JP2000043505A - スペアタイヤ - Google Patents

スペアタイヤ

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JP2000043505A
JP2000043505A JP10215466A JP21546698A JP2000043505A JP 2000043505 A JP2000043505 A JP 2000043505A JP 10215466 A JP10215466 A JP 10215466A JP 21546698 A JP21546698 A JP 21546698A JP 2000043505 A JP2000043505 A JP 2000043505A
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tread
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reinforcing rubber
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Fumio Ogawa
文夫 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期の保存によるショルダー部付近のトレッ
ドセパレーション耐久性能の低下を防止すると共に、タ
イヤ製造時のプライのジョイント部分の開きを防止した
スペアタイヤを提供すること。 【解決手段】 トレッド端部20A付近のカーカスプラ
イ30とトレッドゴム22との間に補強ゴム層32を配
置したので、ショルダー部付近のゴムゲージが増しショ
ルダー部付近における充填空気に起因する酸素劣化速度
を低下させることができるので、長期間放置に起因する
ショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の
低下を抑制することができる。補強ゴム層32を配置し
たことにより、カーカスプライ30を構成しているプラ
イコード間のゴム(コーティングゴム)の伸びを抑制す
ることが可能となり、折り返し時及び成型加硫時の変形
時のジョイント部分の開きを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスペアタイヤに係
り、特に、通常装着される対象タイヤ(正規タイヤ)に
対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一
で、かつ使用内圧が高い四輪車に搭載される省スペース
化を図ったスペアタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車等の四輪車に搭載されてい
るスペアタイヤとして、軽量化や省スペース化のため
に、通常使用されている対象タイヤとはタイヤ外径が実
質上同一で、タイヤ幅は極端に幅狭で、内圧の高い(例
えば、4〜5kgf/cm2 。なお、対象タイヤ(正規タイ
ヤ)は一般的に2.0kgf/cm2 前後。)Tタイプ応急用
タイヤと呼ばれるスペアタイヤがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9に示すように、従
来のこの種のスペアタイヤ100は、カーカス14が一
枚のプライ30からなり、軽量化を優先すべく使用プラ
イのタイヤ内面には、インナーライナー18とカーカス
14との間にのみスキージゴム16を配置していた。
【0004】しかしながら、このスペアタイヤ100に
高圧の空気を充填した状態で長期間(例えば3年以上)
放置すると、充填空気による酸素劣化によりケースゴム
が劣化状態となり、特に、トレッド部20のショルダー
部付近においてトレッドセパレーション耐久性能が低下
する問題がある。
【0005】また、製造時においては、成型ドラム上で
のプライ折り返し時、その折り返し量が大であると、折
り返しプライのジョイント部分(折り返し部分)が開い
てしまう不具合(所謂ジョイントオープン)が発生す
る。
【0006】また、成型ドラムで成型された生タイヤ
が、モールド内で加硫成型されてタイヤが変形する際に
も、この不具合を生じることがある。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、長期の保存に
よるショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性
能の低下を防止すると共に、タイヤ製造時のプライのジ
ョイント部分の開きを防止することのできるスペアタイ
ヤを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一方のビードコアから他方のビードコアへ連続して
延びる1枚のプライが各ビードコアの周りにタイヤの内
側から外側へ折り返され、該折り返されたプライの端部
がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部を越え、か
つ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置されてトレ
ッド部において幅方向両端部分がオーバーラップされた
カーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ幅が極端に
狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用内圧が高い
スペアタイヤであって、前記プライのオーバーラップ量
がトレッド幅の40〜90%の範囲であり、トレッド部
の端部付近では、前記カーカスとトレッド部を構成する
トレッドゴムとの間に補強ゴム層が配置されていること
を特徴としている。
【0009】次に、請求項1に記載のスペアタイヤの作
用を説明する。
【0010】従来のスペアタイヤでは、充填空気による
酸素劣化によりゴムが劣化し、特にショルダー部付近に
おいてトレッドセパレーション耐久性能が低下する問題
があったが、請求項1に記載のスペアタイヤでは、トレ
ッド部の端部付近のカーカスとトレッドゴムとの間に補
強ゴム層を配置したので、トレッドゴムとプライとの間
の歪を緩和することができ、また、ショルダー部付近の
ゴムゲージが増しショルダー部付近における酸素劣化速
度を低下させることができるので長期間放置に起因する
ショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の
低下を抑制することができる。
【0011】また、補強ゴム層を配置したことにより、
プライを構成しているプライコード間のゴム(プライコ
ードをコーティングしているコーティングゴム)の伸び
を抑制することが可能となり、折り返し時及び成型加硫
時の変形時のジョイント部分の開きを抑えることができ
る。
【0012】なお、補強ゴム層を構成するゴムは、プラ
イコードをコーティングしているコーティングゴムと同
一のゴムを用いることが好ましい。
【0013】ここで、プライのオーバーラップ量がトレ
ッド幅の40%未満になると、タイヤ耐久性が得られな
くなる。
【0014】一方、プライのオーバーラップ量がトレッ
ド幅の90%を越えると、カーカス端部からのセパレー
ションが発生し易くなり、これが成長し、トレッドショ
ルダー部表面にまで至るクラックに成長する。また、走
行時の操縦性能が十分に得られなくなる。
【0015】なお、プライのオーバーラップ量をトレッ
ド幅の50〜70%の範囲とすることが更に好ましい。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスペアタイヤにおいて、タイヤ回転軸に沿ったタイヤ
断面における前記補強ゴム層の長さはタイヤ赤道面を境
にして片側のタイヤ内周面長さの15〜45%であり、
前記補強ゴム層はトレッド端部を中心に配設されている
ことを特徴としている。
【0017】次に、請求項2に記載のスペアタイヤの作
用を説明する。
【0018】補強ゴム層の長さがタイヤ赤道面を境にし
て片側のタイヤ内周面長さの15%未満になると、ショ
ルダー部付近のトレッドセパレーションの抑止効果が低
下し、また、ジョイント部の開きを抑止効果も低下す
る。
【0019】一方、補強ゴム層の長さがタイヤ赤道面を
境にして片側のタイヤ内周面長さの45%を越えると、
コストに見合う性能向上がない。即ち、性能向上が頭打
ちになり、ゴム使用量が増えて重量増、コスト増とな
る。
【0020】したがって、ショルダー部付近のトレッド
セパレーションの抑止効果を安定的に維持し、また、コ
ストを抑えるには補強ゴム層の長さをタイヤ赤道面を境
にして片側のタイヤ内周面長さの15〜45%にするこ
とが好ましい。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のスペアタイヤにおいて、前記補強ゴム
層の肉厚が0.3〜0.8mmの範囲であることを特徴と
している。
【0022】補強ゴム層の肉厚が0.3mm未満になる
と、トレッドセパレーションの抑止効果が低下する。ま
た、補強ゴム層を押出し成型することが困難にもなる。
一方、補強ゴム層の肉厚が0.8mmを越えると、折り返
し端部での段差量が大きくなるために、段差部分に空気
が入り込む、いわゆるエア入りの原因となる。また、コ
スト増となる。
【0023】したがって、他の不具合を生じさせること
なくトレッドセパレーションの抑止効果を安定的に維持
するためには、補強ゴム層の肉厚を0.3〜0.8mmの
範囲とすることが好ましい。
【0024】請求項4に記載の発明は、一方のビードコ
アから他方のビードコアへ連続して延びる1枚のプライ
が各ビードコアの周りにタイヤの内側から外側へ折り返
され、該折り返されたプライの端部がタイヤ半径方向外
側へ延びてトレッド端部を越え、かつ他方のトレッド端
部を越えない範囲に配置されてトレッド部において幅方
向両端部分がオーバーラップされたカーカスを備え、対
象タイヤに対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は
実質上同一で、かつ使用内圧が高いスペアタイヤであっ
て、前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40
〜90%の範囲であり、前記プライを構成しているコー
ドをコーティングしているコーティングゴムのゲージ
が、タイヤ最外側のプライのトレッド部の端部付近にお
いて他の部分よりも厚いことを特徴としている。
【0025】次に、請求項4に記載のスペアタイヤの作
用を説明する。
【0026】従来のスペアタイヤでは、充填空気による
酸素劣化によりゴムが劣化し、特にショルダー部付近に
おいてトレッドセパレーション耐久性能が低下する問題
があったが、請求項4に記載のスペアタイヤでは、プラ
イを構成しているコードをコーティングしているコーテ
ィングゴムのゲージが、タイヤ最外側のプライのトレッ
ド部の端部付近において他の部分よりも厚いので、ショ
ルダー部付近のゴムゲージが増しショルダー部付近にお
ける酸素劣化速度を低下させることができるので長期間
放置に起因するショルダー部付近のトレッドセパレーシ
ョン耐久性能の低下を抑制することができる。
【0027】また、コーティングゴムの伸びを抑制する
ことが可能となり、折り返し時及び成型加硫時の変形時
のジョイント部分の開きを抑えることができる。
【0028】ここで、プライのオーバーラップ量がトレ
ッド幅の40%未満になると、タイヤ耐久性が得られな
くなる。
【0029】一方、プライのオーバーラップ量がトレッ
ド幅の90%を越えると、カーカス端部からのセパレー
ションが発生し易くなり、これが成長し、トレッドショ
ルダー部表面にまで至るクラックに成長する。また、走
行時の操縦性能が十分に得られなくなる。
【0030】なお、プライのオーバーラップ量をトレッ
ド幅の50〜70%の範囲とすることが更に好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のスペアタイヤの一実施形
態を図面に基づき説明する。
【0032】図1に示すように、本実施形態のスペアタ
イヤ10は、一対のビードコア12と、一対のビードコ
ア12にトロイド状に跨がるカーカス14を備えた四輪
車用のバイアス構造のスペアタイヤである。
【0033】カーカス14の内周面側にはスキージゴム
16及びインナーライナー18が順に配置されており、
外周面側にはトレッド部20を構成するトレッドゴム2
2が配置され、両側面にはビード部24にかけてサイド
ウォール26を構成するサイドゴム28が配置されてい
る。
【0034】カーカス14は1枚のカーカスプライ30
からなり、該カーカスプライ30はビードコア12をタ
イヤ内側から外側へ折り返され、折り返し部30Aは、
本体30Bに沿って配置されタイヤ半径方向外側へ延び
てトレッド端部20Aを越え、かつ他方のトレッド端部
20Aを越えない範囲に配置されている。
【0035】カーカスプライ30は、互いに平行配列し
た多数本のプライコードをゴムコーティングした公知の
構造である。
【0036】また、カーカス14は、トレッド部20に
おいて幅方向両端部分がオーバーラップしている。
【0037】カーカス14とトレッドゴム22との間に
は、トレッド端部20Aを中心として補強ゴム層32が
配置されている。即ち、タイヤ内面輪郭線に立てたトレ
ッド端部20Aを通る法線Hに、補強ゴム層32の中心
部を一致させている。
【0038】ここで、カーカスプライ30のオーバーラ
ップ量OLWはトレッド幅TWの40〜90%の範囲が
好ましく、50〜70%の範囲とすることが更に好まし
い。
【0039】一方、補強ゴム層32の長さL1 は、タイ
ヤ赤道面CLからビードトゥ34に至るタイヤ内周面長
さL2 の15〜45%の範囲が好ましい。
【0040】また、補強ゴム層32の肉厚は、0.3〜
0.8mmの範囲であることが好ましい。
【0041】補強ゴム層32は、カーカスプライ30の
プライコードをコーティングしているコーティングゴム
と同一種類のゴムを用いることが好ましいが、他の種類
のゴムでも良い。
【0042】なお、トレッドゴム22、カーカスプライ
30のコーティングゴム及び補強ゴム層32の各ゴムの
モジュラスは、トレッドゴム22のモジュラス>補強ゴ
ム層32のモジュラス≦コーティングゴムのモジュラス
とすることが好ましい。
【0043】次に、本実施形態のスペアタイヤ10の製
造工程を簡単に説明する。
【0044】本実施形態のスペアタイヤ10は、図2に
示すように、外径が拡縮可能なセンタードラム40、セ
ンタードラム40の両側に配置され、同じく外径が拡縮
可能でかつ軸方向に移動可能なサイドドラム42からな
るタイヤ成型ドラム44を用いて生タイヤの成型が行わ
れる。
【0045】サイドドラム42は、軸方向に延びる薄肉
金属製の羽根(図示せず)が周方向にドラム形状をなす
ように複数配置されており、拡縮することにより羽根と
羽根との間隔が変わる。サイドドラム42のセンタード
ラム側の端部には、コイル状に巻回されたスプリング4
6が回転可能に支持されている。 (1) 先ず、図7に示すように、生のカーカスプライ
30Aに生のスキージゴム16A、インナーライナー1
8A及び補強ゴム層32Aを貼り付けて一体化したプラ
イ組立体48を用意する。 (2) プライ組立体48を、スキージゴム16A、イ
ンナーライナー18A及び補強ゴム層32Aをドラム側
に向けて図2に示すように縮径されたセンタードラム4
0及びサイドドラム42の外周面に巻き付ける。 (3) 図3に示すようにセンタードラム40を拡径
し、両側からビードコア12を挿入する。 (4) 図4に示すように、センタードラム40よりも
外径が大となるように両側のサイドドラム42を拡径
し、一方のサイドドラム42をセンタードラム40側へ
移動する。
【0046】これにより、プライ組立体48の片側がサ
イドドラム42のスプリング44に当接して他方のサイ
ドドラム42側へ向かって折り返される。
【0047】なお、プライ組立体48が折り返される
際、プライ組立体48の径が大きく変わることは無く、
また、スプリング44が回転してプライ組立体48が移
動する(即ち、プライ組立体48が擦れない)ので、プ
ライ組立体48に大きな抵抗を与えることがない。
【0048】プライ組立体48の一方の折り返しが終了
後、サイドドラム42を元の位置に戻す。 (5) 次に、図5に示すように他方のサイドドラム4
2をセンタードラム側へ移動する。これによって、図6
に示すようにプライ組立体48の他側が折り返され、こ
こで折り返された部分は、先に折り返された部分の上に
重ねられる、即ち、オーバーラップする。プライ組立体
48の他方の折り返しが終了後、サイドドラム42を元
の位置に戻す。 (6) サイドゴム28及びトレッドゴム22をプライ
組立体48の外周面に貼り付けた後、タイヤ成型ドラム
44から外して従来通りモールドで加硫成型を行う。
【0049】次に、本実施形態のスペアタイヤ10の作
用を説明する。
【0050】本実施形態のスペアタイヤ10では、トレ
ッド端部20A付近のカーカスプライ30とトレッドゴ
ム22との間に補強ゴム層32を配置したので、トレッ
ドゴム22とカーカスプライ30との間の歪を緩和する
ことができる。
【0051】また、ショルダー部付近のゴムゲージが増
しショルダー部付近における充填空気に起因する酸素劣
化速度を低下させることができるので、長期間放置に起
因するショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久
性能の低下を抑制することができる。
【0052】また、補強ゴム層32を配置したことによ
り、カーカスプライ30を構成しているプライコード間
のゴム(プライコードをコーティングしているコーティ
ングゴム)の伸びを抑制することが可能となり、折り返
し時及び成型加硫時の変形時のジョイント部分の開きを
抑えることができる。
【0053】なお、上記製造方法では、補強ゴム層32
を予め張り付けたプライ組立体48をタイヤ成型ドラム
44に巻き付けたが、補強ゴム層32の張り付けられて
いないたプライ組立体をタイヤ成型ドラム44に巻き付
け折り返した後に補強ゴム層32を貼り付けるようにし
ても良い。
【0054】また、上記実施形態では、一方のトレッド
端部20A付近と他方のトレッド端部20A付近とに各
々補強ゴム層32を配置したが、図8に示すように、カ
ーカスプライ30のクラウン部全体を覆うような一枚の
補強ゴム層32を配置しても良い。
【0055】また、補強ゴム層32を貼り付ける代わり
に、補強ゴム層32の貼り付け位置のカーカスプライ3
0(タイヤ最外側)のコーティングゴム(図示せず)の
ゲージを予め他の部分よりも厚くしても前述した実施形
態と同一の作用効果を得ることができる。
【0056】また、本実施形態のスペアタイヤ10は、
バイアス構造であったが、ラジアル構造であっても良
い。
【0057】また、本発明は、スペアタイヤ以外の空気
入りタイヤにも適用可能であるのは勿論である。
【0058】なお、カーカスプライ30のオーバーラッ
プ量OLWがトレッド幅TWの40%未満になると、タ
イヤ耐久性が得られなくなる。一方、オーバーラップ量
OLWがトレッド幅TWの90%を越えると、カーカス
端部からのセパレーションが発生し易くなり、これが成
長し、トレッドショルダー部表面にまで至るクラックに
成長する。また、走行時の操縦性能が十分に得られなく
なる。また、補強ゴム層32の長さL1 がタイヤ赤道面
CLを境にして片側のタイヤ内周面長さL2 の15%未
満になると、ショルダー部付近のトレッドセパレーショ
ンの抑止効果が低下し、また、ジョイント部の開きを抑
止効果も低下する。一方、補強ゴム層32の長さL1 が
長さL2 の45%を越えると、補強ゴム層32を設けた
ことによる性能向上が頭打ちになり、ゴム使用量が増え
て重量増、コスト増となる。
【0059】また、補強ゴム層32の肉厚が0.3mm未
満になると、トレッドセパレーションの抑止効果が低下
する。また、補強ゴム層32を押出し成型することが困
難にもなる。一方、補強ゴム層32の肉厚が0.8mmを
越えると、折り返し端部での段差量が大きくなるため
に、段差部分に空気が入り込む、いわゆるエア入りの原
因となり、また、コスト増となる。 [試験例]本発明の効果を確かめるために、本発明の適
用された実施例のスペアタイヤ(図1参照)と、従来の
スペアタイヤ(図9参照)との耐久性の比較を行うと共
に、製造時の手直し頻度を評価した。
【0060】なお、試験に用いたスペアタイヤのサイズ
は、何れもT125/70D16であり、カーカスプラ
イにはナイロンのプライコード(1890d/2)が用
いられれている。
【0061】また、何れのタイヤもトレッド幅TW(図
1参照)は94mm、カーカスプライのオーバーラップ寸
法OLW(図1参照)は60mm(トレッド幅TWの64
%)である。
【0062】実施例のタイヤの補強ゴム層は、肉厚が
0.3mm、長さL1 (図1参照)が40mm(タイヤ赤道
面を境にして片側のタイヤ内周面長さの33%)であ
る。
【0063】なお、従来タイヤは、実施例タイヤから補
強ゴム層を除いたタイヤであり、他の構造寸法等は全て
実施例タイヤと同一である。
【0064】ドラムでのタイヤの耐久性試験条件は、J
ATMA((社)日本自動車タイヤ協会))の「自動車
用タイヤ安全基準の品質基準編(1989年度版)」の
4.3耐久性能試験の4.3.3耐久性能試験条件
((1)乗用車用タイヤ)に基づき行った。
【0065】製造時ジョイント部手直し頻度は、実施形
態で説明した方法によってタイヤ成型ドラムにて生タイ
ヤを製造する際にカーカスプライのジョイント部分の開
きを手直しした頻度を調べた。
【0066】なお、結果はドラム耐久性及び製造時ジョ
イント部手直し頻度共に、従来タイヤを100とする指
数で以下の表に示す。
【0067】ドラム耐久性の評価は、上記JATMA条
件にてタイヤを走行させ、要件ステップである3ステッ
プ走行終了後ストップし、タイヤ内外部を目視にてチェ
ックし、完走を確認後更に走行を継続し、荷重を15%
づつアップし、各ステップ4時間づつタイヤが故障する
まで走行させた(4ステップ目は荷重115%で4時
間、5ステップ目は荷重130%で4時間、6ステップ
目は荷重145%で4時間・・・)、その故障ストップ
での距離の比較を行った。評価は従来タイヤを100と
する指数で表し、指数の大きい方が耐久性に優れてい
る。
【0068】製造時ジョイント部手直し頻度は、製造数
に対する手直し数の割合を従来タイヤを100とする指
数で表し、指数が小さい方が手直し頻度が少ないことを
表す。
【0069】
【表1】 上記表1に示す通り、本発明の適用された実施例のタイ
ヤは従来のタイヤよりも耐久性に優れており、長期保存
による耐久性の低下も従来のタイヤより抑えられること
は明らかである。
【0070】また、実施例のタイヤは従来のタイヤより
も製造時の手直し頻度が1/5になった。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスペアタ
イヤは上記の構成としたので、長期の保存によるショル
ダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の低下を
防止すると共に、タイヤ製造時のジョイント部分の開き
を防止することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスペアタイヤのタイ
ヤ回転軸に沿った断面図である。
【図2】プライ組立体を貼り付けたタイヤ成型ドラムの
断面図である。
【図3】センタードラムを拡径したタイヤ成型ドラムの
断面図である。
【図4】プライ組立体の一方を折り返しているタイヤ成
型ドラムの断面図である。
【図5】プライ組立体の他方を折り返しているタイヤ成
型ドラムの断面図である。
【図6】プライ組立体の折り返しを終了したタイヤ成型
ドラムの断面図である。
【図7】タイヤ成型ドラムに貼り付けるプライ組立体の
断面図である。
【図8】他の実施形態に係るスペアタイヤのタイヤ回転
軸に沿った断面図である。
【図9】従来のスペアタイヤのタイヤ回転軸に沿った断
面図である。
【符号の説明】
10 スペアタイヤ 12 ビードコア 14 カーカス 20 トレッド部 20A トレッド端部 22 トレッドゴム 30 プライ 32 補強ゴム層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方のビードコアから他方のビードコア
    へ連続して延びる1枚のプライが各ビードコアの周りに
    タイヤの内側から外側へ折り返され、該折り返されたプ
    ライの端部がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部
    を越え、かつ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置
    されてトレッド部において幅方向両端部分がオーバーラ
    ップされたカーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ
    幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用
    内圧が高いスペアタイヤであって、 前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40〜9
    0%の範囲であり、 トレッド部の端部付近では、前記カーカスとトレッド部
    を構成するトレッドゴムとの間に補強ゴム層が配置され
    ていることを特徴とするスペアタイヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤ回転軸に沿ったタイヤ断面におけ
    る前記補強ゴム層の長さはタイヤ赤道面を境にして片側
    のタイヤ内周面長さの15〜45%であり、 前記補強ゴム層はトレッド端部を中心に配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスペアタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記補強ゴム層の肉厚が0.3〜0.8
    mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のスペアタイヤ。
  4. 【請求項4】 一方のビードコアから他方のビードコア
    へ連続して延びる1枚のプライが各ビードコアの周りに
    タイヤの内側から外側へ折り返され、該折り返されたプ
    ライの端部がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部
    を越え、かつ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置
    されてトレッド部において幅方向両端部分がオーバーラ
    ップされたカーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ
    幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用
    内圧が高いスペアタイヤであって、 前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40〜9
    0%の範囲であり、 前記プライを構成しているコードをコーティングしてい
    るコーティングゴムのゲージが、タイヤ最外側のプライ
    のトレッド部の端部付近において他の部分よりも厚いこ
    とを特徴とするスペアタイヤ。
JP21546698A 1998-07-30 1998-07-30 スペアタイヤ Expired - Lifetime JP4060451B2 (ja)

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