JP5719558B2 - 包装材料およびそれを用いた液体包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、包装材料およびそれを用いた液体包装袋に関し、より詳しくは、基材層、中間層及びシーラント層を少なくとも有する包装材料およびそれを用いた液体包装袋に関する。
特に、本発明は、包装材料を自動充填機での液体や粘体用の包装袋として用いたときに、押出加工適性(機械的負荷の軽減、フィルム加工性、ラミネート加工性等)、自動充填適正(ヒートシール強度、ヒートシール温度幅、ヒートシール速度、ホットタック性等)および製品特性(外観、耐圧強度、破袋強度、突き刺し強度等)の諸性能を満足させるために、中間層として、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル法ポリエチレン及び、結晶核剤とを含む樹脂組成物を使用しており、これにより、包装材料及びそれを用いた液体包装袋は、ヒートシール強度や夾雑物ヒートシール性強度が高く、ヒートシール速度、低温から高温までの幅広いヒートシール温度範囲、耐圧強度等に優れ、押出加工適性、高速自動充填適性および製品特性が改良される。
従来、包装用基材としては、透明性や機械的強度に優れるポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂等が使用されている。しかし、ヒートシール温度が高く、包装速度を速くできないこと、ヒートシール時にフィルムが収縮して包装外観が悪化すること、ヒートシール強度が低いこと等の問題を有しているため、これらの基材が単独で使用されることは少なく、通常はヒートシール層を設けた複合フィルムが使用されている。
例えば液体及び粘体、並びに不溶物質として繊維、粉体等の固形状のものを含んだ液体、粘体等の包装用基材には、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、紙、アルミニウム箔等からなる表面基材層上にシーラント層を設けた複合フィルム、あるいは基材上に種々の中間層を積層させ、さらにその上にシーラント層を積層させて得られる、包装用フィルムが知られている。
このような複合フィルムのシーラント層用フィルムとしては、当初は低密度ポリエチレン(LDPE)やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が使用されていたが、LDPEフィルムは高速成形性(加工性)等に優れるものの、低温ヒートシール性、耐熱性及びホットタック性等に難点を有し、EVAは低温ヒートシール性が優れるものの、耐熱性及びホットタック性等に難点を有している。
これらを改良するものとして、基材層上に、特定の物性を有する密度0.910〜0.940g/cmのエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、および高圧法低密度ポリエチレン(以下、HPLDと略称することがある)のブレンド組成物からなるシーラント層を積層した複合フィルムが提案されている(特許文献1:特公平02−004425号公報参照)。
また、上記複合フィルムのヒートシール強度とホットタック性等を維持し、さらに低温ヒートシール性を改良したラミネート組成物として、メタロセン触媒で製造された特定の温度上昇溶離分別(以下、TREFと略称することがある)特性を示すエチレンと炭素数3〜炭素数18のα−オレフィンとの共重合体、および特定の低密度ポリエチレンのブレンド組成物(特許文献2:特開平07−026079号公報参照)、あるいは同様な複合フィルム用ポリエチレン組成物として、メタロセン触媒で製造された密度0.880〜0.930g/cm、分子量分布が1.5〜4.0であるエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、及び高圧法低密度ポリエチレンからなる組成物が提案されている(特許文献3:特開平8ー269270号公報参照)。
しかし、上記のような特定のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体と高圧法低密度ポリエチレンとのブレンド組成物からなるシーラント層は、従来の低密度ポリエチレンのシーラント層に比べてヒートシール強度とホットタック性等が優れている。ところが、スープ、ソース、タレ、麺つゆ等の液体包装の場合には、ダイロール式等の自動充填機械を用いて複合フィルム(包装材)の縦、及び横シールを行うため、それぞれ二本の回転ロール間に挟んでシールされて充填袋が形成されることになる。しかし、このようなヒートシール方式で上記これらのブレンド組成物からなるシーラントを用いると、ヒートシール部の肉やせが生じ、破袋が起きたり、基材とシーラント層との剥離が起こるという問題点があった。
このような問題を解消するために、基材とシーラント層間に中間層を設けた多層フィルムが提案されている。このような外層(A)/中間層(B)/内層(C)からなる多層フィルムにおいて、外層(A)及び内層(C)にエチレン−α−オレフィン共重合体(1)、中間層(B)にエチレン−α−オレフィン共重合体(1)より少なくとも0.003g/cm高い密度であるエチレン−α−オレフィン共重合体(2)と、エチレン−α−オレフィン共重合体(1)と同じ密度またはそれ以下の密度であるエチレン−α−オレフィン共重合体(3)、及び高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンからなる樹脂組成物を用いて貼合用共押出多層フィルムとすることが提案されている(特許文献4:特開平10−323948号公報)、
また、少なくとも基材層、中間層およびシーラント層が、この順に積層された多層構造のフィルムの中間層として、直鎖状低密度ポリエチレン(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合比率[(A)/(B)]が70/30〜40/60である樹脂組成物からなり、該直鎖状低密度ポリエチレン(A)がエチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとの共重合体であって、そのメルトフローレートとが1〜50g/10分であり、密度が0.890〜0.930g/cmであり、分子量分布を示すMw/Mnが1.5〜4.0のもの、該高圧法低密度ポリエチレン(B)が2g以上であるメルトテンションのものを用いることが提案されている(特許文献5:特開平11−010809号公報)。
さらに少なくとも基材層、中間層およびシーラント層が、この順に積層された多層構造のフィルムの中間層として、メタロセン触媒より製造された直鎖状低密度ポリエチレン(A)50〜95重量%と高圧法低密度ポリエチレン(B)50〜5重量%の樹脂組成物を用いることが提案されている(特許文献6:特開2001−009997号公報)。
しかしながら、これらの組成物からなる中間層を設けた多層フィルムにおいても、内容物の充填時にシール部に該内容物が夾雑物としてシールされると、ヒートシーラー部から受ける圧力と熱によって、シール部分で基材と中間層の剥離に基づく樹脂だまり(シーラント層および中間層部分がコブ状に盛り上った状態)が生成して、ヒートシール不良が発生する。一方、ヒートシーラーの圧力と温度を下げると、ヒートシール強度の低下、耐圧強度の低下といったヒートシール不良を招き、異物介在による液漏れ等が発生し易く、その結果、ヒートシール時間を長くする必要が生じ、充填速度を速くすることができなかった。
これに対して充填速度を速くするために、ヒートシール温度範囲を広げ、破袋を防止するための試みに、中間層の組成物に結晶核剤を配合した多層フィルムが提案されている。
例えば、基材フィルム上に、少なくとも一層のシーラント層を有する包装材料において、該シーラント層をエチレン−α−オレフィン共重合体と結晶核剤からなる中間層と、エチレン−α−オレフィン共重合体からなる最内層とから構成した包装材料が提案されている(特許文献7:特開平10−315409号公報)。
さらに、ヒートシール温度範囲や破袋防止等を改良する試みとして、中間層にDSCによる融解ピーク温度および結晶化ピーク温度を各々1つ以上有する、結晶化開始温度および融解終了温度の両方を考慮した組成物等が提案されている(特許文献8:特開平11−254614号公報)。また、TREFピーク数を3つ有する密度0.90〜0.93g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンとのポリエチレン樹脂組成物が提案されている(特許文献9:特開2007−204628号公報)。
これらにより改良された多層フィルムは、一定の評価が得られ、実用化もされてもいるが、種々の内容物、基材の違いなどに対応させるためには、ヒートシール温度等の充填装置の設定条件を調整する必要がある。しかし、従来のものでは個々の包材での許容範囲が狭く、都度適正な充填条件を探索する必要があり、煩雑さが生じるという問題は解決できていない。
また、さらなる高速化を達成するために、高速充填に伴う低温ヒートシール性、低温から高温までの幅広いシール温度範囲(幅)の改良や破袋強度の性能向上等が求められている。
特公平02−004425号公報 特開平07−026079号公報 特開平08−269270号公報 特開平10−323948号公報 特開平11−010809号公報 特開2001−009997号公報 特開平10−315409号公報 特開平11−254614号公報 特開2007−204628号公報
本発明の目的は、自動充填機での液体や粘体用の包装袋として用いたときに基材層、中間層及びシーラント層とを少なくとも有する包装材料において、中間層として、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル法ポリエチレン、及び結晶核剤とを含む樹脂組成物を用いることにより、耐圧強度、ヒートシール強度や夾雑物ヒートシール性が高く、低温から高温まで幅広いシール温度範囲で高速充填を可能とする包装材料及びそれを用いた液体包装袋を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく、従来検討対象にされていなかった包装材料の結晶性分布に着目して鋭意検討した結果、結晶性及び結晶性分布によって適正なシール温度が変動することを確認し、結晶性分布を調整するために、エチレン・α−オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを組み合わせ、核剤を併用した組成物とし、これを押出ラミネート加工等による液体、粘体包装材料の中間層として用いた時に、上記の課題が解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本願の第1発明によれば、少なくとも基材層、中間層及びシーラント層を積層させた包装材料において、該中間層が、密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(A)95〜30重量%、高圧ラジカル法ポリエチレン(B)5〜70重量%との樹脂成分と、結晶核剤(C)とを含む樹脂組成物からなり、結晶核剤(C)の含有量が樹脂成分100重量部に対して0.01〜5重量部であり、結晶核剤(C)が(c1)リン酸エステル金属塩系化合物であることを特徴とする包装材料が提供される。
本願の第2発明によれば、前記第1発明において、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が、密度0.870〜0.965g/cmであることを特徴とする包装材料が提供される。
本願の第3発明によれば、前記第1または第2の発明において、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が、シングルサイト系触媒で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする包装材料が提供される。
本願の第4発明によれば、前記第1〜第3のいずれかの発明において、前記高圧ラジカル法ポリエチレン(B)が、低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体から選択された少なくとも1種の高圧ラジカル法ポリエチレンであることを特徴とする包装材料が提供される。
本願の第発明によれば、前記第1〜第のいずれかの発明において、前記基材層が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、不織布から選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする包装材料が提供される。
本願の第発明によれば、前記第1〜第のいずれかの発明において、前記シーラント層が、密度0.860〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(D)、および/または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(E)であることを特徴とする包装材料が提供される。
本願の第発明によれば、前記第1〜第のいずれかの包装材料からなる液体包装袋が提供される。
本願の第発明によれば、前記第の発明において、下記の材料で構成された(I)基材層/(II)中間層/(III)シーラント層を、この順に積層してなる液体包装袋が提供される。
(I)基材層:ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、不織布から選ばれる少なくとも1種の基材。
(II)中間層:密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(A)95〜30重量%、及び高圧ラジカル法ポリエチレン(B)5〜70重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、結晶核剤(C)0.01〜5重量部を含む樹脂組成物。
(III)シーラント層:密度0.860〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(D)および/または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(E)。
本発明によれば、自動充填機での液体や粘体用の包装袋等の包装材料において、中間層として、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル法ポリエチレン及び、結晶核剤とを含む樹脂組成物を用いているので、液体包装袋の製造時に、耐圧強度、ヒートシール強度や夾雑物ヒートシール性が高く、低温から高温まで幅広いシール温度範囲で高速充填が可能となる。
また、この包装材料を用いた液体又は粘体包装袋によれば、破袋や基材とシーラント層との剥離が起こらず、自動充填機での液体や粘体用の高速充填が可能となる。
以下に本発明の基材層、中間層及びシーラント層とを少なくとも有する包装材料とそれを構成する各原材料、包装材料を用いた液体包装袋について説明する。
1.包装材料
本発明の包装材料は、少なくとも基材層、中間層及びシーラント層を積層した材料である。
<(I)基材>
本発明において、基材層を構成する基材とは、包装材料の一外面となる比較的大きな剛性、強度を有する材料である。具体的には、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、不織布などが挙げられる。
中でも剛性、強度等の面から、二軸延伸したポリアミド樹脂(ナイロン)フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、その塩化ビニリデンコーティングフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは金属箔、金属蒸着フィルム、セラミック蒸着フィルム又はこれらの積層体が好ましい。また、上記熱可塑性樹脂フィルムに、紙、不織布、印刷物、塗工膜等を貼合した複合フィルム等を包含する。
金属箔は、材質や厚さなどによって特に限定されず、厚さ5〜40μmのアルミニウム箔、錫箔、鉛箔、亜鉛メッキした薄層鋼板、電気分解法によりイオン化金属を薄膜にしたもの、アイアンフォイル等が用いられる。
また、金属蒸着フィルムについても、材質や厚さなどによって特に限定されず、蒸着金属としてはアルミニウムや亜鉛等が挙げられ、厚みは、通常0.01〜0.2μmのものが好ましく用いられる。蒸着の方法も特に限定されず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等周知の方法が用いられる。さらに、セラミック蒸着フィルムにおいて、蒸着されるセラミックとしては、例えば、一般式SiOx(0.5≦x≦2)で表されるケイ素酸化物のほか、ガラス、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化錫等の金属酸化物、蛍石、フッ化セレン等の金属フッ化物が挙げられる。金属酸化物には、微量の金属や、他の金属酸化物、金属水酸化物が含まれていてもよい。蒸着は、フィルムの少なくとも片面に、上記の種々の蒸着方法を適用することによっても行うことができる。
蒸着フィルムの厚さは、通常、12〜40μm程度である。また、被蒸着フィルムとしては、特に制限はなく、延伸ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム等の透明フィルムが挙げられる。
<(II)中間層>
本発明において、中間層は、(A)密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体95〜30重量%、(B)高圧ラジカル法ポリエチレン5〜70重量%との樹脂成分100重量部と、結晶核剤(C)0.01〜3重量部とを含む樹脂組成物からなるものである。
<(A)エチレン−α−オレフィン共重合体>
本発明において、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とは、密度0.860〜0.970g/cm、好ましくは0.870〜0.960g/cm、より好ましくは、0.880〜0.945g/cmに範囲で選択される。密度が、0.860g/cm未満ではヒートシール強度が十分ではなく、0.970g/cmを超えるものは柔軟性が失われ、かつヒートシール温度幅が十分に広がらないものとなる。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のMFR(190℃、21.18N荷重)は、0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜70g/10分、より好ましくは1.0〜50g/10分の範囲である。該MFRが0.1g/10分未満では、加工性が悪化し、高速充填が行われなくなる。また、100g/10分を超える場合にはヒートシール強度が低下する虞が生じる。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のコモノマーとして用いられるα−オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12、より好ましくは炭素数4〜8のα−オレフィンである。
具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。かかるエチレン・α−オレフィン共重合体の中でも、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等が特に好ましい。
コモノマーとして用いられる上記α−オレフィンは、1種類に限らず、ターポリマーのように2種類以上用いた多元系共重合体でもよい。具体例としては、エチレン・プロピレン・1−ブテン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン3元共重合体等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンから誘導される構成単位を主成分とするものが好ましく、エチレン含有量が50〜99重量%、より好ましくは60〜97重量%、さらに好ましくは70〜95重量%の範囲から選択される。従って、α−オレフィン含有量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%の範囲から選択される。なお、エチレン含有量は、下記に示す13C−NMRスペクトル分析によって決定される。
溶媒:オルトジクロロベンゼン
試料濃度:300mg/2mL
標準物質:ヘキサメチルジシロキサン
測定温度:120℃
周波数:100MHz
スペクトル幅:20000Hz
パルス繰り返し時間:10秒
フリップ角:40度
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、製造方法によって特に限定されず、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒(シングルサイト系触媒)等の触媒を用いて製造される。低温ヒートシール性、ヒートシール強度等のヒートシール性能が発揮されるためには、メタロセン系触媒で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
メタロセン系触媒を使用する場合は、単一の反応で得られる重合体として結晶性分布が狭いものが得られるので、結晶性の異なる種々のエチレン・α−オレフィン共重合体のブレンドにより、上述した諸物性値を満足する組成物を得やすい利点がある。各成分に相当するエチレン・α−オレフィン共重合体は、数種類をブレンドしてもよく、多段重合で製造してもよい。
本発明に用いられるメタロセン系触媒とは、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、公知の触媒はいずれも使用できる。
メタロセン化合物(i)は、例えば、特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭59−23011号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開昭60−35009号、特開昭61−130314号、特開平3−163088号公報等、EP公開420,436、米国特許5,055,438、国際公開WO91/04257、国際公開WO92/07123等に開示されている。
更に具体的には、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4H−アズレニル)] ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物が例示できる。上記において、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用できる。場合によっては、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物の混合物を使用することもできる。
メタロセン化合物は、無機または有機化合物の担体に担持して使用してもよい。該担体としては無機または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、イオン交換性層状珪酸塩、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられる。
本発明において用いられる助触媒(ii)は、メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる成分であり、具体的には、有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン化合物)、イオン交換性層状珪酸塩、ルイス酸、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物(iii)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的には、これらの触媒の存在下でのスラリー法、気相流動床法や溶液法、あるいは圧力が200kg/cm以上、重合温度が100℃以上での高圧バルク重合法等が挙げられる。好ましい製造法としては高圧バルク重合法、気相流動床法等が挙げられる。
係るエチレン−α−オレフィン共重合体としては、メタロセン系ポリエチレンとして市販されているものの中から適宜選択し使用することもできる。市販品としては、デュポン・ダウ社製「アフィニティー(登録商標)」、日本ポリエチレン社製「カーネル(登録商標)」「ハーモレックス(登録商標)」、三井化学社製「エボリュー(登録商標)」、エクソン・モービル社製「エクシード(登録商標)」等が挙げられる。
<高圧ラジカル法ポリエチレン(B)>
本発明において高圧ラジカル法ポリエチレン(B)とは、(i)高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン、(ii)エチレン−ビニルエステル共重合体、(iii)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体から選択された少なくとも1種の樹脂を包含するものである。
<高圧法低密度ポリエチレン(i)>
高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(HPLD)としては、高圧ラジカル重合法で製造される長鎖分岐構造を有する密度0.900〜0.940g/cmの低密度ポリエチレンである。高圧法低密度ポリエチレン(i)の密度は、好ましくは0.910〜0.935g/cm、より好ましくは0.912〜0.930g/cmの範囲から選択される。
またメルトフローレート(MFR)は、190℃、21.18N荷重下で測定され、0.1〜100g/10分、好ましくは0.3〜70g/10分、より好ましくは0.5〜50g/10分範囲で選択される。
市販品としては、日本ポリエチレン社製LC600A(密度0.919g/cm、MFR7g/10分)、日本ポリエチレン社製LC520(密度0.924g/cm、MFR3.5g/10分)、住友化学工業社製L705(密度0.919g/cm、MFR7g/10分)等が使用される。
HPLDは、溶融弾性が高く、押出ラミネート加工性を改良する作用がある。HPLDが余りに多いと、包装体とした時のヒ−トシール強度および耐圧強度が弱くなり、また少ないと押出ラミネート加工でのネックインが大きくなって均一な溶融薄膜が得られにくくなるので、後記のように、エチレン・α−オレフィン共重合体を95〜30重量%、HPLD5〜70重量%であるが、望ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とし、特にエチレン−α−オレフィン共重合体(A)90〜50重量%に対して、高圧ラジカル法ポリエチレン(B)10〜50重量%の範囲から選択されることが好ましい。
また、高圧法低密度ポリエチレン(i)の溶融張力は1.5〜25g、好ましくは3〜20g、さらに好ましくは3〜15gであり、Mw/Mnは3.0〜15、好ましくは4.0〜10である。溶融張力、Mw/Mnは樹脂の弾性項目であり、上記の範囲であればシート成形がし易い。
エチレン−ビニルエステル共重合体(ii)とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニル等のビニルエステル単量体との共重合体である。
これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。該ビニルエステル含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。これら共重合体のMFRは、0.01〜50g/10分、好ましくは0.1〜40g/10分、であり、溶融張力は2.0〜25g、好ましくは3〜20gである。
上記エチレンとα−β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(iii)とは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体および所望により他の不飽和単量体との共重合体、およびそれらの金属塩(アイオノマー)、アミド、イミド等である。
共重合成分であるα,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類を挙げることができる。
また、その誘導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。これらの共重合体の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸―酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体等の二元または多元共重合体が挙げられる。
上記における他の不飽和単量体とは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数3〜10のオレフィン類、C2〜C3アルカンカルボン酸のビニルエステル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸および無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物類などの群から選ばれた少なくとも1種である。
上記エチレン共重合体としては、エチレン65〜99.5重量%、不飽和カルボン酸またはそのエステル0.5〜35重量%および他の不飽和単量体0〜25重量%からなる共重合体が好ましい。これら共重合体のMFRは、0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲で選択される。
<樹脂成分の配合割合>
上記、密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(A)と高圧ラジカル法ポリエチレン(B)との配合割合は、(A)/(B)=95〜30重量%/5〜70重量%とし、好ましくは90〜50重量%/10〜50重量%、より好ましくは80〜60重量%/20〜40重量%の範囲で選択される。上記(A)成分が95重量%超えるか30重量%未満で、(B)成分が5重量%未満か70重量%を超える場合は、フィルム加工時の加工性悪化による生産性の低下、液体充填時における横シール適性充填温度範囲の低温側温度の上昇、ヒートシール強度、破袋強度の低下の懸念が生じる。
<(C)結晶核剤>
本発明において結晶核剤(C)は、(c1)リン酸エステル系化合物、(c2)ソルビトール化合物、(c3)カルボン酸の金属塩、(c4)ポリビニルシクロヘキサンなどのビニル基を含有するモノマーの重合体、(c5)無機化合物系核剤から選ばれる少なくとも1種である。
これらの内でも、(c1)リン酸エステル系化合物、(c2)ソルビトール化合物、(c3)カルボン酸の金属塩が好ましい。
<(c1)リン酸エステル系化合物>
リン酸エステル系化合物としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸リチウム塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸アルミニウム塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸カルシウム塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸マグネシウム塩、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム塩、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸リチウム塩、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸アルミニウム塩、2,2’−メチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸カルシウム塩、2,2’−メチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸マグネシウム塩、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム塩、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸リチウム塩、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸アルミニウム塩、ビス−(4−t−ブチルフェニル)リン酸カルシウム塩、ビス−(4−t−ブチルフェニル)リン酸マグネシウム塩等の芳香族リン酸金属塩系化合物が挙げられる。
芳香族リン酸エステル系化合物の市販されているものの代表例としては、ADEKA(株)の商品名:アデカスタブ NA−10、商品名:アデカスタブ NA−11、商品名:アデカスタブ NA−21などが挙げられ、これらは単独あるいは2種類以上混合して用いられる。
これらリン酸エステル系化合物は、平均粒径で10μm以下、特に好ましくは0.5μm以下にまで粉砕することにより、自身の分散性を改善することができる。
<(c2)ソルビトール系化合物>
(c2)ソルビトール系化合物としては、例えばジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(メトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(エトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3−クロルベンジリデン−2・4−メチルベンジリデンソルビトール、モノ(メチル)ジベンジリデンソルビトール等のジベンジリデンソルビトール系化合物等が挙げられる。
<(c3)カルボン酸の金属塩>
(c3)カルボン酸の金属塩としては、例えばアジピン酸ナトリウム、アジピン酸カリウム、アジピン酸アルミニウム、セバシン酸ナトリウム、セバシン酸カリウム、セバシン酸アルミニウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸アルミニウム、ジ−パラ−t−ブチル安息香酸アルミニウム、ジ−パラ−t−ブチル安息香酸チタン、ジ−パラ−t−ブチル安息香酸クロム、ヒドロキシ−ジ−t−ブチル安息香酸アルミニウム,β−ナフトエ酸ナトリウム、シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム、シクロペンタンカルボン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
この他にも核剤として、(c4)ポリビニルシクロヘキサンなどのビニル基を含有するモノマーの重合体、(c5)無機化合物系核剤であるシリカ、タルク、二酸化チタン、マイカ、ミョウバン等が挙げられ、2種以上を併用することも可能である。
結晶核剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.01〜5重量部とし、好ましくは0.02〜4重量部、さらに好ましくは0.03〜3重量部の範囲で使用される。
結晶核剤の含有量が0.01重量部未満では、本発明の目的の1つであるヒートシール温度範囲が広がらず、成形サイクル性の改良が不十分であり、一方、5重量部を超える量を配合してもそれ以上の効果の向上が望めず、コスト高となる懸念が生じる。
本発明では、結晶性及び結晶性分布によって適正なシール温度が変動することに着目し、結晶性分布を調整するために、エチレン・α−オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを組み合わせ、核剤を併用したものを樹脂組成物とした。この樹脂組成物の結晶性分布中における低結晶性成分は、低温度からのヒートシールを可能とし、高結晶性成分は、高温度でのヒートシール時における、内容物の噛み込み・発泡による外観不良を抑える。また、高圧法低密度ポリエチレンは、加工性を向上させ、核剤は、ヒートシール時の結晶化速度促進による、さらなる低温度でのヒートシールを可能とする。この組成物を押出ラミネート加工等による液体、粘体包装材料の中間層として用いたことで、耐圧強度、ヒートシール強度や夾雑物ヒートシール性が高く、低温から高温まで幅広いシール温度範囲で高速充填を可能とする包装材料が提供される。
<(III)シーラント層>
シーラント層を構成する材料としては、(D)密度0.860〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレンとも称す)、および/または(E)高圧ラジカル法ポリエチレンが挙げられる。
上記(D)成分および(E)成分は、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体または高圧ラジカル法ポリエチレンを単独で使用してもよいが、前記(A)成分および(B)成分と同じものを使用することができる。エチレン−α−オレフィン共重合体(D)としては、シングルサイト系触媒を用いて調製した直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
さらに、とりわけ直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンとの混合物が、高いヒートシール強度を示すシーラント層を形成することができるので、好ましい。
(D)成分と(E)成分の配合割合(重量%)は、(D)/(E)=5〜95/95〜5、好ましくは10〜90/90〜10、より好ましくは15〜85/85〜15の範囲で選択することで、ヒートシール強度、加工性、高速充填性等のバランス良い性能が発揮される。
さらに、中間層とシーラント層とは、中間層の融点が、シーラント層の融点より高いことが望ましく、このような関係を維持することにより、スープ、ソース、タレ、麺つゆ等の液体包装の場合に使用されるダイロール式等の自動充填機械を用いて複合フィルム(包装材)の縦、及び横シールを行う際の、それぞれ二本の回転ロール間に挟んでシールされて充填袋が形成されるヒートシール方式で、ヒートシール部の肉やせや、破袋、基材とシーラント層との剥離が起こるという諸問題が解消される。
本発明における中間層および/またはシーラント層に使用される樹脂組成物には、必要に応じて、種々の任意の添加剤を加えることができる。これらの添加剤としては、酸化防止剤、高級脂肪酸アマイド等のスリップ剤、ポリグリセリン脂肪酸等の帯電防止剤、防曇剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の中和剤、酸化珪素、硫酸カルシウム等のアンチブロッキング剤等の添加剤、充填剤等が挙げられ、必要に応じ添加することができる。
<積層体の製造>
本発明では、前記中間層およびシーラント層に使用されるポリエチレン樹脂組成物を別々に、あるいは同時に溶融押出して成形するか、基材に中間層を溶融押出成形することにより積層体、すなわち包装材料を製造する。
中間層およびシーラント層の成形温度は、150〜320℃であり、この範用を外れると基材と中間層、およぴ中間層とシーラント層との接着性が悪くなり、また320℃を超えると加工性、臭気等の点からも好ましくない。
また、基材に中間層を溶融押出成形する際には、基材の押出成形される面にアンカーコート処理を行い、かつ上記成形温度範囲においてオゾン処理を行うことが接着性の点から好ましい。アンカーコート処理は、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ウレタンポリマー、またはそれらの混合物および反応生成物、ポリエステルまたはポリオールとイソシアネート化合物との混合物および反応生成物、またはそれら溶液等の公知のアンカーコート剤、接着剤等を基材表面に塗布することによりなされる。
また、ラミネートする方法としては、例えば共押出ラミネート法、サンドラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネート法等が採用され、特に限定されるものではない。
本発明において、積層体の基本構成は、基材層、中間層及びシーラント層の各層それぞれ1層からなる合計3層構成が最低必要である。ここにおいて、基材層、中間層及びシーラント層の各層は単層でもよいが、場合によっては前記各層を複数の層で構成することができる。例えば、ポリエステルフィルムとセラミック蒸着ポリエステルフィルムをドライラミネートした2層フィルムを基材層として使用することができる。2層フィルムから成る基材層に、中間層1層及びシーラント層1層を積層する場合は合計4層の積層体となる。又、例えば、ポリエステルフィルムとアルミ箔をドライラミネートし、更にアルミ箔面にポリエステルフィルムをドライラミネートした合計3層フィルムを基材層として使用する場合は5層構成となる。中間層及びシーラント層は、通常単層(1層のみ)で使用されるが、これに限定されるものではない。また、場合によっては、無水マレイン酸、エポキシ化合物等の官能基を有する化合物とエチレン等のオレフィンとのランダム共重合体、グラフト共重合体からなる接着性樹脂を接着剤として使用してもよい。
オゾン処理は、エアーギャップ内で、ノズルまたはスリット状の吹出口からオゾンを含有させた気体(空気等)を、中間層の基材接着面またはこれと積層される基材面に向けるか、両者の圧着部に向けて吹き付けることによって行われる。なお、100m/分以上の速度で押出ラミネートする場合は、上記両者の圧着部に向けて吹き付けることが好ましい。オゾンを含有させた気体中のオゾンの濃度は、1g/m以上が好ましく、さらに好ましくは3g/m以上である。
また、吹き付ける量は、接着層の幅に対して0.03リットル/分/cm以上が好ましく、さらに好ましくは0.1リットル/分/cm以上である。
ラミネート速度は、生産性の点から一般的には100〜150m/分である。また、公知の押出ラミネーターのエアーギヤップは、通常100〜150mmが一般的である。本発明における積層体は、成形後ただちにエージング処理をすることが接着性の点から好ましい。エージングは、積層体の成形後12時間以内に、温度23〜45℃、好ましくは35〜45℃で、湿度0〜50%の雰囲気下に、12〜24時間静置することで行われる。
このようにして得られる積層体は、基材層の肉厚が10〜50μm、中間層の肉厚が10〜50μm、シーラント層の肉厚が5〜100μmであることが好ましい。
上記の包装材料は、通常の鰹節等の食品包装材料、医薬品、電子部品包装材料等の産業用包装材料としても使用可能であるが、液体包装袋の内容物の充填時にシール部に該内容物が夾雑物となる異物の介在による液漏れ防止、基材と中間層の剥離に基づく樹脂だまりの発生防止、シール温度範囲の広がりによる高速充填が可能であるという点から、特にスープ、ソース、タレ、麺つゆ等の液体包装袋として顕著な効果を発揮し、有用である。
2.液体包装袋
本発明の液体包装袋は、上記包装材料を用いた液体又は粘体を充填する袋であり、具体的には下記の材料で構成された(I)基材層/(II)中間層/(III)シーラント層の順に積層された積層体を常法のヒートシール機で、二方シール、三方シールまたは四方シールして袋状としたものである。
(I)基材層:ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、不織布から選ばれる少なくとも1種の基材。
(II)中間層:(A)密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体95〜30重量%、(B)高圧ラジカル法ポリエチレン5〜70重量%との樹脂成分100重量部と、結晶核剤(C)0.01〜5重量部とを含む樹脂組成物。
(III)シーラント層が(D)密度0.860〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体および/または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂。
上記液体包装袋用の基材としては、特に耐熱性、剛性、耐傷付き性、ガスバリヤ性、耐湿性等の点からポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂等の延伸又は無延伸フィルムが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における基礎物性及び加工評価は、以下に示す方法によって実施した。
<試験法>
1.密度:JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に準拠して行った。
2.MFR:JIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して行った。
3.加工性
加工性:○=ラミネート加工できる。
加工性:△=ネックインが発生するが、ラミネート加工できる。
加工性:×=ネックインが悪く、ラミネート加工できない。
4.液体充填適性の評価(N=5)
粘性体自動充填包装機(大成ラミック(株)製 NT−DANGAN TYPE−III)を用いて、次の条件で液体を充填し、液体充填小袋を得た。
[充填条件]
シール温度:(縦)190℃、(横)130〜160℃の範囲で5℃刻み
包装形態:三方シール
袋寸法:幅75mm×縦100mm ピッチ
充填物:30℃の水
充填量:約30cc
充填速度:20m/分
得られた液体充填小袋の横シール部の外観観察および耐圧試験を行い、以下の基準で評価した。
シール温度範囲とシール部の外観: 高温充填適性評価(N=5)
○:漏れなし、外観不良なし
△:1〜4/5(5個中1〜4個)で漏れあり
▼:やや外観不良
×:5/5(5個全て)で漏れあり、又は外観不良
5.耐圧テスト:低温充填適性(最低耐圧温度)の判定基準
耐圧テスターにて充填後の袋に100kgの荷重を3分間掛け、耐圧試験を行い、破袋、又は水洩れの発生しない最低温度で評価した。最低耐圧温度は低い方が望ましい。
○:耐圧100kg、3分間問題なし 5/5(5個全て)をクリア
△:1〜4/5(5個中1〜4個)クリア
×:5/5(5個全て)で漏れあり
[原料樹脂]
<エチレン・α−オレフィン共重合体の調製>
(1)PE−1の触媒の調製:
電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラエトキシジルコニウム(Zr(OEt)4)22g及びインデン75g及びメチルブチルシクロペンタジエン88gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を3200ml添加し、2時間攪拌した。次に、あらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレース社製、#952、表面積300m/g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブロー及び減圧乾燥を行い、流動性の良い固体触媒を得た。
(2)重合
PE−1の重合:
気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.5kg)を準備し、1−ヘキセン/エチレンのモル比を0.027、水素/エチレンのモル比を7.5×10−4、窒素濃度を30mol%とし、全圧を0.8MPa、温度を75℃とした後、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.01mmol/ml)を25ml/hrで供給した。
ガス組成と温度を一定に保ちながら、1時間当たりの生産量が約300gとなるように、固体触媒を間欠的に供給して重合を行った。活性は410g/(g触媒MPa・h)であり、得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE−1)の物性を測定したところ、1−ヘキセン含有量11重量%、MFR12g/10分、密度0.912g/cmであった。
PE−2:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.911g/cm、MFR:8g/10分、
商品名:モアテック1018G プライムポリマー(株)社製)
PE−3:高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm、MFR:7g/10分、
商品名:ノバテックLD LC600A 日本ポリエチレン(株)社製)
結晶核剤:アデカスタブNA−21(ADEKA(株)社製)
<(I)基材>
二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:ハーデンN4142 東洋紡(株)社製、厚み15μm)を用いた。
<(II)中間層>
下記表1に示す樹脂組成物に、結晶核剤(株式会社ADEKA製アデカスタブNA−21)を加え、または加えないで単軸押出機190℃で押出し混練、ペレット化した組成物(S1〜S7)として、中間層の材料とした。
Figure 0005719558
<(III)シーラント層>
シングルサイト触媒で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.898g/cm、MFR:17g/10分)55重量%と、シングルサイト触媒で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.880g/cm、MFR:3.5g/10分)20重量%と、高圧ラジカル法で製造された低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm、MFR:4g/10分)25重量%からなる組成物を材料として用いた。
<実施例1>
[積層体フィルムの調製]
積層体フィルムは、以下の押出ラミネート加工条件により作成した。
<MODERN MACHINERY製>
成型機:90mmφラミネート押出機、ダイス幅600mm、ダイリップ開度0.7mm
加工樹脂温度:320℃、冷却ロール表面温度:25℃、
引き取り加工速度:100m/分
上記の条件で幅500mm、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡(株)、ハーデン N4142)上に、イソシアネート系アンカーコート剤(日本曹達社製 チタボンドT120溶液)をボウズロールにて塗工しながら、またラミネート部にてオゾン吹きつけを行いながら、中間層材料として表1に示すポリエチレン樹脂組成物(S1)を引き取り速度100m/分、被覆厚み25μmで押出しラミネート加工を行った。
さらに、この上に同じ押出ラミネート装置を用い、シーラント層としてシングルサイト触媒で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.898g/cm、MFR:17g/10分)55重量%と、シングルサイト触媒で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.880g/cm、MFR:3.5g/10分)20重量%と、高圧ラジカル法で製造された低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm、MFR:4g/10分)25%からなる組成物を押出樹脂温度280℃、引き取り速度100m/分、被覆厚み25μmで押出ラミネート加工を行い、積層を行った。
加工後の積層フィルムを45℃のオーブン内にて24時間のエージングを行い、その後幅130mmにスリットすることで評価用の包装フィルムを得た。
上記包装フィルムを速度20m/min.と25m/min.で、縦シール温度190℃、横シール温度130℃〜165℃の温度範囲でシールを行い、その横シール部を評価(N=5)した結果を表2に示した。
<実施例2−4>
表2のように、樹脂S1の代わりにS2、S3、S4のいずれかを用い、LDPEを30又は50重量%混合した以外は、実施例1と同様にして、積層体フィルムを調製した。
上記実施例1と同様にして、包装フィルムを得た後、速度20m/min.と25m/min.で、縦シール温度190℃、横シール温度130℃〜165℃の温度範囲でシールを行い、その横シール部を評価(N=5)した。結果を表2に示した。
Figure 0005719558
<比較例1−4>
表3のように、樹脂S1の代わりにS2、S4、S5のいずれかを用い、LDPEを混合しないか又は30重量%混合した以外は、実施例1と同様にして、積層体フィルムを調製した。なお、比較例1,3,4では核剤を混合しなかった。
上記実施例1と同様にして、包装フィルムを得た後、速度20m/min.と25m/min.で、縦シール温度190℃、横シール温度130℃〜165℃の温度範囲でシールを行い、その横シール部を評価(N=5)した。結果を表3に示した。
Figure 0005719558
<評価結果>
表2に示したように、実施例1〜3は、高圧法低密度ポリエチレン樹脂を10〜50重量%配合し、結晶核剤を所定量配合したものであって、高圧法低密度ポリエチレンの配合量が10%の実施例1は、ラミネート加工時に比較的大きいネックインが懸念されるものの、充填時の横シールの温度範囲が拡がっていることが判る。
高圧法低密度ポリエチレン樹脂を30重量%配合した実施例2は、ラミネート時の加工性も良く、充填時の横シールの温度範囲も広かった。
また、高圧法低密度ポリエチレンの配合量が50%の実施例3は、加工性は良いが、充填時の横シール温度範囲が実施例2に比べ若干狭く、耐圧強度が若干劣るものであった。
一方、表3に示したように、比較例1、比較例2、比較例5は、高圧法低密度ポリエチレン樹脂の配合量がない場合であって、ラミネート加工時のネックインが非常に大きいため、ラミネート加工は不可であった。
また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂70重量%と高圧法低密度ポリエチレン樹脂の配合量を30重量%、結晶核剤は配合せずに評価した比較例3及び4では、やはり実施例2または実施例4に比較して、ヒートシール温度幅(℃)は狭いものであった。
また、比較例6は、高圧法低密度ポリエチレン100%であり、ラミネート加工性は良いが、得られた液体充填小袋の耐圧強度が低く、耐圧テストで袋が破袋してしまった。
本発明の包装材料は、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル法ポリエチレン及び、結晶核剤とを含む樹脂組成物から構成する中間層としていることにより、耐圧強度、ヒートシール強度や夾雑物ヒートシール性が高く、低温から高温まで幅広いシール温度範囲で高速充填が可能となるので、自動充填機での液体や粘体用の包装袋として有用である。

Claims (8)

  1. 少なくとも基材層、中間層及びシーラント層を積層させた包装材料において、該中間層が、密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(A)95〜30重量%、高圧ラジカル法ポリエチレン(B)5〜70重量%との樹脂成分と、結晶核剤(C)とを含む樹脂組成物からなり、結晶核剤(C)の含有量が樹脂成分100重量部に対して0.01〜5重量部であり、結晶核剤(C)が(c1)リン酸エステル金属塩系化合物であることを特徴とする包装材料。
  2. 前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が、密度0.870〜0.965g/cmであることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)が、シングルサイト系触媒で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料。
  4. 前記高圧ラジカル法ポリエチレン(B)が、低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体から選択された少なくとも1種の高圧ラジカル法ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材料。
  5. 前記基材層が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、不織布から選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の包装材料。
  6. 前記シーラント層が、密度0.860〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(D)および/または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(E)であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の包装材料。
  7. 前記請求項1〜いずれかに記載の包装材料からなる液体包装袋。
  8. 下記の材料で構成された(I)基材層/(II)中間層/(III)シーラント層を、この順に積層してなる請求項に記載の液体包装袋。
    (I)基材層:ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネートまたはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、不織布から選ばれる少なくとも1種の基材。
    (II)中間層:密度0.860〜0.970g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(A)95〜30重量%、及び高圧ラジカル法ポリエチレン(B)5〜70重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、結晶核剤(C)0.01〜5重量部を含む樹脂組成物。
    (III)シーラント層:密度0.860〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体(D)および/または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(E)。
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