JP2021035757A - 包装用積層フィルム、包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体 - Google Patents

包装用積層フィルム、包装袋内への被包装物の充填包装方法および包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】広い温度範囲かつ広い運転速度範囲でヒートシールすることができる包装用積層フィルム、それを用いた被包装物の充填包装方法および包装体を提案する。【解決手段】本発明に係る包装用積層フィルムは、基本的に、シーラント層(A)と基材層(B)とを有する積層体からなるものであって、複層のシーラント層の総厚、各シーラント層の厚み、ならびに主たる構成物の密度およびDSCで求めた融解ピーク温度とピークの半値全幅を特定して積層したものである。この包装用積層フィルムを用いて、固形物を含む被包装物を充填包装するに当たり、一対のシールロールどうしによるヒートシールを強加圧下で行うことにより、そのシール位置に残留する固形物を粉砕すると同時に、粉砕された固形物どうしの隙間および固形物に発生した割れ目内に、軟化−溶融した積層フィルムのシーラント層樹脂を含浸させる粉砕含浸処理を施してシール部を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシールによって被包装物を充填するときの他、とくには固形物を含む液状物を液中シール充填するときに好適に用いられる包装用積層フィルムと、この積層フィルムを用いた包装袋内への被包装物の充填包装方法と包装体に関する。
被包装物、特に液状物とりわけ固形物を含む被包装物を充填包装してなるプラスチック製の積層フィルムからなる包装袋については、袋内に被包装物と共に外気(空気)や塵埃等が封入されると、袋内の被包装物が酸化や香りの希釈を招いて食味が低下したり、袋内で菌類が繁殖等したりするおそれがある。そのため、液状の被包装物を包装袋内へ空気等を封入させることなく充填する方法として、特許文献1に記載のように、包装袋内に被包装物を充填しながら、横方向のシールロールにより余分の被包装物を絞り出し、該絞り出し位置に横シールを施して封止する方法(以下、「液中シール方法」という。)が用いられている。また、この液中シール方法を利用した充填包装機については、種々のものが開発され、広く採用されている(特許文献1等)。
また、特許文献2には、固形物等の夾雑物を含むものや、シーリング材や接着剤等の高粘性材料など、ヒートシール部分に介在することとなる被包装物の種類に関係なく、液中シールすることのできる積層フィルム(ラミネートフィルム)として、少なくともベースフィルム層とシーラント層とを具え、該シーラント層は、最外層となる高流動性熱可塑性樹脂フィルム層と、該高流動性熱可塑性樹脂フィルム層の前記ベースフィルム層側に位置する内側に積層された低流動性熱可塑性樹脂フィルム層とからなるものが開示されている。また、特許文献3には、エチレン系樹脂である中間層の両面に中間層より低密度のエチレン系樹脂を被覆したシール層を有する複合フィルムが開示されている。
特開2001−151208号公報 特開2019− 38603号公報 特開平10−278196号公報
しかしながら、前記従来の技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。特許文献1や2に記載の技術では、水等の液体の充填物を絞りながらヒートシールする場合に高温域で発泡によるシール不良が発生し、特に高速運転時に、管理温度を狭く管理しなければならず、製造効率に劣る問題があった。また、特許文献3に記載のフィルムを用いて高温高圧シールすると、ラミネート層と中間層に挟まれた、より低密度の樹脂が絞り出されてしまい、樹脂溜りを作って、シール不良の原因となることが問題となった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い温度範囲かつ広い運転速度範囲でヒートシールすることができる包装用積層フィルムの開発を基本として、その新規な積層フィルムを用いる包装袋内への被包装物の充填包装方法および前記積層フィルムの採用と前記充填包装方法との採用によって得られる包装体を提案することにある。
前記課題を解決し上記の目的を実現するため開発した本発明は、下記の要旨構成に示すとおりである。即ち、本発明は、第1に、少なくともシーラント層(A)と基材層(B)とを有する積層体からなる包装用積層フィルムであって、シーラント層(A)は、最も基材層(B)側にシーラント第1層(A1)を具え、最も被包装物側にシーラント第2層(A2)を具える少なくとも2層からなる、総厚tが25〜75μmのものであり、シーラント第1層(A1)は、主たる構成物としてポリエチレンを含み、
(a11)厚みtA1が15〜70μm、
(a12)主たる構成物の密度が0.925g/cm以上、
(a13)DSCで求めた主たる構成物の融解ピーク温度(Tm1)が120℃以上、その半値全幅(Fw1)が1.5℃以下、
のものであり、
シーラント第2層(A2)は、主たる構成物としてポリエチレンを含み、
(a21)厚みtA2が3〜15μmの範囲、
(a22)主たる構成物の密度が0.915g/cm以下、
(a23)DSCで求めた主たる構成物の融解ピーク温度(Tm2)が95〜105℃の範囲、その半値全幅(Fw2)が8〜15℃のものである、
ことを特徴とする包装用積層フィルムを提供する。
なお、本発明に係る包装用積層フィルムについては、
(1)前記シーラント第1層(A1)の厚みtA1と前記シーラント第2層(A2)の厚みtA2とが、0.10≦tA2/tA1≦0.75の関係にあること、
(2)前記シーラント第1層(A1)と前記基材層との間に、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、アルミニウム蒸着層、アルミナ蒸着層、シリカ蒸着層およびエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂層から選ばれた1以上を有すること、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
また、本発明は、第2に、シーラント層(A)と基材層(B)とを積層してなる前記包装用積層フィルムを、該シーラント層(A)どうしが対面するように重ね合わせて縦シールおよび横シールして形成される包装袋内に、被包装物を充填包装する際に、前記包装用積層フィルムの所定の位置を、対向配置された一対の縦・横シールロールによって挟持してヒートシールすることにより、対面する前記シーラント層(A)のうちのシーラント第2層(A2)を軟化−流動させると共に、その内側に位置するシーラント第1層(A1)どうしを融着接合させることを特徴とする包装袋内への被包装物の充填包装方法を提案する。
なお、本発明に係る包装袋内への被包装物の充填包装方法については、前記包装袋内に固形物を含む被包装物を充填するに際し、一対の横シールロールによる低速かつ高加圧下でのヒートシールによって、ヒートシール位置に残留する固形物を粉砕すると同時に、粉砕された固形物どうしの隙間および当該固形物に発生した割れ目内に、軟化−溶融した前記シーラント第1層(A1)の樹脂を含浸させる粉砕含浸処理を行うことがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
さらに、本発明は、第3に、いずれかの包装用積層フィルムを用いて形成された包装体を提供する。
なお、本発明に係る包装体については、ヒートシール位置に被包装物に含有される固形物が残留しているとき、この固形物は、粉砕されていると共に、その粉砕された固形物どうしの隙間および当該固形物に発生した割れ目内に、軟化−溶融した前記シーラント第1層(A1)の樹脂が含浸されてシール部内に介在していることがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明に係る包装用積層フィルムは、基本的に、シーラント層(A)と基材層(B)とを有する積層体からなるものであって、複層のシーラント層の総厚、各シーラント層の厚み、ならびに、主たる構成物の密度およびDSCで求めた融解ピーク温度とピークの半値全幅を特定して積層したものである。したがって、このような包装用積層フィルムを用いると、たとえばこれを液中シール充填に供する場合、広い温度範囲かつ広い運転速度範囲でヒートシールを行うことができ、とくに固形物を含む液状物からなる被包装物を液中シール充填するときに好適に用いることができる。
また、本発明によれば、シーラント第2層(A2)をシーラント第1層(A1)より薄くし、かつ、それらの積層比率を特定することにより、包装用積層フィルムとしての強度と、シール部のシール強度との両立や夾雑物の排除機能の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、シーラント層(A)どうしが対面するように重ね合わせて縦シール、横シールして形成される包装袋内に、被包装物を充填して包装する際に前記包装用積層フィルムの所定の位置を、対向配置された一対の縦・横シールロールによって挟持してヒートシールすることにより縦・横シール部を形成するにあたり、本発明の包装用積層フィルムを用いているので、効率よく包装袋内への被包装物の充填を行うことができる。加えて、包装袋内に充填する被包装物が固形物を含むとき、前記ヒートシールを、シール位置に残留する固形物を粉砕すると同時に、粉砕された固形物どうしの隙間および当該固形物に発生した割れ目内に、軟化−溶融した前記包装用積層フィルムのシーラント第1層(A1)の樹脂を含浸(含侵)させる粉砕含浸処理を施してシール部を形成することになるため、シール部の融着接合が固形物によって阻害されることがなく、隙間の発生や剥離等によってシール不良(液漏れ)を招くようなことがない。
また、本発明によれば、上記したように、シール部内に隙間や剥離等が発生することがないため、シール部内に被包装物の液体分や、固形物の粉砕によって発生する水分が残留しても、前記包装用積層フィルムの軟化−溶融したシーラント第1層(A1)の樹脂によって含浸されてシール部端面に漏れ出すことがなく、シール部端面における微生物の増殖が抑制されることになり、包装体の汚染リスクを低減することができる。
本発明に係る包装用積層フィルムの一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る包装用積層フィルムを用いた液中シール方法を説明する図である。 図2 の液中シール位置を拡大して示す図である。 縦型充填包装機の一例を示す図である。 (a)発明例の包装用積層フィルムEの示差走査熱量測定(DSC)曲線を示すグラフであり、(b)比較例の包装用積層フィルムRのDSC曲線を示すグラフである。 液中シール可能な範囲に与えるライン速度とヒートシール温度との影響を示すグラフであって、(a)発明例、および、(b)比較例を表す。
本発明の実施の形態について、始めに包装用積層フィルムの構成を図面の示すところに基づいて説明する。
図1は、本発明に係る包装用積層フィルムの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の包装用積層フィルム1は、基本的にシーラント層(A)と基材層(B)とを有する。シーラント層(A)は、基材層(B)側からシーラント第1層(A1)およびシーラント第2層(A2)を具えている。
本発明の包装用積層フィルム1は、液状物を、外気を取り込むことなく充填し、液中でヒートシールして包装体とする方法に用いて好適である。なお、本発明の包装用積層フィルム1は、液状物の他、粉状や粒状の被包装物の充填にも好適に利用することができる。
図2は、本発明のヒートシール方法の一例を示すものであり、以下、ヒートシール方法は、液中シール方法を代表例として図2に基づいて説明する。まず、シーラント第2層(A2)が対面するように1枚の包装用積層フィルムを中央位置において半折りにするか、または包装用積層フィルム1を二枚重ねにして、該包装用積層フィルム1の側縁部を縦シールロール(図示しない)によって連続的に縦方向にヒートシールして筒状とする。
この筒状の包装用積層フィルム1を、全幅にわたって一対のヒートシールロール5a、5bによって挟み込み、例えば、タンクからポンプおよび供給路を介して被包装物(液状物)を、充填ノズル6から所定量ずつ充填しながら、一対のヒートシールロール5a、5bによって加熱、加圧する。なお、図2のヒートシールロール5a 、5bは、包装袋のピッチなどに合わせて所要の間隔で設けられた、該ヒートシールロール5a、5bの周面から突出する複数のシールバー7(図では4本)を有する。各ヒートシールロール5a、5bの対面するシールバー7どうしは、ヒートシールロール5a、5bの回転と共に、重なり合う包装用積層フィルム1どうしを挟み付けるように圧接し、その圧接部分にヒートシール部8を形成することで、被包装物(液状物)を気密下に包装してなる包装体9が形成される。
ここで、重なり合う包装用積層フィルム1を、上記したようにシールバー7によって両側面から挟持して加熱、加圧すると、内表面側に位置するシーラント第2層(A2)は、軟化すると同時に流動し、図3に拡大して示すように、包装用積層フィルム1(シーラント第2層(A2))の表面およびその近傍に介在する被包装物(液状物)と共に、ヒートシールロール5a、5bの回転に伴ってシールバー7の主に上方へと押し退けられて土手状の樹脂溜り10を形成することになる。その結果、シーラント第2層(A2)の押し退け位置では、シーラント第2層(A2)の内側に位置するヒートシール阻害物質(液状物)の付着していないシーラント第1層(A1)が露出して新生面となり、該露出したシーラント第1層(A1)どうしが、該液状物が付着介在しない状態で融着接合(ヒートシール部8が形成)することになる。
したがって、この液中シール方法によれば、たとえ液状物中に固形物(ヒートシール阻害物質)が含まれていたとしても、該固形物は、シーラント第2層(A2)と共に、ヒートシール部8の上方へと押し出されることになるため、ヒートシール部8内に固形物や液状物が噛み込むおそれがない。また、液状物がシリコーン等の耐熱性を有する高粘性の材料からなる場合にも、包装用積層フィルム1のヒートシール位置に付着した液状物は、シーラント第2層(A2)と共に、押し出されることになる。
その結果、ヒートシール箇所に液状物等が介在する場合であっても、ヒートシールが阻害されるようなことがなく、露出しているシーラント第1層(A1)どうしを高いヒートシール強度で融着接合させることができるようになる。
以下、本発明の包装用積層フィルム1の構成について、説明する。
本発明の包装用積層フィルム1は、基本的にシーラント層(A)と基材層(B)とを有し、シーラント層(A)は、最も基材層(B)側にシーラント第1層(A1)を具え、最も被包装物側にシーラント第2層(A2)を具えている。シーラント層(A)は、総厚tが25〜75μmの範囲にある必要がある。総厚tが25μm未満であると、上記のようにヒートシールによって包装体とした際に、ヒートシール部が十分な破袋強度を得られなくなるおそれがある。一方、75μmを超えると強度は増すものの、コストの増加が問題となるほか、折り返して包装体とした場合、折り返し端において、外側となる基材層(B)に過剰な引張応力がかかり、破断するおそれがある。
シーラント第1層(A1)は、ヒートシール部の強度を担保するため、主たる構成物としてポリエチレンからなり、下記の特性を有するものである。
(a11)厚みtA1が15〜70μmの範囲にあること。
(a12)主たる構成物の密度が0.925g/cm以上であること。
(a13)DSCで求めた主たる構成物の融解ピーク温度(Tm1)が120℃以上であり、その半値全幅(Fw1)が1.5℃以下であること。
シーラント第1層(A1)の厚みtA1が、下限未満では、ヒートシールによって、包装体とした際にヒートシール部が十分な破袋強度を得られなくなるおそれがある。一方、上限超えでは、コスト増となるほか、折り返して包装体とした場合、折り返し端において、外側となる基材層(B)に過剰な引張応力がかかり、破断するおそれがある。
密度が0.925g/cm以上のポリエチレン、好ましくは、シングルサイト触媒(例えば、メタロセン触媒)を用いた直鎖状ポリエチレンをシーラント第1層(A1)の主たる構成物とすることにより、引っ張り強さに優れ、コシのある包装用積層フィルムとすることができ、耐熱性・耐寒性に優れた効果が得られる。ここで、「主たる」とは、シーラント第1層(A1)の50質量%を超えることをいう。さらに、密度が0.925〜0.940g/cmの範囲のポリエチレンをシーラント第1層(A1)の主たる構成物とすることが好ましい。たとえば、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いた直鎖状低密度ポリエチレンとして、プライムポリマー製のエボリュー(登録商標)SP3010や東ソー製のニポロン(登録商標)HF250Kなどが例示される。なお、あまりに密度を高くするとフィルムが脆くなってしまい、ピンホールの発生が懸念される。
シーラント第1層(A1)の主たる構成物は、示差走査熱量測定(DSC)で求めた融解ピーク温度(Tm1)が、120℃以上であり、融解ピークの半値全幅(Fw1)が1.5℃以下のポリエチレンである必要がある。ここで、示差走査熱量測定に用いる装置としては、METTLER TOLEDO社製の示差走査熱量測定装置「DSC1」が例示される。DSCで測定した融解ピークの半値全幅(Fw1)が1.5℃以下と狭い範囲にあることは、共重合体における分子量の分布が狭い範囲にあるだけでなく、たとえば、直鎖状ポリエチレンであるなど分子構造のばらつきが少ないことを示していると考えられる。シーラント第1層(A1)は、シーラント第2層(A2)よりも一対のヒートシールロール5a、5bによって、高温で加熱される(ヒートシールロール5a、5 b によって基材層(B)側から加熱されるため、基材層(B)に近いシーラント第1層(A1)は、シーラント第2層(A2)に比べて高温で加熱される)ため、シーラント第2層(A2)が溶融したときでもシーラント第1層(A1)が溶融しないように、相対的に融点の高いポリエチレンとする。また、DSCピークの半値全幅を狭く管理し、ポリエチレンの分子量分布を狭く管理する必要がある。シーラント第1層(A1)の主たる構成物は、Tm1が120〜140℃の範囲にあって、Fw1が1.0〜1.5℃の範囲のポリエチレンがより好ましい。
シーラント第1層(A1)を、上記のような構成とすることにより、液中シールする際に、従来品より高温域まで発泡によるシール不良を発生することなく、広い運転速度を選択することができる。
シーラント第1層(A1)の従たる構成物は、低密度ポリエチレン(LDPE)または中密度ポリエチレン(MDPE)であることが好ましい。さらに、シングルサイト触媒(例えば、メタロセン触媒)を用いた直鎖状ポリエチレンであることがより好ましい。また、主たる構成物の上記機能を害さないように、密度を0.915〜0.940g/cmの範囲とし、DSCで求めた融解ピーク温度(Tm1)が115〜140℃の範囲にあり、その半値全幅(Fw1)が1.5℃以下にあることが好ましい。従たる構成物のシーラント第1層(A1)中の組成は、合計で50質量%未満とし、好ましくは、35質量%以下である。
シーラント第1層(A1)の従たる構成物として、アイオノマー(IO)等を含んでもよい。また、積層したフィルム層間の応力を緩和する応力調整剤を含んでもよい。
シーラント第2層(A2)は、ヒートシールによってシーラント第1層(A1)より先に溶融し、ヒートシール部8から夾雑物を排除する機能を持つように、主たる構成物としてポリエチレンからなり、下記の特性を有するものである。
(a21)厚みtA2が3〜15μmの範囲にあること。
(a22)主たる構成物の密度が0.915g/cm以下であること。
(a23)DSCで求めた主たる構成物の融解ピーク温度(Tm2)が95〜105℃の範囲にあり、その半値全幅(Fw2)が8〜15℃の範囲にあること。
シーラント第2層(A2)の厚みtA2が、下限未満では、ヒートシール部の夾雑物除去効果を得られない。一方、上限超えでは、溶融した樹脂溜り10が過剰に厚くなり引張応力がかかり、破断するおそれがある。また、シーラント第1層(A1)の厚みtA1とシーラント第2層(A2)の厚みtA2とが、0.10≦tA2/tA1≦0.75の関係にあることが好ましい。シーラント層(A)の強度を維持しつつ、ヒートシール部8の夾雑物除去作用を確保できるからである。
シーラント第2層(A2)は、密度が0.915g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)または超低密度ポリエチレン(VLDPE)を主たる構成物として用いることで、ヒートシール部で軟化、溶融し夾雑物の除去効果を得ると共に、内容物に直接接触する層として、耐寒性、耐水性や無機溶剤に対する耐薬品性、対衝撃性、成形性に優れる。たとえば、シングルサイト触媒(例えば、メタロセン触媒)を用いた直鎖状ポリエチレンや、マルチサイト触媒(チーグラー触媒)を用いたポリエチレンを用いることができ、東ソー製のニポロン(登録商標)HF210KやHF213Kなどが例示される。ここで、「主たる」とは、シーラント第2層(A2)の50質量%を超えることをいう。好ましくは、密度が、0.890〜0.915g/cmの範囲である。
シーラント第2層(A2)は、DSCで求めた融解ピーク温度(Tm2)が95〜105℃の範囲にあり、その半値全幅(Fw2)が8〜15℃の範囲にある低密度ポリエチレン(LDPE)または超低密度ポリエチレン(VLDPE)である必要がある。それにより、上記液中シール方法において、シールバー7による加熱、加圧によってシーラント層(A)のうちシーラント第2層(A2)が先に溶融・移動し、所望の効果が発揮されるからである。
シーラント第2層(A2)の従たる構成物としては、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)またはエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)等を用いることができる。シーラント第2層(A2)の従たる構成物の組成は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、積層したフィルム層間の応力を緩和する応力調整剤を含んでもよい。
基材層(B)としては、一軸もしくは二軸延伸のポリエステル(PET)やナイロン樹脂(NY)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などにより構成することができるが、これに限定されるものではなく、所要に応じて適宜選択することができる。
また、本発明の包装用積層フィルム1は、基材層(B)とシーラント第1層(A1)との間に所要に応じて、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、金属アルミニウムまたはその酸化物の蒸着層、シリカ蒸着層等の金属または金属酸化物層や、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂層からなるガスバリア性・水蒸気バリア性の高い層からなる中間層等を積層させることができる。
とくに、液中シール充填する被包装物(液状物)が、シリコーンのように外気中に含まれる水分によって硬化する性質を有する場合には、3〜20μm程度の厚みのガスおよびその他のバリア性に優れるアルミニウム箔や、金属アルミニウム、その酸化物(アルミナ)またはシリカの蒸着層を積層させることが好ましく、この場合、包装用積層フィルム1の積層構造は、例えば、ポリエステル(PET)/アルミニウム箔/ポリエステル(PET)/シーラント第1層(A1)/シーラント第2層(A2)などからなる積層構造の包装用積層フィルム1とすることが好ましい。
包装用積層フィルム1の製造方法としては、ドライ積層法、押出積層法、共押出法等が挙げられるが、好ましくは、基材層(B)とシーラント第1層(A1)とは、ドライ積層法により接着して積層させ、シーラント第1層(A1)とシーラント第2層(A2)とは、押出積層法により積層することであり、とくにインフレーション法が好ましい。
次に、本発明に係る包装袋内への被包装物の充填包装方法について図面の示すところに基づいて説明する。
本発明の充填包装方法は、被包装物を連続充填しながらヒートシールを行う各種の縦ピロータイプの充填包装機や縦ピロータイプの多列充填包装機等の充填包装機に適用することができる。ここでは、図4に示す縦型充填包装機によって胡椒や胡麻などの固形物を含有する液状物を、液中シール方法によって連続的に充填包装し、三方シールもしくは四方シールした包装体9を製造する場合を代表例として説明する。なお、液状物としては、胡椒や胡麻などの穀物粒子や肉、魚、果実、野菜などの固形物を含む液状の飲食品や化学品、医薬品等、各種のものを用いることができる。
例えば、三方シール袋用の充填包装機は、フィルムロールから連続的に繰り出されて走行する1枚の長尺の基材層(B)とシーラント層(A)とを具える包装用積層フィルム1を上方から下方へ連続的に走行させながら、その走行中にガイドロッド2で案内しつつ包装用積層フィルム1をそのシーラント層(A)が互いに向かい合わせになるように幅方向に折り返し、たとえば、包装用積層フィルム1の左端部に位置するその両側端部同士を重ね合わせ、その重ね合わされた両側端部同士を1対の縦シールロール3によって包装用積層フィルム1の長手方向(縦方向)に連続的に加圧および加熱して、前記シーラント層(A)同士を融着接合させることで縦シール部4を形成し、これにより包装用積層フィルム1を筒状に形成するものである。
次に、ポンプその他の供給経路を介して供給される液状物Mは、1対の縦シールロール3間を上方から下方へ貫通している充填ノズル6によって、筒状に形成された包装用積層フィルム1の内側へ連続的に充填される。その後、充填後の筒状に形成された包装用積層フィルム1は、長手方向に一定間隔をおいて配置された1対の横シールロール5a、5bによる挟持によって全幅にわたり加熱しつつ加圧されて、対面するシーラント層同士が溶着されることで所定間隔ごとに横シール部8が形成される。その後、一対の横シールロール11a、11bで横シール部8を挟持して再加圧し、該シールを確実なものとし、これにより多数の包装体9が積層フィルム1の長手方向へつながった状態で連続的に製袋される。なお、包装体9は、横シールロール11a、11bの下流側に設けた切断機構12によって横シール部8の中央位置を切断することにより、一袋ずつもしくは複数袋ずつにしてもよい。なお、包装用積層フィルム1は、上記した本発明に係る包装用積層フィルムとすることで、生産性良く、包装体を製造することができる。
ここで、1対の横シールロール5a、5bは、図3の拡大側面図を示したように、相互に平行に対向配置され、互いに逆方向に回転駆動するように構成されている。各横シールロール5a、5bは、それぞれヒーター(図示しない)が内蔵されると共に、周方向に等間隔で軸線方向に延在するシールバー7が配設されている。なお、図では横シールロール5a、5bにそれぞれ4本のシールバー7が設けられているが、該シールバー7の本数は、シールピッチや充填速度等の包装条件に合わせて適宜変更することができる。
一対の横シールロール5a、5bは、同期して回転駆動し、これに基づいて対向するシールバー7同士が当接し合って横シールロール5a、5b間を走行する筒状の積層フィルム1を挟持すると共に、当該位置を加熱および加圧して包装用積層フィルム1の内面側に位置する(相互に対面する)前記シーラント層(A)どうしを融着接合させることで横シール部8が形成される。
ここで、筒状の包装用積層フィルム1内に充填された液状物Mは、横シールロール5a、5bの回転に伴い、シールバー7同士が当接することで上方へと絞り出され、該絞り出し位置の対面する包装用積層フィルム1のシーラント層(A)どうしが、シールバー7によって加熱および加圧されて融着接合し、上記のように横シール部8が形成されるが、液状物Mに含有されている胡椒や胡麻などの固形物の一部が押し出されず、横シール部8内に噛み込んだまま残留してしまうことがある。
このように横シール部8内に固形物Sが残留したままになると、横シール部8内に未融着部分が生じて隙間となり、該未融着部分が通路となって包装体内に充填した液状物Mが漏れ出すおそれや、固形物の残留位置の横シール部8の厚みが大きくなり、横シール部8表面にシワが発生してスローリークを招くようになる他、見栄えも悪いという問題があった。
そこで、本発明に係る充填包装方法では、以下で説明するような粉砕含浸処理方法を採用して上記の問題を克服することがより好ましい。以下、粉砕含浸処理方法について説明する。
液中シール方法により横シール部8を形成するにあたり、本発明の好ましい実施形態としては、一対の横シールロール5a、5bのそれぞれの圧力を高圧に設定し、シールバー7同士の当接による挟圧によって横シール位置に残留する固形物を加圧する。
これにより、横シール部8内に残留する固形物は、粉砕され、その小片となった固形物自体に生じた割れ目や小粒化した固形物同士の隙間に、シールバー7による加熱および加圧によって、軟化し溶融した包装用積層フィルム1のシーラント層(A)の樹脂(シーラント第1層(A1)樹脂)が含浸(浸透)したり包囲したりする、いわゆる粉砕含浸処理が行われる。
このような粉砕含浸処理を行うことにより、前記液状物中の固形物は、細かく粉砕されて、軟化−溶融したシーラント第1層(A1)樹脂内に分散して島状に点在し、該シーラント第1層(A1)樹脂と共に融着接合して一体化した状態で横シール部8を形成することになる。その結果、横シール部8内に残留する固形物によって、従来のような未融着部分(隙間)が発生するようなことがなく、シール不良(液漏れ)の発生を防止することができる。
上記粉砕含浸処理は、一対の横シールロール5a、5bのそれぞれの圧力が、充填包装機に設けられる一般的な横シールロールの圧力の3倍以上10倍以下の、400kPa以上、好ましくは500〜2000kPa、より好ましくは600kPa〜1500kPaの高圧とする。このように、本発明方法では、横シールロール5a、5bの圧力を高圧とすることで、固形物が野菜や果実のじょうのう膜等のような液中シール方法によって絞り出し難い繊維状のものであっても、効果的に絞り出すことができると共に細かく粉砕され、粉砕含浸処理を行うことができる。
また、粉砕含浸処理においては、一対の横シールロール5a、5bによって、横シール位置に残留する固形物を粉砕し、該粉砕後の固形物が厚み方向の大きさで、重ね合わせた包装用積層フィルム1の、相互に対面し融着接合するシーラント層(A)のトータル厚み(2枚のシーラント層(A)の合計厚み)未満、好ましくは100μm以下で割れ目付き、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは5〜30μm程度の大きさの割れ目の多い小片となるようにする。これにより、固形物が残留している部分であっても、該固形物は軟化−溶融したシーラント樹脂内に分散した状態で含浸され、横シール部8の厚みが増すことがなく、また固形物が非常に小さく、目視で確認できない程度であるため、横シール部8の美観を向上させることができる。なお、固形物の厚みが50μm超になると、横シール部8の、固形物の残留する部分の厚みが他の部分に対して大きくなり、横シール部8表面に凹凸ができたり、固形物の残留が目視で確認できたりするようになり好ましくない。
さらに、一対の横シールロール5a、5bによって上記のように強加圧下で、かつ横ヒートシール速度を従来よりも低速(好ましくは10m/min以下、より好ましくは2m/min〜6m/min)にすれば、横シール位置に残留する液状物Mを効果的に絞り出し、横シール部8内に残留する固形物をわずかなものとすることができる。しかも、前記のように粉砕含浸処理によって、横シール部8内に通路となるような隙間や剥離等が生じることがなく、また横シール部8内に残存する固形物は、シーラント第1層(A1)樹脂によって含浸あるいは包囲されているため、該固形物が包装体の端面に位置していても、該端面におけるカビの発生や微生物の増殖を抑制することができ、包装体の汚染のリスクを低減することができる。
また、粉砕含浸処理によれば、上記のように一対の横シールロール5a、5bによって横シール位置の包装用積層フィルム1を、高い圧力でかつ低速でヒートシールすることで、該横シール部8では主として固形物が粉砕されることによる発熱が生じる。その結果、前記ヒートシール温度を従来よりも低い温度に設定することができると共に、前記粉砕含浸の処理がより効果的なものになる。
また、本発明では、一対の横シールロール5a、5bの少なくとも一方に設けたシールバー7表面に、横シールロール5a、5bの軸線方向に延在して1以上の条溝を設けることが好ましい。これによれば、シールバー7表面が、条溝を介して回転方向に狭幅に区画されることになるため、条溝を形成していないシールバーに比べて挟持力(押圧力)が高くなり、液状物Mを効果的に絞り出すことができると共に、横シール位置に残存する固形物の粉砕含浸処理を効果的に行うことができ、また、横シール部8のシール強度を高めることもできる。
なお、条溝の最大深さは、シールバー7どうしの当接によってヒートシールする重なり合う積層フィルム1のトータル厚み以下である、300μm以下、好ましくは30μm以上200μm以下、より好ましくは40μm以上160μm以下とし、これによれば、重なり合う積層フィルム1どうしを、条溝部分において表裏からしっかりと挟持して加熱、加圧することができるため、上記効果を一層高めることができる。
上記実施形態では、三方シール形の包装体を一例として説明したが、包装体は四方シール形や背貼りシール形等、各種のものとすることができる。包装体には、包装袋本体の上部側縁または上端縁から突出するように逆止機能を有するフィルム状注出ノズルを設けてもよく、この場合には、使用開始後においても包装体内へ外気が進入するのを防止することができるため、袋内に細菌やゴミが進入することや、袋内でのカビ等の好気性菌の成長を抑制することができる。
(DSC測定方法)
包装用積層フィルムの融解ピーク温度(Tm)は、DSC(示差走査型熱量測定法)に従い、示差走査熱量測定装置「DSC1」(METTLER TOLEDO社製)によって測定した。試料約5mgをアルミニウム製の軽量サンプルパン(内径:約6.0mm)に入れ、室温から300℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブの吸熱ピークを融解ピーク温度とした。
(融解ピークの半値全幅)
上記DSCにより得られる吸熱ピーク全体のベースラインから吸熱ピークトップまでの高さの半量の位置におけるピーク幅(℃)を半値全幅とした。
(発明例)
基材層(B)として、15μmのナイロン樹脂(GL−NY)を用い、厚みtA1が25μmのシーラント第1層(A1)の主たる構成物として、密度が0.926g/cmおよびDSCで求めた融解ピーク温度が123℃かつ半値全幅が1.2℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を67質量%含み、従たる構成物として、密度が0.919g/cmおよびDSCで求めた融解ピーク温度が119℃かつ半値全幅が1.2℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)を28%含み、他に応力調整剤を含むものを用い、厚みtA2が10μmのシーラント第2層(A2)の主たる構成物として、密度が0.909g/cmおよびDSCで求めた融解ピーク温度が102℃かつ半値全幅が12℃の超低密度ポリエチレン(VLDPE)を95質量%含み、他に応力調整剤を含むものを用いて、本発明に係る包装用積層フィルムEを積層した。ここで、シーラント層(A)の総厚tは35μmであり、シーラント第1層(A1)の厚みとシーラント第2層(A2)の厚みとの比tA2/tA1は0.4であった。
(比較例)
基材層(B)として、上記包装用積層フィルムEと同等の15μmのナイロンフィルム(GL−NY)を用い、厚みtA1が25μmのシーラント第1層(A1)の主たる構成物として、密度が0.930g/cmおよびDSCで求めた融解ピーク温度が126℃かつ半値全幅が2.5℃の低密度ポリエチレン(LDPE)を90質量%含み、他に応力調整剤を含むものを用い、厚みtA2が25μmのシーラント第2層(A2)の主たる構成物として、密度が0.900g/cmおよびDSCで求めた融解ピーク温度が96℃かつ半値全幅が13℃の低密度ポリエチレン(LDPE)を80質量%含み、他に応力調整剤を含むものを用いて、比較例に係る包装用積層フィルムRを積層した。ここで、シーラント層(A)の総厚tは50μmであり、シーラント第1層(A1)の厚みとシーラント第2層(A2)の厚みとの比tA2/tA1は1.0であった。
図5(a)に包装用積層フィルムEのDSC曲線を示し、図5(b)に包装用積層フィルムRのDSC曲線を示す。
包装用積層フィルムEおよび包装用積層フィルムRを用い、図2の液中シール装置を用いて、ライン速度(m/min)やヒートシール温度を変えて、液中シールを施した結果をまとめて、図6に示す。図6中、ハッチングした範囲でヒートシールが適正に施された。用いた液温度は30℃であった。図6(a)が包装用積層フィルムEの場合であり、温度下限未満では、シーラント第2層(A2)層が未溶融で接着不良となった、一方、温度上限超えでは、シールエッジ部でフィルムが切れて、製造不可となった。図6(b)が包装用積層フィルムRの場合であり、温度下限未満でシーラント第2層(A2)層が未溶融で接着不良となった。一方、温度上限超えでは、ヒートシール部に発泡が生じ、シール強度不足のシール不良が多発した。本発明範囲にある包装用積層フィルムEは、比較例であり従来の包装用積層フィルムRに比べ、このライン速度範囲で幅広いヒートシール温度が適用できることがわかる。特に、160〜190℃の範囲にヒートシール温度を設定すれば、ライン速度を変更しても、ヒートシール温度を変えることなく操業でき、効率的である。一方、包装用積層フィルムRの場合には、ライン速度ごとに最適なヒートシール温度の幅が狭く、ライン速度の変更に伴い、ヒートシール温度を厳格に管理しなければならない、煩雑さがある。
本発明は、飲食品、医薬品、化学品、化粧品等の各種の液状や粘稠状、粉粒状等の被包装物を充填包装する際に利用することができる。
1 包装用積層フィルム
A シーラント層
A1 シーラント第1層
A2 シーラント第2層
B 基材層
2 ガイドロッド
3 縦シールロール
4 縦シール部
5a、5b ヒートシールロール(横シールロール)
6 充填ノズル
7 シールバー
8 ヒートシール部(横シール部)
9 包装体
10 樹脂溜り
11a、11b 横シールロール
12 切断機構
M 液状物

Claims (7)

  1. 少なくともシーラント層(A)と基材層(B)とを有する積層体からなる包装用積層フィルムであって、
    シーラント層(A)は、最も基材層(B)側にシーラント第1層(A1)を具え、最も被包装物側にシーラント第2層(A2)を具える少なくとも2層からなる、総厚tが25〜75μmのものであり、
    シーラント第1層(A1)は、主たる構成物としてポリエチレンを含み、
    (a11)厚みtA1が15〜70μm、
    (a12)主たる構成物の密度が0.925g/cm以上、
    (a13)DSCで求めた主たる構成物の融解ピーク温度(Tm1)が120℃以上、その半値全幅(Fw1)が1.5℃以下、
    のものであり、
    シーラント第2層(A2)は、主たる構成物としてポリエチレンを含み、
    (a21)厚みtA2が3〜15μmの範囲、
    (a22)主たる構成物の密度が0.915g/cm以下、
    (a23)DSCで求めた主たる構成物の融解ピーク温度(Tm2)が95〜105℃の範囲、その半値全幅(Fw2)が8〜15℃のものである、
    ことを特徴とする包装用積層フィルム。
  2. 前記シーラント第1層(A1)の厚みtA1と前記シーラント第2層(A2)の厚みtA2とが、0.10≦tA2/tA1≦0.75の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の包装用積層フィルム。
  3. 前記シーラント第1層(A1)と前記基材層(B)との間に、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、アルミニウム蒸着層、アルミナ蒸着層、シリカ蒸着層およびエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂層から選ばれた1以上を有することを特徴とする請求項1または2に記載の包装用積層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の、シーラント層(A)と基材層(B)とを積層してなる包装用積層フィルムを、該シーラント層(A)どうしが対面するように重ね合わせて縦シールおよび横シールして形成される包装袋内に、被包装物を充填包装する際に、前記包装用積層フィルムの所定の位置を、対向配置された一対の縦・横シールロールによって挟持してヒートシールすることにより、対面する前記シーラント層(A)のうちのシーラント第2層(A2)を軟化−流動させると共に、その内側に位置するシーラント第1層(A1)どうしを融着接合させることを特徴とする包装袋内への被包装物の充填包装方法。
  5. 前記包装袋内に固形物を含む被包装物を充填するに際し、
    一対の横シールロールによる低速かつ高加圧下でのヒートシールによって、ヒートシール位置に残留する固形物を粉砕すると同時に、粉砕された固形物どうしの隙間および当該固形物に発生した割れ目内に、軟化−溶融した前記シーラント第1層(A1)の樹脂を含浸させる粉砕含浸処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の包装袋内への被包装物の充填包装方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装用積層フィルムを用いて形成された包装体。
  7. ヒートシール位置に被包装物に含有される固形物が残留しているとき、この固形物は、粉砕されていると共に、その粉砕された固形物どうしの隙間および当該固形物に発生した割れ目内に、軟化−溶融した前記シーラント第1層(A1)の樹脂が含浸されてシール部内に介在していることを特徴とする請求項6に記載の包装体。
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