JP2013227421A - 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法 - Google Patents

組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013227421A
JP2013227421A JP2012100216A JP2012100216A JP2013227421A JP 2013227421 A JP2013227421 A JP 2013227421A JP 2012100216 A JP2012100216 A JP 2012100216A JP 2012100216 A JP2012100216 A JP 2012100216A JP 2013227421 A JP2013227421 A JP 2013227421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
film
composition
solvent
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012100216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5840064B2 (ja
JP2013227421A5 (ja
Inventor
Takayuki Uekusa
貴行 植草
Katsuhiko Okamoto
勝彦 岡本
Katsumasa Tamo
克正 田茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2012100216A priority Critical patent/JP5840064B2/ja
Publication of JP2013227421A publication Critical patent/JP2013227421A/ja
Publication of JP2013227421A5 publication Critical patent/JP2013227421A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5840064B2 publication Critical patent/JP5840064B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulating Bodies (AREA)

Abstract

【課題】コーティングにより高い耐熱性と良好な電気絶縁性を示すフィルムを形成し得る組成物を提供する。
【解決手段】以下の5つの要件を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体と、溶媒とを含む組成物。1)4−メチル−1−ペンテン及び/又は3−メチル−1−ペンテン由来の構成単位を80〜99モル%含み、炭素原子数2〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィン由来の構成単位を1〜20モル%含む共重合体である;2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0(dl/g)である;3)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にある;4)密度が820〜850(kg/m3)である;5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性と電気絶縁性が高いフィルムを製造することができる組成物、前記組成物を用いて製造され得るフィルム、前記フィルムの製造方法などに関する。
表示デバイス、半導体デバイス、光学部材、プリント回路基板などには、保護用、絶縁用、平坦化用、耐熱用、耐光用、耐候用などの各種コーティング剤が用いられる。これらのコーティング剤を用いて作成されたフィルムは、上記デバイス等の製造においてハンダリフローや微細加工など200℃を超えるプロセスを経ることが多いため、高い耐熱性が要求される。さらには用途に応じて透明性、電気絶縁性などの特性が要求される。特にキャパシタの電極表面にコーティング剤を用いて形成されたフィルムには、耐熱性とともに、蓄積された電気の漏洩や電圧降下を防ぐため高い電気絶縁性が要求される。
またプリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板、多層プリント配線基板等の回路基板のプレス工程では、当て板に回路基板が付着するのを防止するために離型フィルムが用いられている。例えばフレキシブルプリント配線基板の場合、所定の回路部を有する基材(ポリイミドフィルムなど)の回路部を保護するために、回路部を接着剤付き樹脂フィルムで被覆して、さらに離型フィルムを積層してプレスすることが行なわれている(例えば、特許文献1)。
このような背景から離型フィルムなどに用いることができる高い耐熱性と電気絶縁性を有するフィルムを形成しうるコーティング剤が求められている。このような要望に対して、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、環状オレフィン系樹脂などを含むコーティング剤が提案されているが、耐熱性と電気絶縁性をバランスよく有するフィルムを形成することはできていなかった。
近年では200℃以上のガラス転移温度を有する耐熱性に優れるコーティング用透明樹脂として、シリル基を含む環状オレフィン系付加重合体が提案されている(例えば、特許文献2および3)。しかしながら、環状オレフィン系付加重合体は耐熱性が高いものの剛直で柔軟性に乏しく、フィルムにした場合割れやクラックを生じやすい。このため離型フィルムなどとして使用中に、フィルムが破損し電気絶縁性が低下する恐れがある。またシリル基を多量に導入し、架橋する際に収縮によるソリが懸念され、吸水性、誘電率が高いなどの問題があった。
特開2004−339491号公報 米国特許第5912313号公報 特開2004−58339号公報
本発明は、コーティングなどにより高い耐熱性と良好な電気絶縁性を示すフィルムを形成し得る組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の物性を有する4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を含む共重合体Aと、溶媒と、を含む組成物によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願の第一の発明は以下の組成物に関する。
[1]下記の(i)〜(v)の要件を満たす共重合体(A)と溶媒と、を含む、組成物。
(i)4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である
(ii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0(dl/g)である
(iii)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にある
(iv)密度が820〜850(kg/m)である
(v)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜3.5である
[2]前記共重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、プロピレンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である、[1]に記載の組成物。
[3]共重合体(A)を、組成物100重量%に対し0.1〜25重量%含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]前記溶媒が25℃における比誘電率が5以下の溶媒である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の組成物。
[5]前記溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の組成物。
[6][1]〜[5]のいずれか一項に記載の組成物を含む、コーティング剤。
本願の第二の発明は以下のフィルムに関する。
[7]下記の(i)〜(v)の要件を満たす共重合体(A)と、溶媒と、を含む、フィルムであって、前記フィルム100重量%に対して前記溶媒を0.001〜0.5重量%含むフィルム。
(i)4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である
(ii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0(dl/g)である
(iii)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にある
(iv)密度が820〜850(kg/m3)である
(v)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜3.5である
[8][1]〜[6]のいずれか一項に記載の組成物またはコーティング剤を塗布する第一の工程と、前記組成物中の溶媒を除去する第二の工程と、を含む、フィルムの製造方法。
[9][7]に記載のフィルムを備えた、キャパシタ。
[10][7]に記載のフィルムを最表面の少なくとも一部に備えた離型フィルム。
本発明の組成物を特にコーティング剤として用いることで、高い耐熱性と良好な電気絶縁性を有するフィルムを容易に製造することができる。
1.組成物
本発明の組成物は、共重合体(A)と、溶媒と、を含む組成物である。以下で、本願発明の組成物について詳細に説明する。
なお、本願発明において、「〜」を使用して数値範囲を規定するが、本願発明の「〜」は境界値を含む。例えば、「1〜100」とは10以上100以下を意味する。また、本願では共重合のことを重合と記載する場合があり、共重合体のことを重合体と記載する場合がある。
(1)共重合体(A)
本発明の共重合体(A)は、(i)4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体であり、(ii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0(dl/g)であり、(iii)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にあり、(iv)密度が820〜850(kg/m)であり、(v)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜3.5であるとの(i)〜(v)の要件を同時に満たす。以下で各要件について説明する。
(1−1)要件(i)
本願発明の共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である。
ここで、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは99モル%、より好ましくは98モル%であり、下限は好ましくは80モル%、より好ましくは85モル%、さらに好ましくは87モル%である。なお4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位のモル%とは、4−メチル−1−ペンテンのみに由来する構成単位のモル%と3−メチル−1−ペンテンのみに由来する構成単位のモル%を合計したものである。
共重合体(A)中には、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位か3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位のいずれか一方が含まれていてもよく、両方が含まれていてもよい。4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率などは特に限定されないが、好ましくは4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位が、3−メチル−1−ペンテンと4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の合計100モル%に対して80〜100モル%の比率であることが好ましい。
エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンから導かれる構成単位の上限は好ましくは20モル%、より好ましくは15モル%、さらに好ましくは13モル%であり、下限は好ましくは1モル%、より好ましくは2モル%である。
ここで、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が100モル%(エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンから導かれる構成単位が0モル%)とは、共重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンのみの重合体であることを示すものである。
各構成単位が上記範囲にあると、共重合体(A)を含む組成物から作成したフィルムの耐熱性と電気絶縁性が良好になる。さらに後述する溶媒との親和性が向上し、本発明の組成物の安定性が向上する傾向にある。これは嵩高い構成単位である4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−ペンテンが、結晶化しやすいプロピレン、ヘキサデセン、オクタデセン、ヘキセンのようなオレフィンに対して一定含まれることで共重合体(A)が結晶化しにくくなり、溶媒に展開し均一に分散しやすくなるためと考えられる。なお本願発明でいう組成物の安定性とは、共重合体(A)が後述する溶媒に均一に溶解し、前記共重合体(A)の著しい沈殿が見られないことを意味する。
炭素原子数3〜4のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテンなどが好適な例として挙げられる。これらのうち、共重合性および得られる共重合体の物性の観点からは、プロピレンが好ましい。これらのエチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、共重合体(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の重合性化合物由来の構造単位を含んでいてもよい。このような他の重合性化合物としては、例えばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等の環状構造を有するビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等の共役ジエン類;1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。
本発明における共重合体(A)は、このような他の重合性化合物から導かれる単位を、共重合体(A)に含まれる全ての重合性化合物に由来する構造単位の合計100モル%に対して、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
共重合体(A)中の4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、エチレンやα−オレフィンなどの含量は、以下の装置および条件により13C−NMRにより測定により行うことができる。具体的には、日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料(共重合体(A))濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定することができる。
(1−2)要件(ii)
本願発明の共重合体(A)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は0.5〜5.0(dl/g)である。ここで本発明の組成物の安定性と言う観点からは、極限粘度[η]の上限値は、4.0以下が好ましく、2.5以下がさらに好ましい。また、本発明の組成物を用いて作成したフィルムの形状安定性という観点からは極限粘度[η]の下限値が0.6以上であるのがより好ましい。上記極限粘度[η]の値は、共重合体(A)を製造する際の、重合工程における水素の添加量により調整することが可能である。
また極限粘度[η]はデカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。具体的には、共重合体(A)約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定することができる。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定し、濃度(C)を0に外挿することで、ηsp/Cの値を極限粘度として求めることができる。
(1−3)要件(iii)
本願発明の共重合体(A)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にあり、好ましくは170〜220℃の範囲にある。前記、融点(Tm)の値は、重合体の立体規則性ならびにエチレン及び炭素原子数3〜4のα−オレフィン構造単位の含有率に依存する傾向がある。このため後述するオレフィン重合用触媒を用い、さらにはエチレンや炭素原子数3〜4のα−オレフィン構造単位の含有率を制御することにより、融点(Tm)を調整することができる。
また融点(Tm)は、以下のような方法で測定することができる。セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料(共重合体(A))をつめて、10℃/minで290℃まで昇温し、290℃で5分間保持した後、10℃/minで−50℃まで降温させる。この時の結晶化溶融ピークのピーク頂点から融点(T)を算出することができる。なお後述する結晶化温度(Tc)は、Tmと同様の方法で測定した結晶化ピークのピーク頂点の温度から求めることができる。
融点(Tm)の値が上記範囲にある共重合体(A)は、耐熱性の観点から好ましいため、これを含む組成物から得られるフィルムも耐熱性に優れ、かつフィルムの性状も均一なものが得られる傾向にある。
(1−4)要件(iv)
本願発明の共重合体(A)の密度は820〜850(kg/m)である。好ましくは825〜850kg/mであり、より好ましくは825〜845kg/m、さらに好ましくは825〜840kg/mである。共重合体(A)の密度の値は、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンと共に重合する他のオレフィンの種類や含有率を選択することにより、調整することが可能である。また密度は、JIS K6268に準拠して測定することができる。密度の値が上記範囲にある共重合体(A)は、耐熱性の観点から好ましいため、これを含む組成物から得られるフィルムも耐熱性が高いものが得られる傾向にある。
(1−5)要件(v)
本願発明の共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜3.5であり、好ましくは1.3〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.5である。
前記分子量分布(Mw/Mn)の値は、後述するオレフィン重合用触媒、特にメタロセン触媒の種類によって調整することが可能である。また分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用いて測定することができる。例えば、分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLの2本を用いることができる(カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mm)。カラム温度を140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業株式会社製)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品工業株式会社製)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させる。次に、共重合体(A)の濃度を15mg/10mLに調整し、試料注入量は500マイクロリットルにして検出器(示差屈折計)で測定することができる。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000またはMw>4×10の範囲ついては東ソー株式会社製を用い、1000≦Mw≦4×10の範囲ついてはプレッシャーケミカル社製を用いて測定することができる。
分子量分布(Mw/Mn)の値が前記範囲にある共重合体(A)は、透明性、機械特性の観点から好ましいため、これを含む組成物から得られるフィルムも透明性に優れたものが得られる傾向にある。また共重合体(A)の分子量分布が前記範囲内にあると、後述する溶媒との親和性が高まり、本発明の組成物の安定性が向上する。さらには本発明の組成物を用いて製造したフィルムの表面平滑性や均一性が向上し、タック性が低下する傾向がある。
(1−6)結晶化温度(Tc)
本発明における、共重合体(A)のDSCで測定した結晶化温度(Tc)は110〜220℃であることが好ましく、さらに好ましくは120〜210℃である。
上記、結晶化温度(Tc)の値は、重合体の立体規則性ならびにエチレンや炭素原子数3〜4のα−オレフィン構造単位の含有率に依存する傾向があり、後述するオレフィン重合用触媒を用い、さらにはエチレンや炭素原子数3〜4のα−オレフィン構造単位の含有率を制御することにより調整することができる。 結晶化温度(Tc)の値が上記範囲にある共重合体(A)は、成形性の観点から好ましいため、これを含む組成物から得られるフィルムも成形性に優れたものが得られる傾向にある。
(1−7)共重合体(A)の製造方法
本発明における共重合体(A)は、オレフィン重合用触媒の存在下、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンと上述した特定のオレフィン、さらに必要に応じて前記その他の重合性化合物と重合することにより得ることができる。
前述のオレフィン重合用触媒のうち、共重合体(A)を製造するに当たり、好ましい触媒の態様として、メタロセン触媒を挙げることができる。好ましいメタロセン触媒としては、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報、特開平02−41303号公報中あるいは国際公開第06/025540号パンフレット中に記載のメタロセン触媒が挙げられる。
本願発明の組成物の共重合体(A)含有量は、前記組成物100重量%に対して、0.1〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がさらに好ましく、0.1〜15重量%が特に好ましい。溶媒の含有量が前記範囲にあると、本願発明の組成物をコーティング剤などとして用いた際の組成物のハンドリング性と組成物からフィルムを製造する際の溶媒の除去のしやすさのバランスが良好となり、コーティング剤から製造されるフィルムの膜厚を調整しやすくなる。
(2)溶媒
本願発明の組成物は、溶媒を含む。また特に25℃における比誘電率が5以下の溶媒を含むのが好ましい。本願発明の溶媒とは、共重合体(A)が一部でも可溶な液状の物質ならばよく、特に限定されない。また25℃における比誘電率が5以下の溶媒とは、具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。本発明の組成物に比誘電率を5以下の溶媒を添加することで、前記共重合体(A)が均一に展開し、本発明の組成物を用いてフィルムを作成すると、フィルムの表面平滑性や均一性が向上する傾向がある。
また本願発明の組成物が含む溶媒の沸点は、10〜150℃であることが好ましく、20〜120℃がより好ましい。この範囲に沸点があると、組成物のハンドリング性と組成物を用いてフィルムを製造した場合の製造効率のバランスが良好となる。
なお本発明の組成物が含む溶媒は、25℃における比誘電率が5以下の溶媒に限られない。例えば極性の高い基材へ本発明の組成物を塗工しやすくするために25℃における比誘電率が5以下の溶媒と比誘電率が5超の極性の高い溶媒との混合溶媒を用いて使うこともできる。極性の高い溶媒として、例えばエチルメチルケトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロベンゼン、1,2-ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。前記の極性の高い溶媒の添加量は、本願発明の組成物中の全溶媒の重量を100重量%としたときに、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
本願発明の組成物は、組成物の全重量を100重量%としたときに、共重合体(A)を0.1〜25重量%含むのが好ましい。前記範囲だと本願発明の組成物を用いてフィルムを製造する際に、十分な厚さのフィルムを得ることができ、かつ前記組成物の安定性(溶媒溶解性)が向上する傾向にある。
本願発明の組成物の溶媒含有量は、前記組成物100重量%に対して、70〜99.9重量%が好ましく、80〜99.9重量%がさらに好ましく、85〜99.9重量%が特に好ましい。溶媒の含有量が前記範囲にあると、本願発明の組成物をコーティング剤などとして用いた際の組成物のハンドリング性と組成物からフィルムを製造する際の溶媒の除去のしやすさのバランスが良好となる。
(3)その他の成分
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じて、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、レベリング剤、強化剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤などを配合することができる。また本願発明の組成物を用いて作成したフィルムと、後述する基材フィルムや前記組成物を塗布する回路基板などとの間の密着力、接着力を高める必要がある場合は、本願発明の組成物に、a)熱可塑性の接着性樹脂、b)粘着成分を有する樹脂、c)共重合体(A)を極性化合物でグラフト変性した成分(以下では、グラフト変性共重合体(A)ともいう)を配合することもできる。
a)熱可塑性の接着性樹脂
a)熱可塑性の接着性樹脂としては、公知の熱可塑性接着剤を挙げることができるが、主鎖に官能基が導入されたポリオレフィン、アイオノマー樹脂、エチレン又はエチレンを含むモノマーとグリシジルメタクリレートとの共重合体から選ばれるものを用いるのが好ましい。主鎖に官能基が導入されたポリオレフィンは、主鎖にグラフト反応によりカルボキシル基が導入されたポリオレフィンが好ましく、例えば、市販の熱可塑性樹脂「アドマー」(登録商標)(三井化学(株)製又は三井化学東セロ(株)製)、ポリオレフィン系接着性樹脂(商品名モディック;三菱化学(株)製)を用いることができる。前記接着性樹脂の添加量は、組成物中の共重合体(A)100重量%に対して0〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%がさらに好ましい。
b)粘着成分を有する樹脂
b)粘着成分を有する樹脂は、粘着性がある樹脂であるならば、特に制限はないが、例えばDSCで測定した融点(Tm)が110℃未満の熱可塑性樹脂、および従来公知である熱可塑性エラストマーを挙げることができる。具体的にはポリオレフィン系熱可塑性樹脂あるいはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂あるいはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの例として、具体的には、エチレン系重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体が挙げられる。より具体的には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体等が挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーとしてはポリスチレン系エラストマーを挙げることもできる。ポリスチレン系エラストマーとしては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。ポリスチレン系エラストマーは、単独または2種類以上を組み合せて用いられる。
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加してなるものである。SISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、株式会社クラレから商品名:ハイブラー(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。また、SIBSの具体例としては、株式会社カネカから商品名:シブスター(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
さらには、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの例として、オレフィン系ブロック共重合体からなるエラストマーも使用することができる。ポリオレフィン系ブロック共重合体からなるエラストマーとして、例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体等を例示することができる。具体例としては、JSR株式会社から商品名DYNARONとして市販されているものが挙げられる。
前記、b)粘着成分を有する樹脂の添加量は、組成物中の共重合体(A)100重量%に対して0〜50重量%が好ましく、0.1〜20重量%がさらに好ましい。
c)グラフト変性共重合体(A)
共重合体(A)を極性樹脂と混合する場合や、本願発明のフィルムと本願フィルムが接する基材フィルムなどとの間の接着力を高める必要がある場合には、共重合体(A)の少なくとも一部が極性化合物によりグラフト変性されているグラフト変性共重合体(A)を、本願発明の組成物に添加するのが好ましい。
グラフト変性に用いる極性化合物としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、ビニル基含有有機ケイ素化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられる。これらのうち、不飽和カルボン酸またはその誘導体およびビニル基含有有機ケイ素化合物が特に好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。これらの化合物は従来公知のものが使用でき、特に制限はないが具体的な化合物としては、例えばアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔登録商標〕(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、例えば塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸〔登録商標〕またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
ビニル基含有有機ケイ素化合物としては、従来公知のものが使用でき、特に制限はないが具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシーエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、さらに好ましくは、立体障害が小さくグラフト変性効率の高いビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
本願発明でグラフト変性共重合体(A)は、共重合体(A)100重量部に対して、前記極性化合物を通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量でグラフト反応させることにより得ることができる。このグラフト反応は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。
グラフト重合に用いられるラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などが挙げられる。ラジカル開始剤は、共重合体(A)、および極性化合物にそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
また共重合体(A)に極性化合物をグラフト反応させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性化合物のグラフト量を向上させることができる場合がある。
共重合体(A)の極性化合物によるグラフト変性反応は、従来公知の方法で行うことができる。例えば共重合体(A)を有機溶媒に溶解し、次いで極性化合物およびラジカル開始剤などを溶液に加え、70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させる方法を挙げることができる。
また、押出機などを用いて、無溶媒で、共重合体(A)と極性化合物とを反応させることもできる。この反応は、通常共重合体(A)の融点(Tm)以上、具体的には160〜290℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。
このようにして得られるグラフト変性共重合体(A)の変性量(極性化合物のグラフト量)は、通常、グラフト変性反応を行った共重合体(A)100重量%に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、イオウ系酸化防止剤、ラクトーン系酸化防止剤、有機ホスファイト化合物、有機ホスフォナイト化合物、あるいはこれらを数種類組み合わせたものが使用できる。
滑剤としては、例えばラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、マグネシウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。またかかる滑剤の配合量は本発明の組成物100重量部に対して通常0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部程度であることが望ましい。
スリップ剤としては、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ヘベニン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のアミド、あるいはこれらの飽和または不飽和脂肪酸のビスアマイドを用いることが好ましい。これらのうちでは、エルカ酸アミドおよびエチレンビスステアロアマイドが特に好ましい。これらの脂肪酸アミドは本発明の組成物中の共重合体(A)100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
アンチブロッキング剤としては、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状、もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末等をあげることができる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
また後述するように本願発明の組成物をコーティング剤として用いる場合には、本願発明の組成物にレベリング剤を添加するのも好ましい態様である。本願発明の組成物で作成したフィルムの表面粗さを小さくするためのレベリング剤としてはフッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など用いることができ、溶媒と相溶性が良いものが好ましく、添加量は組成物中の共重合体(A)に対して1〜50,000ppmの範囲で用いられる。
強化剤としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属の酸化物、多官能アルコキシ化合物あるいはそのオリゴマー、粘土鉱物を組成物中の共重合体(A)100重量部に対して、5〜50重量部を配合することもでき、本願発明の組成物をコーティング剤として用いて作成したフィルム(この場合はコート層ともいう)の硬度や弾性率を高めることができる。添加量が5重量部未満では効果が低すぎ、50重量部を超えるとコート層の透明性や機械強度が損なわれることがある。
(4)組成物の製造方法
本願発明の組成物の製造方法は特に限定されず、通常用いられる方法で製造することができる。例えば、前記溶媒に、前記共重合体(A)を添加し、前記溶媒の沸点以下の温度で、所定の時間攪拌することで製造することができる。
(5)組成物の用途
本願発明の組成物は、前記組成物を用いて耐熱性・電気絶縁性が高いフィルムを製造することができるため、コーティング剤、特に液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子などの各種表示デバイス;半導体デバイス;導光板、偏光フィルム、光拡散フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルムなどの光学部材;プリント回路基板などに対する、表面保護用、絶縁用、平坦化用、耐熱用、耐光用、耐候用などの各種コーティング剤として好適に用いることができる。
特に、本願発明の組成物は複雑な形状を有する基板への保護層を形成することができるため、プリント配線基板やキャパシタの電極表面の保護層形成用のコーティング剤として好適に用いることできる。また本願発明の組成物を、他のフィルムの上に塗布し、溶媒を除去することで、前記他のフィルムを離型フィルムにすることもできる。
2.フィルム
(1)フィルム
本発明のフィルムは、前記の共重合体(A)と、溶媒と、を含む、フィルムである。以下で、本願発明のフィルムについて詳細に説明する。なお、本願でいう「フィルム」とは、便宜上の名称であって、平面状の成形物の総称であり、これにはフィルムの他、シート、膜、テープ、基板上に形成される層などを含む概念である。また「フィルム」とは、平面が連続している成形物に限定されない。
本願発明のフィルムは、前記フィルム全体を100重量%とした場合に、溶媒の含有量が0.001〜0.5重量%であるのが通常である。この範囲にあると、フィルムとしての形状を保持しやすく、またフィルムの柔軟性が高くなる。このため、例えば回路基板の離型フィルムとして用いた場合に、プレス加工等でフィルムが破損し、電気絶縁性が低下することを防ぐことができる。また本願発明のフィルムの絶縁破壊電圧(BDV)をフィルムの厚さで除した規格化絶縁破壊電圧(kV/μm)は、0.05以上であることが好ましい。
また、共重合体(A)を押出法などで成形する場合は、共重合体(A)をその融点(T)以上の温度に加熱し溶融する必要があるが、本願発明の組成物を用いてコーティングでフィルムを製造する場合は融点(Tm)より低い温度でフィルムを製造できるため、共重合体の熱劣化などによる分解物が少なくなり、離型性が高くなる場合がある。分解物としては、例えば共重合体(A)が高温で分解したことにより得られる共重合体(A)を構成するモノマー成分の2量体〜5量体などの低分子量成分や、上記のその他の成分として例示した、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、レベリング剤、強化剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤などの酸化物、および酸化分解した成分の一部、などが挙げられる。
(2)フィルムの製造方法
本願発明のフィルムは、本願発明の組成物を用いて製造することができる。具体的には、本願発明の組成物を、所定の基板上に塗布し、前記組成物の沸点に近い温度に加熱することで組成物中の溶媒をある程度、除去し、フィルムを製造することができる。本願発明のフィルムを基板から分離して自立したフィルムとして用いる場合は、本願発明の組成物を塗布する基板は離型性が高い材質で構成されているのが好ましい。
また本願発明のフィルムを、積層フィルム中の特定の層として用いたい場合は、積層したいフィルムに本願発明の組成物をコーティング剤として塗布し、前記組成物中の溶媒をある程度、除去することで、本願発明のフィルムを層として含む積層フィルムを得ることもできる。本願発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されないが、はけやブラシを用いた塗布、スプレーによる吹き付け、スクリーン印刷法、フローコーティング、スピンコート、ディッピングによる方法や、バーコーター、Tダイ、バー付きTダイ、ドクターナイフ、ロールコート、ダイコートなどを用いてロールや平板に塗布する方法など挙げられる。
なお本願でいう溶媒の除去とは、本願発明の組成物中から溶媒を完全に取り去ることのみを意味するものではなく、本願発明の組成物をフィルム状に成形しえる程度に溶媒を取り去ることをいう。具体的には、本願発明の組成物を用いて作成したフィルムの重量100%に対して、溶媒が0.001〜0.5重量%程度になるまで、溶媒を取り去ることをいう。
溶媒を除去する方法は特に限定されず、放置することで乾燥してもよいが、一般的には30〜220℃で加熱し乾燥することで除去される。また共重合体(A)の熱劣化や熱分解を防ぐために共重合体(A)の融点(Tm)以下の温度で溶媒を除去するのが好ましい。一方、乾燥温度が低すぎると乾燥時間が長くなるため生産性が悪化し、高すぎると発泡や劣化などの問題が生じる。発泡を防ぎながら短時間で乾燥させるために、2段階以上もしくは連続的に温度を上昇させながら乾燥してもよい。また、乾燥工程の後に水、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレンなど共重合体(A)が溶解しにくい溶媒に浸漬する工程、あるいはその溶媒の蒸気雰囲気下に曝す工程を経ることによってコート層に残留する溶媒を低減することもできる。乾燥後のコート層中に残留する溶媒は、0.5重量%以下、好ましくは0.05重量%以下さらに好ましくは0.01重量%以下である。
また各種表示デバイス、半導体デバイス、光学部材、プリント回路基板、キャパシタなどの保護層として本願発明のフィルムを用いる場合には、前記デバイスや回路の所定の位置に、本願発明の組成物を塗布し、前記デバイスなどが劣化しない温度で加熱し組成物中の溶媒をある程度、除去することで、フィルム(この場合はコート層ともいう)を形成することもできる。
(3)フィルムの用途
本願発明のフィルムは、前述のように耐熱性・電気絶縁性に優れるため、各種表示デバイス、半導体デバイス、光学部材、プリント回路基板、キャパシタなどの保護層として特に好適に用いることができる。また本願発明のフィルムは離型フィルムまたは離型フィルムの離型層として好適に用いられる。以下で離型フィルムの離型層に本願発明のフィルムを用いた例について説明する。
本願発明のフィルムを後述する基材フィルムと積層させることで離型フィルムを作成することができる。基材フィルムは、材質は特に限定されず、また単層体であっても複層体であってもよく、厚さも特に限定されないが、フィルム成形が容易な熱可塑性樹脂を含むのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−α-オレフィン共重合体などの線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、4―メチル−1−ペンテン系ポリマー、ポリブテンなどのポリオレフィン樹脂などが挙げられる。また基材フィルムの成形方法は、押出、一軸あるいは二軸延伸など一般的な方法でよく、特に限定されない。
またこれらの基材フィルムに、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常、ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。これらの基材フィルムの厚さは通常10〜100μmであるが、特に限定されない。
前記基材フィルムの表面に、本願発明の組成物を塗布し、前記組成物の溶媒を除去することで本願発明のフィルムを前記基材フィルムの表面に積層させることで離型フィルムを作成することができる。なお、前記離型フィルムの最表面の少なくとも一部に、本願発明のフィルムが配置されていればよいので、基材フィルムの表面全体に本願発明の組成物を塗布しなくてもよい。
また基材フィルムと本願発明のフィルムとの間の密着力、接着力を高める必要がある場合は、本願発明のフィルムに、前述のa)熱可塑性の接着性樹脂、b)粘着成分を有する樹脂、c)グラフト変性共重合体(A)を適宜選択して添加するのが好ましい。これらの成分a〜cは一種類だけ本願発明のフィルムに添加してもよいし、それぞれを組み合わせて添加してもよい。これらの成分を本願発明のフィルムに添加する方法は限定されないが、具体的には、本願発明の組成物に前記a〜c成分を添加・混合した組成物を用いて前記方法でフィルムを形成する方法で添加することもできる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において各物性の測定及び評価は以下の条件で行なった。
[極限粘度[η]]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた。計算式を以下に示す。
「式1」
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[MFR]
共重合体(A)のMFRは、JIS K7210に準拠して、260℃で5kgの荷重、または230℃、2.16kgの荷重にて測定した。共重合体6および7は、260℃、5kg荷重の条件で測定した。
[数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLの2本を用いた。これらのカラムのサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmである。カラム温度を140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業株式会社)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品工業株式会社)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させた。試料(被測定体:共重合体(A))の濃度を15mg/10mLに調整し、500マイクロリットル注入し、示差屈折計を用いて検出した。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000やMw>4×10の試料ついては東ソー株式会社製のものを用い、1000≦Mw≦4×10についてはプレッシャーケミカル社製のものを用いた。
[共重合(A)中のオレフィン等の含量]
共重合体中の4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量は、以下の装置および条件により13C−NMRにより測定した。日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。得られた13C−NMRスペクトルにより、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、α−オレフィンの組成を定量化した。
[融点(T)、結晶化温度(T))]
セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、100℃/minで290℃まで昇温し、290℃で5分間保持した後、10℃/minで−100℃まで降温させた時の結晶化ピークのピーク頂点から結晶化温度(T)、結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(T)を算出した。融点(T)が高いほど、耐熱性が高いことを意味する。
[密度]
密度測定は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを30mm角に切り取り、JIS K6268に準拠して、電子比重計を用いて水中置換方法で測定した。
[溶解状態(組成物安定性)]
後述する本願発明の組成物の合成において、共重合体(A)と溶媒とを40℃、1時間、200rpmで攪拌し組成物を合成した後に、前記組成物が可視光線下、目視で透明な場合は○、白濁して見えたが流動性が見られた場合は△、白濁しかつ流動性が見られなかった場合は、×として評価した。
[フィルム塗工性]
本願発明の組成物を25℃でガラス基板上に塗布してアプリケーターで均一に伸ばした後、25℃で30分、さらに80℃で1時間乾燥し、フィルムを得た場合、前記フィルムの表面の凹凸が0.02mm以下の場合を○、0.02mm超の凹凸があった場合を×、フィルムを指で押した場合、指に前記フィルムの成分が目視できる程度に付着した場合をタック性ありとして△として評価した。ここで凹凸には溶け残りによるブツもカウントした。
[絶縁破壊電圧(BDV)]
絶縁破壊電圧(V/μm)測定は、ASTM−D149に準じ、ヤマヨ試験器有限会社製絶縁破壊試験機を用いた。上記の方法で得られたフィルムを昇圧速度500V/secにて電圧を印加して破壊耐電圧を測定し、耐圧特性を求めた。また絶縁破壊電圧を求めたフィルムの部位の厚さを測定し、前記厚さで絶縁破壊電圧(BDV)を除したものを規格化絶縁破壊電圧kV(/μm)とした。この規格化絶縁破壊電圧が大きいほど、電気絶縁性が高いことを表す。
[水の接触角測定]
水の接触角測定は、DropMaster500画像処理式、固液界面解析システムを用いて、得られたフィルムに水滴を落としたときの接触角値を測定した。接触角値が大きいほど、極性が高い材料に対する離型性が高いことを意味する。
[臨界界面張力]
臨界界面張力測定は、DropMaster500画像処理式、固液界面解析システムを用いて、試験液にぬれ張力試薬用混合液(和光純薬工業株式会社製)を用いて、23℃、湿度50%の環境下で、実施例で得られたフィルムの接触角を測定し、それを元に臨界界面張力を算出した。臨界界面張力が小さいほど、極性が高い材料に対する離型性が高いことを意味する。
[溶媒含有量 分解物含有量]
フィルム中に含まれる溶媒や共重合体(A)の分解物などは、特開2011−88352号公報、特開2007−224311号公報等の試験方法を参考にして実施した。具体的には、厚み50μmのフィルムを、20×2mmの短冊状にカットし、そのうち10mg分を精秤後、ヘリウム気流下にて180℃で30分加熱した。前記加熱時に発生するガス成分を動的ヘッドスペース法で捕集し、熱脱着GC/MSスペクトル分析装置(アジレントテクノロジー社製HP6890/HP5975)にて測定した。次に、得られたMSスペクトルを、デカンを標準試料とした換算定量値に換算し、溶媒に由来するピークを溶媒量、前記溶媒に由来しないピークを分解物量とした。
以下の合成例で実施例や比較例で用いた共重合体の合成方法について説明する。なお合成例1〜4は本願発明でいう共重合体(A)である。
(合成例1)共重合体(A)−1の調製
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.18MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいたメチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは45.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は91.3mol%、プロピレン含量は8.7mol%であった。ポリマーの融点(T)は172℃であり、極限粘度[η]は1.62dl/gであった。
(合成例2)共重合体(A)−2の調製
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.15MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは39.2gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は92mol%、プロピレン含量は8mol%であった。ポリマーの融点(T)は177℃であり、極限粘度[η]は1.7dl/gであった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
(合成例3)共重合体(A)−3の調製
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.15MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧し、さらに分子量調整として水素ガスを100ml追加した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.003mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始5分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは19.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は92.4mol%、プロピレン含量は7.6mol%であった。ポリマーの融点(T)は180℃であり、極限粘度[η]は0.77dl/gであった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
(合成例4)共重合体(A)−4の調製
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.12MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは34.7gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は94mol%、プロピレン含量は6mol%であった。ポリマーの融点(T)は200℃であり、極限粘度[η]は1.6dl/gであった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
(合成例5)共重合体5の調製
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリエチルアルミニウム(TEA)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.94ml装入し、水素ガス240mlを導入して攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.18MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、特開2008−144155号公報を元に調整した固体状チタン触媒を0.013mmolを含むトルエン溶液4.7mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは67.1gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は90mol%、プロピレン含量は10mol%であった。ポリマーの融点(T)は174℃であり、極限粘度[η]は1.4dl/gであった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
(合成例6)共重合体6の製造
国際公開2006/054613号パンフレットの比較例7や比較例9の方法に準じ、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、水素の割合を変更することによって、表1に示す物性を有する共重合体6を得た。
(合成例7)共重合体7の製造
特開2008−144155号公報に記載の方法に準じ、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキセン、水素の割合を変更することによって、表1に示す物性を有する共重合体7を得た。表1に、共重合体(A)−1〜(A)−4、共重合体5〜7に関する、物性値を示す。
(実施例1)
共重合体(A)−1 10gに対して、酸化防止剤としてのトリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートを0.1重量%、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.1重量%添加し、固形分濃度が5重量%になるようにトルエン(和光純薬工業株式会社製)を添加して、40℃、1時間、200rpmで攪拌して共重合体(A)−1を含む組成物を製造した。この溶液を25℃でガラス基板上に塗布してアプリケーターで均一に伸ばした後、25℃で30分、さらに80℃で1時間乾燥し、フィルムを得た。
(実施例2)
共重合体(A)−2を用いた以外は実施例1と同様の作業を行い、フィルムを得た。
(実施例3)
共重合体(A)−3を用いた以外は実施例1と同様の作業を行い、フィルムを得た。
(実施例4)
共重合体(A)−4を用いた以外は実施例1と同様の作業を行い、フィルムを得た。
(比較例1)
共重合体5を用いた以外は実施例1と同様の作業を行い、フィルムを得た。
(比較例2)
共重合体6を用いた以外は実施例1と同様の作業を行い、フィルムを得た。
(比較例3)
共重合体7を用いた以外は実施例1と同様の作業を行い、フィルムを得た。
(参考例1)
共重合体(A)−2と、共重合体(A)−2 100重量部に対して二次抗酸化剤 トリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートを0.1重量部、耐熱安定剤 n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.1重量部、塩酸吸収剤 ステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合し、樹脂組成物を得た。次に、(株)プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度270℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で、前記樹脂組成物を造粒して評価用ペレットを得た。さらに、前記評価用ペレットを、株式会社田中鉄工所社製単軸シート成形機を用い、ダイス温度250℃で溶融キャスト成形して厚み20μmのフィルムを得た。
表2に実施例1〜4、比較例1〜3、参考例1の組成物の組成、塗布性、および前記組成物を用いて作成したフィルムについて、前述の方法で測定した厚さ、絶縁破壊電圧(BDV),フィルムの厚さでBDVを除した規格化絶縁破壊電圧(BDV)、水の接触角、臨界界面張力(mN/m)を示した。
なお、実施例1〜4、比較例1〜3、参考例1で得られたフィルムに含まれる溶媒の量は、前記フィルムを100重量%としたときに、0.001〜0.2重量%であった。また参考例1で得られたフィルムに含まれる溶媒は0.003重量%以下で、含まれる分解物の量は0.3重量%であった。
表2の結果から明らかなように、共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が3.5超の比較例1や、共重合体(A)中のα−オレフィンに由来する構成単位の炭素数が4以上のヘキサデセンやオクタデセンの比較例2は、溶解状態(組成物安定性)が本願の実施例に比べて劣ることがわかる。また、共重合体(A)中のα−オレフィンに由来する構成単位の炭素数が6のヘキセンを用いた比較例3は、実施例に比べてフィルム塗工性が劣ることがわかる。
これは、嵩高い構成単位であり、ポリマーにした際に耐熱性を有する4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−ペンテンに、プロピレンのような結晶性を下げやすいα−オレフィンが一定以上含まれることで、共重合体(A)の結晶性を適度に低下させて、溶媒に展開しやくなっていることを示している。また共重合体(A)の分子量分布が狭いほど、溶媒に溶けにくい高分子量成分の割合が少ないため、溶解状態やフィルム塗工性が良くなると考えられる。
また共重合体(A)を押出法でフィルムにした参考例1と実施例1〜4を比較しても規格化絶縁破壊電圧や水の接触角に大きな違いが見られない。このことから本願発明の組成物を用いることで、押出法と遜色がないフィルムをより成形性・加工性が高いコーティング法で作成できることがわかる。
本発明の組成物を特にコーティング剤として用いることで、高い耐熱性と良好な電気絶縁性を有するフィルムを容易に製造することができる。前記フィルムは製造工程などで耐熱性・電気絶縁性が要求される各種表示デバイス、半導体デバイス、光学部材、プリント回路基板の保護フィルムとして、特に産業上の利用可能性が高い。

Claims (10)

  1. 下記の(i)〜(v)の要件を満たす共重合体(A)と、
    溶媒と、を含む、組成物。
    (i)4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である
    (ii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0(dl/g)である
    (iii)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にある
    (iv)密度が820〜850(kg/m)である
    (v)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である
  2. 前記共重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、プロピレンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である、請求項1に記載の組成物。
  3. 共重合体(A)を、組成物100重量%に対して0.1〜25重量%含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記溶媒が25℃における比誘電率が5以下の溶媒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含む、コーティング剤。
  7. 下記の(i)〜(v)の要件を満たす共重合体(A)と、
    溶媒と、を含む、フィルムであって、前記フィルム100重量%に対して前記溶媒を0.001〜0.5重量%含むフィルム。
    (i)4−メチル−1−ペンテンおよび/または3−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80〜99モル%含み、エチレン及び炭素原子数3〜4のαーオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のオレフィンに由来する構成単位を1〜20モル%含む共重合体である
    (ii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0(dl/g)である
    (iii)DSCで測定した融点(Tm)が160℃〜240℃の範囲にある
    (iv)密度が820〜850(kg/m)である
    (v)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜3.5である
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物またはコーティング剤を塗布する第一の工程と、前記組成物中の溶媒を除去する第二の工程と、を含む、フィルムの製造方法。
  9. 請求項7に記載のフィルムを備えた、キャパシタ。
  10. 請求項7に記載のフィルムを最表面の少なくとも一部に備えた離型フィルム。
JP2012100216A 2012-04-25 2012-04-25 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法 Active JP5840064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012100216A JP5840064B2 (ja) 2012-04-25 2012-04-25 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012100216A JP5840064B2 (ja) 2012-04-25 2012-04-25 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013227421A true JP2013227421A (ja) 2013-11-07
JP2013227421A5 JP2013227421A5 (ja) 2014-12-18
JP5840064B2 JP5840064B2 (ja) 2016-01-06

Family

ID=49675411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012100216A Active JP5840064B2 (ja) 2012-04-25 2012-04-25 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5840064B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106967254A (zh) * 2017-04-19 2017-07-21 哈尔滨工业大学 一种高介电常数碳纳米纤维改性pb‑1膜的制备方法
WO2019151497A1 (ja) * 2018-02-05 2019-08-08 帝人株式会社 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2021028177A (ja) * 2015-12-03 2021-02-25 三井化学東セロ株式会社 プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法
WO2022186044A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 三井化学株式会社 4-メチル-1-ペンテン重合体
JP7569882B2 (ja) 2020-11-27 2024-10-18 アールエム東セロ株式会社 プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070252A (ja) * 2004-08-03 2006-03-16 Mitsui Chemicals Inc ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物、フィルムおよび電子部品封止体製造用型枠
JP2006131723A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Daicel Chem Ind Ltd メチルペンテン系樹脂を含有する液状組成物
WO2010013467A1 (ja) * 2008-08-01 2010-02-04 三井化学株式会社 ポリ4-メチル-1-ペンテン樹脂組成物、それを含むフィルム、微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池
JP2010150436A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Mitsui Chemicals Inc オレフィン樹脂系塗料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070252A (ja) * 2004-08-03 2006-03-16 Mitsui Chemicals Inc ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物、フィルムおよび電子部品封止体製造用型枠
JP2006131723A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Daicel Chem Ind Ltd メチルペンテン系樹脂を含有する液状組成物
WO2010013467A1 (ja) * 2008-08-01 2010-02-04 三井化学株式会社 ポリ4-メチル-1-ペンテン樹脂組成物、それを含むフィルム、微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池
JP2010150436A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Mitsui Chemicals Inc オレフィン樹脂系塗料

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021028177A (ja) * 2015-12-03 2021-02-25 三井化学東セロ株式会社 プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法
CN106967254A (zh) * 2017-04-19 2017-07-21 哈尔滨工业大学 一种高介电常数碳纳米纤维改性pb‑1膜的制备方法
CN106967254B (zh) * 2017-04-19 2019-03-29 哈尔滨工业大学 一种高介电常数碳纳米纤维改性pb-1膜的制备方法
WO2019151497A1 (ja) * 2018-02-05 2019-08-08 帝人株式会社 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP7569882B2 (ja) 2020-11-27 2024-10-18 アールエム東セロ株式会社 プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法
WO2022186044A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 三井化学株式会社 4-メチル-1-ペンテン重合体
KR20230131279A (ko) 2021-03-02 2023-09-12 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 4-메틸-1-펜텐 중합체

Also Published As

Publication number Publication date
JP5840064B2 (ja) 2016-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101578306B (zh) 丙烯类聚合物、丙烯类聚合物组合物、粒料和粘合剂
US8497321B2 (en) Tacky resin composition and pressure-sensitive adhesive film or sheet
JP5840064B2 (ja) 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法
JP5279495B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる多層積層体、該熱可塑性樹脂組成物を粘着させてなる物品、ならびに物品の表面保護方法
JP5871734B2 (ja) 表面保護フィルム
JP6463995B2 (ja) 樹脂組成物、フィルム、積層フィルム、積層体、イージーピール用材料およびカバーテープ
WO2007132641A1 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物
EP2206760A1 (en) Pressure-sensitive adhesive film or sheet
JPWO2007094378A1 (ja) エチレン系重合体及びこれから得られる成形体
JP6211083B2 (ja) 表面保護フィルム
JP6133726B2 (ja) 組成物、フィルム、前記フィルムの製造方法
TWI816655B (zh) 黏著性樹脂組成物以及由黏著性樹脂組成物所構成的積層膜
JP2017132251A (ja) 剥離性フィルム
DE112020001602T5 (de) Harzzusammensetzung für abdichtungsmaterial, mehrschichtiger körper, verpackungsmaterial und verpackungsbehälter
JP6350303B2 (ja) 剥離性フィルム
JP2011126193A (ja) 表面保護用フィルム
JP2016150953A (ja) 成形体、食品容器本体及び食品容器用蓋
WO2017125810A1 (ja) 剥離性フィルム
JP6620694B2 (ja) 剥離性フィルム
JP6942530B2 (ja) 多層二軸延伸フィルムおよび転写フィルム
JP2017109371A (ja) 二軸延伸離型フィルム
JP2019151023A (ja) 剥離性フィルム
US20240076425A1 (en) 4-methyl-1-pentene polymer
JPWO2018062389A1 (ja) フィルム
JP2016108383A (ja) 表面保護部材用樹脂組成物及びそれを用いた表面保護フィルムまたはシート

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141030

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141030

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20141030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5840064

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250