JPH06104120A - 磁気記録媒体用スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用スパッタリングターゲットおよびその製造方法

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JPH06104120A
JPH06104120A JP5093608A JP9360893A JPH06104120A JP H06104120 A JPH06104120 A JP H06104120A JP 5093608 A JP5093608 A JP 5093608A JP 9360893 A JP9360893 A JP 9360893A JP H06104120 A JPH06104120 A JP H06104120A
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magnetic recording
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Shigeru Taniguchi
繁 谷口
Akira Kawakami
章 川上
Hideo Murata
英夫 村田
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Hitachi Metals Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • C23C14/3407Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
    • C23C14/3414Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C19/00Alloys based on nickel or cobalt
    • C22C19/07Alloys based on nickel or cobalt based on cobalt
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    • Y10S72/00Metal deforming
    • Y10S72/70Deforming specified alloys or uncommon metal or bimetallic work

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグネトロンスパッタリング時の漏洩磁束を
確保できると共に異常放電が発生しにくく、かつ生成す
る磁性膜に優れた磁気特性と記録再生特性が得られる磁
気記録媒体用スパッタリングターゲットおよびその製造
方法を提供する。 【構成】 本発明のターゲットは、化学組成が原子%
で、Ni 5〜30%、Cr 5〜14%、V 6%以下、残部Coと不
可避的不純物からなる合金であって、好ましくは平均結
晶粒径が300μm以下、最大透磁率が100以下のスパッタ
リングターゲットである。また好ましくはターゲットに
加工歪を残留させ、最大透磁率を低くする。また本発明
の製造方法は、上記化学組成の合金に温間または冷間加
工処理を施すことを特徴とする磁気記録媒体用スパッタ
リングターゲットの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパッタリングにより磁
気記録媒体用のCo合金系磁性層を形成するために使用
されるスパッタリングターゲットおよびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置では、磁気記録媒体に
微小間隔で磁気ヘッドを対向させ、磁気記録媒体に磁気
的に記録し、また、記録された磁気情報を磁気ヘッドで
読み取ることで記録再生するようになっている。磁気記
録媒体は基板上に下地膜を介し、もしくは基板に直接、
Co-Ni-Cr、Co-Cr-Ta、Co-Cr-Pt等からなる磁
性膜が成膜されており、最近では磁気記録媒体を高密度
記録化に対応させるために、磁性膜の保磁力を大きくす
ることやノイズを低減することが種々提案されている。
【0003】前記の高密度記録用の磁性膜の組成とし
て、例えば特開昭1−25617号公報には、磁性膜を
Co-Cr-Ta-Ptの四元素合金で作成した磁気記録媒体
が開示されている。そして、Pt添加量 1〜15原子%で保
磁力が約1200 Oeより大きく、また角型比が0.8以上にな
るとしている。また、第12回 日本応用磁気学会 学術
講演概要集 P23(1988年)には、磁性膜としてCo-20原子
%Ni-10原子%Crに対し、Vを添加することで飽和磁化
があまり減少せず、保磁力が向上することが発表されて
いる。ここでは、磁性膜にVを1%添加することにより、
保磁力が1000 Oeから1500 Oeに向上するとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Co-
Ni-Cr系にVを添加した磁性膜は、飽和磁化をあまり
減少せずに保磁力を増加できるものである。従来、この
磁性膜を得るには、上述の日本応用磁気学会 学術講演
概要集に示されるように、Co-Ni合金上にNi,Cr,
Vのペレットをはめ込んだ、いわゆる複合ターゲットを
用いて、マグネトロンスパッタリング装置により成膜す
る方法がとられている。しかし、このようなターゲット
をマグネトロンスパッタリングに使用すると、ペレット
間でスパッタリング速度に差が生じるので、ペレットの
境界で形状的な段差を生じ、この部分に異常放電が発生
し、膜厚がばらつきやすく、再生出力が変動するという
問題がある。また、異常放電の発生は、磁性膜中に異物
粒子(一般にパーティクルと呼ばれているもの)が付着
する原因にもなり磁気ディスクのエラー数を増加させる
ため、好ましくないものであった。
【0005】また、上述した複合ターゲットのベースと
なるCo-NiあるいはCo-Ni-Cr合金を通常の真空溶解
−熱間圧延によって製造すると結晶粒が平均結晶粒径で
400μm程度の大きいものしか得られない。スパッタリン
グの速度は、ターゲット組織の結晶粒の持つ結晶方位に
も依存し、結晶粒径が大きいと結晶の境界で段差を生ず
ることになる。この段差も上記と同様に異常放電の原因
となるので、小さい結晶粒径のターゲットが望まれてい
た。
【0006】また、Co-Ni系の合金は、fcc構造を
持つ磁性体で最大透磁率が高くなるので、マグネトロン
スパッタリングに欠かせないターゲット表面への漏洩磁
束を確保しにくい。そのため、ターゲット表面に十分な
漏洩磁束を得られるターゲットの開発が望まれている。
本発明の目的は、マグネトロンスパッタリング時の漏洩
磁束を確保できると共に異常放電が発生しにくく、かつ
生成する磁性膜に優れた磁気特性と記録再生特性が得ら
れる磁気記録媒体用スパッタリングターゲットおよびそ
の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、溶解法ある
いは焼結法で製造したVを合金元素として含有したCo-
Ni-Cr-V合金が、Vを含有しない合金に比べ、結晶粒
を著しく微細化できることを見出し、複合ターゲットに
する必要もなく、一枚の均一厚みのターゲットとするこ
とができるので、スパッタリング時の異常放電を大幅に
減少でき、磁気ディスクのエラー数を少ないものとする
ことができることを見出した。すなわち、本発明は化学
組成が原子%で、Ni 5〜30%、Cr 5〜14%、V 6%以
下、残部Coと不可避的不純物からなる合金であること
を特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲット
である。
【0008】本発明のターゲットは、Vを合金元素とし
て含有することにより、好ましくは平均粒径が300μm以
下の微細な結晶粒を有する合金組織のターゲットとする
ことができ、スパッタリング時のターゲット表面の段差
の発生を少なくでき、生成する磁性膜中に異物粒子が発
生するのを抑えることができるものである。また、結晶
粒の微細化によりターゲットの透磁率が下がり、最大透
磁率を100以下さらに好ましくは最大透磁率を50以下と
することができ、マグネトロンスパッタリングに好適な
漏洩磁束が得られるスパッタリングターゲットとなるの
である。本発明のターゲットの製造方法としては、Co-
Ni-Cr-V合金を溶製して鋳造するか、さらに合金イン
ゴットを熱間圧延し、これを放電加工等によってターゲ
ット形状に加工することにより得ることができる。
【0009】また、Co,Ni,Cr,Vの単体もしくはこれ
らの元素の2種以上の組合せからなる合金粉をNi 5〜3
0%、Cr 5〜14%、V 6%以下、残部Coとなるように配合
し、これを加圧焼結しても得ることができる。加圧焼結
により製造すると、V添加の微細化効果がより促進され
好ましいターゲットとなる。この加圧焼結によって製造
する場合、焼結合金インゴットを熱間圧延して、これを
放電加工等によってターゲット形状に加工してもよい。
上述した鋳造合金インゴットあるいは焼結合金インゴッ
トを熱間圧延して得る方法は、大型のインゴットから多
数のターゲットを得る方法として優れている。
【0010】また、上記鋳造または焼結インゴットから
直接または熱間加工を経て、さらに温間または冷間加工
を行ない、ターゲットに加工歪を残留させる、言い換え
れば内部応力を残留させるとVの結晶粒微細化効果と相
俟ってターゲットの最大透磁率を50以下に低くすること
ができ、マグネトロンスパッタリングターゲットとして
特に好ましいものとなる。したがって、本発明ではター
ゲット全体が実質的に4元素からなる合金ターゲットで
あることを特徴としており、その製造方法は特には限定
されない。しかし、最大透磁率をできるだけ低くするた
めに、加工歪を残留させる目的で温間または冷間加工が
付与されている製造方法が本発明の他の特徴でもある。
【0011】
【作用】次に合金組成の限定理由を述べる。Vは本発明
の最も重要な元素であり、ターゲットの結晶粒を微細化
し、スパッタリング時の異物粒子の発生を抑えると共
に、ターゲットの最大透磁率を下げ、マグネトロンスパ
ッタリングに必要な漏洩磁束が確保するものである。ま
た、Vは生成する磁性膜の保磁力およびS/N比を向上
させる効果がある。Vは少量の添加でも結晶粒を微細化
する効果があるが、好ましくは1.0%原子以上とすること
により、ターゲットの平均結晶粒径を大幅に小さくする
ことができ、また生成磁性膜の保磁力およびS/N比を
著しく向上させることができる。また、V量を6原子%を
越えて含有させても、ターゲットの平均結晶粒径をさら
に小さくする効果はなく、Vの含有量の増加によって磁
性膜の特性である再生出力が低下する一方である。その
ため、本発明においてV量は6%原子以下と規定した。
【0012】Niは、5原子%未満では磁性膜の保磁力が
低下し、30原子%を越えると再生出力が低下するため、5
〜30原子%に規定した。Crは、5原子%未満では磁性膜の
保磁力が低下し、14原子%を越えると再生出力が低下す
るため5〜14原子%に規定した。
【0013】
【実施例】
(実施例1)Co73-XNi20Cr7・VXの組成であり、X
の値を0〜13まで変えた合金インゴットを真空溶解と真
空鋳造により得た。この合金インゴットを1130℃に加熱
して熱間圧延を行ない板材とした後、機械加工によって
130×460×5t(mm)の大きさのターゲットを得た。得られ
たターゲットのV量とターゲットの平均結晶粒径および
最大透磁率の関係を調査した結果を図1に示す。なお、
図1において○は最大透磁率、△は平均結晶粒径を示
す。また、Vを2原子%含む本発明のターゲットの金属組
織写真とVを含まないターゲットの金属組織写真をそれ
ぞれ図2および図3に示す。図1ないし図3に示すよう
に、Vの添加による結晶粒微細化は著しいものであっ
た。また、平均結晶粒径が小さくなるにしたがって、タ
ーゲットの最大透磁率を低いものとすることができるこ
とがわかる。得られたターゲットを銅製のパッキングプ
レートにインジウムろうによって接合し、スパッタリン
グによる磁性膜の特性を評価した。
【0014】まず、マグネシウムを4重量%含有するアル
ミニウム合金からなる基板の表面を旋削加工により平滑
に研磨し、外径 95mm、内径 25mm、厚み 1.27mmの基板
とした。次のこの基板の表面にNi-P合金からなるメッ
キ膜を5〜15μmの厚さに形成する。上記のようにして被
着したメッキ膜の表面を平滑にするとともに磁気ヘッド
もしくはスライダとの吸着を防止するためのテクスチャ
ー加工を施した。このテクスチャー加工により、磁気記
録媒体の起動時および停止時における磁気ヘッドもしく
はスライダとの接触摺動特性(CSS)を確保した。
【0015】この基板をDCマグネトロンスパッタリン
グ装置に導入し、初めにCr下地膜をスパッタ室内を1×
10マイナス6乗Torr以下に排気後、基板を250℃に30分間
加熱し、Arガスを導入してスパッタ室内を1×10マイナ
ス2乗Torrに保持し、投入電力 1750W、成膜速度 40nm/
分の条件により、膜厚 100nmに成膜した。次にこの下地
膜の上に、本発明のCoNiCrV合金でなるスパッタリ
ングターゲットにより、投入電力 1820W、平均成膜速度
76nm/分の条件で50nmの膜厚に磁性膜を成膜した。この
磁性膜のスパッタ時には基板に-200Vのバイアス電圧を
印加した。また、保護膜は、投入電力 1200W、成膜速度
8nm/分の条件で前記磁性膜上に25nmの膜厚で成膜し
た。
【0016】それぞれのターゲットについて、ターゲッ
トへの投入電力と使用時間の積である使用電力量を96kW
・hrまで使用した時のターゲットの重さの減量よりター
ゲットの使用効率を求めた。結果を図4に示す。図4お
よび図1よりVを合金として含有させることによって、
最大透磁率を減少し、これによりターゲットの使用効率
が向上していることが明らかとなった。また、このよう
にして得られた磁気記録媒体の保磁力(Hc)、飽和磁束
密度(Bs)、再生ヘッド出力、ディスクノイズの関係を
図5に示した。図5からわかるように、Vを添加してい
くと保磁力は増加していくが、飽和磁束密度は減少して
いくことがわかる。ディスクノイズは、Vの添加量の増
加とともに減少していくことがわかる。しかし、再生出
力は、添加量 6%以下の範囲で200μV以上の大きな出力
が得られているが、それ以上の添加量では減少している
ことがわかる。
【0017】(実施例2)Co65.2Ni24Cr91.8
組成(原子%)を有し、平均結晶粒径 171μm、最大透
磁率 68、寸法130×460×5t(mm)の合金ターゲットを実
施例1と同様に製造した。また、比較例としてCo66
25Cr9の組成(原子%)を有し、最大透磁率226、寸
法130×460×5t(mm)の合金ターゲットを実施例1と同様
に製造した。このターゲット表面に99.9%以上の純度を
有する5×5×1t(mm)のVチップを貼り付け複合ターゲッ
トとした。これらのターゲツトを用いて、実施例1と同
様のスパッタリングを行ない、外径 95mmの磁気記録媒
体を有する磁気ディスクを作成した。得られた95mm径の
磁気ディスクの半径の1/2の円周上で等間隔で8点の分析
を行ない、Vの組成のばらつきを調査した。結果を表1
に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、本発明の合金スパッタ
リングターゲットによって得られた膜は、Vの濃度にば
らつきが少なく、均一な膜組成となったことがわかる。
次に得られた磁気記録媒体を有する磁気ディスクの記録
再生特性を測定し、記録した信号ビットの欠損数である
エラー数を測定したところ、本発明の合金ターゲットに
より得られた磁気記録媒体のエラー数は4であったのに
対し、比較例の複合ターゲットにより得られた磁気記録
媒体においては73であった。また、これらの磁気記録媒
体のディスク円周方向の再生出力の変動率(モジュレー
ション)は、本発明の合金ターゲットによれば7%、比較
例の複合ターゲットによれば31%であり、本発明の合金
ターゲットによれば安定した出力が得られることがわか
った。
【0020】(実施例3)Co92-XNiXCr53とCo
89-XNiXCr83のCrを5原子%または8原子%含み、Xの
値を0〜35%まで変えた合金ターゲットを実施例1と同様
に作製した。これらのターゲットを用いて実施例1と同
様に磁気記録媒体を作製し、磁気記録媒体の磁性膜の保
磁力(Hc)および飽和磁束密度(Bs)を測定した。結果を
図6に示す。図6より保磁力は、Crが5原子%の時、Ni
が5〜30原子%で800 Oe以上となり、Crが8原子%の場合
は1200 Oe以上になり、特にNi含有量が25原子%で最高
になり、20〜30原子%で大きな保磁力となった。また、
飽和磁束密度Bsは、Ni含有量が30原子%、0.95(T)とな
り、Ni含有量が減少するほど大きくなり、Crの含有量
が5%と少ない方が大きな飽和磁束密度となった。このた
め、Ni含有量は、5〜30原子%の範囲が保磁力と飽和磁
束密度にとって望ましいことがわかる。
【0021】(実施例4)Co76-XNi20CrX4および
比較例としてCo80-XNi20CrXでXの値を0〜18まで変
えた合金ターゲットを実施例1と同様に作製した。これ
らのターゲットを用いて実施例1と同様に磁気記録媒体
を作製し、磁気記録媒体の磁性膜の保磁力(Hc)および飽
和磁束密度(Bs)を測定した。結果を図7に示す。図7
よりわかるように、Cr含有量が多いほど保磁力は大き
くなり、Vを含有するとCrが5原子%以上で特に著しい
保磁力の増加が見られる。一方、Crが14原子%を越える
と保磁力の増加がほとんどなくなる。また、飽和磁束密
度は、Cr含有量の増加とともに低下していくため、多
量に含有させるのは好ましくないことがわかる。このた
め、Cr含有量は5〜14原子%の範囲が望ましいことがわ
かる。
【0022】(実施例5)組成を原子%で、Ni 20%、C
r 7%、V 2%、残部Coとし、真空溶解、真空鋳造後、11
30℃に加熱して、熱間圧延を行なった。この時の圧延の
終了温度は900℃であった。この時の最大透磁率を測定
したところ68であり、平均結晶粒径は216μmであった。
熱間圧延終了後、さらに室温で13%の冷間圧延を施し、
機械加工を行ない実施例1と同じ形状のターゲットを得
た。ターゲットの最大透磁率を測定したところ8となっ
た。
【0023】また、同様の組成で真空溶解、真空鋳造を
行なった材料を、1130℃に加熱して熱間圧延を開始し、
圧延の終了温度を500℃の温間圧延領域とした。すなわ
ち、最終的には温間圧延を実施したことになる。得られ
た圧延材を機械加工して実施例1と同じ形状のターゲッ
トとした。このターゲットの最大透磁率は10であり、平
均結晶粒径 184μmであった。これらのターゲットは、
冷間あるいは温間の加工により、ターゲットに加工歪を
残留させることができるため、低い最大透磁率が達成で
きたものである。
【0024】(実施例6)組成を原子%でNi 20%、Cr
7%、V 2%、残部Coとしてアトマイズ粉を作製し、得ら
れた120メッシュアンダーの合金粉末を軟鋼(S15C)
で作った金属容器内に充填し減圧下で封止した後、熱間
静水圧プレスによって、温度 1200℃、圧力 1000気圧で
焼結した。この焼結インゴットを1130℃に加熱して熱間
圧延を行なった後、機械加工を行ない実施例1と同じ形
状のターゲットを得た。得られたターゲットの最大透磁
率は38、平均結晶粒径 113μmであった。これより、実
施例4の鍛造−熱間圧延ままの透磁率よりも低く、平均
結晶粒径も小さくなり、マグネトロンスパッタリングに
とっては、溶製合金を熱間圧延したターゲットよりも焼
結してから熱間圧延したターゲットの方が好ましいもの
となることがわかる。
【0025】また、同様に作製した焼結インゴットを11
30℃に加熱して熱間圧延を行ない、次いで室温で13%の
冷間圧延を施し、これを機械加工して実施例1と同形状
のターゲットとした。このターゲットの最大透磁率は
7、平均結晶粒径は108μmであった。これより、焼結合
金からターゲットを得る場合でもターゲット中に加工歪
を残留させることができ、ターゲットの最大透磁率を低
下することができることがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、Vの結晶粒微細化効果
により、ターゲットの最大透磁率を下げることができ、
マグネトロンスパッタリング時の漏洩磁束を確保でき
る。また、本発明のCo-Cr-Ni-V合金は、本発明の製
法によって均一な組成の一枚のターゲットに製造できる
ので、Vによる結晶粒微細化効果とあいまって異常放電
が発生しにくく、かつ生成する磁性膜として優れた磁気
特性と記録再生特性が得られる磁気記録媒体を提供でき
るものである。さらに、ターゲットに加工歪を残留させ
れば、Vの結晶粒微細効果とあいまって最大透磁率を50
以下とすることが可能となり、マグネトロンスパッタリ
ングにとって極めて好ましいターゲットとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリングターゲットのV量と透
磁率および平均結晶粒径の関係を示す図である。
【図2】本発明のスパッタリングターゲットの金属組織
写真である。
【図3】比較例のスパッタリングターゲットの金属組織
写真である。
【図4】本発明のスパッタリングターゲットの使用効率
を示す図である。
【図5】本発明のスパッタリングターゲットによって生
成した磁性膜のターゲットのV量と保磁力、飽和磁束密
度、再生出力、およびディスクノイズの関係を示す図で
ある。
【図6】本発明のスパッタリングターゲットによって生
成した磁性膜のターゲットのNi量と保磁力および飽和
磁束密度の関係を示す図である。
【図7】本発明のスパッタリングターゲットによって生
成した磁性膜のターゲットのCr量と保磁力および飽和
磁束密度の関係を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が原子%で、Ni 5〜30%、Cr
    5〜14%、V 6%以下、残部Coと不可避的不純物からなる
    合金であることを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリ
    ングターゲット。
  2. 【請求項2】 ターゲットに加工歪が残留していること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用スパッタ
    リングターゲット。
  3. 【請求項3】 平均結晶粒径が300μm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用スパッタリ
    ングターゲット。
  4. 【請求項4】 最大透磁率が100以下であることを特徴
    とする請求項1に記載の磁気記録媒体用スパッタリング
    ターゲット。
  5. 【請求項5】 化学組成が原子%で、Ni 5〜30%、Cr
    5〜14%、V 6%以下、残部Coと不可避的不純物からなる
    合金に温間または冷間加工処理を施すことを特徴とする
    磁気記録媒体用スパッタリングターゲットの製造方法。
JP5093608A 1992-08-03 1993-03-29 磁気記録媒体用スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Pending JPH06104120A (ja)

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Cited By (3)

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