JPH11254614A - 高速粘性体包装用積層体 - Google Patents
高速粘性体包装用積層体Info
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- JPH11254614A JPH11254614A JP10076606A JP7660698A JPH11254614A JP H11254614 A JPH11254614 A JP H11254614A JP 10076606 A JP10076606 A JP 10076606A JP 7660698 A JP7660698 A JP 7660698A JP H11254614 A JPH11254614 A JP H11254614A
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Abstract
層に有し、また低温ヒートシール性及びホットタック性
に優れた樹脂をシーラント層に有する、高速粘性体充填
性に優れた積層体を提供。 【解決手段】 基材と中間層及びシーラント層からな
り、中間層及びシーラント層がエチレン−α−オレフィ
ン共重合体樹脂からなり、(1)中間層及びシーラント
層の樹脂のDSCによる融解ピーク温度(Tm)及び結
晶化ピーク温度(Tc)の最も高温側のピークが(A)
シーラント層樹脂は、Tm(℃)90〜110、Tc
(℃)70〜95、(B)中間層樹脂は、Tm(℃)1
02〜127、Tc(℃)87〜115、(2)中間層
樹脂の補外結晶化開始温度及び補外融解終了温度が、シ
ーラント層樹脂のそれより高く、(3)中間層とシーラ
ント層の厚み比(M/S)が1/1<M/S≦9/1
で、それらの厚みの総和が30〜80μmである積層
体。
Description
ソース、タレ、つゆ等の液体食品および、マヨネーズ、
わさび、みそ等の粘体食品、さらにシャンプー、リンス
等の包装材として、ダイロール方式等の自動充填機で
の、高速充填性及び耐圧強度に優れた積層体に関する。
押出成形あるいはドライラミネートして得られた積層体
が粘性体包装材として使用されてきた。ところが従来の
層厚み構成および層樹脂組成物では、粘性体の最高充填
速度は約20m/分が限界であった。
積層体の縦および横シール用にそれぞれ二本ずつの回転
式ヒートシーラーを有し、積層体はこの間に挟まれてシ
ール及び充填される構造である。従来の積層体で20m
/分を超える高速充填を行うと、この二本の回転式ヒー
トシーラー部から受ける圧力と熱によって、シール部分
で基材と中間層の剥離に基づく樹脂だまり(シーラント
層および中間層部分がコブ状に盛り上った状態)生成に
よるシール不良が発生し、一方シーラーの圧力と熱を下
げると、シーラント層の低温ヒートシール性およびホッ
トタック性不足によるシール不良が発生するため、いず
れの場合もシール不良個所から粘性体が漏れるとか、外
観不良が発生し、製品にならないために、高速充填がで
きないという問題があった。また従来の20m/分以下
での充填速度においても包装品のオフ品を減らしたいと
いう要望があった。本発明は、高速充填時に基材と剥離
しにくい樹脂もしくは樹脂組成物を中間層に有し、また
低温ヒートシール性およびホットタック性に優れた樹脂
もしくは樹脂組成物をシーラント層に有する、高速粘性
体充填性に優れた積層体を提供するものである。
を解決すべく鋭意研究した結果、中間層とシーラント層
に特定性状のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂も
しくは樹脂組成物を用いることにより高速粘性体充填性
に優れた積層体が得られることを見出し、本発明を完成
した。
シーラント層からなる積層体であり、中間層およびシー
ラント層が、エチレンと炭素数3〜10個のα−オレフ
ィンを共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共
重合体樹脂もしくは樹脂組成物からなり、下記(1)〜
(3)の性状を有する高速粘性体包装用積層体である。 (1)中間層およびシーラント層の、樹脂もしくは樹脂
組成物は、DSCによる融解ピーク温度(Tm)及び、
結晶化ピーク温度(Tc)を各々一つ以上有し、それら
の最も高温側のピークが下記範囲にあり、(B)>
(A)である。 (A):シーラント層樹脂もしくは樹脂組成物が、 Tm(℃):90〜110 Tc(℃):70〜95 (B):中間層樹脂もしくは樹脂組成物が、 Tm(℃):102〜127 Tc(℃):87〜115 (2)中間層樹脂もしくは樹脂組成物は、DSCにおい
て測定した補外結晶化開始温度(Tic)および補外融
解終了温度(Tem)の両方が、シーラント層樹脂もし
くは樹脂組成物のそれより高い。 (3)中間層とシーラント層の厚み比(M/S)が1/
1<M/S≦9/1で、中間層がシーラント層より厚み
が大きく、中間層とシーラント層の厚みの総和が30〜
80μmである。
10個のα−オレフィンを共重合して得られるエチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂(組成物)から形成さ
れ、下記(A)〜(D)の特性を有する。
ルトフローレイト:溶融流量)は、1〜100g/10
分が好ましく、3〜20g/10分がより好ましい。該
MFRが上記範囲より小さいと、基材との接着強度が小
さくなり、また樹脂の延展性がなくなってしまう。ま
た、該MFRが上記範囲より大きいと、ネックインが大
きくなって、いずれの場合も均一な溶融薄膜が得られな
い。
ましくは0.907〜0.935g/cm3、より好ま
しくは0.907〜0.925g/cm3の範囲のもの
である。該密度が上記範囲より大きいと、包装体にした
時の低温ヒートシール性およびホットタック性が悪化
し、また耐圧強度が小さくなる。該密度が上記範囲より
小さいとシール時の耐圧力および耐熱性に劣ることに起
因する、変形かつ基材との剥離が起こり易くなり、高速
充填(20m/分<)が実施できない。
ーク温度(Tc)、補外融解終了温度(Tem)、補外
結晶化開始温度(Tic) 樹脂(組成物)は、DSCにおいて測定した時に一つ以
上の(Tm)及び(Tc)を有し、それらの最も高温側
のピークが下記範囲にあり、 Tm(℃):102〜127 Tc(℃):87〜115 また、同時にDSCにおいて測定した(Tem)および
(Tic)が下記範囲にあることが好ましい。 Tem(℃):108〜130 Tic(℃):94〜116 該温度は、いずれもシーラント層樹脂(組成物)のそれ
より高い必要がある。中間層がシーラント層より溶融が
早く、かつ冷却が遅いと、シーラント層が溶融してシー
ルするのに必要な熱が伝わりにくい。また上記温度がこ
の範囲より小さいと、包装体にした際のシール時の耐熱
性に劣り、変形かつ基材との剥離が起こりやすくなる。
一方、上記温度がこの範囲より大きいと、包装体にした
時の低温ヒートシール性およびホットタック性が悪化す
る。
る(Tm)、(Tc)および(Tem)および(Ti
c)の測定は、熱プレスによって成形した100μmの
フィルムから約5mgの試料を秤量し、アルミパンに入
れ、セイコー電子工業(株)製RDC 220 DSC
装置にセットし、はじめに170℃に昇温してその温度
で5分間保持した後、降温速度10℃/分で−10℃ま
で冷却する。次に1分間保持した後、昇温速度10℃/
分で170℃まで昇温して測定を行い、DSC曲線を得
た。この曲線からJIS−K7121に準拠し、(T
m)、(Tc)、(Tem)および(Tic)を得た。
の厚み比(M/S)が1/1<M/S≦9/1、好まし
くは1/1<M/S≦6/1の範囲にあり、中間層とシ
ーラント層の厚みの総和は30〜80μmの範囲であ
る。M/Sおよび厚みの総和が上記範囲より小さいと、
包装体にした時のシールの際、耐圧力および耐熱性に劣
ることに起因する変形かつ基材との剥離が起こりやすく
なる。また、上記範囲より大きいと、包装体にした時の
低温ヒートシール性およびホットタック性および耐圧強
度が悪化する。
脂 本発明の中間層樹脂組成物の必須成分として用いられる
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、エチレン
と、炭素数3〜10個、好ましくは6〜10個のα−オ
レフィン、具体的にはヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン、オクテン−1等のαオレフィンの1種または2種以
上の混合物とを共重合して得られるものである。該共重
合体樹脂は、以下の物性を有することが重要である。
7210によるMFRが、好ましくは1〜100g/
分、より好ましくは3〜20g/10分のものが用いら
れる。該MFRが上記範囲より小さいと、基材との接着
強度が小さくなり、また樹脂の延展性がなくなってしま
う。また、該MFRが上記範囲より大きいとネックイン
が大きくなって、いずれの場合とも均一な溶融薄膜が得
られない。
7112による密度が、好ましくは0.895〜0.9
35g/cm3、より好ましくは0.895〜0.92
5g/cm3の範囲のものが用いられる。該密度が上記
範囲より大きいと、基材との接着強度が小さくなり、包
装体にした時の低温ヒートシール性およびホットタック
性が悪化し、また耐圧強度が小さくなる。該密度が上記
範囲より小さいとシール時の耐圧力および耐熱性に劣る
ことに起因する変形かつ基材との剥離が起こり、高速充
填(20m/分<)が実施できない。
脂の製造 本発明の中間層樹脂組成物に用いられるエチレン−α−
オレフィン共重合体樹脂製造における触媒や重合方法に
ついては特に制約はなく、例えば、チーグラー型触媒
(すなわち、担持または非担持ハロゲン含有チタン化合
物と有機アルミニウム化合物の組み合わせに基づくも
の)、フィリップス型触媒(すなわち、担持酸化クロム
(Cr6+)に基づくもの)、カミンスキー型触媒(すな
わち、担持または非担持メタロセン化合物と有機アルミ
ニウム化合物、特にアルモキサンの組み合わせに基づく
もの)が挙げられる。重合法としては、これらの触媒の
存在下でのスラリー法、気相流動床法(例えば、特開昭
59−23011号公報に記載の方法)や溶液法、ある
いは圧力が200kg/cm2以上、重合温度が100
℃以上での高温バルク重合法等が挙げられる。
な製造方法としては、特開昭58−19309号、同5
9−95292号、同60−35005号、同60−3
5006号、同60−35007号、同60−3500
8号、同60−35009号、同61−130314
号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特
許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,
055,438号明細書、および国際公開公報W091
/04257号明細書等に記載されている方法、すなわ
ちメタロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒、ま
たは、例えば国際公開公報W092/07123号明細
書等に開示されている様なメタロセン化合物とメタロセ
ン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触
媒を使用して、主成分のエチレンと従成分のα−オレフ
ィンとを共重合させる方法等を挙げることができる。
3〜10個のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
(組成物)から形成され下記(A)〜(D)の特性を有
する。
(メルトフローレーイト:溶融流量)が、好ましくは1
〜100g/10分、より好ましくは3〜20g/10
分のものが用いられる。該MFRが上記範囲より小さい
と、中間層との接着強度が小さくなり、また樹脂の延展
性がなくなってしまう。また、該MFRが上記範囲より
大きいと、ネックインが大きくなって、いずれの場合も
均一な溶融薄膜が得られない。
好ましくは0.880〜0.915g/cm3、より好
ましくは0.895〜0.910g/cm3の範囲のも
のが用いられる。該密度が上記範囲より大きいと、中間
層との接着強度が小さくなり、また包装体にした持の低
温ヒートシール性およびホットタック性が悪化し、耐圧
強度が小さくなる。
m)、(Tic) 樹脂(組成物)は、DSCにおいて測定した時に一つ以
上の(Tm)および(Tc)を有し、それらの最も高温
側のピークが下記範囲にあり、 Tm(℃):90〜110 Tc(℃):70〜95 また、同時に(Tem)および(Tic)が下記範囲に
あることが好ましい。 Tem(℃):100〜110 Tic(℃):75〜96 シーラント層樹脂(組成物)は、(Tm)、(Tc)お
よび(Tem)、(Tic)が、中間層樹脂(組成物)
のそれより小さい。いずれの温度も上記範囲より大きい
と、包装体にした時の低温ヒートシール性およびホット
タック性が悪化する。
脂 シーラント層樹脂組成物の必須成分として用いられるエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、エチレンと、
炭素数3〜10個、好ましくは6〜10個のα−オレフ
ィンの1種または2種以上の混合物とを共重合して得ら
れるものである。該共重合体樹脂は、以下の物性を有す
ることが重要である。
7210によるMFRが、好ましくは1〜100g/
分、より好ましくは3〜20g/10分のものが用いら
れる。該MFRが上記範囲より小さいと、基材との接着
強度が小さくなり、また樹脂の延展性がなくなってしま
う。また、該MFRが上記範囲より大きいとネックイン
が大きくなって、いずれの場合とも均一な溶融薄膜が得
られない。
7112による密度が、好ましくは0.880〜0.9
10g/cm3、より好ましくは0.895〜0.91
0g/cm3の範囲のものが用いられる。該密度が上記
範囲より大きいと、中間層との接着強度が小さくなり、
包装体にした時の低温ヒートシール性およびホットタッ
ク性が悪化し、かつ耐圧強度が小さくなる。
脂の製造 本発明のシーラント層樹脂組成物中のエチレン−α−オ
レフィン共重合体樹脂は、分子量分布かつ結晶性分布が
狭いために、べたつき成分となる、低分子量成分と低結
晶成分が少なく、また高結晶成分も少ないために、包装
体にした時の低温ヒートシール性およびホットタック性
に優れている。
いられるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、メ
タロセン系材料または、従来のバナジウム系触媒を使用
したもの(以下、バナジウム系材料)のどちらでも良い
が、好ましいのはメタロセン系材料である。
(組成物)で用いられるエチレン−α−オレフィン共重
合体樹脂と同様な方法で製造される。
39741号公報に記載されている方法、すなわち、バ
ナジウム化合物と有機アルミニウム化合物、場合によっ
ては、更に、第3成分を添加してなる触媒を使用し、主
成分のエチレンと従成分のα−オレフィンとを共重合す
ることにより製造されるものである。
には、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂の他に、
押出ラミネート加工適性を向上させるために、一般的な
押出ラミネート用低密度ポリエチレンを混合した組成物
とすることが好ましい。以下に、好ましい低密度ポリエ
チレンの物性を示す。
Rが、好ましくは1〜50g/10分、より好ましくは
3〜10g/10分のものが用いられる。該MFRが上
記範囲より小さいと、樹脂の延展性がなくなり、また、
該MFRが上記範囲より大きいと、ネックインが大きく
なって、いずれの場合とも均−な溶融薄膜が得られな
い。
が、好ましくは0.918〜0.928g/cm3のも
のが用いられる。該密度が上記範囲より大きいと、基材
との接着強度が小さくなり、包装体とした場合のヒート
シール強度およぴ耐圧強度の強い積層物が得られない。
ン−α−オレフィン共重合体樹脂および低密度ポリエチ
レンは、重量比で、好ましくは100:0〜30:70
の範囲で、より好ましくは90:10〜30:70で、
さらに好ましくは80:20〜40:60である。第2
成分としての低密度ポリエチレンが余りに多いと、包装
体とした時のヒ−トシール強度および耐圧強度が弱くな
り、また少ないと押出ラミネート加工でのネックインが
大きくなつて均一な溶融薄膜が得られない。
の任意の添加剤を加えることができる。これらの添加剤
としては、酸化防止剤、高級脂肪酸アマイド等のスリッ
プ剤、ポリグリセリン脂肪酸等の帯電防止剤、防曇剤、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の中和
剤、酸化珪素、硫酸カルシウム等のアンチブロッキング
剤等の添加剤、充填剤等を必要に応じ添加することがで
きる。この場合、極端に接着強度を低下させる物質、量
または臭気を悪化させるような物質、量の添加は避ける
べきである。
ト、ポリプロピレン、ポリスチレンフィルム等の熱可塑
性樹脂の無延伸または延伸フィルムであるが、剛性、強
度等の面から二軸延伸したナイロンフィルムやポリエチ
レンテレフタレートフィルム、その塩化ビニリデンコー
ティングフィルム、あるいは金属箔、金属蒸着フィル
ム、セラミック蒸着フィルム又はこれらの積層体が好ま
しい。また基材層の肉厚は10〜40μmであることが
好ましい。
0μmのアルミニウム箔、錫箔、鉛箔、亜鉛メッキした
薄層鋼板、電気分解法によりイオン化金属を薄膜にした
もの、アイアンフォイル等が用いられる。また、金属蒸
着フィルムについても、特に限定しないが、蒸着金属と
してはアルミニウムや亜鉛が、また厚みは0.01〜
0.2μmが、通常好ましく用いられる。蒸着の方法も
特に限定されず、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタリング法等周知の方法が用いられる。さら
に、セラミック蒸着フィルムにおいて、蒸着されるセラ
ミックとしては、例えば、一般式SiOx(0.5≦x
≦2)で表されるケイ素酸化物のほか、ガラス、アルミ
ナ、酸化マグネシウム、酸化錫等の金属酸化物、蛍石、
フッ化セレン等の金属フッ化物が挙げられる。金属酸化
物には、微量の金属や、他の金属酸化物、金属水酸化物
が含まれていてもよい。蒸着は、フィルムの少なくとも
片面に、上記の種々の蒸着方法を適用することによって
も行うことができる。蒸着フィルムの厚さは、通常、1
2〜40μm程度である。また、被蒸着フィルムとして
は、特に制限はなく、延伸ポリエステルフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリアミドフィルム等の透明フィ
ルムが挙げられる。
物)を別々、あるいは同時に溶融押出して成形される
が、その成形温度は150〜320℃であり、この範用
を外れると基材と中間層およぴ、中間層とシーラント層
との接着性が悪くなり、また320℃を超えると加工
性、臭気等の点からも好ましくない。また基材に中間層
を溶融押出成形する際には、基材の押出成形される面に
アンカーコート処理を行い、かつ上記成形温度範囲にお
いてオゾン処理を行うことが接着性の点から好ましい。
ソシアネート化合物、ウレタンポリマー、またはそれら
の混合物および反応生成物、ポリエステルまたはポリオ
ールとイソシアネート化合物との混合物および反応生成
物、またはそれらの溶液等の公知のアンカーコート剤、
接着剤等を基材表面に塗布することによりなされる。
ルまたはスリット状の吹出口からオゾンを含有させた気
体(空気等)を、中間層の基材接着面またはこれと積層
される基材面に向けるか、両者の圧着部に向けて吹き付
けることによって行われる。なお、100m/分以上の
速度で押出ラミネートする場合は、上記両者の圧着部に
向けて吹き付けることが好ましい。オゾンを含有させた
気体中のオゾンの濃度は、1g/m3以上好ましく、さ
らに好ましくは3g/m3以上である。また、吹き付け
る量は、接着層の幅に対して0.03l/分/cm以上
が好ましく、さらに好ましくは0.1l/分/cm以上
である。
には100〜150m/分である。また、公知の押出ラ
ミネーターのエアーギヤップは、通常100〜150m
mが一般的である。
ング処理をすることが接着性の点から好ましい。エージ
ングは、積層体成形後12時間以内に、温度23〜45
℃、好ましくは35〜45℃で、湿度0〜50%の雰囲
気下に、12〜24時間安置することで行われる。
さらに具体的に説明する。実施例および比較例における
樹脂の物性測定と積層体の物性評価は、以下に示す方法
で実施した。 (1)MFR:JIS−K7210に準拠(190℃、
2.16kg荷重)。 (2)密度:JIS−K7112に準拠。 (3)融解ピーク温度(Tm)、結晶化ピーク温度(T
c)及び補外結晶化開始温度(Tic)、補外融解終了
温度(Tem):JIS−K7121に準拠。 (4)積層体への充填方法:積層体より三方シール袋を
形成するには、例えば図1に示す公知のダイロール方式
の自動充填包装機を用い、積層体1のシーラント層
(C)側を上側に、基材(A)が下側となるように積層
体1をガイドロール2に供給し、リード3により積層体
1を二つ折りし、この二つ折りした積層体間に内容物を
充填し、縦シールロール4で二つ折りした積層体の左端
の縦方向をヒートシールする。ついで、横シール6した
後、内容物を一定量充填されたら横シール5で横方向に
ヒートシールし、前記横方向のヒートシール部6をナイ
フ7でカッティングし、内容物が充填された三方シール
袋8を製造する。 (5)粘性体充填速度:三光機械製粘性体自動充填包装
機(MODEL FR−1)を用いて、次の条件で粘性
体の充填速度を評価した。 充填速度判定基準:所定の充填速度で充填した袋の、特
に縦シール部において、下記のいずれかの不具合が発生
するまでに到達した充填速度をその積層体の最高充填速
度とした。 (A)シワおよび気泡がある。 (B)一部剥離(シール不良)がある。 (C)波がある。 (D)液漏れがある。 (6)耐圧強度判定基準:最高充填速度で充填した袋を
耐圧テスター(小松製作所製)にて100kg荷重で3
分間保持し、下記3段階で評価した。 ○:液漏れ、破袋無し。 △:シール部剥離発生。 ×:液漏れ破袋。 (7)粘性体を充填した包装体のシール部観察:OLY
MPUS製偏光顕微鏡BH−2によって行った。
材に、イソシアネート系アンカーコート剤(日本曹達
製、チタボンドT−120)溶液を塗布し、温度80℃
で3秒間乾燥した面に、共押出ラミネーターのTダイか
ら、(中間層)カーネルKE025(日本ポリケム製、
メタロセン系エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂、M
FR10g/10分、密度0.910g/cm3)を樹
脂温度290℃、幅560mm、厚み30μmとし、
(シーラント層)カーネル57L(日本ポリケム製、メ
タロセン触媒媒系エチレン・ヘキセン−1共重合体樹
脂、MFR11g/10分、密度0.906g/c
m3)を樹脂を樹脂温度280℃、幅560mm、厚み
15μmとなるように共押出成形した。なお、この成形
におけるエアーギャップは120mmで、ラミネート速
度は100m/分とした。また共押出溶融膜の基材面側
にはオゾン処理を行った。さらに成形後12時間以内
に、温度40℃、湿度10%以内の乾燥機中に24時間
保管し、これをエージング処理して目的の積層体を得
た。
から下記の組成物に変更した他は、実施例1と同様にし
て積層体を得た。 中間層樹脂組成物:エチレン・ヘキセン−1共重合体樹
脂(メタロセン触媒系材料、MFR15g/10分、密
度0.901g/cm3)70重量%と低密度ポリエチ
レンLS500(日本ポリケム製、MFR4g/10
分、密度0.919g/cm3)30重量%の混合物。
から下記の樹脂に変更し、その成形温度を310℃に変
更した他は、実施例1と同様にして積層体を得た。 中間層樹脂:UC970(日本ポリケム製、チーグラー
触媒系エチレン・ブテン−1共重合体樹脂、MFR10
g/10分、密度0.938g/cm3)。
25μmの厚みに変更した他は、実施例1と同様にして
積層体を得た。
から下記の樹脂に変更し、その成形温度を310℃に変
更した他は、実施例1と同様にして積層体を得た。 中間層樹脂:UC380(日本ポリケム製、チーグラー
触媒系エチレン・ブテン−1共重合体樹脂、MFR11
g/10分、密度0.922g/cm3)
ィングされた二軸延伸ナイロンフィルム(KONY)に
変更した他は、実施例1と同様にして積層体を得た。
リエチレンテレフタレートフィルム(PET)に変更し
た他は、実施例1と同様にして積層体を得た。
リエチレンテレフタレートフィルム(PET)とし、さ
らにシーラント層を、カーネル57Lから下記の樹脂に
変更した他は、実施例1と同様にして積層体を得た。 シーラント層樹脂:MORETEC1018(出光石油
化学製、チーグラー触媒系エチレン・オクテン−1共重
合体樹脂、MFR8g/10分、密度0.910g/c
m3)
らなる積層体において、中間層はシーラント層より高密
度、高融点で厚みが大きいため、シール時の圧力および
熱による変形を受けにくく、基材との剥離が抑えられ、
かつシーラント層への過剰な圧力と熱が供給されるのを
防ぐ。シーラント層は中間層より低密度、低融点で厚み
が小さく、また従来の共重合体樹脂よりも高溶出成分お
よび低溶出成分が少なくかつ低分子量成分をほとんど有
しないために、中間層で過剰な圧力と熱が奪われても、
短いシール時間および低圧力、低熱によりシール可能と
なり、低温ヒートシール性およびホットタック性に優れ
る。これらの結果、高速粘性体充填を可能とする優れた
積層体が得られる。
ヒートシール袋を製造する工程を示すフローシート図で
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材と中間層およびシーラント層からな
る積層体であり、中間層およびシーラント層が、エチレ
ンと炭素数3〜10個のα−オレフィンを共重合して得
られるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂もしくは
樹脂組成物からなり、下記(1)〜(3)の性状を有す
る高速粘性体包装用積層体。 (1)中間層およびシーラント層の、樹脂もしくは樹脂
組成物は、DSCによる融解ピーク温度(Tm)およ
び、結晶化ピーク温度(Tc)を各々一つ以上有し、そ
れらの最も高温側のピークが下記範囲にあり、(B)>
(A)である。 (A):シーラント層樹脂もしくは樹脂組成物が、 Tm(℃):90〜110 Tc(℃):70〜95 (B):中間層樹脂もしくは樹脂組成物が、 Tm(℃):102〜127 Tc(℃):87〜115 (2)中間層樹脂もしくは樹脂組成物は、DSCにおい
て測定した補外結晶化開始温度(Tic)および補外融
解終了温度(Tem)の両方が、シーラント層樹脂もし
くは樹脂組成物のそれより高い。 (3)中間層とシーラント層の厚み比(M/S)が1/
1<M/S≦9/1で、中間層がシーラント層より厚み
が大きく、中間層とシーラント層の厚みの総和が30〜
80μmである。 - 【請求項2】 中間層が、下記成分AおよびBからなる
樹脂組成物である請求項1記載の積層体。 (A)MFRが1〜100g/10分で、密度が0.8
95〜0.935g/cm3の範囲にあるエチレン−α
−オレフィン共重合体樹脂30〜100重量%。 (B)MFRが1〜50g/10分であり、密度が0.
918〜0.928g/cm3である高圧法低密度ポリ
エチレン0〜70重量%。 - 【請求項3】 シーラント層が、下記成分AおよびBか
らなる樹脂組成物である請求項1または2記載の積層
体。 (A)MFRが1〜100g/10分で、密度が0.8
80〜0.910g/cm3の範囲にあるエチレン−α
−オレフィン共重合体樹脂30〜100重量%。 (B)MFRが1〜50g/10分であり、密度が0.
918〜0.928g/cm3である高圧法低密度ポリ
エチレン0〜70重量%。 - 【請求項4】 請求項3に記載のエチレン−α−オレフ
ィン共重合体樹脂がメタロセン系もしくはバナジウム系
触媒により共重合されている請求項1〜3に記載の積層
体。 - 【請求項5】 中間層樹脂もしくは樹脂組成物の密度は
0.907〜0.935g/cm3で、シーラント層樹
脂もしくは樹脂組成物の密度は0.880〜0.915
g/cm3で、中間層がシーラント層より高い密度を有
する樹脂もしくは樹脂組成物である請求項1〜4記載の
積層体。 - 【請求項6】 基材がナイロンフィルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リスチレンフィルム、およびこれらにポリ塩化ビニリデ
ンをコーティングしたフィルム、あるいは金属箔、金属
蒸着フィルム、セラミック蒸着フィルム又はこれらの積
層体から選ばれたものである請求項1〜5に記載の積層
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10076606A JPH11254614A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 高速粘性体包装用積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10076606A JPH11254614A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 高速粘性体包装用積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11254614A true JPH11254614A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13610004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10076606A Pending JPH11254614A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 高速粘性体包装用積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11254614A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1998
- 1998-03-10 JP JP10076606A patent/JPH11254614A/ja active Pending
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