JP4060451B2 - スペアタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスペアタイヤに係り、特に、通常装着される対象タイヤ(正規タイヤ)に対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用内圧が高い四輪車に搭載される省スペース化を図ったスペアタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗用車等の四輪車に搭載されているスペアタイヤとして、軽量化や省スペース化のために、通常使用されている対象タイヤとはタイヤ外径が実質上同一で、タイヤ幅は極端に幅狭で、内圧の高い(例えば、4〜5kgf/cm2 。なお、対象タイヤ(正規タイヤ)は一般的に2.0kgf/cm2 前後。)Tタイプ応急用タイヤと呼ばれるスペアタイヤがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示すように、従来のこの種のスペアタイヤ100は、カーカス14が一枚のプライ30からなり、軽量化を優先すべく使用プライのタイヤ内面には、インナーライナー18とカーカス14との間にのみスキージゴム16を配置していた。
【0004】
しかしながら、このスペアタイヤ100に高圧の空気を充填した状態で長期間(例えば3年以上)放置すると、充填空気による酸素劣化によりケースゴムが劣化状態となり、特に、トレッド部20のショルダー部付近においてトレッドセパレーション耐久性能が低下する問題がある。
【0005】
また、製造時においては、成型ドラム上でのプライ折り返し時、その折り返し量が大であると、折り返しプライのジョイント部分(折り返し部分)が開いてしまう不具合(所謂ジョイントオープン)が発生する。
【0006】
また、成型ドラムで成型された生タイヤが、モールド内で加硫成型されてタイヤが変形する際にも、この不具合を生じることがある。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、長期の保存によるショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の低下を防止すると共に、タイヤ製造時のプライのジョイント部分の開きを防止することのできるスペアタイヤを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一方のビードコアから他方のビードコアへ連続して延びる1枚のプライが各ビードコアの周りにタイヤの内側から外側へ折り返され、該折り返されたプライの端部がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部を越え、かつ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置されてトレッド部において幅方向両端部分がオーバーラップされたカーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用内圧が高いスペアタイヤであって、前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40〜90%の範囲であり、トレッド部の端部付近では、前記カーカスとトレッド部を構成するトレッドゴムとの間に補強ゴム層が配置されていることを特徴としている。
【0009】
次に、請求項1に記載のスペアタイヤの作用を説明する。
【0010】
従来のスペアタイヤでは、充填空気による酸素劣化によりゴムが劣化し、特にショルダー部付近においてトレッドセパレーション耐久性能が低下する問題があったが、請求項1に記載のスペアタイヤでは、トレッド部の端部付近のカーカスとトレッドゴムとの間に補強ゴム層を配置したので、トレッドゴムとプライとの間の歪を緩和することができ、また、ショルダー部付近のゴムゲージが増しショルダー部付近における酸素劣化速度を低下させることができるので長期間放置に起因するショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の低下を抑制することができる。
【0011】
また、補強ゴム層を配置したことにより、プライを構成しているプライコード間のゴム(プライコードをコーティングしているコーティングゴム)の伸びを抑制することが可能となり、折り返し時及び成型加硫時の変形時のジョイント部分の開きを抑えることができる。
【0012】
なお、補強ゴム層を構成するゴムは、プライコードをコーティングしているコーティングゴムと同一のゴムを用いることが好ましい。
【0013】
ここで、プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40%未満になると、タイヤ耐久性が得られなくなる。
【0014】
一方、プライのオーバーラップ量がトレッド幅の90%を越えると、カーカス端部からのセパレーションが発生し易くなり、これが成長し、トレッドショルダー部表面にまで至るクラックに成長する。また、走行時の操縦性能が十分に得られなくなる。
【0015】
なお、プライのオーバーラップ量をトレッド幅の50〜70%の範囲とすることが更に好ましい。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスペアタイヤにおいて、タイヤ回転軸に沿ったタイヤ断面における前記補強ゴム層の長さはタイヤ赤道面を境にして片側のタイヤ内周面長さの15〜45%であり、前記補強ゴム層はトレッド端部を中心に配設されていることを特徴としている。
【0017】
次に、請求項2に記載のスペアタイヤの作用を説明する。
【0018】
補強ゴム層の長さがタイヤ赤道面を境にして片側のタイヤ内周面長さの15%未満になると、ショルダー部付近のトレッドセパレーションの抑止効果が低下し、また、ジョイント部の開きを抑止効果も低下する。
【0019】
一方、補強ゴム層の長さがタイヤ赤道面を境にして片側のタイヤ内周面長さの45%を越えると、コストに見合う性能向上がない。即ち、性能向上が頭打ちになり、ゴム使用量が増えて重量増、コスト増となる。
【0020】
したがって、ショルダー部付近のトレッドセパレーションの抑止効果を安定的に維持し、また、コストを抑えるには補強ゴム層の長さをタイヤ赤道面を境にして片側のタイヤ内周面長さの15〜45%にすることが好ましい。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のスペアタイヤにおいて、前記補強ゴム層の肉厚が0.3〜0.8mmの範囲であることを特徴としている。
【0022】
補強ゴム層の肉厚が0.3mm未満になると、トレッドセパレーションの抑止効果が低下する。また、補強ゴム層を押出し成型することが困難にもなる。
一方、補強ゴム層の肉厚が0.8mmを越えると、折り返し端部での段差量が大きくなるために、段差部分に空気が入り込む、いわゆるエア入りの原因となる。また、コスト増となる。
【0023】
したがって、他の不具合を生じさせることなくトレッドセパレーションの抑止効果を安定的に維持するためには、補強ゴム層の肉厚を0.3〜0.8mmの範囲とすることが好ましい。
【0024】
請求項4に記載の発明は、一方のビードコアから他方のビードコアへ連続して延びる1枚のプライが各ビードコアの周りにタイヤの内側から外側へ折り返され、該折り返されたプライの端部がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部を越え、かつ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置されてトレッド部において幅方向両端部分がオーバーラップされたカーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用内圧が高いスペアタイヤであって、前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40〜90%の範囲であり、前記プライを構成しているコードをコーティングしているコーティングゴムのゲージが、タイヤ最外側のプライのトレッド部の端部付近において他の部分よりも厚いことを特徴としている。
【0025】
次に、請求項4に記載のスペアタイヤの作用を説明する。
【0026】
従来のスペアタイヤでは、充填空気による酸素劣化によりゴムが劣化し、特にショルダー部付近においてトレッドセパレーション耐久性能が低下する問題があったが、請求項4に記載のスペアタイヤでは、プライを構成しているコードをコーティングしているコーティングゴムのゲージが、タイヤ最外側のプライのトレッド部の端部付近において他の部分よりも厚いので、ショルダー部付近のゴムゲージが増しショルダー部付近における酸素劣化速度を低下させることができるので長期間放置に起因するショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の低下を抑制することができる。
【0027】
また、コーティングゴムの伸びを抑制することが可能となり、折り返し時及び成型加硫時の変形時のジョイント部分の開きを抑えることができる。
【0028】
ここで、プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40%未満になると、タイヤ耐久性が得られなくなる。
【0029】
一方、プライのオーバーラップ量がトレッド幅の90%を越えると、カーカス端部からのセパレーションが発生し易くなり、これが成長し、トレッドショルダー部表面にまで至るクラックに成長する。また、走行時の操縦性能が十分に得られなくなる。
【0030】
なお、プライのオーバーラップ量をトレッド幅の50〜70%の範囲とすることが更に好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のスペアタイヤの一実施形態を図面に基づき説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態のスペアタイヤ10は、一対のビードコア12と、一対のビードコア12にトロイド状に跨がるカーカス14を備えた四輪車用のバイアス構造のスペアタイヤである。
【0033】
カーカス14の内周面側にはスキージゴム16及びインナーライナー18が順に配置されており、外周面側にはトレッド部20を構成するトレッドゴム22が配置され、両側面にはビード部24にかけてサイドウォール26を構成するサイドゴム28が配置されている。
【0034】
カーカス14は1枚のカーカスプライ30からなり、該カーカスプライ30はビードコア12をタイヤ内側から外側へ折り返され、折り返し部30Aは、本体30Bに沿って配置されタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部20Aを越え、かつ他方のトレッド端部20Aを越えない範囲に配置されている。
【0035】
カーカスプライ30は、互いに平行配列した多数本のプライコードをゴムコーティングした公知の構造である。
【0036】
また、カーカス14は、トレッド部20において幅方向両端部分がオーバーラップしている。
【0037】
カーカス14とトレッドゴム22との間には、トレッド端部20Aを中心として補強ゴム層32が配置されている。即ち、タイヤ内面輪郭線に立てたトレッド端部20Aを通る法線Hに、補強ゴム層32の中心部を一致させている。
【0038】
ここで、カーカスプライ30のオーバーラップ量OLWはトレッド幅TWの40〜90%の範囲が好ましく、50〜70%の範囲とすることが更に好ましい。
【0039】
一方、補強ゴム層32の長さL1 は、タイヤ赤道面CLからビードトゥ34に至るタイヤ内周面長さL2 の15〜45%の範囲が好ましい。
【0040】
また、補強ゴム層32の肉厚は、0.3〜0.8mmの範囲であることが好ましい。
【0041】
補強ゴム層32は、カーカスプライ30のプライコードをコーティングしているコーティングゴムと同一種類のゴムを用いることが好ましいが、他の種類のゴムでも良い。
【0042】
なお、トレッドゴム22、カーカスプライ30のコーティングゴム及び補強ゴム層32の各ゴムのモジュラスは、トレッドゴム22のモジュラス>補強ゴム層32のモジュラス≦コーティングゴムのモジュラスとすることが好ましい。
【0043】
次に、本実施形態のスペアタイヤ10の製造工程を簡単に説明する。
【0044】
本実施形態のスペアタイヤ10は、図2に示すように、外径が拡縮可能なセンタードラム40、センタードラム40の両側に配置され、同じく外径が拡縮可能でかつ軸方向に移動可能なサイドドラム42からなるタイヤ成型ドラム44を用いて生タイヤの成型が行われる。
【0045】
サイドドラム42は、軸方向に延びる薄肉金属製の羽根(図示せず)が周方向にドラム形状をなすように複数配置されており、拡縮することにより羽根と羽根との間隔が変わる。サイドドラム42のセンタードラム側の端部には、コイル状に巻回されたスプリング46が回転可能に支持されている。
(1) 先ず、図7に示すように、生のカーカスプライ30Aに生のスキージゴム16A、インナーライナー18A及び補強ゴム層32Aを貼り付けて一体化したプライ組立体48を用意する。
(2) プライ組立体48を、スキージゴム16A、インナーライナー18A及び補強ゴム層32Aをドラム側に向けて図2に示すように縮径されたセンタードラム40及びサイドドラム42の外周面に巻き付ける。
(3) 図3に示すようにセンタードラム40を拡径し、両側からビードコア12を挿入する。
(4) 図4に示すように、センタードラム40よりも外径が大となるように両側のサイドドラム42を拡径し、一方のサイドドラム42をセンタードラム40側へ移動する。
【0046】
これにより、プライ組立体48の片側がサイドドラム42のスプリング44に当接して他方のサイドドラム42側へ向かって折り返される。
【0047】
なお、プライ組立体48が折り返される際、プライ組立体48の径が大きく変わることは無く、また、スプリング44が回転してプライ組立体48が移動する(即ち、プライ組立体48が擦れない)ので、プライ組立体48に大きな抵抗を与えることがない。
【0048】
プライ組立体48の一方の折り返しが終了後、サイドドラム42を元の位置に戻す。
(5) 次に、図5に示すように他方のサイドドラム42をセンタードラム側へ移動する。これによって、図6に示すようにプライ組立体48の他側が折り返され、ここで折り返された部分は、先に折り返された部分の上に重ねられる、即ち、オーバーラップする。プライ組立体48の他方の折り返しが終了後、サイドドラム42を元の位置に戻す。
(6) サイドゴム28及びトレッドゴム22をプライ組立体48の外周面に貼り付けた後、タイヤ成型ドラム44から外して従来通りモールドで加硫成型を行う。
【0049】
次に、本実施形態のスペアタイヤ10の作用を説明する。
【0050】
本実施形態のスペアタイヤ10では、トレッド端部20A付近のカーカスプライ30とトレッドゴム22との間に補強ゴム層32を配置したので、トレッドゴム22とカーカスプライ30との間の歪を緩和することができる。
【0051】
また、ショルダー部付近のゴムゲージが増しショルダー部付近における充填空気に起因する酸素劣化速度を低下させることができるので、長期間放置に起因するショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の低下を抑制することができる。
【0052】
また、補強ゴム層32を配置したことにより、カーカスプライ30を構成しているプライコード間のゴム(プライコードをコーティングしているコーティングゴム)の伸びを抑制することが可能となり、折り返し時及び成型加硫時の変形時のジョイント部分の開きを抑えることができる。
【0053】
なお、上記製造方法では、補強ゴム層32を予め張り付けたプライ組立体48をタイヤ成型ドラム44に巻き付けたが、補強ゴム層32の張り付けられていないたプライ組立体をタイヤ成型ドラム44に巻き付け折り返した後に補強ゴム層32を貼り付けるようにしても良い。
【0054】
また、上記実施形態では、一方のトレッド端部20A付近と他方のトレッド端部20A付近とに各々補強ゴム層32を配置したが、図8に示すように、カーカスプライ30のクラウン部全体を覆うような一枚の補強ゴム層32を配置しても良い。
【0055】
また、補強ゴム層32を貼り付ける代わりに、補強ゴム層32の貼り付け位置のカーカスプライ30(タイヤ最外側)のコーティングゴム(図示せず)のゲージを予め他の部分よりも厚くしても前述した実施形態と同一の作用効果を得ることができる。
【0056】
また、本実施形態のスペアタイヤ10は、バイアス構造であったが、ラジアル構造であっても良い。
【0057】
また、本発明は、スペアタイヤ以外の空気入りタイヤにも適用可能であるのは勿論である。
【0058】
なお、カーカスプライ30のオーバーラップ量OLWがトレッド幅TWの40%未満になると、タイヤ耐久性が得られなくなる。一方、オーバーラップ量OLWがトレッド幅TWの90%を越えると、カーカス端部からのセパレーションが発生し易くなり、これが成長し、トレッドショルダー部表面にまで至るクラックに成長する。また、走行時の操縦性能が十分に得られなくなる。
また、補強ゴム層32の長さL1 がタイヤ赤道面CLを境にして片側のタイヤ内周面長さL2 の15%未満になると、ショルダー部付近のトレッドセパレーションの抑止効果が低下し、また、ジョイント部の開きを抑止効果も低下する。一方、補強ゴム層32の長さL1 が長さL2 の45%を越えると、補強ゴム層32を設けたことによる性能向上が頭打ちになり、ゴム使用量が増えて重量増、コスト増となる。
【0059】
また、補強ゴム層32の肉厚が0.3mm未満になると、トレッドセパレーションの抑止効果が低下する。また、補強ゴム層32を押出し成型することが困難にもなる。一方、補強ゴム層32の肉厚が0.8mmを越えると、折り返し端部での段差量が大きくなるために、段差部分に空気が入り込む、いわゆるエア入りの原因となり、また、コスト増となる。
[試験例]
本発明の効果を確かめるために、本発明の適用された実施例のスペアタイヤ(図1参照)と、従来のスペアタイヤ(図9参照)との耐久性の比較を行うと共に、製造時の手直し頻度を評価した。
【0060】
なお、試験に用いたスペアタイヤのサイズは、何れもT125/70D16であり、カーカスプライにはナイロンのプライコード(1890d/2)が用いられれている。
【0061】
また、何れのタイヤもトレッド幅TW(図1参照)は94mm、カーカスプライのオーバーラップ寸法OLW(図1参照)は60mm(トレッド幅TWの64%)である。
【0062】
実施例のタイヤの補強ゴム層は、肉厚が0.3mm、長さL1 (図1参照)が40mm(タイヤ赤道面を境にして片側のタイヤ内周面長さの33%)である。
【0063】
なお、従来タイヤは、実施例タイヤから補強ゴム層を除いたタイヤであり、他の構造寸法等は全て実施例タイヤと同一である。
【0064】
ドラムでのタイヤの耐久性試験条件は、JATMA((社)日本自動車タイヤ協会))の「自動車用タイヤ安全基準の品質基準編(1989年度版)」の4.3耐久性能試験の4.3.3耐久性能試験条件((1)乗用車用タイヤ)に基づき行った。
【0065】
製造時ジョイント部手直し頻度は、実施形態で説明した方法によってタイヤ成型ドラムにて生タイヤを製造する際にカーカスプライのジョイント部分の開きを手直しした頻度を調べた。
【0066】
なお、結果はドラム耐久性及び製造時ジョイント部手直し頻度共に、従来タイヤを100とする指数で以下の表に示す。
【0067】
ドラム耐久性の評価は、上記JATMA条件にてタイヤを走行させ、要件ステップである3ステップ走行終了後ストップし、タイヤ内外部を目視にてチェックし、完走を確認後更に走行を継続し、荷重を15%づつアップし、各ステップ4時間づつタイヤが故障するまで走行させた(4ステップ目は荷重115%で4時間、5ステップ目は荷重130%で4時間、6ステップ目は荷重145%で4時間・・・)、その故障ストップでの距離の比較を行った。評価は従来タイヤを100とする指数で表し、指数の大きい方が耐久性に優れている。
【0068】
製造時ジョイント部手直し頻度は、製造数に対する手直し数の割合を従来タイヤを100とする指数で表し、指数が小さい方が手直し頻度が少ないことを表す。
【0069】
【表1】
上記表1に示す通り、本発明の適用された実施例のタイヤは従来のタイヤよりも耐久性に優れており、長期保存による耐久性の低下も従来のタイヤより抑えられることは明らかである。
【0070】
また、実施例のタイヤは従来のタイヤよりも製造時の手直し頻度が1/5になった。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスペアタイヤは上記の構成としたので、長期の保存によるショルダー部付近のトレッドセパレーション耐久性能の低下を防止すると共に、タイヤ製造時のジョイント部分の開きを防止することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスペアタイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図である。
【図2】プライ組立体を貼り付けたタイヤ成型ドラムの断面図である。
【図3】センタードラムを拡径したタイヤ成型ドラムの断面図である。
【図4】プライ組立体の一方を折り返しているタイヤ成型ドラムの断面図である。
【図5】プライ組立体の他方を折り返しているタイヤ成型ドラムの断面図である。
【図6】プライ組立体の折り返しを終了したタイヤ成型ドラムの断面図である。
【図7】タイヤ成型ドラムに貼り付けるプライ組立体の断面図である。
【図8】他の実施形態に係るスペアタイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図である。
【図9】従来のスペアタイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 スペアタイヤ
12 ビードコア
14 カーカス
20 トレッド部
20A トレッド端部
22 トレッドゴム
30 プライ
32 補強ゴム層
Claims (4)
- 一方のビードコアから他方のビードコアへ連続して延びる1枚のプライが各ビードコアの周りにタイヤの内側から外側へ折り返され、該折り返されたプライの端部がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部を越え、かつ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置されてトレッド部において幅方向両端部分がオーバーラップされたカーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用内圧が高いスペアタイヤであって、
前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40〜90%の範囲であり、
トレッド部の端部付近では、前記カーカスとトレッド部を構成するトレッドゴムとの間に補強ゴム層が配置されていることを特徴とするスペアタイヤ。 - タイヤ回転軸に沿ったタイヤ断面における前記補強ゴム層の長さはタイヤ赤道面を境にして片側のタイヤ内周面長さの15〜45%であり、
前記補強ゴム層はトレッド端部を中心に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のスペアタイヤ。 - 前記補強ゴム層の肉厚が0.3〜0.8mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスペアタイヤ。
- 一方のビードコアから他方のビードコアへ連続して延びる1枚のプライが各ビードコアの周りにタイヤの内側から外側へ折り返され、該折り返されたプライの端部がタイヤ半径方向外側へ延びてトレッド端部を越え、かつ他方のトレッド端部を越えない範囲に配置されてトレッド部において幅方向両端部分がオーバーラップされたカーカスを備え、対象タイヤに対してタイヤ幅が極端に狭く、タイヤ外径は実質上同一で、かつ使用内圧が高いスペアタイヤであって、
前記プライのオーバーラップ量がトレッド幅の40〜90%の範囲であり、
前記プライを構成しているコードをコーティングしているコーティングゴムのゲージが、タイヤ最外側のプライのトレッド部の端部付近において他の部分よりも厚いことを特徴とするスペアタイヤ。
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