオン
に変換することが可能なイオン性化合物」の両者に属す
る化合物は、いずれか一方に属するものと解釈するもの
とする。
【0030】成分b−1、成分b−2、成分b−3につ
いての具体的な化合物や製造法については、特開平6−
239914号公報及び特開平8−208733号公報
に例示された化合物や製造法を挙げることができる。
【0031】例えば、成分b−1としては、1種類のト
リアルキルアルミニウムと水から得られるメチルアルモ
キサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イ
ソブチルアルモキサン、2種類のトリアルキルアルミニ
ウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチ
ルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサ
ン、また、アルキルボロン酸としては、メチルボロン
酸、エチルボロン酸、ブチルボロン酸、イソブチルボロ
ン酸等を挙げることができる。
【0032】また、成分b−3としては、トリフェニル
カルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、さらに成分b−2としては、トリフェニルホウ
素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジ
メチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートを用いることが好ましい。
【0033】[成分c]成分cは有機アルミニウム化合
物であり、必要に応じて用いられる。好ましいものとし
ては、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられ、
これらの化合物は単独で又は複数種を組み合わせて使用
することができる。
【0034】
【化2】(AlR4 n3-nm ・・・(II)
【0035】[式中、R4は 炭素数1〜20、好まし
くは1〜10のアルキル基を示し、Xはハロゲン、水
素、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。nは1〜3、
好ましくは2〜3の整数、mは1〜2、好ましくは1で
ある。]
【0036】具体的な化合物としては、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロ
ピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルア
ルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリ
ノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモ
ノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウム
エトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジ
イソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミ
ニウムクロライド等を挙げることができる。これらの中
で、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミ
ニウム及びジアルキルアルミニウムヒドリドである。さ
らに好ましくは、R4が炭素数1〜8であるトリアルキ
ルアルミニウムである。
【0037】[触媒の調製]本発明の直鎖状エチレン系
共重合体の製造に用いられるメタロセン触媒は、前記成
分a、成分b及び必要に応じて用いられる成分cを、重
合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマー
の存在下あるいは不存在下に接触させることにより調製
することができる。
【0038】上記メタロセン触媒は微粒子状の固体を担
体として用い、固体状触媒として使用することも可能で
ある。微粒子状の固体としては、無機化合物としてはシ
リカ、アルミナ等の無機の多孔質酸化物、有機化合物と
してはエチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレ
フィン、又はスチレンを主成分として生成される重合体
もしくは共重合体等を挙げることができる。
【0039】上記メタロセン触媒は、オレフィンの存在
下で予備重合を行ったものであってもよい。予備重合に
用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、3−メチル−ブテン−1、スチレン、
ジビニルベンゼン等が用いられるが、これらと他のオレ
フィンの混合物であってもよい。
【0040】上記メタロセン触媒の調製において使用さ
れる成分a、成分b、成分cの割合は任意であるが、一
般的に成分bとして何を選択するかで好ましい使用量の
範囲が異なる。
【0041】成分bとして成分b−1を使用する場合、
成分b−1のアルミニウムオキシ化合物中のアルミニウ
ム原子と成分a中の遷移金属の原子比(Al/Me)は
1〜100000、さらに10〜10000、特に50
〜5000の範囲内とするのが好ましい。
【0042】成分bとして成分b−2のルイス酸や成分
b−3のイオン性化合物を使用する場合は、成分a中の
遷移金属と成分b−2又は成分b−3のモル比が0.1
〜1000、さらに0.5〜100、特に1〜50の範
囲で使用するのが好ましい。
【0043】成分cの有機アルミニウム化合物を使用す
る場合は、その使用量は、成分aに対するモル比で10
5以下、さらに104以下、特に103以下の範囲とする
のが好ましい。
【0044】[重合]上記メタロセン触媒を用いた直鎖
状エチレン系共重合体の製造は、該触媒の存在下にエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを混合接触さ
せることにより行われる。反応系中の各モノマーの量比
は経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の
混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマ
ーの混合比を経時的に変化させることも可能である。ま
た、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割
添加することもできる。
【0045】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触する方法であれば、あらゆる様式を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、バルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を
用いず各モノマーをガス状に保つ気相法等を採用するこ
とができる。
【0046】また、連続重合、回分式重合にも適用され
る。スラリー重合の場合には、重合溶媒としてヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独ある
いは混合物を用いることができる。
【0047】重合時条件としては重合温度が−78℃〜
160℃、好ましくは0℃〜150℃であり、そのとき
の分子量調節剤として補助的に水素を用いることができ
る。また、重合圧力は0〜90kg/cm2・G、好ま
しくは0〜60kg/cm2・G、特に好ましくは1〜
50kg/cm2・Gが適当である。
【0048】このようにして得られる本発明の直鎖状エ
チレン系共重合体の密度は0.870〜0.905g/
cm3、好ましくは0.880〜0.900g/cm3
ある。密度が上記範囲未満では、加工性が低下するので
好ましくない。また、密度が上記範囲を超えると印刷紙
との接着性、外観等が劣るので好ましくない。
【0049】また、前記直鎖状エチレン系共重合体のM
FR(メルトフローレート;溶融流量)は2〜150g
/10分、好ましくは10〜50g/10分である。M
FRが上記範囲未満では印刷紙との接着性、外観等の点
で好ましくない。また、MFRが上記範囲を超えると加
工性、特にネックインの点で好ましくない。なお、この
場合のMFRはJIS−K7210(190℃、2.1
6kg荷重)に準拠して測定した値である。
【0050】(ii)成分(B) 本発明の成分(B)はエチレン系樹脂であり、その密度
は0.910〜0.970g/cm3、好ましくは0.
910〜0.921g/cm3である。密度が上記範囲
未満では加工性、特にネックインの点で好ましくない。
また、密度が上記範囲を超えると印刷紙との接着性、外
観等の点で好ましくない。
【0051】また、前記エチレン系樹脂のMFRは2〜
150g/10分、好ましくは2〜10g/10分であ
る。MFRが上記範囲未満では印刷紙との接着性、外観
等の点で好ましくない。また、MFRが上記範囲を超え
ると加工時のネックインの点で好ましくない。なお、こ
のMFRは成分(A)の場合と同様に、JIS−K72
10(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定し
た値である。
【0052】このようなエチレン系樹脂としては、高圧
法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0053】(iii)成分(C) 本発明の成分(C)は、粘着性付与樹脂である。粘着性
付与樹脂とは、樹脂組成物に粘着性(接着性)を付与し
得る樹脂一般をいう。本発明で用いられる粘着性付与樹
脂としては、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系、クロ
マン樹脂系のもの等が挙げられる。
【0054】ロジン系の粘着性付与樹脂としては、ガム
ロジン、ウッドロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水
添ロジン、二量化ロジン等が挙げられ、さらにこれら各
種ロジンとペンタエリスリトール、グリセリン、ジエチ
レングリコール等とのエステル、ロジンフェノール樹脂
なども例示される。
【0055】テルペン系の粘着性付与樹脂としては、テ
ルペン樹脂、テルペンとスチレンとの共重合体、テルペ
ンとα−メチルスチレンとの共重合体、テルペンとフェ
ノールとの共重合体及びこれらの水添物などが例示され
る。
【0056】石油樹脂系の粘着性付与樹脂としては、脂
肪族石油樹脂(イソブチレン、ブタジエン、1,3−ペ
ンタジエン、イソプレン、ピペリジンなどのC4〜C5
ノ又はジオレフィンを主成分とする重合体等)、脂環族
石油樹脂(スペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化
2量体化後重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核
内水添した樹脂等)、芳香族石油樹脂(ビニルトルエ
ン、インデン、α−メチルスチレンなどのC9〜C10
ビニル芳香族炭化水素を主成分とした樹脂等)、脂肪族
−芳香族共重合体等の石油樹脂及びこれらの水添物など
が例示される。
【0057】クロマン樹脂系の粘着性付与樹脂として
は、クロマン樹脂、クロマン−インデン樹脂等が挙げら
れる。また、上記以外に、キシレン樹脂、スチレン系樹
脂等も粘着性付与樹脂として使用することができる。
【0058】上記粘着性付与樹脂は各々単独で用いても
良く、また種類や軟化点の異なるものを2種以上併用し
てもよい。これらの粘着性付与樹脂は、液状ロジン樹
脂、液状テルペン樹脂等の液状の粘着樹脂であってもよ
い。さらに、上記粘着性付与樹脂は無水マレイン酸、マ
レイン酸エステルなどでグラフト変性したものであって
もよい。
【0059】上記粘着性付与樹脂としては、環球法軟化
点(測定法:JAI−7−1991に準拠)が30〜1
60℃のものが好ましく、より好ましくは環球法軟化点
が60〜140℃のものである。また、常温で液状のも
のは単独で使用すると接着剤の凝集力を低くしすぎる場
合があるが、常温で固形のものと併用することにより使
用することができる。
【0060】(iv)成分(D) 本発明の成分(D)は、ワックス成分である。ワックス
成分としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワック
ス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
及びこれらを酸化分解して得られる酸化ワックス、並び
に前記ワックス類にマレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和(無水)カ
ルボン酸をグラフトした酸変性ワックスなどが挙げられ
る。上記各種ワックス成分は、各々単独で用いても良
く、また種類等の異なるものを2種以上併用してもよ
い。
【0061】なお、極性基含有ワックスを用いる場合
は、上記粘着性付与樹脂又は上記ワックス成分のうち極
性基を含まないものと混合して用いるのが好ましい。そ
の場合、その混合比は、粘着性付与樹脂又は極性基を含
まないワックス成分に対する重量比で50重量%以下で
あることが好ましい。混合比が50重量%より多いと、
樹脂組成物としたときに熱安定性や接着強度が低下する
傾向にあるので好ましくない。
【0062】(v)樹脂組成物 本発明で用いられる樹脂組成物としては、成分(A)、
(B)、及び(C)からなる組成物I、成分(A)、
(B)、及び(D)からなる組成物II、成分(A)、
(B)、(C)及び(D)からなる組成物IIIがある。
【0063】組成物I:本発明の組成物Iは、上記成分
(A)を60〜96重量%、好ましくは80〜94重量
%含有し、成分(B)を20〜3重量%、好ましくは1
5〜5重量%含有し、成分(C)を20〜1重量%、好
ましくは5〜1重量%含有するものである。
【0064】成分(A)の含有量が60重量%未満で
は、印刷紙との接着性、外観等の点で好ましくなく、9
6重量%を超えるとブロッキングが起こり易くなるので
好ましくない。成分(B)の含有量が3重量%未満で
は、加工時にネックインが起こり易くなるので好ましく
なく、20重量%を超えると印刷紙との接着性、外観等
の点で好ましくない。
【0065】成分(C)である粘着性付与樹脂の含有量
は、20重量%を超えると樹脂組成物全体の溶融粘度が
小さくなり、押出ラミネート成形における加工性が悪化
し、さらに樹脂組成物中の熱安定性、耐ブロッキング性
が悪化したり、樹脂組成物を印刷紙にラミネートしたと
きにこの境界がトンネル状に剥離する、いわゆるトンネ
リング現象が発生するので好ましくない。また1重量%
より少ないと接着の効果が発現されにくい。
【0066】組成物II:本発明の組成物IIは、上記成分
(A)を60〜96重量%、好ましくは80〜94重量
%含有し、成分(B)を20〜3重量%、好ましくは1
5〜5重量%含有し、成分(D)を20〜1重量%、好
ましくは5〜1重量%含有するものである。
【0067】成分(A)の含有量が60重量%未満で
は、印刷紙との接着性、外観等の点で好ましくなく、9
6重量%を超えるとブロッキングが起こりやすくなるの
で好ましくない。成分(B)の含有量が3重量%未満で
は、加工時にネックインが起こりやすくなるので好まし
くなく、20重量%を超えると印刷紙との接着性、外観
等の点で好ましくない。
【0068】成分(D)であるワックス成分の含有量
は、20重量%を超えると、樹脂組成物全体の溶融粘度
が小さくなり、押出ラミネート成形における加工性が悪
化し、さらに樹脂組成物中の熱安定性、耐ブロッキング
性が悪化したり、樹脂組成物を印刷紙にラミネートした
ときにトンネリング現象が発生するので好ましくない。
また1重量%より少ないと接着の効果が発現されにく
い。
【0069】組成物III:本発明の組成物Iは、上記成
分(A)を40〜95重量%、好ましくは75〜93重
量%含有し、成分(B)を20〜3重量%、好ましくは
15〜5重量%含有し、成分(C)を20〜1重量%、
好ましくは5〜1重量%含有し、成分(D)を20〜1
重量%、好ましくは5〜1重量%含有するものである。
【0070】成分(A)の含有量が40重量%未満で
は、印刷紙との接着性、外観等の点で好ましくなく、9
5重量%を超えるとブロッキングが起こりやすくなるの
で好ましくない。成分(B)の含有量が3重量%未満で
は、加工時のネックインが生じやすくなるので好ましく
なく、20重量%を超えると印刷紙との接着性、外観等
の点で好ましくない。
【0071】成分(C)及び成分(D)の含有量は、各
々20重量%を超えると樹脂組成物全体の溶融粘度が小
さくなり、押出ラミネート成形における加工性が悪化
し、さらに樹脂組成物中の熱安定性、耐ブロッキング性
が悪化したり、樹脂組成物を印刷紙にラミネートしたと
きにトンネリング現象が発生するので好ましくない。ま
た1重量%より少ないと接着の効果が発現されにくい。
【0072】その他の添加成分:本発明の樹脂組成物
(組成物I〜III)には、上記成分(A)〜(D)に加
え、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通
常用いられる樹脂添加剤等を付加的成分として添加する
ことができる。該付加的成分としては、通常のポリオレ
フィン樹脂用配合剤として使用される核剤、フェノール
系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、
中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、
金属不活性剤、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤等をが
挙げることができる。これらの付加的成分の配合量は、
樹脂組成物全体に対し、一般に0.001〜1重量%、
より好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0073】(vi)樹脂組成物の調製 本発明で用いられる樹脂組成物(組成物I〜III)は、
通常、上記成分(A)〜(D)のうちの必要な成分に、
さらに他の付加的成分を必要に応じて配合し、混合、溶
融、混練することにより製造することができる。
【0074】混合、溶融、混練は、通常、ヘンシェルミ
キサー、スーパーミキサー、V−ブレンダー、タンブラ
ーミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、
ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の混練押出機等にて
実施することができる、これらの中でも一軸又は二軸の
混練押出機により混合或いは溶融混練を行うことが好ま
しい。
【0075】(3)積層フィルム 本発明の積層フィルムは、上記熱可塑性樹脂フィルム基
材及び接着層を構成層として有するが、その他の層とし
て、上述した熱可塑性樹脂フィルム基材と接着層との間
に必要に応じて種々の中間層を設けることができる。か
かる中間層としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン等を挙げることができる。
【0076】本発明の積層フィルム全体の厚み及び各層
の厚み並びに厚み比については、特に制限はなく、内容
物や用途等に応じて適宜決定すればよい。具体的には、
積層フィルム全体の厚みは13〜160μm、熱可塑性
樹脂フィルム基材の厚みは6〜100μm、接着層の厚
みは7〜60μm程度が好ましい。なお、中間層を設け
る場合は、該中間層の厚みは1〜50μm程度が好まし
い。
【0077】積層フィルムの製造方法については特に制
限はなく、例えば従来の多層フィルムの成形方法に従っ
て、各層をあらかじめ別々にフィルム状に形成してその
後それらを接着させて積層する方法、押出法によって各
層の形成および積層を同一工程で行う方法等が挙げられ
る。
【0078】各層を別個にフィルム状に形成した後接着
させる方法の場合、フィルムの製造は、空冷インフレー
ション成形法、空冷2段冷却インフレーション成形法、
Tダイフィルム成形法、水冷インフレーション成形法等
を採用することができる。
【0079】また、押出法の場合は、押出ラミネート
法、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、
共押出法(別途接着層を設けない共押出、別途接着層を
設ける共押出、接着樹脂を配合する共押出等を含む)等
の方法がある。
【0080】また、積層の際は、フィルム表面の接着性
をよくするために、予め基材上にコロナ放電処理、オゾ
ン処理等の表面処理を行うことができる。さらに、接着
性増強等のために、予め基材上にアンカーコート剤を塗
布してから積層するのが好ましい。アンカーコート剤と
しては、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポ
リブタジエン系等のものが挙げられる。
【0081】このようにして得られる本発明の積層フィ
ルムは、接着剤や有機溶媒等を用いることなく、加熱圧
着のみでラミネーションが可能なプリントラミネート用
フィルムとして有用であり、印刷された紙表面に印刷保
護、外観改良等の目的でラミネートされ、プリントラミ
ネート製品を提供する。
【0082】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0083】
【製造例】[直鎖状エチレン系共重合体の製造例]錯体
であるエチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド2.0mmol
に、メチルアルモキサン(東洋ストウファー社製)を上
記錯体に対して1000モル倍加え、トルエンで10リ
ットルに希釈して触媒溶液を調製した。
【0084】この触媒溶液を、内容量1.5リットルの
撹拌式オートクレーブ型連続反応器内に入れ、更にこの
反応器内にエチレンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘ
キセンの組成が81重量%となるように供給し、反応器
内の圧力を2200kg/cm2に保ち、176℃で反
応を行い、MFRが31g/10分、密度が0.892
g/cm3、融点が95℃のエチレン・1−ヘキセン共
重合体(直鎖状エチレン系共重合体:LLDPE)を得
た。
【0085】
【実施例1〜6、比較例1〜2】(1)接着層樹脂組成
物の製造 表1に示す割合の成分(A)、(B)、(C)、及び
(D)と、該成分(A)〜(D)の合計100重量部に
対して0.5重量部のフェノール系安定剤とを、ブレン
ダーでよく混合した後、溶融押出してペレット化し、接
着層樹脂組成物とした。
【0086】ここで、成分(A)としては、前記製造例
で得られた直鎖状エチレン系共重合体(LLDPE)を
用いた。成分(B)のエチレン系樹脂としては、分岐高
圧法低密度ポリエチレン(LDPE)である日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックLC604」(MF
R;8g/10分、密度;0.918g/cm3、融
点;108℃、ノバテックは登録商標)を用いた。
【0087】成分(C)の粘着性付与樹脂としては、水
添テルペン樹脂であるヤスハラケミカル(株)製、商品
名「CLEARON・P−125」[分子量(GPC
法、Mn):700、軟化点(環球法):125℃]を
用いた。成分(D)のワックス成分としては、低分子量
ポリエチレンである三洋化成工業(株)製、商品名「サ
ンワックス165」[分子量(GPC法、Mn):50
00、軟化点(環球法):107℃]を用いた。
【0088】(2)積層フィルムの製造 前記接着層樹脂組成物を、口径が90mmの押出機に装
着したTダイから、樹脂温度250℃、幅500mm、
肉厚15μmでフィルム状に溶融押出した。
【0089】次いで、押出ラミネート装置の基材の繰出
部より、熱可塑性樹脂フィルム基材として、二軸延伸ポ
リプロピレンフィルム(OPP:二村化学工業(株)
製、商品名「LOF2」、肉厚;15μm)を繰出し
た。
【0090】この基材の片面にアンカーコート剤を塗布
し、乾燥後、該塗布面とTダイからフィルム状に溶融押
出した接着層樹脂組成物の間をオゾン処理し、表面をマ
ット仕上げした冷却ロールと圧縮ゴムロールで圧着ラミ
ネートした。
【0091】このようにして得られた圧着ラミネートフ
ィルム表面に、さらに20W・分/mのコロナ放電処
理を施し、目的とする積層フィルムを得た。このときの
加工性と積層フィルム特性の評価結果を表1に示す。
【0092】(3)プリントラミネート製品の製造 次に、得られた積層フィルムのコロナ放電処理面とオフ
セット印刷したアート紙を、ロール温度が70℃と10
0℃、線圧が55.6kg,速度が30m/分の圧着機
で熱圧着し、プリントラミネート製品を得た。
【0093】得られたプリントラミネート製品の光沢
性、印刷したアート紙との接着強度、印刷したアート紙
とのトンネリング性の評価結果を表2に示す。
【0094】(4)評価方法 上述した積層フィルム及びプリントラミネート製品の評
価方法は以下の通りである。
【0095】[積層フィルムの特性] (i)加工性 積層フィルム成形時の加工性を、以下の基準で離ロール
性を判定することにより評価した。 ○:離ロール性良好。 △:離ロール性が若干悪い。 ×:離ロール性が悪く生産に支障を与える。
【0096】(ii)耐ブロッキング性 幅21cm、長さ29cmの二軸延伸フィルム(基材)
面と積層フィルムのコロナ放電処理面を重ね合わせ、温
度が60℃のオーブン中で幅15cm、長さ20cmに
わたって0.05kg/cm2の荷重を負荷し、24時
間放置した。
【0097】その後、重ね合わせたフィルムの剥離面積
が10cm2(幅2cm、長さ5cm)になるようにカ
ットし、引張試験機で剥離(引張速度500mm/分)
に要する荷重(剥離荷重、単位:kg/10cm2)を
測定した。この値が小さいほど耐ブロッキング性に優れ
ており、剥離荷重の値によって以下の基準で判定した。 ×:2kg/10cm2以上(積層フィルムが切断) △:1.5〜2kg/10cm2未満(積層フィルムが
伸びきる) ○:1.0〜1.5kg/10cm2未満(積層フィル
ムの伸びが復元) ◎:1.0kg/10cm2未満
【0098】[プリントラミネート製品の特性] (i)光沢性 プリントラミネート製品の印刷部の光沢度(20度)
を、スガ試験機社製のUGV−5DP(商品名)で測定
した値を示た。また、外観のツブレ状態(印刷紙と積層
フィルムとの密着性)を目視で観察し、以下の基準でツ
ブレ性を評価した。 ○:残存空気が全くなく、印刷色が鮮明 △:印刷色上に空気がスジ状や班点として残存 ×:印刷色上に空気が帯状に残存し、印刷色が不鮮明
【0099】(ii)接着強度 プリントラミネート製品を、幅25mm、長さ100m
mの試験片に切断し、長さ方向50mmを手で剥離した
後、島津製作所製の引張試験機で180度方向に300
mm/分の引張速度で引っ張り、剥離したときの引張強
度の値(単位:g/25mm)を示して、初期の接着強
度を評価した。
【0100】(iii)トンネリング性 プリントラミネート製品の印刷紙の非貼合面に、マイク
ロシリンジにて軽油100μlを滴下し、温度23℃、
湿度50%の雰囲気下に放置し、24時間後の積層フィ
ルム面の変化を観察し、以下の基準でトンネリング性を
評価した。 ◎:接着強度の低下がなく、外観に全く問題なし。 ○:接着強度が僅かに低下しているが外観変化なし(使
用に耐える程度) △:僅かにブツブツが発生 ×:明らかにトンネリング発生。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、加工性、耐ブ
ロッキング性に優れ、しかも印刷物等とラミネートした
場合にツブレ性、光沢性、接着強度、外観等において優
れたプリントラミネート製品を与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 優二 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内 Fターム(参考) 4F100 AJ11B AK01A AK04B AK06 AK62B AK63 AK80 AL05B AR00B BA02 CA16B GB90 JA06B JA13B JB16A JL00 JL01 JL11 JL11B JN21 YY00B 4J004 AA02 AA04 AA07 AA12 AB01 AB03 CA04 CA05 CA06 CC02 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルム基材の片面に、以
    下に示す成分(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂
    組成物からなる接着層を設けたことを特徴とする、積層
    フィルム。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
    度が0.870〜0.905g/cm3、MFRが2〜
    150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;60〜
    96重量% (B)密度が0.910〜0.970g/cm3、MF
    Rが2〜150g/10分のエチレン系樹脂;20〜3
    重量% (C)粘着性付与樹脂;20〜1重量%
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルム基材の片面に、以
    下に示す成分(A)、(B)及び(D)を含有する樹脂
    組成物からなる接着層を設けたことを特徴とする、積層
    フィルム。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
    度が0.870〜0.905g/cm3、MFRが2〜
    150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;60〜
    96重量% (B)密度が0.910〜0.970g/cm3、MF
    Rが2〜150g/10分のエチレン系樹脂;20〜3
    重量% (D)ワックス成分;20〜1重量%
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルム基材の片面に、以
    下に示す成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有
    する樹脂組成物からなる接着層を設けたことを特徴とす
    る、積層フィルム。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
    度が0.870〜0.905g/cm3、MFRが2〜
    150g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;40〜
    95重量% (B)密度が0.910〜0.970g/cm3、MF
    Rが2〜150g/10分のエチレン系樹脂;20〜3
    重量% (C)粘着性付与樹脂;20〜1重量% (D)ワックス成分;20〜1重量%
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002201455A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Cemedine Co Ltd 粘着剤組成物
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