JP2000203530A - 包装用フィルムのヒ―トシ―ル方法およびそれに用いるヒ―トシ―ル刃 - Google Patents

包装用フィルムのヒ―トシ―ル方法およびそれに用いるヒ―トシ―ル刃

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JP2000203530A JP11114720A JP11472099A JP2000203530A JP 2000203530 A JP2000203530 A JP 2000203530A JP 11114720 A JP11114720 A JP 11114720A JP 11472099 A JP11472099 A JP 11472099A JP 2000203530 A JP2000203530 A JP 2000203530A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形分を含む被包装物の夾雑物シールを可能
にする。 【解決手段】 包装用フィルムの、互いに対抗する熱融
着層を、対をなすヒートシール刃1による加熱および加
圧下でヒートシールするに当たり、ヒートシール部の長
さ方向に延びて、熱融着層が十分に融着する完全融着域
5と、熱融着層がわずかに融着する不完全融着域6と
を、ヒートシール部の幅方向に交互に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、包装用フィル
ム、多くは包装用積層フィルムの、相互に対向する熱融
着層を加熱および加圧下でヒートシールするヒートシー
ル方法およびそれに用いるヒートシール刃に関し、とく
には、練りわさび、練りからし、たらこ、ソースあるい
は味噌等のように固形分の混じる粘稠物または液体の包
装に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、固形分を含む練りわさびを包
装するに当たって、包装用フィルムの熱融着層間に練り
わさびを挟み込んだ状態で、対をなすヒートシール刃に
より、いわゆる夾雑物シールを行う場合、従来は、挟み
込んだ練りわさびの、ヒートシール部の前方もしくは後
方または側方への迅速にして円滑な完全排出が実質的に
不可能であって、熱融着層の相互を十分に融着させるこ
とができず、所要のヒートシール強度を実現し得ないこ
とから、従来の自動充填包装では、夾雑物シールを行う
ことのないように、包装用フィルムに縦および横方向の
所要のヒートシールを予め施した後に、ヒートシールさ
れたフィルム間へわさびを間欠的に充填することとして
おり、包装用フィルムにヒートシールを施す間は、わさ
びの充填を停止することが必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような従
来技術にあっては、被包装物を間欠充填することに起因
して、包装作業能率が自ずと低くなり、練りわさび等の
小袋包装についていえば、1分当たりの包装能力は60
〜80袋程度が限界であった。この発明は、従来技術が
抱えるこのような問題点を解決することを課題とするも
のであり、それの直接な目的は、固形分の混じった被包
装物を充填包装するに際して、夾雑物シールを行ってな
お、夾雑物を、ヒートシール強度の確保に影響しない部
分へ迅速かつ円滑に、しかも完全に排除することができ
る包装用フィルムのヒートシール方法およびそれに用い
るヒートシール刃を提供するにあり、その結果として、
固形分を含まない液体の場合と同様の、被包装物の連続
充填を可能として、包装作業能率を従来技術の3〜5倍
程度にまで向上させるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の、包装用フィ
ルムのヒートシール方法は、包装用フィルムの、互いに
対向する熱融着層を、対をなすヒートシール刃による加
熱および加圧下でヒートシールするに当たって、ヒート
シール部の長さ方向に直線状、折線状、曲線状等の態様
で延びて、両熱融着層が十分に融着する完全融着域と、
熱融着層がわずかに融着する不完全融着域とのそれぞれ
を、ヒートシール部の幅方向に交互に形成するものであ
る。
【0005】このヒートシール方法では、相互に対向す
る熱融着層間に、たとえば練りわさびを挟み込んだ状態
で夾雑物シールを行うに際し、下限値が0.45mm程度の狭
幅の完全融着域に存在する夾雑物を、そこでの熱融着層
の溶融下での外部加圧に基づき、夾雑物の含有水分が水
蒸気になるより先に、熱融着層の一部とともに、隣接す
る不完全融着域へ迅速かつ円滑に、しかも完全に押し出
すことで、熱融着層の、上記完全融着域での融着を確実
に、かつ十分に行わせることができる。
【0006】しかるに、ヒートシール部の幅の全体にわ
たる熱融着層の十分な融着を企画する、従来技術におけ
る夾雑物シールでは、通常は10〜15mm程度の幅のヒ
ートシール部の、極端には一端から他端まで、約10〜
15mmの長い距離にわたって夾雑物を完全に、かつ迅速
に押し退け排除することは、実質的に不可能であって、
両熱融着層間には、それらの融着を直接的に妨げる夾雑
物が常に分散残留等することになるため、熱融着層相互
の十分強固な融着を実現することができず、しかも、通
常は、残留夾雑物の少なくとも一部が、ヒートシール刃
から熱融着層へ伝導される熱によって、またとくに、回
転シールロールによるヒートシールにあっては、それに
加えて、ヒートシール刃による加熱に基づいて熱融着層
内を伝わる伝導熱によって100 ℃以上の温度に加熱され
て、含有水分が水蒸気となり、その水分が、常圧下では
約1600倍の体積に膨張されることから、熱融着層の融着
が妨げられるのみならず、一旦融着した融着面までもが
剥離されることになる。なお、このような水蒸気は、包
装袋の冷却によって元体積に復するので、その後の正確
なシール不良検品は極めて困難である。
【0007】ところで、この発明の方法における不完全
融着域では、熱融着層はヒートシール刃からの熱の伝達
をわずかしか、またはほとんど受けることがなく、これ
がため、不完全融着域の熱融着層は、熱融着層内を伝わ
る伝導熱を受けてなお、それらが完全融着するほどに高
温に加熱されることがなく、不完全融着域へ押し出され
た夾雑物もまた、水蒸気を生ずるほどに加熱されること
がない。従って、不完全融着域へ押し出された夾雑物の
含有水分が、前記完全融着域での熱融着層の融着を妨げ
ることはない。
【0008】なお、不完全融着域の熱融着層は、完全融
着域でヒートシール刃から熱融着層に伝達された熱の層
内伝導と、ヒートシール刃からのわずかな伝達熱とに基
づいて幾分溶融することになり、これにより、両熱融着
層は、夾雑物を内包した状態で不完全ながらも融着する
ことになる。従って、包装小袋の相互を、不完全融着部
と対応する位置で切断分離することがあっても、その切
断個所から夾雑物がこぼれ落ちたり、にじみ出したりす
ることはない。
【0009】そして、この方法においてより好ましく
は、通常は一のヒートシール部に複数本ずつ延在するこ
とになる完全融着部および不完全融着部のうち、完全融
着部を、ヒートシール部の幅方向の両側部に形成する。
これはたとえば、巻取りロールから長尺の包装用フィル
ムを繰り出し走行させながら、夾雑物の連続的な充填包
装を行う場合には、その夾雑物を挟み込んでシールを行
うのは一般的には横ヒートシール刃であり、この横ヒー
トシール刃は、帯状に連続する先行包装袋と後行包装袋
との境界を区画すべくも機能するものであるので、ヒー
トシール刃をこのように用いる場合には、ヒートシール
部の幅方向の両側部に完全融着部を形成することで、先
行包装袋の、包装物収納スペースの終端位置および、後
行包装袋の、包装物収納スペースの始端位置のそれぞれ
を明確に特定し、かつ確実に区画することができる。
【0010】また、この発明の、包装用フィルムのヒー
トシール刃は、相互に対をなし、包装用フィルムの、互
いに対向する熱融着層を加熱および加圧してヒートシー
ルするものであり、熱伝導性にすぐれる一対のヒートシ
ール刃の少なくとも一方に、刃幅方向に間隔をおく突条
および条溝を交互に設けたものである。
【0011】加熱した一対のヒートシール刃で、包装用
フィルム、ひいては、熱融着層を押圧した場合、押圧力
の高い部分では、ヒートシール刃から熱融着層への熱伝
導率が高くなり、その熱融着層を短時間のうちに高い温
度に加熱することができるのに対し、押圧力が低い部分
では、熱伝導率が小さくなって、熱融着層の加熱効率が
低くなる。そこでここでは、ヒートシール刃に、熱融着
層への熱伝導率を高めて、前述した完全融着域の形成に
寄与する突条と、熱融着層への熱伝導率を小さくして、
前述した不完全融着部の形成に寄与する条溝とを交互に
設け、これにより、先に述べたように、夾雑物の、完全
融着域から不完全融着域への迅速にして円滑な完全押し
出しを担保する。加えて、このヒートシール刃によれ
ば、それにてヒートシールした部分の幅寸法の熱収縮量
を従来技術に比して約5%程度低減できるので、たとえ
ばこのヒートシール刃を横ヒートシール刃として適用し
た場合、連続帯状包装袋に対する事後の切断、ノッチ加
工等の処理のためのピッチ誤差に及ぼす影響を十分小さ
くすることができる。
【0012】そして、かかるヒートシール刃では、好ま
しくは突条幅を約0.45〜4mmとするとともに、条溝幅を
約1〜20mm、より好ましくは1〜5mmとする。ここで、
突条幅を約0.45mm以上とするのは、前記完全融着域の幅
が約0.45mm以上である場合には、一般的な小袋包装に必
要な融着強度を十分に確保できることが確認されている
ことによるものであり (〔No.95-5 〕日本機械学会材料
力学部門講演会 講演論文集 (Vol.A)〔1995.8.23 〜
24・盛岡〕「507 液体包装袋に用いるラミネートフィル
ムの部分的補強効果に関する研究」参照) 、一方、それ
を約4mm以下とするのは、夾雑物の、融着域からの迅速
にして円滑な押し出しを十分に担保するためである。
【0013】また、条溝幅を約1mm以上とするのは、ヒ
ートシール刃の突条からの輻射熱に起因する、不完全融
着域熱融着層の過度の加熱を防止するとともに、その熱
融着層内を伝わる伝導熱量の、ヒートシール刃による熱
融着層の加熱に熱量累積されるのを防止するためであ
り、それを約20mm以下とするのは、限られた幅のヒート
シール部の少なくとも両側部には完全融着部を形成する
必要があることによる。
【0014】ところで、回転ロールシール方式の横シー
ルロールに用いるヒートシール刃では、一般的には外接
円直径が約90mmであり、このようなヒートシール刃は、
ヒートシールに際して、加熱加圧下で、包装用フィルム
に10〜30μm程度くい込むことになり、このときのヒー
トシール刃と包装用フィルムとの接触長さは約2.7 〜5.
6mm となる。従って、条溝幅を5mmを超えるものとした
場合には、ヒートシール刃と包装用フィルムとの、所要
の接触長さを確保することができず、ヒートシール刃の
突条による押圧力を包装用フィルムに十分に及ぼし得な
い個所が存在することになって、完全融着域の熱融着層
間に夾雑物が残留するおそれが高くなる。それ故に、回
転ロールシール方式の横シールロールに用いるヒートシ
ール刃にあっては、条溝幅の上限を5mm程度とすること
が好ましい。
【0015】即ち、上記突条および条溝のそれぞれは、
ヒートシール刃によるヒートシールに際し、フィルム押
圧力の変化 (強弱) をもたらすことになり、その結果と
して、ヒートシール部には間欠的な温度差が生じ、その
ために十分にヒートシールされる完全融着部と、温度が
低い (液体の沸騰温度よりも低い温度, 約100 ℃以下)
部位とが交互に形成されるので、十分なヒートシール部
位 (完全融着域) をもって袋の封止部を構成し、この一
方で、若干温度が低いために水分の蒸発による発泡を防
止する程度の簡易接着的な部位, 即ち不完全融着域をも
って夾雑物の残留を有効に許容することができる。
【0016】さらに好ましくは、各条溝の最大深さを0.
5 mm以上として、ヒートシール刃の条溝からの輻射熱の
影響を十分に除去する。なおここで、「最大深さ」とす
るのは、条溝底面が曲面状、テーパ面状等をなす場合を
考慮したものである。
【0017】また好ましくは、ヒートシール刃の幅方向
の両側部を突条とすることで、前述したように、ヒート
シール部の幅方向の両側部への完全融着域の形成を可能
とする。
【0018】ところで、以上に述べたようなヒートシー
ル刃の条溝には、たとえば、セラミック、ふっ素樹脂、
ゴム等の、ヒートシール刃それ自身より熱伝導率の小さ
い物質を貼り付けもしくは埋めることもでき、これによ
れば、条溝部分から包装用フィルムへの輻射熱その他の
伝達をより積極的に防止して、ヒートシール時の、熱融
着層の所要温度差をより確実に実現することができる。
また、この場合には、条溝の底部の底上げによって、不
完全融着域にても包装用フィルムに外部圧力を及ぼすこ
とができるので、完全融着域で溶融した熱融着層が不完
全融着域へ余剰に流入するのを阻止して、完全融着域の
熱融着層が薄くなりすぎることに起因する融着強度の低
下のおそれを有効に除去することができる。なおここ
で、ヒートシール刃と略同等の硬度を持ち、かつそれよ
り熱伝導率の小さいセラミックス等を条溝に貼り付けも
しくは埋め込んだときは、ヒートシール刃の局部的な摩
耗を防止してヒートシール刃の耐久性を高めることがで
きる。
【0019】また、ヒートシール刃の突条表面は、全体
として平坦面内に位置させること、または円弧面内に位
置させることができる。前者のヒートシール刃は、間欠
シール方式である、いわゆる熱板シール方式に適用して
好適であり、また後者のヒートシール刃は回転ロールシ
ール方式に適用して好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
図面に示すところに基づいて説明する。図1は、この発
明のヒートシール刃の実施形態を、対をなす平板状ヒー
トシール刃の一方について示す断面斜視図であり、他方
のヒートシール刃の刃面は、図に示すものと対称形状と
することの他、単純な平坦面形状とすることもできる。
ここでは、熱伝導性にすぐれる、たとえば真鍮製のヒー
トシール刃1の刃面に、刃幅方向に間隔をおいて、刃長
方向へ連続して延びる突条2および条溝3を交互に形成
し、好ましくは刃面の両側部に突条2を配設する。
【0021】またここでは、突条2の幅を約0.45〜4mm
の範囲とするとともに、条溝3の幅を約1〜5mmの範囲
とする。なお、条溝3の横断面形状は、図1(a) に示す
ように、溝側壁および底壁の全体が曲線となる形状の
他、底壁だけが曲線状もしくはテーパ状となる形状とす
ることもでき、また、図(b)に示すように直角壁とな
る形状等とすることもできるが、いずれにあっても、条
溝3の最大深さは0.5 mm以上とすることが好ましい。
【0022】図2は、ヒートシール刃の他の実施形態を
示す図であり、これは、ヒートシール刃1に上述のよう
にして形成した条溝3に、ヒートシール刃それ自体より
熱伝導率の小さい物質、たとえばふっ素樹脂4を埋め込
み、その表面を突条2と同一の、もしくはそれより幾分
低いレベルに位置させたものである。
【0023】図3は、このように構成してなるヒートシ
ール刃を用い、夾雑物の例として練りわさびを用いてヒ
ートシールを行った場合の、ヒートシール部の横断面を
約600倍に拡大した状態で示す模式図であり、図の黒
色部分は、包装用フィルムの熱融着層間に存在するわさ
びを示す。ここでは、包装用フィルムとして、15μm
厚さの二軸延伸ナイロンフィルムからなるベースフィル
ム層に、リニアロウデンシティポリエチレンからなる5
0μm厚みの熱融着層を積層したものを用い、シール条
件を、ヒートシール刃の加熱温度を160℃、加圧力を
2.0 kgf/cm2 、加圧時間を1.0 秒とした。また、対をな
すヒートシール刃は、一方を図1(a) に示す形状とする
とともに、突条幅を1.0 mm、条溝幅を1.5 mm、条溝の最
大深さを0.5 mmとし、他方を平坦面ヒートシール刃とし
た。
【0024】図に示すところによれば、熱融着層間に挟
まれた練りわさびは、図に仮想線で示すヒートシール刃
1の突条2による加熱および加圧下で、熱融着層の相互
が十分に融着される完全融着域5から不完全融着域6
へ、一部の熱融着樹脂とともにほぼ完全に押し退けら
れ、これにより、その完全融着域5にてはすぐれたヒー
トシールが行われていることが明らかである。この一方
で、不完全融着域6へ押し込まれた練りわさびは、熱融
着層が、条溝3の作用下で、ヒートシール刃1から少量
の熱量を供給されるにすぎないことにより、熱融着層相
互のわずかな融着だけが行われるその不完全融着域6内
に封じ込められることになる。しかもここでは、不完全
融着域6内のわさびは、ヒートシール工程の終了時点に
おいてなお、蒸気発生温度までは加熱されないので、わ
さびからの発生蒸気に起因する剥離は、不完全融着域6
および完全融着域5のいずれにも発生しない。
【0025】ところで、このようなヒートシール工程で
は、突条2による加熱および加圧によって十分に溶融さ
れる、完全融着域5の熱融着層の一部は、加圧力の作用
下で、わさびとともに不完全融着域6内へ流入すること
から、図示のように、完全融着域5におけるフィルムの
総厚みは、不完全融着域6のそれよりも薄くなる。
【0026】図4は、一方のヒートシール刃を、図2に
示す構造を有するものとし、他方を平坦面ヒートシール
刃とした場合の、ヒートシール部の横断面を示す同様の
図であり、包装用フィルムの構成およびヒートシール条
件はともに先に述べたところと同一としたものである。
なお、一方のヒートシール刃の突条幅および条溝幅はそ
れぞれ1.0 mmおよび2.0 mmとし、また、条溝深さを2.0
mmとし、この溝内に、ヒートシール刃よりも熱伝導率の
小さいふっ素樹脂を、表面が面一になるように埋め込ん
で、ヒートシール部に温度差が出るようにして、完全お
よび不完全融着域を交互に形成した。この場合にもま
た、完全融着域5からは夾雑物としての練りわさびが十
分に排除され、しかもそのわさびは、完全融着域5およ
び不完全融着域6のいずれの領域にても水蒸気を発生し
ないことから、完全融着域5は十分な強度の下にヒート
シールされることになる。
【0027】ちなみに、図5に示す、ヒートシール部の
拡大横断面図は、対をなすヒートシール刃をともに平坦
面としたものであり、これによれば、対向する熱融着層
の間の、夾雑物としての練りわさびを、ヒートシール刃
をもって十分に押し退け排除できないことにより、また
その練りわさびが、ヒートシール部の少なくとも一部に
て100℃以上に加熱されて含有水分を水蒸気とされる
こと等により、ヒートシール部のほぼ全体にわたって、
両熱融着層の融着が、図示のように妨げられ、または剥
離されることになる。
【0028】ところで、以上のようなそれぞれのヒート
シール態様の下で、ヒートシール刃の加熱温度および加
圧圧力をパラメータとして夾雑物が無い場合およびある
場合のそれぞれにつき、ヒートシール部の融着強度、い
いかえればヒートシール強度を測定したところ、表1に
示す通りとなった。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1によれば、この発明に係るヒート
シール刃はいずれも、夾雑物シールに当たって、練りわ
さび用の包装小袋に一般的に要求される2.0kgf/cm2
以上のヒートシール強度を十分に実現し得ることが明ら
かであり、そのヒートシール強度は、条溝内にふっ素樹
脂を配設して、熱融着層の加熱をより有効に抑制した場
合に一層高まることがわかる。
【0031】図6は、この発明のさらに他の実施形態を
示す図であり、これは、回転ロールシール方式の横シー
ルロールに用いるヒートシール刃である。このヒートシ
ール刃11は、回転ロール12の周方向に所定の間隔を
おいて、それの軸線方向に延在させて配設されるもので
あり、ここにおけるこのヒートシール刃11は、円弧状
をなす刃面に、先に述べたと同様の幅寸法を有する突条
13および条溝14のそれぞれを交互に形成し、そし
て、その刃面の両側部に突条13を位置させたものであ
る。ここで、図6(a) に示す条溝14は、横断面形状を
曲線状とし、また図6(b)に示す条溝14は角形状と
し、それらのいずれも、条溝14に、ヒートシール刃そ
れ自身より熱伝導率の小さい物質、より好ましくは断熱
材料15を埋め込んでいるも、図に示すところからその
断熱材料15を省くことも可能である。そして、これら
のヒートシール刃11をもってしてもまた、包装用フィ
ルムの熱融着層間に練りわさび等を挟み込んだ夾雑物シ
ールに対して前述したと同様の作用効果をもたらすこと
ができる。
【0032】図7は、先に述べた断熱材料または、熱伝
導率の小さい物質の横断面形状を変更したものであり、
これは、条溝14の各壁部から断熱材料15への熱伝達
率の一層の低減をもたらすべく、断熱材料15と条溝壁
面との間により多くのスペース、いいかえれば空気断熱
層を確保したものである。これによれば、断熱材料15
を介して包装用フィルム、ひいては、それの熱融着層
に、伝導もしくは輻射によって伝達される熱量をより一
層低減できる利点があり、このことは図2に示す場合に
ついてもまた同様である。
【0033】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明によれば、固形分の混じった被包装物を夾
雑物シールしてなお、包装用フィルムの十分なヒートシ
ール強度をもたらすことができる。従って、かかる被包
装物を間欠充填に代えて連続充填することが可能とな
り、その結果として、被包装物の充填包装作業能率を大
きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るヒートシール刃の実施の形態を
示す断面斜視図である。
【図2】この発明の他の実施の形態を示す断面斜視図で
ある。
【図3】ヒートシール部の拡大横断面図である。
【図4】他のヒートシール部の拡大横断面図である。
【図5】従来のヒートシール刃を用いたヒートシール部
の拡大横断面図である。
【図6】ヒートシール刃の他の実施形態を示す横断面図
である。
【図7】断熱材料の形状の変更例を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
1, 11 ヒートシール刃 2, 13 突条 3, 14 条溝 4 ふっ素樹脂 5 完全融着域 6 不完全融着域 12 回転ロール 15 断熱材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 幸彦 埼玉県南埼玉郡白岡町下大崎873−1 大 成ラミック株式会社内 Fターム(参考) 3E050 AA02 BA02 BA11 DE01 DF02 3E094 AA11 BA04 CA02 HA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装用フィルムの、互いに対向する熱融
    着層を、対をなすヒートシール刃による加熱および加圧
    下でヒートシールするに当たり、 ヒートシール部の長さ方向に延びて、両熱融着層が十分
    に融着する完全融着域と、熱融着層がわずかに融着する
    不完全融着域とを、ヒートシール部の幅方向に交互に形
    成することを特徴とする包装用フィルムのヒートシール
    方法。
  2. 【請求項2】 ヒートシール部の幅方向の両側部に完全
    融着域を形成する請求項1に記載の包装用フィルムのヒ
    ートシール方法。
  3. 【請求項3】 相互に対をなし、包装用フィルムの、互
    いに対向する熱融着層を加熱および加圧してヒートシー
    ルするヒートシール刃であり、 熱伝導性にすぐれる一対のヒートシール刃の少なくとも
    一方に、刃幅方向に間隔をおく突条および条溝を交互に
    設けてなる包装用フィルムのヒートシールに用いるヒー
    トシール刃。
  4. 【請求項4】 突条幅を約0.45〜4mmとするとともに、
    条溝幅を約1〜20mmとしてなる請求項3に記載のヒート
    シール刃。
  5. 【請求項5】 条溝の最大深さを0.5 mm以上としてなる
    請求項3もしくは4に記載のヒートシール刃。
  6. 【請求項6】 ヒートシール刃の幅方向の両側部を突条
    としてなる請求項3〜5のいずれかに記載のヒートシー
    ル刃。
  7. 【請求項7】 条溝に、ヒートシール刃それ自体に比し
    て熱伝導率の小さい物質を貼付けもしくは埋め込んでな
    る請求項3〜6のいずれかに記載のヒートシール刃。
  8. 【請求項8】 ヒートシール刃の突条表面を平坦面内に
    位置させてなる請求項3〜7のいずれかに記載のヒート
    シール刃。
  9. 【請求項9】 ヒートシール刃の突条表面を円弧面内に
    位置させてなる請求項3〜7のいずれかに記載のヒート
    シール刃。
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