JP2001262327A - 磁気記録媒体形成用スパッタリングターゲット材および磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体形成用スパッタリングターゲット材および磁気記録媒体

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JP2001262327A
JP2001262327A JP2000075014A JP2000075014A JP2001262327A JP 2001262327 A JP2001262327 A JP 2001262327A JP 2000075014 A JP2000075014 A JP 2000075014A JP 2000075014 A JP2000075014 A JP 2000075014A JP 2001262327 A JP2001262327 A JP 2001262327A
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Hideo Murata
英夫 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い記録密度に対応できる面内、垂直の両方
式でも高い磁気特性、低ノイズ、記録安定性に優れた磁
気記録媒体の製造するためターゲット材と磁気記録媒体
を提供する。 【解決手段】 Co100−x−y−zNix1Pt
x2Crで示され、x=x1+x2、x1が11
〜30at%、x2が8〜30at%、xが25at%
以上、yが16〜28at%、zが2〜10at%でか
つ(y+z)が20at%以上の組成の磁気記録媒体形
成用スパッタリングターゲット材。このターゲット材を
用いてターゲット材と同一組成の磁性膜をもつ磁気記録
媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装
置、フロッピー(登録商標)ディスク装置等の磁気記録
装置に用いられる磁気記録媒体に用いられる磁性膜の製
造に用いられる磁気記録媒体形成用スパッタリングター
ゲット材と、それを用いて製造される磁気記録媒体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置等では磁性膜の
容易磁化方向を膜面内方向とした面内磁気記録方式が用
いられ、高密度記録化に伴い、再生感度の高い磁気抵抗
効果を用いた磁気ヘッド(MRヘッド)さらに高感度な
巨大磁気抵抗効果(GMR)ヘッドに適応した磁気記録
媒体が必要とされている。現在CoCrPtTa系の4
元系合金やこれにNbを添加した5元系合金を使用した
磁気記録媒体がIEEETrans.Magn.Vol
33,(1997)等に提案されている。高感度なM
R、GMRヘッドは磁性膜に高い保磁力とノイズの低減
が極めて重要な課題となっている。高い磁気特性を得る
ために、特開平4−221418号ではPtとBを含有
したCoCr系磁気記録媒体が、特開平5−20524
2号ではNi、Pt、Bを含有したCoCr系磁気記録
媒体提案されている。これらの面内磁気記録媒体では、
ノイズの低減化には、低い残留磁束密度(Br)とその
膜厚(t)との積(Br・t)を要求し、さらに磁性膜
の結晶粒の均一微細化が必要となっている。さらに、高
密度記録化するためには面内磁気記録方式ではなく磁性
膜の容易磁化方向を膜厚方向に向けた垂直磁気記録方式
が数多く提案されている。近年ではIEEE Tran
s.Magn.Vol35,(1999)においてはC
o−Cr−Pt−Moの磁性膜を用いた垂直磁気記録媒
体が、日本応用磁気学会誌、23,No.4−2(19
99)ではFe−PtやCo−Cr−Y等が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低ノイズ化のために磁
性膜結晶粒界における非磁性成分を増加させて磁性粒子
の磁気的な孤立性を高めた磁束密度の低い組成が用いら
れ、これにより磁気的なエネルギーが低下し、熱緩和に
伴う記録安定性が問題となっている。しかし、上記のC
oCrPt4元系、5元系の磁性膜では高い磁気特性と
低ノイズ性、記録安定性を維持することが難しい。ま
た、さらに高い記録密度に対応する垂直磁気記録には、
面内磁気記録用の磁性膜では高い磁気特性を得ることが
できないという問題があり、上述の新たな添加元素を加
えた磁性膜とする必要があり、これら上記の材質では信
頼性の確認が十分でなくすぐに実用化が難しいこと、さ
らに、ターゲット材を安定に製造することができない問
題点があった。本発明は上記課題を解決し、面内、垂直
の両方式でも高い磁気特性を得るのに好適なターゲット
材および磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するためにCoCr系合金に種々添加元素を加えた組
成のターゲット材を作製し、スパッタリングにより磁性
膜を形成しその特性を調査した。その結果、高い磁気特
性、低ノイズ性、記録安定性を有する面内、垂直の両方
に用いることが可能な磁気記録媒体が得られるスパッタ
リングターゲット材の組成とその組織を見いだしたもの
である。その組成は従来のCo−Cr系磁性膜にNiと
PtとBを含有させてその組成比を最適化したターゲッ
ト材を用いて、磁気記録媒体を形成することで可能とな
る。また、ターゲット材の組織である化合物の形態、結
晶配向性を最適化することで高い磁気特性と低ノイズ、
記録安定性を有する磁性膜を均一に安定的に形成するこ
とが可能となる知見を得ることができた。
【0005】即ち、本発明は、組成がCo
100−x−y−zNix1Ptx2Crで示さ
れ、x=x1+x2、x1が11〜30at%、x2が
8〜30at%、xが25at%以上、yが16〜28
at%、zが2〜10at%でかつ(y+z)が20a
t%以上を満たす磁気記録媒体形成用スパッタリングタ
ーゲット材である。
【0006】本発明のターゲット材においては、ターゲ
ット組織中に存在する、実質的にCo−Ni−Cr−B
からなる化合物相の連なる長さが100μm以下の磁気
記録媒体形成用スパッタリングターゲット材であること
が好ましい。
【0007】また、本発明のターゲット材のX線回折に
より確認できる回折線において、α−Co(111)/
(200)で示される強度比が2.7以上である磁気記
録媒体形成用スパッタリングターゲット材であることが
好ましい。
【0008】また、本発明の磁気記録媒体は、上述した
本発明のターゲット材を用いてスパッタリングにより形
成した膜を磁性膜とした磁気記憶媒体であることが好ま
しい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の磁気記憶媒体形成用スパッタリングターゲット
材の組成は、Ni濃度が11〜30at%、Pt濃度が
8〜30at%、Cr濃度が16〜28at%、B濃度
が2〜10at%とし、Ni濃度とPt濃度の和が25
at%以上、Cr濃度とB濃度の和が20at%以上で
ある。
【0010】Cr濃度を16〜28at%とするのは形
成された磁性膜が、16at%未満では磁性膜結晶粒界
におけるCr偏析による磁性粒子の磁気的な孤立性が不
十分となり、ノイズが増加するためであり、28at%
を超えると磁気特性の低下と記録安定性が著しく低下す
るため、高密度磁気記録媒体としては適さないためであ
る。
【0011】Ni濃度を11〜30at%とするのは1
1at%以下では磁気特性の向上効果が低く、30at
%以上では磁気特性が低下してしまうためである。ま
た、Pt濃度を8〜30at%とするのは8at%未満
では記録安定性の確保が難しく、30at%以上ではノ
イズが増加してしまうためである。
【0012】Ni濃度とPt濃度の和を25at%以上
とするのは、磁気特性の向上と熱安定性の両立を図るた
めである。また、Cr濃度とB濃度の和を20at%以
上とするのは20at%以下では高密度記録に対応する
低ノイズ性の維持が難しいためである。また、Ni濃度
とPt濃度の和は25〜40at%、Cr濃度とB濃度
の和は20〜32at%が望ましい。これらの組成を超
えるとターゲット材の塑性加工性が低下し、安定に製造
することができなくなるためである。
【0013】また、本発明のターゲット材は、その組織
中に存在する、実質的にCo−Ni−Cr−Bからなる
化合物相の連なる長さが100μm以下であることが好
ましい。Co−Ni−Cr−B化合物相の連なる長さが
100μm以下であることにより、割れの発生しないタ
ーゲット材を安定に製造することが可能となる。
【0014】さらに、Ni濃度とPt濃度の和を25a
t%以上とすることで、ターゲット材の組織を安定にα
−Co(111)/(200)で示される強度比を2.
7以上とすることが可能となり、膜特性の基板面内分布
を改善することが可能となる。
【0015】本発明のターゲット材の製造には、原料で
あるCo、Ni、Cr、Pt、B各金属原料、または合
金をあらかじめ製造したマスタ−原料を所定の割合に秤
量し、溶解、鋳造した後に熱間で塑性加工し、さらに機
械加工を施して種々組成のターゲット材を作製すること
が好ましい。
【0016】また、本発明は、磁気記録媒体形成用スパ
ッタリングターゲット材を用いてスパッタリングにより
形成する膜を磁性膜とした磁気記憶媒体とすることであ
る。さらに好ましくは、面内磁気記憶媒体、垂直磁気記
憶媒体の双方に用いられることが望ましい。磁性膜の膜
厚としては10nm〜30nmが好ましい。10nm以
下では急激に保磁力が低下し、30nm以上では高感度
なGMRヘッドの要求する低ノイズ性などの特性が得ら
れにくくなるためである。
【0017】本発明のターゲット材を用いてスパッタリ
ングにより形成される膜を面内磁気記録媒体の磁性膜と
する場合は、膜面内での磁気特性を改善する目的で、磁
性膜と併せて下地膜が用いられる。下地膜としては、一
般的に体心立方晶のCrやCrにTi、Mo等を加えた
Cr合金膜が用いられている。本発明のCo−Ni−C
r−Pt−B系磁性膜も、これらのCr合金下地膜を形
成することで、磁気特性を向上することが可能である。
さらにCr−W合金系下地膜を用いると、より磁気特性
の向上が著しいため好ましい。
【0018】その際のWの含有量としては10at%以
上35at%以下が好ましく、さらにTi、B等を5〜
10at%含有させると、磁性膜の磁気特性の改善とさ
らにノイズ低減により効果がある。下地層の膜の厚みは
1nm〜15nm、好ましくは2〜10nmとすること
が望ましい。このように数nm〜15nmの薄い下地膜
とすることで均一微細な下地膜を形成することが可能と
なり、その上に形成されるCoNiCrPtB磁性膜の
微細化を促進し、ノイズ低減に効果がある。
【0019】また、磁性膜のPt濃度が8〜30at%
であるので、前記の通り、高い磁気特性が得られるもの
である。さらに、Ni濃度とPt濃度の和が25%以上
であると、より記録安定性に優れたものとなる。さらに
25〜40at%範囲であることが好ましい。
【0020】本発明のターゲット材を用いてスパッタリ
ングにより形成される膜を磁性膜とした面内磁気記録媒
体の磁気特性としては、上記の磁性膜組成、下地膜組成
と膜厚とすることで、GMRヘッドが要求する高い磁気
特性である保磁力240kA/m以上、保磁力角形比S
が0.8以上、残留磁束密度膜厚積Br・tとして8
0emu/cc以下の高密度記録に対応できる特性を達
成できるものが望ましい。
【0021】また、本発明のターゲット材を用いてスパ
ッタリングにより形成される膜を垂直磁気記録媒体の磁
性膜とする場合は、一般的に膜面に垂直方向での磁気特
性を得るために、下地膜として軟磁性膜であるパーマロ
イ等が用いられたり、Ti−Cr合金膜等が用いられ
る。しかし、本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bター
ゲット材を用いて形成する磁性膜はこれらの下地膜上や
非晶質の膜上で膜面に垂直方向に高い磁気特性を得るこ
とが可能となり、高密度記録に対応できる磁気記録媒体
を安定に製造することが可能となる。
【0022】以上のように本発明のターゲット材は、現
在の面内磁気記録媒体、さらに高密度記録に対応する垂
直磁気記録媒体の安定かつ均一に製造することが可能と
なる。
【0023】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を詳細
に説明する。本発明はその範囲を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0024】ターゲット材を製造するために、Co−C
r合金、Co−B合金、Ni、Pt、Crを原料とし
て、所定の組成となるように秤量し、真空誘導溶解炉に
て溶解、鋳造した後に、熱間で塑性加工し、さらに機械
加工を施して所定のサイズに加工して、種々組成のター
ゲット材を作製した。このターゲット材をスパッタ装置
に取り付けた。磁気記録媒体用基板には一般的に用いら
れているNiPメッキ膜が形成されたAl合金基板(以
下Al合金基板)を用いた。その大きさは外径95mm、
内径25mm、厚み0.8mmのもので、鏡面研磨を行っ
たものを、一般に行われているテクスチャー処理を行い
使用した。この基板をスパッタ装置の基板ホルダーに取
り付けてスパッタ装置内に送り込み真空に排気し、基板
をヒーターにより約250℃に加熱した後に、Cr合金
下地膜、上記製造方法で作製したCo−Cr−Pt−N
i−B系磁性膜、保護膜であるカーボンを順次スパッタ
リングにより形成し、その後スパッタリング装置から取
り出し評価を行った。
【0025】スパッタリングにおいてはターゲット材の
組成と膜組成はほぼ等しく、面内磁気記録媒体のよう
に、下地膜にCrやCr合金を用いる場合膜組成の分析
は困難であるため、ターゲット材組成と膜特性の関係に
ついて以下検討した結果を報告する。
【0026】(実施例1)組成の異なるCo−Ni−C
r−Pt−Bのターゲット材を用いて、上記のように磁
性膜を形成し、その組成と磁気特性の関係について調査
を行った。Cr濃度を18at%、Pt濃度を8at
%、B濃度を4at%としてNi濃度を変化させた場合
の保磁力の変化を図1に示す。Ni濃度の増加に伴い保
磁力は増加し、10at%以上で保磁力の増加が著しく
30at%を超えると急激に低下することがわかる。
【0027】(実施例2)次にCr濃度について検討し
た。Co−Ni−Cr−Pt−B磁性膜において、Ni
濃度を25at%、Pt濃度を12at%、B濃度を6
at%としてCr濃度変化させた場合の磁気ディスクを
作製して、媒体のノイズと信号強度の比であるS/Nの
変化を求めた結果を図2に示す。Cr濃度の増加に伴い
S/Nが向上している。Cr濃度が増加すると磁束密度
が低下して出力は低下するが、それ以上に磁気特性の向
上とノイズ成分の低下によりS/Nは向上したと考えら
れる。しかし、Cr濃度が26at%を超えると急激に
S/Nが低下していることがわかる。
【0028】(実施例3)次にPt濃度依存性について
検討した。Co−Ni−Cr−Pt−B磁性膜において
Ni濃度を25at%、Cr濃度を20at%、B濃度
を6at%としてPt濃度変化させた場合の磁気ディス
クを作製して媒体の信号出力の温度による低下率を測定
した結果を図3に示す。Pt濃度が高くなると出力低下
率は低くなる。Pt濃度8at%以上、望ましくは10
at%以上で温度による出力低下が少ない安定した記録
が行えることがわかる。
【0029】(実施例4)Co−Ni−Cr−Pt−B
磁性膜においてCr濃度を20at%、B濃度を6at
%としてNi濃度とPt濃度を種々変化させた場合の磁
気ディスクを作製して、Ni濃度とPt濃度の和に対し
て、保磁力と信号出力の温度による低下率を測定した結
果を図4、図5に示す。Pt濃度は8at%以上につい
て検討した。Ni濃度とPt濃度の和が高くなると保磁
力は増加し、50at%で最大となりその後低下する。
出力低下率はNi濃度とPt濃度の和が25at%以
上、望ましくは30at%以上で出力低下は少なく安定
した記録が行えることがわかる。
【0030】(実施例5)Co−Ni−Cr−Pt−B
磁性膜においてNiを20at%、Ptを14at%と
してCr濃度とB濃度を種々変化させた場合の磁気ディ
スクを作製して、Cr濃度とB濃度の和に対して、S/
Nの変化を求めた結果を図6に示す。Cr濃度とB濃度
の和が増加するに伴い伴いS/Nが向上している。20
at%以上望ましくは22at%以上で30dBの高い
S/Nが得られていることがわかる。しかし30at%
以上ではS/Nは急激に低下するため、Cr濃度とB濃
度の和は20〜30at%の間が望ましい。
【0031】(実施例6)次にターゲット材の組織と製
造時の割れの発生と膜特性の関係について検討した。タ
ーゲット材組成は本発明のCo−30Ni−22Cr−
12Pt−6Bとして、所定の組成となるように原料を
秤量した後、種々の方法でターゲット材の製造を試み
た。
【0032】一般的な真空誘導溶解炉で溶解し、厚み5
0mm、幅200mm、高さ300mmの鋳型中に鋳造
した。その際の鋳造温度を1450℃、1550℃とし
て変化させて、その後1000℃で加熱した後厚みを3
0mmまで鍛造を行った。(以下、(1)とする) また、同様に鋳造した素材を1100℃で20時間加熱
後、厚みを20mmまで圧延を行った。(以下、(2)と
する) さらに、上記組成Co−30Ni−22Cr−12Pt
−6Bのインゴットを作製して、それをもとにガスアト
マイズ法により粉末を製造して、その粉末を金属製の容
器に充填し、450℃で真空脱気した後、熱間静水圧プ
レスで950℃、150MPaの圧力で焼結を行い、そ
の後1000℃に加熱して圧延を行った。(以下、(3)
とする)
【0033】表1にターゲット製造時の割れの有無、ス
パッタした磁性膜の基板間の保磁力変動と、作製したタ
ーゲット材のミクロ組織を観察し、Co−Ni−Cr−
B化合物の最大長について示す。
【0034】
【表1】
【0035】ターゲット材の製造方法と必ずしも明確な
関連はないが、化合物の最大長が100μm以上となる
とターゲット材が割れやすくなり製造できないととも
に、基板内の保磁力分布が大きくなってしまうことがわ
かる。このように、この化合物は非常に脆く、化合物が
分散していない場合、化合物相の部分での破断によりタ
ーゲット材が製造できなかったり、基板間の膜特性が大
きく変動してしまう。このため、この一つの化合物の長
片での最大長さは100μm以下とすることが望まし
い。さらに、均一な膜特性を得るためには図7に示すよ
うにCo−Ni−Cr−B化合物が分散した組織とする
ことがさらに望ましい。なお、図7において、黒色の部
分はCo−Ni−Cr−B化合物相であり、また、白色
の部分はCo−Ni−Cr−Pt相である。
【0036】(実施例7)次にターゲット材組成をCo
−25Ni−18Cr−10Pt−4Bとして、(実施
例6)と同様に溶解−鋳造法でインゴットを作製した。
その後、1100℃で加熱し圧延した後に、それぞれ8
00℃、900℃、1050℃で1時間の熱処理を行
い、ターゲット材を製造した。(以下、(4)とする) また、ガスアトマイズ法により上記インゴットから粉末
を製造して、その粉末を金属製の容器に充填し、450
℃で真空脱気した後、熱間静水圧プレスで950℃、1
50MPaの圧力で焼結を行い、ターゲット材を製造し
た(以下、(5)とする)。上記方法により製造したター
ゲット材について、ターゲット材の結晶性と膜特性の関
連について検討した。ターゲット材をX線回折装置によ
り各回折線を確認した。その際のX線回折強度比として
α−Co(111)/(200)を測定し、その強度比
と膜特性の中の磁性膜の基板内での保磁力変動の関係を
表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】製造方法との明確な相関はないが、強度比
が2.7以上となると基板内保磁力分布が少なくなり均
一な特性となっていることがわかる。このように、(1
11)/(200)強度比を2.7以上とすることで均
一な膜特性を得ることが可能となる。
【0039】(実施例8)Co−20Cr−6Pt−4
Ta、Co−24Cr−10Pt−6B、と本発明例の
Co−25Ni−18Cr−10Pt−4B、Co−2
0Ni−23Cr−14Pt−6Bのターゲット材を用
いて、実施例1と同様に15nmの厚さのCr−20W下地
膜上にCoCr系磁性膜を20nm形成した場合の膜面
内での保磁力とNi−Ta−Mo膜上にCoCr系磁性
膜を形成した際の膜面に垂直方向の保磁力を測定した結
果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】本発明の組成範囲にあるCo−Ni−Cr
−Pt−Bターゲット材を用いて磁性膜を形成すると面
内、垂直のいずれの場合でも高い磁気特性が得られてい
ることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明のターゲッ
ト材を用いれば、高い磁気特性と低ノイズ、記録安定性
に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となり、産
業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材を用いて形成した磁性膜のNi濃度と磁気特性の関
係を示す図である。
【図2】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材を用いて形成した磁性膜のCr濃度とS/Nの関係
を示す図である。
【図3】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材を用いて形成した磁性膜のPt濃度と再生出力低下
率の関係を示す図である。
【図4】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材を用いて形成した磁性膜のNi濃度とPt濃度の和
と磁気特性の関係を示す図である。
【図5】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材を用いて形成した磁性膜のNi濃度とPt濃度の和
と再生出力低下率の関係を示す図である。
【図6】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材を用いて形成した磁性膜のCr濃度とB濃度の和と
S/Nの関係を示す図である。
【図7】本発明のCo−Ni−Cr−Pt−Bターゲッ
ト材の代表的組織を示す金属ミクロ組織写真(倍率:1
00倍)である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成がCo100−x−y−zNix1
    Ptx2Crで示され、x=x1+x2、x1が
    11〜30at%、x2が8〜30at%、xが25a
    t%以上、yが16〜28at%、zが2〜10at%
    でかつ(y+z)が20at%以上を満たすことを特徴
    とする磁気記録媒体形成用スパッタリングターゲット
    材。
  2. 【請求項2】 ターゲット組織中に存在する、実質的に
    Co−Ni−Cr−Bからなる化合物相の連なる長さが
    100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載
    の磁気記録媒体形成用スパッタリングターゲット材。
  3. 【請求項3】 X線回折により確認できる回折線におい
    て、α−Co(111)/(200)で示される強度比
    が2.7以上であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の磁気記録媒体形成用スパッタリングターゲット
    材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載のターゲ
    ット材を用いて、スパッタリングにより形成した膜を磁
    性膜としたことを特徴とする磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004001093A1 (ja) * 2002-06-24 2003-12-31 Kobelco Research Institute, Inc. 銀合金スパッタリングターゲットとその製造方法
CN100373459C (zh) * 2003-05-29 2008-03-05 日立环球储存科技荷兰有限公司 磁记录介质

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