JP2000038662A - スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲット

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JP2000038662A JP10209223A JP20922398A JP2000038662A JP 2000038662 A JP2000038662 A JP 2000038662A JP 10209223 A JP10209223 A JP 10209223A JP 20922398 A JP20922398 A JP 20922398A JP 2000038662 A JP2000038662 A JP 2000038662A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電特性の安定性やパーティクル特性が優
れ、磁気ディスクを構成する磁性薄膜の下地層として優
れた性能を有するCr−V薄膜を形成することが可能な
スパッタリングターゲットを提供する。 【解決手段】 実質的にCrとVからなる焼結合金であ
って、焼結合金を構成するV及びCr粒子の粒径が25
0μm以下、V含有量が10〜50at%、かつ、V含
有量をCat%としたとき、焼結合金の酸素含有量が
(0.0028×C)wt%以下である焼結合金を用い
てスパッタリングターゲットを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスクを構成
する金属薄膜のうち磁性薄膜の下地層を形成するための
スパッタリングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年磁気ディスクドライブの容量は増加
の一途をたどっており、そのため磁気ディスクの容量も
年々増加してきている。磁気ディスクは一般に、アルミ
ニウム等の非磁性基板上にNi−P等の硬化膜を形成し
た後、磁気特性を向上させる下地層、次いで磁性層、C
保護層を形成しさらに潤滑層を設けて作製される。磁気
ディスクの記憶容量を向上させるためには線記録密度及
びトラック密度を向上させる必要があり、このためには
記録層の磁気特性すなわち保磁力(Hc),角型比(M
r/Ms)を向上させる必要がある。従来磁気ディスク
はCr下地層上にCoCrTa等の磁性層をエピタキシ
ャル成長させることで、磁性層の結晶性を向上させ磁気
特性の向上を行ってきたが、近年磁気特性をさらに向上
させるため下地層にCr合金、磁性層にCo−Pt合金
が採用されてきている。具体的には、CrにTi,M
o,V,W,Ta等の元素を含ませたCr合金下地層上
にCo−Cr−Pt−Ta合金をエピタキシャル成長さ
せ、磁性層の結晶性を向上させさらに磁気特性を向上さ
せている。Co−Pt合金系の磁性層を使用した場合従
来のPtを含まないCo合金系の磁性層にくらべ保磁力
等磁気特性が増加する傾向があるが、Cr下地層上にC
oPt合金系の磁性層を形成した場合よりも、Cr合金
下地層上にCoPt合金系磁性層を形成した方がさらに
磁気特性は向上する。これはCoの中にPtが入ること
で結晶格子が歪むため、下地層のCr結晶格子も第二元
素を添加し歪ませることで、下地層上に磁性層がエピタ
キシャル成長しやすくなりその結果、結晶性が向上し磁
気特性が向上する。
【0003】CoPt合金系磁性層の下地層の組成とし
て現在知られている一つの合金としてCr−V合金があ
り、その効果は例えば特公平4−16848号公報に述
べられている。これによると下地層に従来のCr層を形
成した場合に比べ角型比が向上することが開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように磁気ディス
クの製造においては、下地層等の組成の変更により磁気
特性の改善が図られている一方、最近の研究によるとス
パッタリング中の雰囲気中に存在する酸素が、形成され
る薄膜の特性に悪影響を及ぼすことが認められており、
そのためスパッタリングガスや、スパッタリングチャン
バーを構成する材料はもちろん、使用するスパッタリン
グターゲットに対しても低酸素化が強く要求されてい
る。
【0005】Cr−Vスパッタリングターゲットは従来
粉末冶金法により製造されているが、原料として一般に
使用されるV(バナジウム)粉末の粒径は250μm以
下であり、その酸素含有量は0.25wt%程度であ
る。これは通常使用されているCr(クロム)粉末の酸
素含有量の約10倍又はそれ以上である。
【0006】このことは以下のように説明される。すな
わち量産高純度Vは溶融塩電解法により作製されてお
り、この方法で作製される金属バナジウムでは、その酸
素含有量が0.1wt%以下のものも得られているが、
これを粉砕して得られる金属バナジウム粉末は、粉砕過
程で空気中の酸素と結合し酸化してしまうため、250
μm以下の粒径からなる粉末では酸素含有量が0.25
wt%程度に増加してしまうのである。
【0007】このような理由により、上記のV粉末を用
いて製造するスパッタリングターゲットは通常のCrタ
ーゲットに比べ酸素含有量が増加してしまい、低酸素含
有量のCr−Vスパッタリングターゲットの製造が困難
な状況であった。
【0008】本発明はこのような事情に着目してなされ
たものであり、その目的は低酸素含有量のCr−Vスパ
ッタリングターゲットを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を行った結果、金属バナジウム粉末の表面に形成されて
いる酸化バナジウム皮膜を無機酸等にて溶解させること
により、きわめて酸素含有量の低い金属バナジウム粉末
が得られることを見出すとともに、こうして得られた酸
素含有量の低い金属バナジウム粉末を原料粉末として使
用することにより、きわめて酸素含有量の低いCr−V
スパッタリングターゲットが得られることを見いだし本
発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明のスパッタリングターゲ
ットは、実質的にCr(クロム)とV(バナジウム)か
らなる焼結合金を用いてなるスパッタリングターゲット
において、前記焼結合金を構成するV(バナジウム)及
びCr(クロム)粒子の粒径が250μm以下であり、
前記焼結合金のV(バナジウム)含有量が10〜50a
t%の範囲で、かつ、そのV(バナジウム)含有量をC
at%としたとき、前記焼結合金の酸素含有量が(0.
0028×C)wt%以下であることを特徴とするスパ
ッタリングターゲットである。
【0011】なお、本発明における焼結合金とは粉末冶
金法で作られた合金であり、完全融解を行わず、粉末を
焼結することにより得られる合金である。
【0012】また、焼結合金を構成するV粒子及びCr
粒子の粒径を250μm以下とすることにより放電特性
の安定性やパーティクル特性が良好なスパッタリングタ
ーゲットとを得ることができる。
【0013】さらに、一般に、焼結合金のV含有量が多
いほど、焼結合金の酸素含有量が増加するが、本発明の
スパッタリングターゲットは、焼結合金のV含有量が1
0〜50at%の範囲で、そのV含有量をCat%とし
たとき、焼結合金の酸素含有量が(0.0028×C)
wt%以下であるようにしたものである。
【0014】このような特徴を有するCr−V焼結合金
からなる本発明のスパッタリングターゲットは、例え
ば、粒径が250μm以下の従来のV粉末を無機酸を用
いて洗浄することにより得られる低酸素V粉末を原料粉
末として得られる焼結合金により作製することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに説明する。
【0016】本発明において低酸素V粉末を製造するた
めの原料として用いられる金属V粉末としては、例えば
Al−V合金の溶融塩電解法で得られた金属バナジウム
を、ボールミル,遊星ボールミル,スタンプミル,振動
ミル等により粉砕し、振動ふるい等により分級して得ら
れた粉末を使用できる。V粉末の粒度は粉末冶金法で製
造することを考慮し、60メッシュアンダーである事が
好ましい。原料粉末として60メッシュアンダー、すな
わち粒径250μm以下の微細なバナジウム粉末を用い
ることにより、得られるスパッタリングターゲットの放
電特性の安定性や、パーティクル特性が改善される。
【0017】本発明ではこれらのV粉末を無機酸にて洗
浄するが、使用する酸としてはフッ化水素酸、硝酸、塩
酸、硫酸またはこれらの2種類以上の混合酸を用いる事
ができる。特にフッ酸と硝酸を使用する場合、洗浄液を
加熱することは有効である。使用する酸の濃度は1wt
%以上、好ましくは5〜20wt%であり、洗浄温度は
10℃〜95℃が良い。洗浄時間は1分以上、好ましく
は2〜60分である。また洗浄に用いる酸の量は原料粉
末1重量部に対し酸0.5重量部以上、好ましくは1〜
3重量部である。
【0018】洗浄したV粉末の乾燥にはアルコール等で
数回洗浄した後、減圧乾燥や風乾する方法で行うことが
出来る。
【0019】上記により得られた粒径が250μm以下
のV粉末と粒径が250μm以下のCr粉末を混合し、
熱間静水圧プレス(HIP)法、ホットプレス(HP)
法等により1000℃以上の温度にて加圧焼結させるこ
とにより、Cr及びVの粒子径が250μm以下の微細
組織を有するCr−V焼結合金インゴットが得られる。
特に、ホットプレス法は焼成中に生じる混合粉末の酸化
を防止することができ、より低酸素の焼結合金を得るこ
とができる。
【0020】この焼結合金インゴットを研削加工等によ
り所定のターゲット形状に加工し、表面仕上げを行った
後、必要に応じてバッキングプレートに取り付けること
により本発明にかかるCr−Vスパッタリングターゲッ
トを作製することができる。
【0021】なお、原料粉末として用いるCr粉末は、
粒径が250μm以下で、できるだけ酸素含有量の少な
い粉末を用いることが好ましいが、例えば、酸素含有量
0.01〜0.02wt%程度の粉末は、例えば登録特
許2744867号に記載されている方法等により得る
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例をもってさらに詳細に
説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものでは
無い。
【0023】(実施例1)電解法により得られた樹枝状
金属バナジウムを、遊星ボールミルにより粉砕したのち
粒径が250μm以下に分級を行い、酸素含有量0.2
5wt%、Fe含有量0.07wt%の金属バナジウム
粉砕粉末を作製した。この粉砕粉末をフッ化水素酸(1
0wt%、25℃)にて撹拌洗浄を5min行ったの
ち、洗液を濾過により取り除いた。引き続きイオン交換
水により十分洗浄し、吸引ろ過により余分な水分を取り
除いた後、真空中で乾燥することにより、粒径が250
μm以下、酸素含有量が0.15wt%、Fe含有量
0.06wt%のV原料粉末を得た。得られたV原料粉
末に、粒径が250μm以下、酸素含有量が0.01w
t%、Fe含有量0.01wt%のCr粉末をV組成が
5〜60at%になるように調整し混合した。
【0024】これらの混合粉をゴム型に充填し、封止処
理を行い、CIP圧力が3000kg/cm2の条件に
より一次成形を実施した。この時の成形体の密度はCr
−Vの理論密度に対し相対密度が約75%であった。
【0025】この一次成形体をFe基材質からなる缶に
入れ、到達真空度1×10―3torr以下になるまで
脱気処理を行い封止したのち温度1200℃,圧力10
00kg/cm2の条件にてHIP処理を実施し相対密
度99%以上のCr−V焼結合金を得た。得られた焼結
合金を機械加工により整形してスパッタリングターゲッ
トを作製した。
【0026】(実施例2)実施例1により得られたV組
成が20at%の混合粉末をホットプレスにて温度14
00℃、荷重200kg/cm2、保持時間2hの条件
により、真空焼成し相対密度95%以上のCr−V焼結
合金を得た。得られた焼結合金を機械加工により整形し
てスパッタリングターゲットを作製した。
【0027】(実施例3)電解法により得られた樹枝状
金属バナジウムから、実施例1と同様の方法で金属バナ
ジウム粉砕粉末を作製した。得られた金属バナジウム粉
末を10wt%硝酸により75℃で5分間撹拌洗浄を行
った。この洗浄の際に発生する黒色スラリーをデカンテ
ーションによりある程度分離し、更に10wt%の硝酸
を加えて20分間攪拌することにより、黒色スラリーを
完全に溶解した。その後、洗浄・乾燥し、粒径が250
μm以下、酸素含有量が0.07wt%,Fe含有量
0.055wt%のV原料粉末を得た。
【0028】得られたV原料粉末に、粒径が250μm
以下、酸素含有量が0.01wt%のCr粉末をV組成
が20at%になるように調整し混合した。
【0029】この混合粉末をゴム型に充填し、封止処理
を行い、CIP圧力が3000kg/cm2の条件によ
り一次成形を実施した。この時の成形体の密度はCr−
Vの理論密度に対し相対密度が74%であった。
【0030】この一次成形体をFe基材質からなる缶に
入れ、到達真空度1×10―3torr以下になるまで
加熱脱気処理を行い封止したのち温度1200℃、圧力
1000kg/cm2の条件にてHIP処理を実施し相
対密度99%以上のCr−V焼結合金を得た。得られた
焼結合金を機械加工により整形してスパッタリングター
ゲットを作製した。
【0031】(実施例4)実施例1にて得られたV原料
粉末に、粒径が150μm以下、酸素含有量が0.02
wt%、Fe含有量0.03wt%のCr粉末をV組成
が20at%になるように調整し混合した。この混合粉
末をゴム型に充填し、封止処理を行い、CIP圧力が3
000kg/cm2の条件により一次成形を実施した。
この時の成形体の密度はCr−Vの理論密度に対し相対
密度が75%であった。この一次成形体をFe基材質か
らなる缶に入れ、到達真空度1×10―3torr以下
になるまで加熱脱気処理を行い封止したのち温度120
0℃、圧力1000kg/cm2の条件にてHIP処理
を実施し相対密度99%以上のCr−V焼結合金を得
た。得られた焼結合金を機械加工により整形してスパッ
タリングターゲットを作製した。
【0032】(実施例5)実施例3にて得られたV原料
粉末に、粒径が150μm以下、酸素含有量が0.02
wt%のCr粉末をV組成が20at%になるように調
整し混合した。この混合粉末をゴム型に充填し、封止処
理を行い、CIP圧力が3000kg/cm2の条件に
より一次成形を実施した。この時の成形体の密度はCr
−Vの理論密度に対し相対密度が75%であった。この
一次成形体をFe基材質からなる缶に入れ、到達真空度
1×10―3torr以下になるまで加熱脱気処理を行
い封止したのち温度1200℃、圧力1000kg/c
2の条件にてHIP処理を実施し相対密度99%以上
のCr−V焼結合金を得た。得られた焼結合金を機械加
工により整形してスパッタリングターゲットを作製し
た。
【0033】(比較例1)電解法により得られた樹枝状
金属バナジウムを、遊星ボールミルにより粉砕したのち
250μm以下に分級を行い、酸素含有量が0.25w
t%の金属バナジウム粉末を原料粉末としたこと以外は
実施例1と同様な方法にて相対密度99%以上のCr−
V焼結合金を得た。得られた焼結合金を機械加工により
整形してスパッタリングターゲットを作製した。
【0034】(比較例2)電解法により得られた樹枝状
金属バナジウムを、遊星ボールミルにより粉砕したのち
250μm以下に分級を行い、酸素含有量が0.25w
t%の金属バナジウム粉末を原料粉末としたこと以外は
実施例4と同様な方法にて相対密度99%以上のCr−
V焼結合金を得た。得られた焼結合金を機械加工により
整形してスパッタリングターゲットを作製した。
【0035】上記実施例1〜5並びに比較例1及び比較
例2にて作製したCr−Vスパッタリングターゲットを
構成する焼結合金の組織観察を実施したところ、いずれ
のターゲットにおいても、焼結合金を構成するCr粒子
及びV粒子の粒径が250μm以下であり微細な組織を
有していた。
【0036】これらのCr−Vスパッタリングターゲッ
トを構成する焼結合金の酸素含有量及びFe含有量をそ
れぞれガス分析装置(LECO社製)及びICP発光分
析装置(セイコー電子製)にて測定した。得られた測定
結果を表1に示す。さらに、これらの焼結合金のV含有
量(C)と酸素含有量の関係を図1に示す。
【0037】図1に示されるように、実施例1〜5のス
パッタリングターゲットは同一のV含有量で比較した場
合、比較例1及び比較例2に示すような従来のものに比
べ低酸素のスパッタリングターゲットであった。具体的
な酸素含有量としてはV含有量が10at%以上の組成
のものが0.0028×Cwt%以下(Cはat%で表
したV含有量)であった。
【0038】
【表1】
【0039】また、上記実施例1〜5並びに比較例1及
び比較例2のスパッタリングターゲットを使用して、磁
気ディスク媒体をDCマグネトロンスパッタリング装置
を用いて作製し、得られた磁気ディスク媒体の保磁力を
VSMにより評価した。得られた結果を表1に示す。な
お、磁気ディスクを作成するにあたり基板は3.5イン
チのNiPメッキ層を有するAl基板を使用した。BG
Pは4×10-7torrで成膜時のArガス圧は2mt
orrに設定した。成膜はCr−V,Co−13Cr−
11Pt(at%),Cと順次行ない膜厚はそれぞれ5
5nm,37nm,20nmとした。成膜時の基板温度
は280〜300℃であった。
【0040】表1に示されるように、同一のV含有量で
比較した場合、実施例1〜5のスパッタリングターゲッ
トを使用して作製した磁気ディスクの保磁力は、比較例
1及び比較例2のような従来のターゲットを使用して作
製した磁気ディスクに比べて5〜10%程度高い値を示
した。
【0041】今回の結果によりV含有量が5〜60at
%の範囲において、本発明のターゲットを用いて作製さ
れた磁気ディスクの保磁力は比較例の場合と比べ向上す
ることが明らかになった。しかしながらV含有量が60
at%のものについては同実施例におけるV含有量が5
0at%のものに比べ保磁力が低下しているため、V含
有量が50at%より大きい領域は実用的でない。ま
た、V含有量が5at%のものについては比較例におけ
るV含有量が5at%のものに比べ保磁力の増加は10
0エルステッド以下と小さい。これはCr含有量に比べ
てV含有量が少ないため低酸素V粉末を使用することに
よるCr−Vターゲットの酸素含有量低減効果が小さい
ことによるものである。したがって低酸素V粉末を使用
したCr−Vターゲット組成としてはV含有量が10〜
50at%の範囲とすることが実用的であり磁気特性向
上への効果も大きいといえる。
【0042】
【発明の効果】Cr−Vスパッタリングターゲットにお
いて、Vの粒径が250μm以下であり、酸素含有量が
0.0028×Cwt%以下(Cは焼結合金のV含有量
(at%))であるCr−Vスパッタリングターゲット
は、従来のターゲットに比べCr及びVの粒径が微細で
不純物としての酸化物が少ないため、スパッタリング時
の放電特性が安定し、パーティクル発生量を減少させる
ことができる。また、形成される薄膜中の酸素含有量を
減少させることができるので形成されるCr−V薄膜の
結晶性が向上し、そのCr−V薄膜上に形成される磁性
層の磁気特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例のスパッタリングタ
ーゲットのバナジウム含有量と酸素含有量の関係を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA40 BA20 BB04 BC08 CA23 EA16 HA08 KA29 4K029 AA02 BA21 BC06 BD11 CA05 DC04 DC09 FA07 5E049 AA10 BA30 GC02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にCrとVからなる焼結合金を用
    いてなるスパッタリングターゲットにおいて、前記焼結
    合金を構成するV及びCr粒子の粒径が250μm以下
    であり、前記焼結合金のV含有量が10〜50at%の
    範囲で、かつ、そのV含有量をCat%としたとき、前
    記焼結合金の酸素含有量が(0.0028×C)wt%
    以下であることを特徴とするスパッタリングターゲッ
    ト。
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