JP2000062116A - 包装用積層フィルム - Google Patents

包装用積層フィルム

Info

Publication number
JP2000062116A
JP2000062116A JP23923598A JP23923598A JP2000062116A JP 2000062116 A JP2000062116 A JP 2000062116A JP 23923598 A JP23923598 A JP 23923598A JP 23923598 A JP23923598 A JP 23923598A JP 2000062116 A JP2000062116 A JP 2000062116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
weight
resin
laminated film
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23923598A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Hashimoto
美則 橋本
Yuji Kono
優二 河野
Takashi Yamashita
山下  隆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polychem Corp filed Critical Japan Polychem Corp
Priority to JP23923598A priority Critical patent/JP2000062116A/ja
Publication of JP2000062116A publication Critical patent/JP2000062116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速充填性、シール性、及び加工性に優れた
包装用積層フィルムを提供することを課題とする。 【解決手段】 メタロセン触媒により得られるエチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であっ
て密度0.880〜0.910g/cm3でMFR1〜
100g/10分の直鎖状エチレン系共重合体(成分
A)と、密度0.910〜0.925g/cm3でMF
R1〜50g/10分のエチレン系樹脂(成分B)と、
粘着性付与樹脂(成分C)及び/又はワックス成分(成
分D)とを含有する樹脂組成物からなるシーラント層
と、基材層とを積層し、包装用積層フィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用積層フィル
ムに関する。詳しくは、本発明は加工性、シール性、及
び高速充填性に優れた包装用積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基材に必要に応じて種々の中
間層を積層させ、さらにその上にシーラント層を積層さ
せて得られる積層フィルムが、包装材として使用されて
きた。かかる包装材に収容される内容物は多岐にわた
り、例えば液体及び粘体、並びに不溶物質として繊維、
粉体等の固形状のものを含んだ液体、粘体等がある。
【0003】このような積層フィルムは、通常シーラン
ト層においてヒートシールされる。しかしながら、シー
ラント層の材質として直鎖状低密度ポリエチレンを用い
た従来の積層フィルムでは、内容物の充填時にシール部
に該内容物が夾雑物としてシールされ、シール強度の低
下、異物介在による液漏れ等が発生する場合があった。
したがってその結果、不良率の発生が多く、また充填速
度を高くすることができず、15m/分程度が限界であ
った。
【0004】また、従来のものでは、積層フィルムの製
造時にロールからのフィルムの離脱性(離ロール性)が
悪いため、加工速度が上げられず生産性が向上しないと
いう問題点もあった。
【0005】よって、離ロール性が良好で加工性に優
れ、しかもシール時に内容物がシール部に夾雑シールさ
れても高速充填が可能で不良率が少ない、夾雑物シール
性に優れた包装用積層フィルムの開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速充填
性、シール性、及び加工性に優れた包装用積層フィルム
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、シーラント層の材
質として特定の組成を有する樹脂組成物を用いることに
より、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完
成した。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも基材層と
シーラント層とから構成され、前記シーラント層が以下
に示す成分(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組
成物(以下、「組成物I」とする)からなることを特徴
とする、包装用積層フィルムを提供する。
【0009】(A)メタロセン化合物を触媒としてエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して
得られる、密度が0.880〜0.910g/cm3
MFRが1〜100g/10分の直鎖状エチレン系共重
合体;30〜99重量% (B)密度が0.910〜0.940g/cm3、MF
Rが1〜50g/10分のエチレン系樹脂;60〜0重
量% (C)粘着性付与樹脂;10〜1重量%
【0010】また、本発明は、少なくとも基材層とシー
ラント層とから構成され、前記シーラント層が以下に示
す成分(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物
(以下、「組成物II」とする)からなることを特徴とす
る包装用積層フィルムを提供する。
【0011】(A)メタロセン化合物を触媒としてエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して
得られる、密度が0.880〜0.910g/cm3
MFRが1〜100g/10分の直鎖状エチレン系共重
合体;30〜99重量% (B)密度が0.910〜0.940g/cm3、MF
Rが1〜50g/10分のエチレン系樹脂;60〜0重
量% (D)ワックス成分;10〜1重量%
【0012】また、本発明は、少なくとも基材層とシー
ラント層とから構成され、前記シーラント層が以下に示
す成分(A)、(B)及び(C)を含有する樹脂組成物
(以下、「組成物III」とする)からなることを特徴と
する包装用積層フィルムを提供する。
【0013】(A)メタロセン化合物を触媒としてエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して
得られる、密度が0.880〜0.910g/cm3
MFRが1〜100g/10分の直鎖状エチレン系共重
合体;20〜98重量% (B)密度が0.910〜0.940g/cm3、MF
Rが1〜50g/10分のエチレン系樹脂;60〜0重
量% (C)粘着性付与樹脂;10〜1重量% (D)ワックス成分;10〜1重量%
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0014】本発明の積層フィルムは、少なくとも基材
層とシーラント層とから構成されている。
【0015】(1)基材層 本発明の積層フィルムの基材層としては、包装用フィル
ムの基材として用いられるものであれば特に限定され
ず、種々のものを用いることができる。例えば、ナイロ
ン−6、ナイロン−66等のポリアミド樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共
重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等の合成樹脂、金属箔、金属蒸
着フィルム、金属酸化物による蒸着フィルム等の単一基
材またはこれら複合基材が挙げられる。
【0016】金属箔は、特に限定されないが、厚さ5〜
50μm程度のアルミニウム箔、錫箔、鉛箔、亜鉛メッ
キした薄層鋼板、電気分解法によりイオン化金属を薄膜
にしたもの、アイアンフォイル等が用いられる。また、
金属蒸着フィルムについても、特に限定されないが、蒸
着金属としてはアルミニウム、亜鉛、チタン、ニッケ
ル、鉄、モリブデン、タングステン等が、また厚みは
0.01〜0.2μm程度が、通常好ましく用いられ
る。蒸着の方法も特に限定されず、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法等周知の方法が用
いられる。
【0017】さらに、金属酸化物の蒸着については、一
酸化ケイ素、ガラス、アルミナ、酸化マグネシウム、蛍
石、酸化錫、フッ化セレン等が用いられ、これら酸化物
には、微量の金属や、他の金属酸化物、金属水酸化物が
含まれていてもよい。
【0018】薄膜形成は、フィルムの少なくとも片面
に、上記の種々の蒸着方法を適用することによっても行
うことができる。薄膜の厚みは、通常、12〜40μm
程度である。また、フィルムとしては特に制限はなく、
延伸又は未延伸のポリエステルフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、ポリアミドフィルム等の透明フィルムが挙
げられる。
【0019】(2)シーラント層 本発明の積層フィルムのシーラント層は、以下に述べる
成分(A)を必須成分とし、必要に応じて成分(B)、
(C)、(D)を含む樹脂組成物からなる。
【0020】(i)成分(A) 成分(A)は、メタロセン化合物を触媒としてエチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して得ら
れる直鎖状エチレン系共重合体である。
【0021】前記直鎖状エチレン系共重合体のコモノマ
ーとして用いられる炭素数3〜12のα−オレフィンと
しては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、ヘプテン−1、4−メチル−
ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジ
メチルペンテン−1等を挙げることができる。また、コ
モノマーは1種類に限られず、ターポリマーのように2
種類以上のα−オレフィンを用いて多元系共重合体とし
てもよい。特に好ましいものとしては、エチレン・ヘキ
セン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等
を挙げることができる。
【0022】前記直鎖状エチレン系共重合体の全構成単
位中におけるエチレンとα−オレフィンとの割合は、特
に限定されないが、好ましくはエチレンが72〜88重
量%、α−オレフィンが12〜28重量%である。な
お、これらの共重合比は13C−NMRによって測定され
たものである。
【0023】前記直鎖状エチレン系共重合体の製造に触
媒として用いられるメタロセン化合物(以下、単に「メ
タロセン触媒」ともいう)は、具体的には、以下に示す
成分a、成分b、及び必要に応じて用いられる成分cか
らなるものが挙げられる。
【0024】[成分a]成分aは、下記一般式(I)で
表される化合物である。
【0025】
【化1】 Q1(C54-a1 a)(C54-b2 b)MeX11 ・・・(I)
【0026】[ここで、Q1は二つの共役五員環配位子
を架橋する結合性基であり、炭素数1〜20の2価の炭
化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレ
ン基、又は炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲルミ
レン基を示す。Meはジルコニウム又はハフニウムを、
1及びY1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコ
キシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド基、トリフル
オロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭
化水素基又は炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を
示す。R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜2
0の炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、ケイ素含
有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素
基又はホウ素含有炭化水素基を示す。
【0027】また、隣接する2個のR1又はR2がそれぞ
れ結合して環を形成していても良い。a及びbは各々0
≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。但し、R
1及びR2を有する2個の五員環配位子は基Q1を介して
の相対位置の観点において、Meを含む平面に関して非
対称である。]
【0028】Q1は、上記したように、二つの共役五員
環配位子を架橋する結合性基であり、以下の(イ)、
(ロ)及び(ハ)で示される基から選ばれる。 (イ)炭素数1〜20、好ましくは1〜6の2価の炭化
水素基、さらに詳しくは、例えばアルキレン基、シクロ
アルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水素基、 (ロ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素
基を有するシリレン基、 (ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素
基を有するゲルミレン基。
【0029】なお、2価のQ1基の両結合手間の距離
は、その炭素数の如何に関わらず、Q1が鎖状の場合に
4原子程度以下、好ましくは3原子以下であることが、
1が環状基を有するものである場合は当該環状基+2
原子程度以下、就中当該環状基のみであることが、それ
ぞれ好ましい。
【0030】従って、アルキレンの場合はエチレン及び
イソプロピリデン(両結合手間の距離は2原子及び1原
子)が、シクロアルキレン基の場合はシクロヘキシレン
基(結合手間の距離がシクロヘキシレン基のみ)が、ア
ルキルシリレンの場合は、ジメチルシリレン基(結合手
間の距離が1原子)がそれぞれ好ましい。
【0031】Meは、ジルコニウム又はハフニウムであ
る。X1及びY1は、それぞれ独立に、すなわち相互に同
一でも異なっていてもよく、以下の(ニ)〜(ル)で示
される基から選ばれる。
【0032】(ニ)水素 (ホ)ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好まし
くは塩素) (ヘ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の炭
化水素基 (ト)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のア
ルコキシ基 (チ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のア
ルキルアミド基 (リ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のリ
ン含有炭化水素基 (ヌ)炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のケ
イ素含有炭化水素基 (ル)トリフルオロメタンスルホン酸基
【0033】また、R1及びR2は、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ
基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。ま
た、隣接する2個のR1又は2個のR2がそれぞれ結合し
て環を形成していてもよい。a及びbはそれぞれ0≦a
≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
【0034】具体的な例としては、特開平8−2087
33号公報に例示した化合物を挙げることができる。例
えばジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−
4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾイン
デニル)ジルコニウムジクロリド等を挙げることができ
る。これらの中でもジメチルシリレンビス(2−メチル
−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、又はジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを用いること
が好ましい。
【0035】[成分b]成分bは、アルミニウムオキシ
化合物(成分b−1)、ルイス酸(成分b−2)、及
び、成分aと反応して成分aをカチオンに変換すること
が可能なイオン性化合物(成分b−3)のうちから選ば
れる化合物である。
【0036】ここで、ルイス酸のあるものは、「成分a
と反応して成分aをカチオンに変換することが可能なイ
オン性化合物」として捉えることができる。従って、
「ルイス酸」及び「成分aと反応して成分aをカチオン
に変換することが可能なイオン性化合物」の両者に属す
る化合物は、いずれか一方に属するものと解釈するもの
とする。
【0037】成分b−1、成分b−2、成分b−3につ
いての具体的な化合物や製造法については、特開平6−
239914号公報及び特開平8−208733号公報
に例示された化合物や製造法を挙げることができる。
【0038】例えば、成分b−1としては、1種類のト
リアルキルアルミニウムと水から得られるメチルアルモ
キサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イ
ソブチルアルモキサン、2種類のトリアルキルアルミニ
ウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチ
ルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサ
ン、また、アルキルボロン酸としては、メチルボロン
酸、エチルボロン酸、ブチルボロン酸、イソブチルボロ
ン酸等を挙げることができる。
【0039】また、成分b−3としては、トリフェニル
カルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、さらに成分b−2としては、トリフェニルホウ
素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジ
メチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートを用いることが好ましい。
【0040】[成分c]成分cは有機アルミニウム化合
物であり、必要に応じて用いられる。好ましいものとし
ては、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられ、
これらの化合物は単独で又は複数種を組み合わせて使用
することができる。
【0041】
【化2】(AlR4 n3-nm ・・・(II)
【0042】[式中、R4は 炭素数1〜20、好まし
くは1〜10のアルキル基を示し、Xはハロゲン、水
素、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。nは1〜3、
好ましくは2〜3の整数、mは1〜2、好ましくは1で
ある。]
【0043】具体的な化合物としては、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロ
ピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルア
ルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリ
ノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモ
ノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウム
エトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジ
イソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミ
ニウムクロライド等を挙げることができる。これらの中
で、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミ
ニウム及びジアルキルアルミニウムヒドリドである。さ
らに好ましくは、R4が炭素数1〜8であるトリアルキ
ルアルミニウムである。
【0044】[触媒の調製]本発明の直鎖状エチレン系
共重合体の製造に用いられるメタロセン触媒は、前記成
分a、成分b及び必要に応じて用いられる成分cを、重
合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマー
の存在下あるいは不存在下に接触させることにより調製
することができる。
【0045】上記メタロセン触媒は微粒子状の固体を担
体として用い、固体状触媒として使用することも可能で
ある。微粒子状の固体としては、無機化合物としてはシ
リカ、アルミナ等の無機の多孔質酸化物、有機化合物と
してはエチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレ
フィン、又はスチレンを主成分として生成される重合体
もしくは共重合体等を挙げることができる。
【0046】上記メタロセン触媒は、オレフィンの存在
下で予備重合を行ったものであってもよい。予備重合に
用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、3−メチル−ブテン−1、スチレン、
ジビニルベンゼン等が用いられるが、これらと他のオレ
フィンの混合物であってもよい。
【0047】上記メタロセン触媒の調製において使用さ
れる成分a、成分b、成分cの割合は任意であるが、一
般的に成分bとして何を選択するかで好ましい使用量の
範囲が異なる。
【0048】成分bとして成分b−1を使用する場合、
成分b−1のアルミニウムオキシ化合物中のアルミニウ
ム原子と成分a中の遷移金属の原子比(Al/Me)は
1〜100000、さらに10〜10000、特に50
〜5000の範囲内とするのが好ましい。
【0049】成分bとして成分b−2のルイス酸や成分
b−3のイオン性化合物を使用する場合は、成分a中の
遷移金属と成分b−2又は成分b−3のモル比が0.1
〜1000、さらに0.5〜100、特に1〜50の範
囲で使用するのが好ましい。
【0050】成分cの有機アルミニウム化合物を使用す
る場合は、その使用量は、成分aに対するモル比で10
5以下、さらに104以下、特に103以下の範囲とする
のが好ましい。
【0051】[重合]上記メタロセン触媒を用いた直鎖
状エチレン系共重合体の製造は、該触媒の存在下にエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを混合接触さ
せることにより行われる。反応系中の各モノマーの量比
は経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の
混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマ
ーの混合比を経時的に変化させることも可能である。ま
た、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割
添加することもできる。
【0052】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触する方法であれば、あらゆる様式を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、バルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を
用いず各モノマーをガス状に保つ気相法等を採用するこ
とができる。
【0053】また、連続重合、回分式重合にも適用され
る。スラリー重合の場合には、重合溶媒としてヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独ある
いは混合物を用いることができる。
【0054】重合時条件としては重合温度が−78℃〜
160℃、好ましくは0℃〜150℃であり、そのとき
の分子量調節剤として補助的に水素を用いることができ
る。また、重合圧力は0〜90kg/cm2・G、好ま
しくは0〜60kg/cm2・G、特に好ましくは1〜
50kg/cm2・Gが適当である。
【0055】このようにして得られる本発明の直鎖状エ
チレン系共重合体の密度は0.880〜0.910g/
cm3、好ましくは0.880〜0.900g/cm3
ある。密度が上記範囲未満ではブロッキング性の点で好
ましくない。また、密度が上記範囲を超えると夾雑物シ
ール性の点で好ましくない。
【0056】また、前記直鎖状エチレン系共重合体のM
FR(メルトフローレート;溶融流量)は1〜100g
/10分、好ましくは5〜50g/10分である。MF
Rが上記範囲未満では押出時にモーターの負荷がかかり
すぎるので好ましくない。また、MFRが上記範囲を超
えると加工時のネックインが大きくなるので好ましくな
い。なお、この場合のMFRはJIS−K7210(1
90℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値であ
る。
【0057】(ii)成分(B) 本発明の成分(B)はエチレン系樹脂であり、その密度
は0.910〜0.940g/cm3、好ましくは0.
911〜0.921g/cm3である。密度が上記範囲
を超えるとシール性の点で好ましくない。
【0058】また、前記エチレン系樹脂のMFRは1〜
50g/10分、好ましくは1〜10g/10分であ
る。MFRが上記範囲未満では押出時にモーターの負荷
がかかりすぎるので好ましくない。また、MFRが上記
範囲を超えると加工時のネックインが大きくなるので好
ましくない。なお、このMFRは成分(A)の場合と同
様に、JIS−K7210(190℃、2.16kg荷
重)に準拠して測定した値である。
【0059】このようなエチレン系樹脂としては、高圧
法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0060】(iii)成分(C) 本発明の成分(C)は、粘着性付与樹脂である。粘着性
付与樹脂とは、樹脂組成物に粘着性(接着性)を付与し
得る樹脂一般をいう。本発明で用いられる粘着性付与樹
脂としては、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系、クロ
マン樹脂系のもの等が挙げられる。
【0061】ロジン系の粘着性付与樹脂としては、ガム
ロジン、ウッドロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水
添ロジン、二量化ロジン等が挙げられ、さらにこれら各
種ロジンとペンタエリスリトール、グリセリン、ジエチ
レングリコール等とのエステル、ロジンフェノール樹脂
なども例示される。
【0062】テルペン系の粘着性付与樹脂としては、テ
ルペン樹脂、テルペンとスチレンとの共重合体、テルペ
ンとα−メチルスチレンとの共重合体、テルペンとフェ
ノールとの共重合体及びこれらの水添物などが例示され
る。
【0063】石油樹脂系の粘着性付与樹脂としては、脂
肪族石油樹脂(イソブチレン、ブタジエン、1,3−ペ
ンタジエン、イソプレン、ピペリジンなどのC4〜C5
ノ又はジオレフィンを主成分とする重合体等)、脂環族
石油樹脂(スペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化
2量体化後重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核
内水添した樹脂等)、芳香族石油樹脂(ビニルトルエ
ン、インデン、α−メチルスチレンなどのC9〜C10
ビニル芳香族炭化水素を主成分とした樹脂等)、脂肪族
−芳香族共重合体等の石油樹脂及びこれらの水添物など
が例示される。
【0064】クロマン樹脂系の粘着性付与樹脂として
は、クロマン樹脂、クロマン−インデン樹脂等が挙げら
れる。また、上記以外に、キシレン樹脂、スチレン系樹
脂等も粘着性付与樹脂として使用することができる。
【0065】上記粘着性付与樹脂は各々単独で用いても
良く、また種類や軟化点の異なるものを2種以上併用し
てもよい。これらの粘着性付与樹脂は、液状ロジン樹
脂、液状テルペン樹脂等の液状の粘着樹脂であってもよ
い。さらに、上記粘着性付与樹脂は無水マレイン酸、マ
レイン酸エステルなどでグラフト変性したものであって
もよい。
【0066】上記粘着性付与樹脂としては、環球法軟化
点(測定法:JAI−7−1991に準拠)が30〜1
60℃のものが好ましく、より好ましくは環球法軟化点
が60〜140℃のものである。また、常温で液状のも
のは単独で使用すると接着剤の凝集力を低くしすぎる場
合があるが、常温で固形のものと併用することにより使
用することができる。
【0067】(iv)成分(D) 本発明の成分(D)は、ワックス成分である。ワックス
成分としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワック
ス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
及びこれらを酸化分解して得られる酸化ワックス、並び
に前記ワックス類にマレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和(無水)カ
ルボン酸をグラフトした酸変性ワックスなどが挙げられ
る。上記各種ワックス成分は、各々単独で用いても良
く、また種類等の異なるものを2種以上併用してもよ
い。
【0068】なお、極性基含有ワックスを用いる場合
は、上記粘着性付与樹脂又は上記ワックス成分のうち極
性基を含まないものと混合して用いるのが好ましい。そ
の場合、その混合比は、粘着性付与樹脂又は極性基を含
まないワックス成分に対する重量比で50重量%以下で
あることが好ましい。混合比が50重量%より多いと、
樹脂組成物としたときに熱安定性や接着強度が低下する
傾向にあるので好ましくない。
【0069】(v)樹脂組成物 本発明で用いられる樹脂組成物としては、成分(A)、
(B)、及び(C)からなる組成物I、成分(A)、
(B)、及び(D)からなる組成物II、成分(A)、
(B)、(C)及び(D)からなる組成物IIIがある。
【0070】組成物I:本発明の組成物Iは、上記成分
(A)を30〜99重量%、好ましくは55〜94重量
%含有し、成分(B)を60〜0重量%、好ましくは4
0〜5重量%含有し、成分(C)を10〜1重量%、好
ましくは5〜1重量%含有するものである。
【0071】成分(A)の含有量が30重量%未満で
は、シール性の点で好ましくなく、99重量%を超える
と加工性の点で好ましくない。成分(B)は任意成分で
あり、樹脂組成物に必ずしも含まれていなくてもよい
が、該成分(B)を配合することによって加工性が向上
し、特にネックインが小さくなるという利点が得られ
る。一方、この含有量が60重量%を超えるとシール性
の点で好ましくない。
【0072】成分(C)である粘着性付与樹脂の含有量
は、10重量%を超えると樹脂組成物全体の溶融粘度が
小さくなり、押出ラミネート成形における加工性が悪化
し、さらに樹脂組成物中の熱安定性、耐ブロッキング性
が悪化したり、袋での耐圧強度が低くなるので好ましく
ない。また1重量%より少ないと夾雑物シール性の点か
ら好ましくない。
【0073】組成物II:本発明の組成物IIは、上記成分
(A)を30〜99重量%、好ましくは55〜94重量
%含有し、成分(B)を60〜0重量%、好ましくは4
0〜5重量%含有し、成分(D)を10〜1重量%、好
ましくは5〜1重量%含有するものである。
【0074】成分(A)の含有量が30重量%未満で
は、シール性の点で好ましくなく、99重量%を超える
と加工性の点で好ましくない。成分(B)は組成物Iの
場合と同様に任意成分であるが、該成分(B)を配合す
ることによって加工性が向上し、特にネックインが小さ
くなるという利点が得られる。一方、この含有量が60
重量%を超えるとシール性の点で好ましくない。
【0075】成分(D)であるワックス成分の含有量
は、10重量%を超えると、樹脂組成物全体の溶融粘度
が小さくなり、押出ラミネート成形における加工性が悪
化し、さらに樹脂組成物中の熱安定性、耐ブロッキング
性が悪化したり、袋での耐圧強度が低くなるので好まし
くない。また1重量%より少ないと夾雑物シール性の点
から好ましくない。
【0076】組成物III:本発明の組成物Iは、上記成
分(A)を20〜98重量%、好ましくは50〜93重
量%含有し、成分(B)を60〜0重量%、好ましくは
40〜5重量%含有し、成分(C)を10〜1重量%、
好ましくは5〜1重量%含有し、成分(D)を10〜1
重量%、好ましくは5〜1重量%含有するものである。
【0077】成分(A)の含有量が20重量%未満で
は、シール性の点で好ましくなく、98重量%を超える
と加工性の点で好ましくない。成分(B)は任意成分で
あるが、該成分(B)を配合することによって加工性が
向上し、特にネックインが小さくなるという利点が得ら
れる。一方、この含有量が60重量%を超えるとシール
性の点で好ましくない。
【0078】成分(C)及び成分(D)の含有量は、各
々10重量%を超えると樹脂組成物全体の溶融粘度が小
さくなり、押出ラミネート成形における加工性が悪化
し、さらに樹脂組成物中の熱安定性、耐ブロッキング性
が悪化したり、袋の耐圧強度が低下するので好ましくな
い。また1重量%より少ないと夾雑物シール性の点から
好ましくない。
【0079】その他の添加成分:本発明の樹脂組成物
(組成物I〜III)には、上記成分(A)〜(D)に加
え、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通
常用いられる樹脂添加剤等を付加的成分として添加する
ことができる。該付加的成分としては、通常のポリオレ
フィン樹脂用配合剤として使用される核剤、フェノール
系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、
中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、
金属不活性剤、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤等をが
挙げることができる。これらの付加的成分の配合量は、
樹脂組成物全体に対し、一般に0.001〜1重量%、
より好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0080】(vi)樹脂組成物の調製 本発明で用いられる樹脂組成物(組成物I〜III)は、
通常、上記成分(A)〜(D)のうちの必要な成分に、
さらに他の付加的成分を必要に応じて配合し、混合、溶
融、混練することにより製造することができる。
【0081】混合、溶融、混練は、通常、ヘンシェルミ
キサー、スーパーミキサー、V−ブレンダー、タンブラ
ーミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、
ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の混練押出機等にて
実施することができる、これらの中でも一軸又は二軸の
混練押出機により混合或いは溶融混練を行うことが好ま
しい。
【0082】(3)中間層 本発明の積層フィルムには、上述した基材層とシーラン
ト層との間に、さらに必要に応じて種々の中間層を設け
ることができる。中間層の材質としては、エチレン・α
−オレフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレン等を
挙げることができる。
【0083】またそのほかに、積層フィルムに各種の機
能を付与するために通常設けられる種々の層を必要に応
じて設けることができる。これらの例としては、接着
層、ガスバリヤー層等を挙げることができる。
【0084】(4)積層フィルム 本発明の積層フィルムは、上記基材層及びシーラント層
並びに必要に応じて設けられる中間層を構成層として有
する。
【0085】積層フィルム全体の厚み及び各層の厚み並
びに厚み比については特に制限はなく、内容物や用途等
に応じて適宜決定すればよいが、具体的には、積層フィ
ルム全体の厚みは40〜120μm、基材層の厚みは1
0〜40μm、シーラント層の厚みは10〜40μm程
度が好ましい。中間層を設ける場合は、該中間層の厚み
は20〜40μm程度が好ましい。
【0086】積層フィルムの製造方法については特に制
限はなく、例えば従来の多層フィルムの成形方法に従っ
て、各層をあらかじめ別々にフィルム状に形成してその
後それらを接着させて積層する方法、押出法によって各
層の形成および積層を同一工程で行う方法等が挙げられ
る。
【0087】各層を別個にフィルム状に形成した後接着
させる方法の場合、フィルムの製造は、空冷インフレー
ション成形法、空冷2段冷却インフレーション成形法、
Tダイフィルム成形法、水冷インフレーション成形法等
を採用することができる。
【0088】また、押出法の場合は、押出ラミネート
法、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、
共押出法(接着層を設けない共押出、接着層を設ける共
押出、接着樹脂を配合する共押出等を含む)等の方法が
ある。
【0089】また、積層の際は、フィルム表面の接着性
をよくするために、予め基材上にコロナ放電処理、オゾ
ン処理、フレーム処理等の表面処理を行うことができ
る。さらに、接着性増強等のために、予め基材上にアン
カーコート剤を塗布してから積層するのが好ましい。ア
ンカーコート剤としては、イソシアネート系、ポリエチ
レンイミン系、ポリブタジエン系等のものが挙げられ
る。
【0090】このようにして得られる本発明の積層フィ
ルムは、種々の包装材、例えば食品包装材、医療用包装
材、エンジンオイルなどの工業材料包装材等として用い
ることができる。特に、繊維、粉体等の固形状の不溶物
を含む液体、粘体等の流体を内容物として収容するため
の包装材として好適に用いられる。
【0091】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、以下の実施例及び比較例における各
物性の測定及び評価は以下に示す方法によって実施し
た。
【0092】(1)MFRの測定 JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に
準拠して測定した。
【0093】(2)積層フィルムの加工性評価 積層フィルム成形時の加工性を、以下の基準で離ロール
性を判定することにより評価した。 ○:離ロール性が良好。 △:離ロール性が若干悪い。 ×:離ロール性が悪く、加工速度が上げられず生産に支
障を与える。
【0094】(3)積層フィルムへの充填方法 図1に示す公知のダイロール方式の自動充填包装機を用
いて、積層フィルムより三方シール袋を形成した。すな
わち、積層フィルム1のシーラント層(C)側を上側
に、基材(A)が下側になるように積層フィルム1をガ
イドロール2に供給し、リード3により積層フィルム1
を二つ折りした。この二つ折りした積層フィルム間に内
容物を充填し、縦シールロール4で二つ折りした積層フ
ィルムの左端の縦方向をヒートシールした。次いで、横
シールした後、内容物を一定量充填されたら横シールロ
ール5で横方向にヒートシールし、前記横方向のヒート
シール部6をナイフ7でカッティングし、内容物が充填
された三方シール袋8を製造した。
【0095】(4)充填速度及びシール性の評価 粘性体自動充填包装機(小松製作所製、MODEL・K
MW313)を用いて、次の条件で粘性体を充填し、充
填速度、袋の耐圧強度、及び経時液漏れ性を評価した。
【0096】[充填条件] シール温度:(縦)210℃、(横)1;160℃、
2;160℃ 包装形態:三方シール 袋寸法:(内寸)縦47mm×横24mm、(外寸)縦
60mm×横32.5mm 充填物:おろししょうが(長繊維入り) 充填量:約6cc
【0097】[最高充填速度の判定基準]種々の充填速
度で充填を行い、充填後の袋の特に縦シール部におい
て、以下に示す不具合の少なくともいずれかが発生した
ときの充填速度を、その積層フィルムの最高充填速度と
した。 (a)シワ及び気泡がある。 (b)一部剥離(シール不良)がある。 (c)波がある。 (d)液漏れがある。
【0098】[耐圧強度の判定基準]前記基準で決定さ
れた最高充填速度で充填した袋を、耐圧テスター(小松
製作所製)にて100kg荷重で3分間保持し、以下に
示す3段階で評価した。 ○;液漏れ、破袋、及びシール部剥離なし。 △;シール部剥離発生。 ×;液漏れ、破袋あり。
【0099】[経時液漏れ性の判定基準]最高充填速度
で充填した袋を500個作成した袋をポリエチレン袋に
入れ、ヒートシールにて密閉し3日間放置した後、開封
して液漏れ袋の個数を計測し、経時による液漏れを評価
した。
【0100】
【実施例1】厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
(ONY)基材に、イソシアネート系アンカーコート剤
(日本曹達(株)製、チタボンドT−120)溶液を塗
布し、温度80℃で3秒間乾燥した面に、共押出ラミネ
ーターのTダイから、以下に示す中間層とシーラント層
とを共押出し、基材層/中間層/シーラント層の3層か
らなる積層フィルムを成形した。
【0101】(中間層)触媒としてメタロセン化合物を
用いて得られたエチレン・ヘキセン−1共重合体(日本
ポリケム(株)製、商品名「カーネルKC581」(カ
ーネルは登録商標)。MFR;11g/10分、密度;
0.920g/cm3)を樹脂温度290℃、幅560
mm、厚み30μmとなるように押出した。
【0102】(シーラント層)以下に示す成分(A)、
(B)及び(C)の混合物を二軸押出機にて溶融混練
し、ペレット化して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物を樹脂温度280℃、幅560mm、厚み15μm
となるように押出した。
【0103】(A)直鎖状エチレン系共重合体として、
メタロセン触媒を用いて得られたエチレン・ブテン−1
共重合体(MFR;32g/10分、密度;0.88g
/cm 3、ブテン含量;23重量%):75重量% (B)エチレン系樹脂として、低密度ポリエチレン「ノ
バテックLC600A」(日本ポリケム(株)製、MF
R;7g/10分、密度;0.919g/cm3、ノバ
テックは登録商標):20重量% (C)粘着性付与樹脂として、水添テルペン樹脂である
商品名「クリアロンP−125」(ヤスハラケミカル
(株)製、GPC法による分子量;700):5重量%
【0104】なお、この成形におけるエアーギャップは
120mmで、ラミネート速度は100m/分とした。
また、共押出溶融膜の基材面側にはオゾン処理を行っ
た。さらに成形後12時間以内に、温度40℃、湿度1
0%以下の乾燥機中に24時間保管し、これをエージン
グ処理として目的の積層フィルムを得た。
【0105】
【比較例1】実施例1において、シーラント層を構成す
る樹脂組成物を、以下に示す成分(A)と(B)との混
合物を用いて調製した他は、実施例1と同様にして積層
フィルムを得た。
【0106】(A)メタロセン触媒を用いて得られたエ
チレン・ブテン−1共重合体(MFR;32g/10
分、密度;0.88g/cm3、ブテン含量;23重量
%):80重量% (B)低密度ポリエチレン「ノバテックLC600A」
(日本ポリケム(株)製、MFR;7g/10分、密
度;0.919g/cm3):20重量%
【0107】
【実施例2】実施例1において、シーラント層を構成す
る樹脂組成物を、以下に示す成分(A)、(B)及び
(D)の混合物を用いて調製した他は、実施例1と同様
にして積層フィルムを得た。
【0108】(A)メタロセン触媒を用いて得られたエ
チレン・ブテン−1共重合体(MFR;32g/10
分、密度;0.88g/cm3、ブテン含量;23重量
%):75重量% (B)低密度ポリエチレン「ノバテックLC600A」
(日本ポリケム(株)製、MFR;7g/10分、密
度;0.919g/cm3):20重量% (D)ワックス成分として、低分子量ポリエチレンであ
る商品名「サンワックス165」(三洋化成工業(株)
製、GPC法による分子量;5000):5重量%
【0109】
【実施例3】実施例1において、シーラント層を構成す
る樹脂組成物を、以下に示す成分(A)、(B)、
(C)及び(D)の混合物を用いて調製した他は、実施
例1と同様にして積層フィルムを得た。
【0110】(A)メタロセン触媒を用いて得られたエ
チレン・ブテン−1共重合体(MFR;32g/10
分、密度;0.88g/cm3、ブテン含量;23重量
%):70重量% (B)低密度ポリエチレン「ノバテックLC600A」
(日本ポリケム(株)製、MFR;7g/10分、密
度;0.919g/cm3):20重量% (C)水添テルペン樹脂「クリアロンP−125」(ヤ
スハラケミカル(株)製、粘着性付与樹脂):5重量% (D)ワックス成分「サンワックス165」(三洋化成
工業(株)製):5重量%
【0111】
【実施例4】実施例3において、成分(D)のワックス
成分として、商品名「ユーメックス2000」(三洋化
成工業(株)製、マレイン酸変性ポリエチレン(変性度
5%))5重量%に変更した他は、実施例3と全く同様
にして積層フィルムを得た。
【0112】
【比較例2】実施例1において、(A)成分量を55重
量%、(C)成分量を25重量%に変更した他は、実施
例1と全く同様にして積層フィルムを得た。
【0113】
【表1】
【0114】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、離ロール性が
良好で加工性に優れている。また、本発明のシーラント
層を用いれば、シール時に内容物がシール部に夾雑シー
ルされても漏れのないようシールされるため、高速充填
が可能で不良率が少ない。よって、特に繊維、粉体等の
固形状の不溶物を含む液体、粘体等の流体を内容物とす
る包装材として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイロール方式の自動充填包装機を用いて三方
ヒートシール袋を製造する工程を示すフローシート図で
ある。
【符号の説明】
1.積層樹脂フィルム 2.ロール 3.リード 4.縦シールロール 5.横シールロール 6.シール部 7.ナイフ 8.三方シール袋
フロントページの続き (72)発明者 山下 隆 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内 Fターム(参考) 4F100 AJ01 AJ11B AK01B AK04B AK06 AK48 AK51G AK62B AK63B AK65 AL05B AT00A BA02 BA15 BA28 CB01 EC18B GB15 JA06B JA13B JL00 JL01 JL11 YY00B 4J040 BA182 BA202 DA021 DA022 DA031 DA032 DA041 DA042 DA051 DA052 DA121 DA122 DE031 DE032 DK012 DN032 DN072 EL012 KA26 LA04 LA06 LA08 LA11 MA02 MA10 MA11 MB03 NA06 NA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材層とシーラント層とから
    構成され、前記シーラント層が以下に示す成分(A)、
    (B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなることを
    特徴とする、包装用積層フィルム。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
    度が0.880〜0.910g/cm3、MFRが1〜
    100g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;30〜
    99重量% (B)密度が0.910〜0.940g/cm3、MF
    Rが1〜50g/10分のエチレン系樹脂;60〜0重
    量% (C)粘着性付与樹脂;10〜1重量%
  2. 【請求項2】 少なくとも基材層とシーラント層とから
    構成され、前記シーラント層が以下に示す成分(A)、
    (B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなることを
    特徴とする、包装用積層フィルム。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
    度が0.880〜0.910g/cm3、MFRが1〜
    100g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;30〜
    99重量% (B)密度が0.910〜0.940g/cm3、MF
    Rが1〜50g/10分のエチレン系樹脂;60〜0重
    量% (D)ワックス成分;10〜1重量%
  3. 【請求項3】 少なくとも基材層とシーラント層とから
    構成され、前記シーラント層が以下に示す成分(A)、
    (B)及び(C)を含有する樹脂組成物からなることを
    特徴とする、包装用積層フィルム。 (A)メタロセン化合物を触媒としてエチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる、密
    度が0.880〜0.910g/cm3、MFRが1〜
    100g/10分の直鎖状エチレン系共重合体;20〜
    98重量% (B)密度が0.910〜0.940g/cm3、MF
    Rが1〜50g/10分のエチレン系樹脂;60〜0重
    量% (C)粘着性付与樹脂;10〜1重量% (D)ワックス成分;10〜1重量%
JP23923598A 1998-08-25 1998-08-25 包装用積層フィルム Pending JP2000062116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23923598A JP2000062116A (ja) 1998-08-25 1998-08-25 包装用積層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23923598A JP2000062116A (ja) 1998-08-25 1998-08-25 包装用積層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000062116A true JP2000062116A (ja) 2000-02-29

Family

ID=17041764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23923598A Pending JP2000062116A (ja) 1998-08-25 1998-08-25 包装用積層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000062116A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000062115A (ja) * 1998-08-25 2000-02-29 Japan Polychem Corp 積層体
WO2005010979A1 (ja) * 2003-07-29 2005-02-03 Tokyo Electron Limited 貼合わせ方法および貼合わせ装置
JP2011005809A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Tosoh Corp 液体包装用ラミネートフィルム
WO2021033533A1 (ja) * 2019-08-21 2021-02-25 株式会社悠心 積層プラスチックフィルム、積層プラスチックフィルムからなる包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体
JP2021035757A (ja) * 2019-08-21 2021-03-04 株式会社悠心 包装用積層フィルム、包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体
JPWO2020196673A1 (ja) * 2019-03-28 2021-11-18 三井・ダウポリケミカル株式会社 シーラント用樹脂組成物、積層体、包装材及び包装容器
JP2021192971A (ja) * 2020-06-08 2021-12-23 株式会社悠心 プラスチック製包装袋内への固形物含有被包装物の充填包装方法
JP2022021207A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 株式会社悠心 積層プラスチックフィルムからなる包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000062115A (ja) * 1998-08-25 2000-02-29 Japan Polychem Corp 積層体
WO2005010979A1 (ja) * 2003-07-29 2005-02-03 Tokyo Electron Limited 貼合わせ方法および貼合わせ装置
CN100433287C (zh) * 2003-07-29 2008-11-12 东京毅力科创株式会社 粘合方法及粘合装置
JP2011005809A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Tosoh Corp 液体包装用ラミネートフィルム
JPWO2020196673A1 (ja) * 2019-03-28 2021-11-18 三井・ダウポリケミカル株式会社 シーラント用樹脂組成物、積層体、包装材及び包装容器
WO2021033533A1 (ja) * 2019-08-21 2021-02-25 株式会社悠心 積層プラスチックフィルム、積層プラスチックフィルムからなる包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体
JP2021035757A (ja) * 2019-08-21 2021-03-04 株式会社悠心 包装用積層フィルム、包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体
JP2021192971A (ja) * 2020-06-08 2021-12-23 株式会社悠心 プラスチック製包装袋内への固形物含有被包装物の充填包装方法
JP2022021207A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 株式会社悠心 積層プラスチックフィルムからなる包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6492475B1 (en) Ethylene/α-olefin copolymer
JP5830860B2 (ja) 包装材料およびそれを用いた液体包装袋
JP5719558B2 (ja) 包装材料およびそれを用いた液体包装袋
KR20070112146A (ko) 에틸렌 공중합체 조성물 및 이를 사용한 개봉 용이성 시일재료
CA2267015A1 (en) Laminated film
JP6565646B2 (ja) 耐熱性及び耐突き刺し性を有する易引裂性フィルム及び包装材
US9447267B2 (en) Modified polypropylene composition and laminate using the same
JP4163112B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂材料およびそれを用いた積層体ならびにその製造方法、それらの成形体
JP2000062116A (ja) 包装用積層フィルム
JP5830859B2 (ja) 包装材料およびそれを用いた液体包装袋
TWI613243B (zh) 丙烯系樹脂組成物及其薄膜
JP4149577B2 (ja) 積層体
JP3634022B2 (ja) フィルムおよびシーラント
JPH1080988A (ja) バリヤー性積層体
JP6398841B2 (ja) 包装用フィルム
JP4438108B2 (ja) エチレン重合体組成物及びそれを用いた易開封性シール材料
JP4034598B2 (ja) プロピレン系樹脂積層体
JP4808323B2 (ja) クリーンな押出積層体の製造方法
JP2000062117A (ja) 積層フィルム
JP2000053821A (ja) 極性基含有樹脂材料およびこれを用いた積層体
JPH1080986A (ja) 液体包装用積層体
JPH11333980A (ja) 積層フィルム
JP2002136308A (ja) 咬合具及び咬合具付き包装袋
JPH11152375A (ja) 易開封性エチレン系樹脂組成物
JP2003175576A (ja) 包装材料およびその製造方法