JP6967871B2 - 液体包装用積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、多層包装フィルムに適用される積層体及び該積層体を用いた液体包装袋に関する。
従来、液体や粘体、不溶物を含む液体や粘体の包装には、基材上に中間層を介してシーラント層を積層した積層体からなる多層包装フィルムが用いられており、シーラント層を内側とした袋状物の入り口から液体等を充填し、ヒートシールで閉じる液体包装袋が知られている。
包装袋はフィルムを3方乃至は4方をヒートシールして作成されることが多く、液体等を高速充填する場合に、ヒートシール部から液体が漏れ出すことがある。そのため、この高速充填性を高めた包装袋用の積層体が提案されている。
特許文献1〜3には、自動充填機での液体や粘体用の包装袋として用いたときに、低剪断速度時の粘度が高く、高剪断速度時の粘度が低い特定の材料、すなわち実際の充填時に近い温度で測定した高剪断速度と低剪断速度との比が特定の範囲にある樹脂組成物を使用する方法が開示されている。特に、基材とシーラント層との間の中間層に、エチレンとC6α−オレフィンの共重合体と高圧法低密度ポリエチレンとの組成物が使用されている。
特許文献4には、基材フィルム上に、少なくとも一層のシーラント層を有する包装材料において、該シーラント層はエチレン−αオレフィン共重合体と結晶核剤からなる中間層とエチレン−αオレフィン共重合体からなる最内層とからなる包装材料が開示され、その中間層の融点は90〜120℃、結晶化温度は80〜110℃であり、その融点と結晶化温度の差は25℃以下が好ましいとされている。
さらに、特許文献5では、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体と、高圧法低密度ポリエチレン(HPLD)とからなるポリエチレン樹脂組成物であって、特定の密度、MFR、o−ジクロロベンゼンに対する特定の溶出特性を有する組成物を用いることが開示されている。
特開2012−139848号公報 特開2012−139849号公報 特開2012−139854号公報 特開平10−315409号公報 特開2007−204628号公報
しかしながら、従来は充填可能温度領域が狭く、充填時のシール部温度ばらつきによる製品不良が多く発生していた。
本発明は、充填可能温度領域が広く、優れた液体の高速充填性、かつ優れた剛性、耐圧強度を有する多層包装フィルムの中間層原料として最適なポリエチレン系樹脂の提供、またはその多層包装フィルムの提供を目的とする。
上記多層包装フィルムの中間層として使用しているポリエチレン系樹脂を融点分布の広い樹脂を使用して中間層部分の吸熱量を減少させ、シーラント層への伝熱量を増やすことで上記課題を達成する。
すなわち、本発明は、
〔1〕 下記のエチレン・α−オレフィン共重合体(X)を含む中間層(B)とシーラント層(C)とが少なくとも一部で接触していることを特徴とする積層体:
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(X)は、下記(x1)〜(x3)の特性を有するエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体;
(x1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が1〜50g/10分であり、
(x2)密度が900〜925kg/mであり、
(x3)DSC測定により求められる融解ピークの、120℃以上の融解熱量が10J/g以上である。
〔2〕 前記中間層(B)に、さらに、基材層(A)が少なくとも一部で接触しており、
前記シーラント層(C)が、下記要件(y1)〜(y2)を満たす、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(Y)を含むことを特徴とする〔1〕に記載の積層体:
(y1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が1〜50g/10分であり、
(y2)密度が880〜920kg/mである。
〔3〕 前記基材層(A)が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、及び不織布から選ばれる少なくとも1種を基材として含むことを特徴とする〔2〕に記載の積層体。
〔4〕 前記基材層(A)が、その少なくとも一部に、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ポリエステルまたはポリオールとイソシアネート化合物との混合物および反応生成物から選ばれる1種以上の接着剤を基材に積層して含有していることを特徴とする、〔2〕又は〔3〕に記載の積層体。
〔5〕 上記積層体を包装材料として用いた液体包装袋。
多層包装フィルムの充填可能温度領域を拡大することで、従来品より幅広い温度レンジでの充填が可能となる。その結果、充填時のシール部温度のばらつきに対する許容が広がるため製品の不良率低減につながる。
多層包装フィルムの充填形態は、非常に短時間でシールを行っており、シーラント層の温度がシールバーの温度に到達する前にシール部の癒着が起こっていないと充填ができない。そこで、中間層の伝熱性が良好であれば、シールバーの温度が低くても充填可能となる。つまり、充填可能な温度領域が広くなる。中間層の伝熱性を良好にするためには、中間層樹脂のシーラント層樹脂の融点で溶融する成分量を少なくする必要がある。
ところが、中間層樹脂をシーラント層樹脂の融点よりも高く、融点分布の狭い樹脂を使用する場合、中間層自体の樹脂密度が高くなってしまい、剛性が高すぎて充填時のシワや、半折部のシール不良につながってしまうため充填不良が発生する。
そこで、中間層として使用しているポリエチレン系樹脂を融点分布の広い樹脂にすることで、中間層樹脂の剛性をあまり上げずに中間層部分の吸熱量を減少させシーラント層への伝熱量を増やすことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明において、積層体とは中間層(B)とシーラント層(C)を最小の必須構成単位として含み、さらに基材層(A)をシーラント層(C)が形成される面と反対の面の中間層(B)上に積層することで、多層包装フィルムを構成できるものである。以下、実施形態例として多層包装フィルムからなる包装材料について説明するが、本発明の積層体は多層包装フィルムのみに限定されるものではない。
1.包装材料
本実施形態の包装材料は、少なくとも基材層(A)、中間層(B)の積層体あるいはさらにシーラント層(C)を積層した多層包装フィルムである。中間層(B)は基材層(A)とシーラント層(C)の間に全て形成されていてもよく、袋状とする場合にヒートシールする部分近傍の一部に形成されていてもよい。
<基材層(A)>
本実施形態において、基材層(A)を構成する基材とは包装材料の一外面となる比較的大きな剛性、強度を有する材料である。具体的には、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂またはそれらの延伸物、無機酸化物蒸着フィルム、金属蒸着フィルムセラミック蒸着フィルム又は金属箔、紙、不織布さらにこれらの積層体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
金属箔は、材質や厚さなどによって特に限定されず、厚さ5〜50μmのアルミニウム箔、錫箔、鉛箔、亜鉛メッキした薄層鋼板、電気分解法によりイオン化金属を薄膜にしたもの、アイアンフォイル等が用いられる。
また、金属蒸着フィルムについても、材質や厚さなどによって特に限定されず、蒸着金属としてはアルミニウムや亜鉛等が挙げられ、厚みは、通常0.01〜0.2μmのものが好ましく用いられる。蒸着の方法も特に限定されず、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等周知の方法が用いられる。さらに、セラミック蒸着フィルムにおいて、蒸着されるセラミックとしては、例えば、一般式SiOx(0.5≦x≦2)で表されるケイ素酸化物のほか、ガラス、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化錫等の金属酸化物、蛍石、フッ化セレン等の金属フッ化物が挙げられる。金属酸化物には、微量の金属や、他の金属酸化物、金属水酸化物が含まれていてもよい。蒸着は、フィルムの少なくとも片面に、上記の種々の蒸着方法を適用することによっても行うことができる。蒸着フィルムの厚さは、通常、10〜50μm程度である。また、被蒸着フィルムとしては、特に制限はなく、延伸ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム等の透明フィルムが挙げられる。
また、基材層(A)の中間層(B)との接触面には、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ポリエステルまたはポリオールとイソシアネート化合物との混合物および反応生成物から選ばれる1種以上の接着剤を基材に積層して、基材層(A)と中間層(B)との接着性を向上させることが好ましい。
このように、本実施形態の基材層(A)には、酸素や窒素などのヘテロ原子、金属から選ばれる元素を含む樹脂層および/または金属層が含まれる。
<中間層(B)>
中間層(B)は、下記(x1)〜(x3)の特性を有するエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体(エチレン・α−オレフィン共重合体(X)又は共重合体(X)という)を含む。
(x1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が1〜50g/10分であり、
(x2)密度が900〜925kg/mであり、
(x3)DSC測定により求められる融解ピークの、120℃以上の融解熱量が10J/g以上である。
(x1)におけるメルトフローレート(MFR2.16)は、JIS K7210−1に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定される。このMFR2.16は、1〜50(g/10分)であり、好ましくは3〜30(g/10分)、更に好ましくは4〜20(g/10分)の範囲にある。MFR2.16が上記範囲にあることで、中間層形成時の押出加工性が向上する。
(x2)における密度は、JIS K7112に準拠して測定される。密度は900〜925kg/mであり、好ましくは910〜925kg/mである。
(x3)における融解熱量は、DSC(示差走査熱量分析)測定による融解ピークにおける120℃以上の融解熱量を示し、該融解熱量が10J/g以上である。一般に、低密度ポリエチレンの融解ピークは30℃付近から複数のピークを有する吸熱ピークが見られ、高密度ポリエチレンに比較してブロードである。通常、融解ピークの最も大きなピーク温度が融点である。DSC測定は、以下の実施例に示す条件にて測定を実施した。
共重合体(X)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、エチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。
共重合体(X)としては、メタロセン系やチタン系、クロム系およびフェノキシイミン系等のオレフィン重合用触媒を用いて調製される。この共重合体(X)は、直鎖状あるいは分岐状低密度ポリエチレンであってもよい。特にメタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調製すると分子量分布の狭い重合体が得られるために低分子量かつ低密度の成分の生成が少なく、本発明に関する用途には有効である。
メタロセン系触媒は、通常、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物からなるメタロセン触媒成分(a1)、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)、微粒子状担体(c)、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオン化イオン性化合物触媒成分(e)から形成される。
このような共重合体(X)は、たとえば特開平6−9724号公報、特開平6−136195号公報、特開平6−136196号公報、特開平6−207057号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることによって製造することができる。
共重合体(X)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよく、組み合わせたものが上記(x1)〜(x3)を満たせばよい。共重合体(X)は、市販されるエチレン・α−オレフィン共重合体から、上記(x1)〜(x3)を満たす材料を選択することもできる。
<シーラント層(C)>
シーラント層(C)は、従来公知のシーラント層を用いることができるが、下記要件(y1)〜(y2)を満たす、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(Y)を使用することが好ましい。
(y1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が1〜50g/10分であり、
(y2)密度が880〜920kg/mである。
なお、より低温でのヒートシール性を考慮すると、シーラント層(C)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(Y)は、中間層(B)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(X)よりも低い融点を有することが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(Y)としては、メタロセン系やチタン系、クロム系およびフェノキシイミン系等のオレフィン重合用触媒を用いて調製される。この低密度エチレン・α−オレフィン共重合体は、直鎖状あるいは分岐状低密度ポリエチレンであってもよい。特にメタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調整すると分子量分布の狭い重合体が得られるために低分子量かつ低密度の成分の生成が少なく、本発明に関する用途には有効である。
メタロセン系触媒は、通常、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物からなるメタロセン触媒成分(a1)、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)、微粒子状担体(c)、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオン化イオン性化合物触媒成分(e)から形成される。
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(Y)は、たとえば特開平6−9724号公報、特開平6−136195号公報、特開平6−136196号公報、特開平6−207057号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることによって製造することができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(Y)は、単独でまたは2種以上を用いてもよく、エチレン・α−オレフィン共重合体の1種以上と他のポリエチレンの1種以上とを組み合わせてもよい。上記(y1)、(y2)を満たす市販品を用いることもできる。
中間層(B)及びラミネート層(C)を構成する樹脂(樹脂組成物)には、必要に応じて、従来公知のアンチブロッキング剤、防曇剤、静電防止剤、酸化防止剤、耐候安定剤、熱安定剤、滑剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
このような樹脂組成物は、上記添加剤とともに、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダーおよび押出機等の混合装置を用いて、常温〜250℃で混合することにより得られる。この際窒素シ−ルや真空シ−ルを実施することで、ポリエチレンの劣化に由来するゲルの発生を防ぐことができる。
<積層体の製造>
本発明では、前記基材層(A)に、前記中間層(B)を、溶融状態で接触させることで積層体を形成することで、基材層(A)と中間層(B)との接着性に優れた積層体を得ることができる。溶融状態で前記中間層(B)を接触させるには、基材に中間層を溶融押出成形することにより行うことができる。また、多層包装フィルムとする場合、前記中間層およびシーラント層に使用される樹脂組成物を別々に、あるいは同時に溶融押出して成形して製造することができる。
中間層およびシーラント層の成形温度は、150〜320℃であることが好ましく、この範囲であれば、基材と中間層、および中間層とシーラント層との接着性が良くなる。
また、基材層(A)に中間層(B)を溶融押出成形する際には、基材層(A)の中間層(B)が押出成形される面にアンカーコート処理を行い、かつ上記成形温度範囲において酸化雰囲気(例えば、酸素、特にオゾンを含有させた気体(空気等))で処理(以下オゾン処理という)を行うことが接着性の点から好ましい。アンカーコート処理は、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ウレタンポリマー、またはそれらの混合物および反応生成物、ポリエステルまたはポリオールとイソシアネート化合物との混合物および反応生成物、またはそれら溶液等の公知のアンカーコート剤、接着剤等を基材表面に塗布することによりなされる。
本発明の積層体において、基材層(A)、中間層(B)、シーラント層(C)の各層がそれぞれ1層の合計3層構成が多層包装フィルムとしての基本構成となる。ここで、基材層(A)、中間層(B)及びシーラント層(C)の各層は単層でもよいが、場合によっては前記各層を複数の層で構成することができる。例えば、ポリエステルフィルムとセラミック蒸着ポリエステルフィルムをドライラミネートした2層フィルムを基材層(A)として使用することができる。2層フィルムから成る基材層(A)に、中間層1層及びシーラント層1層を積層する場合は合計4層の積層体となる。又、例えば、ポリエステルフィルムとアルミ箔をドライラミネートし、更にアルミ箔面にポリエステルフィルムをドライラミネートした合計3層フィルムを基材層(A)として使用する場合は5層構成となる。中間層(B)及びシーラント層(C)は、通常単層(1層のみ)で使用される。本発明では、中間層(B)とシーラント層(C)が少なくとも一部で接触していれば、他の部分で両者の間に他の層が存在していてもよい。また、基材層(A)は中間層(B)とシーラント層(C)の積層体に少なくとも一部で接触していればよく、特にヒートシールされる部分で基材層(A)/中間層(B)/シーラント層(C)の積層構造であればよい。他の部分で基材層(A)と中間層(B)の間に他の層が存在していてもよく、中間層(B)を介することなく基材層(A)とシーラント層(C)とが接触する部分があってもよい。他の層としては、中間層(B)及びシーラント層(C)以外の他のオレフィン系重合体や、空気層などが挙げられる。
オゾン処理は、エアギャップ内で、ノズルまたはスリット状の吹出口からオゾン含有させた気体(空気等)を、中間層の基材接着面またはこれと積層される基材面に向けるか、両者の圧着部に向けて吹き付けることによって行われる。なお、100m/分以上の速度で押出ラミネートする場合は、上記両者の圧着部に向けて吹き付けることが好ましい。オゾンを含有させた気体中のオゾンの濃度は、1g/m以上が好ましく、さらに好ましくは3g/m以上である。また、吹き付ける量は、中間層の幅に対して0.03リットル/分/cm以上が好ましく、さらに好ましくは0.1リットル/分/cm以上である。
ラミネート速度は、生産性の点から一般的には100〜150m/分である。また、公知の押出ラミネーターのエアーギヤップは、通常100〜150mmが一般的である。本発明における積層体は、成形後ただちにエージング処理をすることが接着性の点から好ましい。エージングは、積層体の成形後12時間以内に、温度23〜45℃、好ましくは35〜45℃で、湿度0〜50%の雰囲気下に、12〜24時間静置することで行われる。
このようにして得られる積層体は、基材層(A)の肉厚が10〜50μm、中間層(B)の肉厚が10〜50μm、シーラント層(C)の肉厚が5〜100μmであることが一般的である。
<液体包装袋>
本発明の包装材料は、液体又は粘体を充填する液体包装袋として特に有用であり、上記の基材層(A)/中間層(B)/シーラント層(C)の順に積層された積層体(多層包装フィルム)の1片もしくは2片を常法のヒートシール機で、二方シール、三方シールまたは四方シールして袋状としたものである。袋の形状としては、一般的には矩形であるが、任意の形状とすることができる。
ヒートシールは、シーラント層(C)の溶融温度以上の温度で行い、液体包装袋に充填する液体の量に応じてヒートシール幅を適宜設定すれば良い。また、液体を袋から取り出しやすくするために、注ぎ口となる部分を残してヒートシールすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(中間層用共重合体)
表1に示すエチレン-αオレフィン共重合体を用意した。
Figure 0006967871
実施例1
<液体包装袋の成膜方法>
積層体フィルムは押出ラミネート加工法により作成した。口径60mmφの押出機のTダイスから押し出される樹脂の温度が295℃になるように設定した押出しラミネート装置を用い製膜を行った。冷却ロール表面温度30℃、ダイス幅500mm、ダイリップ開度0.9mmで加工を行い、加工速度が80m/分の場合に被覆厚みが25μmになるように押出量を調整した。これを、幅500mm、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡製、「ハーデン(登録商標) ONY#15」)上に、ポリウレタン系アンカーコート剤(三井化学製、ポリオール成分:「タケラック(登録商標)A−3210」、イソシアネート成分:「タケネート(登録商標)A−3075」)をグラビアロールにて塗工し、そこへラミネート部にてオゾン吹きつけを行いながら中間層材料としてPE−1を、引き取り速度80m/分、被覆厚み25μmで押出しラミネート加工を行った。さらにこの上に同じ押出ラミネート装置を用い、株式会社プライムポリマー製 商品名「エボリューP SP05156C」(MFR:12g/10分、密度:904kg/m)を押出樹脂温度295℃、引き取り速度80m/分、被覆厚み25μmで押出ラミネート加工を行い、積層を行った。加工後の積層フィルムを40℃のオーブン内にて24時間のエージングを行い、その後幅150mmにスリットすることで評価用の包装フィルムを得た。
中間層樹脂の物性及び、得られた包装フィルムについて液体充填適性を評価した。結果を表2に示す。
実施例2
中間層樹脂として、PE−1とPE−2を50:50の質量比で使用した以外は、実施例1と同様にブレンド樹脂の物性及び、得られた包装フィルムについて液体充填適性を評価した。結果を表2に示す。
比較例1,2
中間層樹脂として、それぞれ、PE−3,PE−4を使用した以外は、実施例1と同様にブレンド樹脂の物性及び、得られた包装フィルムについて液体充填適性を評価した。結果を表2に示す。
<メルトフローレート(MFR)>
JIS K7210−1に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
<密度(D)>
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
<融点ピーク、融解熱量>
結晶融点はJIS K7121に従って、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製(Diamond DSC))を用いて下記測定条件にて測定を行うことにより求めることができる。なお、下記測定条件で測定を行った際の、第3stepにおける吸熱ピークの頂点を結晶融点(Tm)と定義した。吸熱ピークが複数ある場合はピークの高さが最大となる吸熱ピーク頂点を結晶融点(Tm)と定義する。
(測定条件)
測定環境:窒素ガス雰囲気
サンプル量 : 5mg
サンプル形状 : プレスフィルム(230℃成形、厚み400μm)
サンプルパン : 底が平面のアルミ製サンプルパン
第1step : 0℃より10℃/minで200℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step : 10℃/minで0℃まで降温する。
第3step : 10℃/minで200℃まで昇温する。
<融解熱量の測定方法について>
それぞれの融解熱量曲線における135℃から160℃の領域にてベースラインを引き、融解熱量曲線からそのベースラインの値を引いて残りの面積を融解熱量とする。
融解ピークの全融解熱量を融解熱量A、120℃以上における融解熱量を融解熱量Bとし、B/A比を求めた。
<液体包装袋の充填方法及び液体充填適性評価>
高速自動充填包装機(大成ラミック株式会社製 DANGAN TYPE−III)を用いて、次の条件で液体を充填し、液体充填小袋を得た。
[充填条件]
シール温度:(縦)190℃、(横)140〜185℃の範囲で5℃刻み
包装形態:三方シール
袋寸法:幅75mm×縦85mmピッチ
充填物:23℃の水
充填量:約24cc
充填速度:25m/分
得られた液体充填小袋の横シール部の外観観察および耐圧試験を行い、以下の基準で評価した。
[シール部の外観:高温充填適性(発泡開始温度)評価]
横シール部が発泡し始める最低温度で評価した。発泡開始温度は高い方が望ましい。
○:大きなポリ溜りや発泡の発生なし
△:シール部液漏れあり
×:大きなポリ溜りや発泡多い
[耐圧テスト条件:低温充填適性(最低耐圧温度)の判定基準]
耐圧テスター(小松製作所製)にて充填後の袋に100kgの荷重を1分間掛け、耐圧試験を行い、破袋、又は水洩れの発生しない最低温度で評価した。最低耐圧温度は低い方が望ましい。
○:耐圧100kg、1分間問題なし
△:半折部より液漏れあり
×:横シールの後退発生
Figure 0006967871
表2から明らかな通り、本発明に係る積層体は、中間層材料として本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(X)を使用しているため、充填可能温度領域が広く、優れた液体の高速充填性を示した。比較例1では、中間層材料として条件(x3)を満たさないことで、充填可能温度領域が実施例1,2に比較して狭くなった。比較例2では、120℃以上に熱融解ピークを示さないため、耐圧性が悪化し、140〜185℃での充填可能温度領域はなかった。

Claims (5)

  1. 下記のエチレン・α−オレフィン共重合体(X)を含む中間層(B)とシーラント層(C)とが少なくとも一部で接触していることを特徴とする積層体:
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(X)は、下記(x1)〜(x3)の特性を有するエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体;
    (x1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が1〜50g/10分であり、
    (x2)密度が900〜925kg/mであり、
    (x3)下記条件でDSC測定による結晶融点(Tm)の吸熱ピークを含む融解熱量曲線から求められる、120℃以上の融解熱量が10J/g以上である。
    (測定条件)
    測定環境 :窒素ガス雰囲気
    サンプル量 :5mg
    サンプル形状:プレスフィルム(230℃成形、厚み400μm)
    サンプルパン:底が平面のアルミ製サンプルパン
    第1step:0℃より10℃/minで200℃まで昇温し、10min間保持する。
    第2step:10℃/minで0℃まで降温する。
    第3step:10℃/minで200℃まで昇温する。
    上記測定条件で測定を行った際の、第3stepにおける吸熱ピークの頂点を結晶融点(Tm)と定義し、吸熱ピークが複数ある場合はピークの高さが最大となる吸熱ピーク頂点を結晶融点(Tm)と定義する。前記融解熱量は、それぞれの融解熱量曲線における135℃から160℃の領域にてベースラインを引き、融解熱量曲線からそのベースラインの値を引いて残りの面積を融解熱量とする。
  2. 前記中間層(B)に、さらに、基材層(A)が少なくとも一部で接触しており、
    前記シーラント層(C)が、下記要件(y1)〜(y2)を満たす、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(Y)を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体:
    (y1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が1〜50g/10分であり、
    (y2)密度が880〜920kg/mである。
  3. 前記基材層(A)が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂またはそれらの延伸物、金属箔、無機酸化物蒸着フィルム、紙、及び不織布から選ばれる少なくとも1種を基材として含むことを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. 前記基材層(A)が、その少なくとも一部に、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ポリエステルまたはポリオールとイソシアネート化合物との混合物および反応生成物から選ばれる1種以上の接着剤を基材に積層して含有していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体を包装材料として用いた液体包装袋。
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