JPH1110809A - 包装用フィルム - Google Patents

包装用フィルム

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JPH1110809A
JPH1110809A JP16769297A JP16769297A JPH1110809A JP H1110809 A JPH1110809 A JP H1110809A JP 16769297 A JP16769297 A JP 16769297A JP 16769297 A JP16769297 A JP 16769297A JP H1110809 A JPH1110809 A JP H1110809A
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density polyethylene
film
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packaging
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JP16769297A
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Satoshi Akiyama
山 聡 秋
Yoshikuni Soma
馬 義 邦 相
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の包装用フィルムは、少なくとも表
面基材層、中間層およびシーラント層が、この順に積層
された多層構造のフィルムであって、該中間層は、直鎖
状低密度ポリエチレン(A)と高圧法低密度ポリエチレン
(B)との混合比率[(A)/(B)]が70/30〜40/60である樹脂
組成物からなり、該成分(A)は、エチレンと炭素原子数
4以上のα- オレフィンとの共重合体であって、そのM
FRが1〜50g/10分であり、密度が0.890〜0.930g/cm3
あり、Mw/Mnが1.5〜4.0であり、該成分(B)は、メ
ルトテンションが2g以上であることを特徴としてい
る。 【効果】上記包装用フィルムは、従来の積層タイプの包
装用フィルムに比べ、各層間の接着強度が高く、破袋強
度の高い包装用袋を製造することができ、しかも、液体
スープ等の食料品などの被包装物を袋内に自動充填(ダ
イロール充填)してもヒートシール部に肉やせが生じる
ことはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、包装用フィルムに関し、
さらに詳しくは、表面基材層、中間層およびシーラント
層が、この順に積層された多層構造の包装用フィルムに
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、食品および医薬品などの包
装材として使用されている包装用フィルムには、ポリア
ミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、紙、アル
ミニウム箔からなる表面基材層上に、シーラント層を設
け、このシーラント層のヒートシール性を利用する包装
用フィルムがある。 このシーラント層に使用される樹
脂として、たとえば特公平2−4425号公報、特開平
7−26079号公報、特開平8−269270号公報
に記載されているように、直鎖状低密度ポリエチレン
(L−LDPE)あるいはメタロセン系触媒を用いて調
製したポリエチレンに高圧法低密度ポリエチレン(HP
−LDPE)を配合したポリエチレン系樹脂が知られて
いる。
【0003】さらに、表面基材層とシーラント層との接
着性を高めるために、その中間にアンカーコート層また
は下貼樹脂層(中間層)を設けることも行なわれてい
る。このような下貼樹脂層には、主に接着性ポリオレフ
ィン、低密度ポリエチレンが使われている。
【0004】このような多層フィルムにおいて、各層間
の接着強度を更に一層高めること、および多層フィルム
から製造した袋の破袋強度を更に高めるとともに、液体
スープ等の食料品など被包装物が自動充填(ダイロール
充填)される際におけるヒートシール部の肉やせを防止
することが要望されている。
【0005】本願発明者らは、鋭意研究し、ポリアミド
フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等から
なる表面基材層と、エチレンと炭素原子数4以上のα-
オレフィンとの共重合体である特定の直鎖状低密度ポリ
エチレン、およびメルトテンションが2g以上である高
圧法低密度ポリエチレンとを特定割合で含有させた樹脂
組成物からなる中間層と、シーラント層とを、この順に
積層したところ、得られた三層構造のフィルムは、上記
のような従来の積層タイプの包装用フィルムに比べ、各
層間の接着強度が高く、破袋強度の高い包装用袋を製造
することができ、しかも液体スープ等の被包装物を袋内
に自動充填(ダイロール充填)してもヒートシール部の
肉やせが生じないことを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来の積層タイ
プの包装用フィルムに比べ、各層間の接着強度が高く、
破袋強度の高い包装用袋を製造することができ、しか
も、液体スープ等の食料品などの被包装物を袋内に自動
充填(ダイロール充填)した際にヒートシール部の肉や
せが生じることのない、多層構造の包装用フィルムを提
供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る包装用フィルムは、少なく
とも表面基材層、中間層およびシーラント層が、この順
に積層された多層構造のフィルムであって、該中間層
は、直鎖状低密度ポリエチレン(A)と高圧法低密度ポ
リエチレン(B)との混合比率[(A)/(B)]が70/3
0〜40/60である樹脂組成物からなり、該直鎖状低
密度ポリエチレン(A)は、エチレンと炭素原子数5以
上のα- オレフィンとの共重合体であって、そのメルト
フローレートが1〜50g/10分であり、密度が0.
890〜0.930g/cm3 であり、分子量分布を示
すMw/Mnが1.5〜4.0であり、該高圧法低密度
ポリエチレン(B)は、メルトテンションが2g以上で
あることを特徴としている。
【0008】前記シーラント層は、直鎖状低密度ポリエ
チレン(A)を含む樹脂層であることが好ましい。本発
明に係る包装用フィルムは、液体スープなどの、実質的
に液体を含む内容物の包装用フィルムとして好適であ
る。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る包装用フィル
ムについて具体的に説明する。本発明に係る包装用フィ
ルムは、少なくとも表面基材層、中間層およびシーラン
ト層が、この順に積層された三層以上の多層構造のフィ
ルムである。
【0010】表面基材層 本発明の包装用フィルムを構成する表面基材層として
は、フィルム形成能を有する材料であれば特に限定され
ず、任意の重合体あるいは紙、アルミニウム箔、セロハ
ンなどを使用することができる。
【0011】このような重合体としては、具体的には、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロ
ピレン、ポリ-1- ブテン、ポリ-4- メチル-1- ペンテン
等のオレフィン系重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアク
リロニトリル等のビニル系重合体;ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、
ナイロン610、ポリメタキシリレンアジパミド等のポ
リアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;エ
チレン・ビニルアルコール共重合体;ポリカーボネート
などを挙げることができる。
【0012】また、表面基材層が重合体フィルム(シー
ト)であるときには、この重合体フィルムは、無配向で
あってもよいが、通常は一軸または二軸に延伸されてい
る。このフィルムの表面にはアルミニウムや酸化ケイ素
が蒸着されていてもよい。
【0013】これらの表面基材層は、用途、被包装物の
種類により適宜選択することができる。たとえば被包装
物が腐敗しやすい食品である場合には、ポリアミド、ポ
リ塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール共重合
体、ポリビニルアルコール、ポリエステルの如く、透明
性、剛性、ガス透過抵抗性の優れた樹脂を用いることが
できる。また、被包装物が菓子あるいは繊維などである
場合には、透明性、剛性、水透過抵抗性の良好なポリプ
ロピレンなどを用いることが好ましい。
【0014】中間層 本発明の包装用フィルムを構成する中間層は、直鎖状低
密度ポリエチレン(A)と高圧法低密度ポリエチレン
(B)とを含有してなる樹脂組成物からなる。
【0015】[直鎖状低密度ポリエチレン(A)]本発
明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、エ
チレンと炭素原子数4以上のα- オレフィンとの共重合
体である。
【0016】炭素原子数4以上のα- オレフィンとして
は、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1- ペンテンなどが
挙げられる。中でも、炭素原子数5〜8のα- オレフィ
ンが好ましく、特に1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ンが好ましい。
【0017】これらのα- オレフィンは、単独で、また
は2種以上組合わせて用いることができる。直鎖状低密
度ポリエチレン(A)としては、具体的には、エチレン
・1-ヘキセン共重合体などが好ましい。
【0018】直鎖状低密度ポリエチレン(A)の密度
(ASTM D 1505)は、通常0.890〜0.930g/c
3 、好ましくは0.910〜0.925g/cm3
ある。密度が上記範囲内にある直鎖状低密度ポリエチレ
ン(A)を中間層形成用樹脂組成物の一成分として用い
ると、中間層と表面基材層との層間接着性、および中間
層とシーラント層との層間接着性に優れた多層フィルム
が得られる。
【0019】この密度は、直鎖状低密度ポリエチレン
(A)におけるエチレンとα- オレフィンとの共重合割
合に大きく依存しており、エチレンから導かれる構成単
位の割合は、好ましくは85〜99.5モル%、さらに
好ましくは90〜99.0モル%であり、炭素原子数4
以上のα- オレフィンから導かれる構成単位の割合は、
好ましくは0.5〜15モル%、さらに好ましくは1.
0〜10モル%である。
【0020】この直鎖状低密度ポリエチレン(A)のメ
ルトフローレート(MFR;ASTM D1238,190℃、荷重2.
16kg)は、通常1〜50g/10分、好ましくは5〜4
0g/10分、さらに好ましくは7〜20g/10分で
ある。
【0021】MFRが上記範囲内にある直鎖状低密度ポ
リエチレン(A)を中間層形成用樹脂の一成分として用
いると、得られる中間層形成用樹脂組成物は、優れた流
動特性(押出加工性)を示す。
【0022】この直鎖状低密度ポリエチレン(A)の分
子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)で表わすと1.5〜4.
0、好ましくは1.8〜3.5である。このMw/Mn
値は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって
測定することができる。
【0023】また、直鎖状低密度ポリエチレン(A)
は、示差走査熱量計(DSC)の昇温速度10℃/分で
の吸熱曲線から求めた鋭いピークを示す点が1個ないし
複数個あり、該ピークの最高温度、すなわち融点が70
〜130℃、好ましくは80〜120℃の範囲内にある
ことが望ましい。融点が上記範囲内にある直鎖状低密度
ポリエチレン(A)を用いると、耐熱性に優れた中間層
を有する多層フィルムが得られる。
【0024】上記のような直鎖状低密度ポリエチレン
(A)は、シングルサイト触媒を用いた従来公知の製造
法により調製することができる。たとえば直鎖状低密度
ポリエチレン(A)は、遷移金属のメタロセン化合物を
含む触媒を用いて調製することができる。このメタロセ
ン化合物を含む触媒は、(a)遷移金属のメタロセン化
合物と、(b)有機アルミニウムオキシ化合物と、
(c)担体とから形成されることが好ましく、さらに必
要に応じて、これらの成分と(d)有機アルミニウム化
合物および/または有機ホウ素化合物とから形成されて
いてもよい。
【0025】なお、このようなメタロセン化合物を含む
オレフィン重合用触媒、およびその触媒を用いた直鎖状
低密度ポリエチレン(A)の調製方法の詳細は、たとえ
ば特開平8−269270号公報に記載されている。
【0026】[高圧法低密度ポリエチレン(B)]本発
明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、従
来公知の方法で調製されるポリエチレンであり、メルト
テンション(MT)が2g以上、好ましくは4.0〜1
0.0gである。メルトテンションが2g以上の高圧法
低密度ポリエチレン(B)を用いると、液体スープ等の
食料品などの製品を袋内に自動充填(ダイロール充填)
した際、ヒートシール部の肉やせを防止することができ
る。
【0027】このメルトテンション(MT)は、(株)
東洋精機製作所製キャピラリーレオメーターを用いて、
オリフィス直径2.095mm、測定温度190℃、押
出速度15mm、引取速度15m/分の条件下で測定し
た値である。
【0028】高圧法低密度ポリエチレン(B)は、メル
トフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16
kg)が通常1〜70g/10分、好ましくは3〜25g
/10分、密度(ASTM D 1505)が通常0.915〜0.
932g/cm3 、好ましくは0.916〜0.924
g/cm3 の範囲にある。
【0029】MFRが上記範囲内にある高圧法低密度ポ
リエチレン(B)を用いると、押出コーティング時にネ
ックインが小さく、かつ均一な溶融膜厚でフィルムを得
ることができる中間層形成用樹脂組成物が得られる。
【0030】なお、本発明で用いられる高圧法低密度ポ
リエチレン(B)は、エチレンの単独重合体のみなら
ず、本発明の目的を損なわない範囲であれば、エチレン
から導かれる構成単位とともに他の重合性単量体から導
かれる構成単位を少量含むエチレン共重合体であっても
よく、たとえば酢酸ビニルあるいはアクリル酸エステル
などから導かれる構成単位を20重量%以下の量で含む
エチレン共重合体であってもよい。
【0031】[中間層形成用樹脂組成物]本発明に係る
包装用フィルムの中間層を形成する樹脂組成物は、上記
のような直鎖状低密度ポリエチレン(A)と、高圧法低
密度ポリエチレン(B)とから形成されるが、これらの
成分は、直鎖状低密度ポリエチレン(A)と高圧法低密
度ポリエチレン(B)との混合比率[(A)/(B)]が70
/30〜40/60、好ましくは65/35〜50/5
0の範囲内になる量で用いられる。
【0032】この樹脂組成物中に、必要に応じて耐侯安
定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、顔料、
染料、充填材などの通常ポリオレフィンに添加される各
種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲内で配合す
ることができる。
【0033】このような樹脂組成物は、上記のような直
鎖状低密度ポリエチレン(A)と高圧法低密度ポリエチ
レン(B)と、必要に応じて上記各種配合剤とを、従来
公知の方法により混合または溶融混練することにより得
られる。
【0034】このようにして調製された樹脂組成物は、
(1) メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、
荷重2.16kg)が通常1〜50g/10分、好ましくは3
〜20g/10分であり、(2) 密度(ASTM D 1505)が通
常0.900〜0.930g/cm3 、好ましくは0.
910〜0.925g/cm3 であり、(3) メルトテン
ション(MT)が通常1.0g以上、好ましくは2.0
〜10.0gである。
【0035】このような樹脂組成物は、高速延展性に優
れ、ネックインが小さく成膜性に優れている。シーラント層 本発明に係る包装用フィルムのシーラント層は、従来よ
りシーラント層形成用に使用されているポリエチレン樹
脂、たとえば高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、または高圧法低密度ポリエチレンと直鎖
状低密度ポリエチレンとの混合物等で形成することがで
きる。特にメタロセン系オレフィン重合触媒を用いて調
製した直鎖状低密度ポリエチレン、およびこの直鎖状低
密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンとの混合
物が、高いヒートシール強度を示すシーラント層を形成
することができるので、好ましい。
【0036】包装用フィルム 本発明に係る包装用フィルムは、上述した表面基材層と
中間層とシーラント層がこの順で積層された多層構造の
フィルムである。
【0037】本発明に係る包装用フィルムを形成する表
面基材層が、印刷されている場合、直鎖状低密度ポリエ
チレン(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)とを、
たとえばV−ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシエ
ルミキサー、タンブラーブレンダーなどで混合した後、
表面基材層の印刷層表面にロール塗布等により形成され
たイソシアネート系、ポリエチレンイミン系、有機チタ
ネート系、ポリブタジエン系などのアンカーコート層上
に、T−ダイで押出コーティングして中間層を形成し、
さらにその中間層上に、シーラント層形成用樹脂をT−
ダイで押出コーティングしてシーラント層を形成するこ
とにより、包装用フィルムを調製することができる。
【0038】なお、上記ポリアミド等のフィルムに印刷
がなされていない場合には、上記アンカーコート層を形
成する必要はなく、ポリアミド等のフィルムなどの基材
上に、直接中間層を形成することができる。
【0039】また上記中間層は、直鎖状低密度ポリエチ
レン(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)とを前述
の方法で混合したブレンド物を、押出機を用いて160
〜220℃の温度で溶融混練しながらペレットを作り、
そのペレットをT−ダイでポリアミド等のフィルムまた
は接着剤層上に押出コーテイングして形成することがで
きる。
【0040】表面基材層上に中間層形成用樹脂(下貼樹
脂)を押出コーテイングする際の加工温度(T−ダイ下
の樹脂温度)は、表面基材層と中間層間、中間層とシー
ラント層間の接着性および包装用フィルム(ラミネート
製品)のヒートシール性、生産性を考慮して決められる
が、好ましくは230〜330℃であり、より好ましく
は280〜320℃さらに好ましくは285〜305℃
である。
【0041】また表面基材層とこの表面基材層に接する
中間層またはアンカーコート層間の接着性を確保するた
めに、T−ダイから押出した樹脂の溶融膜にオゾンを吹
きかけて膜の表面を強制酸化することも有効である。
【0042】中間層およびシーラント層形成の際におけ
る押出コーティングは、好ましくは20〜300m/
分、さらに好ましくは40〜200m/分の加工速度で
行なわれる。
【0043】このようにして得られた包装用フィルム
は、表面基材層が10〜70μm、中間層が10〜40
μm、シーラント層が5〜80μmの層構成が一般に採
られている。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る包装用フィルムは、従来の
積層タイプの包装用フィルムに比べ、各層間の接着強度
が高く、破袋強度の高い包装用袋を製造することがで
き、しかも、液体スープ等の食料品などの被包装物を袋
内に自動充填(ダイロール充填)してもヒートシール部
に肉やせが生じることはない。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により限定されるものではない。
【0046】なお、実施例、比較例で用いた表面基材
層、中間層およびシーラント層の形成に使用した材料、
並びに接着剤は、次の通りである。表面基材層用材料 ・延伸ポリアミドフィルム ユニチカ(株)製の延伸ポリアミドフィルム 商品名:エンブレム OMN 厚 さ:20μm中間層用材料 ・直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE) メタロセン触媒を用いて調製したエチレン・1-ヘキセン
共重合体 1-ヘキセン単位含量:5モル% MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):15g/1
0分 密度(ASTM D 1505):0.915g/cm3 融点:102℃ Mw/Mn:2.3 ・高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE) メルトテンション(MT):5.2g 密度(ASTM D 1505):0.923g/cm3 MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):3.7g/
10分シーラント層用材料 ・低密度ポリエチレン 密度(ASTM D 1505):0.906g/cm3 MFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):9.0g/
10分接着剤 ・イソシアネート系接着剤 日本ポリウレタン工業(株)製 商品名 コロネートL ニッポラン また実施例、比較例における積層フィルム成形加工性お
よび積層フィルムの物性(中間層とシーラント層との層
間接着強度、ヒートシール性、ホットタック性および破
袋強度)は、次の方法に従って試験・測定を行なった。
【0047】(1)積層フィルム成形加工性 (a)ネックイン(NI) 直径65mmの押出機によってポリエチレン組成物を溶
融混練後、T−ダイより押出し、20μmの厚さで基材
(厚さ15μmの延伸ポリアミドフィルム)上に80m
/分の速度でコーティングする。この時のダイの開口幅
(500mm)に対するコーティング膜の幅の差を求
め、この差(mm)をネックインとした。
【0048】(b)ドローダウン性 上記のネックインを測定した押出条件(20μm厚)に
おいて、溶融膜が切れるかあるいは揺れ(サージング)
始めたフィルム引取速度(m/分)を以て、ドローダウ
ン性の指標とした。
【0049】(2)中間層とシーラント層との層間接着
強度 厚さ15μmの延伸ポリアミドフィルム(基材)上に、
イソシアネート系接着剤をロール塗布した後、この接着
剤層上に中間層形成用樹脂をT−ダイより押出し、オゾ
ン(濃度20g/m3 、流量2m3/hr)を溶融膜の基
材側に吹きかけながら20μmの厚さで80m/分の速
度でコーティングし、中間層を形成した。このときのダ
イ下温度292℃であった。
【0050】次いで、この中間層上に、シーラント層形
成用樹脂をT−ダイより押出し、40μmの厚さで60
m/分の速度でコーティングし、シーラント層を形成し
た。このときのダイ下温度295℃であった。
【0051】上記のようにして得られた積層フィルムか
ら15mm巾の試験片を作製し、中間層とシーラント層
との層間接着力を下記の条件で測定した。 試験機:インテスコ(株)製の万能材料試験機 剥離角度:180℃ 引張速度:300mm (3)ヒートシール性 2枚の積層フィルムのシーラント層面を重ね合わせ、1
00℃、105℃、110℃、120℃、130℃、1
40℃、150℃の温度、幅10mmのシールバーによ
り2kg/cm2 の圧力で0.5秒間シールした後放冷し
た。これから15mm幅の試験片を切り取り、クロスヘ
ッド速度300mm/分でヒートシール部を剥離し、そ
の際の剥離強度と以てヒートシール性の指標とした。
【0052】(4)ホットタック性 長さ550mm×幅50mmの試験片を重ね合わせ、1
00℃、105℃、110℃、120℃、130℃、1
40℃、150℃の温度、幅10mm,長さ300mm
のシールバーにより、2kg/cm2 の圧力で0.5秒間シ
ール後、除圧と同時に各試験片に45gの荷重をかけて
シール部を剥離角22.5°で強制剥離し、剥離した距
離(mm)を以てホットタック性の指標とした。すなわ
ち剥離距離の短いものほどヒートシール直後の剥離力に
対する抵抗が大きく好ましい(ホットタック性に優れ
る。)。
【0053】(5)破袋強度 2枚の積層フィルムのシーラント層面同士重ね合わせ、
ヒートシール温度140℃、ヒートシール圧力2kg/
cm2 、ヒートシール時間0.5秒、シールバー10m
mの条件で、四方ヒートシールして90mm×120m
mの袋を作製した。
【0054】上記のようにして作製した袋について、そ
の破袋強度(静加圧)を次の要領で測定した。インテス
コ(株)製の万能材料試験機を使用し、ロードセル上の
平板に挟んだサンプル(袋)に圧力をかけ、破袋した時
の圧力を読み取った。なお、圧縮する速度は10mm/
分であり、袋に入れた充填物は水であり、その充填量は
100cm3 であった。
【0055】
【実施例1、2および比較例1】まず、中間層形成成分
である上記直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチ
レンの組成を第1表に示す組成にして、中間層形成用樹
脂組成物を調製した。
【0056】次いで、これらの中間層形成用樹脂組成物
を用いて、積層フィルム成形加工性および積層フィルム
の物性(中間層とシーラント層との層間接着強度、ヒー
トシール性、ホットタック性および破袋強度)を、上記
方法に従って試験・測定を行なった。
【0057】結果を第1表に示す。
【0058】
【表1】
【0059】なお、第1表中のヒートシール強度値に付
した符号は、ヒートシール強度測定時の試験片の状態を
示し、Sは試験片がヒートシール層間で剥離したこと
を、Xはヒートシール層部あるいは表面基材部が破断し
たことを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面基材層、中間層およびシー
    ラント層が、この順に積層された多層構造のフィルムで
    あって、 該中間層は、 直鎖状低密度ポリエチレン(A)と高圧法低密度ポリエ
    チレン(B)との混合比率[(A)/(B)]が70/30〜
    40/60である樹脂組成物からなり、 該直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、 エチレンと炭素原子数4以上のα- オレフィンとの共重
    合体であって、そのメルトフローレートが1〜50g/
    10分であり、密度が0.890〜0.930g/cm
    3 であり、分子量分布を示すMw/Mnが1.5〜4.
    0であり、 該高圧法低密度ポリエチレン(B)は、メルトテンショ
    ンが2g以上であることを特徴とする包装用フィルム。
  2. 【請求項2】前記シーラント層が、直鎖状低密度ポリエ
    チレン(A)を含む樹脂層であることを特徴とする請求
    項1に記載の包装用フィルム。
  3. 【請求項3】実質的に液体を含む内容物を包装するため
    のフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の包
    装用フィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100339250B1 (ko) * 1999-04-29 2002-05-31 최홍식 압력발생 및 부피팽창을 완화시키는 김치의 포장방법
JP2008119911A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Mitsui Chemical Fabro Inc 表面保護フィルム
JP2008302977A (ja) * 2008-07-28 2008-12-18 Taisei Lamick Co Ltd 耐熱性およびヒートシール性にすぐれる包装用フィルム
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US8956116B2 (en) 2009-09-02 2015-02-17 Siemens Aktiengesellschaft Cooling of a gas turbine component designed as a rotor disk or turbine blade

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